JP7379220B2 - ドアセットおよび換気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ドアセットおよび換気装置に関する。さらに詳しくは、気密状態と換気状態とを切り換える換気機能を備えたドアセットおよび換気装置に関する。
近年の居住用建物は、居住環境の向上を目的として、外部の気候が屋内環境に与える影響が少なくなるような構造が採用されている。例えば、高断熱性と高気密性、遮音性を実現できる構造が一般化している。
このような建物の場合、建物内部(室内)の自然換気がほとんど期待できなくなるため、換気するための設備や機構を、建物自体またはその附属品である扉などに設けて、室内を換気できるようにする必要がある。特にマンションの場合、玄関ドアが取り付けられる界壁部はリビング側の界壁部に比べて換気レジスター(通風口)が取り付けられる場所が少ないため、玄関ドアにも換気機能が求められつつある。特に24時間換気が義務付けとなってからは、玄関ドアの内外での吸気と排気のバランスが崩れドアが開けにくい等の弊害も出ており、玄関ドアにおける換気機能の重要性が高まっている。
従来、室内を換気する方法として、扉に通気機構を設けることが行われている。具体的には、扉の内面と外面にそれぞれガラリ窓を設けて、扉内にガラリ窓間を連通する通気通路を設けることが行われている。しかし、かかるガラリ窓を設けて換気をおこなっているドアは、扉の室内側の面にも大きな穴があいており、ドアの内観を著しく損なっている。また、子供等がその穴でケガをする危険性を有している。
室内の気密性を維持でき、しかも、換気機能を設けたドアセットが特許文献1、2に開示されている。特許文献1、2のドアセットは、いずれも戸枠に設けられたパッキン部材を扉の表面に接近離間できるように設けている。このため、パッキン部材を扉の表面に接近させれば、扉と戸枠との間の隙間を遮断してドアの内外を遮断することができる。一方、パッキン部材を扉の表面から離間させれば、扉と戸枠との間の隙間を通してドアの内外を通気することができる。
特開2005-23605号公報 特開2016-138380号公報
しかるに、特許文献1のドアセットの場合、パッキンが取り付けられている部材全体を一旦戸枠から取り外してから再度戸枠に取り付ける作業が必要であり、連通遮断を切り替える作業に非常に手間がかかる。
一方、特許文献2のドアセットの場合、簡単に連通遮断を切り替えることができるという点で優れている。しかし、パッキンが取り付けられている部材全体を移動させて連通遮断を切り替える構造となっているため、パッキンが取り付けられている部材を移動させる機構の部品点数が多くなる。
本発明は上記事情に鑑み、気密性を維持しつつ換気を容易に行うことができ、しかも、換気機構の部品点数を少なくすることができるドアセットおよび換気装置を提供することを目的とする。
<ドアセット>
第1発明のドアセットは、扉を閉じた状態において、戸枠の戸当たりと前記扉との間の隙間を遮蔽開放する換気機構を備え、該換気機構は、前記扉に対して離間可能に設けられた遮蔽部材と、該遮蔽部材を移動させる操作部と、を備えており、前記遮蔽部材は、戸当たりの長手方向に沿った方向における第一端部は前記扉の表面と交差する方向への移動が固定され、該第一端部を支点として、該第一端部と第二端部との間の部分が前記扉の表面と交差する方向に移動する可動プレートを備えていることを特徴とする。
第2発明のドアセットは、第1発明において、前記可動プレートは、第一端部に、前記戸枠に着脱可能に連結される第一連結部を備えていることを特徴とする。
第3発明のドアセットは、第2発明において、前記戸枠には、前記可動プレートの第一連結部が係合される、前記戸枠の戸当たりの表面と平行な第一連結軸を備えており、前記可動プレートの第一連結部は、該可動プレートの裏面に設けられた、該可動プレートの第二端部側に前記第一連結軸が係合される連結溝を有する第一連結部材を備えていることを特徴とする。
第4発明のドアセットは、第1、第2または第3発明において、前記可動プレートは、前記第二端部は前記扉の表面と交差する方向への移動が固定されており、前記第一端部と前記第二端部との間で、前記扉の表面と交差する方向において該扉の表面から離間する方向に湾曲し得るプレートであることを特徴とする。
第5発明のドアセットは、第4発明において、前記可動プレートは、第一端部および第二端部に、前記戸枠に着脱可能に連結される第一連結部及び第二連結部をそれぞれ備えていることを特徴とする。
第6発明のドアセットは、第5発明において、前記戸枠には、前記可動プレートの第一連結部及び第二連結部が係合される、前記戸枠の表面と平行かつ互いに平行な第一連結軸および第二連結軸を備えており、前記可動プレートの第一連結部は、該可動プレート裏面に設けられた、該可動プレートの第二端部側に前記第一連結軸が係合される連結溝を有する第一連結部材を備えており、前記可動プレートの第二連結部は、該可動プレートの裏面に設けられた、前記第一連結部材の連結溝と同じ側に前記第二連結軸が係合される連結溝を有する第二連結部材を備えていることを特徴とする。
第7発明のドアセットは、第1、第2、第3、第4、第5または第6発明において、前記可動プレートは、裏面に係合片を有しており、前記操作部は、前記可動プレートの係合片と係合する係合部材と、該係合部材を前記扉の表面と交差する方向に移動させる移動部材と、を備えており、該移動部材は、前記戸枠の戸当たりの表面と平行な揺動軸周りに揺動可能に設けられており、前記揺動軸から離間した位置に前記係合部材が連結されていることを特徴とする。
<換気装置>
第8発明の換気装置は、戸枠に設置される換気装置であって、一対の側板を有するフレームと、該フレームの一対の側板間に配置される遮蔽部材と、該遮蔽部材を移動させる操作部と、を備えており、前記遮蔽部材は、前記フレームの長手方向に沿った方向における第一端部が該フレームの一対の側板の表面と平行な方向への移動が固定され、該第一端部を支点として、該第一端部と第二端部との間の部分が前記フレームの一対の側板の表面と平行な方向において該フレームの内方に移動する可動プレートを備えていることを特徴とする。
第9発明の換気装置は、第8発明において、前記可動プレートは、第一端部に、前記フレームに着脱可能に連結される第一連結部を備えていることを特徴とする。
第10発明の換気装置は、第9発明において、前記フレームには、前記可動プレートの第一連結部が係合される、前記フレームの一対の側板と交差する第一連結軸を備えており、前記可動プレートの第一連結部は、該可動プレートの裏面に設けられた、該可動プレートの第二端部側に前記第一連結軸が係合される連結溝を有する第一連結部材を備えていることを特徴とする。
第11発明の換気装置は、第8、第9または第10発明において、前記可動プレートは、前記第二端部は前記フレームの一対の側板の表面と平行な方向への移動が固定されており、前記第一端部と前記第二端部との間で、該フレームの一対の側板の表面と平行な方向において該フレームの内方に湾曲し得るプレートであることを特徴とする。
第12発明の換気装置は、第11発明において、前記可動プレートは、第一端部および第二端部に、前記フレームに着脱可能に連結される第一連結部及び第二連結部をそれぞれ備えていることを特徴とする。
第13発明の換気装置は、第12発明において、前記フレームには、前記可動プレートの第一連結部及び第二連結部が係合される、前記フレームの一対の側板と交差しかつ互いに平行な第一連結軸および第二連結軸を備えており、前記可動プレートの第一連結部は、該可動プレートの裏面に設けられた、該可動プレートの第二端部側に前記第一連結軸が係合される連結溝を有する第一連結部材を備えており、前記可動プレートの第二連結部は、該可動プレートの裏面に設けられた、前記第一連結部材の連結溝と同じ側に前記第二連結軸が係合される連結溝を有する第二連結部材を備えていることを特徴とする。
第14発明のドアセットは、第8、第9、第10、第11、第12または第13発明において、前記可動プレートは、裏面に係合片を有しており、前記操作部は、前記可動プレートの係合片と係合する係合部材と、該係合部材を前記フレームの表面と交差する方向に移動させる移動部材と、を備えており、該移動部材は、前記フレームの一対の側板の表面と交差する揺動軸周りに揺動可能に設けられており、前記揺動軸から離間した位置に前記係合部材が連結されていることを特徴とする。
<ドアセット>
第1発明によれば、換気機構の操作部によって扉から離間するように、第一端部を支点として遮蔽部材の可動プレートを移動させることができるので、換気機構の操作部を操作すれば、扉と戸枠の隙間を通して通気させたり扉と戸枠の隙間を遮断したりすることができる。
第2発明によれば、可動プレートを戸枠に着脱できるので、換気機構のメンテナンスや遮蔽部材の交換を簡単に実施できる。
第3発明によれば、可動プレートは、第一連結部の第一連結部材を第一連結軸に引っ掛けて連結されているので、戸枠に対する可動プレートの着脱が容易になる。
第4発明によれば、換気機構の操作部によって扉から離間するように遮蔽部材の可動プレートを湾曲させることができるので、換気機構の操作部を操作すれば、扉と戸枠の隙間を通して通気させたり扉と戸枠の隙間を遮断したりすることができる。
第5発明によれば、可動プレートを戸枠に着脱できるので、換気機構のメンテナンスや遮蔽部材の交換を簡単に実施できる。
第6発明によれば、可動プレートは、第一連結部の第一連結部材および第二連結部の第二連結部材を第一連結軸および第二連結軸に引っ掛けて連結されているので、戸枠に対する可動プレートの着脱が容易になる。
第7発明によれば、可動プレートの係合片と操作部の係合部材とが係合しているので、操作部の移動部材を揺動軸周りに揺動させれば、係合部材の移動に伴って可動プレートを湾曲させることができる。
<換気装置>
第8発明によれば、操作部によって可動プレートを第一端部を支点としてフレームの内方に移動させることができる。したがって、換気装置を戸当たりに設ければ、操作部を操作することによって可動プレートを扉の表面に接触させたり扉の表面から離間させたりすることができるから、扉と戸枠の隙間を通して通気させたり扉と戸枠の隙間を遮断したりすることができる。
第9発明によれば、可動プレートをフレームに着脱できるので、換気装置を戸当たりに設けても、換気装置のメンテナンスや遮蔽部材の交換を簡単に実施できる。換気装置を既存のドア枠の吊元側に設置し、既存のエアタイトを取り外せば、換気機能のないドアセットに換気機能を付加することができる。
第10発明によれば、可動プレートは、第一連結部の第一連結部材を第一連結軸に引っ掛けて連結されているので、フレームに対する可動プレートの着脱が容易になる。
第11発明によれば、操作部によって可動プレートをフレームの内方に湾曲させることができる。したがって、換気装置を戸当たりに設ければ、操作部を操作することによって可動プレートを扉の表面に接触させたり扉の表面から離間させたりすることができるから、扉と戸枠の隙間を通して通気させたり扉と戸枠の隙間を遮断したりすることができる。
第12発明によれば、可動プレートをフレームに着脱できるので、換気装置を戸当たりに設けても、換気装置のメンテナンスや遮蔽部材の交換を簡単に実施できる。換気装置を既存のドア枠の吊元側に設置し、既存のエアタイトを取り外せば、換気機能のないドアセットに換気機能を付加することができる。
第13発明によれば、可動プレートは、第一連結部の第一連結部材および第二連結部の第二連結部材を第一連結軸および第二連結軸に引っ掛けて連結されているので、フレームに対する可動プレートの着脱が容易になる。
第14発明によれば、可動プレートの係合片と操作部の係合部材とが係合しているので、操作部の移動部材を揺動軸周りに揺動させれば、係合部材の移動に伴って可動プレートを湾曲させることができる。
本実施形態のドアセット1の概略説明図であって、(A)は戸枠2に取り付けた状態の側面図であり、(B)は戸枠2に取り付けた状態の断面図であり、(C)は(B)のC-C線断面図である。 換気装置20の換気状態の概略説明図であって、(A)は戸枠2に取り付けた状態における断面図であり、(B)は(A)のB-B線断面図である。 本実施形態のドアセット1を取り付けた玄関の概略説明図であって、(A)は外部から見た状態の説明図であり、(B)は室内から見た状態の説明図である。 フレーム20aの単体説明図であり、(A)は正面図であり、(B)は(A)の左側面図である。 可動プレート22の単体説明図であり、(A)は正面図であり、(B)は(A)のB-B線断面図であり、(C)は(B)のC-C線断面図である。 操作部30の概略説明図であり、(A)は正面図であり、(B)は左側面図であり、(C)は背面図であり、(D)は右側面図である。 (A)は換気状態における操作部30の概略正面図であり、(B)は遮蔽状態における操作部30の概略正面図であり、(C)は換気状態における操作部30の概略背面図であり、(D)は遮蔽状態における操作部30の概略背面図である。 つまみ34を移動させる状態の概略説明図であり、(A)はつまみ34に力を加えていない状態の側面図であり、(B)はつまみ34を押し込んだ状態の側面図であり、(C)は遮蔽状態における規制部材37と規制プレート38の溝38gとの関係を示した図であり、(D)は換気状態における規制部材37と規制プレート38の溝38gとの関係を示した図である。 本実施形態のドアセット1の概略説明図であって、(A)は戸枠2に取り付けた状態の側面図であり、(B)は戸枠2に取り付けた状態の断面図であり、(C)は(B)のC-C線断面図である。
本発明のドアセットは、居住用建物の室内と室外とを連通する入口に設けられるドアセットであって、室内と室外との間の気密性を維持しつつ、換気を容易に行うことができる構造としたことに特徴を有している。
本発明のドアセットが設置される居住用建物はとくに限定されないが、例えば、マンション等の集合住宅における各住戸の玄関等のように、室外(屋外)と室内とを分離するドアセットに適している。
また、本発明のドアセットは、玄関に設置されるドアセットとして使用されることはもちろん、マンションの各住戸の部屋同士の間に設置されるドアセットや、部屋と廊下との間に設置されるドアセットとしても使用することができる。
以下では、本発明のドアセットを、マンションの住戸の玄関ドアに使用した場合を代表として説明する。
<ドアセット1>
図3において、符号Fは共用廊下を示しており、符号EWは玄関側壁を示している。この玄関側壁EWには、本実施形態のドアセット1が取り付けられている。
図3に示すように、本実施形態のドアセット1は、戸枠2と、この戸枠2に取り付けられる扉10と、換気装置20と、を備えている。
<戸枠2>
図3に示すように、戸枠2は、一対の竪枠2a、2bと、この竪枠2a、2bの下端間および上端間をそれぞれ繋ぐように設けられた下枠2cと上枠2dとから構成されている。この戸枠2は、一対の竪枠2a、2bと下枠2c、上枠2dに囲まれた正面視略長方形の開口2hが形成されるように、各枠2a~2dが配設されている。
戸枠2の各枠2a~2dには戸当りが設けられており、この戸当りには、パッキンPが取り付けられている。つまり、パッキンPは、戸枠2の開口2hを囲むように、各枠2a~2dの戸当り(後述する換気装置20が設けられている場合には換気装置20の戸当たりとなる面)に配設されている。このパッキンPは、扉10を閉めたときの衝撃を吸収するとともに、戸枠2と扉10との間の気密性を保つために設けられている。したがって、パッキンPは、扉10を閉めた時に、扉10の表面(室内側の面、以下、扉10の面10aという場合がある)と接触するように設けられている。
<扉10>
図3に示すように、戸枠2には扉10が取り付けられている。この扉10は、戸枠2の開口2hと略相似形であって、扉10を閉じた状態において、戸枠2の開口2hを塞ぐことができる大きさに形成されている。
この扉10は、連結手段によって、戸枠2に揺動可能に連結されている。具体的には、扉10は、その戸尻(図3(B)では左側の端部)を支点として、戸先(図3(B)では右側の端部)が水平に揺動できるように、連結手段によって戸枠2に連結されている。
なお、連結手段は上記機能を有するものであればよく、その構造はとくに限定されない。例えば、公知の蝶番やピボットヒンジ、フロアヒンジ等を本実施形態のドアセット1の連結手段として使用することができる。
<換気装置20>
図1および図3に示すように、本実施形態のドアセット1では、戸尻側の竪枠2bに換気装置20が設けられている。この換気装置20は、パッキンPを備えた遮蔽部材21と、この遮蔽部材21を移動させる機能を備えた操作部30を有するものである。この換気装置20において、パッキンPを移動させる操作部30は、換気装置20の側面(換気装置20において戸当たりとなる面と交差する面)に設けられている(図1(A)参照)。そして、この操作部30のつまみ34を操作すると、パッキンPと扉10の面10aとの間隔を調節することができるようになっている。言い換えれば、扉10を閉めた状態において操作部30のつまみ34を操作すると、パッキンPが扉10の面10aと接触した状態(遮蔽状態、後述する可動プレート22の伸展状態が対応する、図1(B)、(C)参照)と、パッキンPと扉10の面10aとの間に隙間ができる状態(換気状態、後述する可動プレート22の湾曲状態が対応する、図2(A)、(B)参照)の間でパッキンPを移動させることができるようになっている。この換気装置20の詳細は後述する。
以上のごとき構成であるので、本実施形態のドアセット1によれば、扉10を閉めれば、室内と室外をほぼ気密に分離することができる一方、扉10を閉めた状態で換気を行うことができる。
具体的には、操作部30のつまみ34を操作して、ドアセット1の扉10を閉めた状態において竪枠2bに設けられている換気装置20のパッキンPが扉10の面10aと接触するようにしておく。すると、ドアセット1の扉10を閉めれば、戸枠2の各枠2a~2dに設けられているパッキンPの全てが扉10の表面10aに接触した状態(遮蔽状態)とすることができる。したがって、戸枠2の各戸枠2a~2dの戸当りと扉10の面10aとの間の隙間をパッキンPによって塞ぐことができる。そして、各枠2a~2dに設けられているパッキンPは、戸枠2の開口2hを囲むように設けられているので、扉10を閉めれば、戸枠2の開口2hをほぼ気密に閉じることができる(図1(B)、(C)参照)。
一方、操作部30のつまみ34を操作して、ドアセット1の扉10を閉めた状態で竪枠2bに設けられている換気装置20のパッキンPが扉10の面10aから離間するように移動させる。すると、ドアセット1の扉10を閉めた状態でも、竪枠2bに設けられている換気装置20のパッキンPと扉10の表面10aとの間に隙間ができる状態(換気状態)とすることができる。したがって、竪枠2bと扉10との間の隙間を介して、室内と外部とが通気可能な状態となるので、扉10を閉めた状態で換気を行うことができる(図2(A)、(B)参照)。
なお、図1(C)および図2(B)では、フィルタGが扉10の戸尻と竪枠2bとの間に設けられているが、かかるフィルタGは必ずしも設けなくてもよい。しかし、フィルタGを設けておけば、換気状態としたときに、埃や虫などが室内に侵入することを防止できるという利点がある。
<換気装置20の説明>
つぎに、換気装置20について、詳細に説明する。
図1~図3に示すように、戸尻側の竪枠2bには、換気装置20が設けられている。具体的には、戸尻側の竪枠2bには、通常、戸当たりが設けられている位置に後述するフレーム20aの前側端縁が位置するように、換気装置20が設置されている。
<フレーム20a>
図1に示すように、換気装置20は、フレーム20aを備えている。図4に示すように、このフレーム20aは、一対の側板20s,20sを両者間に隙間ができるように連結して形成された、長尺な部材である。このフレーム20aは、一対の側板20s,20sの前側端縁(図4(B)では右端縁)が、戸尻側の竪枠2bにおいて、通常、戸当たりが設けられる位置に配置され、その一方の側板20s(図4(A)では右側の側板20s)が戸尻側の竪枠2bと対向するように設置されている(図1(C)参照)。
なお、図4(A)に示すように、フレーム20aは、一対の側板20s,20s間に、第一連結軸20bおよび第二連結軸20cが設けられている。この第一連結軸20bおよび第二連結軸20cは、その軸方向が、一対の側板20s,20sの表面と直交しかつ互いに平行となるように設けられている。言い換えれば、第一連結軸20bおよび第二連結軸20cは、扉10を閉じた状態では、その軸方向が扉10の面10aと平行となりかつ互いに平行となるように設けられている。しかも、第一連結軸20bおよび第二連結軸20cは、竪枠2bの長手方向(つまり上下方向)において、互いに間隔を開けた状態で設置されている。具体的には、第一連結軸20bは、フレーム20aの上端部近傍に設置され、第二連結軸20cは、フレーム20aの下端部近傍に設置されている。
<遮蔽部材21>
図1(C)に示すように、フレーム20aの一対の側板20s,20sの間には、遮蔽部材21が設けられている。この遮蔽部材21は、可動プレート22と、この可動プレート22において扉10を閉じた状態で扉10の面10aと対向する面に設けられたパッキンPと、から構成されている。
なお、以下では、換気装置20を戸枠2に取り付けた状態において、扉10を閉じたときに、可動プレート22の扉10の面10a(図1参照)と対向する面を可動プレート22の表面という。また、扉10の面10a(図1参照)の反対側に位置する面を可動プレート22の裏面という。
<可動プレート22>
図5に示すように、可動プレート22は長尺な部材であり、その表面にパッキンPが配置される溝22gが設けられている。この可動プレート22は、その上端部(第一端部)とその下端部(第二端部)との間で湾曲できる程度の剛性に形成されている。具体的には、可動プレート22の第一端部と第二端部の移動を固定した状態で、可動プレート22の第一端部と第二端部の間の部分に対して表面と交差する方向に力を加えると、その力の方向に湾曲する程度の剛性に可動プレート22は形成されている。
この可動プレート22は、フレーム20aに対して、パッキンPの先端部が一対の側板20s,20sの前側端縁から突出した状態となるようにフレーム20aに取り付けられている(図1(C)参照)。つまり、戸尻側の竪枠2bに換気装置20を設置した状態かつ可動プレート22が湾曲していない状態において、扉10を閉めたときに、その面10aとパッキンPの先端とが接触した状態となるように、可動プレート22は一対の側板20s,20sに取り付けられている(図1(B)、(C)参照)。この可動プレート22は、その第一端部とその第二端部がフレーム20aの第一連結軸20bおよび第二連結軸20cにそれぞれ着脱可能に連結されている。
例えば、可動プレート22の第一端部の背面には第一連結部24が設けられている。この第一連結部24は第一連結部材24aを有しており、この第一連結部材24aには下方に開口を有する連結溝24gが設けられている。したがって、この第一連結部材24aの連結溝24gを第一連結軸20bに引っ掛けることによって、可動プレート22の第一端部はフレーム20aに連結されている(図1(B)参照)。つまり、可動プレート22の第一端部は、第一連結軸20b周りの相対的な回転は可能であるが、第一連結軸20bの軸方向と交差する方向への移動は固定された状態になる。
一方、可動プレート22の第二端部の背面には第二連結部25が設けられている。この第二連結部25は第二連結部材25aを有しており、この第二連結部材25aには下方に開口を有する連結溝25gが設けられている。この第二連結部材25aの連結溝25gは、その第一連結部24の連結溝24gと同じ側(つまり下側)に開口を有するように設けられている。したがって、この第二連結部材25aの連結溝25gを第二連結軸20cに引っ掛けることによって、可動プレート22の第二端部はフレーム20aに連結されている(図1(B)参照)。つまり、可動プレート22の第二端部は、第二連結軸20c周りの相対的な回転は可能であるが、第二連結軸20cの軸方向と交差する方向への移動は固定された状態になる。
かかる構成であるので、可動プレート22に対して力が加わっていなければ、パッキンPの先端部が一対の側板20s,20sの前側端縁から突出した状態(扉10を閉めたときに面10aとパッキンPの先端とが接触した状態)となるように可動プレート22は維持される。つまり、可動プレート22は湾曲していない状態(伸展状態)に維持される。したがって、扉10の面10aと戸尻側の竪枠2bとの間の隙間を、換気装置20のパッキンPによって遮断した状態(遮蔽状態)とすることができる(図1(B)、(C)参照)。
一方、可動プレート22に対して、可動プレート22の表面を内方(一対の側板20s,20s間)に変形させるような力が加わると、可動プレート22は湾曲する。つまり、可動プレート22の第一端部および第二端部は、第一連結軸20bおよび第二連結軸20cの軸方向と交差する方向への移動が固定されている。したがって、可動プレート22は、第一端部および第二端部の間を頂点とするように弓形に湾曲した状態(湾曲状態)になる。すると、パッキンPが扉10の面10aから離間する方向に移動するので、扉10の面10aとパッキンPの先端との間に隙間が形成される(図2参照)。したがって、扉10の面10aと戸尻側の竪枠2bとの間に隙間ができる状態(換気状態)とすることができる。
また、可動プレート22の背面には、第一連結部24の第一連結部材24aと第二連結部25の第二連結部材25aとの間に係合片26が設けられている。この係合片26には、第一連結部材24aの連結溝24gと同じ側(つまり下側)に係合溝26gが設けられている。この係合片26が設けられている理由は後述する。
なお、湾曲状態において可動プレート22が湾曲する量はとくに限定されない。湾曲状態においてパッキンPと扉10の面10aとの間に通気できる隙間が形成される程度に湾曲できればよい。例えば、湾曲している頂点付近において、パッキンPと扉10の面10aとの間に9~11mm程度の隙間ができるようになっていればよい。
<操作部30>
図1に示すように、換気装置20は、遮蔽部材21の可動プレート22を変形させて、遮蔽状態と換気状態とを切り替える操作部30を備えている。
図6に示すように、操作部30はベース板30bを備えており、フレーム20aの一方の側板20sに設けられた開口20g(図4参照)にベース板30bを取り付けることによって、フレーム20aの一方の側板20sに取り付けられている。なお、一方の側板20sに設けられる開口20gは、一対の側板20s,20s間に遮蔽部材21を取り付けた際に、可動プレート22の係合片26が設けられている位置近傍に設けられる。
操作部30のベース板30bには、回転可能な揺動軸33が設けられている。この揺動軸33は、操作部30のベース板30bを一方の側板20sに取り付けると、その軸方向が一方の側板20sの表面と略直交するように設けられている。つまり、揺動軸33は、その軸方向がフレーム20aの第一連結軸20bおよび第二連結軸20cと平行になるようにベース板30bに取り付けられている。
この揺動軸33には、操作部30を一方の側板20sに取り付けた際に、一方の側板20sから露出する端部(外端部)につまみ34が設けられている。このつまみ34を操作することによって、揺動軸33を回転できるようになっている。
一方、揺動軸33の内端部には、移動部材32が取り付けられている。この移動部材32は、例えば、軸状や短冊状の部材であり、揺動軸33に対する回転が固定されている。この移動部材32は、つまみ34を操作して揺動軸33を回転させれば、揺動軸33を支点として、揺動軸33から離間した端部が揺動するように設けられている。より詳しく言えば、つまみ34を操作して揺動軸33を回転させれば、フレーム20aの一対の側板20s,20sの表面と平行な方向、つまり、伸展状態にある可動プレート22の表面と交差する方向に沿って、揺動軸33から離間した端部が揺動するように移動部材32は設けられている。
この移動部材32において、揺動軸33と連結されている位置から離間した端部には係合部材31が設けられている。つまり、移動部材32の揺動中心から離間した位置には、係合部材31が設けられている。この係合部材31は、上述した可動プレート22の係合片26の係合溝26gと係合するものである(図1(B)、図2(A)参照)。つまり、一対の側板20s,20s間に遮蔽部材21を取り付けた状態において、係合片26の係合溝26gに係合されるものである。例えば、係合部材31は、揺動軸33と平行な軸を有する円筒体であって、直径が係合溝26gの幅よりも短いものを使用することができる。
そして、操作部30は、揺動軸33の回転、つまり、移動部材32の揺動を規制する規制機構36を備えている。この規制機構36は、伸展状態にある可動プレート22の係合片26の係合溝26gに係合部材31が係合する位置(遮蔽位置)で移動部材32の揺動を固定する機能(遮蔽位置保持機能)と、湾曲状態にある可動プレート22の係合片26の係合溝26gに係合部材31が係合する位置(換気位置)で移動部材32の揺動を固定する機能と(換気位置保持機能)、を有している(図7参照)。
操作部30が上記のような構造であるので、つまみ34を操作して揺動軸33を回転させて移動部材32を揺動させれば、係合部材31を伸展状態にある可動プレート22の表面と交差する方向に沿って移動させることができる。つまり、操作部30のつまみ34を操作すれば、可動プレート22を伸展状態と湾曲状態との間で変形させることができる。
しかも、規制機構36によって、移動部材32を遮蔽位置と換気位置で保持すれば、可動プレート22を伸展状態および湾曲状態でそれぞれ保持できる。
<規制機構36について>
規制機構36は、上述した遮蔽位置保持機能と換気位置保持機能を有する機構であればよく、その機構はとくに限定されないが、例えば、以下のような機構を採用することができる。
図8(C)に示すように、揺動軸33において、移動部材32とベース板30bとの間の部分に規制部材37を設ける。この規制部材37は、揺動軸33の回転、つまり、移動部材32の揺動に伴って揺動軸33の中心軸周りに回転する短冊状の部材である。
また、移動部材32とベース板30bとの間、より詳しくは、規制部材37とベース板30bとの間に、規制部材37が係合する溝38gを有する規制プレート38を設ける。この規制プレート38の溝38gには、移動部材32が遮蔽位置まで揺動した状態において規制部材37と係合する遮蔽保持溝38g1と、移動部材32が換気位置まで揺動した状態において規制部材37と係合する換気保持溝38g2と、を設けておく(図8(C)、(D)参照)。この遮蔽保持溝38g1と換気保持溝38g2は、両者が交差する位置を揺動軸33が通過するよう規制プレート38に設けられる。
規制プレート38とベース板30bとの間には、揺動軸33の軸方向に沿って伸縮するバネ部材39を設ける。このバネ部材39は、軸方向(伸縮方向)の一端が規制プレート38に連結され、他端が揺動軸33に連結される。そして、バネ部材39は、通常は、揺動軸33を規制プレート38からベース板30bに向かって付勢するように取り付けられている。つまり、揺動軸33をベース板30bから押し出すように付勢されている。したがって、つまみ34を保持して揺動軸33の軸方向に押せば、揺動軸33をその軸方向に沿って内方に押し込むことができ(図8(B)参照)、揺動軸33を軸方向に押す力を除去すれば、揺動軸33が元の状態に戻るように設けられている(図8(A)参照)。
そして、前述した規制部材37は、揺動軸33の軸方向において、バネ部材39に力が加わっていない状態では規制プレート38の位置に配置されるように揺動軸33に取り付けられている。つまり、バネ部材39に力が加わっていない状態では、規制部材37と規制プレート38の遮蔽保持溝38g1または換気保持溝38g2とが係合した状態となるように、規制部材37および規制プレート38は設けられている。
以上のような規制機構36を設ければ、つまみ34を押し込めば、規制部材37を規制プレート38の遮蔽保持溝38g1または換気保持溝38g2から離脱させることができるので、つまみ34を回転させることができるようになる。したがって、その状態でつまみ34を回転させれば、移動部材32の揺動状態を、換気状態と遮蔽状態との間で切り替えることができる。つまり、換気状態になった状態、つまり、規制部材37が規制プレート38の換気保持溝38g2と対応する位置まで揺動した状態でつまみ34を押し込む力を除去すれば、規制部材37を規制プレート38の換気保持溝38g2に係合させることができる。つまり、移動部材32の揺動状態を換気状態で保持することができる(図8(D)参照)。また、遮蔽状態になった状態、つまり、規制部材37が規制プレート38の遮蔽保持溝38g1と対応する位置まで揺動した状態でつまみ34を押し込む力を除去すれば、規制部材37を規制プレート38の遮蔽保持溝38g1に係合させることができる。つまり、移動部材32の揺動状態を遮蔽状態で保持することができる(図8(C)参照)。
なお、換気状態または遮蔽状態において、規制プレート38の遮蔽保持溝38g1または換気保持溝38g2と規制部材37の姿勢を合せやすくする上では、移動部材32の揺動を制限する機構を設けておくことが望ましい。例えば、図7(C)、(D)に示すように、移動部材32の揺動方向にストッパー40を設けておき、換気状態または遮蔽状態まで回転すると、ストッパー40と移動部材32とが接触するようにする。すると、ストッパー40と移動部材32とが接触するまで移動部材32を揺動させれば、規制プレート38の遮蔽保持溝38g1または換気保持溝38g2と規制部材37との姿勢を合せることができる。かかる構成とすれば、使用する人がつまみ34を回す角度などを気にせずに回転できるいっぱいまでつまみ34を回転させてつまみ34を押す力を除去するだけで、規制プレート38の遮蔽保持溝38g1または換気保持溝38g2と規制部材37とを係合させることができる。
なお、換気状態では、可動プレート22は湾曲されており、湾曲した状態から伸展状態、つまり、遮蔽状態の形状に戻ろうとする力が発生する。このため、換気状態を維持するには、上述したような規制機構36によって移動部材32の姿勢、つまり、可動プレート22の湾曲状態を保持することが必要である。一方、可動プレート22は、何も力が加わっていない状態では伸展状態の形状となろうとし、湾曲状態から力を除去すれば、伸展状態の形状に戻ろうとする。つまり、可動プレート22は、何も力を加えなければ遮蔽状態の形状を維持しようとするので、規制機構36は遮蔽状態を維持する機能は必ずしも有していなくてもよい。
なお、ベース板30bを設けずに、揺動軸33等を直接フレーム20aの側板20sに設けてもよい。しかし、ベース板30bを設けてこのベース板30bに揺動軸33等を設ければ、ユニット化された操作部30を側板20sに取り付けるだけで操作部30をフレーム20aに設置できる。すると、操作部30の取り付けを含めた換気装置20の組立などの作業を効率化することができる。
<可動プレート22について>
上述したように、可動プレート22の第一連結部24の第一連結部材24aの連結溝24g、第二連結部25の第二連結部材25aの連結溝25g、および、係合片26の係合溝26gが、それぞれ上方からフレーム20aの第一連結軸20b、第二連結軸20c、および、操作部30の係合部材31に係合するようになっていれば、可動プレート22を簡単に着脱することができる。つまり、可動プレート22を上方に移動させれば、第一連結部24の第一連結部材24aの連結溝24g等と第一連結軸20b等との係合を外すことができる。逆に、可動プレート22を上方から下方に移動させれば、第一連結部24の第一連結部材24aの連結溝24g等と第一連結軸20b等とを係合することができる。
一方、可動プレート22は、フレーム20aに固定されていてもよい。例えば、可動プレート22の第一端部と第二端部とはフレーム20aに固定するが、可動プレート22における第一端部と第二端部との間の部分はフレーム20aに対して自由に湾曲することができるようにする。すると、操作部30を操作すれば、可動プレート22を第一端部と第二端部との間で湾曲させることができるので、遮蔽状態と換気状態を切り替えることができる。
<パッキンPについて>
戸当りに取り付けられるパッキンPや、換気装置20の遮蔽部材21の可動プレート22に取り付けられるパッキンPはとくに限定されないが、内部が中空となったものが好ましい。その理由は、パッキンPの柔軟性を高めて、衝撃吸収性や扉10との密着性を高めることができるからである。
とくに、扉10を閉めた状態におけるドアセット1の気密性を高める上では、パッキンP等と扉10との接触面積を大きくして、扉10との密着性を高めることが好ましい。例えば、先端面が略平坦面となったパッキンPを使用すれば、ドアセット1の気密性を高めることができる。
また、換気装置20の遮蔽部材21の可動プレート22に取り付けられるパッキンPには、その先端に板状の接触片Psを設けたものを使用することが望ましい(図1参照)。先端面が略平坦面となったパッキンPの場合、パッキンPを扉10の面10aに接触させた状態(つまり気密状態)では、扉10の開閉の際にパッキンPが扉10の移動の抵抗となる。したがって、扉10を開閉する際には、換気装置20の操作部30を操作して、気密状態から連通状態に切り替える必要がある。しかし、図1(C)に示すような接触片Psを有するパッキンPを換気装置20の遮蔽部材21に設ければ、パッキンPの接触片Psを扉10の表面10aに接触させた状態でも、扉10の移動に対するパッキンPの抵抗を軽減することができる。つまり、扉10を開く際に換気装置20の操作部30を操作しなくても(つまり気密状態のままでも)、扉10をスムースに開くことができるので、換気装置20を設けても、ドアセット1の操作性を向上させることができる。
<換気装置20の設置位置>
上記例では、戸尻側の竪枠2bに換気装置20を設ける場合を説明した。しかし、換気装置20を設ける位置は、戸尻側の竪枠2bに限られない。戸尻側の竪枠2b以外の枠2a,2c,2dに換気装置20を設けてもよい。
とくに、戸先側の竪枠2aと扉10との間には隙間ができやすいので、換気装置20を戸先側の竪枠2aに設ければ、換気状態での通気性や遮蔽状態での気密性を高めることができる。
<操作部30の他の例>
換気装置20の操作部30は、上述したような構成に限定されない。可動プレート22を湾曲状態と伸展状態との間で変形させることができ、しかも、各状態で可動プレート22が湾曲しないように保持しておくことができるのであれば、種々の構成を採用することができる。
<遮蔽部材21の他の例>
上述した例では、遮蔽部材21の可動プレート22が、その第一端部とその第二端部がフレーム20aの第一連結軸20bおよび第二連結軸20cにそれぞれ着脱可能に連結され、第一端部とその第二端部との間で湾曲する場合を説明した。しかし、遮蔽部材21の可動プレート22は、第一端部のみがフレーム20aの第一連結軸20bに着脱可能に連結されていてもよい(図9参照)。
この場合、上述したような操作部30などによって可動プレート22の第二端部を扉10の表面10aから離間(フレーム20aの内方に移動)させれば、パッキンPと扉10の表面10aとの間に隙間ができる状態(換気状態)とすることができる。つまり、可動プレート22を、その第一端部を支点として第二端部を揺動させることによって、パッキンPと扉10の表面10aとの間に隙間を形成することができる。
例えば、フレーム20aに第一連結軸20bのみを設け(図9(B)参照)、可動プレート22の背面には、第一端部に第一連結部24と、第一端部と第二端部の間に係合片26を設ける。つまり、第二連結軸20cと第二連結部25は設けないようにする。この場合、第一連結部24の第一連結部材24aの連結溝24gを第一連結軸20bに引っ掛けることによって、可動プレート22の第一端部はフレーム20aに連結される。つまり、可動プレート22の第一端部は、第一連結軸20b周りの相対的な回転は可能であるが、第一連結軸20bの軸方向と交差する方向への移動は固定された状態になる。一方、可動プレート22の第二端部はフレーム20aに連結されない状態になるので、第一連結軸20bの軸方向と交差する方向への移動は自由になる。言い換えれば、可動プレート22は、その第一端部を支点として第二端部が揺動可能(移動可能)な状態になる。
かかる構成とすれば、可動プレート22に対して力が加わっていなければ、可動プレート22は揺動していない状態に維持される。この状態では、扉10の面10aと戸尻側の竪枠2bとの間の隙間を、換気装置20のパッキンPによって遮断した状態(遮蔽状態)とすることができる。
一方、可動プレート22に対して、可動プレート22の第二端部を内方(一対の側板20s,20s間)に移動させるような力が加わると、可動プレート22は第一端部を支点として揺動する。つまり、可動プレート22は、第一端部から第二端部に向かうにしたがって、パッキンPから扉10の面10aまでの距離が長くなるように移動するので、扉10の面10aとパッキンPの先端との間に隙間が形成される。したがって、扉10の面10aと戸尻側の竪枠2bとの間に隙間ができる状態(換気状態)とすることができる。
なお、可動プレート22が揺動する量はとくに限定されないが、第二端部付近において、パッキンPと扉10の面10aとの間に9~11mm程度の隙間ができる程度に揺動できるようになっていればよい。
また、操作部30も上述したような構成に限られず、単に、可動プレート22の第二端部を移動させるような機構としてもよい。例えば、可動プレート22の第二端部近傍等にレバーを設けて、このレバーを移動させて可動プレート22の第二端部を移動させるような構成としてもよい。
<戸枠2内蔵の換気機構について>
換気装置20を戸枠2の戸当たり部分に設置する場合には、上述したフレーム20aは必ずしも設けなくてもよい。つまり、戸枠2自体に換気装置20と同様の機能を有する換気機構を設けることができる。例えば、戸枠2における戸当たりの表面に開口を形成し、開口の上端近傍および下端近傍に、戸枠2の戸当たりの表面と平行かつ互いに平行な第一連結軸20bおよび第二連結軸20cを設ける。また、第一連結軸20bおよび第二連結軸20cと揺動軸33が平行となるように、戸枠2に操作部30を設ける。つまり、操作部30のつまみ34が戸当たりの表面と交差する面に露出した状態となるように戸枠2に操作部30を設ける。そして、第一連結軸20bおよび第二連結軸20cに第一連結部24の第一連結部材24aや第二連結部25の第二連結部材25aが係合し、操作部30の係合部材31に係合片26が係合するように、戸当たりの開口から遮蔽部材21の可動プレート22を取り付ける。すると、換気装置20と同様の機能を有する換気機構を戸枠2の戸当たりに設けることができる。この場合でも、第一連結軸20b、第二連結軸20cおよび操作部30の係合部材31と、第一連結部24の第一連結部材24a、第二連結部25の第二連結部材25aおよび係合片26との係合を解除すれば簡単に遮蔽部材21を取り外すことができる。逆に、第一連結部24の第一連結部材24a、第二連結部25の第二連結部材25aおよび係合片26を、第一連結軸20b、第二連結軸20cおよび操作部30の係合部材31に係合すれば、簡単に遮蔽部材21を戸枠2に取り付けることができる。したがって、換気装置20と同様に、換気機構のメンテナンスや遮蔽部材21の交換を簡単に実施できる。
一方、換気装置20が上述したようなフレーム20aを設けていれば、換気装置20を、戸枠2から独立した一つのユニット状の換気装置20として使用することも可能である。つまり、戸枠2に換気装置20を配設できるスペースを設けておけば、そのスペースに換気装置20を設置すれば、換気機能を有する戸枠2とすることができる。
なお、ユニット状の換気装置20とする場合も、第一連結軸20bのみを設け、可動プレート22が第一端部を支点として揺動するような構成としてもよい。
なお、フレーム20aを有するユニット状の換気装置20は、戸枠2と扉10の間に形成される隙間を連通遮蔽する場合、扉10側に設けてもよいし、壁や壁に設置されるパネルに取り付けてもよい。
また、ユニット状の換気装置20は、戸枠2と扉10の間に形成される隙間を連通遮蔽する以外の用途にも使用することができる。例えば、可動間仕切り壁同士の間に形成される隙間を連通遮蔽する装置としても使用することができる。もちろん、窓枠と桟との隙間を連通遮断する場合にも使用できる。この場合、ユニット状の換気装置を窓枠と桟のいずれに設けてもよいが、窓の使用しやすさを考慮すれば、ユニット状の換気装置20は窓枠に設ける方が望ましい。
本発明のドアセットは、マンション等の居住用建物の玄関などに使用されるドアセットに適している。
1 ドアセット
2 戸枠
2a 竪枠
2b 竪枠
2c 上枠
2d 下枠
10 扉
10a 面
20 換気装置
20a フレーム
20b 第一連結軸
20c 第二連結軸
20g 開口
20s 側板
21 遮蔽部材
22 可動プレート
22g 溝
24 第一連結部
24a 第一連結部材
24g 連結溝
25 第二連結部
25a 第一連結部材
25g 連結溝
26 係合片
26g 係合溝
30 操作部
31 係合部材
32 移動部材
33 揺動軸
34 つまみ
36 規制機構
37 規制部材
38 規制プレート
38g1 遮蔽保持溝
38g2 換気保持溝
39 バネ部材
40 ストッパー
P パッキン
EW 玄関側壁
F 共用廊下
G フィルタ

Claims (14)

  1. 扉を閉じた状態において、戸枠の戸当たりと前記扉との間の隙間を遮蔽開放する換気機構を備え、
    該換気機構は、
    前記扉に対して離間可能に設けられた遮蔽部材と、
    該遮蔽部材を移動させる操作部と、を備えており、
    前記遮蔽部材は、
    戸当たりの長手方向に沿った方向における第一端部は前記扉の表面と交差する方向への移動が固定され、該第一端部を支点として、該第一端部と第二端部との間の部分が前記扉の表面と交差する方向に移動する可動プレートを備えている
    ことを特徴とするドアセット。
  2. 前記可動プレートは、
    第一端部に、前記戸枠に着脱可能に連結される第一連結部を備えている
    ことを特徴とする請求項1記載のドアセット。
  3. 前記戸枠には、
    前記可動プレートの第一連結部が係合される、前記戸枠の戸当たりの表面と平行な第一連結軸を備えており、
    前記可動プレートの第一連結部は、
    該可動プレートの裏面に設けられた、該可動プレートの第二端部側に前記第一連結軸が係合される連結溝を有する第一連結部材を備えている
    ことを特徴とする請求項2記載のドアセット。
  4. 前記可動プレートは、
    前記第二端部は前記扉の表面と交差する方向への移動が固定されており、
    前記第一端部と前記第二端部との間で、前記扉の表面と交差する方向において該扉の表面から離間する方向に湾曲し得るプレートである
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のドアセット。
  5. 前記可動プレートは、
    第一端部および第二端部に、前記戸枠に着脱可能に連結される第一連結部及び第二連結部をそれぞれ備えている
    ことを特徴とする請求項4記載のドアセット。
  6. 前記戸枠には、
    前記可動プレートの第一連結部及び第二連結部が係合される、前記戸枠の表面と平行かつ互いに平行な第一連結軸および第二連結軸を備えており、
    前記可動プレートの第一連結部は、
    該可動プレート裏面に設けられた、該可動プレートの第二端部側に前記第一連結軸が係合される連結溝を有する第一連結部材を備えており、
    前記可動プレートの第二連結部は、
    該可動プレートの裏面に設けられた、前記第一連結部材の連結溝と同じ側に前記第二連結軸が係合される連結溝を有する第二連結部材を備えている
    ことを特徴とする請求項5記載のドアセット。
  7. 前記可動プレートは、裏面に係合片を有しており、
    前記操作部は、
    前記可動プレートの係合片と係合する係合部材と、
    該係合部材を前記扉の表面と交差する方向に移動させる移動部材と、を備えており、
    該移動部材は、
    前記戸枠の戸当たりの表面と平行な揺動軸周りに揺動可能に設けられており、
    前記揺動軸から離間した位置に前記係合部材が連結されている
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のドアセット。
  8. 戸枠に設置される換気装置であって、
    一対の側板を有するフレームと、
    該フレームの一対の側板間に配置される遮蔽部材と、
    該遮蔽部材を移動させる操作部と、を備えており、
    前記遮蔽部材は、
    前記フレームの長手方向に沿った方向における第一端部が該フレームの一対の側板の表面と平行な方向への移動が固定され、該第一端部を支点として、該第一端部と第二端部との間の部分が前記フレームの一対の側板の表面と平行な方向において該フレームの内方に移動する可動プレートを備えている
    ことを特徴とする換気装置。
  9. 前記可動プレートは、
    第一端部に、前記フレームに着脱可能に連結される第一連結部を備えている
    ことを特徴とする請求項8記載の換気装置。
  10. 前記フレームには、
    前記可動プレートの第一連結部が係合される、前記フレームの一対の側板と交差する第一連結軸を備えており、
    前記可動プレートの第一連結部は、
    該可動プレートの裏面に設けられた、該可動プレートの第二端部側に前記第一連結軸が係合される連結溝を有する第一連結部材を備えている
    ことを特徴とする請求項9記載の換気装置。
  11. 前記可動プレートは、
    前記第二端部は前記フレームの一対の側板の表面と平行な方向への移動が固定されており、
    前記第一端部と前記第二端部との間で、該フレームの一対の側板の表面と平行な方向において該フレームの内方に湾曲し得るプレートである
    ことを特徴とする請求項8、9または10記載の換気装置。
  12. 前記可動プレートは、
    第一端部および第二端部に、前記フレームに着脱可能に連結される第一連結部及び第二連結部をそれぞれ備えている
    ことを特徴とする請求項11記載の換気装置。
  13. 前記フレームには、
    前記可動プレートの第一連結部及び第二連結部が係合される、前記フレームの一対の側板と交差しかつ互いに平行な第一連結軸および第二連結軸を備えており、
    前記可動プレートの第一連結部は、
    該可動プレートの裏面に設けられた、該可動プレートの第二端部側に前記第一連結軸が係合される連結溝を有する第一連結部材を備えており、
    前記可動プレートの第二連結部は、
    該可動プレートの裏面に設けられた、前記第一連結部材の連結溝と同じ側に前記第二連結軸が係合される連結溝を有する第二連結部材を備えている
    ことを特徴とする請求項12記載の換気装置。
  14. 前記可動プレートは、裏面に係合片を有しており、
    前記操作部は、
    前記可動プレートの係合片と係合する係合部材と、
    該係合部材を前記フレームの表面と交差する方向に移動させる移動部材と、を備えており、
    該移動部材は、
    前記フレームの一対の側板の表面と交差する揺動軸周りに揺動可能に設けられており、
    前記揺動軸から離間した位置に前記係合部材が連結されている
    ことを特徴とする請求項8、9、10、11、12または13記載の換気装置。
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