JPH10141104A - 全輪駆動車のトラクション制御装置 - Google Patents

全輪駆動車のトラクション制御装置

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JPH10141104A
JPH10141104A JP29666896A JP29666896A JPH10141104A JP H10141104 A JPH10141104 A JP H10141104A JP 29666896 A JP29666896 A JP 29666896A JP 29666896 A JP29666896 A JP 29666896A JP H10141104 A JPH10141104 A JP H10141104A
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JP
Japan
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wheel
speed
wheel speed
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wheels
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JP29666896A
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English (en)
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Yasuhiro Inaba
康宏 稲葉
Motoaki Kataoka
資章 片岡
Hideaki Suzuki
秀昭 鈴木
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 全輪が加速スリップ状態の場合でも、好適な
車両挙動の制御を行うことができる全輪駆動車のトラク
ション制御装置を提供すること。 【解決手段】 ステッフ゜300にて、全輪加速スリップ状態か
否かを、4輪全ての加速スリップフラグaccslipFが1
か否かによって判定する。ステッフ゜310では、全輪加速スリ
ップ状態であるので、全輪スリップフラグAllslipFを
1にセットする。ステッフ゜320では、全輪加速スリップ状態
における制御を行うために、推定車体速度VTOを目標
車輪速度Vwoに設定する。一方、ステッフ゜330では、非全
輪加速スリップ状態であるので、全輪スリップフラグAl
lslipFを0にセットする。ステッフ゜340では、非全輪加速
スリップ状態であるので、推定車体速度VTOに所定値
Vmarを加算した値を目標車輪速度Vwoに設定する。ス
テッフ゜350では、目標車輪速度Vwoとなる様にスロット
ル制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全輪駆動車の加速
スリップを抑制することができる全輪駆動車のトラクシ
ョン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車輪に加速スリップが発生し
た場合には、車両の走行性や安定性を向上するために加
速スリップを抑制するいわゆるトラクション制御が行わ
れている。このトラクション制御としては、推定車体速
度に所定値(例えば推定車体速度の10〜20%程度)
を加えた値を車輪速度の目標値とし、この目標値となる
様に車輪にかかる駆動トルクを制御する技術が知られて
いる。
【0003】前記推定車体速度は、通常、車輪速度セン
サの出力を用いて算出されるものであり、例えば加速時
には、4輪の車輪速度のうち最小の車輪速度(Min輪
の車輪速度)が推定車体速度として採用され、減速時に
は、最大の車輪速度(Max輪の車輪速度)が推定車体
速度として採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、例えば4輪
駆動車において、上述した様に推定車体速度を用いてト
ラクション制御を行う場合に、4輪全てに加速スリップ
が発生すると、Min輪自体もスリップしているので、
推定車体速度は実際の車体速度より大きな値として算出
されることがある。そのため、この大きな推定車体速度
に所定値を加算して、トラクション制御の際の車輪速度
の目標値を算出すると、目標値自体もかなり大きな値と
なることがある。
【0005】従って、この様に車輪速度の目標値が過大
となった場合に、車輪速度をこの目標値に制御しようと
すると、駆動トルクは加速スリップを抑制するために必
要な値よりも大きくなってしまい、その結果、加速スリ
ップを抑制できなくなって、車両挙動が不安定になると
いう問題があった。
【0006】特に、4輪駆動車の場合、転動輪がなく全
て駆動輪であるので、加速スリップ時に厳密な車体速度
(即ち推定車体速度)を車輪速度から求めるのは非常に
困難であり、その点からも車両挙動が不安定になる。本
発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、全車輪
が加速スリップ状態の場合でも、好適な車両挙動の制御
を行うことができる全輪駆動車のトラクション制御装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、車
輪速度検出手段によって、各車輪の車輪速度を検出し、
推定車体速度算出手段によって、車体の推定車体速度を
算出し、全輪スリップ判定手段によって、全ての車輪が
加速スリップ状態であるか否かを判定する。そして、全
輪スリップ判定手段によって、全車輪が加速スリップ状
態ではない(即ち加速スリップ状態でない車輪がある)
と判定された場合には、第1制御手段によって、推定車
体速度に第1所定値を加算した値を車輪速度の目標値と
して車輪速度を制御する。また、全輪スリップ判定手段
によって、全車輪が加速スリップ状態であると判定され
た場合には、第2制御手段によって、推定車体速度に第
1所定値より小さな第2所定値を加算した値を車輪速度
の目標値として車輪速度を制御する。
【0008】つまり、従来では、全輪駆動車においてト
ラクション制御を行う場合には、全車輪が加速スリップ
の状態(全輪加速スリップ状態)の場合でも、そうでな
い場合(非全輪加速スリップ状態)と同様に、推定車体
速度に所定値を加算した値を目標値(目標車輪速度)と
して車輪速度を制御していたが、それでは、全輪加速ス
リップ状態では、推定車体速度が高めに算出されてしま
い、好適なトラクション制御ができない。
【0009】そこで、本発明では、全輪加速スリップ状
態の場合には、従来の所定値(第1所定値に相当)より
も小さな所定値(第2所定値)を、推定車体速度に加算
して目標車輪速度とするので、従来より低めの目標車輪
速度を設定できる。よって、車輪速度をこの目標車輪速
度に制御することにより、全輪加速スリップ状態の場合
でも、好適に加速スリップを抑制して優れたトラクショ
ン制御を行うことができる。
【0010】請求項2の発明では、推定車体速度算出手
段によって、車体の推定車体速度を算出し、全輪スリッ
プ判定手段によって、全ての車輪が加速スリップ状態で
あるか否かを判定する。そして、全輪スリップ判定手段
によって、全車輪が加速スリップ状態ではない(即ち加
速スリップ状態でない車輪がある)と判定された場合に
は、第1制御手段によって、推定車体速度に第1所定値
を加算した値を車輪速度の目標値として車輪速度を制御
する。また、全輪スリップ判定手段によって、全車輪が
加速スリップ状態であると判定された場合には、第2制
御手段によって、推定車体速度を車輪速度の目標値とし
て車輪速度を制御する。
【0011】つまり、前記請求項1に記載した様に、従
来では、全輪加速スリップ状態では、推定車体速度が高
めに算出されてしまうので、本発明では、全輪加速スリ
ップ状態の場合には、推定車体速度そのものを目標車輪
速度とすることにより、従来より低めの目標車輪速度を
設定できる。よって、車輪速度をこの目標車輪速度に制
御することにより、全輪加速スリップ状態の場合でも、
好適に加速スリップを抑制して優れたトラクション制御
を行うことができる。
【0012】請求項3の発明では、第1制御手段及び第
2制御手段として、駆動トルクを調節することにより車
輪速度を目標値に制御する手段を採用できる。この駆動
トルクを調節することにより、全輪加速スリップ状態に
おいても、全車輪の加速スリップを抑制して、好適にト
ラクション制御を行うことができる。
【0013】請求項4の発明では、駆動トルクの調節
を、スロットル制御により行うことができる。つまり、
スロットル開度を調節することによってエンジン出力ト
ルクを調節し、それによって駆動輪における駆動トルク
を調節することができる。
【0014】請求項5の発明では、推定車体速度算出手
段としては、加速時に、車輪速度に対して所定の勾配制
限を行って推定車体速度を算出する手段を採用できる。
これにより、例えば加速スリップによって実際の車輪速
度が急上昇した場合でも、(推定車体速度の算出に使用
する)車輪速度としては、勾配制限された値を採用する
ことができるので、実際の車体速度に近い推定車体速度
を算出することができる。
【0015】請求項6の発明では、勾配制限は、車両加
減速度に所定値を加算した値に基づいて行うことができ
る。例えば後述する図2及び図3に示す様に、加速時
に、加速度センサによって得られた加速度演算値GXに
SG1を加えた値を勾配上限制限係数αupとし(αup=
GX+SG1)、前回演算した推定車体速度VTO(i-
1)にこの勾配上限制限係数αupを加味することによっ
て、今回の推定車体速度VTO(i)を算出することがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の全輪駆動車のトラ
クション制御装置の実施の形態の例(実施例)を、図面
に基づいて説明する。本実施例の全輪駆動車のトラクシ
ョン制御装置は、全ての車輪に加速スリップが発生した
場合に、適切な目標値となる車輪速度を設定し、駆動ト
ルクを調節することによって、車両挙動の制御を行うも
のである。
【0017】a)図1に示す様に、4輪駆動車において
は、エンジン1の出力が、左前輪(FL)2、右前輪
(FR輪)3、左後輪(RL輪)4、右後輪(RR輪)
5の4輪全てに伝達される。また、各車輪2〜5には、
ホイールシリンダ6,7,8,9が配置され、このホイ
ールシリンダ6〜9には、そのブレーキ油圧を制御する
油圧制御回路11が接続されている。更に、各車輪2〜
5には、各車輪速度を検出するために、車輪速度センサ
12,13,14,15が配置されている。
【0018】前記車輪速度センサ12〜15や車体加減
速度を検出する加速度センサ16等の各種のセンサから
の信号は、(トラクション制御装置をその構成の一部と
して含む)車両制御装置17に入力され、この車両制御
装置17からは、油圧制御回路18及びエンジン1等に
制御信号が出力される。
【0019】つまり、車両制御装置17では、後述する
様に、車輪速度センサ12〜15や加速度センサ16等
からの信号に基づき、全ての車輪2〜5のスリップ状態
を判定する。そして、その判定結果等に基づいて、エン
ジン1に制御信号を出力して、例えば図示しないスロッ
トルバルブの開度等を調節することにより、車輪2〜5
の駆動トルクを制御する。また、必要に応じて油圧制御
回路11に制御信号を出力して、ブレーキ油圧を調節す
ることにより、車輪2〜5の制動力を制御する。
【0020】b)次に、前記車両制御装置17の構成の
うち、本実施例の要部であるトラクション制御装置にて
行われる制御の手順について、順次説明する。 まず、車輪スリップを判定するために使用される基準
車輪速度の演算処理と、それに続いて行われる推定車体
速度の演算処理について、図2のフローチャート及び図
3の説明図に基づいて説明する。
【0021】図2のステップ100では、加速度センサ
16による車体加減速度の検出値(車体加減速度検出
値)Gxに対して、そのオフセットの補正を行って、車
体加減速度演算値GXを算出する。このオフセットの補
正の方法に関しては、既に特願平8−295179号の
明細書に詳述してあるが、所定速度未満では、加速度セ
ンサによる車体加減速度検出値Gxに基づいて求められ
たオフセットを用いて、車体加減速度検出値Gxを補正
し、一方所定速度以上の場合は、車体加減速度検出値G
xと選択された車輪加速度dVwSelとの差分に基づい
て求められたオフセットを用いて、車体加減速度検出値
Gxを補正するものである。
【0022】尚、誤差が多少大きくなることを無視すれ
ば、この補正処理を省略することも可能である。また、
他の補正演算を採用してもよい。続くステップ110で
は、加速時(又は定速走行時)か減速時かを、車体加減
速度演算値GXが0以上か0未満かによって判定する。
【0023】そして、車体加減速度演算値GX≧0の場
合は、ステップ120にて、加速時(又は定速走行時)
に応じた勾配制限係数である、勾配上限制限係数;αup
=GX+SG1、勾配下限制限係数;αdown=GX−R
G1を決定し、ステップ340に進む。即ち、下記表1
に示す様に、αup=GX+0.3G、αdown=GX−
1.2Gの様に、上限を規定する勾配の方が小さくなる
様に設定する。これは、通常、車輪速度Vwが元に戻る
速度が大きいからである。
【0024】一方、車体加減速度演算値GX<0の場合
は、ステップ130にて、減速時に応じた各勾配制限係
数、αup=GX+RG1、αdown=GX−SG1を決定
し、ステップ140に進む。即ち、下記表1に示す様
に、αup=GX+1.2G、αdown=GX−0.3Gの
様に、下限を規定する勾配の方が小さくなる様に設定す
る。これは、通常、車輪速度Vwが元に戻る速度が大き
いからである。
【0025】
【表1】
【0026】次のステップ140,150の処理は、各
車輪2〜5毎に実行するが、そのうち、ステップ140
では、車輪速度Vwが検出最低速度Vstを上回るか否か
を判定する。ここで肯定判断されるとステップ150に
進み、一方否定判断されるとステップ160に進む。
尚、検出最低速度Vstとは、車輪速度センサ12〜15
にて検出可能な最低の車輪速度(例えば3km/h)で
ある。
【0027】ステップ150では、図3に示す様にし
て、車輪速度Vwに対して第1の勾配制限を行う。即
ち、下記式(1)に示す様に、前回の勾配制限車輪速度
値Vgd(i-1)に勾配下限制限係数αdownを加味した値
(Vgd(i-1)+αdown×ΔT)と、今回の車輪速度V
wと、前回の勾配制限車輪速度値Vgd(i-1)に勾配上
限制限係数αupを加味した値(Vgd(i-1)+αup×Δ
T)との3つの値の中で中間値を求め、この中間値を今
回の勾配制限車輪速度値Vgd(i)として設定する。
尚、ΔTは演算周期である。
【0028】 Vgd(i)=Med[Vgd(i-1)+αdown×ΔT、Vw、 Vgd(i-1)+αup×ΔT] …(1) この勾配制限の様子を図3に示すが、実際の車輪速度V
wが、制限された上下の勾配の範囲に入っている場合、
即ち中間値の場合(時刻t1〜t3、t9〜t11)は、実
際の車輪速度Vwが勾配制限車輪速度値Vgdとして設
定される。また、実際の車輪速度Vwが例えば勾配上限
制限係数αup(=GX+SG1)にて設定される値以上
の場合、即ち勾配上限値が中間値となる場合(時刻t4
〜t8)は、その勾配上限値が勾配制限車輪速度値Vg
dとして設定される。
【0029】そして、このステップ150にて第1の勾
配制限をすることによって得られた各車輪2〜5毎の勾
配制限車輪速度値Vgdが、後述する様に、各車輪2〜
5毎にスリップ状態を判定するのに使用される基準車輪
速度となる。続くステップ160では、加速時(又は定
速走行時)か減速時かを、車体加減速度演算値GXが0
以上か0未満かによって判定する。
【0030】そして、車体加減速度演算値GX≧0の場
合は、ステップ170にて、加速時(又は定速走行時)
に応じて、前記ステップ150にて算出した4輪におけ
る4つの中間値(即ち勾配制限車輪速度値Vgd)のう
ちの最小値を、選択車輪速度VwSelとして決定し、ス
テップ190に進む。つまり、GX≧0の場合は、いわ
ゆるMin輪の車輪速度Vwが、実際の車体速度に近い
と判断されるので、その値を選択する。
【0031】一方、車体加減速度演算値GX<0の場合
は、ステップ180にて、減速時に応じて、4輪の4つ
の中間値(即ち勾配制限車輪速度値Vgd)のうちの最
大値を選択車輪速度VwSelとして決定し、ステップ1
90に進む。つまり、GX<0の場合は、いわゆるMa
x輪の車輪速度Vwが、実際の車体速度に近いと判断さ
れるので、その値を選択する。
【0032】ステップ190では、選択車輪速度VwSe
lに対して第2の勾配制限を行う。即ち、前記第1の勾
配制限とほぼ同様にして、下記式(2)に示す様に、前
回の推定車体速度VTO(i-1)に勾配下限制限係数αdow
nを加味した値(VTO(i-1)+αdown×ΔT)と、今回
の選択車輪速度VwSelと、前回の推定車体速度VTO
(i-1)に勾配上限制限係数αupを加味した値(VTO(i-
1)+αup×ΔT)との3つの値の中で中間値を求め、こ
の中間値を今回の推定車体速度VTO(i)として設定す
る。尚、ΔTは演算周期である。
【0033】 VTO(i)=Med[VTO(i-1)+αdown×ΔT、VwSel、 VTO(i-1)+αup×ΔT] …(2) この第2の勾配制限によって、選択輪が切り替えられる
際の推定車体速度VTOの急な飛びが防止されて滑らか
な推定車体速度VTOが算出されるので、一旦本処理を
終了する。
【0034】次に、前記の様にして算出された勾配制
限車輪速度値Vgd、即ち基準車輪速度を用いて行われ
る車輪スリップの判定処理について、図4のフローチャ
ート及び図5の説明図に基づいて説明する。尚、車輪ス
リップの判定は、各車輪2〜5毎に行われるので、ここ
では、ある1輪におけるスリップ判定について説明す
る。
【0035】図4のステップ200では、車輪速度Vw
が検出最低速度Vstを上回るか否かを判定する。ここで
肯定判断されるとステップ210に進み、一方否定判断
されると一旦本処理を終了する。ステップ210では、
判定対象となる車輪に対する加速スリップ判定を行うた
めに、まず、車輪速度Vwの変化の状態を調べる。つま
り、車輪速度Vwが基準車輪速度(即ち前記ステップ1
50にて求めた勾配制限車輪速度値Vgd)を上回るか
否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ22
0に進み、一方否定判断されるとステップ230に進
む。
【0036】ステップ220では、加速スリップ判定に
使用する加速スリップカウンタaccCをインクリメント
する。即ち、図5に示す様に、車輪速度Vw>基準車輪
速度Vgdと判定された時点t1からの経過時間を測定
するために、加速スリップカウンタaccCVをインクリ
メントし、ステップ240に進む。
【0037】一方、ステップ230では、加速スリップ
カウンタaccCをリセット(0に設定)し、ステップ2
40に進む。ステップ240では、車輪速度Vwが基準
車輪速度Vgdを上回ってから所定の判定時間Tdet
(例えばTdet=150〜200msの範囲内の値)経
過したか否かを、加速スリップカウンタaccCの値が判
定時間Tdetを上回ったか否かによって判定する。ここ
で肯定判断されるとステップ250に進み、一方否定判
断されるとステップ270に進む。
【0038】ステップ250では、図5に示す様に、時
点t2にて、車輪速度Vwが基準車輪速度Vgdを上回
ってから判定時間Tdetが経過したので、加速スリップ
が発生したと判断して、加速スリップの発生を示す加速
スリップフラグaccslipFに、加速スリップが発生した
ことを示す値(1)をセットする。つまり、加速スリッ
プフラグaccslipF=1の状態が、加速スリップの発生
中であることを示している。尚、この加速スリップフラ
グaccslipFは、車輪速度Vwが基準車輪速度Vgd以
下となった時点t3でリセット(0に設定)される。
【0039】続くステップ260では、加速スリップカ
ウンタaccCに判定時間Tdetを代入して、カウンタ値の
制限を行って、一旦本処理を終了する。一方、前記ステ
ップ240にて否定判断されて進むステップ270で
は、加速スリップが発生していないと判断されるので、
加速スリップフラグaccslipFを、加速スリップが発生
していない値(0)に設定して、一旦本処理を終了す
る。
【0040】この図4に示す処理によって、ある1輪に
おける加速スリップの状態を判定できるので、同様な処
理を他の3輪に対しても行う。 次に、上述した車輪スリップの判定結果に基づいて行
われる、全車輪の加速スリップ時のトラクション制御に
ついて、図6のフローチャート及び図7の説明図に基づ
いて説明する。
【0041】図6のステップ300にて、全ての車輪2
〜5が加速スリップ状態か否かを、4輪全ての前記加速
スリップフラグaccslipFが1か否かによって判定す
る。ここで肯定判断されるとステップ310に進み、一
方否定判断されるとステップ330に進む。
【0042】ステップ310では、4輪全てが加速スリ
ップ状態(全輪加速スリップ状態)であるので、そのこ
とを示すために、全輪スリップフラグAllslipFを1に
セットする。この全輪スリップフラグAllaccslipFの状
態を図7に示すが、例えば時点t2にて全輪加速スリッ
プ状態と判定されると1に設定され、その後、1輪でも
加速スリップ状態でなくなると、例えば時点t3にて0
に設定される。
【0043】続くステップ320では、全輪加速スリッ
プ状態における制御を行うために、前記ステップ190
にて算出した推定車体速度VTOを、車輪速度Vwの目
標値(目標車輪速度Vwo)に設定し、ステップ350
に進む。一方、前記ステップ300にて否定判断されて
進むステップ330では、全輪加速スリップ状態ではな
いので、そのことを示すために、全輪スリップフラグAl
lslipFを0にセットする。
【0044】続くステップ340では、全輪加速スリッ
プ状態ではない状態(非全輪加速スリップ状態)である
ので、前記ステップ190にて算出した推定車体速度V
TOに所定値Vmarを加算した値を、目標車輪速度Vw
oに設定し、ステップ350に進む。
【0045】この所定値Vmarは、例えば図8のマップ
に示す様に、推定車体速度VTOに応じて設定される。
つまり、所定値Vmarは、推定車体速度VTO<VTO1
の場合は小さな値Vmar1に設定され、VTO1≦推定車
体速度VTO≦VTO2の場合は推定車体速度VTOに
比例して設定され、VTO2<推定車体速度VTOの場
合は大きな値Vmar2に設定される。
【0046】ここで、前記ステップ320,340にて
設定された目標車輪速度Vwoの状態を、図7に示す
が、全輪スリップフラグAllslipFが0の場合、即ち非全
輪加速スリップ状態(時点t2以前、時点t3以降)の場
合は、目標車輪速度Vwoとして、推定車速度VTOよ
り所定値Vmarだけ大きな値、即ち図中の推定車体速度
VTOを示す点線よりも所定値Vmar上方に移動させた
値を採用している。一方、全輪スリップフラグAllslipF
が1の場合、即ち全輪加速スリップ状態(時点t2〜t
3)の場合は、目標車輪速度Vwoとして、推定車速度
VTOそのものを採用している。従って、図中の時点t2
〜t3では、目標車輪速度Vwoと推定車体速度VTO
とが同じ実線で示されている。
【0047】そして、前記ステップ320,340に続
くステップ350では、上述した様にして設定された目
標車輪速度Vwoとなる様に、スロットル開度設定する
スロットル制御を行い、一旦本処理を終了する。このス
ロットル制御とは、前後輪の車輪速度に重み付けしたも
の、例えば[(Kwf×前輪平均車輪速度)+(Kwr
×後輪平均車輪速度)]が、上述した目標車輪速度Vw
oと同じとなる様に、スロットル開度を制御するもので
ある。尚、Kwfは、前輪に重み付けするための係数、
Kwrは、後輪に重み付けするための係数である。
【0048】これにより、全車輪が加速スリップした場
合でも、その加速スリップを抑制して、車両の安定性及
び加速性をともに実現する好適な車両の制御を行うこと
ができる。この様に、本実施例では、4輪駆動車におい
て、車輪速度Vwの勾配制限を行って基準車輪速度Vg
dを求め、車輪速度Vwがこの基準車輪速度Vgdを上
回った時間が所定以上継続した場合には、加速スリップ
が発生したと判定し、この判定を全ての車輪2〜5に対
して行うことにより、全輪加速スリップ状態か否かを判
定している。
【0049】そして、全輪加速スリップ状態の場合は、
推定車体速度VTOを目標車輪速度Vwoに設定してス
ロットル制御を行ない、これによって、駆動トルクを調
節して加速スリップを抑制するトラクション制御を実行
している。一方、非全輪加速スリップ状態の場合は、推
定車体速度VTOに所定値Vmarを加えた値を目標車輪
速度Vwoに設定してスロットル制御を行ない、これに
よって、駆動トルクを調節して加速スリップを抑制する
トラクション制御を実行している。
【0050】つまり、従来の手法では、全輪加速スリッ
プ状態の場合には、トラクション制御において好適な値
より高めに推定車体速度VTOが算出され、それによっ
て、(推定車体速度VTOに所定値Vmarを加えた)目
標車輪速度Vwoが高めに設定されてしまうので、本発
明では、推定車体速度VTOに所定値Vmarを加えた値
を目標車輪速度Vwoとするのではなく、それより低め
の推定車体速度VTOそのものを目標車輪速度Vwoと
するので、スロットル開度が小さめに抑えられて駆動ト
ルクを従来より低めに設定することができる。そのた
め、加速スリップを好適に低減することができるので、
加速性及び安定性を共に実現できる優れたトラクション
制御を行うことができる。
【0051】尚、本発明は前記実施例になんら限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の態様で実施しうることはいうまでもない。 (1)例えば前記実施例では、全輪加速スリップ状態の
場合は、推定車体速度VTOを目標車輪速度Vwoに設
定し、非全輪加速スリップ状態の場合は、推定車体速度
VTOに所定値Vmarを加えた値を目標車輪速度Vwo
に設定したが、これ以外にも、全輪加速スリップ状態に
おける目標車輪速度Vwoとして、従来の手法により算
出される値より低めに設定した各種の値を採用できる。
【0052】例えば全輪加速スリップ状態の場合は、制
限勾配をどの様な値に設定するかによっても異なるが、
推定車体速度VTOそのものを目標車輪速度Vwoに採
用するのでなく、例えば推定車体速度VTOに前記所定
値Vmarより小さな値を引いた値を目標車輪速度Vwoと
して採用してもよい。
【0053】(2)前記実施例では、スロットル制御に
よってトラクション制御を行う例を示したが、このスロ
ットル制御とともに(あるいはスロットル制御に代え
て)、燃料噴射量や点火時期等を調節することによって
駆動トルク制御して、車輪速度を目標車輪速度に制御し
てもよい。
【0054】(3)前記実施例では、スロットル制御に
よってトラクション制御を行う例を示したが、このスロ
ットル制御等の駆動トルクの制御とともに(あるいは駆
動トルク制御に代えて)、ホイールシリンダ圧を調節す
ることによって各車輪の制動力を制御して、車輪速度を
目標車輪速度に制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のトラクション制御装置が適用される
車両の全体構成を示す説明図である。
【図2】 実施例の基準車輪速度及び推定車体速度の算
出処理を示すフローチャートである。
【図3】 車輪速度の勾配制限を行って基準車輪速度を
求める手順を示す説明図である。
【図4】 各輪の加速スリップを検出する演算処理を示
すフローチャートである。
【図5】 加速スリップのスリップ判定の状態を示す説
明図である。
【図6】 全車輪のスリップ状態に対応したスロットル
制御の制御処理を示すフローチャートである。
【図7】 全車輪のスリップ状態に対応した目標車輪速
度の設定の手順を示す説明図である。
【図8】 所定値の設定のために使用されるマップを示
すグラフである。
【符号の説明】
1…エンジン 11…油圧制御回路 12,13,14,15…車輪速度センサ 16…加速度センサ 17…車両制御装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検
    出手段と、 車体の推定車体速度を算出する推定車体速度算出手段
    と、 全ての車輪が加速スリップ状態であるか否かを判定する
    全輪スリップ判定手段と、 前記全輪スリップ判定手段によって、全車輪が加速スリ
    ップ状態ではないと判定された場合には、前記推定車体
    速度に第1所定値を加算した値を前記車輪速度の目標値
    として、該車輪速度を制御する第1制御手段と、 該全輪スリップ判定手段によって、全車輪が加速スリッ
    プ状態であると判定された場合には、前記推定車体速度
    に前記第1所定値より小さな第2所定値を加算した値を
    前記車輪速度の目標値として、該車輪速度を制御する第
    2制御手段と、 を備えたことを特徴とする全輪駆動車のトラクション制
    御装置
  2. 【請求項2】 各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検
    出手段と、 車体の推定車体速度を算出する推定車体速度算出手段
    と、 全ての車輪が加速スリップ状態であるか否かを判定する
    全輪スリップ判定手段と、 前記全輪スリップ判定手段によって、全車輪が加速スリ
    ップ状態ではないと判定された場合には、前記推定車体
    速度に所定値を加算した値を前記車輪速度の目標値とし
    て、該車輪速度を制御する第1制御手段と、 該全輪スリップ判定手段によって、全車輪が加速スリッ
    プ状態であると判定された場合には、前記推定車体速度
    を前記車輪速度の目標値として、該車輪速度を制御する
    第2制御手段と、 を備えたことを特徴とする全輪駆動車のトラクション制
    御装置
  3. 【請求項3】 前記第1制御手段及び第2制御手段は、
    駆動トルクを調節することにより、前記車輪速度を目標
    値に制御することを特徴とする前記請求項1又は2に記
    載の全輪駆動車のトラクション制御装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動トルクの調節を、スロットル制
    御により行うことを特徴とする前記請求項3に記載の全
    輪駆動車のトラクション制御装置。
  5. 【請求項5】 前記推定車体速度算出手段は、加速時
    に、前記車輪速度に対して所定の勾配制限を行って前記
    推定車体速度を算出することを特徴とする前記請求項1
    〜4のいずれかに記載の全輪駆動車のトラクション制御
    装置。
  6. 【請求項6】 前記勾配制限は、車両加減速度に所定値
    を加算した値に基づいて行うことを特徴とする前記請求
    項5に記載の全輪駆動車のトラクション制御装置。
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