JPH10141044A - 光触媒フィルター装置及び濾過処理方法 - Google Patents

光触媒フィルター装置及び濾過処理方法

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JPH10141044A
JPH10141044A JP8291953A JP29195396A JPH10141044A JP H10141044 A JPH10141044 A JP H10141044A JP 8291953 A JP8291953 A JP 8291953A JP 29195396 A JP29195396 A JP 29195396A JP H10141044 A JPH10141044 A JP H10141044A
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filter
filter device
heating
photocatalytic
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Yoshikazu Nishii
由和 西井
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Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濾過処理能力を大巾に向上させることができ
る光触媒フィルター装置および濾過処理方法を提供す
る。 【解決手段】 ディーゼルエンジン12の排気口後方の
排気管18aにフィルター部20aを配置し、このフィ
ルター部20aに加熱用ヒーター51設け、かつ、フィ
ルター部20aに光触媒を活性化させる光を照射する光
照射装置13を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、黒煙、未
燃炭化水素、潤滑油等からなるパーティキュレートを大
量に除去する必要のあるディーゼルパーティキュレート
フィルター等の大容量処理の必要なフィルターに好適に
用いられる光触媒フィルター装置及びこの装置を用いた
濾過処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光触媒反応は光照射下で生じる強い酸化
力を利用した酸化反応に特徴があることから、この技術
をフィルターに利用して、環境浄化に応用しようという
試みが積極的に行われている。
【0003】従来の光触媒を使ったフィルターとして
は、耐熱性繊維や多孔質物質上にTiO2 などの光触媒
を担持したものや、金属メッシュ上にTiO2 などの光
触媒を担持したものが用いられ、光源からの光で光触媒
作用を発現させている。
【0004】具体例を挙げると、反応溶液および反応溶
媒を収容する反応容器の内部に、光触媒を担持したハニ
カム状のセルを設け、このセル内に光を導入するための
光ファイバーを挿入したもの(特開平5−154号公報
参照)、TiO2 ペレットを入れて、トリクロロエチレ
ンなどの揮発性有機塩素化合物を処理するようにしたも
の(「化学と工業」、第47巻第2号(1994)p1
52−155参照)等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまでの光
触媒の応用は光量に重点が置かれていた結果、光触媒反
応の能力向上の主眼は、いかに多量の光導入を行うかに
向けられていた。
【0006】具体的には、従来の光触媒の応用は、 (1)処理能力を上げるため、多量の光照射をする工
夫。
【0007】(2)処理能力を上げるため、光照射の仕
方の工夫。
【0008】(3)処理能力を上げるため、光触媒活性
を上げる工夫。
【0009】(4)処理能力量が低いために、その能力
量に合った商品開発、例えば、防臭処理(少量処理、律
速段階が拡散にあるもの)、防汚(少量処理で処理に時
間がかかるもの)、抗菌(少量処理、滅菌処理は不可)
などにとどまっていた。
【0010】このように、光触媒作用を利用しても、光
量に重点を置いた開発によっては光触媒反応の能力向上
には限界があり、光分解の対象物が多量である場合に
は、光触媒作用では処理しきれないという問題があっ
た。
【0011】本発明は、上述の背景のもとでなされたも
のであり、濾過処理能力を大巾に向上させることができ
る光触媒フィルター装置および濾過処理方法を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決する手
段として、請求項1に記載の発明は、光触媒を担持した
フィルター素材で構成されるフィルターに補足された被
捕捉物を該光触媒の光分解反応を利用して除去するよう
にした光触媒フィルター装置であって、該被捕捉物およ
び/または該光触媒を加熱する加熱手段を備えたことを
特徴とする光触媒フィルター装置であり、また、請求項
2に記載の発明は、前記加熱手段が、前記被捕捉物を熱
分解またはガス化するための加熱を行うものであること
を特徴とする請求項1記載の光触媒フィルター装置であ
り、さらに、請求項3に記載の発明は、前記フィルター
素材が、ガラス、セラミックス、結晶、金属、およびプ
ラステックスの群がら選ばれた1種または2種以上のも
のであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光触
媒フィルター装置であり、請求項4に記載の発明は、前
記加熱手段による加熱温度として、フィルター素材がガ
ラスにあってはそのガラス転移点以下に、セラミックス
にあってはその分解点以下に、結晶およびプラスチック
スにあってはその結晶の融点および分解点のいずれか低
い温度以下に、金属にあっては融点以下にそれぞれ選定
されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
かに記載の光触媒フィルター装置であり、請求項5に記
載の発明は、前記加熱手段による加熱温度が、50〜6
50℃である請求項1ないし4のいずれかに記載の光触
媒フィルター装置であり、請求項6に記載の発明は、前
記フィルターは、前記フィルター素材を、繊維状、ハニ
カム状、網目状、布状、層状、綿状および粒状の群から
選ばれる1種または2種以上の構造体に形成してなるも
のであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
に記載の光触媒フィルター装置であり、請求項7に記載
の発明は、前記光触媒が、チタン酸化物およびその化合
物、鉄酸化物およびその化合物、亜鉛酸化物およびその
化合物、ルテニウム酸化物およびその化合物、セリウム
酸化物およびその化合物、タングステンおよびその化合
物、モリブデン酸化物およびその化合物、カドミウムお
よびその化合物、ストロンチウム酸化物およびその化合
物の群がら選ばれる1種または2種以上の化合物である
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の
光触媒フィルター装置であり、請求項8に記載の発明
は、前記フィルター素材に担持された光触媒に光を供給
する光源を有することを特徴とする請求項1ないし7に
記載の光触媒フィルター装置である。
【0013】また、上述の課題を解決する手段として、
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の光触媒フィ
ルター装置を用い、該光触媒フィルター装置のフィルタ
ーで被濾過物の流体を濾過しながら、前記光触媒に前記
光源から発する光を照射して前記フィルターに捕捉され
た被捕捉物を光分解するとともに、前記加熱手段により
前記被捕捉物および/または前記光触媒を加熱して被捕
捉物に含まれる炭素を酸化してガス化させることによ
り、被捕捉物の除去を行うことを特徴とする濾過処理方
法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の光触媒フィルター装置
は、光触媒にその活性に必要な光が照射されると、光触
媒反応を起こして、その表面に強い酸化力と還元力を生
じ、光触媒と接触する物質を分解して除去する作用を利
用するフィルターであって、該被捕捉物および/または
該光触媒を加熱する加熱機構を備える光触媒フィルター
装置を提供するものである。
【0015】本発明の第1の特徴は、光触媒による光分
解反応を利用する光触媒フィルター装置について、光触
媒反応時の温度を上げることにより、光分解反応を促進
することにある。すなわち、アレニウス(S.A.Ar
rhenius)により示された下式(1)により、反
応速度は、反応温度が高いほど大きくなることが知られ
ている。
【0016】k=A・e -E/RT…(1) (但し、式中、kは反応定数、Aは頻度因子、Eは活性
化エネルギー、Rは気体定数、Tは反応温度を表す。) 従って、本発明は、フィルターおよび/または被捕捉物
を加熱することにより反応温度を上げ、光分解反応を促
進させる作用を奏させるものである(以下、この作用を
「光分解促進作用」という)。
【0017】本発明において、光触媒は特に限定される
ものではないが、例えば、チタン酸化物およびその化合
物、鉄酸化物およびその化合物、亜鉛酸化物およびその
化合物、ルテニウム酸化物およびその化合物、セリウム
酸化物およびその化合物、タングステンおよびその化合
物、モリブデン酸化物およびその化合物、カドミウムお
よびその化合物、ストロンチウム酸化物およびその化合
物の群から選ばれる1種または2種以上の化合物を用い
ることができる。
【0018】また、光触媒には触媒活性層増強、密着強
度増強、安定性増強、または光反応増強等の作用のある
添加物を加えたり、アンダーコートとして使用できる。
添加物としては、Cr,Ag,Cu,Au,Pt,R
u,Pd,Rh,Sn,Si,In,Pb,As,S
b.P等の金属、またはそれらの酸化物または化合物が
使用できる。また、密着強度増強のために、添加物を加
える代わりに触媒層の下地層としてCr,In,Sn,
Si,P等を設けてもよい。
【0019】光触媒は、フィルター材に均一に含有させ
てもよいが、導光体からなるフィルター材の表面に担持
させることが好ましい。後者によると、導光体に導かれ
た光が導光体表面より出て、光触媒に直接照射すること
ができるため、光分解作用が向上する。
【0020】光触媒の担持方法としては、ゾルゲル法、
パエロゾル法、ウォッシュ・コート法、蒸着法、スパッ
タ法、熱分解法、金属酸化法等を採用することができ、
1種または2種以上用いることができる。導光体表面に
光触媒を担持させる場合には、1nm〜1mmの膜厚に
被覆することが好ましい。
【0021】光触媒は、その活性に必要な光に対し透明
であることが好ましいが、不透明であってもよい。不透
明の場合は、導光体の表面に、光触媒を島状に多数担持
して、光触媒の担持されていない部分の導光体表面から
でた光が不透明な光触媒の周囲を包み込むようにすれぱ
よい。
【0022】光源波長としては、光触媒がTiO2 であ
る場合には、これを励起できる200〜500nmの紫
外域が好ましく、光源としては、これを連続光として出
力する水銀ランブ、紫外線ランブが使用できる。
【0023】光源からの光は一方向または二方向以上か
ら導光体に入射することができるが、フィル夕一素材が
長繊維からなる場合には、長繊維の端部から光を入射す
ることにより、長繊維を通じて全ての光触媒に光を到達
させることができるため、光触媒は、光触媒の支持体で
ある導光体の内部から直接光を受け取り、光触媒作用を
発現させることができる。
【0024】本発明で用いられるフィルターの素材は目
的に応じて適宜選択することができるが、後述する加熱
温度で分解、溶融、又は軟化せず、かつ、光触媒と反応
しない導光体であることが好ましい。このような素材と
しては、ガラス、セラミックス、結晶、金属、プラスチ
ックスなどが挙げられる。
【0025】さらに、本発明の光触媒フィルター装置の
素材は、光触媒活性を下げない素材であることがより好
ましい。光触媒活性を下げない素材としては、光触媒中
への不純物の拡散がなく光触媒活性を劣化させないとと
もに、光触媒薄膜を形成しやすく、化学的耐久性や透明
性等に優れ、加工が容易なものが挙げられる。
【0026】このような素材としては、例えば、重量%
表示で、SiO2 を30〜70%、アルカリ成分の含有
量が0〜10%である、低アルカリのケイ酸塩ガラス、
アルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、又は無
アルカリガラスが挙げられる。中でも、SiO2 を30
〜70%、A12 3 を1〜35%、B2 3 を0〜3
0%、MgOを0〜20%、CaOを0〜20%、Sr
Oを0〜20%、BaOを0〜40%、ZnOを0〜2
0%、Li2 Oを0〜10%、Na2 Oを0〜10%、
2 Oを0〜10%、Cs2 Oを0〜10%、Li2
+Na2 O+K2 O+Cs2 Oを0〜10%、MgO+
CaO+SrO+BaO+ZnO+Li2 0+Na2
+K2 O+Cs2 Oを0.1〜65%であるガラス材
は、光触媒活性を低下させない素材として好ましい。
【0027】各成分の限定理由は次のとおりである。
【0028】SiO2 は、ガラス形成成分であるが、7
0重量%を超えると、ガラスの粘性が高くなり溶融が困
難となる。また、30重量%未満であると、耐失透性、
化学的耐久性が劣化する。また、同様の理由から、Si
2 は、35〜65重量%、特に50〜60重量%とす
ることがより好ましい。
【0029】A12 2 は、ガラスの化学的耐久性、耐
熱性を向上させ、液相温度を下げる効果がある成分であ
る。しかし、A12 2 が35重量%を超えると、耐失
透性が悪化する。同様の理由から、A12 2 は1〜2
0重量%、特に15〜20重量%とすることがより好ま
しい。
【0030】B2 3 は、ガラスの粘度を下げ、溶融性
をよくする効果がある成分であるが、30重量%を超え
ると、分相傾向が増大し、均質なガラスを得にくい。同
様な理由から、B2 3 は0〜15重量%、特に0〜1
0重量%とすることがより好ましい。
【0031】MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO
は、適宜添加によりガラスの特性および溶融性を調節す
ることができる成分である。
【0032】MgOは、得られるガラスの熱膨張係数と
粘性を低下させる成分であるが、20重量%を超える
と、ガラスの耐失透性が低下する。同様の理由から、M
gOは0〜10重量%、特に0〜5重量%とすることが
より好ましい。
【0033】CaOは、MgOとほぼ類似した作用を示
す成分であるが、20重量%を超えると、耐失透性が低
下する。同様の理由から、CaOは、0〜10重量%、
特に0〜5重量%とすることがより好ましい。
【0034】SrOは、ガラスの耐失透性を向上させる
成分であるが、20重量%を超えると、逆に耐失透性が
悪化する。同様の理由から、SrOは0〜10重量%、
特に0〜5重量%とすることがより好ましい。
【0035】BaOは、SrOとほぼ類似した作用を示
す成分であるが、50重量%を超えると、逆に耐失透性
が悪化する。同様の理由から、BaOは0〜30重量
%、特に0〜5重量%とすることがより好ましい。
【0036】MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO
の含有量の合計が、65重量%を超えると、耐失透性が
悪化する。同様の理由から、これらの合計含有量は、1
0〜30重量%、特に10〜20重量%とすることがよ
り好ましい。
【0037】Li2 O、Na2 O、K2 O、Cs2 Oの
アルカリ成分は、ガラスの粘度を下げ、溶融性をよくす
る成分であるが、これらのアルカリ成分の含有量の合計
が、10重量%を超えると、光触媒活性が劣化し、好ま
しくない。同様の理由から、これらの合計含有量は、0
〜5重量%、特に0〜2重量%とすることがより好まし
い。
【0038】また、上述した光触媒活性を低下させない
ガラス素材は、上述した成分の他に、上述した特性を損
なわない範囲で、PbO,ZrO2 ,TiO2 ,As2
3,Sb3 3 ,SnO2 ,La2 3 ,P2 5
WO3 ,Bi2 3 ,Ta25 ,Nb2 5 ,Gd2
3 およびFなどの成分を、耐失透性、溶融性、化学的
耐久性などの改善や、清澄剤などの目的で添加すること
ができる。
【0039】このようなガラス材は、その製造方法は特
に制限されないが、例えば、上記成分のバッチ原料を白
金るつぼ等の耐熱容器に入れ、1200〜1650℃で
2〜4時間程度加熱溶融し、この溶融ガラスを撹件によ
り均質化し、清澄を行った後、鋳型に流し込んで徐冷す
ることにより製造できる。
【0040】ガラス材に用いるガラス原料は、いずれの
成分についても、ガラス原料として通常使用される水酸
化物、炭酸塩、硝酸塩、硫化物、酸化物、窒化物などを
適宜用いることができる。
【0041】図1〜図8は本発明の光触媒フィルター装
置を構成するフィルターの構造体の説明図である。
【0042】図1はフィルターを構成する単位構造体の
1例を示す図であり、導光体1の表面に、光触媒2を担
持して繊維状の構造体にしたものである(以下、「光触
媒繊維体」という)。
【0043】図2に示される例は、ハニカム状に成形し
た導光体3の表面に光触媒2を担持したものである。
【0044】図3に示される例は、光触媒繊維体10を
編んで網目状の構造体に形成したものである。
【0045】図4に示される例は光触媒繊維体10を綿
状に形成したものである。
【0046】図5に示される例はシート状の導光体4の
表面に光触媒2を担持した光触媒シート6を層状に重ね
たものである。
【0047】図6に示される例は光触媒繊維体10で織
った布状のものである。
【0048】図7に示される例は光触媒繊維体10を平
行に束ねたものである。
【0049】図8に示される例は光触媒繊維体10を束
ねてその中心部に円錐形の空隙部を形成させ、この空隙
部から被濾過物の流体を導入するようにしたものであ
る。
【0050】光触媒繊維体の直径は、0.1〜100μ
mが好ましく、特に1.0〜30μmがより好ましい。
直径が0.1μm未満であると、作製が困難であり、ハ
ンドリングもしずらくなる。一方、100μmを越える
と、繊維作製が困難であり、フィルタとして補集効率が
おちるおそれがある。
【0051】光触媒繊維体の長さ、本数は、特に限定さ
れるものではなく、目的に応じて適宜選択することがで
きる。また、光触媒繊維体の長さは、全部をほぼ同一の
長さとしても、必要に応じて変えてもよい。
【0052】光触媒繊維体10は、図9に示されるよう
に長手方向に波形状にすれば導光体から光触媒の直接照
射の点で有利である。また、図10に示されるように導
光体1の表面に突起8を形成してその上に光触媒2を担
持した繊維状の構造体にすればフィルターとしてなお好
ましい。さらに、図11に示されるように先端にいくに
したがって曲率半径が小さくなる曲線状に構成すれば光
の漏れ量を長手方向に均一にして光触媒の作用が均一に
なるようにできる。
【0053】このような光触媒繊維体を用いることで、
光触媒繊維体を単に束ねたり、積層させるだけで、適度
な空孔度を有するフィルター材とすることができる他、
流体を通しても空孔が変化せず、適当な空孔度を長期に
わたって維持することが可能となる。また、紡績工程を
経ずにフィルター材として使用できるため、従来フィル
ター材を構成することが困難であった光触媒繊維体であ
っても、使用可能となる。さらに、濾過部の表面積が増
大するため、表面反応を利用して流体の浄化を行う場合
には、その浄化効率を向上させることができる。
【0054】空孔度は、波形や突起の大きさ、ピッチ、
長繊維状体の積層間隔等により任意に変えることができ
る。
【0055】表面に突起が形成された長繊維状体では、
突起のピッチは、特に限定されないが、繊維径の2倍〜
10倍程度であることが好ましい。繊維径が2倍未満で
あると、流路の縮小のための抵抗損失が大きい。一方、
ピッチが繊維径の10倍を超える程度になると、繊維ど
うしの間隔を保つのが難しくなってフィルター効果が小
さくなるおそれがある。
【0056】突起の形状としては、例えば、球状、不定
形、棒状、鱗片状、繊維状、多孔体などが挙げられる。
突起の大きさは、全て同等の大きさとしてもよいが、捕
集効率の観点から、入側の面では大きく、出側の面に向
かうにつれて小さくすることにより捕集密度が分散さ
れ、捕集効率およびフィルターの寿命を上げることがで
きる。突起の分布密度は特に限定されず、空孔度や、圧
力損失、流体の圧力または量、フィル夕ー基材の強度、
径、厚みや、所望の捕集率などを考慮して必要に応じ、
適宜設計される。突起の材質としては、例えば、セラミ
ックス、ガラス、セラミックスガラス、金属、樹脂、結
晶等が挙げられる。なお、フィルター材とその表面に形
成する突起の材質は、同一であってもよく、異種の材料
としてもよい。
【0057】突起の形成方法の態様を以下に例示する。
【0058】第一の態様は、光触媒繊維体基材の表面に
粒子を固着させて突起を形成する方法であり、次の各種
態様が含まれる。なお、ここで、光触媒繊維体基材とは
光触媒が担持されていない基材である。また、光触媒が
担持されていない光触媒繊維体基材の表面に粒子を固着
させて突起を形成し、その上に光触媒を形成するように
したのは、光触媒の表面積の点で有利であるとともに突
起の強度の面でも有利である等の理由からである。
【0059】(1)バインダー成分に、粒子を混合、分
散又は懸濁させて作成した塗布液を光触媒繊維体基材の
表面に塗布する方法。
【0060】(2)光触媒繊維体基材の表面にバインダ
ー成分を塗布し、パインダー成分が固化する前に粒子を
付着させる方法。
【0061】(3)光触媒繊維体基材と粒子を熱融着す
る方法。この場合、両者を共に加熱してよく、熱した光
触媒繊維体基材の表面に散布してもよく、あるいは、光
触媒繊維体基材の表面に熱した粒子又は溶融した粒子を
散布してもよい。
【0062】(4)光触媒繊維体基材の表面に、固化後
に粒子を形成する液体を散布又は噴霧し、固化する方
法。
【0063】(5)光触媒繊維体基材の表面を試薬等で
変質させた後、粒子を付着させ、固化する方法。具体的
には、例えば、アクリルなどの有機樹脂の表面を有機溶
媒(溶剤)で溶かしたのち、粒子を付着させ、固化する
方法が挙げられる。
【0064】上記態様(1)〜(5)において用いる粒
子としては、例えば、ガラス質、結晶質の粒子を用いる
ことができる。ガラス質のものとしては、シリカガラ
ス、ソーダライムシリケートガラス、無アルカリガラス
が挙げられる。また、結晶質のものとしては、無数にあ
るが、代表的なものとしては、アルミナ、ジルコニア、
チタニア、ムライト、コーディライト、マグネシア、チ
タン酸バリウムなどをあげることができる。
【0065】第二の態様は、光触媒繊維体基材の表面自
体に突起を形成する方法であり、次の各種態様が含まれ
る。
【0066】(1)金型を用い、成形によって光触媒繊
維体基材の表面に突起を形成する方法。
【0067】(2)光触媒繊維体基材の嚢面に金型の形
状を転写して突起を形成する方法。
【0068】(3)光触媒繊維体基材の表面を蝕刻し
て、突起を形成する方法。なお、この方法では公知のリ
ソグラフィー技術を利用してサブミクロンオーダーの規
則正しい任意の配列および分布密度の突起を形成でき、
超精密フィルターを作成できる。
【0069】第三の態様は、光触媒繊維体基材原料に粒
子を混合し、これを成形して光触媒繊維体基材の表面に
突起を形成する方法である。
【0070】以上に述べた光触媒繊維体を波形にした
り、表面に突起を形成したりする技術は、各種分野で各
種技術が知られており、これらを利用すればよい。
【0071】なお、光触媒ファイパーを形成するには、
公知の光繊維体製造技術が転用でき、またシート状導光
体は公知のガラス板製造方法を利用できる。また、導光
体をハニカム状に形成するには、原料のガラス等を粒状
にしてハニカム状に圧扮成形したり、中空の導光体をハ
ニカム状に加工成形したりすれぱよい。
【0072】次に、本発明の第2の特徴は、被捕捉物を
加熱することで、被捕捉物を熱分解し、またはガス化し
て、フィルターから除去することにある。すなわち、光
触媒作用による光分解することが可能なものとしては、
フューム、ダスト、大気塵、タバコの煙、粉塵、ビール
ス、バクテリア、有害ガス、汚泥、トリハロメタンなど
の分解が可能である。同時に、これらは、高温に加熱さ
れると熱分解し、または、酸素等の雰囲気と反応してガ
ス化する物質でもあることから、本発明は、これら被捕
捉物が熱分解またはガス化する温度に加熱して(以下、
熱分解またはガス化のことを「熱反応」という)、被捕
捉物の熱分解反応を発現する作用(以下、「熱反応発現
作用」という)を奏させようというものである。なお、
ここでいう熱反応とは、加熱により有機物が一旦、炭化
したのち、熱分解またはガス化することも含むものであ
る。加熱は、光触媒フィルター装置に備えた加熱機構に
より行う。
【0073】加熱機構としては、特に限定されず、たと
えば、ヒーター加熱、燃焼加熱、反応熱加熱、マイクロ
波加熱、熱線加熱、ランフ加熱、抵抗加熱など、一般的
な加熱機構が挙げられる。加熱機構は、フィルターに接
続してフィルターを直接加熱するようにしても、水など
の液体や大気や酸素などの気体の媒体(以下単に「媒
体」という)を通して加熱するように配置してもよい。
【0074】加熱温度は、フィルターが、光触媒フィル
ター装置としての機能を失わない範囲の温度であること
が必要である。すなわち、加熱温度は、フィルター材が
フィルターとしての機能を失わない温度であって、か
つ、フィルターに担持した光触媒が熱分解または媒体と
の反応によりガス化するなどしてフィルターから失われ
たり、劣化したりすることのない温度である必要があ
る。
【0075】フィルター材がフィルターとしての機能を
失わない温度としては、加熱温度は、フィルター材が媒
体と反応しない温度であって、かつ、フィルター材の素
材がガラスの場合はそのガラス転移点以下であり、セラ
ミックスの場合はその分解点以下であり、結晶またはプ
ラスチックスの場合はその結晶の融点および分解点のい
ずれか低い方の温度以下であり、金属にあっては融点以
下であることが必要である。加熱温度がかかる温度を超
えると、フィルターの溶融、変形、消失などが起きて、
フィルター材がフィルターとしての機能を失ってしま
う。具体的には、加熱温度としては、50〜650℃で
あり、特に好ましくは350〜500℃である。加熱温
度が50℃未満であると、前記した光分解反応促進作用
の発現の度合いが小さすぎて加熱しない場合との実用上
の差がなく、一方、650℃を超えると、被捕捉物等が
燃焼反応を起こして温度コントロールが効かなくなるお
それがある。ここで、加熱温度とは、加熱されることに
より、フィルターまたは被捕捉物が達する最高温度をい
う。加熱温度は、上記温度の範囲において適宜選択する
ことができるが、熱反応発現作用を奏させる観点から
は、被捕捉物の熱反応開始温度以上であることが必要で
ある。被捕捉物の熱反応開始温度を下げるために、媒体
に酸素などを含有させてガス化を促すことが好ましく、
また、光触媒も触媒という点から熱反応開始温度を下げ
る効果をもっている。
【0076】光分解反応促進作用は、光触媒に光を照射
している問において加熱することにより奏されるのに対
し、熱反応発現作用は、フィルターに被捕捉物が捕捉さ
れていれば奏されるものである。従って、加熱の時期と
しては、被捕捉物が捕捉されている間、適宜選択するこ
とができる。
【0077】本発明の光触媒フィルター装置は、各種の
加熱方法を適用して、メンテナンスフリーの光触媒フィ
ルター装置を構成できる。
【0078】図12〜図15は本発明の光触媒フィルタ
ー装置の各種の態様を示す図である。
【0079】図12に示される例は、図5に示した光触
媒シート6の積層体の各シートの間に加熱用ヒーター5
をめぐらしたものである。
【0080】図13に示される例は、被濾過物の流路1
8に、順次、ヒータ5及び光触媒フィルタ部20を配置
したものである。
【0081】図14に示される例は、被濾過物である混
濁液7が入った容器8に、光触媒フィルター部20、ヒ
ータ5、撹拌棒9を設置して、混濁液が光触媒フィルタ
ー部を通過するように撹枠し、かつヒーターで混濁液を
加熱するようにしたものである。
【0082】図15に示される例は、図14に示される
例において、加熱手段として、ヒーターを用いる代わり
にバーナー11を用いたものである。
【0083】上述の通り、本発明の光触媒フィルター装
置は、光触媒による光分解反応を促進させ、さらに、被
捕捉物を熱分解またはガス化することができる構成を有
している。このため、本発明の光触媒フィルター装置
は、大容量の被捕捉物を処理することが可能である。従
って、本発明の光触媒フィルター装置を、光触媒作用を
奏するための光を照射する光源を組み合わせた光触媒フ
ィルター装置は、被捕捉物が多量であるフィルターや、
光触媒による光分解のみでは処理しきれない用途のフィ
ルター装置、例えば、ディーゼルエンジンの排ガスに含
まれる黒煙、未然炭化水素および潤滑油からなる固体粒
状物(パーチィキュレート)を除去する排気浄化装置
(DPF)に用いても充分にその効果を発揮する。
【0084】また、本発明の光触媒フィルター装置は、
上述したように被捕捉物の除去能力が大きく、また、光
触媒に光を照射する光源と、熱反応を発現させる加熱機
構を備えているうえ、被捕捉物の除去能力が大きいた
め、メンテナンスが不要なフィルター装置となる。この
ため、本発明の光触媒フィルター装置を流体の濾過に用
いる方法によると、被濾過物が次々に流入する用途にお
いても、被捕捉物除去のために濾過作業を中断する必要
はない。従って、クリーンルーム用エアフィルター、空
気洗浄機等のガス処理フィルター、または、水や海水浄
化用フィルター等の溶液処理フィルターなどの流体、特
に循環する流体の濾過に用いると、メンテナンスを行わ
なくても、半永久的に濾過が可能である。
【0085】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳細
に説明する。
【0086】本実施例は、本発明の光触媒フィルター装
置をDPFに用いた例である。
【0087】図16に示したように、本実施例の光触媒
フィルター装置は、ディーゼルエンジン12の排気口後
方の排気管18a内にフィルター部20aを配置し、こ
のフィルター部20aに加熱用ヒーター51設け、か
つ、フィルター部20aに光触媒を活性化させる光を照
射する光照射装置13を設けたものである。
【0088】フィルター部20aは、図17に表にして
示した組成からなるガラスを、直径が5μmの長繊維に
加工し、この長繊維を製織してディーゼルエンジンの排
気微粒子を捕捉できるように、図5に示されるシート状
のフィルターとし、このフィルターの表面に、TiO2
を塗布したものである。なお、このフィルター部20a
としては、導光性繊維状体の表面に光触媒を形成した光
触媒繊維体を束ねたものを用い、その束ねた一端部を外
部に導いて、そこから光を供給するようにしていもよ
い。また、その場合には、外部に配置される部分につい
ては、光の洩れを防ぐ意味でその外部の部分のみを光フ
ァイバーに形成してもよい。
【0089】また、フィルター部20aとしては、図8
に示される構造のものを用いてもよい。図8に示される
構造のフィルターを用いる場合には、排気を開口部から
導入するようにし、収束部においては導光性繊維状体の
表面に光触媒を担持させずにクラッド材で形成して光フ
ァイバに形成する。そして、この収束部を外部に取り出
してそこから励起光を供給するようにすればよい。
【0090】加熱用ヒータ51は、フィルター部20a
全体を十分加熱できるように周囲に巻き付けたものであ
る。このヒーター51としては被濾過流体の流通や光照
射を阻害することなくフィルター部20aを必要なだけ
加熱できるものであって耐久性等を有するものであれば
よい。
【0091】光照射装置13は、図示しない紫外線ラン
プからの光を光ファイバーバンドルによって導いてその
出射端部の面積をフィルター部20a全体を照射できる
ように大きく形成したものである。この光照射装置13
としては、フィルター部20a全体に光を十分に照射で
きるものであれば他の方式のものであってもよいことは
勿論である。
【0092】上述の装置において、ディーゼルエンジン
12を駆動して0.01g/sオーダーの排出速度で排
気微粒子を排出させた。駆動開始と同時に、フィルター
ヘの光の照射と、フィルターに巻き付けたヒーター線の
加熱を開始し、光触媒フィルター部20aおよび排気微
粒子が表1の実験加熱温度になるようにしてその温度を
エンジンが停止するまで維持した。なお、この場合には
ヒーター線による加熱はどちらかというと補助的なもの
で、排気ガスの熱による加熱が主として利用されること
になる。光源としては、300〜400nmの連続光を
出す紫外線ランプを使用した。エンジン駆動停止後、フ
ィルターを検査したところ、フィルターには排気微粒子
はほどんど付着しておらず、この光触媒フィルター装置
は0.01g/sオーダー以上の速度で捕捉した排気微
粒子を除去できたことがわかった。
【0093】図18は光触媒フィルター部20aの変形
例の説明図である。この光触媒フィルター部20aは、
基本ユニットを複数組み合わせたものである。すなわ
ち、所定長さに切り揃え、すだれ状に並べた複数本の光
触媒繊維体10aと、これらの光触媒繊維体10aの一
端を保持する保持具14と、保持された光触媒繊維体1
0aの一端から光触媒の活性に必要な光を入射させる光
源13aとから構成される。この基本ユニットを縦、横
に交互に複数配置して所定のフィルター性能を得られる
ようにする。
【0094】光触媒繊維体10aを構成する導光体に
は、高温(100〜700℃)の加熱にも耐えるアルミ
ノシリケートガラス(ガラス転移点500〜800
℃)、または、石英ガラス(ガラス転移点約1100
℃)を使用し、繊維体径は、1〜301μm程度とし
た。また、光源として、300〜400nmの連続光を
出す紫外線ランプを使用した。
【0095】なお、光源から実際に濾過作用を行なわせ
る部位までの距離を長くする必要のある場合には、光触
媒繊維体10aとして、この濾過作用を行なわせる部位
にあたる部分のみ導光性繊維の表面に光触媒を形成し、
そのほかの部位は導光性繊維の表面に該導光性繊維をコ
アとした場合にクラッドになる材料を形成して光ファイ
バーを構成するようにする。これにより、光源からの光
を途中で洩らすことなく光触媒に有効に導くことができ
る。
【0096】光触媒繊維体10aは、高純度原料を使用
したアルミノシリケートガラスを白金るつぼで溶融し、
この溶融ガラスをプッシング法で繊維体状に成形し、繊
維体ガラスにTiO2 膜をゾルゲル法で被覆して製造し
た。TiO2 の膜厚は、0.5μmになるように調整し
た。
【0097】ここで、TiO2 膜の可視紫外域での屈折
率は2.1〜2.6であり、アルミノシリケートガラス
は1.5前後であるから、クラッドに相当する部分の方
がコアに相当する部分よりも屈折率の高い繊維体となっ
た。
【0098】このような構成の光触媒フィルター部20
aを、上述の図15に示される光触媒フィルター部20
aの代わりに用いてDPF装置を製作し、このDPF装
置を用いて、ディーゼルエンジン駆動開始時から、光触
媒に光を照射するとともに、フィルターにかませたヒー
ター線の加熱を開始し、光触媒フィルター部20aおよ
び排気微粒子が表1の実験加熱温度になるようにしてそ
の温度をエンジンが停止するまで維持した。エンジン駆
動停止後、フィルターを検査したところ、フィルターに
は排気微粒子はほどんど付着しておらず、このDPFは
0.01g/sオーダー以上の速度で捕捉した排気微粒
子を除去できたことがわかった。
【0099】なお、以上の実施例は、本発明の光触媒フ
ィルター装置をDPFに適用した例であるが、光触媒フ
ィルター装置を構成するフィルターとして図3に示され
るような光触媒繊維体10を編んで網目状の構造体に形
成したもの、あるいは、図4に示されるような光触媒繊
維体10を綿状に形成したもの等を用いて、例えば「減
菌処理装置」や「汚泥やトリハロメタン等の除去装置」
等を構成することもできる。この場合には、従来の加熱
しない装置の処理能力を遥かに凌駕する能力を有する装
置を得ることができ、しかも、菌の死骸等を除去する洗
浄能力も遥かに勝れたものとすることができる。
【0100】以上説明した実施例の光触媒フィルター装
置は、反応温度を上げて光触媒による光分解反応を促進
させたため、この光触媒フィルター装置は、光導入量を
上げるだけの従来の方式よりも、光触媒作用が顕著に向
上して、被捕捉物の除去量が増大する。また、本発明の
光触媒フィルター装置は、フィルターの被捕捉物を、熱
分解またはガス化して除去することができる。従って、
光分解を促進するとともに、熱分解反応を発現させた場
合には、多量の被捕捉物の除去が可能である。また、本
発明の光触媒フィルター装置は、被捕捉物がフィルター
に捕捉された状態で、上記光分解促進作用と熱反応発現
作用の両方を奏するように構成したため、フィルターで
被捕捉物を捕捉しながら、多量の被捕捉物を除去するこ
とが可能で、メンテナンスフリーが実現できる。このよ
うに、本発明の光触媒フィルター装置はメンテナンスフ
リーを実現することができるため、本発明の光触媒フィ
ルター装置を用いた流体被濾過物処理方法によると、従
来のフィルターのように、被捕捉物を除去するために濾
過工程を中断する必要がないため、被濾過物が流体とし
て次々に流入しても半永久的な処理が可能である。
【0101】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、光触媒
を担持したフィルター素材で構成されるフィルターに補
足された被捕捉物を該光触媒の光分解反応を利用して除
去するようにした光触媒フィルター装置であって、前記
被捕捉物および/または前記光触媒を加熱する加熱手段
を備えたことを特徴とする光触媒フィルター装置、並び
にこの光触媒フィルター装置を用いた濾過処理方法であ
り、この構成により、濾過処理能力を大巾に向上させる
ことができる光触媒フィルター装置および濾過処理方法
を得ているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光触媒フィルター装置を構成するフィ
ルターの単位構造体の1つである光触媒繊維体の説明図
である。
【図2】光触媒フィルター装置を構成するハニカム状の
フィルター構造体の説明図である。
【図3】光触媒フィルター装置を構成するフィルターの
1つであって、光触媒繊維体を編んで網目状に形成した
構造体の説明図である。
【図4】光触媒フィルター装置を構成するフィルターの
1つであって、光触媒繊維体を綿状に形成した構造体の
説明図である。
【図5】光触媒フィルター装置を構成するフィルターの
1つであって、シート状の導光体表面に光触媒を担持し
た光触媒シートを層状に重ねて形成した構造体の説明図
である。
【図6】光触媒フィルター装置を構成するフィルターの
1つであって、光触媒繊維体で織って布状に形成した構
造体の説明図である。
【図7】光触媒フィルター装置を構成するフィルターの
1つであって、光触媒繊維体を平行に束ねて形成した構
造体の説明図である。
【図8】光触媒フィルター装置を構成するフィルターの
1つであって、光触媒繊維体を束ねてその中心部に円錐
形の空隙部を形成させ、この空隙部から被濾過物の流体
を導入するようにした構造体の説明図である。
【図9】光触媒繊維体の表面に突起を形成した例を示す
図である。
【図10】光触媒繊維体を波形状に形成した例を示す図
である。
【図11】光触媒繊維体を先にいくにしたがって次第に
曲率が大きくなる曲線形状に形成した例を示す図であ
る。
【図12】本発明の光触媒フィルター装置の1態様を示
す図である。
【図13】本発明の光触媒フィルター装置の1態様を示
す図である。
【図14】本発明の光触媒フィルター装置の1態様を示
す図である。
【図15】本発明の光触媒フィルター装置の1態様を示
す図である。
【図16】本発明の実施例にかかる光触媒装置の構成を
示す図である。
【図17】光触媒繊維体の組成等を表にして示す図であ
る。
【図18】光触媒フィルター部の変形例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…導光性繊維体、2…光触媒、3…ハニカム状導光
体、4…導光性シート、5…ヒーター、6…光触媒シー
ト、7…被濾過物、10,10a…光触媒繊維体、12
…ディーゼルエンジン、13…光照射装置、20,20
a…光触媒フィルター部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒を担持したフィルター素材で構成
    されるフィルターに補足された被捕捉物を該光触媒の光
    分解反応を利用して除去するようにした光触媒フィルタ
    ー装置であって、前記被捕捉物および/または前記光触
    媒を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする光触媒
    フィルター装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱手段が、前記被捕捉物を熱分解
    またはガス化するための加熱を行うものであることを特
    徴とする請求項1記載の光触媒フィルター装置。
  3. 【請求項3】 前記フィルター素材が、ガラス、セラミ
    ックス、結晶、金属、およびプラステックスの群がら選
    ばれた1種または2種以上のものであることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の光触媒フィルター装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱手段による加熱温度として、フ
    ィルター素材がガラスにあってはそのガラス転移点以下
    に、セラミックスにあってはその分解点以下に、結晶お
    よびプラスチックスにあってはその結晶の融点および分
    解点のいずれか低い温度以下に、金属にあっては融点以
    下にそれぞれ選定されていることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれかに記載の光触媒フィルター装置。
  5. 【請求項5】、前記加熱手段による加熱温度が、50〜
    650℃である請求項1ないし4のいずれかに記載の光
    触媒フィルター装置。
  6. 【請求項6】 前記フィルターは、前記フィルター素材
    を、繊維状、ハニカム状、網目状、布状、層状、綿状お
    よび粒状の群から選ばれる1種または2種以上の構造体
    に形成してなるものであることを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれかに記載の光触媒フィルター装置。
  7. 【請求項7】 前記光触媒が、チタン酸化物およびその
    化合物、鉄酸化物およびその化合物、亜鉛酸化物および
    その化合物、ルテニウム酸化物およびその化合物、セリ
    ウム酸化物およびその化合物、タングステンおよびその
    化合物、モリブデン酸化物およびその化合物、カドミウ
    ムおよびその化合物、ストロンチウム酸化物およびその
    化合物の群がら選ばれる1種または2種以上の化合物で
    あることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記
    載の光触媒フィルター装置。
  8. 【請求項8】 前記フィルター素材に担持された光触媒
    に光を供給する光源を有することを特徴とする請求項1
    ないし7に記載の光触媒フィルター装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の光触媒フィルター装置
    を用い、該光触媒フィルター装置のフィルターで被濾過
    物の流体を濾過し、前記光触媒に前記光源から発する光
    を照射して前記フィルターに捕捉された被捕捉物を光分
    解するとともに、前記加熱手段により前記被捕捉物およ
    び/または前記光触媒を加熱して被捕捉物に含まれる炭
    素を酸化してガス化させることにより、被捕捉物の除去
    を行うことを特徴とする濾過処理方法。
JP8291953A 1996-02-28 1996-11-01 光触媒フィルター装置及び濾過処理方法 Pending JPH10141044A (ja)

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PCT/JP1997/000623 WO1997031703A1 (fr) 1996-02-28 1997-02-28 Materiau de verre pour porter un photocatalyseur, dispositif filtrant utilisant celui-ci et procede pour emettre de la lumiere
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100353263B1 (ko) * 1999-10-14 2002-09-18 사단법인 고등기술연구원 연구조합 광촉매를 이용한 배기정화장치
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KR100778550B1 (ko) 2006-08-29 2007-11-26 황제구 자동차 배기가스 처리방법 및 그 처리장치

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