JPH10140189A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物

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JPH10140189A
JPH10140189A JP30209496A JP30209496A JPH10140189A JP H10140189 A JPH10140189 A JP H10140189A JP 30209496 A JP30209496 A JP 30209496A JP 30209496 A JP30209496 A JP 30209496A JP H10140189 A JPH10140189 A JP H10140189A
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JP30209496A
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English (en)
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Hiroshi Danjo
洋 檀上
Yohei Kaneko
洋平 金子
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経済的に安価に合成でき、しかも水溶性が高
く、キレート性能に優れた無リン系のビルダーを含有す
る洗浄力の優れた洗浄剤組成物の提供、及びキレート性
能に優れた無リン系の新規キレート化合物の提供。 【解決手段】 キレート化合物(I)を 0.5〜40重量%
含有する洗浄剤組成物。 【化1】 〔M はH、アルカリ金属等、R1は炭素数1〜36のアルキ
ル基等、R2はH又は-OH、R3はH 、-CH2-COOM, -CH(OH)-C
OOM 等を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は洗浄剤組成物及び新
規キレート化合物に関するものである。更に詳しくは、
キレート性能に優れた無リン系のキレート化合物を含有
する、洗浄力の優れた洗浄剤組成物、及びこの洗浄剤組
成物に用いられる新規キレート化合物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】洗浄剤
に用いられているビルダーは、水中のカルシウムイオン
やマグネシウムイオンを捕捉し軟水化する作用によっ
て、界面活性剤や石鹸の洗浄効果を向上させることがで
きる。従来洗浄剤用のビルダーとしてトリポリリン酸ナ
トリウムが主に使用されてきた。トリポリリン酸ナトリ
ウムはキレート性能など洗浄剤用ビルダーとして非常に
優れた性能を有するが、リンを有するためこれを含んだ
洗浄後の廃水がそのまま放流されることによって河川や
湖沼の富栄養化現象の一因となる。そのためトリポリリ
ン酸ナトリウム以外のビルダーの開発が行われてきた。
【0003】現在では、4A型の結晶性アルミノケイ酸
ナトリウムであるゼオライトを用いることにより無リン
化は達成され、種々に工夫された配合組成により、従来
の有リン型の洗剤に匹敵する性能を得るに至っている。
しかしながら、ゼオライトは水不溶性であるため、固液
界面の点から考えると硬度低下のためのイオン交換能と
しては、水溶性のキレート剤と比べて不利である。水溶
性キレート剤としては、有機ポリカルボン酸塩がすでに
知られているが、性能、経済性、生物分解性において不
十分なものであり、水中のマグネシウムや、遷移金属に
不向きなゼオライトの補助剤として配合されているにす
ぎない。
【0004】従って、本発明の目的は、経済的に安価に
合成でき、しかも水溶性が高く、キレート性能に優れた
無リン系のビルダーを含有する洗浄力の優れた洗浄剤組
成物を提供することにある。また、本発明の目的は、キ
レート性能に優れた無リン系の新規キレート化合物を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、特定のキレート化合物を含有する洗浄剤組成物が
上記課題を解決し得ることを見いだし本発明を完成する
に到った。即ち、本発明は、下記一般式(I)で表され
るキレート化合物を 0.5〜40重量%含有することを特徴
とする洗浄剤組成物を提供するものである。
【0006】
【化5】
【0007】〔式中、 M :水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
モニウム又は塩基性アミノ酸基を示し、複数個のM は同
一でも異なっていてもよい。 R1:炭素数1〜36の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしく
はアルケニル基を示す。 R2:水素原子又は水酸基を示す。 R3:水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、-CH2-COOM
又は
【0008】
【化6】
【0009】を示す(但し、M は前記の意味を示
す。)。〕また、本発明は、下記式(I−3−1)又は
(I−4−1)で表される新規キレート化合物を提供す
るものである。
【0010】
【化7】
【0011】(式中、M は前記の意味を示す。)
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0013】本発明で用いられる一般式(I)で表され
るキレート化合物は、優れたキレート性能があり、水溶
性が極めて高いので洗濯機への固着の心配もなく、液体
洗浄剤、粉末洗浄剤のビルダーとして好適に用いること
ができる。
【0014】一般式(I)において、M は水素原子、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は塩基
性アミノ酸基を示すが、水素原子、又はNa, K 等のアル
カリ金属が好ましく、Naが特に好ましい。
【0015】R1は炭素数1〜36の直鎖又は分岐鎖のアル
キル基もしくはアルケニル基を示すが、炭素数1〜12の
直鎖アルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基が特
に好ましい。R3は上記の基を示すが、水素原子、-CH2-C
OOM 又は
【0016】
【化8】
【0017】(但し、M は前記の意味を示す。)が好ま
しい。この一般式(I)で表されるキレート化合物とし
ては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられ、こ
れらの1種又は2種以上の混合物を用いることができ
る。
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】(式中、M は前記の意味を示す。) これらのキレート化合物の中では、下記式(I−1−
1)〜(I−4−2)で表される化合物から選択される
1種以上の化合物が好ましい。
【0021】
【化11】
【0022】(式中、M は前記の意味を示す。) 更に好ましくは、上記式(I−3−1)又は(I−4−
1)で表される化合物である。
【0023】これらの化合物の中で上記式(I−3−
1)又は(I−4−1)で表される化合物は新規化合物
である。
【0024】一般式(I)で表されるキレート化合物は
下記の製造方法1〜3に示すような方法で製造すること
ができる。
【0025】製造方法1 一般式(I)で表されるキレート化合物のうち、R2が水
酸基である化合物、又はR2が水素原子でかつR3
【0026】
【化12】
【0027】(M は前記の意味を示す。)である化合物
は、それぞれ該当するアミン又はアミノ酸あるいはその
塩とエポキシコハク酸塩を反応させることにより製造す
ることができる。ここで用いられるアミン及びアミノ酸
(塩)は、工業的に入手可能、又は公知の製造法で容易
に製造可能な化合物であり、例えばモノメチルアミン、
モノエチルアミン、N−メチルグリシン、N−メチルア
スパラギン酸、N−メチルヒドロキシアスパラギン酸、
N−エチルアスパラギン酸、N−エチルヒドロキシアス
パラギン酸、N−エチルグリシンあるいはそれらの塩等
が挙げられる。
【0028】アミン又はアミノ酸(塩)とエポキシコハ
ク酸塩との反応モル比は、エポキシコハク酸塩/(アミ
ン又はアミノ酸(塩))= 0.5〜10.0が好ましく、 0.8〜
5.0が更に好ましい。またこの反応温度は50〜150 ℃が
好ましく、60〜90℃が更に好ましい。反応溶媒として
は、水、水溶性有機溶媒(メタノール、エタノール、テ
トラヒドロフランなど)又はそれらの混合物が用いられ
る。反応物のpHを7〜13、好ましくは8〜11になるよう
に調整して反応させることが好ましい。
【0029】具体的な反応式を以下に示す。
【0030】
【化13】
【0031】(式中、M は前記の意味を示す。) 即ち、N−メチルグリシン(塩)(II)とエポキシコハ
ク酸塩(III) とを反応させることにより、上記式(I−
1−2)で表されるキレート化合物が得られる。N−エ
チルグリシン(塩)(IV)とエポキシコハク酸塩(III)
とを反応させることにより、上記式(I−2−2)で表
されるキレート化合物が得られる。N−メチルアスパラ
ギン酸(塩)(V)とエポキシコハク酸塩(III)とを反
応させることにより、上記式(I−3−1)で表される
キレート化合物が得られる。N−エチルアスパラギン酸
塩(VI)とエポキシコハク酸塩(III)とを反応させるこ
とにより上記式(I−4−1)で表されるキレート化合
物が得られる。N−メチルヒドロキシアスパラギン酸塩
(VII)とエポキシコハク酸塩(III)とを反応させること
により上記式(I−3−2)で表されるキレート化合物
が得られる。N−エチルヒドロキシアスパラギン酸塩
(VIII)とエポキシコハク酸塩(III)とを反応させるこ
とにより上記式(I−4−2)で表されるキレート化合
物が得られる。
【0032】製造方法2 一般式(I)で表されるキレート化合物のうち、R2が水
素原子である化合物、又はR3が-CH2-COOM (但し、M は
前記の意味を示す)である化合物は、それぞれ該当する
アミン又はアミノ酸(塩)とマレイン酸より製造するこ
とが出来る。ここで用いられるアミン及びアミノ酸
(塩)は、工業的に入手可能、又は公知の製造法で容易
に製造可能な化合物であり、例えば、モノメチルアミ
ン、モノエチルアミン、N−メチルグリシン、N−エチ
ルグリシン、N−メチルアスパラギン酸、N−エチルア
スパラギン酸、N−メチルヒドロキシアスパラギン酸、
N−エチルヒドロキシアスパラギン酸、あるいはそれら
の塩等が挙げられる。
【0033】アミン又はアミノ酸(塩)とマレイン酸と
の反応モル比は、マレイン酸/(アミン又はアミノ酸
(塩))= 0.5〜10.0が好ましく、 0.8〜5.0 が更に好
ましい。またこの反応温度は50〜150 ℃が好ましく、60
〜120 ℃が更に好ましい。反応溶媒としては、水、水溶
性有機溶媒(メタノール、エタノール、テトラヒドロフ
ランなど)又はそれらの混合物が用いられる。反応物の
pHを7〜13、好ましくは8〜11になるように調整して反
応させることが好ましい。具体的な反応式を以下に示
す。
【0034】
【化14】
【0035】(式中、M は前記の意味を示す。) 即ち、N−メチルグリシン(塩)(II)とマレイン酸
(IX)とを反応させることにより、上記式(I−1−
1)で表されるキレート化合物が得られる。N−メチル
ヒドロキシアスパラギン酸塩(VII)とマレイン酸(IX)
とを反応させることにより、上記式(I−3−1)で表
されるキレート化合物が得られる。
【0036】製造方法3 一般式(I)で表されるキレート化合物のうち、R3が水
素原子である化合物は、上記製造方法1及び2以外に、
それぞれ該当するアミノ酸(塩)をモノクロロ酢酸ある
いはストレッカー反応でカルボキシメチル化することに
より製造することができる。ここで用いられるアミノ酸
(塩)は、工業的に入手可能、又は公知の製造方法で容
易に製造可能な化合物であり、例えば、N−メチルアス
パラギン酸、N−メチルヒドロキシアスパラギン酸、N
−エチルアスパラギン酸、N−エチルヒドロキシアスパ
ラギン酸あるいはそれらの塩等が挙げられる。
【0037】アミノ酸(塩)とモノクロロ酢酸との反応
モル比は、モノクロロ酢酸/アミノ酸(塩)= 0.5〜10
が好ましく、 0.8〜5.0 が更に好ましい。またこの反応
温度は30〜100 ℃が好ましく、60〜80℃が更に好まし
い。反応溶媒としては、水、水溶性有機溶媒(メタノー
ル、エタノール、テトラヒドロフランなど)又はそれら
の混合物が用いられる。反応物のpHを8〜12、好ましく
は10〜11になるように調整して反応させることが好まし
い。具体的な反応式を以下に示す。
【0038】
【化15】
【0039】(式中、M は前記の意味を示す。) 即ち、N−メチルアスパラギン酸(塩)(V)とモノク
ロロ酢酸塩(X)とを反応させることにより、上記式
(I−1−1)で表されるキレート化合物が得られる。
N−メチルヒドロキシアスパラギン酸(塩)(VII) とモ
ノクロロ酢酸塩(X)とを反応させることにより、上記
式(I−1−2)で表されるキレート化合物が得られ
る。また、N−メチルヒドロキシアスパラギン酸(塩)
(VII) とホルマリン(XI)と青酸(XII) とを反応させ、加
水分解することによっても上記式(I−1−2)で表さ
れるキレート化合物が得られる。
【0040】N−エチルアスパラギン酸(塩)(VI)と
モノクロロ酢酸塩(X)とを反応させることにより上記
式(I−2−1)で表されるキレート化合物が得られ
る。N−エチルヒドロキシアスパラギン酸(塩)(VII
I) とモノクロロ酢酸塩(X)とを反応させることによ
り上記式(I−2−2)で表されるキレート化合物が得
られる。
【0041】本発明における一般式(I)で表されるキ
レート化合物は、本発明の洗浄剤組成物中に 0.5〜40重
量%、好ましくは1〜30重量%配合される。一般式
(I)で表されるキレート化合物の配合量が 0.5重量%
未満であるとビルダーの効果が不十分であり、優れた洗
浄性能が得られない。また40重量%を超えると、界面活
性剤等の他の成分を適度に配合することができず、十分
な洗浄性能が得られない。
【0042】本発明の洗浄剤組成物は、一般式(I)で
表されるキレート化合物( 以下(a)成分という)をビル
ダーとして含有すると共に、界面活性剤( 以下(b) 成分
という)や(a) 成分以外の洗剤ビルダー( 以下(c) 成分
という)を必要に応じて配合することができる。
【0043】(b) 成分の界面活性剤としては、洗浄剤に
一般的に使用されているものでよく、陰イオン性界面活
性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオ
ン性界面活性剤などが挙げられる。
【0044】本発明に用いられる非イオン性界面活性
剤、陰イオン性界面活性剤としては、通常洗浄剤に配合
されるもので、硬度成分(Ca、Mg等)存在下での泥
洗浄力の良好なものが望ましい。具体的には、アルキル
基の炭素数が8〜22のポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキ
サイド付加物、スクロース脂肪酸エステル、アルキル及
びアルケニルグルコシド、脂肪酸グリセリンモノエステ
ル又はそのアルキレンオキサイド付加物、アルキルアミ
ンオキサイド、アルキル硫酸塩、オレフィンスルホン酸
塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル及びアルケニルエ
ーテル硫酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又はエステル塩、ア
ルキルリン酸エステル又はその塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、及びこれらの1種以上の混合物が例示され
る。また、両性界面活性剤としては、アミノ酸型界面活
性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤が例示され、陽
イオン界面活性剤としては第4級アンモニウム塩が例示
される。これらの界面活性剤のうち、好ましくはアルキ
ル基の炭素数が8〜22のポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩である。これらの(b) 成分は本発明の洗浄剤組成物中
に5〜60重量%、好ましくは5〜40重量%配合される。
【0045】また、(c) 成分の洗剤ビルダーとしては、
通常の洗剤用のビルダーとして知られているものを用い
ることができ、具体的には、ソーダ灰等の炭酸塩、硫酸
塩、亜硫酸塩、珪酸塩、特公昭64−41116号公報
他記載の結晶性層状ケイ酸塩、ゼオライトA、X、P型
等のアルミノ珪酸塩、トリポリリン酸塩、ピロリン酸
塩、オルソリン酸塩等の無機ビルダー、ポリアクリル酸
塩、ポリマレイン酸塩、アクリル酸とマレイン酸の共重
合物の塩、特開昭54−52196号公報記載のポリグ
リオキシル酸塩、クエン酸塩、オキシジコハク酸塩、ニ
トリロトリ酢酸塩等の有機ビルダーが挙げられる。ま
た、EDTA等の有機キレート剤等を添加することがで
きる。これらの(c) 成分は、本発明の洗浄剤組成物中に
0〜94重量%,好ましくは5〜80重量%、更に好ましく
は20〜70重量%配合してもよい。
【0046】また、本発明の洗浄剤組成物中には、酵素
を配合することもでき、具体的にはプロテアーゼ、セル
ラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ等が挙げられる。その他
の微量成分としては、通常の香料、シリカやシリコーン
のような抑泡剤、ビフェニル型蛍光増白剤もしくはスチ
ルベン型蛍光増白剤又はそれらを併用した蛍光増白剤、
ケーキング防止剤、すすぎ助剤等を配合できる。
【0047】また、本発明の洗浄剤組成物には、漂白剤
組成物を添加することができる。漂白剤組成物は、過炭
酸ソーダ、過ほう酸ソーダ、好ましくは過炭酸ソーダ及
び種々の漂白活性化剤等で構成される。
【0048】本発明の洗浄剤組成物の形状は液状、粉末
状、粒状のいずれでもよく、通常公知の製造方法、例え
ば噴霧乾燥法、スプレーミックス法、破砕造粒法、無機
ビルダー含有ビーズに含浸させる方法、高密度粒状洗剤
の製造方法、錠剤型、フレーク状、棒状などの洗剤の製
造方法、バッチ式混合法、連続式混合法などの液状洗剤
の製造方法などにより製造することができる。
【0049】本発明の洗浄剤組成物を粉末又は粒状の組
成物とする場合、その製造方法は特に限定されることは
なく、従来公知の方法を用いることができるが、各成分
を水分量30〜80重量%、好ましくは35〜60重量%の水性
スラリーとし、このスラリーを噴霧乾燥させて得られる
噴霧乾燥粒子、特にその噴霧乾燥粒子を造粒し高嵩密度
化したものが望ましい。また、未中和物に、アルカリ金
属の水酸化物等のアルカリ剤を添加して直接中和混合
し、他の洗浄ビルダーと共に捏和(ねっか)、混合後に
冷却し、粉砕する方法を用いてもよい。高嵩密度化は、
特開昭61−69897号公報、特開昭61−6989
9号公報、特開昭61−69900号公報、欧州特許第
513824A号明細書に記載の方法を用いることがで
き、直接中和に関しては、特開昭60−72999号公
報を参考にすることができる。また、得られた洗剤粒子
は、ゼオライト等の水不溶性物質で被覆することが好ま
しい。
【0050】本発明の洗浄剤組成物が粉末又は粒状の組
成物の場合、平均粒子径は、好ましい粉末物性を得るた
めに 200〜1000μmであることが望ましく、またこの場
合の嵩密度は 0.5〜1.0g/cm3 、好ましくは 0.6〜0.9g
/cm3 程度である。
【0051】
【実施例】以下、本発明のキレート化合物の製造例及び
洗浄剤の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれらの製造例及び実施例に限定されるもので
はない。尚、例中の%は特記しない限り重量基準であ
る。
【0052】製造例1 500ml 4つ口フラスコにサルコシン(N−メチルグリシ
ン)50g、マレイン酸65.1g、NaOH67.3g、水 200gを
仕込み80℃で20時間熟成した。その結果、31.8%の下記
式で表されるN−メチル−N−カルボキシメチル−アス
パラギン酸3Na(ラセミ体混合物)を含む水溶液 382.4
gを得た。得られた水溶液の一部を凍結乾燥し、 1H−
NMRスペクトルを測定した結果を以下に示す(D2O 溶
媒)。
【0053】
【化16】
【0054】 製造例2 500ml の4つ口フラスコに、サルコシン40g、エポキシ
コハク酸モノNa塩66.7g、41%NaOH75.3g、水 131gを
仕込み、60℃で18時間熟成した。その結果、36.6%の下
記式で表されるN−メチル−N−カルボキシメチル−ヒ
ドロキシアスパラギン酸3Naを含む水溶液 312gを得
た。得られた水溶液の一部を凍結乾燥し、 1H−NMR
スペクトルを測定した結果を以下に示す(D2O 溶媒)。
【0055】
【化17】
【0056】 製造例3 1リットルの4つ口フラスコに、エチルアミン70%水溶
液 500g、マレイン酸45.0g、41%NaOH 75.7 g、水 2
00gを仕込み、50〜60℃で50時間熟成した。過剰のエチ
ルアミンを減圧留去後、11.4%のN−エチルアスパラギ
ン酸2Naを含む水溶液を 488g得た。得られた11.4%の
N−エチルアスパラギン酸2Na水溶液 300gを 500mlの
4つ口フラスコに仕込み、60℃に昇温した。同温度で反
応液のpHを10.5に保つように40%モノクロロ酢酸水溶液
39.4g及び41%NaOH水溶液32.5gを同時に滴下した。そ
の結果、10.2%の下記式で表されるN−エチル−N−カ
ルボキシメチル−アスパラギン酸3Naを含む水溶液 37
1.9gを得た。得られた水溶液の一部を凍結乾燥し、 1
H−NMRスペクトルを測定した結果を以下に示す。
【0057】
【化18】
【0058】 製造例4 1リットルの4つ口フラスコにエポキシコハク酸モノNa
塩92.0g、41% NaOH58.2g、水 180gを仕込み、室温
でエチルアミン70%水溶液 500gを滴下し、60℃で7時
間熟成した。過剰のエチルアミンを減圧留去後、26.0%
のN−エチルヒドロキシアスパラギン酸2Naを含む水溶
液 507gを得た。得られた26.0%のN−エチルヒドロキ
シアスパラギン酸2Na水溶液150gを300mlの4つ口フラ
スコに仕込み、70℃に昇温した。同温度で反応液のpHを
10.5に保つように40%モノクロロ酢酸水溶液41.7g及び
41%NaOH水溶液34.5gを同時に滴下した。その結果、1
8.8%の下記式で表されるN−エチル−N−カルボキシ
メチル−ヒドロキシアスパラギン酸3Naを含む水溶液 2
26.2gを得た。得られた水溶液の一部を凍結乾燥し、 1
H−NMRスペクトルを測定した結果を以下に示す。
【0059】
【化19】
【0060】 製造例5 1リットルの4つ口フラスコにメチルアミン40%水溶液
600g、マレイン酸45.9g、41%NaOH水溶液77.0gを仕
込み、60℃で72時間熟成した。過剰のメチルアミンを減
圧留去後、13.8%のN−メチルアスパラギン酸2Naを含
む水溶液495.2gを得た。得られた13.8%のN−メチル
アスパラギン酸2Na水溶液 200g、エポキシコハク酸モ
ノNa塩24.5g、41%NaOH水溶液15.5gを300ml 4つ口フ
ラスコに仕込み、80℃で22時間熟成した。その結果、1
7.7%の下記式で表されるN−メチル−N−(1,2−
ジカルボキシエチル)−ヒドロキシアスパラギン酸4Na
を含む水溶液240gを得た。得られた水溶液の一部を凍
結乾燥し、 1H−NMRスペクトルを測定した結果を以
下に示す。
【0061】
【化20】
【0062】 製造例6 1リットルの4つ口フラスコにエポキシコハク酸モノNa
塩92.0g、41% NaOH58.2g、水 180gを仕込み、室温
でメチルアミン40%水溶液 465.9gを滴下し、その後60
℃で7時間熟成した。過剰のメチルアミンを減圧留去
後、19.7%のN−メチルヒドロキシアスパラギン酸2Na
を含む水溶液 628gを得た。得られた19.7%のN−メチ
ルヒドロキシアスパラギン酸2Na水溶液 150g、エポキ
シコハク酸モノNa塩24.2g、41%NaOH水溶液15.3g、水
100gを300ml 4つ口フラスコに仕込み80℃で96時間熟
成した。その結果、13.2%の下記式で表されるN−メチ
ル−N−(2−ヒドロキシ−1,2−ジカルボキシエチ
ル)−ヒドロキシアスパラギン酸4Naを含む水溶液 28
9.5gを得た。得られた水溶液の一部を凍結乾燥し、 1
H−NMRスペクトルを測定した結果を以下に示す。
【0063】
【化21】
【0064】 製造例7 製造例3で得られた11.4%のN−エチルアスパラギン酸
2Na水溶液 150g、エポキシコハク酸モノNa塩14.1g、
41%NaOH水溶液 8.9gを 200ml4つ口フラスコに仕込
み、80℃で48時間熟成した。その結果、12.9%の下記式
で表されるN−エチル−N−(1,2−ジカルボキシエ
チル)−ヒドロキシアスパラギン酸4Naを含む水溶液 1
73gを得た。得られた水溶液の一部を凍結乾燥し、 1
−NMRスペクトルを測定した結果を以下に示す。
【0065】
【化22】
【0066】 製造例8 製造例4で得られた26.0%のN−エチルヒドロキシアス
パラギン酸2Na水溶液150g、エポキシコハク酸モノNa
塩29.9g、41%NaOH水溶液18.9g、水 100gを300ml 4
つ口フラスコに仕込み80℃で48時間熟成した。その結果
14.1%の下記式で表されるN−エチル−N−(2−ヒド
ロキシ−1,2−ジカルボキシエチル)−ヒドロキシア
スパラギン酸4Naを含む水溶液 298.8gを得た。得られ
た水溶液の一部を凍結乾燥し、 1H−NMRスペクトル
を測定した結果を以下に示す。
【0067】
【化23】
【0068】 実施例1〜12及び比較例1 表1に示す組成を有するスラリーを噴霧乾燥した粒子を
ハイスピードミキサーにて破砕造粒することにより粉末
状の洗浄剤組成物を製造した。得られた洗浄剤組成物に
ついて、人工汚染布に対する洗浄性能を下記方法で評価
した。結果を表1に示す。
【0069】<洗浄性能評価方法> (1) 皮脂汚れ汚染布(人工汚染布)の作成 10cm×10cm木綿布に下記組成より成るモデル皮脂汚れ2
gを均一に塗布して皮脂汚れ汚染布を作成した。 ・モデル皮脂汚れ組成 綿実油 60% コレステロール 10% オレイン酸 10% パルミチン酸 10% 液体及び固体パラフィン 10% (2) 泥汚れ汚染布(人工汚染布)の作成 鹿沼園芸用赤玉土を 120℃±5℃で4時間乾燥後粉砕
し、 150メッシュ(100μm)パスのものを 120℃±5℃
で2時間乾燥後、約 150gを1リットルのパークレンに
分散させ、金巾#2023布をこの液に接触させ、ブラッシ
ングし、分散液を除去し、過剰付着汚れを脱落させて、
泥汚れ汚染布を作成した。
【0070】(3) 洗浄条件及び評価方法 評価用洗浄剤水溶液1リットルに、上記で作成した10cm
×10cmの綿の皮脂汚れ汚染布又は泥汚れ汚染布を5枚入
れ、ターゴトメーターにて100rpmで洗浄した。洗浄条件
は次の通りである。 ・洗浄条件 洗浄時間 10分 洗浄剤濃度 0.083 % 水の硬度 4°DH 水温 20℃ すすぎ 水道水にて5分間 洗浄力は汚染前の原布及び洗浄前後の汚染布の 460nmに
おける反射率を自記色彩計(島津製作所製)にて測定
し、次式によって洗浄率(%)を求め、5枚の測定平均
値を洗浄力として示した。
【0071】
【数1】
【0072】
【表1】
【0073】注) *1 LAS:直鎖アルキル(C12〜C13)ベンゼンスルホン
酸ソーダ *2 AS:アルキル(C14〜C15)硫酸ソーダ *3 非イオン界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキル
エーテル(C12〜C13 、エチレンオキサイド平均付加モル
数 10)
【0074】
【化24】
【0075】
【化25】
【0076】実施例13〜20及び比較例2 表2に示す組成の液体洗浄剤組成物を、プロペラシャフ
ト攪拌装置を用いてバッチ配合により製造した。得られ
た洗浄剤組成物について、人工汚染布に対する洗浄性能
を実施例1と同様に、但し、洗浄条件のうち、洗浄剤濃
度のみ 0.133%として評価した。結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】注) *1:化合物A〜Hは表1と同じものを用いた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるキレート化
    合物を 0.5〜40重量%含有することを特徴とする洗浄剤
    組成物。 【化1】 〔式中、 M:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
    モニウム又は塩基性アミノ酸基を示し、複数個のM は同
    一でも異なっていてもよい。 R1:炭素数1〜36の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしく
    はアルケニル基を示す。 R2:水素原子又は水酸基を示す。 R3:水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、-CH2-COOM
    又は 【化2】 を示す(但し、M は前記の意味を示す。)。〕
  2. 【請求項2】 一般式(I)で表されるキレート化合物
    が下記式(I−1−1)〜(I−4−2)で表される化
    合物から選択される1種以上の化合物である請求項1記
    載の洗浄剤組成物。 【化3】 (式中、M は前記の意味を示す。)
  3. 【請求項3】(a) 上記一般式(I)で表されるキレート
    化合物1〜30重量% (b) 界面活性剤5〜60重量% (c) (a) 成分以外の洗剤ビルダー0〜94重量% を含有する請求項1又は2記載の洗浄剤組成物。
  4. 【請求項4】 下記式(I−3−1)又は(I−4−
    1)で表される新規キレート化合物。 【化4】 (式中、M は前記の意味を示す。)
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