JPH10140059A - 記録液 - Google Patents

記録液

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JPH10140059A
JPH10140059A JP29881096A JP29881096A JPH10140059A JP H10140059 A JPH10140059 A JP H10140059A JP 29881096 A JP29881096 A JP 29881096A JP 29881096 A JP29881096 A JP 29881096A JP H10140059 A JPH10140059 A JP H10140059A
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JP
Japan
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polymer
meth
water
recording liquid
ink
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Pending
Application number
JP29881096A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Takahashi
浩 高橋
Naoko Motohashi
直子 本橋
Nobuo Uotani
信夫 魚谷
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 普通紙に記録を行った場合でも、耐水堅牢性
に優れた印字を得ることができる水性記録液及びインク
ジェットプリンター用インクを提供する。 【解決手段】 少なくとも水溶性染料、水性媒体、アン
モニウム・ジルコニウム重合体塩並びに窒素原子を有す
る重合体を含有することを特徴とする記録液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用及び筆記用インクまたは記録液に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンターは、低騒音、
低ランニングコスト、カラー記録が容易であるなどの特
徴を有しており、デジタル信号の出力機器として近年急
速に普及している。プリンター用に用いられる記録用イ
ンクは、水性染料、もしくは油性染料を主体としたイン
ク、あるいは顔料を水性、もしくは油性媒体中に分散し
たインク、あるいはまた熱融溶可能な固体インクなど様
々なタイプのインクが提案されている。中でも水性染料
を主体とするインクはインク材料の生体及び環境に対す
る安全性が高いこと、並びにプリンターの消費エネルギ
ーが比較的少ないことなどから地球環境の持続という社
会的要請にもっとも適合するものと思われる。
【0003】しかし水性染料は、油性染料や顔料を用い
たインクに比較して耐水堅牢性が劣るという問題があ
る。油性インクは耐水堅牢性に優れているが、油性イン
クをインクジェットプリンターに用いた場合、使用する
インク量が多いため有害な有機溶媒が発生し、人体並び
に環境に対して悪影響を及ぼす恐れがある。また油性染
料や顔料を水性媒体に分散させたインクでは、インクジ
ェットプリンターのノズルに詰まったり、あるいは保存
安定性が悪く、インク中に沈殿が生じてしまうという問
題があり、耐水堅牢性に優れた水性インクジェットプリ
ンター用インクが望まれている。
【0004】水性染料を主体とするインクジェット記録
用インクは、水溶性の染料インクを用いているがゆえ
に、普通紙を用いた場合、記録された印字が乾燥した後
でも、湿気に曝された場合に汚れたり、ブリードや流れ
などを生じてしまい、印字部分の耐水堅牢性の点で問題
があった。
【0005】これを解決する手段として、様々な解決方
法が提案されている。染料固着能力が高いアミン、アミ
ドあるいはイミン構造を有するポリマーを添加すること
により耐水性を付与する例として、特開平8−2016
2号、特開平8−20720号、特開平8−34943
号、特開平8−113743号、特開平7−17980
2号等の公報が知られている。また染料自体に耐水性を
持たせるような改良も行われており、例えば特開平7−
62282号、特開平7−126560号、特開平7−
133453号、特開平7−133454号等の各公報
が知られている。いずれも水溶性のポリマーあるいは染
料であるため、十分な効果が得られなかったり、あるい
は効果が得られてもノズル先端において目詰まりし易く
なるといった大きな欠点を併有している。また、染料と
アンモニウム・ジルコニウム重合体を架橋して耐水堅牢
性インクを得る方法として特開平5−194894号の
公報が知られているが、使用可能な染料が限定されてい
る。またアンモニウム・ジルコニウム重合体と染料のカ
ルボン酸の架橋反応を利用しているが、通常、染料のカ
ルボン酸はナトリウム等の金属塩であり、この場合には
効果がない。また実際、印字された部分に水滴が落ちた
時等には耐水堅牢性が充分ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、普
通紙に記録を行った場合でも、耐水堅牢性に優れた印字
を得ることができる水性記録液及びインクジェットプリ
ンター用インクの提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭利検討したところ、ジルコニウム錯体と
特定の重合体を含む記録液で印字したものが、耐水堅牢
性に優れていることを見いだし、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は次の事項を開示する。 1)少なくとも水溶性染料、水性媒体、アンモニウム・
ジルコニウム重合体塩並びに窒素原子を有する重合体を
含有することを特徴とする記録液。 2)更に、その窒素原子を有する重合体(本発明では単
に「重合体」ともいう。)がアミン構造を有する記録
液。 3)重合体を構成する単量体の塩基解離定数の指数(p
Kb)が2〜8の範囲である記録液。 4)重合体がアミン構造を有する(メタ)アクリルアミ
ド系単量体から構成される記録液。 5)重合体が約0.01〜30重量%の範囲で含有する
記録液。 6)アンモニウム・ジルコニウム重合体塩が約0.01
〜30重量%の範囲で含有する記録液。 7)重合体が約0.01〜30重量%の範囲で含有し、
かつアンモニウム・ジルコニウム重合体塩が約0.01
〜30重量%の範囲で含有する記録液。 8)アンモニウム・ジルコニウム重合体塩がアンモニウ
ム・ジルコニウム・炭酸塩、アンモニウム・ジルコニウ
ム・りん酸塩、アンモニウム・ジルコニウム硫酸塩、ア
ンモニウム・ジルコニウム・酢酸塩、アンモニウム・ジ
ルコニウム・蓚酸塩からなる群から選ばれる1種または
2種以上である記録液。 9)上記記録液のpHが6〜14である記録液。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の記録液について、
更に詳細に述べる。本発明に使用する水溶性染料として
は、特に限定はないが、直接染料、酸性染料、塩基性染
料、反応性染料及び食用染料等があげられ、具体的に挙
げると、直接染料としては、例えば、C.I.Direct Black
2,4,9,11,14,17,19,22,27,32,36,38,41,48,49,51,56,6
2,71,74,75,77,78,80,91,105,106,107,108,112,113,11
7,132,146,151,154,194、C.I.Direct Blue 1,2,6,8,15,
22,25,34,69,70,71,72,75,76,78,80,81,82,83,86,90,9
8,106,108,110,120,123,158,163,165,192,193,194,195,
196,199,200,201,202,203,207,218,236,237,239,246,25
8 、C.I.Direct Brown 1A,2,6,25,27,44,58,95,100,10
1,106,112,173,194,195,209,210,211、C.I.Direct Gree
n 1,6,8,28,33,37,63,64 、C.I.Direct Orange 6,8,10,
26,29,39,41,49,51,102、C.I.Direct Red 1,2,4,8,9,1
1,13,17,20,23,24,28,31,33,37,39,44,46,47,48,51,59,
62,72,80,90,101,145,189,220,225,230 、C.I.Direct V
iolet 1,7,9,12,35,48,51,90,94 、C.I.Direct Yellow
1,2,4,8,11,12,24,26,27,28,33,34,39,41,42,44,48,50,
51,58,72,85,86,87,88,98,100,110,142 、等が挙げられ
る。
【0010】酸性染料としては、例えば、C.I.Acid Bla
ck 1,2,7,16,17,24,26,28,31,41,48,52,56,58,60,63,9
4,107,109,112,118,119,121,122,131,155,156,172,194,
208、C.I.Acid Blue 1,7,9,22,23,25,27,29,40,41,43,4
5,49,51,53,55,56,59,62,78,90,91,93,90,92,93,102,10
4,111,113,117,120,124,126,145,167,171,175,183,185,
229,234,236,254、C.I.Acid Brown 4,14 、C.I.Acid Gr
een 3,9,12,16,19,20,25,27,41 、C.I.Acid Orange 7,
8,10,33,56,64 、C.I.Acid Red 1,4,6,8,13,14,15,18,1
9,21,26,27,30,32,34,37,38,40,42,45,51,52,54,57,80,
82,83,85,87,88,89,92,94,97,106,108,110,111,119,12
9,131,134,135,154,155,172,176,180,184,186,187,243,
249,254,256,257,270,289,317,318、C.I.Acid Violet
7,11,15,34,35,41,43,49,75 、C.I.Acid Yellow 1,3,4,
7,11,12,13,14,17,18,19,23,25,29,34,36,38,40,41,42,
44,49,53,55,59,61,71,72,76,78,99,111,114,116,122,1
35,161,172、等が挙げられる。
【0011】塩基性染料としては、例えば、C.I.Basic
Black 2,8 、C.I.Basic Blue 1,3,5,7,9,24,25,26,28,2
9 、C.I.Basic Brown 1,12、C.I.Basic Green 1,4 、C.
I.Basic Orange 2,15,21,22 、C.I.Basic Red 1,2,9,1
2,13,37、C.I.Basic Violet 1,3,5,7,9,24,25,26,28,29
、C.I.Basic Yellow 1,2,11,12,14,21,32,36、等が挙
げられる。
【0012】反応性染料としては、例えば、C.I.Reacti
ve Black 1,3,5,6,8,12,14、C.I.Reactive Blue 2,5,7,
12,13,14,15,17,18,19,20,21,25,27,28,37,38,40,41,7
1、C.I.Reactive Brown 1,7,16 、C.I.Reactive Green
5,7、C.I.Reactive Orange 2,5,7,16,20,24、C.I.React
ive Red 6,7,11,12,15,17,21,23,24,35,36,42,63,66、
C.I.Reactive Violet 2,4,5,8,9 、C.I.Reactive Yello
w 1,2,3,13,14,15,17 、等が挙げられる。
【0013】食用染料としては、例えば、C.I.Food Bla
ck 2、C.I.Food Blue 3,4,5 、C.I.Food Green 2,3、C.
I.Food Red 2,3,7,9,14,52,87,92,94,102,104,105,106
、C.I.Food Violet 2 、C.I.Food Yellow 3,4,5 、等
が挙げられる。
【0014】上記水溶性染料の含有量としては、記録液
全重量に対して0.2〜12%の範囲、好ましくは2〜
8%の範囲が挙げられる。本発明の水溶性媒体として
は、水及び水と混合しうる有機溶剤が挙げられ、例えば
アルコール類(メタノール、エタノール、n−プロピル
アルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコー
ル、1、2−プロパンジオール、1、3−プロパンジオ
ール、1、4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオ
ール、1、6−ヘキサンジオール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール(#200)、ポリエチレングリコール
(#400)、ポリエチレングリコール(#600)、
グリセリン等)、エーテル類(エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、1、4−ジオキサ
ン等)、ケトン類(アセトン、ジアセトンアルコール
等)、窒素含有の水溶性有機溶媒類(トリエチルアミ
ン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
プロパノールアミン、N−メチルピロリドン、N−エチ
ルピロリドン、N、N−ジメチルホルムアミド、ピリジ
ン、1、3−ジメチル−イミダゾリジノン等)、ジメチ
ルスルホキシド等が挙げられる。その中でも水より沸点
の高いものは、ノズル先端の乾燥防止のための湿潤剤と
しての機能を有するものがあり、そのためポリアルキレ
ングリコール類(例えばポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等)、低級アルキルエーテル類
(例えばエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル等)が含有してい
るのが好ましい。記録液の好ましい水溶性媒体の含有量
としては、記録液全重量に対し、水が10〜80重量
%、水と混合しうる有機溶剤が70重量%以下の範囲が
挙げられる。本発明で使用されるアンモニウム・ジルコ
ニウム重合体塩の代表的なものとしては、アンモニウム
・ジルコニウム・炭酸塩、アンモニウム・ジルコニウム
・りん酸塩、アンモニウム・ジルコニウム硫酸塩、アン
モニウム・ジルコニウム・酢酸塩、アンモニウム・ジル
コニウム・蓚酸塩等が挙げられ、これらを組み合わせて
使用することもできが、これらに限定されるものではな
い。好ましくはアンモニウム・ジルコニウム・炭酸塩が
0.01〜30重量%の範囲である。
【0015】本発明で使用される、重合体について記述
する。窒素原子を有する重合体としては、重合体の主鎖
に窒素原子が含有するもの{例えばジシアンジアミド・
ジエチレントリアミン重縮合物等のポリアミン系、ジシ
アンジアミド・ホルマリン重縮合物等のジシアン系、エ
ピクロロヒドリン・ジメチルアミン付加重合物、ジメチ
ルジアリルアンモニウムクロライド・SO2共重合物、
ジアリルアミン塩・SO2 共重合物、ジメチルジアリル
アンモニウムクロライド重合物等のポリカチオン系
等}、あるいは重合体の側鎖に窒素原子を有するもの
{例えばポリ(N−ビニルアミン)、ポリ(N−アリル
アミン)、ポリ(N,N−ジメチル−N−ビニルアミ
ン)、ポリ(N,N−ジメチル−N−アリルアミン)、
あるいはN−アリルホルムアミド、N−アリルアセトア
ミド、N−ビニルホルムアミド、(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチ
ルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、
N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)
アクリレート、N−(メタ)アクリルモルホリン、N−
ビニルピロリドン、ビニルオキサゾリン、N,N−ジメ
チルアミノメチルアクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピ
ルアクリレート、N,N−ジメチルアミノメチルアクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等
から構成される重合体、もしくは、それらと共重合しう
る単量体との共重合体、あるいはN−ビニルホルムアミ
ド等から構成される重合体の一部または全体が加水分解
された物等}等が挙げられ、またそれらが単独、あるい
は複数で使用されていてもよい。また重合体の一部がこ
れらの構造を有していてもよい。
【0016】その中でアミン構造を有しているものが好
ましく、例えばジシアンジアミド・ジエチレントリアミ
ン重縮合物等のポリアミン類、ポリ(N−ビニルアミ
ン)、ポリ(N−アリルアミン)、ポリ(N,N−ジメ
チル−N−ビニルアミン)、ポリ(N,N−ジメチル−
N−アリルアミン)、あるいはN,N−ジメチルアミノ
メチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエ
チルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエ
チルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
エチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等か
ら構成される重合体、あるいはN−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルフタルイミド等から構成される重合体の
一部または全体が加水分解された物、N−アクリル酸ア
ミド等から構成される重合体の一部または全体がホフマ
ン分解されたもの、N−アリルアミンの塩酸塩等から構
成される重合体の一部または全体が中和されたもの、あ
るいはポリ(N−ビニルアミン)、ポリ(N−アリルア
ミン)等から構成される重合体の一部または全体をアル
キルハライドと反応させて生成する2級アルキルアミン
誘導体あるいは3級アルキルアミン誘導体等が挙げら
れ、またそれらが単独、あるいは複数で使用されていて
もよい。また重合体の一部がこれらの構造を有していて
もよい。更に重合体を構成する単量体の塩基解離定数の
指数(pKb)が2〜8の範囲であるものが好ましい。
単量体の例としてはN,N−ジメチルアミノメチル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノメチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミ
ノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルア
ミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ
る。これらの単量体が単独、あるいは複数使用されてい
てもよい。また重合体の一部がこれらの構造を有してい
てもよい。
【0017】また最終的に重合体を構成する単量体の塩
基解離定数の指数(pKb)が2〜8の範囲であればよ
い。すなわち、重合反応後、重合体に何らかの化学的反
応をさせ、pKbが2〜8の範囲であればよい。例えば
N−ビニルホルムアミド、N−ビニルフタルイミド等か
ら構成される重合体の一部または全体を加水分解してア
ミン構造を構築する方法、N−アクリル酸アミド等を重
合後、重合体の一部または全体をホフマン分解してアミ
ン構造を構築する方法、N−アリルアミンの塩酸塩から
構成される重合体の一部または全体を中和して、アミン
構造を構築する方法、あるいはポリ(N−アリルアミ
ン)、ポリ(N−アリルアミン)等から構成される重合
体の一部または全体を、アルキルハライドを反応させて
2級アルキルアミン誘導体あるいは3級アルキルアミン
誘導体を構築する方法等が挙げられる。これらの重合体
が単独、あるいは複数使用されていてもよい。また重合
体の一部がこれらの構造を有していてもよい。
【0018】塩基解離定数の指数(pKb)は塩基Bの
解離平衡に対する平衡定数の指数である。塩基Bは水溶
液中で、
【化1】 の平衡が成り立っている。平衡定数をK、塩基Bの濃度
を[B]、BH+ の濃度を[BH+ ]、OH- の濃度を
[OH- ]とすると、塩基Bの塩基解離定数の指数(p
Kb)は次式で与えられる。
【化2】 pKbが小さいほど強塩基である。溶媒である水の濃度
は反応によって事実上変化しないのでKにくりこんであ
るのが一般的である。正確には濃度の代わりに活量を用
いてあらわされるが、正確な活量を求めることは困難で
あるので、一般的には濃度を用いる。
【0019】塩基解離定数の指数(pKb)の測定方法
に特に限定はないが、酸塩基の中和反応を利用して測定
する方法が一般的である。すなわち、塩基を適当な酸標
準溶液で滴定し、その滴定曲線を解析して得られる。適
当なpH指示薬を用いて測定する方法、あるいは市販の
pH測定装置を用いて測定する方法等が挙げられる。測
定条件は通常、水溶液にて、常圧(1気圧)、25℃で
行われる。
【0020】重合体中に単量体のpKbが2〜8の範囲
のものが含まれていればよい。更に、アミン構造を有す
る(メタ)アクリルアミド系単量体から構成される重合
体が好ましく、その具体例としては、N,N−ジメチル
アミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ま
たアミン構造を有する(メタ)アクリルアミド系単量体
から構成される重合体が単独、あるいは複数で使用され
ていてもよい。また重合体の一部がこれらの構造を有し
ていてもよい。
【0021】アミン構造を有する(メタ)アクリルアミ
ド系単量体から構成される重合体は、アミン構造を有す
る(メタ)アクリルアミド系単量体の1種類の単量体か
らなるホモポリマーでも、また2種類以上の単量体から
なる共重合体でもよい。共重合する場合、ランダム、ブ
ロックあるいはグラフト共重合いずれでもよい。水溶性
媒体への溶解度を調節するために、アミン構造を有する
(メタ)アクリルアミド系単量体以外の他の単量体と共
重合することもある。
【0022】溶解度を低下させる単量体としては疎水性
単体が挙げられ、例えば、スチレン類(例えばスチレ
ン、メチルスチレン、パラ−スチレンスルホン酸等)、
(メタ)アクリル酸エステル類{(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル}、脂肪族ビニルエステル類(例えば酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル等)、塩化ビニル等が挙げることがで
きる。このような一般に水を除く各種溶媒に可溶である
単量体のうちでは、スチレン類(例えばスチレン、メチ
ルスチレン、パラ−スチレンスルホン酸等)、(メタ)
アクリル酸エステル類{(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル}
等が好ましい。反対に溶解度を増加させる単量体として
は親水性単量体が挙げられ、例えば(メタ)アクリル
酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、マレイン
酸、無水マレイン酸、ビニルメチルエーテル、ポリエチ
レングリコールモノメタクリレート(例:日本油脂
(株)製ブレンマーPEシリーズ、PE−90、PE−
200、PE−350)、メトキシポリエチレングリコ
ールモノメタクリレート(例:日本油脂(株)製ブレン
マーPMEシリーズ、PME−100、PME−20
0、PME−400)、ポリプロピレングリコールモノ
メタクリレート(例:日本油脂(株)製ブレンマーPP
シリーズ、PP−500、PP−800、PP−100
0)、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコー
ルモノメタクリレート(例:日本油脂(株)製ブレンマ
ーPEPシリーズ、70PEP−370B)、ポリエチ
レングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタ
クリレート(例:日本油脂(株)製ブレンマー55PE
T−800)、ポリプロピレングリコールポリテトラメ
チレングリコールモノメタクリレート(例:日本油脂
(株)製ブレンマーNKH−5050)、ポリエチレン
グリコールモノアクリレート(例:日本油脂(株)製ブ
レンマーAE−350)等のノニオン系、(メタ)アク
リル酸、マレイン酸等の金属塩類(例えばナトリウム
塩、カリウム塩等)、アミン塩類(例えばアンモニウム
塩、N−メチルアミン、トリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリプロパノールアミン塩等)、パラ−スチレンスルホ
ン酸の金属塩類(例えばナトリウム塩、カリウム塩
等)、アミン塩類(例えばアンモニウム塩、N−メチル
アミン、トリメチルアミン塩、トリエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリプロパノールアミン塩等)、
マレイン酸等の金属塩類(例えばナトリウム塩、カリウ
ム塩等)、アミン塩類(例えばアンモニウム塩、N−メ
チルアミン、トリメチルアミン塩、トリエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリプロパノールアミン塩
等)等のアニオン系、アミン構造を有する(メタ)アク
リルアミドの鉱酸塩(例えば塩酸塩、臭酸塩、硝酸塩
等)、有機酸塩(例えばギ酸塩、酢酸塩、酪酸塩等)、
ハロゲン化アルキル塩(例えばヨウ化メチル塩、臭化メ
チル塩、塩化メチル塩等)、さらにはベタイン型塩(例
えばβ−プロピオラクトン、モノクロロ酢酸による4級
塩等)、アミン構造を有する(メタ)アクリレートの鉱
酸塩(例えば塩酸塩、臭酸塩、硝酸塩等)、有機酸塩
(例えばギ酸塩、酢酸塩、酪酸塩等)、ハロゲン化アル
キル塩(例えばヨウ化メチル塩、臭化メチル塩、塩化メ
チル塩等)、さらにはベタイン型塩(例えばβ−プロピ
オラクトン、モノクロロ酢酸による4級塩等)等のカチ
オン系等が挙げられるが、インク中のpHや染料に影響
を及ぼさないビニルメチルエーテル、ポリエチレングリ
コールモノメタクリレート(例:日本油脂(株)製ブレ
ンマーPEシリーズ、PE−90、PE−200、PE
−350)、メトキシポリエチレングリコールモノメタ
クリレート(例:日本油脂(株)製ブレンマーPMEシ
リーズ、PME−100、PME−200、PME−4
00)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート
(例:日本油脂(株)製ブレンマーPPシリーズ、PP
−500、PP−800、PP−1000)、ポリエチ
レングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリ
レート(例:日本油脂(株)製ブレンマーPEPシリー
ズ、70PEP−370B)、ポリエチレングリコール
ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート
(例:日本油脂(株)製ブレンマー55PET−80
0)、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレング
リコールモノメタクリレート(例:日本油脂(株)製ブ
レンマーNKH−5050)、ポリエチレングリコール
モノアクリレート(例:日本油脂(株)製ブレンマーA
E−350)等のノニオン系が好ましい。
【0023】アミン構造を有する(メタ)アクリルアミ
ドとそれ以外の単量体との共重合体の場合、アミン構造
を有する(メタ)アクリルアミドの重合体中ににおける
組成比(重合比)は、50%以上が好ましい。またこれ
らの重合体の添加量は記録液全重量に対し、0.01〜
30重量%の範囲が好ましい。
【0024】重合方法については特に限定はない。重合
溶媒は重合反応中に原料の単量体に対して実質的に不活
性であり、かつこれらの原料を溶解もしくは分散が可能
なものを従来公知のものから適宜選択して使用できる。
例えば、水、アルコール類(例えばメタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール、ブタノール、1,2,
6−ヘキサントリオール、グリセリン等)、ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン
等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N−
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N−メチルプロピオンアミド等)、ピロリドン類(1−
メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、ε−カプロ
ラクタム等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等)、脂肪族炭化水素類(n−ペンタン、
n−ヘキサン、シクロヘキサン等)、グリコール類(エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール、トリメチレングリコール、へキシレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等)、グリコールエーテル
類{2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノー
ル、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−プロポ
キシエタノール、2−ブトキシエタノール、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−
2−プロパノール、ジプロピレングリコールモノメチル
エーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、3
−メトキシ−1−メチル−1−ブタノール等}等が挙げ
られる。これらの溶媒は2種以上を混合して使用しても
よい。これらの溶媒に単量体の溶解度に応じて溶解させ
るが、溶液の粘性、反応の操作性、生成物の精製(必要
とする場合)の容易さ等から、5〜50重量%溶解させ
て重合するのが好ましい。
【0025】水や水溶性有機溶媒を反応溶媒として選択
した場合、そのままインクに添加する、濃縮して濃度を
調節して添加する、溶媒を留去して添加する、あるいは
再沈殿法等により精製して添加する等の利用方法があ
る。反応溶媒に非水溶性溶媒を選択すると、反応後に溶
媒を留去して、添加剤として使用する、あるいは再沈殿
法等により精製して添加する等の利用方法がある。ま
た、インクに添加する水性溶媒を重合溶媒として使用
し、インクへの添加量や濃度を考慮に入れて重合すれ
ば、そのままインクへの添加が可能である。重合開始剤
も適量加えるが、一般のラジカル重合剤として使用でき
るものであればよく、例えばアゾ系重合開始剤[例えば
2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’
−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニ
トリル)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミ
ド、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオ
ネート)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチル
プロピオニトリル)、2,2’−アゾビス{2−メチル
−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピロンアミド}
等]、有機過酸化物(イソブチルパーオキサイド、2,
4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル
キュミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキ
サイド等)等が挙げられ、これらを単独あるいは2種以
上組み合わせて使用することができる。添加量として
は、1〜10重量%が好ましい。またこの際に、反応残
存物の濃度低下等の目的のため、反応中に同種あるいは
異種の重合開始剤を追加してもよい。分子量を調節する
(分子量を少なくする)ため、連鎖移動剤(例えばラウ
リルメルカプタン、α−チオグリセリン等)を加えても
よい。
【0026】反応は、常圧で行うことが可能である。反
応はラジカル反応であるので、不活性雰囲気中(例えば
窒素、アルゴン等)で行い、温度は反応溶媒、重合開始
剤の種類によって異なるが、50〜150℃が好まし
く、段階的に低温から高温まで上昇させる方法をとって
もよい。反応時間は単量体の量、重合開始剤によって異
なるが、1〜24時間の範囲で行うことができ、工業的
には3〜10時間の範囲が好ましい。こうして得られ
た、重合体の重量平均分子量は200〜200,000
であり、好ましくは300〜20,000であることが
望ましい。残存単量体が多いとインクが滲む場合がある
ので、好ましくは重合後のポリマー溶液中の単量体がで
きるだけ少ない方がよい。また再沈殿法等の手法により
重合体を精製してもよい。
【0027】記録液には1種類、あるいは数種類の重合
体を加えてもよい。またアンモニウム・ジルコニウム重
合塩についても、1種類、あるいは数種類のものを加え
てもよい。記録液としての調製方法は、特に限定はない
が、水及び水溶性媒体に染料を溶解した後、スクリュ
ー、マグネチックスターラー等で攪拌しながら本発明の
重合体あるいはその水溶液を加え溶解、均一の溶液を得
た後、アンモニウム・ジルコニウム重合塩水溶液を加え
るのが好ましい。溶解速度をあげるため、水及び水溶性
溶媒を30〜50℃に加熱する場合もある。記録液の調
製には、アミン構造を有する(メタ)アクリルアミド系
単量体から構成される重合体とアンモニウム・ジルコニ
ウム重合塩が併用されることが耐水堅牢性を得るための
必須条件であり、どちらか一方のみの添加では全く効果
がない。インクのpHは染料、アミン構造を有する(メ
タ)アクリルアミドから構成される重合体、アンモニウ
ム・ジルコニウム重合塩の安定性から、pH6〜14の
範囲が好ましい。pHを調整する方法は特に限定はな
い。このインク組成に必要に応じて、防腐・防かび剤
(例えばデヒドロ酢酸ナトリウム等)、キレート試薬
(例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム等)、防錆
剤(例えばチオグリコール酸アンモン等)、酸素吸収剤
(例えば亜硫酸ナトリウム等)、pH調整剤、消泡剤、
粘度調整剤、浸透剤、ノズル乾燥防止剤等を加える場合
もある。
【0028】以上記録液の調製を述べたが、市販されて
いるインクジェットプリンター用インク等にアミン構造
を有する(メタ)アクリルアミド系単量体から構成され
る重合体とアンモニウム・ジルコニウム重合塩を添加・
溶解させても、耐水堅牢性に優れたインクを得ることが
できる。市販されているインクジェットプリンター用イ
ンク組成物としては例えば、日本ヒューレット・パッカ
ード(株)社製プリントカートリッジ黒(製品番号51
626Aまたは51645A)あるいはプリントカート
リッジカラー(製品番号51625Aあるいは5164
1A)に含まれるインク組成物、キャノン(株)社製ブ
ラックBJカートリッジBC−20、BJカートリッジ
BC−21、インクカートリッジBCI−21Blac
kあるいはインクカートリッジBCI−21Color
に含まれるインク組成、セイコーエプソン(株)社製イ
ンクカートリッジ(型番MJIC4、MJIC2)、カ
ラーインクカートリッジ(型番MJIC4、MJIC
2)に含まれるインク組成物等が挙げられる。市販され
ているインク組成物に添加するアミン構造を有する(メ
タ)アクリルアミドから構成される重合体はインク組成
物の全重量に対し0.01〜30重量%の範囲、アンモ
ニウム・ジルコニウム重合塩は重合体はインク組成物の
全重量に対し0.01〜30重量%の範囲であるのが好
ましい。添加するアミン構造を有する(メタ)アクリル
アミドから構成される重合体は、1種類、あるいは数種
類の重合体を加えてもよい。また添加するアンモニウム
・ジルコニウム重合塩についても、1種類、あるいは数
種類のものを加えてもよい。
【0029】市販されているインクジェットプリンター
用インク等への添加方法は、特に限定はないが、本発明
の重合体あるいはその溶液を加えて溶解、均一の溶液を
得た後、アンモニウム・ジルコニウム重合塩水溶液を加
えるのが好ましい。溶解速度をあげるため、水及び水性
溶媒を30〜50℃に加熱する場合もある。こうして調
製された記録液あるいはインクジェットプリンター用イ
ンクは、沈殿が生じず、耐水堅牢性、安定性に優れてい
る。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明の記録液について
更に詳細に述べるが、本発明はこれらの実施例により何
等限定されるものではない。
【0031】(重合例1) N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドの重合 冷却管、攪拌機を備えた300mlの反応容器に125
gのイソプロピルアルコール、25gのN,N−ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミドおよび0.1gのアゾ
ビスイソブチロニトリルを入れ、窒素ガス気流下80℃
8時間攪拌した。室温冷却後、濾過して溶媒を留去し
N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドの重合
体を得た。GPC測定の結果、ポリスチレン換算で重量
平均分子量は約8,000であった。
【0032】(例1)下記の組成でインクを調製した。 (実施例) 組成(1) インクの組成 使用量(重量%) C.I.Food Black 2 3 エチレングリコールモノアリルエーテル 25 エチレングリコール 22 重合例1の重合物 3 アンモニウム・ジルコニウム・炭酸塩 3 水 44 ─────────────────────── 合計 100
【0033】(比較例) 組成(2) インクの組成 使用量(重量%) C.I.Food Black 2 3 エチレングリコールモノアリルエーテル 25 エチレングリコール 22 水 50 ─────────────────────── 合計 100
【0034】(比較例) 組成(3) インクの組成 使用量(重量%) C.I.Food Black 2 3 エチレングリコールモノアリルエーテル 25 エチレングリコール 22 重合例1の重合物 3 水 47 ─────────────────────── 合計 100
【0035】(比較例) 組成(4) インクの組成 使用量(重量%) C.I.Food Black 2 3 エチレングリコールモノアリルエーテル 25 エチレングリコール 22 アンモニウム・ジルコニウム・炭酸塩 3 水 47 ─────────────────────── 合計 100
【0036】(効果例1)得られた記録液を使用して、
インクジェットプリンター(MJ−5000C、エプソ
ン株式会社製造)でインクジェット記録を行い、耐水堅
牢性を評価した。方法は普通紙(再生紙・中性紙、株式
会社NBSリコー製造)に印字し、乾燥後、水中に1
0分間浸した場合と、印字した紙の上に水を滴下し、
指でこすった場合を評価した。 組成 結果 (1) 、とも滲みはほとんどなかった。 (2) 、ともひどく滲んだ。 (3) 、とも滲んだが、滲む速度が組成(2)よりも遅かった。 (4) 、ともひどく滲んだ。 組成(1)のインクをガラス容器に密閉し、0℃と60
℃で6ヶ月間保存した後でも不要分の析出は認められ
ず、液の物性や色調にも変化がなかった。インクジェッ
トプリンターにおける吐出安定性について次のように評
価した。組成(1)のインクを用いて2秒毎の間欠吐出
と2ヶ月間放置後の吐出について調べたが、いずれの場
合もオリフェス先端での目詰まりがなく安定で均一に記
録された。組成(1)のインクで記録された画像は濃度
が高く鮮明であった。室内光に3ヶ月さらした後の濃度
の低下率は1%以下であった。
【0037】下記の組成でインクを調製した。 (実施例) 組成(5) インクの組成 使用量(重量%) 日本ヒューレット・パッカード(株)社製 プリントカートリッジ黒(製品番号51626 A) 94 重合例1の重合物 3 アンモニウム・ジルコニウム・炭酸塩 3 ────────────────────────── 合計 100
【0038】(比較例) 組成(6) インクの組成 使用量(重量%) 日本ヒューレット・パッカード(株)社製 プリントカートリッジ黒(製品番号51626 A) 97 アンモニウム・ジルコニウム・炭酸塩 3 ────────────────────────── 合計 100
【0039】(比較例) 組成(7) インクの組成 使用量(重量%) 日本ヒューレット・パッカード(株)社製 プリントカートリッジ黒(製造番号51626 A) 97 重合例1の重合物 3 ────────────────────────── 合計 100
【0040】(比較例)
【0041】(効果例2)効果例1と同様に耐水堅牢製
を評価した。 組成 結果 (5) 、とも滲みはほとんどなかった。 (6) 、ともひどく滲んだ。 (7) 、とも滲んだが、滲む速度が組成(2)よりも遅かった。 (8) 、ともひどく滲んだ。 組成(5)のインクをガラス容器に密閉し、0℃と60
℃で6ヶ月間保存した後でも不要分の析出は認められ
ず、液の物性や色調にも変化がなかった。インクジェッ
トプリンターにおける吐出安定性について次のように評
価した。組成(5)のインクを用いて2秒毎の間欠吐出
と2ヶ月間放置後の吐出について調べたが、いずれの場
合もオリフェス先端での目詰まりがなく安定で均一に記
録された。組成(5)のインクで記録された画像は濃度
が高く鮮明であった。室内光に3ヶ月さらした後の濃度
の低下率は1%以下であった。
【0042】
【発明の効果】本発明の記録液は、インクジェット記録
用、筆記用具用等として用いられ、記録液の耐水堅牢性
に優れているため、普通紙に記録した場合でも印字部を
水中に浸したり、水で濡れた指等でこすっても画像のず
れが生じない。 また、本発明の記録液をインクジェッ
ト記録に用いた場合、上記効果の他に、記録特性(信号
応答性、液滴形成の安定性、吐出安定性、長時間の連続
記録性)、保存安定性、記録画像の耐光性、耐候性等い
ずれも良好である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも水溶性染料、水性媒体、アン
    モニウム・ジルコニウム重合体塩並びに窒素原子を有す
    る重合体を含有することを特徴とする記録液。
  2. 【請求項2】 窒素原子を有する重合体がアミン構造を
    有する請求項1記載の記録液。
  3. 【請求項3】 窒素原子を有する重合体を構成する単量
    体の塩基解離定数の指数(pKb)が2〜8の範囲であ
    る請求項1または2記載の記録液。
  4. 【請求項4】 窒素原子を有する重合体がアミン構造を
    有する(メタ)アクリルアミド系単量体から構成される
    請求項1〜3記載の記録液。
  5. 【請求項5】 窒素原子を有する重合体が約0.01〜
    30重量%の範囲で含有し、かつアンモニウム・ジルコ
    ニウム重合体塩が約0.01〜30重量%の範囲で含有
    する請求項1〜4記載の記録液。
  6. 【請求項6】 記録液のpHが6〜14であることを特
    徴とする請求項1〜5記載の記録液。
JP29881096A 1996-11-11 1996-11-11 記録液 Pending JPH10140059A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6596805B1 (en) 2000-05-22 2003-07-22 Nippon Shokubai Co., Ltd. Aqueous fast-driable resin composition and its production process and use
US6730746B2 (en) 2001-04-03 2004-05-04 Nippon Shokubai Co., Ltd. Curable resin composition
US7223483B2 (en) 2001-06-25 2007-05-29 Showa Denko K.K. Light-emitting material and organic light-emitting device
JP2015193717A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録用水性インク及びインクカートリッジ

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