JPH101391A - 強誘電体光学単結晶基板品の製造方法 - Google Patents

強誘電体光学単結晶基板品の製造方法

Info

Publication number
JPH101391A
JPH101391A JP15702696A JP15702696A JPH101391A JP H101391 A JPH101391 A JP H101391A JP 15702696 A JP15702696 A JP 15702696A JP 15702696 A JP15702696 A JP 15702696A JP H101391 A JPH101391 A JP H101391A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
substrate
film
temperature
ferroelectric optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP15702696A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Kawaguchi
竜生 川口
Ryuichi Ouchi
▲龍▼一 大内
Minoru Imaeda
美能留 今枝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP15702696A priority Critical patent/JPH101391A/ja
Publication of JPH101391A publication Critical patent/JPH101391A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】強誘電体光学単結晶基板上に強誘電体光学単結
晶膜を形成した製品において、単結晶膜の結晶性を一層
向上させ、また結晶性のバラツキを防止し、最も高品質
の単結晶膜を、安定して製造できるようにすること。 【解決手段】強誘電体光学単結晶基体と、基体上にエピ
タキシャル成長された強誘電体光学単結晶膜とを備えて
いる被処理体を、基体および単結晶膜に対する応力が除
去された状態で、基体および単結晶膜を構成する強誘電
体光学単結晶のキュリー温度以下で熱処理する。好適な
態様においては、エピタキシャル成膜装置内で、基体に
単結晶膜をエピタキシャル成長させて被処理体を得、こ
の被処理体を成膜装置から取り外した後、前記熱処理を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体光学単結
晶基板品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニオブ酸リチウム(LiNbO3 ) 単結
晶、タンタル酸リチウム(LiTaO3 )単結晶が、オ
プトエレクトロニクス用材料として期待されている。ニ
オブ酸リチウム単結晶等からなる基板の上に、液相エピ
タキシャル法によってニオブ酸リチウム薄膜を得ること
が知られている。例えば、「Appl. Phys.Letters 」 Vo
l.26 No.1 (1975)の第8〜10頁の記載によれば、タ
ンタル酸リチウム単結晶基板上に液相エピタキシャル法
によってニオブ酸リチウム単結晶薄膜を形成している。
「Mat. Res. Bull」 Vol.10(1975) の第1373〜1
377頁の記載によれば、ニオブ酸リチウム単結晶基板
上に液相エピタキシャル法によってニオブ酸リチウム単
結晶薄膜を形成している。
【0003】また、こうした単結晶の結晶性は、X線ロ
ッキングカーブの半値幅によって評価することができ
る。例えば、「J. Cryst. Growth.」 132 (1993) の
第48〜60頁の記載によれば、酸化マグネシウムをド
ープしたニオブ酸リチウム単結晶基板を使用し、この基
板と同程度に小さい半値幅をもつニオブ酸リチウム単結
晶薄膜を作製している。
【0004】液相エピタキシャル法による成膜工程は、
(1)成膜温度まで基板を昇温する工程、(2)溶融体
に基板をディッピングする工程、(3)基板を溶融体か
ら引き上げて室温まで冷却する工程、に大別される。こ
のうち、(2)のディッピング工程に関しては、溶融体
の組成、成膜温度、ディッピング時間、過冷却度などの
各パラメータと、基板上に形成された膜の品質(結晶
性、組成、耐光損傷特性等)との関連について、数多く
の報告がある。
【0005】(1)の基板の昇温工程では、10〜10
00℃/時間程度の昇温温度で、成膜温度まで単調に昇
温するのが一般的である。この場合、昇温速度が遅すぎ
ると、成膜温度まで昇温するのに長時間を要するため、
実用的ではない。また昇温温度が速すぎると、急激な温
度変化による熱歪み、クラック、結晶性の劣化を引き起
こす。これらのことから、基板品質が劣化しない程度に
迅速に昇温するのが望ましい。
【0006】(2)の冷却工程においては、基板とその
上に成長した膜とが一体となって温度変化を受けるた
め、基板と膜の格子不整合、熱膨張の差などによって、
膜の結晶性に極めて大きな影響を及ぼす。例えば、「Jo
urnal of Crystal Growth 」46 (1979) の314〜32
2頁の記載によれば、成膜後の冷却速度を例えば30℃
/minとすることにより、マイクロクラックの発生を
抑制できることが記載されている。例えば、特開平6−
72794の記載によれば、液相エピタキシャル法によ
り薄膜を形成させた後、冷却を行うにあたり、基板のキ
ュリー温度付近において、この温度に保持するか、また
は0.1〜1℃/minで徐冷することにより、応力を
緩和してクラックの発生を抑制している。しかしなが
ら、これらの各文献に記載された各技術は、薄膜形成後
に、成膜温度から室温まで冷却する過程の冷却スケジュ
ールを工夫することによって、良質な膜を得ようとする
ものである。
【0007】本発明者は、特開平7−311370号公
報において、ディッピング工程での溶融体を固液共存状
態として成膜を行うことにより、結晶性の優れたエピタ
キシャル膜が作製できることを公開している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者が更
に検討を進めていると、新たに次の問題があることが判
明してきた。即ち、本発明者は、前記した方法によっ
て、結晶性の優れたエピタキシャル膜を、再現性良く作
製する方法を検討する過程で、基板の昇温、ディッピン
グ、冷却工程の各条件を一定にして、膜の結晶性を調べ
た結果、各条件を同一にしているのにもかかわらず、作
製された膜の結晶性にバラツキが見られることを発見し
た。
【0009】本発明者は、このような結晶性のバラツキ
が生ずる原因を検討したが、原因は確定されなかった。
しかし、単結晶基板と単結晶膜とからなる被処理体をホ
ルダーによって保持し、ディッピングを行うが、この際
にホルダーから被処理体に対して付加される応力や、基
板面内での温度分布の不均一等が推定できる。
【0010】本発明の課題は、強誘電体光学単結晶基板
上に強誘電体光学単結晶膜を形成した製品において、特
に基板以上に良質な結晶性を有する単結晶膜を形成する
のに際して、単結晶膜の結晶性にバラツキが発生するの
を防止し、常に高度の結晶性を有する単結晶膜を形成で
きるようにすることである。
【0011】また、本発明の課題は、強誘電体光学単結
晶基板上に強誘電体光学単結晶膜を形成した製品におい
て、単結晶膜の結晶性を一層向上させることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、強誘電体光学
単結晶基体と、この基体上にエピタキシャル成長された
強誘電体光学単結晶膜とを備えている被処理体を、基体
および単結晶膜に対する応力が解除された状態で、基体
および単結晶膜を構成する強誘電体光学単結晶のキュリ
ー温度以下で熱処理することを特徴とする、製造方法に
係るものである。
【0013】本発明者は、いったん成膜された結晶性の
劣る膜を、あらためてキュリー温度以下の温度でアニー
ル処理した結果、単結晶膜の結晶性が著しく向上するこ
とを見いだし、本発明を完成した。
【0014】この理由は明確ではない。しかし、成膜工
程においては、強誘電体光学単結晶基板の上側と下側と
の間で温度差があるために、応力が加わる。強誘電体単
結晶基板上に作製された強誘電体光学単結晶からなるエ
ピタキシャル膜を、基板及び膜のキュリー温度以下の適
当な条件でアニール処理すると、成膜工程において蓄積
される応力等が解放され、本来得られるべき良好な結晶
性が実現されるものと思われる。なお、「基体および単
結晶膜に対する応力が解除された状態」とは、基体およ
び単結晶膜に対して積極的に機械的応力を加えていない
ことを意味しており、基体内や単結晶膜内の温度差に起
因する内部応力や重力等は問題としない。
【0015】
【発明の実施の形態】強誘電体光学単結晶としては、ニ
オブ酸リチウム単結晶、タンタル酸リチウム単結晶、L
iNbx Ta1-x 3 単結晶(0<x<1)、K 3 Li
2 Nb5 1 5 、K3 Li2 (Nb,Ta)5 1 5
よびこれらにNd、Er等を含むものが好ましい。
【0016】現在のところ、強誘電体光学単結晶は、引
き上げ法によって製造されており、ニオブ酸リチウム単
結晶基板については、結晶性の良い光学グレードの単結
晶基板が得られている。しかし、現在の段階では、引き
上げ法により製造されるタンタル酸リチウム単結晶基板
は、ニオブ酸リチウム単結晶基板に比べて結晶性が悪
い。もともと結晶性が悪いタンタル酸リチウム単結晶基
板の上に、単結晶膜を形成しても、光学グレードのニオ
ブ酸リチウム単結晶基板上に作製した膜よりも優れた結
晶性を持つ単結晶膜を得るのは、困難である。
【0017】この理由から、現段階では、光学グレード
のニオブ酸リチウム単結晶を基板として使用することが
好ましい。ただし、この問題は、引き上げ法による製造
技術の問題であるので、将来、ニオブ酸リチウム単結晶
基板と同等の結晶性を持つ、光学グレードのタンタル酸
リチウム単結晶基板が開発されれば、これを基板として
好ましく使用することができる。
【0018】強誘電体光学単結晶基板上に単結晶膜をエ
ピタキシャル成長法によって形成する工程には、特に制
限はない。しかし、特開平7−311370号公報に記
載されている方法が特に好ましい。
【0019】この製造方法においては、溶質と溶融媒体
とを、ルツボ内に仕込んで混合し、この溶融体の温度
を、飽和温度よりも高温で保持し、溶質と溶融媒体とを
均一に溶融させる。次いで、溶融体の温度を、飽和温度
よりも低い固相析出温度まで冷却する。この状態では、
溶融体は、最初は過冷却状態となるが、この温度で十分
に長い時間保持すると、溶融体から固相が析出し、溶融
体が、液相と固相とに分離する。
【0020】次いで、溶融体の温度を下げて、液相を過
冷却状態にする。過冷却状態の液相に対して、基板を接
触させ、単結晶膜をエピタキシャル成長させる。
【0021】本発明の好適な態様においては、エピタキ
シャル成膜装置内で基体に単結晶膜をエピタキシャル成
長させて被処理体を得、この被処理体を成膜装置から取
り外した後、基体および単結晶膜のキュリー温度以下で
熱処理する。このように、いったん成膜装置から取り外
して、基体に対して加わる応力を解除した状態で熱処理
を行うことによって、本発明の前記作用効果が一層顕著
になる。
【0022】また、他の好適な態様においては、基体が
ニオブ酸リチウム単結晶からなり、単結晶膜が液相エピ
タキシャル成長されたニオブ酸リチウム単結晶またはニ
オブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶から
なり、熱処理を400℃〜900℃で行う。これが40
0℃以上とすることによって、本発明による単結晶膜の
結晶性の改善の効果が特に顕著になる。また、熱処理温
度が900℃を超えると、かえって結晶性が劣化してく
る傾向が見られたので、熱処理温度は900℃以下であ
ることが好ましい。単結晶膜の結晶性を一層向上させる
という観点からは、熱処理温度を500℃〜800℃と
することが更に好ましく、550℃〜600℃とするこ
とが一層好ましい。
【0023】また、熱処理時の最高温度での保持時間を
30分間以上とすることによって、単結晶膜の結晶性の
改善の効果が特に顕著になった。ただし、熱処理時間が
長くなってくると、結晶性がかえって劣化してくる傾向
があった。具体的には、熱処理時間が15時間を超える
と、基板と単結晶膜との格子定数のミスマッチ量が徐々
に減少してくるが、これは単結晶膜中のリチウム原子が
飛散するためであると考えられる。従って、熱処理時間
を20時間以内とすることが好ましく、15時間以内と
することが一層好ましい。これらの観点から、熱処理時
間を1〜10時間とすることが、より一層好ましい。
【0024】エピタキシャル成長の段階では、溶質がニ
オブ酸リチウム、タンタル酸リチウム及びLiNbx
1-x 3 からなる群より選ばれた1種以上の溶質であ
る場合には、溶融媒体をLiVO3 とLiBO2 とから
なる群より選ばれた1種以上の溶融媒体とすることが好
ましい。この溶質と溶融媒体との組み合わせを採用した
場合には、溶融体の仕込み組成は、溶質10mol%─
溶媒90mol%〜溶質60mol%─溶媒40mol
%とすることが好ましい。
【0025】溶質の割合が10mol%よりも小さい場
合には、溶質─溶融媒体の擬二元系の相図において、液
相線の傾きが急になりすぎ、膜成長による溶融体の濃度
変化が大きくなり、成膜条件を安定して保つのが困難に
なる。溶質の割合が60mol%よりも大きい場合に
は、飽和温度が高くなるため、成膜温度が高くなりすぎ
て、結晶性の良い単結晶膜を作製するのが困難になる。
【0026】
【実施例】(実施例1) 基板として、3インチサイズの光学グレードのニオブ酸
リチウム単結晶ウエハーを使用した。この基板のX線ロ
ッキングカーブの半値幅は、いずれも6.8〜6.9
〔arc sec 〕であった。X線ロッキングカーブの半値幅
の測定は、二結晶法により、(0012)面の反射を用い
て行った。入射X線としてはCuKα1を使用し、モノ
クロメータとしては、GaAs単結晶の(422)面を
用いた。
【0027】基板となるウエハーの外周部の3カ所を、
白金製のホルダーで保持し、水平ディッピング方式によ
って成膜を行った。Li2 O:Nb2 5 :V25
50mol%:10mol%:40mol%の溶融体を
使用した。この溶融体の飽和温度は、約960℃であっ
た。この溶融体を1000°C〜1300°Cで保持し
て、完全に均一に溶解させ、次いで、910°Cまで冷
却し、24時間以上保持した。この間に、過飽和分のL
iNbO3 は、固相として析出し、液相部分は完全な飽
和状態になった。
【0028】次いで、この溶融体の温度を905℃と
し、Zカットした厚さ1mmの前記ウエハーを、液相中
に浸漬し、単結晶膜を形成した。溶融体に対してウエハ
ーが接触する時間は、20分間とした。次いで、ウエハ
ーを引き上げた。10枚のウエハーについて単結晶膜を
形成した。単結晶膜の厚さは、いずれも18〜20μm
であった。
【0029】成膜工程の終了後(室温まで冷却後)、成
膜したウエハーをホルダーから取り外し、単結晶膜の結
晶性をX線ロッキングカーブの半値幅によって評価し
た。この評価結果を表1に示す。ただし、表1におい
て、1〜10の番号は、それぞれ10枚の各ウエハーに
対応している。
【0030】その後、すべてのサンプルを、600℃で
10時間熱処理し、再度X線ロッキングカーブ測定を行
い、結晶性を評価した。この評価結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1に示す結果から判るように、同じ条件
下で成膜を行っても、単結晶膜の前記半値幅にはバラツ
キが見られた。即ち、試料番号2、3、5、6、7、
9、10においては、ウエハーよりも高い結晶性を有す
る膜が形成されているが、試料番号4、8においては、
ウエハーの半値幅よりも膜の半値幅の方が大きくなって
いる。もっとも、光学グレードの単結晶のウエハーより
も高い結晶性を有する膜は、本発明者が、特開平7−3
11370号公報の方法を開示する前には、エピタキシ
ャル成長法によって作製できなかったものであり、試料
番号4、8において生成した膜も、本分野で通常作製さ
れていた膜に比べると高い結晶性を有しているが、ウエ
ハーの結晶性には及ばなかった。
【0033】しかし、前記した熱処理後には、すべての
ウエハーについて、膜の半値幅が著しく向上しており、
かつ各ウエハー上の膜の結晶性にバラツキが見られなく
なった。例えば、アニール前において良好な結晶性であ
った試料2、3、6、7、10(半値幅5.6〜5.9
秒)では、アニール処理を施した後も、結晶性に変化が
認められなかった。これと共に、アニール処理後はすべ
てのサンプルにおいて、膜の半値幅が5.6〜5.7秒
に向上した。
【0034】(比較例1)実施例1と同様にして、ニオ
ブ酸リチウム単結晶ウエハー上にニオブ酸リチウム単結
晶膜を形成した。成膜終了後、ウエハーを室温まで冷却
し、ウエハーをホルダーに保持したまま、再度成膜装置
の温度を上げて、600℃で10時間保持した。次い
で、ウエハーをホルダーから取り外し、膜の前記半値幅
を測定した。10枚のウエハーについて、前記の処理を
行った。この測定結果を表2に示す。ただし、表2に示
す試料番号11〜20は、各ウエハーに対応している。
【0035】
【表2】
【0036】表2からわかるように、実施例1のアニー
ル前の例と同様に、結晶性のばらつきは改善されなかっ
た。
【0037】(実施例2)実施例1において、試料番号
4のウエハーおよび単結晶膜を取り出した。この単結晶
膜のアニール処理前の半値幅は、10.8秒であった。
このウエハーを、約10mm×10mmの寸法の正方形
状のサンプルに分割し、それぞれについてアニール温度
を変えて10時間アニール処理を行い、アニール処理後
の半値幅を測定した。この測定結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】この結果からわかるように、熱処理温度が
200℃、300℃の場合には効果が見られなかった
が、400℃になると著しく半値幅が減少した。しか
し、熱処理温度が1000℃になると、再び半値幅が上
昇してくる。この結果から、熱処理温度を500℃〜9
00℃とすることが好ましく、600℃〜800℃とす
ることが一層好ましい。
【0040】(実施例3)実施例1と同様にして、ニオ
ブ酸リチウム単結晶ウエハー上にニオブ酸リチウム単結
晶膜を形成した。この膜の半値幅は7.0秒であった。
この試料を10個に分割した。こうして得られた試料
を、表4に示す熱処理温度で10時間熱処理し、得られ
た単結晶膜の半値幅を測定した。また、熱処理後の製品
について、基板と膜のX線の回折角度の差を測定し、
「格子ミスマッチ量」とした。これらの測定結果を、表
4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】表4からわかるように、熱処理温度を55
0℃〜600℃とすることによって、半値幅が最も著し
く減少することがわかった。また、格子ミスマッチにつ
いては、熱処理温度が高くなるに従って、単調に増加す
ることがわかった。
【0043】(実施例4)実施例1と同様にして、ニオ
ブ酸リチウム単結晶ウエハー上にニオブ酸リチウム単結
晶膜を形成した。この膜の半値幅は7.0秒であった。
この試料を10個に分割した。こうして得られた試料
を、600℃で、表5に示す時間、熱処理し、得られた
単結晶膜の半値幅を測定した。また、熱処理後の製品に
ついて、基板と膜のX線の回折角度の差を測定し、「格
子ミスマッチ量」とした。これらの測定結果を、表5に
示す。
【0044】
【表5】
【0045】表5からわかるように、熱処理時間が5時
間であると最も半値幅が小さくなり、10〜20時間で
は半値幅はほぼ同じになり、30時間になると半値幅が
若干上昇した。格子ミスマッチ量は、0〜10時間で増
加し、10〜20時間でほぼ一定となり、20〜30時
間で減少することがわかった。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、強
誘電体光学単結晶基板上に強誘電体光学単結晶膜を形成
した製品において、単結晶膜の結晶性を一層向上させる
ことができ、また結晶性のバラツキを防止し、安定し
て、最も高品質の単結晶膜を製造できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強誘電体光学単結晶基体と、この基体上に
    エピタキシャル成長された強誘電体光学単結晶膜とを備
    えている被処理体を、前記基体および前記単結晶膜に対
    する応力が解除された状態で、前記基体および前記単結
    晶膜を構成する強誘電体光学単結晶のキュリー温度以下
    で熱処理することを特徴とする、強誘電体光学単結晶基
    板品の製造方法。
  2. 【請求項2】前記基体がニオブ酸リチウム単結晶からな
    り、前記単結晶膜が液相エピタキシャル成長されたニオ
    ブ酸リチウム単結晶またはニオブ酸リチウム−タンタル
    酸リチウム固溶体単結晶からなり、前記熱処理を400
    ℃〜900℃の条件で行うことを特徴とする、請求項1
    記載の強誘電体光学単結晶基板品の製造方法。
  3. 【請求項3】エピタキシャル成膜装置内で前記基体に前
    記単結晶膜をエピタキシャル成長させて被処理体を得、
    この被処理体を前記成膜装置から取り外した後、前記基
    体および前記単結晶膜のキュリー温度以下で熱処理する
    ことを特徴とする、請求項1または2記載の強誘電体光
    学単結晶基板品の製造方法。
JP15702696A 1996-06-18 1996-06-18 強誘電体光学単結晶基板品の製造方法 Withdrawn JPH101391A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15702696A JPH101391A (ja) 1996-06-18 1996-06-18 強誘電体光学単結晶基板品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15702696A JPH101391A (ja) 1996-06-18 1996-06-18 強誘電体光学単結晶基板品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH101391A true JPH101391A (ja) 1998-01-06

Family

ID=15640568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15702696A Withdrawn JPH101391A (ja) 1996-06-18 1996-06-18 強誘電体光学単結晶基板品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH101391A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1437427A1 (en) * 2001-08-21 2004-07-14 Japan Science and Technology Agency Method for manufacturing in-plane lattice constant adjusting substrate and in-plane lattice constant adjusting substrate
EP1518947A2 (en) * 2003-09-26 2005-03-30 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Method of producing single-polarized lithium tantalate crystal and crystal thereby obtained.
US7323050B2 (en) 2003-03-06 2008-01-29 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Method of producing lithium tantalate crystal

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1437427A1 (en) * 2001-08-21 2004-07-14 Japan Science and Technology Agency Method for manufacturing in-plane lattice constant adjusting substrate and in-plane lattice constant adjusting substrate
US7150788B2 (en) * 2001-08-21 2006-12-19 Japan Science And Technology Agency Method for manufacturing in-plane lattice constant adjusting substrate and in-plane lattice constant adjusting substrate
EP1437427A4 (en) * 2001-08-21 2008-05-28 Japan Science & Tech Agency METHOD FOR MANUFACTURING A SUBSTRATE ADJUSTING THE CRYSTALLINE NETWORK CONSTANT IN THE PLAN AND SUBSTRATE THUS OBTAINED
US7323050B2 (en) 2003-03-06 2008-01-29 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Method of producing lithium tantalate crystal
EP1518947A2 (en) * 2003-09-26 2005-03-30 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Method of producing single-polarized lithium tantalate crystal and crystal thereby obtained.
EP1518947A3 (en) * 2003-09-26 2007-03-07 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Method of producing single-polarized lithium tantalate crystal and crystal thereby obtained.
US7374612B2 (en) 2003-09-26 2008-05-20 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Method of producing single-polarized lithium tantalate crystal and single-polarized lithium tantalate crystal

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3902924A (en) Growth of mercury cadmium telluride by liquid phase epitaxy and the product thereof
JPH101391A (ja) 強誘電体光学単結晶基板品の製造方法
US3954518A (en) Method for reducing compositional gradients in mercury cadmium telluride
JPWO2004070091A1 (ja) 磁性ガーネット単結晶膜形成用基板、その製造方法、光学素子およびその製造方法
JPH02192500A (ja) 化合物半導体単結晶の製造方法
JP3479111B2 (ja) 電気光学品
JPS6046539B2 (ja) シリコン結晶膜の製造方法
JP2915787B2 (ja) 酸化物単結晶膜の製造方法及びその装置
US5539569A (en) Optoelectric articles and a process for producing the same
JP5943341B2 (ja) 単結晶状GeSn含有材料の製造方法
JP3447796B2 (ja) 電気光学品の製造方法
EP0851043B1 (en) Process for manufacturing an optical single crystal film
JP3132956B2 (ja) 酸化物単結晶の製造方法
JP2770572B2 (ja) 半絶縁性GaAs単結晶の製造方法
JP3479112B2 (ja) ニオブ酸リチウム単結晶基板の処理方法及び電気光学品の製造方法
JPH0620056B2 (ja) CaF▲下2▼膜成長方法
JP3348129B2 (ja) 電気光学品の製造方法
JP3001067B2 (ja) チタン酸バリウム単結晶
JP3001069B2 (ja) チタン酸バリウム単結晶
JPS63185900A (ja) 複合酸化物強誘電体の単結晶ウエハの熱処理方法
JPS59163817A (ja) 半導体装置用基板
JP2673194B2 (ja) 化合物半導体単結晶の製造方法
JPH0231424A (ja) GaAs単結晶のウエハの製造方法
JPH0664996A (ja) ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の製造方法
Mosley et al. Reversible metastable configurations in amorphous silicon

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030902