JPH10138004A - 光学部材の製造方法 - Google Patents
光学部材の製造方法Info
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- JPH10138004A JPH10138004A JP29150696A JP29150696A JPH10138004A JP H10138004 A JPH10138004 A JP H10138004A JP 29150696 A JP29150696 A JP 29150696A JP 29150696 A JP29150696 A JP 29150696A JP H10138004 A JPH10138004 A JP H10138004A
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Abstract
ナーを理想形状に仕上げ、設計性能により近い光学性能
を具現できる光学部材の製造方法を提供する。 【解決手段】回転するフレネルレンズ基板1またはフレ
ネルレンズ成形型基板1の正面に、ダイヤモンド切削工
具2の切刃を当て付け、所定の深さまで切り込み、鋸歯
状溝を刻設して、フレネルレンズまたはフレネルレンズ
成形型部材を得る光学部材の製造方法において、鋸歯状
溝の斜面15aをダイヤモンド切削工具2の前切刃30
で当て付け切削するとともに、鋸歯状溝の垂直面15b
を切刃先端18にて送り切削し、前記当て付け切削と前
記送り切削とを少なくとも2回行う。
Description
たはフレネルレンズ成形型部材を得る光学部材の製造方
法に関する。
ンズ成形型部材といった光学部材の製造方法には、光学
部品製作方法として特公平2−34721号公報所載の
技術が開示されている。この技術を図8〜図11を用い
て説明する。図8はダイヤモンド切削工具による被加工
物の切削状況を示す斜視図、図9はダイヤモンド切削工
具の要部拡大斜視図、図10はダイヤモンド切削工具の
移動軌跡を示す図、図11はダイヤモンド切削工具の切
刃先端における切削抵抗を示す図である。
(Computer Numerical Control)旋盤のチャック(図示
省略)に保持され、CNC旋盤の回転軸心111の周り
を矢印104の方向に回転する。被加工物101の端面
101aに正対する位置に、ダイヤモンド切削工具10
2が配置されている。ダイヤモンド切削工具102の切
刃先端には、切削面品質向上のため、図9に示すように
面取り103が設けてある。
造する場合、まず、円柱状の被加工物101をCNC旋
盤のチャック(図示省略)に、その端面101aとCN
C旋盤の回転軸心111とが直交しかつ同軸となるよう
に保持する。ついで、チャックが連結されている主軸
(図示省略)を矢印104の方向に回転させ、図10に
示すように、ダイヤモンド切削工具102を鋸歯状溝1
15の斜面の延長線112上から、鋸歯状溝115の谷
部に向かう矢印113の方向に所定の溝幅Aかつ所定の
溝深さBとなるように、被加工物101に切り込む。こ
のように、ダイヤモンド切削工具102の切刃を送る
と、図11に示すように、被加工物101の端面101
aに対する前切刃102aの取付け角αは、所望の鋸歯
形状の傾斜角Cよりも作用前切削角βだけ大きい鈍角と
なり、切刃先端のみを被加工物101に押し当てて切削
していることとなる。この切り込みが終了すると、被加
工物101の回転軸心111に平行な矢印114の方向
にダイヤモンド切削工具102を移動し、被加工物10
1からダイヤモンド切削工具102を離脱させる。その
結果、断面が直角三角形をなす円形の鋸歯状溝115が
形成される。このような手順を繰り返すことにより、目
的のフレネル形状を得ることができる。
術には、つぎのような問題点があった。まず、図9に示
すように、ダイヤモンド切削工具102の切刃先端に面
取り103を有するため、垂直面精度が向上する反面、
図11に示すように、鋸歯状溝115の谷部コーナーに
面取り103による削り残し116が形成される。この
ため、光学素子として回折効率の低下を招き、DVD
(Digital Video Disk)用ピックアップ等の高い回折効
率が求められる回折型光学素子には、このフレネルレン
ズまたはその成形型部材を用いることはできなかった。
ダイヤモンド切削工具102の切刃を矢印113の方向
に送って鋸歯状溝115の斜面部分を切削するとき、切
刃先端が被加工物101に食い込むことになるため、切
り込みが深くなるに従って切削屑117が加工部分から
排除されにくくなる。このため、切り込みが深くなるに
従って切刃先端にかかる切削抵抗が大きくなり、切刃先
端にチッピング(刃が欠けること)が生ずる。
れたもので、請求項1または2に係る発明の課題は、鋸
歯状溝の垂直面精度を維持しつつ、谷部コーナーを理想
形状に仕上げ、設計性能により近い光学性能を具現でき
る光学部材の製造方法を提供することである。
に、請求項1または2に係る発明は、回転するフレネル
レンズ基板またはフレネルレンズ成形型基板の正面に、
ダイヤモンド切削工具の切刃を当て付け、所定の深さま
で切り込み、鋸歯状溝を刻設して、フレネルレンズまた
はフレネルレンズ成形型部材を得る光学部材の製造方法
において、鋸歯状溝の斜面をダイヤモンド切削工具の前
切刃で当て付け切削するとともに、鋸歯状溝の垂直面を
切刃先端にて送り切削し、前記当て付け切削と前記送り
切削とを少なくとも2回行うことを特徴とする。
鋸歯状溝の斜面をダイヤモンド切削工具の前切刃で当て
付け切削するとともに、鋸歯状溝の垂直面を切刃先端に
て送り切削し、前記当て付け切削と前記送り切削とを少
なくとも2回行うことにより、初回の粗切削において
は、切刃先端にかかる切削抵抗は増大せず、2回目以降
の仕上げ切削においては、切削抵抗が低く抑えられ、被
加工物の弾性変形を防止する。請求項2に係る発明の作
用では、上記作用に加え、フレネルレンズ基板またはフ
レネルレンズ成形型基板には、ダイヤモンド切削工具の
前切刃の後端側から当接するように、予め略鋸歯状の捨
て溝が形成してあることにより、請求項1の場合よりも
切刃先端にかかる切削抵抗が緩和される。
1を示し、図1はダイヤモンド切削工具による被加工物
の切削状況を示す斜視図、図2はダイヤモンド切削工具
の切刃と被加工物との接触状況を示す図、図3はダイヤ
モンド切削工具の移動軌跡を示す図、図4はダイヤモン
ド切削工具の移動順位を示す図である。
板たる透明なアクリル樹脂からなる円柱状の被加工物1
は、CNC旋盤のチャック(図示省略)に保持され、C
NC旋盤の回転軸心11の周りを矢印4の方向に回転す
る。被加工物1の端面1aに正対する位置に、ダイヤモ
ンド切削工具2が配置されている。図2に示すように、
ダイヤモンド切削工具2の切刃先端18は、エッジに形
成され、その幅は200nm以下である。
加工物1をCNC旋盤のチャック(図示省略)に、その
端面1aとCNC旋盤の回転軸心11とが直交しかつ同
軸となるように保持する。また、図2に示すように、ダ
イヤモンド切削工具2の前切刃30を、フレネルレンズ
の鋸歯状溝の斜面15aの傾斜角Cに合致させてセット
する。ついで、チャックが連結されている主軸(図示省
略)を矢印4の方向に回転させ(図1参照)、図3に示
すようにダイヤモンド切削工具2を被加工物1の端面1
aに対して垂直な矢印21の方向に所定の溝幅Aかつ所
定の溝深さBとなるように送り込む。ダイヤモンド切削
工具2を矢印21の方向に送ることで、前切刃30によ
り斜面15aを当て付け切削し、同時に切刃先端18に
より垂直面15bを送り切削する。所定の溝深さBまで
到達すると、ダイヤモンド切削工具2の切刃先端18が
エッジになっているため、鋸歯状溝の谷部コーナー17
は200nm以下に形成される。
端18が、所定深さBまで到達したならば、矢印22の
方向にダイヤモンド切削工具2を移動させる。このダイ
ヤモンド切削工具2の切刃先端18により、垂直面15
bが再び切削加工される。つぎに、切り込み量は変化さ
せずに、または0.1μm以下の極小の切り込み量を増
加させて、上記工程をもう一度繰り返す。これにより、
初回の切り込み時に切削抵抗が大きく、被加工物が弾性
変形して切削が完全に行われず、切削が不十分であった
部分を低切削抵抗にて仕上げ切削することにより、より
完全な切削形状を形成することができる。つぎに、図3
および図4に示すように、ダイヤモンド切削工具2を矢
印23の半径方向に溝幅Aだけ送り、上記作業を繰り返
す。同様にして所望の輪帯数だけ上記作業をさらに繰り
返し、理想形状に近い鋸歯状溝を有するフレネルレンズ
を得る。
の垂直面精度を維持しつつ、谷部コーナーを理想形状に
仕上げ、設計性能により近い光学性能を具現できるフレ
ネルレンズを得ることができる。また、切削時の切刃の
送り方向は、所望の垂直面に沿った方向としているた
め、切刃先端が被加工物に食い込むことがなく、切刃先
端にかかる切削抵抗が大きくならないので、切刃先端に
チッピングが殆ど発生することはない。
工を2回行っているが、必要に応じて3回以上にしても
よい。また、被加工物を透明なアクリル樹脂としたが、
光学材料として用いられる他の合成樹脂であってもよ
い。さらに、本実施の形態の変形例として上記方法にて
製造したフレネルレンズを母型とし、電鋳加工により母
型のフレネル面を反転した成形型部材をキャビティとし
た成形型を用いて射出成形によりフレネルレンズを成形
してもよい。さらに、他の変形例として被加工物に無酸
化銅やステンレス等の金属からなるフレネルレンズ成形
型基板を用い、金属製のフレネルレンズ成形型部材を直
接製造してもよい。
し、ダイヤモンド切削工具の切刃と被加工物との接触状
況を示す図である。本発明の実施の形態2は発明の実施
の形態1と被加工物の形状が異なるのみなので、異なる
部分のみ示し、他の構成は同一のため、同一部分の図と
説明を省略する。
には、予め略鋸歯状の捨て溝19が形成されている。捨
て溝19の斜面19aの傾斜角γは、所望の鋸歯状溝の
傾斜角Cより鈍角に形成されており、ダイヤモンド切削
工具2の前切刃30が矢印21の方向から被加工物1A
に当接したとき、前切刃30の後端側から接触するよう
になる。よって、切り込み始めの切削抵抗が切刃先端1
8以外の前切刃30に分散し、エッジである切刃先端1
8の切削抵抗が緩和され、切刃先端のチッピングを完全
に防止する。
施の形態1の効果に加え、ダイヤモンド切削工具の切刃
先端の実施の形態1よりも切削抵抗が緩和されるので、
発明の実施の形態1よりも刃先先端のチッピングの発生
を防止でき、高価なダイヤモンド切削工具の寿命を延ば
すことができる。
実施の形態1にて説明した変形例はそのまま適用するこ
とができる。
し、ダイヤモンド切削工具の移動順位を示す図である。
本発明の実施の形態3は、発明の実施の形態1とダイヤ
モンド切削工具の移動順位のみが異なるので、異なる部
分のみ示し、他の構成は同一のため、同一部分の図と説
明を省略する。
る工程は、発明の実施の形態1では、一つの輪帯をなす
鋸歯状溝を粗加工と仕上げ加工との2回にわたり連続し
て加工したのに対し、本発明の実施の形態3では、図6
の矢印で示すように、全部の輪帯をなす鋸歯状溝を一度
連続して粗加工した後、さらにもう一度、全部の輪帯を
なす鋸歯状溝を連続して仕上げ加工するものである。な
お、被加工物1に一つの鋸歯状溝をダイヤモンド切削工
具2で形成する方法自体は発明の実施の形態1と同一の
ため、説明を省略する。
施の形態1の効果に加え、全輪帯数分の加工工程を繰り
返して行うため、CNC旋盤に用いる加工プログラムを
短縮することができる。
実施の形態1にて説明した変形例はそのまま適用するこ
とができる。また、本発明の実施の形態3では、発明の
実施の形態1と同様に、端面1aが平面の被加工物1を
用いているが、これに替えて、発明の実施の形態2で示
した端面1Aaに捨て溝19を形成した被加工物1Aを
用いることもできる。
し、ダイヤモンド切削工具の切刃と被加工物との接触状
況および加工原点のずれを示す図である。本発明の実施
の形態4は、発明の実施の形態3と同様に粗加工と仕上
げ加工との2回にわたって同一の加工プログラムを用い
るが、粗加工時には、加工原点をずらして行う点が異な
るのみである。従って、異なる部分のみ示し、他の構成
は同一のため、同一部分の図と説明を省略する。
ド切削工具2の切刃先端18は、加工原点をずらすの
で、X軸を半径方向で中心から遠ざかる方向にΔX、Z
軸を切り込み方向で浅い方向にΔZずらせて加工を行
う。この加工原点の移動により、被加工物1の鋸歯状溝
の垂直面27に仕上げ代24を残している。仕上加工時
では、加工原点を本来の位置に戻し、本来の加工原点で
低切削抵抗加工を行い、理想形状に近い鋸歯状溝を有す
るフレネルレンズを得る。
施の形態3の効果に加え、粗加工時に、加工原点をずら
して鋸歯状溝の垂直面に仕上げ代を残すことにより、仕
上げ加工による垂直面の精度を上げることができる。
実施の形態3にて説明した変形例はそのまま適用するこ
とができる。
明を含むものである。 (1) 前記ダイヤモンド切削工具が所定の溝深さまで
到達した後、前記ダイヤモンド切削工具を切り込み方向
と逆方向に移動しつつ垂直面を切刃先端で再度仕上げ加
工することを特徴とする請求項1または2記載の光学部
材の製造方法。ダイヤモンド切削工具を切り込み方向と
逆方向に移動しつつ垂直面を切刃先端で再度仕上げ加工
することにより、請求項1または2の効果に加え、鋸歯
状溝の垂直面精度をより向上させることができる。
先端がエッジであることを特徴とする請求項1または2
記載の光学部材の製造方法。ダイヤモンド切削工具の切
刃先端をエッジとすることにより、請求項1または2の
効果に加え、理想形状に近い鋸歯状溝谷部を形成するこ
とができ、高い回折効率を要求される回折型光学素子を
得ることができる。
初回の粗切削においては、切刃先端にかかる切削抵抗は
増大せず、2回目以降の仕上げ切削においては、切削抵
抗が低く抑えられ、被加工物の弾性変形を防止するの
で、切刃先端のチッピングが殆ど発生することはなく、
鋸歯状溝の垂直面精度を維持しつつ、谷部コーナーを理
想形状に仕上げ、設計性能により近い光学性能を具現で
きる光学部材を得ることができる。請求項2に係る発明
によれば、上記効果に加え、切刃先端にかかる切削抵抗
が緩和されるので、切刃先端のチッピングを完全に防止
し、高価なダイヤモンド切削工具の寿命を延ばすことが
できる。
よる被加工物の切削状況を示す斜視図である。
切刃と被加工物との接触状況を示す図である。
移動軌跡を示す図である。
移動順位を示す図である。
切刃と被加工物との接触状況を示す図である。
移動順位を示す図である。
切刃と被加工物との接触状況および加工原点のずれを示
す図である。
物の切削状況を示す斜視図である。
視図である。
を示す図である。
における切削抵抗を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 回転するフレネルレンズ基板またはフレ
ネルレンズ成形型基板の正面に、ダイヤモンド切削工具
の切刃を当て付け、所定の深さまで切り込み、鋸歯状溝
を刻設して、フレネルレンズまたはフレネルレンズ成形
型部材を得る光学部材の製造方法において、 鋸歯状溝の斜面をダイヤモンド切削工具の前切刃で当て
付け切削するとともに、鋸歯状溝の垂直面を切刃先端に
て送り切削し、前記当て付け切削と前記送り切削とを少
なくとも2回行うことを特徴とする光学部材の製造方
法。 - 【請求項2】 前記フレネルレンズ基板またはフレネル
レンズ成形型基板には、ダイヤモンド切削工具の前切刃
の後端側から当接するように、予め略鋸歯状の捨て溝が
刻設してあることを特徴とする請求項1記載の光学部材
の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP29150696A JP3827377B2 (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | 光学部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29150696A JP3827377B2 (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | 光学部材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10138004A true JPH10138004A (ja) | 1998-05-26 |
JP3827377B2 JP3827377B2 (ja) | 2006-09-27 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29150696A Expired - Fee Related JP3827377B2 (ja) | 1996-11-01 | 1996-11-01 | 光学部材の製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3827377B2 (ja) |
Cited By (5)
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---|---|---|---|---|
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WO2009057772A1 (ja) | 2007-11-02 | 2009-05-07 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | 回折光学素子およびその製造方法 |
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-
1996
- 1996-11-01 JP JP29150696A patent/JP3827377B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US8294996B2 (en) | 2007-11-02 | 2012-10-23 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Diffractive optical element and method of manufacturing the same |
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