JPH10137901A - シェル鋳型接合装置、シェル鋳型の造型方法およびその鋳型の造型装置 - Google Patents

シェル鋳型接合装置、シェル鋳型の造型方法およびその鋳型の造型装置

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JPH10137901A
JPH10137901A JP31294696A JP31294696A JPH10137901A JP H10137901 A JPH10137901 A JP H10137901A JP 31294696 A JP31294696 A JP 31294696A JP 31294696 A JP31294696 A JP 31294696A JP H10137901 A JPH10137901 A JP H10137901A
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molding
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通宏 金村
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登 木下
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】複雑な構成を伴うことなく、また鋳型の肉厚の
ばらつきの影響を受けることなく充分な力で上下シェル
鋳型を支持し、上下シェル鋳型のフランジ部分の波打
ち、歪みを防止することができるシェル鋳型接合装置を
提供する。 【解決手段】上下鋳型36,13のうち何れか一方の鋳
型13にはその背面側から他方の鋳型36との合わせ面
37まで貫通する貫通孔16が設けられ、上記一方の鋳
型13の背面側から上記貫通孔16に挿入され、上記他
方の鋳型36との合わせ面37に当接する支持手段47
と、上記他方の鋳型36の背面側に当接し、該他方の鋳
型36を押圧し、上記支持手段47と共に他方の鋳型3
6を挟持する第一押圧手段68,69と、上記一方の鋳
型13の背面を支持する第二押圧手段56とを備え、上
記支持手段47に対応する第一押圧手段68の押圧タイ
ミングは第二押圧手段56に対応する第一押圧手段69
のそれに比較して早く設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、上型と下型との
半割状になっている上下一対のシェル鋳型の合わせ面に
接着剤を介在させて、両鋳型を背面側から押圧して、両
鋳型を接合するシェル鋳型接合装置、シェル鋳型の造型
方法およびその鋳型の造型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上述例のシェル鋳型接合装置とし
ては例えば実開昭61−182647号公報に記載のも
のがある。すなわち、上下シェル鋳型の合わせ面を基準
面として下型シェル鋳型に凹部を設け、この凹部に側方
から自在に係脱し得る係止部材を備え、この係止部材を
下型シェル鋳型の上方に配置した後、下型シェル鋳型を
押上げ、係止部材に係合させることにより、上下シェル
鋳型の位置決めを行なうものである。
【0003】しかし、この従来装置においては、下型シ
ェル鋳型に設けられた凹部に側方から係脱する係止部材
を必要とする関係上、構造が複雑になると共に、係止部
材と下型シェル鋳型の動きを同期させなければならず、
装置の作動制御も複雑化する。
【0004】また、下型シェル鋳型の下面に当接して、
下方から下型シェル鋳型を押上げる押上げ手段により、
下型シェル鋳型を押上げて係止部材に係止させる際、下
型シェル鋳型の肉厚が必ずしも一定ではないため、係止
部材の下型シェル鋳型への係合度合いが不安定になり、
このため、上下シェル鋳型を支持する支持力が不足し、
上下シェル鋳型を保持している時に、これら上下シェル
鋳型が自重で撓み、延いては上下シェル鋳型の内部に形
成された部品形成用(鋳造用)のキャビティにも歪みが
発生する問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明は、複雑な構成を伴うことなく、また鋳型の肉
厚のばらつきの影響を受けることなく充分な力で上下シ
ェル鋳型を支持することができるのは勿論、支持手段に
対応する第一押圧手段の押圧タイミングを第二押圧手段
に対応する第一押圧手段のそれに比して早く設定するこ
とで、先に基準となる面精度のよい合わせ面にて位置合
わせを行ない、その後、接着用の押圧力を付加すること
で、上下シェル鋳型のフランジ部分の波打ち、歪みを確
実に防止することができるシェル鋳型接合装置の提供を
目的とする。
【0006】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、シェル鋳型をダンプ
式造型装置で造型することで、特に下型シェル鋳型の背
面精度が低くても、上記押圧タイミングにより上下シェ
ル鋳型のフランジ部分の波打ち、歪みを確実に防止する
ことができるシェル鋳型接合装置の提供を目的とする。
【0007】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、支持手段に対応する
第一押圧手段の押圧力を、第二押圧手段に対応する第一
押圧手段の押圧力に対して大に設定することで、位置合
わせの精度向上を図ることができるシェル鋳型接合装置
の提供を目的とする。
【0008】この発明の請求項4記載の発明は、貫通孔
に対応するエジェクトピンのストローク量を他のエジェ
クトピンのストローク量よりも大に設定することで、造
型された鋳型のエジェクトと同時に貫通孔を形成するこ
とができ、別途貫通孔を形成する必要がない鋳型の造型
装置の提供を目的とする。
【0009】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項4記載の発明の目的と併せて、貫通孔形成用の駆動
源と、エジェクトピン押上げ用の駆動源とをエジェクト
プレートにより兼用することができる鋳型の造型装置の
提供を目的とする。
【0010】この発明の請求項6記載の発明は、金型と
鋳型とを分離するエジェクト時に貫通孔を同時形成する
ことができるシェル鋳型の造型方法の提供を目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明は、上下一対のシェル鋳型の合わせ面に接着剤を
介在させて両鋳型を圧接接合するシェル鋳型接合装置に
おいて、上下鋳型のうち何れか一方の鋳型にはその背面
側から他方の鋳型との合わせ面まで貫通する貫通孔が設
けられ、上記一方の鋳型の背面側から上記貫通孔に挿入
され、上記他方の鋳型との合わせ面に当接する支持手段
と、上記他方の鋳型の背面側に当接し、該他方の鋳型を
押圧し、上記支持手段と共に他方の鋳型を挟持する第一
押圧手段と、上記一方の鋳型の背面を支持する第二押圧
手段とを備え、上記支持手段に対応する第一押圧手段の
押圧タイミングは第二押圧手段に対応する第一押圧手段
のそれに比較して早く設定されたシェル鋳型接合装置で
あることを特徴とする。
【0012】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記シェル鋳型はダ
ンプ式鋳造型装置で造型されたシェル鋳型接合装置であ
ることを特徴とする。
【0013】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記支持手段に対応
する第一押圧手段の押圧力を、第二押圧手段に対応する
第一押圧手段の押圧力に対して大に設定したシェル鋳型
接合装置であることを特徴とする。
【0014】この発明の請求項4記載の発明は、一面側
から他面側まで貫通する貫通孔を有するシェル鋳型を造
型する鋳型の造型装置であって、金型の造型面の一部を
構成すると共に造型後、造型面から所定のストローク移
動することにより金型からシェル鋳型を押上げ分離する
エジェクトピンを備えると共に、所定のエジェクトピン
を上記貫通孔に相当する箇所に配置し、該エジェクトピ
ンのストローク量は他のそれより大に設定された鋳型の
造型装置であることを特徴とする。
【0015】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項4記載の発明の構成と併せて、上記エジェクトピン
はエジェクトプレートと離間して配置されると共に、エ
ジェクトプレートの移動でピン押上げ作動が行なわれ、
上記貫通孔に対応するエジェクトピンの長さはその他の
ピンよりも長く設定された鋳型の造型装置であることを
特徴とする。
【0016】この発明の請求項6記載の発明は、上下一
対のシェル鋳型の合わせ面に接着剤を介在させて両鋳型
が圧接接合されるシェル鋳型の造型方法において、貫通
孔に挿入する支持手段と協動して両鋳型を挟持すると共
に、両鋳型の背面を挟持した状態で圧接接合する接合工
程と、上記接合工程の前工程で、かつ鋳型造型工程の後
工程において、金型と鋳型とを分離するエジェクト時に
前記貫通孔を形成するシェル鋳型の造型方法であること
を特徴とする。
【0017】
【発明の作用及び効果】この発明の請求項1記載の発明
によれば、一方の鋳型にその背面側から他方の鋳型との
合わせ面まで貫通する貫通孔を設けると共に、この貫通
孔に挿入して他方の鋳型との合わせ面に当接する支持手
段と、この支持手段との間で鋳型を挟持する第一押圧手
段と、一方の鋳型の背面を支持する第二押圧手段との間
で鋳型を挟持する第一押圧手段とを設ければよいので、
既存のシェル鋳型接合装置に若干の改良を加えるだけ
で、装置の構成を複雑にすることなく、また下型シェル
鋳型の肉厚のばらつきの影響も受けることなく、充分な
力で上下シェル鋳型を支持することができて、延いては
鋳型の平面度(レベル)を精度よく確保することができ
る効果がある。
【0018】しかも支持手段に対応する第一押圧手段の
押圧タイミングを、第二押圧手段に対応する第一押圧手
段のそれに比較して早く設定したので、支持手段と第一
押圧手段とで先に基準となる面精度のよい合わせ面を挟
持して位置合わせを行ない、このレベル確保の後に、第
二押圧手段と第一押圧手段とで接着用の押圧力を付加す
ることができる。この結果、上下シェル鋳型のフランジ
部分の波打ち、歪みを確実に防止することができる効果
がある。
【0019】この発明の請求項2記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、シェル鋳型は
ダンプ式造型装置にて造型される。このダンプ式造型装
置はレジンサンドまたはコーテッドサンド等の砂を金型
面上に落下してシェル鋳型が造型され、本来、上型、下
型共にシェル鋳型の背面精度が低い。しかし、上述の押
圧タイミングにより一方の面精度が高い合わせ面を基準
としてレベル確保を図った後に、接着用の押圧力を付加
するので、上下シェル鋳型のフランジ部の波打ち、歪み
を確実に防止することができる効果がある。
【0020】この発明の請求項3記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、支持手段に対
応する第一押圧手段の押圧力を、第二押圧手段に対応す
る第一押圧手段の押圧力に対して大に設定したので、強
い押圧力により位置合わせの精度向上を図り、接着用の
押圧力が付加されてもレベルを各和する押圧手段の移動
がなくレベルが狂うことがない効果がある。
【0021】因に上述の押圧力の関係が逆の場合には位
置合わせの精度変化をきたす懸念があるが、上記構成に
より位置合わせの確実な精度向上を達成することができ
る効果があり、上下シェル鋳型のフランジ部分の波打
ち、歪みをより一層良好に防止することができる効果が
ある。
【0022】この発明の請求項4記載の発明によれば、
貫通孔に対応するエジェクトピンのストローク量を他の
エジェクトピンのストローク量よりも大に設定したの
で、造型された鋳型のエジェクトと同時に、貫通孔に対
応する大ストローク量のエジェクトピンにより貫通孔を
形成することができる。この結果、別途貫通孔を形成す
る必要がなく、造型工程(なかんずく貫通孔形成工程)
の短縮を図ることがでる効果がある。
【0023】この発明の請求項5記載の発明によれば、
上記請求項4記載の発明の効果と併せて、上述の貫通孔
を形成するピン長の長いエジェクトピンと、造型後のシ
ェル鋳型を押上げ分離するエジェクトピンとを共通のエ
ジェクトプレートにより駆動することができるので、駆
動源を兼用(共通)することができる効果がある。
【0024】この発明の請求項6記載の発明によれば、
金型と鋳型とを分離するエジェクト工程において上述の
貫通孔と同時形成することができる効果がある。
【0025】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面はシェル鋳型接合装置およびその鋳型の造
型装置を示す。まず、図1乃至図4を参照してダンプ式
造型装置(シェルモールディングマシン)について説明
する。
【0026】図1において、このダンプ式造型装置1
は、加熱手段としてガス加熱炉2、レール3に沿ってガ
ス加熱炉2およびダンプボックス4下方間を水平往復動
可能なパターンキャリッジ5と、このパターンキャリッ
ジ5にパターンプレート6を介して上載された金型7
と、ダンプボックス4の下方に設けられた昇降台8と、
昇降台8位置の金型7をダンプボックス4下面に押付け
る昇降手段としてのエレベータ9と、エジェクト時に作
用するエジェクトシリンダ10と、後述するエジェクト
ピン14,15に対して離間して配置されたエジェクト
プレート11とを備えている。
【0027】而して、予めガス加熱炉2内において、プ
レヒート(予備加熱)した金型7をパターンキャリッジ
5によりダンプボックス4下方の昇降台8間で移動さ
せ、この昇降台8上の金型7をエレベータ9でダンプボ
ックス4の下面に押付けた後に、同ボックス4内のシャ
ッタを開いて予備加熱された金型7の形状面上に熱硬化
性の砂を落下させ、次に回転中心となる支持部12,1
2を中心として金型7およびダンプボックス4を180
度回転させて、余分な砂(熱硬化していない砂)をボッ
クス4内に還流落下させ、次にシャッタを閉じて、金型
7およびダンプボックス4を再び180度回転させた後
に、エレベータ9にて金型7を下降させる。
【0028】下降後の金型7をパターンキャリッジ5で
再びガス加熱炉2内に挿入して、金型7の形状面上の砂
を再び焼き固め、この後、パターンキャリッジ5により
金型7を図1に実線で示すエジェクト装置に移動させ
る。この時、上述の金型7上には図2に示す如きシェル
鋳型13(下型)が造型されている。
【0029】上述の金型7は該金型7の造型面(図2の
上側の面参照)の一部を構成すると共に、造型後、造型
面から所定のストローク移動することにより金型から下
型13を押上げ分離する複数のエジェクトピン14,1
5を備えているが、貫通孔16(図4参照)に相当する
箇所に配置されたエジェクトピン14はその他のエジェ
クトピン15の全長よりも所定長さLだけ大に設定(ス
トローク量およびピン長ともに大に設定)されており、
造型された下型シェル鋳型13のエジェクトと同時に貫
通孔16を形成すべく構成している。
【0030】また上述の金型7の貫通孔16形成部には
ピン孔17が穿設された突起18を有し、突起18の先
端には凹部19を形成すると共に、この凹部19の孔縁
にエッジ部20を形成して、貫通孔16の形成時に抜き
取り部21(図3、図4参照)が容易に外れるように構
成している。
【0031】而して、図2に示す状態からエジェクトシ
リンダ10の操作によりエジェクトピン14,15の下
端から所定距離下方に配置されるエジェクトプレート1
1を図3に示す如く上昇させると、エジェクトピン14
がエジェクトプレート11に当接し上昇を開始する。さ
らにエジェクトプレート11が上昇すると全長の長い、
つまり上昇ストロークの大きいエジェクトピン14のピ
ン押上げ作動が行なわれ、該エジェクトピン14によ
り、まず下型シェル鋳型13の貫通孔16形成部から抜
き取り部21が抜き外され、この図3に示す状態からさ
らにエジェクトプレート11を上昇させると、図4に示
すように下型シェル鋳型13が金型7からエジェクトさ
れる。なお、図4はエジェクト中途段階を図示してい
る。なおエジェクトされた下型シェル鋳型13はその金
型7側の面は精度が確保されているが背面側の精度は不
充分となり、肉厚にばらつきが生ずる。
【0032】次に図5乃至図14を参照してシェル鋳型
接合装置について説明する。図5、図6、図7はシェル
鋳型接合装置23の全体概略構成を示し、このシェル鋳
型接合装置23は複数のフレームを組合わせて基台24
を構成し、この基台24上に門形の架構25を取付けて
いる。
【0033】上述の基台24上にはシリンダ26(水平
往復動手段)の操作により固定側の案内ローラ27と可
動側のレール28とに沿って金型セット位置としての手
前側と、図7に実線で示す両金型の接合位置との間を水
平移動する下型支持機構29が配設されている。一方、
上述の架構25にはシリンダ30(昇降手段)の操作に
より図5に示す上限位置と図6に示す下限位置との間を
昇降する上型押圧機構31が配設されている。
【0034】上述の上型押圧機構31はガイドロッド3
2,33を有し、一方のガイドロッド33にはセンシン
グプレート34を取付けこのセンシングプレート34が
架構25上に立設した支柱35側の第1センサS1と第
2センサS2との間を上下動することにより、上型押圧
機構31の上下限位置が制御される。
【0035】ここで、上述の下型支持機構29はダンプ
式造型装置1にて造型された下型シェル鋳型(以下単に
下型と略記する)13を支持するものであり、上型押圧
機構31は同様に造型された上型シェル鋳型(以下単に
上型と略記する)36を押圧するものである。
【0036】また上述の上型36と下型13とは、それ
らの合わせ面37にボンド等の接着剤が塗布された状態
で接合され、こら両型36,13は下型支持機構29に
支持されている。さらに下型13に予め形成された貫通
孔16は下型13の背面側から他方の鋳型としての上型
36との合わせ面37まで貫通するものである。
【0037】図8は図6の要部拡大断面図、図9は図8
のA−A線に沿う平面概略レイアウト図、図10は図9
のB−B線矢視断面図で、上型押圧機構31と下型支持
機構29の詳細構造を示す。
【0038】まず下型支持機構29の構造について述べ
ると、この下型支持機構29は2枚重ね構成の底板38
と、左右の側板39,39と、前後の側板40,40と
でボックス41を構成し、図10に示すように図示左側
の側板40の上部外面にボルト42を介して長尺のクラ
ンプ部材43を着脱可能に取付ける一方、図10の図示
右側の側板40の上部外面にはボルト44を介して短寸
必要数のクランプ部材45を着脱可能に取付けている。
【0039】而して、上述の前後の側板40,40間に
複数枚のビーム46(この実施例では図8、図9に示す
如く7枚のビーム)を水平に配設し、これらビーム46
の両端を上述のクランプ部材43,45により段替え可
能に固定している。上述の各ビーム46において下型1
3の貫通孔16と対応する位置には、下型13の背面側
(図10の下側)から上述の貫通孔16に挿入され、上
型36との合わせ面37に当接する支持手段としての支
持柱47を取付けている。
【0040】この支持柱47はフランジ部47a、ネジ
部47bを有し、図13、図15にも示す如くビーム4
6に穿設された開口の口縁にフランジ部47aとネジ部
47bに螺合したダブルナット48とで挟持固定されて
いる。また上述の支持柱47の下端は底板38に取付け
られた位置精度向上用の座板49に当接され、支持柱4
7の位置精度向上が図られている。
【0041】この支持柱47のフランジ部47aよりも
上部は図14に示す如く略長円形の廻り止め構造に形成
され、この支持柱47の長円部にはボルト50を用いて
二股構造のブラケット51を固定し、このブラケット5
1には補助支持柱52を上下動可能に取付けている。
【0042】この補助支持柱52は下型13における貫
通孔16近傍背面に当接して、下型13を支持する補助
支持手段であって、上述のブラケット51に穿設された
孔部51aに配設され、上部に鍔部52aを有し、下端
のネジ部52bにはナット53を螺合すると共に、鍔部
52aとブラケット51上面との間にはコイルスプリン
グ54(付勢手段)を巻回張架している。上述のコイル
スプリング54のバネ力(付勢力)は次のように設定さ
れている。
【0043】すなわち下型支持機構29なかんずく複数
の補助支持柱52に下型13のみを載せた図13に示す
状態下にあっては支持柱47の上端と合わせ面37との
間に若干の距離g(キャップ)が形成され、支持柱47
上端が合わせ面37よりも距離gだけ相対的に下がった
位置にあり、この図13に示す状態から図15に示すよ
うに上型36を載せると、上型36の自重によりスプリ
ング54力に抗して補助支持柱52が下動して、支持柱
47の上端と合わせ面37とが一致するように上述のバ
ネ力が設定されている。
【0044】また上述の各ビーム46の所定部には下型
13の背面を支持する第二押圧手段としてのエアシリン
ダ55を取付けている。このエアシリンダ55はそのピ
ストンロッド先端に円柱状のピラー56を着脱可能に螺
合したものである。
【0045】次に上型押圧機構31の構造について述べ
ると、この上型押圧機構31は天板57と、左右の側板
58,58と、前後の側板59,59とでボックス60
を構成し、図10に示すように図示左側の側板59の下
部外面にボルト61を介して長尺のクランプ部材62を
着脱可能に取付ける一方、図10の図示右側の側板59
の下部外面にはボルト63を介して短寸必要数のクラン
プ部材64を着脱可能に取付けている。
【0046】而して、上述の前後の側板59,59間に
複数枚のビーム65(この実施例では図8に示す如く7
枚のビーム)を水平に配設し、これらビーム65の両端
を上述のクランプ部材62,64により段替え可能に固
定している。
【0047】上述の各ビーム65所定部には上型36の
背面側(図10の上面側)に当接し、上型36を押圧
し、支持柱47と共に下型13を挟持する第一押圧手段
としてのエアシリンダ66と、同様に上型36の背面側
(図10の上面側)に当接し、上型36を押圧し、エア
シリンダ55と共に下型13を挟持する別の第一押圧手
段としてのエアシリンダ67とを取付けている。
【0048】上述のエアシリンダ66はそのピストンロ
ッド先端に円柱状のピラー68を着脱可能に螺合したも
のであり、同様にエアシリンダ67はそのピストンロッ
ド先端に円柱状のピラー69を着脱可能に螺合したもの
である。
【0049】ここで、支持手段としての支持柱47と上
下方向に対向するエアシリンダ66(第一押圧手段)と
してはシリンダ径が大で、押圧力が大きいものを用い、
第二押圧手段としてのエアシリンダ55と上下方向に対
向するエアシリンダ67(第一押圧手段)としてはエア
シリンダ66と比較してシリンダ径が小で、押圧力が小
さいものを用いている。
【0050】図示実施例は上記の如く構成するものにし
て、以下作用を説明する。まず、図1に示す造型装置1
により記述した如く下型13を造型する。この下型13
の造型に際して、下型13を金型7からエジェクトさせ
る時、このエジェクトと同時に貫通孔16が形成され
る。同様に上述の造型装置1により上型36も造型す
る。
【0051】このようにして造型された上型36、下型
13のうち、まず下型13のみを手前側へ引き出された
下型支持機構29にセットする。つまり図13に示すよ
うに支持柱47と下型13の貫通孔16とを対応させ、
貫通孔16近傍における下型13背面を補助支持柱52
で支持する。
【0052】次に下型13における上型36との合わせ
面37にボンド等の接着剤を塗布した後に、この接着剤
を介して下型13に上型36を被せる。この時、図15
に示すように上型36の自重によりコイルスプリング5
4のバネ力に抗して補助支持柱52が下動するので、支
持柱47上端と合わせ面37とが一致し、両型13,3
6の水平度が確保される。
【0053】次に水平往復動手段としてのシリンダ26
により下型支持機構29および上型36、下型13を図
5、図7に示す接合位置へ移動させる。次に図5に示す
上限位置の上型押圧機構31をシリンダ30の操作によ
り図6に示す下限位置へ下降させて、図10に示す状態
となす。
【0054】次に図10に示す状態から図11に示すよ
うに支持柱47と対向する押圧力の大きいエアシリンダ
66のピストンロッドを突出させて、比較的強い力にて
支持柱47とピラー68とで上型36を挟持し、合わせ
面の水平度、平面度(レベル)を確保する。
【0055】次に図11に示す状態から図12に示すよ
うに上下方向に対向する相対的に押圧力の小さい各エア
シリンダ67,55のピストンロッドをそれぞれ突出さ
せて、相対的に弱い力にて上下のピラー69,56で上
型36および下型13を挟持し、予め塗布された接着剤
により上型36と下型13とを完全に接合させる。
【0056】接着剤の接着に要する所定時間の経過後、
上型押圧機構31を上限位置(図5参照)へ復動させ、
その後、互に接着された上型36、下型13が取出され
て一連のシェル鋳型接合工程が終了するが、両型36,
13により形成された部品形成用のキャビティ70には
その後の鋳造工程において溶湯が注湯される。
【0057】以上要するに上記実施例のシェル鋳型接合
装置によれば、下型13にその背面側から上型36との
合わせ面37まで貫通する貫通孔16を設けると共に、
この貫通孔16に挿入して上型36との合わせ面37に
当接する支持柱47と、この支持柱47との間で鋳型1
3,36を挟持する第一押圧手段(エアシリンダ66、
ピラー68参照)と、下型13の背面を支持する第二押
圧手段(エアシリンダ55、ピラー56参照)との間で
鋳型を挟持する第一押圧手段(エアシリンダ67、ピラ
ー69参照)とを設ければよいので、既存のシェル鋳型
接合装置に若干の改良を加えるだけで、装置の構成を複
雑にすることなく、また下型シェル鋳型の肉厚のばらつ
きの影響も受けることなく、充分な力で上下シェル鋳型
36,13を支持することができて、延いては鋳型3
6,13の平面度(レベル)を精度よく確保することが
できる効果がある。
【0058】しかも支持柱47に対応する第一押圧手段
(エアシリンダ66、ピラー68参照)の押圧タイミン
グを、第二押圧手段(エアシリンダ55、ピラー56参
照)に対応する第一押圧手段(エアシリンダ67、ピラ
ー69参照)のそれに比較して早く設定したので、支持
柱47と第一押圧手段(エアシリンダ66、ピラー68
参照)とで先に基準となる面精度のよい合わせ面37を
挟持して位置合わせを行ない、このレベル確保の後に、
第二押圧手段(エアシリンダ55、ピラー56参照)と
第一押圧手段(エアシリンダ67、ピラー69参照)と
で接着用の押圧力を付加することができる。この結果、
上下シェル鋳型36,13のフランジ部分の波打ち、歪
みを確実に防止することができる効果がある。
【0059】また、シェル鋳型はダンプ式造型装置(図
1参照)にて造型される。このダンプ式造型装置はレジ
ンサイドまたはコーテッドサイド等の砂を金型面上に落
下してシェル鋳型が造型され、本来、下型シェル鋳型1
3の背面精度が低い。しかし、上述の押圧タイミングに
より合わせ面37を基準としてレベル確保を図った後
に、接着用の押圧力を付加するので、上下シェル鋳型3
6,13のフランジ部の波打ち、歪みを確実に防止する
ことができる効果がある。
【0060】さらに、支持柱47に対応する第一押圧手
段(エアシリンダ66、ピラー68参照)の押圧力を、
第二押圧手段(エアシリンダ55、ピラー56参照)に
対応する第一押圧手段(エアシリンダ67、ピラー69
参照)の押圧力に対して大に設定したので、強い押圧力
により位置合わせの精度向上を図り、接着用の押圧力が
付加されてもレベルが狂うことがない効果がある。
【0061】因に上述の押圧力の関係が逆の場合には位
置合わせの精度変化をきたす懸念があるが、上記構成に
より位置合わせの確実な精度向上を達成することができ
る効果があり、上下シェル鋳型36,13のフランジ部
分の波打ち、歪みをより一層良好に防止することができ
る効果がある。
【0062】また上記実施例の造型装置によれば、貫通
孔16に対応するエジェクトピン14のストロークを他
のエジェクトピン15のストロークよりも大に設定した
ので、造型された鋳型13のエジェクトと同時に、貫通
孔16に対応する大ストロークのエジェクトピン14に
より貫通孔16を形成することができる。この結果、別
途貫通孔を形成する必要がなく、造型工程(なかんずく
貫通孔形成工程)の短縮を図ることがでる効果がある。
【0063】さらに、貫通孔16を形成するピン長の長
いエジェクトピン14と、造型後のシェル鋳型(下型1
3参照)を押上げ分離するエジェクトピン15と共通の
エジェクトプレート11により駆動することができるの
で、駆動源を兼用(共通)することができる効果があ
る。
【0064】加えて、上下一対のシェル鋳型13,36
の合わせ面37に接着剤を介在させて両鋳型13,36
が圧接接合されるシェル鋳型の造型方法において、貫通
孔16に挿入する支持手段47と協動して両鋳型13,
36を挟持すると共に、両鋳型13,36の背面を挟持
した状態で圧接接合する接合工程と、上記接合工程の前
工程で、かつ鋳型造型工程の後工程において、金型7と
鋳型13とを分離するエジェクト時に前記貫通孔16を
形成するシェル鋳型の造型方法であるから、鋳型13の
エジェクトと同時に貫通孔16を形成することができる
効果がある。
【0065】この発明の構成と、上記実施例との対応に
おいて、この発明の上下一対のシェル鋳型は、実施例の
上型36、下型13に対応し、以下同様に、一方の鋳型
は、下型13に対応し、他方の鋳型は、上型36に対応
し、支持手段は、支持柱47に対応し、第一押圧手段
は、エアシリンダ66,67、ピラー68,69に対応
し、第二押圧手段は、エアシリンダ55、ピラー56に
対応し、押圧タイミングが早く、押圧力が大きい第一押
圧手段は、エアシリンダ66、ピラー68に対応し、押
圧タイミングが遅く、押圧力が小さい第一押圧手段は、
エアシリンダ67、ピラー69に対応し、貫通孔に対応
するエジェクトピンは、エジェクトピン14に対応し、
他のピンは、エジェクトピン15に対応するもこの発明
は上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0066】例えば上記エアシリンダ55,66,67
としては油圧シリンダ等の他のアクチュエータを用いて
もよく、支持柱47、補助支持柱52を上型押圧機構3
1にエアシリンダ66,67を下型支持機構29に設け
ると共に、貫通孔16を上型36側に形成する構成と成
してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の鋳型の造型装置を示す側面図。
【図2】 鋳造された鋳型のエジェクト前の状態を示す
断面図。
【図3】 エジェクト初期における抜き取り部の形成を
示す断面図。
【図4】 エジェクト時における貫通孔同時形成を示す
断面図。
【図5】 本発明のシェル鋳型接合装置の正面図。
【図6】 上型押圧機構の下限位置を示す正面図。
【図7】 図5の右側面図。
【図8】 図6の要部拡大断面図。
【図9】 図8のA−A線に沿う平面概略レイアウト
図。
【図10】 図9のB−B線矢視断面図。
【図11】 支持手段と第一押圧手段による水平度確保
状態を示す断面図。
【図12】 第二押圧手段と第一押圧手段による両型の
押圧状態を示す断面図。
【図13】 支持手段に下型のみを載せた場合の説明
図。
【図14】 図13のC−C線矢視断面図。
【図15】 支持手段に下型、上型を載せた場合の説明
図。
【符号の説明】
11…エジェクトプレート 13…下型 14,15…エジェクトピン 16…貫通孔 36…上型 37…合わせ面 47…支持柱 55,66,67…エアシリンダ 56,68,69…ピラー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下一対のシェル鋳型の合わせ面に接着剤
    を介在させて両鋳型を圧接接合するシェル鋳型接合装置
    において、上下鋳型のうち何れか一方の鋳型にはその背
    面側から他方の鋳型との合わせ面まで貫通する貫通孔が
    設けられ、上記一方の鋳型の背面側から上記貫通孔に挿
    入され、上記他方の鋳型との合わせ面に当接する支持手
    段と、上記他方の鋳型の背面側に当接し、該他方の鋳型
    を押圧し、上記支持手段と共に他方の鋳型を挟持する第
    一押圧手段と、上記一方の鋳型の背面を支持する第二押
    圧手段とを備え、上記支持手段に対応する第一押圧手段
    の押圧タイミングは第二押圧手段に対応する第一押圧手
    段のそれに比較して早く設定されたシェル鋳型接合装
    置。
  2. 【請求項2】上記シェル鋳型はダンプ式鋳造型造型装置
    で造型された請求項1記載のシェル鋳型接合装置。
  3. 【請求項3】上記支持手段に対応する第一押圧手段の押
    圧力を、第二押圧手段に対応する第一押圧手段の押圧力
    に対して大に設定した請求項1記載のシェル鋳型接合装
    置。
  4. 【請求項4】一面側から他面側まで貫通する貫通孔を有
    するシェル鋳型を造型する鋳型の造型装置であって、金
    型の造型面の一部を構成すると共に造型後、造型面から
    所定のストローク移動することにより金型からシェル鋳
    型を押上げ分離するエジェクトピンを備えると共に、所
    定のエジェクトピンを上記貫通孔に相当する箇所に配置
    し、該エジェクトピンのストローク量は他のそれより大
    に設定された鋳型の造型装置。
  5. 【請求項5】上記エジェクトピンはエジェクトプレート
    と離間して配置されると共に、エジェクトプレートの移
    動でピン押上げ作動が行なわれ、上記貫通孔に対応する
    エジェクトピンの長さはその他のピンよりも長く設定さ
    れた請求項4記載の鋳型の造型装置。
  6. 【請求項6】上下一対のシェル鋳型の合わせ面に接着剤
    を介在させて両鋳型が圧接接合されるシェル鋳型の造型
    方法において、貫通孔に挿入する支持手段と協動して両
    鋳型を挟持すると共に、両鋳型の背面を挟持した状態で
    圧接接合する接合工程と、上記接合工程の前工程で、か
    つ鋳型造型工程の後工程において、金型と鋳型とを分離
    するエジェクト時に前記貫通孔を形成するシェル鋳型の
    造型方法。
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