JPH10137758A - 水処理方法及び水処理装置 - Google Patents

水処理方法及び水処理装置

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JPH10137758A
JPH10137758A JP8303306A JP30330696A JPH10137758A JP H10137758 A JPH10137758 A JP H10137758A JP 8303306 A JP8303306 A JP 8303306A JP 30330696 A JP30330696 A JP 30330696A JP H10137758 A JPH10137758 A JP H10137758A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩類を含む浸出水等の汚水の脱塩処理を容易
に行うことのできる水処理方法及び処理装置を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 塩類を含む原水を逆浸透膜に透過させて
処理水と塩類を含む濃縮水に分離する水処理方法におい
て、前記原水を冷却手段によって所定の温度にまで冷却
した後に、前記逆浸透膜に透過させることを解決手段と
して有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩類を含む原水、
例えば一般廃棄物最終処分場の浸出汚水等を脱塩処理す
る水処理方法及び水処理装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、廃棄物は焼却処理後に最終処分場
に埋め立て処分することが一般的に行われている。この
最終処分場において発生する浸出水には焼却された廃棄
物から浸出されるカルシウムや窒素等が含まれており、
そのまま排出した場合には例えばカルシウムイオンが炭
酸イオン、硫酸イオンと反応して不溶性のカルシウム塩
となって配管や設備にスケールとして付着し、設備の低
下させるという問題が生じていた。
【0003】従って、従来は浸出水からカルシウム、リ
ン、窒素等を除去するためとして図3に示すような水処
理装置によって、まず、汚水は流量調整槽21に貯留され
た後に、カルシウム除去槽22でカルシウムを除去された
後に生物処理槽23で脱窒処理され、さらに凝集沈殿処理
24によって汚泥と処理水が分離され、該処理水は砂濾過
槽25や活性炭処理槽26及びキレート吸着処理27を経た後
に処理水として処理される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな水処理装置で浸出水を処理した場合に、カルシウム
や窒素、リン等の成分は除去できるものの、カルシウム
以外の塩類、例えばマグネシウム、ナトリウム、塩素イ
オン、硫酸イオン、その他の溶解性塩類は除去すること
ができず、このまま処理水として河川等に排出した場合
には、これらの塩類によって河川や土壌が汚染されるお
それがあるという問題が生じていた。
【0005】このような原水中の塩類を除去する方法と
して、逆浸透膜等の透過膜を使用して汚水処理をするこ
とが考えられるが、通常、高度の処理能力を有する透過
膜は一般的にはその膜機能の処理限界が35°C前後で
あり、高温の汚水を処理することはできない。
【0006】しかし、上記のような廃棄物場には生ゴミ
も廃棄されることがあり、この生ゴミの発酵に伴う発熱
によって浸出水が35°C〜40°C程度にまで温度が
上がることもあり、浸出水を直接透過膜で処理すること
はできなかった。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、塩類を含む浸出水等の汚水の
脱塩処理を容易に行うことのできる水処理方法及び処理
装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するために、水処理方法及び処理装置としてな
されたもので、水処理方法としての特徴は、塩類を含む
原水を逆浸透膜に透過させて処理水と塩類を含む濃縮水
に分離する水処理方法において、前記原水を冷却手段に
よって所定の温度にまで冷却した後に、前記逆浸透膜に
透過させることにある。
【0009】また、水処理装置としての特徴は、塩類を
含む原水を透過させて処理水と塩類を含む濃縮水に分離
する逆浸透膜装置1 の上流側に、原水を所定の温度にま
で冷却する冷却塔C が設けられたことにある。
【0010】すなわち上記のように本発明では、塩類を
含む浸出水等の原水を予め冷却手段によって所定の温度
にまで冷却してから逆浸透膜に透過させるため、廃棄物
の発酵等によって高温になった浸出水からなる原水を逆
浸透膜で処理することができ、該原水中に含まれるカル
シウム、マグネシウム、ナトリウム、塩素イオン、硫酸
イオン等からなる塩類やリン、窒素分等を容易且つ確実
に逆浸透膜によって分離して脱塩処理水を得ることがで
きる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に従って説明する。まず、本実施の形態の水処理
装置の構成について説明すると、図1に示す1は、冷却
塔Cを通して所定の温度に調整された浸出水を原水とし
て導入する逆浸透膜装置で、図2に示すような、円筒状
の装置本体11内に、円板状の逆浸透膜12が同じく円板状
のスペーサ13の間に設けられた逆浸透膜部14が複数組積
層されている。
【0012】該逆浸透膜装置1の装置本体11の内周面に
は原水を導入する原水流路15が設けられ、該原水流路15
から逆浸透膜12表面に原水が導入される。また、該逆浸
透膜部14の上部にはエンドプレート16が設けられ、浸透
圧以上の圧力に耐えられるようになっている。
【0013】18は逆浸透膜部14の中央部に貫通された処
理水パイプで、該処理水パイプ18は逆浸透膜12によって
分離された処理水を排出させる。また、19は濃縮水パイ
プで、各逆浸透膜12によって濃縮された濃縮水を装置本
体11外へ排出させる。
【0014】逆浸透膜装置1が上記のように円板状の逆
浸透膜12が同じく円板状のスペーサ13の間に設けられた
逆浸透膜部14が複数組積層されているため、膜に処理水
を透過させる際の流路が広く確保できる。従って、例え
ば長期間使用した後に逆浸透膜の膜表面を洗浄すること
も容易に行える。
【0015】前記冷却塔Cは、塔内に所定の間隔を有し
て複数の充填材が配設され、且つ塔の上部に取り付けら
れたファンによって塔の下部から冷気(外気)を充填材
の間を通して上向流に導入し、一方、充填材の上から原
水を充填材に散水して、充填材の間において冷気と向流
接触させることで原水を冷却し、冷却塔C下部に貯留し
た原水を冷却水として排出するものである。該冷却塔C
において原水は所定の温度、本実施の形態では約35°
C以下にまで冷却する。
【0016】2は前記逆浸透膜装置1によって分離され
た濃縮水が導入されて濾過される透過膜としてのナノフ
ィルター(NF)が設けられた、濃縮水中の塩類、特に
2価以上の負イオンの塩、例えばCaCO3 やCaSO
4 を濾過によって除去することができるNF膜装置であ
る。
【0017】3は、該NF膜装置2で濾過された透過水
をさらに脱塩処理すべく設けられた濃縮水処理用の高圧
逆浸透膜装置で、該高圧逆浸透膜装置3は、前記逆浸透
膜装置1と同様に円筒状の装置本体内に円板状の逆浸透
膜がスペーサ間に設けられたモジュールが複数積層され
ている。該高圧逆浸透膜装置3においては、前記逆浸透
膜装置1よりも高圧をかけて濃縮水を高度に濃縮する分
離処理を行うことが可能に形成されている。
【0018】4は前記NF膜装置2及び高圧逆浸透膜装
置3において分離された濃縮水が導入される晶析槽で、
該晶析槽4では処理水中に残留した塩類が固形物6とし
て析出される。
【0019】また、該晶析槽4で生じる上澄みは前記N
F膜装置2へ導入路Bを介して前記浸透膜装置1から導
入される濃縮水とともに送られNF膜装置2で濾過さ
れ、その後高圧逆浸透膜装置3へと循環される。
【0020】さらに、前記高圧逆浸透膜装置3で分離さ
れた濃縮水の一部はそのまま排出路Aから高度濃縮水と
して処理されるが、残りの濃縮水は前記晶析槽4へ送ら
れる。
【0021】5は前記逆浸透膜装置1で分離された処理
水が導入される第2逆浸透膜装置で、該第2逆浸透膜装
置5も前記逆浸透膜装置1と同様の構成からなる。
【0022】該第2逆浸透膜装置5で分離された処理水
はそのまま装置本体から浄化水として排出され、一方濃
縮水は前記逆浸透膜装置1へ原水とともに導入される。
また、高圧逆浸透膜装置3で分離された処理水は第2逆
浸透膜装置5へ導入される。
【0023】次に、上記のような構成からなる浸出水の
処理装置20によって浸出水を処理する処理方法について
説明する。
【0024】まず、廃棄物処理場から浸出される浸出水
を原水として冷却塔Cに導入する。この浸出水は、例え
ば廃棄物処理場において生ゴミ等が廃棄された時には、
発酵による発熱で35°C〜40°Cの高温水になるこ
とがある。従って、そのまま逆浸透膜装置1に導入した
場合には逆浸透膜の脱塩能力を損なうおそれがあるた
め、該冷却塔Cにおいて通常の逆浸透膜で処理が可能な
約35°C以下になるまで冷却する。
【0025】冷却塔C内においては、原水はまず上部か
ら充填材上部に散水され、該充填材の間隔を通って下方
へ流れ落ちていき、これに対して塔の下から導入された
冷気(外気)が上向きで流れるため、原水は冷気と充填
材間で向流接触されて冷却される。そして冷却塔C内の
貯留部に冷却水として貯留されて外部へ排出する。
【0026】そして、該冷却塔Cにおいて適温にまで冷
却された原水は逆浸透膜装置1へ導入されて脱塩され
る。この逆浸透膜は、浸透圧以上の圧力をかけると分子
レベルで濾過できる半透膜で、リンや有機物、窒素の他
カルシウム、ナトリウム等の各塩類も除去することがで
きる。
【0027】前記のように該逆浸透膜装置1には円板状
の逆浸透膜12が積層されている構造で、該逆浸透膜12の
表面とスペーサ13の間を原水が流れる時に圧力をかける
と逆浸透膜12は水のみを透過して膜の内側に脱塩された
処理水が溜まり、該処理水は装置本体11中央部に縦設さ
れた処理水パイプ18を経て逆浸透膜装置1から処理水と
して排出され、一方、原水は逆浸透膜12とスペーサー13
の間を通り濃縮水パイプ19を経て、逆浸透膜装置1から
濃縮水として排出される。
【0028】次に、該濃縮水はNF膜装置2に導入され
るが、該NF膜は濃縮水中の塩類、特にCaCO3 やC
aSO4 等の2価以上の負イオンを濾過によって有効に
除去することができるため該NF膜装置2で処理された
透過水を高圧逆浸透膜装置3へ導入する場合に、逆浸透
膜にこれらの塩によるスケールが付着して性能が低下す
ることを防止できる。特に、高圧逆浸透膜装置3では前
記逆浸透膜装置1によって分離された濃縮水を処理する
ため、イオン濃度が高い水を処理することになり、この
ようなNF膜でイオンを除去することがスケール防止に
有効な手段となる。
【0029】一方、逆浸透膜装置1から排出された処理
水は更に第2逆浸透膜装置5で脱塩処理され、高純度の
処理水として排出される。この第2逆浸透膜装置5にお
いて分離された濃縮水は原水とともに再度逆浸透膜装置
1に返送されるため、僅かな塩類も確実に除去して装置
外へ排出されることを防止できる。
【0030】さらに、NF膜装置2で発生した濃縮水及
び高圧逆浸透膜装置3において生じる高度に濃縮された
濃縮水の一部は前記晶析槽4へ導入される。該晶析槽4
では、これらに含まれる塩類を析出して固形物として除
去することができる。この晶析槽4において生じる上澄
み液は再びNF膜装置2へ導入路Bを経て逆浸透膜装置
1からの濃縮水とともに導入される。このように、晶析
槽4において塩類の一部を固形物として析出するため、
濃縮水として排出される塩類の量をより減少させること
ができる。
【0031】さらに高圧逆浸透膜装置3において分離さ
れた処理水は逆浸透膜装置1から排出された処理水とと
もに第2逆浸透膜装置5へ導入され、確実に脱塩処理さ
れる。
【0032】このように、原水を冷却塔Cで冷却した後
に逆浸透膜装置1によって脱塩処理を行うため、原水が
温度の高い水であった場合にも逆浸透膜に透過させるこ
とができる。従って、大型の調整槽に一度原水を貯留し
ておくことが不要になり、装置の設置面積をコンパクト
にできる。
【0033】尚、上記実施の形態では、逆浸透膜装置1
で生じた濃縮水をNF膜装置2に導入し、さらに高圧逆
浸透膜装置3に処理したが、逆浸透膜装置1で発生した
濃縮水をこのように処理することは条件ではない。
【0034】また、原水を冷却塔Cによって所定の温度
に冷却したが、原水の冷却手段としては冷却塔に限定さ
れるものではなく、プレート式熱交換器やヒートポンプ
等が使用できる。また、その冷却温度等も使用する逆浸
透膜に合わせて適宜設定することができる。
【0035】但し、冷却塔Cによって原水を冷却する場
合に、冷却塔Cは上記実施の形態に示したように、所定
間隔を有して配設された複数の充填材の間に原水を流し
て冷却するため、熱交換器やヒートポンプに比して比較
的開放された充填材の間を原水の流路として冷却を行う
ことができる。従って、浸出汚水を原水として直接冷却
塔内に導入した場合に、ゴミ等の固形分が原水中に混入
していても、冷却塔Cにおいて原水は開放された充填材
間を流路とするため、ゴミ等が詰まって原水流路が閉塞
しにくい構造になっており、原水を直接導入する冷却手
段としては冷却塔を使用することが特に好ましい。
【0036】また、上記実施の形態では濃縮水の処理に
おいて晶析槽4を設け、塩類を固形物で析出させて発生
する濃縮水をより減少させることとしたが、この晶析槽
4を設けることは条件ではない。
【0037】さらに、上記実施の形態では逆浸透膜装置
1で分離した処理水を、さらに下流側に設けた第2逆浸
透膜装置5によって処理したが、このような第2逆浸透
膜装置を設けることは条件ではない。但し、上記実施の
形態のように、複数段の逆浸透膜処理を行えば、処理水
の質はより向上することになる。
【0038】また、上記実施の形態では、逆浸透膜装置
として円板状の平板状の逆浸透膜を使用した逆浸透膜装
置を使用したが、使用する逆浸透膜の形状としては、こ
の他中空糸型、スパイラル型及び管状型等、どのような
形状の逆浸透膜であってもよい。
【0039】また、上記実施の形態では浸出水を原水と
して処理したが、本発明は浸出水以外にも、一般の装置
等から排出される塩類を含む水の脱塩処理に適用でき
る。
【0040】
【発明の効果】叙上のように、本発明は廃棄処分場から
排出される浸出水が温度が高い場合でも、脱塩処理を行
うに当たって、逆浸透膜の膜機能を低下させることなく
確実に処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例としての水処理装置
の概略構成図。
【図2】逆浸透膜装置の概略断面図。
【図3】従来の水処理装置の概略構成図。
【符号の説明】
1 逆浸透膜装置(逆浸透膜) 4
晶析槽 2 NF膜装置(透過膜) C
冷却塔 3 高圧逆浸透膜装置(濃縮水処理用逆浸透膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深尾 義満 兵庫県宝塚市米谷2丁目5−4 (72)発明者 木下 清 大阪府四条畷市南野1丁目15−29

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩類を含む原水を逆浸透膜に透過させて
    処理水と塩類を含む濃縮水に分離する水処理方法におい
    て、前記原水を冷却手段によって所定の温度にまで冷却
    した後に、前記逆浸透膜に透過させることを特徴とする
    水処理方法。
  2. 【請求項2】 前記冷却手段が、冷却塔である請求項1
    に記載の水処理方法。
  3. 【請求項3】 前記逆浸透膜によって分離された濃縮水
    を透過膜によって濾過し、該透過膜によって濾過された
    透過水をさらに濃縮水処理用逆浸透膜に透過させて分離
    された高度濃縮水を排出する一方、前記透過膜によって
    濾過された濃縮水を晶析処理し、該晶析処理時に生じる
    上澄みを前記透過膜へ導入する請求項1又は請求項2に
    記載の水処理方法。
  4. 【請求項4】 塩類を含む原水を透過させて処理水と塩
    類を含む濃縮水に分離する逆浸透膜装置(1) の上流側
    に、原水を所定の温度にまで冷却する冷却塔(C)が設け
    られたことを特徴とする水処理装置。
  5. 【請求項5】 前記逆浸透膜装置(1) によって分離され
    た濃縮水を濾過する透過膜装置(2) と、該透過膜装置
    (2) によって濾過された透過水が透過される濃縮水処理
    用逆浸透膜装置(3) と、該濃縮水処理用逆浸透膜装置
    (3) によって分離される高度濃縮水を排出する排出路
    (A) と、前記透過膜装置(2) によって濾過された濃縮水
    が導入される晶析槽(4) を備え、且つ該晶析槽(4) で生
    じる上澄み液を前記透過膜装置(2) へ導入する導入路
    (B) が設けられた請求項4に記載の水処理装置。
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