JPH10136923A - 納豆の発酵室 - Google Patents

納豆の発酵室

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JPH10136923A
JPH10136923A JP8296966A JP29696696A JPH10136923A JP H10136923 A JPH10136923 A JP H10136923A JP 8296966 A JP8296966 A JP 8296966A JP 29696696 A JP29696696 A JP 29696696A JP H10136923 A JPH10136923 A JP H10136923A
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air
natto
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fermentation chamber
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 室内に配設される各納豆容器内の品温を均一
可能とする納豆の発酵室を提供すること。 【構成】 室内の天井部に送風部8を有し、この送風部
8により側方に向けて送風し、多数の納豆容器7が収納
されたコンテナ4内に空気を循環させる納豆の発酵室1
において、発酵室1の左右の側壁部3aに対峙し且つ複
数の通孔11を有する縦置き通風板10を設けるととも
に、前記側壁部3aと通風板10との間に遮蔽板13を
設けて送風部8から送風された空気を二つの風道14,
15に分割し、前記二つの風道14,15のそれぞれ
に、その一方の端部を縦置き通風板10に固着した、複
数の通孔19を有する棚板18を装着した納豆の発酵室
である。また、縦置き通風板10の上部に、分割された
各風道内の空気通流量を調整するための上下方向に移動
可能な調整板16を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内に配設される
各納豆容器内の品温を均一可能とする納豆の発酵室に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、納豆の製造は、原料大豆を水に
所定時間浸漬した後、所定圧力下で蒸煮し、この蒸煮大
豆に納豆菌を接種して、所定容量の容器に入れ、これら
納豆容器をコンテナ内に収納して発酵室内に仕込み、発
酵させることにより行われる。以下に納豆の製造段階を
説明する。
【0003】通例2kg圧、132℃で蒸煮された大豆
は脱圧後、100℃から90℃で納豆菌を接種され、そ
の後、容器に充填される。60℃程度の品温を有する蒸
煮大豆は、できるだけ速やかに納豆菌繁殖の最適温度と
なるように、40℃まで冷却される(予冷段階)。次
に、蒸煮大豆は、室温40℃(品温と同じ)の雰囲気内
に通常の中粒大豆においては約8時間位置かれて、納豆
菌の発芽増殖が図られ(誘導期)、かくして誘導期を経
過する頃には、納豆菌の分裂、増殖は著しく激しくな
り、蒸煮大豆中の糖成分が大量に消費され、大量の代謝
エネルギーが放出されて品温が急上昇する(対数期)。
対数期の経過後は、代謝エネルギーの発酵熱の発生も最
高潮となり、納豆菌は胞子形成を始め、菌体内の酵素活
性も高まり、細胞壁にある酵素で自分の身体を溶かし
(自己消化)、菌体内酵素は大豆表面に分散浸透され
る。
【0004】次第に蒸煮大豆表面の納豆菌の栄養は乏し
くなるが、通常この時期の品温を48〜52℃位、4〜
5時間持続させると、粘質物と遊離アミノ酸の生成が活
発になり、納豆独特の味が形成されるので、品温上昇抑
制のため、約38℃の雰囲気下に蒸煮大豆を置く。この
後、室温30℃の雰囲気中に蒸煮大豆を3〜4時間置い
て酵素反応を持続させ(後熟段階)、続いて納豆菌の再
繁殖を抑制させ低温で納豆を熟成させるため、室温5℃
以下の雰囲気中において冷却する(冷却段階)。
【0005】このような各製造段階を経て納豆が製造さ
れる。各製造段階において、最適温度に保つために、従
来、蒸煮大豆の発酵室は、発酵室の天井に、ファンを備
えた送風部が設置され、この送風部にて空気を循環させ
ることにより、コンテナ内に多数収納された容器内の大
豆の温度調整が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の発酵室にお
いては、送風部のファンにより室の中央や側方に送風し
て空気を循環させるようにしているが、室内には、多数
の納豆容器が収納されたコンテナが複数配置されてお
り、これらの通流抵抗により空気通流方向への循環が確
実に行われない問題があった。また、特に対数期に大量
に発生した発酵熱は、発酵室の上部に滞留することは勿
論、段積みされたコンテナの段中央部より上部付近に篭
りがちである。また、冷却時に空調機側面より吹出され
る循環空気は、特に発酵室下部に流れやすく、従来の発
酵室において各部分の温度を測定したところ、最も納豆
菌の繁殖が旺盛な発酵工程中の対数期では、発酵室内で
5〜6℃の温度差を生じることが確認された。このよう
に従来の発酵室においては、室温を均等に保つことは困
難であり、納豆容器内の品温の均一化が行われにくいた
め、良質且つ均一な品質の納豆を製造するには、問題が
あった。
【0007】本発明は、前記問題に鑑みてなされたもの
で、発酵熱の篭もりによって生ずる上下コンテナ内の温
度差を解消するため、納豆菌の繁殖に影響を与えない微
風をもってコンテナ内に通流させて、発酵室内の温度を
一定に保ち、各容器内の品温の均一化を可能とする納豆
の発酵室を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願第1請求項に記載さ
れた発明は、室内の天井部に送風部を有し、この送風部
により側方に向けて送風し、多数の納豆容器が収納され
たコンテナ内に空気を循環させる納豆の発酵室におい
て、発酵室の左右の側壁部に対峙し且つ複数の通孔を有
する縦置き通風板を設けるとともに、前記側壁部と前記
通風板との間に遮蔽板を設けて前記送風部から送風され
た空気を二つの風道に分割し、前記二つの風道のそれぞ
れに、その一方の端部を前記縦置き通風板に固着した、
複数の通孔を有する棚板を装着した構成の納豆の発酵室
である。
【0009】このように、本願第1請求項に記載された
納豆の発酵室は、縦置き通風板と発酵室の側壁部によっ
て構成される風道が、遮蔽板によって分割され、更に、
風道に設けられた棚板によって、空気の循環経路が複数
に分割される。このため、発酵室内の一定部分に篭りが
ちであった空気を分散して通流させることができる。
【0010】ファンによって送風された上部の空気は、
前記遮蔽板によって複数の風道に分散して通流される。
従来においては、風道を通流する空気は、特に風道下部
への通流が多くなっていたが、本発明においては風道に
設けられた複数の棚板の通流抵抗により通流する空気の
一部の通流方向が変化して横方向に通流する。その結
果、棚板によって形成された複数の段部に対応する段積
みされた各コンテナの間に確実に空気が通気し、コンテ
ナ間を通流する空気の流速を均等化して、発酵室内の温
度の均一化を図ることができる。
【0011】本願第2請求項に記載された発明は、前記
第1請求項の発明において、前記縦置き通風板の上部
に、分割された各風道内の空気通流量を調整するための
上下方向に移動可能な調整板を設けた構成の納豆の発酵
室である。
【0012】この調整板を上下方向に移動すると、ファ
ンより送風された上部空気の通流分量を変化させて各風
道内に通流する空気の流量を変化させることができる。
このため、空気の流量を調整して、コンテナ間を通流す
る空気の流速の均等化を図り、発酵室内の温度を均一化
することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の具体例に基
づいて説明する。
【0014】図1、図2及び図3は、本発明に係る納豆
の発酵室を示し、図1は正面図、図2は平面図、図3は
図1中のIII−III矢視断面から見た斜視図を示
す。
【0015】本例の発酵室1は、図1乃至図3に示すよ
うに、断熱材により六面の壁部、すなわち、天井壁2
a、底部壁2b、正面壁2c、後面壁2d、左右の側面
壁3a,3b(以下、単に「側面壁3」とも表記す
る。)が形成され、正面壁2cには、後述する複数のコ
ンテナ4,4を出し入れする入口5が設けられ、この入
口5にはドア6が設けられている。台車上に段積みされ
るコンテナ4,4には、蒸煮大豆を充填した多数の納豆
容器7,7が収納される。
【0016】前記発酵室1内の天井の中央部には、送風
部8が配置されている。この送風部8は、発酵室1内の
長手方向の寸法と略等しい寸法に形成されており、内部
に電気ヒータ等を備えた加温部及び、冷却コイル等を備
えた冷却部が設けられており、当該冷却部は室外の冷却
装置にパイプ等を介して接続されている。また、送風部
8の前面には、複数の円形開口が略等間隔に形成される
とともに、これらの開口の前部又は後部にはそれぞれフ
ァン9,9が配設されており、このファン9,9が駆動
されることにより、図5中の矢印で示すように、室内で
空気が循環される。尚、前記ファン9,9は逆回転され
ることにより、図5中の矢印と反対方向へ空気を循環さ
せることも可能である。
【0017】更に、前記それぞれの側面壁3a、3bに
対峙して、縦置き通風板10a、10b(以下、単に
「縦置き通風板10」とも表記する。)が当該側面壁3
と平行に設置され、各側面壁3と各縦置き通風板10と
の間に、送風された空気が通流する風道15が形成され
ている。
【0018】前記縦置き通風板10には空気を通流する
通気孔11,11がパンチングプレス等により形成され
ている。尚、縦置き通風板10は、コンテナ4間に吹込
まれた空気がコンテナ4の間を確実に通気し、通流した
空気がコンテナ間を通流する前に風圧によって均等とな
り通風するように、縦置き通風板10とコンテナ4との
間は適当な距離に配置するとよい。例えば縦置き通風板
10とコンテナ4との間隔は10cm程度としている。
また、送風部8の下部には、複数のコンテナ4の上面を
覆う、天井壁2aと平行に配置された内部天井壁12が
前記縦置き通風板10a,10bに亘って設置されてい
る。
【0019】前記側面壁3a、3bと縦置き通風板10
a、10bの間には、発酵室1内の長手方向の寸法と略
同じ寸法に形成され、前記風道15を分割する遮蔽板1
3a,13b(以下、単に「遮蔽板13」とも表記す
る。)が当該風道15の上部に設置されている。この遮
蔽板13は前記縦置き通風板10の側に、風道14を形
成している。
【0020】そして、前記遮蔽板13a,13bの上部
には、コンテナ4の方向に上端部が屈曲した調整板16
a,16b(以下、単に「調整板16」とも表記す
る。)が設けられている。前記調整板16は、前記遮蔽
板13と略等しい奥行寸法に形成されており、遮蔽板1
3に設けられた保持部17に保持されて、必要に応じて
上下方向にスライド移動するように配設されている。こ
の調整板16は、風道内を流入する空気を調整するため
に設けられたものである。例えば、前記調整板16を上
方向にスライドさせると、空気が調整板16に導かれて
送風部8に近い風道14に多くの空気が通流され、側面
壁に近い風道15に通流する空気が減少することにな
る。また、前記調整板16を動かさずにいると、分割さ
れた風道の双方に略均等に空気が通流される。
【0021】更に、風道14,15には、(以下、単に
「棚板18」とも表記する。)が水平に配設されてい
る。棚板18aは風道14の基端側に設けられており、
その下側に棚板18bが設けられている。棚板18cは
風道15の下部に設けられており、また、棚板18dは
風道15の基端側に設けられている。これらの棚板18
a,18b,18c,18dが設けられることにより、
上から順にa,b,c,dの段部が形成され、送風部8
のファン9によって送風された空気は、これらの段部
a,b,c,dを通って縦置き通風板10から吹出さ
れ、また、縦置き通風板10より空気が吸引され段部
a,b,c,dを経由して送風部8にもたらされる。こ
のようにして、遮蔽板13及び棚板18a,18b,1
8c,18dにより、本例の場合、4つのチャンバが形
成されることになる。
【0022】室温が所定温度となるように加温部又は冷
却部を稼動してファン9を駆動すると、例えば、図5中
の矢印で示すように、加温又は冷却された空気が循環さ
れる。尚、矢印が示す方向は空気が通流する方向を示
す。
【0023】風道14,15を通流する空気は、前記棚
板18の通気抵抗を受けて、循環空気の一部が横方向へ
方向を変えて縦置き通風板10から吹出され、コンテナ
4の間を水平方向に通流し、他方の縦置き通風板10に
吸引される。
【0024】また、調整板16を調整することにより、
各段部a,b,c,dに通流する空気の流量を調整し、
流速を変化させて、コンテナ4の間を通流する空気の流
速を均等化を図ることができ、発酵室1内の室温を略均
一化することができる。
【0025】ここで、前述した多数の納豆容器7が収納
されるコンテナ4を図面に基づいて説明する。図4は本
例の納豆の発酵室において、用いられるコンテナ4を示
す斜視図である。
【0026】図4に示すように、コンテナ4は、通気が
できるように孔が多数形成された長方形状の枠組み4a
と網状の底部4bによって構成されている。コンテナ4
は、設置スペースを狭小化して多数の納豆容器7収納
し、且つ、容易に移動可能とするため、台車に段積みさ
れて用いられる。このため、コンテナ4の枠組み4aの
4隅には長方形状の角に対応するL字状の突出部4c,
4cが形成され、前記突出部4c,4cに、他のコンテ
ナ4の枠組み4a及び底部4bが嵌合して、段積みでき
るように形成されている。コンテナ4は、上部と側面が
開口しているので段積みすると、側面のみが開口し、最
上段のコンテナのみ側面と上部が開口する。段積みした
場合は、例えば,42個の納豆容器7がコンテナ4に収
納される。
【0027】次に、本発明者が、各コンテナ間を通流し
た空気の流速を測定した実験結果を示す。尚、空気の循
環は、一方向に送風した。
【0028】図5は、本実験に用いた納豆の発酵室の断
面図を示し、図6は図5の平面図を示す。図5及び図6
中に示す記号A,記号B及び記号Cは、後述する実験に
おいて、空気の流速を測定した測定点を示す。図5及び
図6に示す矢印は、空気の通流方向を示す。
【0029】図7は、納豆の発酵室1内に段積みされて
複数配列された一列目のコンテナの吹出し側開口付近に
おいて測定した空気の流速を示す。本実験においては、
送風部から50Hzの空気の送風が行われた場合の結果
を示し、13個積み重ねられた複数のコンテナ4が、発
酵室奥側と入口側に配置されて一列を構成している。コ
ンテナ間を通流した空気の流速は、一列目のコンテナ4
の吹出し側となる側面開口の中央部で測定した(図5の
記号Aで示す空気の流速測定点)。
【0030】まず、13個のコンテナ4が段積みされ、
段積みされた各コンテナ4間を通流した空気の流速を測
定し、各コンテナ間を通流した空気の流速の平均値を算
出した。その後、各棚板18a,18b,18c,18
dによって仕切られた各段部a,b,c,dに対応する
複数の各コンテナ間を通流した空気の流速(平均値)の
平均値を算出し、この値から風道に形成された各段部か
ら吹込まれて各段部に対応するコンテナの間を通流して
吹出した空気の流速の割合を求めた。底部壁2bと棚板
18cで仕切られた段部dには、積層されたコンテナの
下から1段目乃至3段目までが対応し、棚板18cと遮
蔽板13下部で仕切られた段部cには、積層されたコン
テナの下から4段目乃至6段目が対応し、遮蔽板13下
部と棚板18bで仕切られた段部bには、積層されたコ
ンテナの下から7段目乃至9段目が対応し、棚板18b
と棚板18aで仕切られた段部aには、積層されたコン
テナの下から10段目乃至13段目が対応している。
【0031】各段部から吹き出されてコンテナ間を通流
した空気の流速割合は、各段部とも同じ割合であること
が好ましく、例えば、コンテナ間を通流した空気の全体
の流速を100とした場合に、本例における4つの段部
a,b,c,dが同じ割合(各25%)になることが好
ましい。図7に示すように、50Hzの空気を送風した
場合の各段部から吹き出されてコンテナ間を通流した空
気の流速割合は、多少のばらつきはあるが、ほぼ均等の
値、すなわち、21%乃至28%の値を示している。図
7に示す実験結果から、各段部から吹き出されてコンテ
ナ間を通流した空気の流速は均等化されていることが確
認できた。尚、送風部から35Hzの空気の送風して、
前述と同様の測定位置で測定した場合もほぼ同程度の結
果を示した(図示省略)。
【0032】図8は、納豆の発酵室1内に段積みされて
複数配列された二列目のコンテナの吹出し側開口付近に
おいて測定した空気の流速、各段部における前記流速の
平均値、及び、前記平均値から算出した各段部から吹込
まれてコンテナ間を通流した空気の流速割合を示す。本
実験においては、送風部から50Hzの空気の送風が行
われた場合の結果を示し、13個積み重ねられたコンテ
ナ4が、発酵室奥側と入口側に配置されて一列を構成し
ている。コンテナ間を通流した空気の流速は、二列目の
コンテナ4の吹出し側となる側面開口の中央部で測定し
た(図5の記号Bで示す空気の流速測定点)。
【0033】図8に示すように、50Hzの空気を送風
した場合の各段部から吹込まれてコンテナ間を通流した
空気の流速の割合は、20%乃至29%の値を示し、ほ
ぼ均等化された流速の空気がコンテナ4間を通流されて
いることが確認できた。また、図8に示す実験結果か
ら、コンテナ4間を通流した空気の流速は、段積みされ
た複数のコンテナの中央部付近では、全体の約4分の1
の割合である約25%の値を示しているが、上部と下部
においては多少のばらつきが生じることが確認できた。
例えば、風道の下部に形成された段部dから吹き出され
てコンテナ間を通流した空気の流速割合は29%であ
り、他の段部から吹き出されてコンテナ間を通流した空
気の流速割合と比較してやや高めの値を示している。こ
の場合は調整板16を上方向に移動して、段部dに連通
する風道15に通流する空気の流量を少なくし、段部d
からコンテナ間に吹き出される空気の流速を遅くすれ
ば、段積みされた複数のコンテナ間を通流する空気の流
速をほぼ均等化することが可能である。尚、送風部から
35Hzの空気の送風して、前述と同様の測定位置で測
定した場合もほぼ同程度の結果を示した(図示省略)。
【0034】次に、納豆の発酵室1内に段積みされて複
数配列されたコンテナの吹込み側付近において空気の流
速を測定した結果を示す。
【0035】図9は、納豆の発酵室1内に段積みされて
複数配列された二列目のコンテナの吹き込み側開口付近
において測定した空気の流速、各段部における空気の流
速の平均値、及び、前記平均値から算出した各段部から
積層された複数のコンテナに吹き込まれる空気の流速割
合を示す。本実験においては、送風部から50Hzの空
気の送風が行われた場合の結果を示し、コンテナ4は1
3個積み重ねられて、発酵室奥側、中間(2つ)、入口
側に配置されて一列を構成している。コンテナ間を通流
する空気の流速は、二列目のコンテナ4の吹き込み側と
なる側面開口の中央部で測定した(図5の記号Cで示す
空気の流速測定点)。
【0036】図9に示す実験結果は、各段部a,b,
c,dに対応する段積みされたコンテナ各段のうち任意
に2点の測定点を定めて空気の流速を測定し、各段部に
対応する測定結果の平均値を算出し、この値から各段部
から二列目のコンテナに吹込まれる空気の流速の割合を
算出した。図9に示すように、段部a,b,c,dの4
つに分けられた各段部から段積みされた複数のコンテナ
4に吹き込まれる空気の流速割合は、上2段と下2段で
ほぼ50%づつの割合を示しており、段部aで29%、
段部bで30%、段部cで31%、段部dで20%の流
速割合を示すことが確認できた。
【0037】この結果から、中央部付近の段部cは、空
気の流速割合が大きくなってやや速い流速の空気が通流
され、空気が篭りがちな中央部空気の停滞を防いでい
る。また、従来、多くの流量が通流されるために流速が
速くなりがちであった最下段の段部dは、空気の流速割
合が小さくなってやや遅い流速の空気が通流され、流速
が速くなりがちであった風道の下部からコンテナへ通流
する空気の流速を抑制している。
【0038】このように、風道を通流して各段部からコ
ンテナ間に吹込まれる空気の流量を各所の通流状態を考
慮して調整し、各段部からコンテナ間に吹込まれる空気
の流速を変化させることによって、コンテナ間を通流す
る空気の流速の均等化を図ることができる。このため、
発酵室内の温度を略均一化することが可能となる。尚、
送風部から35Hzの空気の送風して、前述と同様の測
定位置で測定した場合もほぼ同程度の結果を示しており
(図示省略)、送風量にかかわらず、本発明の構成によ
る納豆の発酵室は、コンテナ間を通流する空気の流速の
均等化を図ることができ、発酵室内の温度を略均一化す
ることが可能であることが確認できた。
【0039】前述した実験結果より、本発明の具体例の
構成によれば、納豆の発酵室において、通流する空気を
分散し、通流する空気の流量を調整して、コンテナ間を
通流する空気の流速の均等化を図り、発酵室内の温度を
略均一化することができることが確認できた。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本願第1請求項に
記載された発明は、室内の天井部に送風部を有し、この
送風部により側方に向けて送風し、多数の納豆容器が収
納されたコンテナ内に空気を循環させる納豆の発酵室に
おいて、発酵室の左右の側壁部に対峙し且つ複数の通孔
を有する縦置き通風板を設けるとともに、前記側壁部と
前記通風板との間に遮蔽板を設けて前記送風部から送風
された空気を二つの風道に分割し、前記二つの風道のそ
れぞれに、その一方の端部を前記縦置き通風板に固着し
た、複数の通孔を有する棚板を装着した構成の納豆の発
酵室である。
【0041】従って、縦置き通風板と発酵室の側壁部に
よって構成される風道が、遮蔽板によって分割され、更
に、風道に設けられた棚板によって、空気の循環経路が
複数に分割される。このため、発酵室内の一定部分に篭
りがちであった空気を分散して通流させることができ
る。
【0042】ファンによって送風された上部の空気は、
前記遮蔽板によって複数の風道に分散して通流される。
従来においては、風道を通流する空気は、特に風道下部
への通流が多くなっていたが、本発明においては風道に
設けられた複数の棚板の通流抵抗により通流する空気の
一部の通流方向が変化して横方向に通流する。その結
果、棚板によって形成された複数の段部に対応する段積
みされた各コンテナの間に確実に空気が通気し、コンテ
ナ間を通流する空気の流速を均等化して、発酵室内の温
度の均一化を図ることができる。
【0043】本願第2請求項に記載された発明は、前記
第1請求項の発明において、前記縦置き通風板の上部
に、分割された各風道内の空気通流量を調整するための
上下方向に移動可能な調整板を設けた構成の納豆の発酵
室である。
【0044】従って、調整板を上下方向に移動すると、
ファンより送風された上部空気の通流方向を変化させて
各風道内に通流する空気の流量を変化させることができ
る。このため、空気の流量を調整して、コンテナ間を通
流する空気の流速の均等化を図り、発酵室内の温度を均
一化することが可能となる。
【0045】このように本発明によれば、空気を分散さ
せて通流し、また、空気の流量を調整することにより、
各製造段階における空気の通流状況を考慮してコンテナ
間に通流される空気の流速の均等化を図ることができ、
この結果、発酵室内の温度を略均一化することができ
る。このため、納豆容器内の品温の均一化を図り、良質
且つ均一な品質の納豆を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発酵室の正面図である。
【図2】発酵室を示す平面図である。
【図3】図1中のIII−III矢視断面から見た斜視
図を示す。
【図4】コンテナの斜視図である。
【図5】本発明に係り、実験に用いた発酵室を示す断面
図である。
【図6】図5に示す発酵室の平面図である。
【図7】本発明の具体例に係り、一列目のコンテナの吹
き出し側開口中央付近で測定した空気の流速と、それら
の平均値、及び前記結果から算出した各段部を通流する
空気の流速割合を示す図である。
【図8】本発明の具体例に係り、二列目のコンテナの吹
き出し側開口中央付近で測定した空気の流速と、それら
の平均値、及び前記結果から算出した各段部を通流する
空気の流速割合を示す図である。
【図9】本発明の具体例に係り、二列目のコンテナの吹
き込み側開口中央付近で測定した空気の流速と、それら
の平均値、及び前記結果から算出した各段部を通流する
空気の流速割合を示す図である。
【符号の説明】
1 発酵室 2a 天井壁 2b 底部壁 2c 正面壁 2d 後面壁 3a 側面壁 3b 側面壁 4 コンテナ 4a 枠組み 4b 底部 4c 突出部 5 入口 6 ドア 7 納豆容器 8 送風部 9 ファン 10 縦置き通風板 10a 縦置き通風板 10b 縦置き通風板 11 通気孔 12 内部天井壁 13 遮蔽板 13a 遮蔽板 13b 遮蔽板 14 風道 15 風道 16 調整板 16a 調整板 16b 調整板 17 保持部 18 棚板 18a 棚板 18b 棚板 18c 棚板 18d 棚板 19 通気孔 A,B,C 測定位置 a,b,c,d 段部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内の天井部に送風部を有し、この送風
    部により側方に向けて送風し、多数の納豆容器が収納さ
    れたコンテナ内に空気を循環させる納豆の発酵室におい
    て、 発酵室の左右の側壁部に対峙し且つ複数の通孔を有する
    縦置き通風板を設けるとともに、前記側壁部と前記通風
    板との間に遮蔽板を設けて前記送風部から送風された空
    気を二つの風道に分割し、 前記二つの風道のそれぞれに、その一方の端部を前記縦
    置き通風板に固着した、複数の通孔を有する棚板を装着
    したことを特徴とする納豆の発酵室。
  2. 【請求項2】 前記縦置き通風板の上部に、分割された
    各風道内の空気通流量を調整するための上下方向に移動
    可能な調整板を設けたことを特徴とする請求項1記載の
    納豆の発酵室。
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