JPH10135809A - ダーリントン回路 - Google Patents

ダーリントン回路

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JPH10135809A
JPH10135809A JP8290719A JP29071996A JPH10135809A JP H10135809 A JPH10135809 A JP H10135809A JP 8290719 A JP8290719 A JP 8290719A JP 29071996 A JP29071996 A JP 29071996A JP H10135809 A JPH10135809 A JP H10135809A
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transistor
current
collector
point
darlington
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JP8290719A
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Katsumi Okawa
克実 大川
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダーリントン回路を用いたダーリントンTR
は、コレクタの立ち上がり電圧VCE(sat)が高く、電力
損失が高い問題があった。 【解決手段】 ダーリントン回路の出力電流として高電
流域が必要な場合、ダーリントン動作しているダーリン
トン回路の出力を活用し、ダーリントン回路の出力電流
として低電流域が必要な場合は、後段のトランジスタT
R2をシングルタイプとして使用する。シングルトラン
ジスタの特性は、VCE(sat)≒0.3Vと低く、またト
ランジスタTR1をオンさせず、トランジスタTR2の
みをオンさせることで、トランジスタTR2をシングル
で用いた特性に近づけることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダーリントン回路
に関し、特に電力損失を軽減したダーリントン回路に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】パワーデバイスは、電力変換や制御を行
う半導体で、応用分野も格段に広がっている。特にバイ
ポーラ・トランジスタは、近年省エネルギーの要求か
ら、モータなどのインバータ制御に開発され、ダーリン
トン構造で1チップで構成されている。
【0003】このバイポーラ・トランジスタは、サイリ
スタに比べると、高耐圧、大電流化が困難な反面、ベー
ス信号により主電流を遮断/通電でき、しかも高速のス
イッチングが可能であるという、サイリスタにはない利
点を持っている。またインバータの応用に対し、逆バイ
アスSOA(安全動作領域)や短絡耐量といった高破壊
耐量も備えている。
【0004】従って、MOSFETやIGBTなどの新
しいパワーデバイスが注目される中で、現在でも中心的
な素子として広い範囲で活用されてる。これらを具体的
に説明するものとしては、例えばトランジスタ技術9月
号、1994年に述べられており、特に216頁〜22
3頁に詳細に述べられている。図6は、ダーリントン回
路の一例であり、前段のトランジスタTR1と後段のト
ランジスタTR2がダーリントン接続されているもので
ある。この特性は、一般に
【0005】
【数1】
【0006】ここでhFE1,hFE2<<hFE1・hFE2
なので
【0007】
【数2】
【0008】
【数3】
【0009】
【数4】
【0010】で示される。ここでhFE1、VCE(sat)
1、VBE(sat)1は、前段のトランジスタの電流増幅
率、コレクタ−エミッタ間の飽和電圧、ベース−エミッ
タ間の飽和電圧である。またhFE2、VCE(sat)2、VB
E(sat)2は、後段のトランジスタの電流増幅率、コレク
タ−エミッタ間の飽和電圧、ベース−エミッタ間の飽和
電圧である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】式に示すように、ダー
リントンタイプの長所は、数式2のように電流増幅率h
FEが高く、ドライブに必要なベース電流が少なくて済む
ことであるが、短所は、数式3に示すように、コレクタ
−エミッタ間飽和電圧VCE(sat)が高く、電力損失が高
いことである。例えば、図9に示す従来型のように、ダ
ーリントントランジスタの出力特性(縦軸:コレクタ電
流、横軸:コレクタ−エミッタ間電圧VCE)をみれば、
立ち上がり電圧VCEが約1V程度であり、電力損失を少
なくするためには、飽和領域(VCE(sat)が最も低い部
分)を使用する必要がある。
【0012】例えば、モーターの駆動を考えれば、大電
流が必要な起動時、点Sを用い、定常状態になって小電
流の場合、点Tを使って駆動した場合、VCEは1V〜2
V程度の間で設定される。特に定常状態は、駆動期間の
殆どを占めるため、この定常状態でのVCE(sat)を低下
させる必要があった。図7、図8を活用して図6のダー
リントン回路を解析してみる。図7からも判るように、
ダーリントン回路は、ダイオードD1〜D4の4つのダ
イオードと、2つのスイッチング素子S1、S2で構成
されていると解釈できる。つまり点nから点i、点nか
ら点kに順方向にダイオードD1、D2が、また点kか
ら点j、点kから点mにダイオードD3、D4が接続さ
れ、点nから点kに電流が流れるとスイッチS1が作動
して点iから点kに電流が流れTR1がオンし、点kか
ら点mに電流が流れるとスイッチS2が作動して点jか
ら点mに電流が流れ、TR2がオンすると仮定できる。
【0013】ここで着目する点は、点hの電位が点nよ
りも低ければ点nから流れるベース電流の一部は、点i
に向かい流れる。更に図8を使って説明する。ダーリン
トントランジスタのベース−エミッタ間に5Vが印加さ
れ、ベース抵抗として350Ωが接続され、コレクタ側
には負荷Rが、負荷Rとエミッタの間には電源100V
が印加されているとする。S3がオンすると、VBE(sa
t)として1.4Vが発生し、ベース電流として約10m
mAが流れ、前段のトランジスタTR1がオンし、、こ
の前段のトランジスタTR1のエミッタ電流が後段のト
ランジスタTR2のベースに入力され、トランジスタT
R2がオンする。この時、点Cは、VCE(sat)=VCE(sa
t)1+VCE(sat)2=1.0程度と成る。点Bは、GN
Dに対して約1.4V発生しているから、点C(約1
V)が点Bよりもその電位が低くなり、ベース電流の一
部は、点CにダイオードD1を介して流れ始める。
【0014】この動作は、トランジスタTR1のベース
電流が減少するため、トランジスタTR1をOFFしよ
うと動作し、トランジスタTR2もOFFしようと動作
する。その結果、点Cは、1Vから上昇しようとする。
この点Cが1Vから上昇し約1.4Vを越えれば、点B
に流れるベース電流は、点Cに流れず全ての電流がトラ
ンジスタTR1に流れ、トランジスタTR1がオンし、
その結果トランジスタTR2もオンし、またVCE(sat)
が1V程度に成る。つまりこの繰り返しをしながらVCE
(sat)が一定の電圧になる。つまり点Cの変動により、
VCE(sat)が影響を受け、比較的高いVCE(sat)をとり続
ける。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の課題
に鑑みなされたもので、第1に、ダーリントン回路の出
力電流として高電流域が必要な場合、ダーリントン動作
しているダーリントン回路の出力を活用し、ダーリント
ン回路の出力電流として低電流域が必要な場合は、後段
のトランジスタTR2をシングルタイプとして使用する
事で活用するものである。
【0016】シングルトランジスタの特性は、VCE(sa
t)≒0.3V、VBE(sat)≒0.7Vと一般に低く、ま
たトランジスタTR1をオンさせず、トランジスタTR
2のみをオンさせることで、トランジスタTR2をシン
グルで用いた特性に近づけることができる。つまりシン
グルトランジスタは、図9の出力特性(縦軸:コレクタ
電流、横軸:コレクタ−エミッタ間電圧VCE)に於い
て、波形Cの如くコレクタ電流は実質VCE≒0Vから立
ち上がるので、VCEの立ち上がり電圧を低くできる。
【0017】第2に、ダーリントン回路の出力電流が低
電流域では、後段のトランジスタTR2を、前段のトラ
ンジスタTR1のベース−エミッタ間に流れるベース電
流で実質的に駆動し、ダーリントン回路の出力電流が高
電流域では、後段のトランジスタTR2を前段のトラン
ジスタTR1のベース−エミッタ間およびコレクタ−エ
ミッタ間に流れるエミッタ電流で駆動されて規定される
ように、前段のトランジスタTR1のコレクタと後段の
トランジスタTR2のコレクタとの間に電流制限手段を
設けることで解決するものである。
【0018】この電流制限手段は、エミッタ電流が小さ
い場合は、点hからTR1のコレクタにつながる電流通
路を遮断し、TR1のベース電流が増幅されることなく
TR2のベースに入力され、エミッタ電流が大きい場合
には、点hからTR1のコレクタにつながる電流通路を
導通させ、TR1のベース電流の約hFE(TR1)倍がTR
2のベースに入力される。
【0019】例えば、電流制限手段として、SW1を設
け、このSW1をオフにしておけば、ベース電流は、増
幅されずそのままトランジスタTR2のベースに入力さ
れる。従ってダーリントントランジスタは、このベース
電流が入力されたシングルトランジスタTR2の特性を
発生する。また、高電流が必要なときは、SW1をオン
にして、トランジスタTR1も増幅動作させて約hFE
(TR1)倍のコレクタ電流がトランジスタTR2にも
入力されるようにし、本来のダーリントン回路動作をさ
せる。つまり図9の波形Bのように、定常状態で、低電
流が必要な場合、点Wのように、VCEが0.8Vから
0.2Vに小さくなって駆動できるメリットを有する。
【0020】第3に、前段のトランジスタTR1のコレ
クタと前記後段のトランジスタTR2のコレクタとの間
に電位比較手段を設け、前記前段のトランジスタTR1
のコレクタ電位と前記後段のトランジスタTR2のコレ
クタを比較し、前記後段のトランジスタTR2のコレク
タ電位が所定の電位だけ高くなったときに、前記トラン
ジスタTR1のコレクタに電流が流れるように設定する
事で解決するものである。
【0021】前段のトランジスタTR1(シングルTR
として)のVCE(sat)は、約0.3V程度であるので、
TR2のコレクタ電位が、TR1のエミッタ電位(TR
2のベース電位≒0.7V)にVCE(sat)1≒0.3V
を加算した値(約1V)よりも所定の値だけ高くなった
ら、TR1のコレクタに電流が流れるようにし、この所
定の値を調整することで、図9の波形Bの2段目の立ち
上がり電圧を調整することができる。つまり2段目の立
ち上がりに於けるVCE(sat)はできるだけ前記1V(通
常のダーリントン回路特性波形AのVCE(sat))に近い
方が、点Sで必要となる電流を小さいVCE(sat)で実現
できる。例えば、図2のように通常のPNダイオードで
実現すれば、図9の波形Bの2段目の立ち上がりは、V
CE=1.7V程度と成り、このダイオードがショットキ
ーバリアダイオードで有れば、VCE=1.3V程度で立
ち上がる。つまり電位比較手段に発生する電位が小さけ
れば小さいほど、点Sでの電流を波形Aに近い値で実現
できる。モーター駆動を考えれば、起動の時大電流が必
要であるが、定常状態になれば、低電流で済む。またモ
ーターの駆動において、定常状態の駆動時間がその殆ど
を占めることから、点SのVCEが若干高くとも、点Tの
定常状態で必要な電流は、1V以下となるため、電力損
失は大幅に抑制できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。まずトランジスタの出力特性、つまり縦軸がコレ
クタ電流、横軸がコレクタ−エミッタ間電圧である図9
のグラフを考えると、VCEの立ち上がりは、シングルの
方がダーリントン回路のダブル構成よりも小さい。
【0023】ここで図9の波形Aは、図6の従来型のダ
ーリントントランジスタの出力波形であり約VCE=1V
程度から立ち上がっている。また波形Bは、本発明の波
形であり、VCEは0V程度から立ち上がり、VCEは1.
5V程度から更に2段目の立ち上がりを示している。ま
た,VCE=0Vから立ち上がっている波形Cは、周知の
シングルトランジスタの出力波形である。
【0024】先ずダーリントントランジスタの負荷とし
て、モーターを考え、起動時には図9の点Sの約6.5
A、定常時には点Tの約1.5Aが必要と仮定する。つ
まり従来のダーリントン回路の出力波形Aでは、起動時
VCE=1.3V程度、定常時VCE=0.8V程度が必要
となる。しかしモーター等の負荷の駆動を考えると、定
常動作の方が駆動時間の殆どを占めるため、定常時VCE
=0.8Vを更に小さくした方が電力損失を小さくする
ことができ、例えば定常状態の時に、波形Cが使えれ
ば、VCEを0.5V以下に設定でき、電力損失を低減で
きる。
【0025】つまりダーリントン回路の出力電流として
高電流域が必要な場合、ダーリントン動作しているダー
リントン回路の出力を活用し、ダーリントン回路の出力
電流として低電流域が必要な場合は、後段のトランジス
タTR2をシングルタイプとして使用しすることで、波
形Bの出力を得ることができる。例えば図6や図7に於
いて、低電流で駆動する場合、点hと点kが切断され、
別途外部からベース電流が点kに入力されれば、後段の
トランジスタTR2は、シングルとして動作し、起動時
の高電流の場合、点hと点kが接続されればダーリント
ンとして動作し、高電流を供給できる。つまり低電流の
場合、シングルトランジスタとして波形Cが出力され、
高電流の場合、ダーリントン接続されたダブルトランジ
スタの波形が出力できるように構成することで、例えば
図9の波形Bに於いて、起動時は点VのVCEが1.8V
程度で、定常時は、点WのVCEが0.2V程度で駆動さ
せることができる。
【0026】続いて図1を参照して、更に詳しい具体例
を説明する。つまりポイントは、 ダーリントン回路の出力電流として低電流が必要な場
合 後段のトランジスタTR2を、前段のトランジスタTR
1のベース−エミッタ間に流れるベース電流で実質的に
駆動する。(ここでダーリントン回路は、前段と後段の
トランジスタの各ベース−エミッタ間に抵抗を接続する
ことがあり、この抵抗を介して後段のトランジスタのベ
ースに電流が流れることがあるため、実質的に駆動する
とした表現とした。) ダーリントン回路の出力電流として高電流が必要な場
合 後段のトランジスタTR2を前段のトランジスタTR1
のベース−エミッタ間およびコレクタ−エミッタ間に流
れるエミッタ電流で駆動する。 の、が満たされるように、前段のトランジスタTR
1のコレクタと後段のトランジスタTR2のコレクタと
の間に電流制限手段Lを設けることである。
【0027】この電流制限手段Lは、端子Eに於けるエ
ミッタ電流が小さい場合は、点hからTR1のコレクタ
につながる電流通路を遮断し、この遮断によりTR1の
ベース電流がTR1により増幅されることなくTR2の
ベースに入力され、端子Eに於けるエミッタ電流が大き
い場合には、点hからTR1のコレクタにつながる電流
通路を導通させ、TR1のベース電流のhFE(TR1)倍が
TR2のベースに入力される。
【0028】例えば、電流制限手段の一例として、SW
1を設け、このSW1をオフにしておけば、ベース電流
は、増幅されずそのままトランジスタTR2のベースに
入力される。従ってダーリントントランジスタは、この
ベース電流が入力されたシングルトランジスタTR2の
特性を発生する。また、高電流が必要なときは、SW1
をオンにしてトランジスタTR1も増幅動作させ、hFE
(TR1)倍のコレクタ電流がトランジスタTR2にも
入力されるようにし、本来のダーリントン回路動作をさ
せる。つまり図9の波形Bのように、定常状態で、低電
流が必要な場合、点Wのように、VCE≒0.2等の低電
圧で駆動できるメリットを有する。
【0029】この電流制限手段として、用いたSW1
は、簡単な例として例えばPNダイオード、ショットキ
ーバリアダイオードおよび抵抗がその一例として考えら
れる。図9の波形Bでは、ダイオードとしてショットキ
ーダイオードを用いている。図2にTR1のコレクタと
TR2のコレクタに、点hからTR1のコレクタに電流
が流入できるように(TR1のベース電流が点hに流れ
込むのを阻止するように)ダイオードD5が接続されて
いる。これを更に図7のように解析したものが図4であ
る。
【0030】また、図8のダーリントントランジスタに
図2のダーリントントランジスタが接続されたとして以
下に説明してゆく。ベース端子Bに電流が流れ、点nか
ら点kに電流が流れS1が作動して点iから点kに電流
が流れトランジスタが一旦オンし、点kから点mに電流
が流れるとスイッチS2が作動して点h、j、mを介し
て端子EにhFE2倍の電流が流れる。その結果、端子B
と端子Eの間の電位VBEは約1.4Vとなり、点Cと点
Eとの間のVCE(sat)は約1.0Vに成る。
【0031】ここで従来回路図6では、点hに向かいベ
ース電流がD1を介して流れるが、本発明ではダイオー
ドD5が設けられているために、端子Bから入力される
ベース電流は、D1を介し点iから点hには流れない。
従って、端子Bに入力される全てのベース電流は、点k
に向かい流れ、一方、点hは図9の点Wで0.2V程
度、点iは、VBE(sat)2+VCE(sat)1=0.7V+
0.3V=1V程度であるので、ダイオードD5には殆
ど電流が流れないようになる。すると一旦S1がオンし
たにもかかわらず、TR1のコレクタからエミッタに流
れないためS1はオフの傾向となり、ベース電流のhFE
1倍が流れないようなにる。つまり最終的には、端子B
の電流のみが点kからTR2のベースに入力され、TR
2は、シングルTRとして動作する。
【0032】高電流の場合、図9の波形を見れば判る通
り、コレクタ電流Icが大きくなれば成る程、VCEも大
きくなる。例えば、点Vの所で動作すると、VCE=1.
8Vとなる。つまり点hが1.8V、点iが1Vである
ので、端子Cからの電流は、S1をオンしてiからkに
流れる。従って端子Bのベース電流のhFE1倍のコレク
タ電流とベース電流が加わった電流が、TR2のベース
に流れ、更にTR2で増幅され、通常のダーリントンと
して動作する。
【0033】従来波形では、点Sの値は、VCE=1.3
V、本発明はVCE=1.8Vと高い値を示すが、起動は
本の一瞬であるため、電力損失は、それほど大きくなら
ない。続いて、図3のように抵抗を用いた場合の例を簡
単に説明する。図2では、ダイオードD5で点hに流れ
るベース電流を阻止していたが、抵抗Rは、点hに流れ
る電流を抑制しているだけである。
【0034】続いて、図2を用いて、立ち上がりの調整
について説明する。つまり前段のトランジスタTR1の
コレクタと後段のトランジスタTR2のコレクタとの間
に電位比較手段を設け、前段のトランジスタTR1のコ
レクタ電位と後段のトランジスタTR2のコレクタを比
較し、後段のトランジスタTR2のコレクタ電位が所定
の電位だけ高くなったときに、トランジスタTR1のコ
レクタに電流が流れるように設定されている。
【0035】例としては、図2のダイオードとして、P
Nダイオード、ショットキーバリアダイオードを使った
場合で説明する。先ずPNダイオードの時、点iの電位
は、VBE(TR2)+VCE(TR1)であり、点hの電
位Vhが、点iの電位よりも0.7V高くなった時点
で、TR1のコレクタに電流が流れ込む。このポイント
が、図9の波形Bの2段目の立ち上がりである。つぎに
ショットキーバリアダイオードを使うと、点hの電位V
hが、VBE(TR2)+VCE(TR1)よりも0.3V
高くなった時点で、TR1のコレクタに電流が流れ込
む。従って、オン電圧の小さいダイオードを使えば使う
ほど、2段目の立ち上がり電圧VCE(sat)を、従来のダ
ーリントン出力波形Aに近づける事ができる。
【0036】例えば、オン電圧の小さいものを使えば、
波形Bの点Vを更に左側に移動させることができ、起動
時のVCE電圧も小さくすることができる。図5は、TR
1、TR2、TR3の3個を使用したダーリントン回路
であり、本発明の電流抑制手段であるダイオードD5を
点iと点Pの間に接続したものである。また点Pと点h
の間に接続しても良い。両方付ければ、TR1とTR2
のベース電流が、点hに流れ込まず、ダイオードD5を
1個どちらか一方に付けるより効果は大きい。
【0037】
【発明の効果】以上に説明した通り、ダーリントン回路
の出力電流として高電流域が必要な場合、ダーリントン
動作しているダーリントン回路の出力を活用し、ダーリ
ントン回路の出力電流として低電流域が必要な場合は、
後段のトランジスタTR2をシングルタイプとして使用
すれば、低電流域において、立ち上がり電圧VCE(sat)
を1Vよりも小さくできる。従って、低電流域での電力
損失を抑制することができる。またインバータ等のモー
タ駆動では、起動時等の大電流が必要な時間は、駆動時
間のほんの一部であり、定常状態がその殆どを占める。
つまりこの定常状態の時に、シングルで使用すれば、か
なりの電力損失を無くせる。エアコン等は、殆どの家で
使用され、ここに応用すれば、その効果は莫大なものと
なる。
【0038】第2に、ダーリントン回路の出力電流が低
電流域では、後段のトランジスタTR2を、前段のトラ
ンジスタTR1のベース−エミッタ間に流れるベース電
流で実質的に駆動し、ダーリントン回路の出力電流が高
電流域では、後段のトランジスタTR2を前段のトラン
ジスタTR1のベース−エミッタ間およびコレクタ−エ
ミッタ間に流れるエミッタ電流で駆動されて規定される
ように、前段のトランジスタTR1のコレクタと後段の
トランジスタTR2のコレクタとの間に電流制限手段を
設けると、簡単な構造で実現できる。例えばPNダイオ
ード、ショットキーダイオード、抵抗等を設けること
で、低電流域のVCE(sat)を小さくすることができる。
【0039】第3に、前段のトランジスタTR1のコレ
クタと前記後段のトランジスタTR2のコレクタとの間
に電位比較手段を設け、前記前段のトランジスタTR1
のコレクタ電位と前記後段のトランジスタTR2のコレ
クタを比較し、前記後段のトランジスタTR2のコレク
タ電位が所定の電位だけ高くなったときに、前記トラン
ジスタTR1のコレクタに電流が流れるように設定する
事で、図9の2段目の立ち上がり電圧を調整することが
できる。つまり2段目の立ち上がりに於けるVCE(sat)
はできるだけ1V(通常のダーリントン回路特性波形A
のVCE(sat))に近い方が、点Sで必要となる電流を小
さいVCE(sat)で実現でき、電力損失を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を説明するためのダーリン
トン回路の図である。
【図2】本発明の実施の形態を説明するためのダーリン
トン回路の図である。
【図3】本発明の実施の形態を説明するためのダーリン
トン回路の図である。
【図4】図2の動作を説明するための解析図である。
【図5】トランジスタを3つ使った場合のダーリントン
回路を説明する図である。
【図6】従来のダーリントン回路を説明する図である。
【図7】図6の動作を説明するための解析図である。
【図8】ダーリントン回路に負荷を接続した場合の回路
図である。
【図9】本発明と従来のダーリントントランジスタの出
力特性を説明する図である。
【符号の説明】
TR1 前段のトランジスタ TR2 後段のトランジスタ D5 ダイオード R 抵抗

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも前段のバイポーラトランジス
    タTR1と後段のトランジスタTR2がダーリントン接
    続されたダーリントン回路において、 前記ダーリントン回路の出力電流として高電流域が必要
    な場合、前記ダーリントン回路を前記ダーリントン動作
    させて出力し、 前記ダーリントン回路の出力電流として低電流域が必要
    な場合は、前記ダーリントン回路の後段のトランジスタ
    TR2をシングルタイプとして使用して出力することを
    特徴としたダーリントン回路。
  2. 【請求項2】 少なくとも前段のバイポーラトランジス
    タTR1と後段のトランジスタTR2がダーリントン接
    続されたダーリントン回路において、 前記ダーリントン回路の出力電流が低電流域では、前記
    後段のトランジスタTR2が、前記前段のトランジスタ
    TR1のベース−エミッタ間に流れるベース電流で実質
    的に駆動され、 前記ダーリントン回路の出力電流が高電流域では、前記
    後段のトランジスタTR2が前記前段のトランジスタT
    R1のベース−エミッタ間およびコレクタ−エミッタ間
    に流れるエミッタ電流で駆動され、前記前段のトランジ
    スタTR1のコレクタと前記後段のトランジスタTR2
    のコレクタとの間に電流制限手段を設けたことを特徴と
    するダーリントン回路。
  3. 【請求項3】 少なくとも前段のバイポーラトランジス
    タTR1と後段のトランジスタTR2がダーリントン接
    続されたダーリントン回路において、 前記前段のトランジスタTR1のコレクタと前記後段の
    トランジスタTR2のコレクタとの間に電位比較手段を
    設け、前記前段のトランジスタTR1のコレクタ電位と
    前記後段のトランジスタTR2のコレクタを比較し、前
    記後段のトランジスタTR2のコレクタ電位が所定の電
    位だけ高くなったときに、前記トランジスタTR1のコ
    レクタに電流が流れるように設定されることを特徴とし
    たダーリントン回路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100745970B1 (ko) * 2000-12-29 2007-08-02 매그나칩 반도체 유한회사 달링톤 회로 및 그의 레이 아웃 방법
JP2012222393A (ja) * 2011-04-04 2012-11-12 Sanken Electric Co Ltd スイッチング回路

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KR100745970B1 (ko) * 2000-12-29 2007-08-02 매그나칩 반도체 유한회사 달링톤 회로 및 그의 레이 아웃 방법
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