JPH10132818A - 免疫学的分析方法 - Google Patents

免疫学的分析方法

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JPH10132818A
JPH10132818A JP30252096A JP30252096A JPH10132818A JP H10132818 A JPH10132818 A JP H10132818A JP 30252096 A JP30252096 A JP 30252096A JP 30252096 A JP30252096 A JP 30252096A JP H10132818 A JPH10132818 A JP H10132818A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濃度範囲が広範な測定対象物質を、正確に定
量することのできる免疫学的分析方法を提供する。 【解決手段】 (1a)第1標識物質で標識された第1
モノクローナル抗体と、被検試料とを接触させ、(1
b)測定対象物質への結合に関して第1抗体とは競合し
ない第2抗体を担持する不溶性担体と、工程(1a)で
得た反応液とを接触させるか、又は(1)前記と同様の
第1モノクローナル抗体と、被検試料と、前記と同様の
第2抗体固定化不溶性担体とを接触させた後、(2)前
記担体との未反応成分を反応液から除去し、(3)第2
標識物質で標識された第3抗体と、工程(2)で得た反
応液とを接触させ、(4)未反応の第3抗体を反応液か
ら除去し、(5)工程(4)で得た反応液において、第
1標識及び第2標識のそれぞれに由来する信号を検出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検試料中の測定
対象物質の免疫学的分析方法に関する。本発明によれ
ば、被検試料、例えば、患者などから採取した血液、血
清、血漿、髄液、又は尿等に含まれる微量な測定対象物
質を迅速かつ高感度に免疫学的に定量的に測定すること
ができる。
【0002】
【従来の技術】高感度な免疫学的測定方法として、19
50年代にはバーソンとヤーロウがラジオイムノアッセ
イを開発し、ngレベルの微量物質を定量することがで
きるようになった。更に、1960年代に入ると、エン
グバールが同位元素の代わりに酵素を標識物質として使
用することにより、同様の感度で取り扱い易いエンザイ
ムイムノアッセイを開発した。その後も、蛍光物質、又
は発光物質等で標識することにより、高感度で迅速な測
定方法の開発が進められてきた。
【0003】これらの測定方法を支える重要な材料は、
測定対象物質をウサギやヤギに免疫して得られる抗血清
から精製される抗体、すなわち、イムノグロブリンであ
り、この抗体の測定対象物質に対する結合力の強さが、
高感度測定に欠かせないものである。また、抗血清から
得られる抗体は、ポリクローナル抗体といわれ、測定対
象物質に対して種々の結合サイトと種々の結合力とを有
するタンパク質的に異なるイムノグロブリンの集合であ
る。この性質から測定方法に用いる際、反応順序に一定
のルールが生まれてくる。
【0004】二抗体法、すなわち、測定対象物質と同じ
タンパク質に標識を行った標識抗原と、被検試料との混
合物に抗体を加え、一定時間反応させた後、イムノグロ
ブリンに対する異種動物から得られた抗イムノグロブリ
ンを第二抗体として加えて凝集塊を形成させ、遠心操作
によって沈澱物を集め、その中に含まれる標識物質の量
から被検試料中の測定対象物質を定量する方法は、代表
的な測定方法の1つであり、このようにいくつかの反応
段階を経て、測定が行われる。フォワードサンドイッチ
法、すなわち、プラスチックチューブやマイクロタイタ
ープレートに抗体を吸着させた固相化抗体と、検体とを
反応させた後、被検試料成分を洗浄除去してから標識抗
体を加えて反応させ、もう一度洗浄操作を行ってから固
相に固定化された標識物質の量を測定する方法も、この
操作手順を変えると正確な測定結果が得られなくなる。
【0005】しかし、1970年代に開発されたモノク
ローナル抗体調製法によって状況に変化がもたらされ
た。マウスの抗体産生細胞を選別し、一つのクローンか
ら増殖させるモノクローナル抗体調製法では、タンパク
質的に単一のイムノグロブリンを得ることができる。こ
のモノクローナル抗体は抗原と結合しても凝集反応を起
こさないため、ポリクローナル抗体を用いては実施する
ことができなかった反応手順で測定をすることができる
ようになった。代表的なものは、ワンステップサンドイ
ッチ法、あるいはシーマルテイニアスサンドイッチ法と
呼ばれる方法、すなわち、固相化モノクローナル抗体、
被検試料、及び固相化に使用したものと異なるクローン
から得られた標識化モノクローナル抗体の三者を同時に
反応させ、洗浄後、固相に固定化された標識物質の量を
定量する方法であり、その他には、リバースサンドイッ
チ法、すなわち、まず検体と標識モノクローナル抗体と
を反応させてから固相化抗体を加えて反応する方法でも
検体中の測定対象物質を正確に定量できるようになっ
た。
【0006】ところが、この方法は操作が簡便であると
いうメリットを持つ代わりに、ポリクローナル抗体やモ
ノクローナル抗体を用いた前記フォワードサンドイッチ
法では起こらなかった、測定対象物質の過剰に起因する
プロゾーン現象を起こすというデメリットを持ってい
る。非常に多くの測定対象物質が存在する場合に、実際
の存在量よりも少なめに、ひどい場合は正常値と判定さ
れるレベルに測定されてしまう危険性があるのは大きな
問題である。
【0007】これら高感度測定方法のもう一つの重要な
要素に標識物質がある。初期段階で用いられた放射性同
位元素は、低分子のため抗原や抗体の立体構造を変化さ
せない、又は検出時間を長くすることにより感度を向上
させることができる等のメリットがあったが、放射性同
位元素使用方法に対する規制から、専用の施設まで必要
になるという不自由さがあった。
【0008】標識物質として次に考えられた酵素では、
検出するためには基質の変化量を測定する必要があるた
め、一定の酵素反応時間が必要になるという面を持って
いる。現在、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファタ
ーゼ、ガラクトシダーゼ、又はグルコースオキシダーゼ
等が標識酵素として広く応用されている。酵素を標識と
して使用するエンザイムイムノアッセイでは、初期に
は、基質に発色反応を起こし、吸光度として検出するこ
とができる物質が用いられていたが、最近では、発光反
応を起こすことにより、より高感度な測定を実現してい
る基質も開発されている。蛍光物質、又は発光物質を用
いる測定方法は、検出時間が短く、全体の測定に必要な
時間を短縮することができるという特徴を持っており、
フルオレッセイン、又はユーロピウムキレート等が蛍光
物質として、ルミノール、アクリジニウムエステル、又
は安定化ジオキセタン等が発光物質として種々の測定方
法に応用されている。
【0009】ここまで改良されてきた免疫測定方法では
あるが、輸血の現場ではより感染初期の被検試料を用い
た場合でも陽性であることを検出する技術が望まれてい
るし、初期癌の発見には、より高感度に腫瘍マーカーを
測定することが望まれている。また、血栓の発生をより
正確に捉えるためには凝固関連マーカーを、その他にも
ホルモン、又はサイトカイン等を高感度かつ迅速に測定
したいという要望は止まないことから、それに答える測
定方法の開発が望まれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記の種々開発された
免疫学的測定方法において、高感度測定を実現するため
には、長時間の反応が必要である。また、モノクローナ
ル抗体は、高感度な免疫学的測定方法を構築するには非
常に有効な材料であるが、測定方法によってはプロゾー
ン現象を起こし、誤った測定結果を出すことがあるとい
う危険性を持っている。従って、本発明の課題は、従来
技術の前記の欠点を解消し、被検試料中に広い濃度範囲
で存在する測定対象物質を短時間で、かつ正確に定量す
ることができる免疫学的測定方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明によ
る、 (1a)第1の標識物質で標識され、測定対象物質と特
異的に結合する第1のモノクローナル抗体又はその抗体
フラグメントと、被検試料とを接触させる工程(以下、
第1a工程)、 (1b)前記測定対象物質と特異的に結合する第2の抗
体であって、しかも測定対象物質への結合に関して第1
モノクローナル抗体とは競合しない前記第2抗体又はそ
の抗体フラグメントをその表面に担持する第2抗体固定
化不溶性担体と、前記工程(1a)で形成された反応液
とを接触させる工程(以下、第1b工程)、(2)第2
抗体固定化不溶性担体と反応しなかった成分を反応液か
ら除去する工程(以下、第2工程)、(3)第2の標識
物質で標識され、前記測定対象物質と特異的に結合する
第3の抗体又はその抗体フラグメントと、前記工程
(2)で得られた反応液とを接触させる工程(以下、第
3工程)、(4)未反応の第2標識化第3抗体を反応液
から除去する工程(以下、第4工程)、及び(5)前記
工程(4)で得られた反応液において、第1標識及び第
2標識のそれぞれに由来する信号を検出する工程(以
下、第5工程)をこの順序で実施することを特徴とす
る、免疫学的分析方法(以下、3段階方法と称すること
がある)によって解決することができる。
【0012】また、本発明は、前記の3段階方法におけ
る第1a工程及び第1b工程を同時に行い、以下の第2
工程〜第5工程を前記と同様に行う免疫学的分析方法、
すなわち、第1の標識物質で標識され、測定対象物質と
特異的に結合する第1のモノクローナル抗体又はその抗
体フラグメントと、被検試料と、前記測定対象物質と特
異的に結合する第2の抗体であって、しかも測定対象物
質への結合に関して前記第1モノクローナル抗体とは競
合しない前記第2抗体又はその抗体フラグメントをその
表面に担持する第2抗体固定化不溶性担体との三者を接
触させる工程(以下、第1工程)、前記第2工程、前記
第3工程、前記第4工程、及び前記第5工程をこの順序
で実施することを特徴とする、免疫学的分析方法(以
下、2段階方法と称することがある)にも関する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法を用いて測定することのできる測定対象物質
は、サンドイッチ法の測定対象となることができる物
質、すなわち、2つ以上の抗原決定基を有することので
きる物質であり、抗原決定基を一つしか持たない物質、
例えば、低分子ホルモン、ペプチド、又は薬物などは前
記測定対象物質から除外される。
【0014】前記測定対象物質としては、例えば、各種
タンパク質、多糖類、糖タンパク質、若しくは脂質タン
パク質、又はそれらの複合体若しくは断片などを挙げる
ことができる。具体的な測定対象物質の例としては、感
染症関連マーカー(例えば、HBs抗原、又はHIV関
連抗原など)、腫瘍関連抗原(例えば、AFP、CR
P、CEA、又はPAPなど)、凝固線溶マーカー(例
えば、プラスミノーゲン、アンチトロンビン−III 、D
−ダイマー、又はトロンビン−アンチトロンビンIII 複
合体など)、サイトカイン(例えば、インターフェロ
ン、又はインターロイキンなど)、又はタンパク質性ホ
ルモン(例えば、インシュリン、又はヒトコリオニック
ゴナドトロピンなど)等を挙げることができる。
【0015】本発明方法を用いて測定することのできる
被検試料としては、前記の測定対象物質を含む可能性の
ある試料、例えば、哺乳動物(特にはヒト)から採取し
た生体試料、例えば、血液、血清、血漿、髄液、又は尿
などを挙げることができる。これらの生体試料を、その
まま、あるいは水又は適当な緩衝液などで適宜希釈して
使用することができる。
【0016】本発明方法においては、抗原抗体反応系へ
の添加の時期が異なる3種類の抗体、すなわち、その添
加順序に基づいて命名した第1抗体〔第1a工程又は第
1工程で添加〕、第2抗体〔第1b工程又は第1工程で
添加〕、及び第3抗体〔第3工程で添加〕を使用する。
なお、これらの3種類の抗体は、反応系への添加時期が
異なる点で区別されるものであって、それぞれの抗体の
認識するエピトープが互いに異なることを意味するもの
ではない。
【0017】また、前記の第1抗体、第2抗体、及び第
3抗体の代わりに、それぞれの抗体フラグメントを用い
ることもできる。抗体フラグメントとは、相当する抗体
の一部分であって、それが由来する抗体の抗原結合部位
をそのまま含む部分を意味し、例えば、F(a
b’)2 、Fab、Fab’、又はFvなどが含まれ
る。これらの抗体フラグメントは、公知の方法によって
調製することができる。以下の記載では、本発明方法に
おいて抗体を用いる場合に関して説明するが、特に断ら
ない限り、抗体に関する説明は、そのまま抗体フラグメ
ントに関しても適用される。
【0018】本発明方法では、第1抗体として、目的と
する測定対象物質に特異的に結合する1種類以上のモノ
クローナル抗体を使用することができる。本発明方法は
サンドイッチ法を原理としているので、第1抗体として
ポリクローナル抗体を用いると、測定対象物質上に存在
する各種の結合サイトにポリクローナル抗体が結合し
て、抗体が測定対象物質を取り囲んでしまうため、その
後に加える第2抗体が測定対象物質に結合することがで
きないか、あるいは極めて困難になるという不都合が生
じる。
【0019】本発明方法において第2抗体として使用す
ることができる抗体は、目的とする測定対象物質に特異
的に結合し、しかも抗原結合に関して第1のモノクロー
ナル抗体と競合しない抗体であれば、特に限定されるも
のではなく、1種類以上のモノクローナル抗体、若しく
はポリクローナル抗体、又はそれらの組み合わせを使用
することができる。
【0020】本発明方法において第3抗体として使用す
ることができる抗体は、目的とする測定対象物質に特異
的に結合する抗体であれば、特に限定されるものではな
く、1種類以上のモノクローナル抗体、若しくはポリク
ローナル抗体、又はそれらの組み合わせを使用すること
ができる。第3抗体として、第1抗体と同じ抗体を用い
ることもできる。
【0021】第1抗体、第2抗体、及び/又は第3抗体
としてモノクローナル抗体を用いる場合には、例えば、
目的とする測定対象物質を免疫源として、哺乳動物又は
鳥類(例えば、ウサギ、マウス、又は鶏、好ましくはマ
ウス)に免疫を行い、通常の操作によって、目的とする
測定対象物質と特異的に結合するモノクローナル抗体を
得ることができる。より詳しくは、例えば、マウスに免
疫を行う場合の例を挙げると、以下のとおりである。す
なわち、BALB/cマウス又はC57BLマウス等の
腹腔に、免疫源とフロイントコンプリートアジュバント
との混合物を注射し、更に免疫源とインコンプリートフ
ロイントアジュバントとの混合物で追加免疫を行う。マ
ウス血清に免疫源に対する力価上昇がみられてから、脾
臓細胞を取り出し、ポリエチレングリコール法によって
ミエローマ細胞との融合を行う。HAT培地中で融合細
胞を選択し、培地中の抗体をELISA法で確認する。
目的の抗体が産生されているコロニーのクローニングを
行い、単一クローンとしてから、腹腔内に打ち、抗体を
産生させてから腹水を採取し、プロテインAカラム等で
モノクローナル抗体を精製する。
【0022】第2抗体及び/又は第3抗体としてポリク
ローナル抗体を用いる場合には、例えば、目的とする測
定対象物質を免疫源として、哺乳動物又は鳥類(例え
ば、ウサギ、ヤギ、馬、又は鶏等)にモノクローナル抗
体調製時と同じ操作で免疫を行うことによって、目的と
する測定対象物質と特異的に結合するポリクローナル抗
体を得ることができる。
【0023】より詳しくは、例えば、測定対象物質を免
疫源とし、その測定対象物質とフロイントコンプリート
アジュバントとのエマルジョンを皮下に数カ所に渡って
注射する。一定の期間が経過した後、追加免疫を2〜3
回行い、試採血により得た抗血清に、測定対象物質に対
する力価がみられた段階で大量採血を行い、抗血清を得
る。通常のイムノグロブリン精製法に従って、抗血清を
処理する。例えば、20〜33%飽和硫安分画に含まれ
るグロブリン画分を、DEAEカラムクロマトグラフィ
ーによって更に精製することができる。前記のDEAE
カラムクロマトグラフィーよりも更に好ましい精製方法
は、アフィニティークロマトグラフィーによる精製方法
であり、測定対象物質を固定化したカラムに抗血清を通
して特異抗体を結合させ、血清成分を充分洗浄除去した
後、溶離剤(例えば、チオシアン酸ナトリウム、酸性グ
リシン緩衝液、又は塩化マグネシウム等)を流して特異
抗体を得ることができる。こうして得られたアフィニテ
ィー精製抗体を用いると、本発明方法を一層短時間かつ
高感度で実施することができる。
【0024】このようにして調製したポリクローナル抗
体は、目的とする測定対象物質と特異的に結合すること
のできるポリクローナル抗体であり、測定対象物質への
結合に関して第1のモノクローナル抗体とは競合しない
抗体と、測定対象物質への結合に関して第1のモノクロ
ーナル抗体と競合する抗体の両方を含むことが理論的に
は予想される。しかしながら、第1のモノクローナル抗
体と結合した測定対象物質にはまだ抗体と結合すること
のできる部位が残っており、固相化された第2抗体との
反応時には、第2抗体に多種含まれるクローンの中、第
1モノクローナル抗体と競合しないクローンが反応に関
与するため、前記のポリクローナル抗体を、そのまま
「測定対象物質への結合に関して第1のモノクローナル
抗体と競合しない」第2抗体として用いることができ
る。
【0025】第2抗体としてモノクローナル抗体を用い
る場合には、例えば、前記のモノクローナル抗体調製方
法で2種類又はそれ以上のクローンを調製し、測定対象
物質への結合が相互に競合せず、かつ両者が同時に抗原
に結合することのできるクローン2種類又はそれ以上を
選択することにより、適当なモノクローナル抗体の組み
合わせを選択することができる。この場合、いずれか1
種類以上のモノクローナル抗体を第1のモノクローナル
抗体として使用し、残りの1種類以上のモノクローナル
抗体を第2抗体として振り分けて使用することができ
る。
【0026】第1抗体、第2抗体、及び第3抗体、それ
ぞれモノクローナル抗体である場合には、前記と同様に
クローンを2種類以上選択し、それらの中から、抗原へ
の結合が相互に競合せず、抗原に対し同時に結合するこ
とのできるクローン2種類又はそれ以上を選択すること
ができる。例えば、抗原への結合が相互に競合せず、か
つ両者が同時に抗原に結合することのできるクローン2
種類を選択し、そのいずれか一方のモノクローナル抗体
を第1抗体及び第3抗体として使用し、残りの一方のモ
ノクローナル抗体を第2抗体として使用することによ
り、相互の反応を妨害しない測定系を構成することがで
きる。抗原への結合が相互に競合せず、かつ同時に抗原
に結合することのできるクローンを3種類以上選択する
ことができた場合は、第1抗体及び第3抗体として使用
する群と、第2抗体として使用する群とに分け、短時間
に、より高感度な測定系を構築することができる組み合
わせを実験的に選択して用いることができる。以上のよ
うに、モノクローナル抗体のみで、本発明による測定系
を構成する場合には、最低2種類のクローンが必要であ
り、それ以上にクローンの種類を増やすことによって測
定の感度を向上させることができるが、特に欠点は発生
しない。
【0027】本発明の好ましい態様によれば、第1抗体
としては高い結合定数で抗原に結合することができるモ
ノクローナル抗体を用いる。そのクローンの数は、第2
抗体との結合に妨害とならない範囲で、1〜数種類の中
から選択することができる。第2抗体としては、高い結
合定数で抗原と結合することができ、第1抗体と競合し
ないモノクローナル抗体を1〜数種類用いるか、あるい
は抗原との結合定数が高いポリクローナル抗体を使用す
ると、短時間により多く抗原、又は抗原−第1抗体複合
体を結合することができるので望ましい。第3抗体は、
プロゾーン現象を防ぐための抗体なので、モノクローナ
ル抗体であるか、ポリクローナル抗体であるかを問わ
ず、抗原との結合定数が高い抗体を、より多く用いるの
が好ましい。
【0028】本発明方法では、第1のモノクローナル抗
体を標識するのに用いる標識物質と、第3抗体を標識す
るのに用いる標識物質として、同一の標識物質を使用す
るのが好ましい。前記標識物質としては、通常の免疫学
的測定方法に用いることのできる種々の標識物質を利用
することができ、その選択には制限はない。具体的に
は、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、又は発
光物質等を挙げることができる。
【0029】本発明方法では、標識抗体がモノクローナ
ル抗体であるか、ポリクローナル抗体であるかを問わ
ず、抗体を標識物質で標識する場合には、補体又はリウ
マチ因子等の影響を避けるため、生理活性部位を有する
Fcフラグメントを、例えば、ペプシン又はパパイン等
の酵素で消化除去しておくことが望ましく、この消化除
去操作で得られた抗体フラグメント、例えば、F(a
b’)2 、Fab、又はFab’などを用いることが好
ましい。また、遺伝子操作で得られるFvは、最初から
Fcフラグメントが存在しないので、このまま用いるこ
とができる。第2抗体としては、特に固相化しても反応
性の低下しない点で、F(ab’)2 を用いることが好
ましい。第1のモノクローナル抗体又はその抗体フラグ
メント、及び第3抗体又はその抗体フラグメントにこれ
らの標識物質を結合する方法としては、現在までに案出
された種々の結合方法を制限なく利用することができ
る。
【0030】放射性同位元素標識法の例としては、例え
ば、クロラミンTを用いた放射性ヨードイオンの結合が
一般的であり、広く行われている。本発明においても、
前記方法を用いることができる。
【0031】酵素を標識する方法としては、例えば、酵
素と抗体との混合液にグルタルアルデヒドや、ジスクシ
ンイミド等の架橋剤を加えて結合する一段階法、まず酵
素にヘテロバイファンクショナルな架橋剤を結合して得
られる活性化酵素を精製後、抗体のチオール基等に結合
する二段階法、又はペルオキシダーゼが糖タンパク質で
あることを利用し、過ヨウ素酸酸化によりアルデヒドを
生成させ、抗体のアミノ基に結合する方法等を挙げるこ
とができる。標識物質として用いることのできる酵素と
しては、例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスフ
ァターゼ、ガラクトシダーゼ、又はグルコースオキシダ
ーゼ等を挙げることができる。
【0032】標識物質として用いることのできる蛍光物
質としては、例えば、フルオレッセインイソチオシアネ
ート、ローダミンイソチオシアネート、又はユウロピウ
ムキレート等を挙げることができる。フルオレッセイン
イソチオシアネート又はローダミンイソチオシアネート
は、イソチオシアネート部分がアミノ基と反応性を持つ
ので、弱アルカリ性溶液中で抗体と反応することによ
り、前記抗体を標識することができる。また、最近では
蛍光の残光時間が長いユウロピウムキレートを用いた時
間分解蛍光測定により、特異性及び感度を共に向上させ
る方法が知られており、例えば、ビスクロロスルホフェ
ニルフェナンスロリンカルボン酸等のキレート剤をタン
パク質に標識し、ユウロピウムとキレートを形成させて
用いることができる。
【0033】標識物質として用いることのできる発光物
質としては、例えば、ルミノールの誘導体であるアミノ
ブチルエチルイソルミノールのイソチオシアネート体、
又はアクリジニウムエステルのスクシンイミド化された
ものを挙げることができる。前記イソチオシアネート体
は、タンパク質のアミノ基に結合し、過酸化水素とミク
ロペルオキシダーゼを加えることにより発光させて検出
することができる。前記のアクリジニウムエステルのス
クシンイミド化されたものは、タンパク質のアミノ基と
結合し、アルカリ性過酸化水素で発光させて検出するこ
とができる。
【0034】本発明方法において、第2抗体を固定する
ために使用する不溶性担体としては、従来の免疫学的測
定方法用、特にラジオイムノアッセイ法やエンザイムイ
ムノアッセイ法用に開発されてきた公知の不溶性担体を
使用することができる。材料としては、例えば、多糖類
樹脂(例えば、セファローズ、又はセファデックス
等)、プラスチック材料(例えば、ポリスチレン、ポリ
アミド、又はアクリル系樹脂等)、又は磁石に対して結
合性を持つ磁性材料(例えば、フェライト等)等を挙げ
ることができる。形状も限定されるものではないが、例
えば、ビーズ、マイクロタイタープレート、又はチュー
ブ等を挙げることができ、各工程の操作、例えば、洗浄
操作などに応じて適当な不溶性担体を選択することがで
きる。不溶性担体としては、より広い面積で被検試料と
接することが望ましいため、一般に0.1〜10cm2
の表面積を持つものを用いることが好ましい。
【0035】本発明方法では、モノクローナル抗体であ
るか、ポリクローナル抗体であるかを問わず、第2抗体
を前記不溶性担体に固定化する場合には、補体又はリウ
マチ因子等の影響を避けるため、生理活性部位を有する
Fcフラグメントを、例えば、ペプシン又はパパイン等
の酵素で消化除去しておくことが望ましく、この消化除
去操作で得られた抗体フラグメント、例えば、F(a
b’)2 、Fab、又はFab’などを用いることが好
ましい。また、遺伝子操作で調製したFvは、Fcフラ
グメントを持たないため、そのまま使用することができ
る。第2抗体としては特にF(ab’)2 を用いること
が好ましい。
【0036】第2抗体固定化不溶性担体は、不溶性担体
に第2抗体又はその抗体フラグメントを固定化すること
によって調製することができる。固定化方法としては、
既に知られている方法を用いることができる。例えば、
CNBr活性化された多糖類樹脂には抗体のアミノ基を
介して共有結合が行われるし、プラスチック製担体には
物理吸着法、カルボキシ基導入プラスチックにはカルボ
ジイミド等を用いた化学結合法も使用することができ
る。また、アビジン固定化担体に対するビオチン化抗体
の結合、又はプロテインA固定化担体に対する抗体の結
合など他の結合性タンパク質を介して固定化する方法
や、スペーサーを導入して抗体の反応性を確保する方法
なども利用することができる。
【0037】本発明による3段階方法における前記第1
a工程では、前記のようにして調製された標識化第1モ
ノクローナル抗体と、測定対象物質が含まれていると予
想される被検試料とを接触させる。被検試料中に測定対
象物質が含まれている場合には、その測定対象物質が前
記標識化第1モノクローナル抗体と結合して、測定対象
物質と標識化第1モノクローナル抗体とからなる免疫複
合体(以下、標識化第1抗体/測定対象物質−免疫複合
体、又は2成分免疫複合体)が形成される。通常、この
第1a工程は、標識化第1モノクローナル抗体を含む溶
液と被検試料とを混合することにより実施することがで
きる。この際、標識化第1モノクローナル抗体を含む溶
液により検体が希釈され、測定対象物質濃度が不要に下
がるのを防ぐため、標識化第1モノクローナル抗体を含
む溶液の液量は、被検試料の液量に比べて少な目に設定
し、予備検討を行って測定項目によって最適な量を決め
ることができる。
【0038】前記第1a工程で使用する標識化第1モノ
クローナル抗体の濃度は、ng/mlのレベル〜μg/
mlのレベルの範囲が好ましく、これも予備検討を行っ
て、測定項目によって最適な量を決定することができ
る。被検試料と標識化第1モノクローナル抗体との反応
は、通常の液体中抗原抗体反応であるから、反応時間や
反応温度は通常の設定範囲とすることができる。反応
は、一般には、温度は4℃〜45℃の間で、反応時間は
瞬時から2時間までの範囲で実施することができる。こ
の際、攪拌は反応を促進する効果があり、反応時間を短
くするのに有効である。
【0039】前記の第1a工程で標識化第1モノクロー
ナル抗体と測定対象物質とを一定の設定時間接触させた
後、続く第1b工程では、前記第1a工程で得られた反
応液をそのまま使用して、その反応液に第2抗体固定化
不溶性担体を添加し、混合する。第1a工程で得られた
反応液中に、前記の2成分免疫複合体が存在する場合に
は、その複合体内の測定対象物質と不溶性担体上の第2
抗体とが結合して、第2抗体固定化不溶性担体上に、前
記の2成分免疫複合体と第2抗体とからなる免疫複合体
(以下、標識化第1抗体/測定対象物質/第2抗体−免
疫複合体、又は3成分免疫複合体)が担持される。ま
た、前記第1a工程で得られた反応液中に、第1モノク
ローナル抗体とは結合しなかった測定対象物質が存在し
ている場合(例えば、被検試料中に測定対象物質が多量
に含まれ、標識化第1抗体の量が不足する場合など)に
も、その測定対象物質が直接に第2抗体固定化不溶性担
体上の第2抗体と結合して、測定対象物質/第2抗体−
免疫複合体が不溶性担体上に担持される。こうして、第
1モノクローナル抗体の結合に有無にかかわらず、被検
試料中に存在した測定対象物質は、その量に比例して第
2抗体固定化不溶性担体上に担持される。
【0040】前記第1b工程で使用する第2抗体固定化
不溶性担体の量は、それ自体の量としては特に限定され
るものではないが、その表面にng〜μg単位の抗体が
固定化されていることが好ましく、これも予備検討を行
って、測定項目によって最適な量を決定することができ
る。第1a工程からの反応液と第2抗体固定化不溶性担
体とは、静置又は攪拌状態で一定時間反応させることが
できる。この際の攪拌は、反応に要する時間を短くする
効果がある。また、反応温度は、通常の抗原抗体反応で
あるから、4℃〜45℃の範囲で行うことができ、温度
を高くすると必要な反応時間を短くする効果がある。反
応時間は1分〜24時間の範囲が普通であるが、安定な
結果を迅速に得るという目的から3分〜30分間反応さ
せることが望ましい。
【0041】本発明による2段階方法においては、前記
3段階方法において第1a工程及び第1b工程をこの順
序で実施する代わりに、第1a工程及び第1b工程を同
時に実施することができる。この第1工程では、前記の
ように調製した標識化第1モノクローナル抗体と、測定
対象物質が含まれていると予想される被検試料と、第2
抗体固定化不溶性担体とを接触させる。標識化第1モノ
クローナル抗体の濃度、及び第2抗体固定化不溶性担体
の量は、第1a工程及び第1b工程で示した範囲と同じ
範囲で使用することが好ましく、予備検討を行って、測
定項目によって最適な量を決定することができる。2段
階方法における第1工程は、静置又は攪拌状態で一定時
間反応させることができる。この際の攪拌は、反応に要
する時間を短くする効果がある。また、反応温度は、通
常の抗原抗体反応であるから、4℃〜45℃の範囲で行
うことができ、温度を高くすると必要な反応時間を短く
する効果がある。反応時間は1分〜24時間の範囲が普
通であるが、安定な結果を迅速に得るという目的から3
分〜30分間反応させることが望ましい。
【0042】第2工程では、2段階方法による第1工程
で得られる反応液、又は3段階方法における第1a工程
及び第1b工程をこの順序で実施して得られる反応液か
ら、第2抗体固定化不溶性担体と反応しなかった成分
を、例えば、洗浄などの手段によって除去する。この第
2工程における洗浄は、単に被検試料中の共存物質(測
定対象物質以外の物質)を除くことを目的としているの
で、第2抗体固定化不溶性担体を含む部分とそれ以外の
部分とを分離することによって実施することができる。
従って、第1b工程又は第1工程で得られた反応液か
ら、第2抗体固定化不溶性担体以外の液体部分を、例え
ば、吸引除去などによって除去し、続いて、例えば、蒸
留水、緩衝液、又は界面活性剤含有緩衝液等で1〜4回
程度の洗浄操作を行うことが好ましい。なお、前記の洗
浄操作を行わなくても、以下の反応に対する影響が実質
的にみられない場合には、被検試料を捨てるだけで洗浄
操作を行わなくてもかまわない。
【0043】次に、第3工程では、前記第2工程で得ら
れた反応液に、標識化第3抗体を、例えば、緩衝液で所
定の濃度に調整して加える。抗原の結合に関して第1抗
体とは競合しない抗体が、標識化第3抗体に含まれてい
る場合、あるいは、前記第2工程で得られた反応液中の
不溶性担体上に、第2抗体とは結合しているが、標識化
第1抗体とは結合していない測定対象物質(すなわち、
測定対象物質/第2抗体−免疫複合体)が存在する場合
には、標識化第3抗体は、不溶性担体上の測定対象物質
に結合することができる。被検試料中に測定対象物質が
多量に含まれる場合であって、3段階方法の第1a工程
及び第1b工程、又は2段階方法の第1工程において標
識化第1抗体の量が不足し、標識化第1抗体とは結合し
ていない測定対象物質が第2抗体と結合して不溶性担体
上に担持されている場合であっても、第3工程では測定
対象物質を含む被検試料を除去した後に、充分量の標識
化第3抗体と反応させるため、不溶性担体上に担持され
るすべての測定対象物質には標識化抗体が結合してい
る。
【0044】前記緩衝液に必要に応じてタンパク質及び
/又は界面活性剤などを加えることによって、非特異的
な吸着反応を抑制することができる。反応時に含まれる
標識化第3抗体の濃度は、1ng/ml〜100μg/
mlの範囲が好ましく、これも予備検討を行って、測定
項目によって最適な量を決定することができる。この第
3工程での反応も、通常の固相と液相との抗原抗体反応
であるから、4℃〜45℃の温度範囲で、1分〜24時
間反応させることができる。安定な結果を迅速に得るこ
とができるので、3分〜30分間反応させることが望ま
しい。
【0045】標識化第3抗体と、免疫複合体担持不溶性
担体とを一定の時間接触させた後、続く第4工程におい
て、反応液中に残った未反応の標識化第3抗体を、例え
ば、洗浄などの手段によって反応系から除去する。この
第4工程における洗浄は、反応に関与しなかった標識化
第3抗体を実質的に完全に除くことを目的としているの
で、第2抗体固定化不溶性担体を含む部分とそれ以外の
部分とを分離することによって実施することができる。
従って、第3工程で得られた反応液から、第2抗体固定
化不溶性担体部分以外の液体部分を、例えば、吸引除去
などによって除去し、続いて、例えば、蒸留水、緩衝
液、又は界面活性剤含有緩衝液などから洗浄効果の高い
液を選択して、1回〜5回程度の洗浄操作を行うことが
好ましい。
【0046】最後に、第5工程では、不溶性担体に結合
した標識物質、すなわち、不溶性担体に固定化された第
2抗体と結合した測定対象物質に結合することができ
た、第1抗体及び第3抗体を標識している物質に由来す
る信号の量を検出して測定する。一般には、第1抗体及
び第3抗体には同じ標識物質を用い、この標識物質が放
射性同位元素の場合には、シンチレーションカウンター
によって放射活性を測定することができる。標識物質が
酵素の場合には、適当な基質を加え、一定時間後の基質
の変化量を測定することができる。標識物質が蛍光物質
の場合には、最適な励起光を当て、得られる蛍光強度を
測定することができる。標識物質が発光物質の場合に
は、発光開始剤を加えてフォトマルチプライアーで発光
量を測定することができる。予め、測定対象物質の標準
物質を用いて、前記の操作を実施することにより、標準
物質から得られる信号量から検量線を作製しておき、被
検試料から得られる信号量(測定値)から、被検試料中
の測定対象物質の量を定量的に測定することができる。
【0047】
【作用】本発明による3段階方法の前半の反応、すなわ
ち、第1a工程及び第1b工程における反応は、一般的
なリバースサンドイッチ法における被検試料、標識抗
体、及び抗体固定化不溶性担体を反応させるときの操作
と同じである。この反応では、第2抗体固定化不溶性担
体に結合した微量測定対象物質と標識抗体との反応は遅
いが、液体中の微量測定対象物質と標識抗体との反応は
速いという性質を利用し、まず、測定対象物質を含む被
検試料と標識化第1モノクローナル抗体とを反応させ
る。この際、標識化第1抗体は、後の反応の妨害になら
ないようにモノクローナル抗体である必要がある。こう
して得られた標識化第1モノクローナル抗体/測定対象
物質−免疫複合体に、第2抗体固定化不溶性担体を加え
ると、前記の2成分免疫複合体は、測定対象物質より分
子量が若干増えただけなので、測定対象物質のみの場合
とほぼ同じ速さで第2抗体固定化不溶性担体上の第2抗
体と反応することができる。一般的なリバースサンドイ
ッチ法では、この第2工程終了後に除去操作を行い、標
識物質を検出するが、プロゾーンによる誤った結果を出
す危険性が存在する。
【0048】また、本発明による2段階方法における第
1工程は、一般的なワンステップサンドイッチ法におけ
る被検試料、標識抗体、及び抗体固定化不溶性担体を反
応させる操作と同じである。ワンステップサンドイッチ
法は液体中の微量測定対象物質と標識抗体の反応を行い
ながら、不溶性担体に固定化された抗体との反応も同時
に行う、いわば、リバースサンドイッチ法をより簡略化
した方法であり、効果としてもリバースサンドイッチ法
に近い結果をもたらすことができる。一般的なワンステ
ップサンドイッチ法でも、この同時に行う第1工程終了
後に除去操作を行い、標識物質を検出するが、プロゾー
ン現象による誤った結果を出す危険性が存在する。そこ
で、本発明方法では、3段階方法の第1b工程、又は2
段階方法の第1工程の終了後に同様の除去操作(第2工
程)を実施し、更に標識化第3抗体を反応(第3工程)
させ、続いて除去操作(第4工程)を行ってから標識物
質の総和を検出(第5工程)する。この第3工程〜第5
工程は、一般的なフォワードサンドイッチ法の操作に相
当する。こうして、本発明方法では、標識化第1抗体と
被検試料と第2抗体固定化不溶性担体とを反応させた
後、除去操作を行ってから標識化第3抗体と反応させる
と、プロゾーン現象を起こさないというメリットを利用
している。
【0049】本発明方法は、リバースサンドイッチ法及
びフォワードサンドイッチ法あるいはワンステップサン
ドイッチ法及びフォワードサンドイッチ法を組み合わせ
ているので、被検試料中の測定対象物質が微量の場合に
は、リバースサンドイッチ法やワンステップサンドイッ
チ法における被検試料、標識抗体、及び抗体固定化不溶
性担体を反応させる場合の操作に対応する前半工程部分
が高感度な測定を可能とする。また、測定対象物質が前
半の反応だけではプロゾーン現象を起こすほど大量な場
合には、後半工程部分で加えた標識化第3抗体がプロゾ
ーン現象を防ぐという役割を有している。従って、本発
明方法により、短時間で高感度に測定を行うことがで
き、かつプロゾーン現象による不正確な結果をもたらさ
ないという理想的な測定系を実現することができる。
【0050】本発明方法の原理は、以上のようにリバー
スサンドイッチ法とフォワードサンドイッチ法との組み
合わせ、あるいはワンステップサンドイッチ法とフォワ
ードサンドイッチ法との組み合わせからなるが、測定操
作の観点から見れば、被検試料に標識抗体を加えるツー
ステップサンドイッチ法と実質的に異なることはない。
従って、その操作は、通常の免疫学的測定方法と比較し
て、特に煩雑ということはない。しかし、本発明方法に
よって得られる効果は、予想外に顕著なものであり、短
い測定時間で、非常に高感度で、免疫学的測定を実現す
ることができる。
【0051】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1:微量のヒトα−フェトプロテイン(AFP)
の測定 (1)抗ヒトAFPポリクローナル抗体コートビーズの
調製 常法に従って、抗ヒトAFPウサギ血清よりアフィニテ
ィークロマトグラフィーで得たポリクローナル抗体をペ
プシンで消化した後、ゲルろ過操作でF(ab’)2
分を得、不溶性担体の表面に固定化するコート用抗体フ
ラグメントとして用いた。150mM塩化ナトリウムを
含む50mM酢酸緩衝液(pH5.0)でコート用抗体
フラグメントを10μg/mlに調整し、密封できる容
器中に抗体液40mlとスチレンビーズ(直径=3.2
mm)800個とを入れ、4℃で一夜、容器を回転させ
ることにより抗体フラグメントをスチレンビーズにコー
トした。得られた抗ヒトAFPポリクローナル抗体フラ
グメントコートビーズ(以下、抗ヒトAFPポリクロー
ナル抗体コートビーズと称する)を、生理食塩水で3回
洗浄し、0.1%アジ化ナトリウムを含む生理食塩水中
に保存した。
【0052】(2)アクリジニウムエステル標識化抗ヒ
トAFPモノクローナル抗体の調製 通常の調製法によりヒトAFPに対するモノクローナル
抗体を調製し、ペプシン消化によってF(ab’)2
画を得、ラベル用抗体フラグメントとして用いた。0.
1Mリン酸緩衝液(以下、PBSと称する)でラベル用
抗体フラグメントを0.25mg/mlに調整し、その
抗体フラグメント溶液1mlにスクシンイミド化された
アクリジニウムエステルのジメチルホルムアミド溶液
(0.1mg/ml)0.1mlを加え、室温で15分
間振盪反応させた後、0.2Mグリシン緩衝液(pH
8.5)0.5mlを加えて更に15分間振盪反応させ
た。生理食塩水で平衡化したセファデックスG25カラ
ムに反応液を通して、ボイド容量に溶出されるアクリジ
ニウムエステル標識化抗ヒトAFPモノクローナル抗体
フラグメント(以下、アクリジニウムエステル標識化抗
ヒトAFPモノクローナル抗体と称する)をプールし
た。
【0053】(3)ヒトAFPの測定 0.05%ツイーン20を含む20mM−PBS(pH
7)(以下、ツイーンPBSと称する)を用いて、5n
g/ml〜40pg/mlの範囲で標準ヒトAFPの希
釈列溶液を調製した。この希釈列溶液0.1mlに、ツ
イーンPBSで抗体濃度2.5μg/mlに調整した、
前記(2)で調製したアクリジニウムエステル標識化抗
ヒトAFPモノクローナル抗体0.01mlを加え、混
和後37℃において10分間静置反応した。前記(1)
で調製した抗ヒトAFPポリクローナル抗体コートビー
ズ(直径=3.2mm)3個を入れた反応チューブに、
上記反応液0.1mlを入れ、37℃において5分間振
盪反応した。反応液から液体部分を吸引除去した後、残
留したビーズを生理食塩水で一回洗浄した。ツイーンP
BSで抗体濃度125ng/mlに調整した、前記
(2)で調製したアクリジニウムエステル標識化抗ヒト
AFPモノクローナル抗体0.1mlを前記の反応チュ
ーブに加え、37℃において5分間振盪反応した。反応
液から液体部分を吸引除去した後、残留したビーズをツ
イーンPBSで4回洗浄した。反応チューブに40mM
塩酸液0.1mlを加えた後、発光検出器にセットし、
暗所で0.1M水酸化ナトリウムと20mM過酸化水素
とを含む発光開始剤0.3mlを加えて発光量を測定し
た。AFP濃度と発光量(カウント)との関係を表1に
示す。
【0054】
【表1】
【0055】実施例2:高濃度のAFPの測定 ツイーンPBSを用いて、1600ng/ml〜25n
g/mlの範囲で標準AFPの希釈列溶液を調整した。
実施例1に記載の手順に従って、発光量を測定した。A
FP濃度と発光量(カウント)との関係を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】比較例1:ツーステップサンドイッチ法に
よるAFPの測定 実施例1(1)で調製した抗ヒトAFPポリクローナル
抗体コートビーズ(直径=3.2mm)3個を入れた反
応チューブに、実施例1(3)で調製したAFPの希釈
列溶液0.1mlを加え37℃において5分間振盪反応
した。反応液から液体部分を吸引除去した後、残留した
ビーズをツイーンPBSで4回洗浄した。抗体濃度25
0ng/mlに調整した、実施例1(2)で調製したア
クリジニウムエステル標識化抗ヒトAFPモノクローナ
ル抗体0.1mlを前記の反応チューブに加え、37℃
において5分間振盪反応した。反応液から液体部分を吸
引除去した後、残留したビーズをツイーンPBSで4回
洗浄した。反応チューブに40mM塩酸液0.1mlを
加えた後、発光検出器にセットし、暗所で0.1M水酸
化ナトリウムと20mM過酸化水素とを含む発光開始剤
0.3mlを加えて発光量を測定した。AFP濃度と発
光量(カウント)との関係を表3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】本発明方法によれば、免疫学的測定法を
短時間で行うことができ、更に被検試料中に広い濃度範
囲で存在する測定対象物質にも対応した、正確な定量を
行うことができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1a)第1の標識物質で標識され、測
    定対象物質と特異的に結合する第1のモノクローナル抗
    体又はその抗体フラグメントと、被検試料とを接触させ
    る工程、 (1b)前記測定対象物質と特異的に結合する第2の抗
    体であって、しかも測定対象物質への結合に関して第1
    モノクローナル抗体とは競合しない前記第2抗体又はそ
    の抗体フラグメントをその表面に担持する第2抗体固定
    化不溶性担体と、前記工程(1a)で形成された反応液
    とを接触させる工程、(2)第2抗体固定化不溶性担体
    と反応しなかった成分を反応液から除去する工程(3)
    第2の標識物質で標識され、前記測定対象物質と特異的
    に結合する第3の抗体又はその抗体フラグメントと、前
    記工程(2)で得られた反応液とを接触させる工程、
    (4)未反応の第2標識化第3抗体を反応液から除去す
    る工程、及び(5)前記工程(4)で得られた反応液に
    おいて、第1標識及び第2標識のそれぞれに由来する信
    号を検出する工程をこの順序で実施することを特徴とす
    る、免疫学的分析方法。
  2. 【請求項2】 (1)第1の標識物質で標識され、測定
    対象物質と特異的に結合する第1のモノクローナル抗体
    又はその抗体フラグメントと、被検試料と、前記測定対
    象物質と特異的に結合する第2の抗体であって、しかも
    測定対象物質への結合に関して前記第1モノクローナル
    抗体とは競合しない前記第2抗体又はその抗体フラグメ
    ントをその表面に担持する第2抗体固定化不溶性担体と
    の三者を接触させる工程、(2)第2抗体固定化不溶性
    担体と反応しなかった成分を反応液から除去する工程、
    (3)第2の標識物質で標識され、前記測定対象物質と
    特異的に結合する第3の抗体又はその抗体フラグメント
    と、前記工程(2)で得られた反応液とを接触させる工
    程、(4)未反応の第2標識化第3抗体を反応液から除
    去する工程、及び(5)前記工程(4)で得られた反応
    液において、第1標識及び第2標識のそれぞれに由来す
    る信号を検出する工程をこの順序で実施することを特徴
    とする、免疫学的分析方法。
  3. 【請求項3】 第1標識物質及び第2標識物質が、発光
    物質、蛍光物質、酵素又は放射性同位元素である、請求
    項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 第2抗体がポリクローナル抗体である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 第3抗体がモノクローナル抗体である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 第3抗体が第1抗体と同一のモノクロー
    ナル抗体である、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 第3抗体がポリクローナル抗体である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
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