JPH10132536A - 周期欠陥検出方法および装置 - Google Patents

周期欠陥検出方法および装置

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JPH10132536A
JPH10132536A JP9190566A JP19056697A JPH10132536A JP H10132536 A JPH10132536 A JP H10132536A JP 9190566 A JP9190566 A JP 9190566A JP 19056697 A JP19056697 A JP 19056697A JP H10132536 A JPH10132536 A JP H10132536A
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克己 木村
Ryoji Takamura
良司 篁
Shinichi Nakaji
晋一 中路
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 欠陥位置にばらつきが生じたり、欠陥の検出
漏れが発生しても正確な周期判定を可能にする。 【解決手段】 走行するシート状物体に光を投射し、反
射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠
陥を検出する欠陥検出方法において、シート状物体から
検出された欠陥データのうちの少なくとも走行方向の位
置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデー
タを用い、まず、任意のTD位置に注目しそのTD位置
を中心として予め設定したTD位置許容範囲内の欠陥に
対して各欠陥のMD位置の差分演算を行い、この差分値
が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を
基本周期と同一の周期欠陥と判定し、TD位置が隣接し
周期の同じ周期欠陥同士を同一のグループに分類し、同
一グループに分類した周期欠陥の中で、整数倍の倍率ま
たは1を加えた値を表示することを特徴とする周期欠陥
検出方法、および装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状物体の製
造ラインにおいて形成される周期的な欠陥を検出する周
期欠陥検出方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フィルム、金属等のシート状物体の製造
において、シート表面に存在する欠陥を検出する検査装
置により、製品の品質管理が行われている。フィルム、
金属等のシート状物体の製造工程では、搬送、延伸等の
ためのロールが複数使用されており、ロールの傷、ロー
ルへの付着物、あるいはシート状物体とロールとの擦れ
等の影響により、製造物に周期欠陥が発生することがあ
る。使用されているロール径には種々のものがあり、欠
陥を検出した際に周期性の有無、幅方向の位置、周期ピ
ッチを正確に求めることで、欠陥の発生原因となるロー
ルを特定し、それ以上の欠陥の発生を防ぐ対策を講じる
ことが可能となる。
【0003】周期欠陥の検出には、例えば特公平7−8
6474号公報に示されるような欠陥の周期を測定する
方法がある。この方法によれば、被検査物を走行方向お
よび幅方向に細分化し、各々のデータセルについて欠陥
の有無により「1」、「0」の2値化データとして、走
行している被検査物からデータ列(d1,d2,・・,
dn)を取り込み、 (但し、0≦j≦n−1) で表される自己相関関数AC(j)により、間隔jで分
布する欠陥部の頻度を計算し、判別条件によって周期性
の有無を判定している。この判別条件は、周期的に存在
するm個の欠陥の周期成分は、基本周期成分及びその2
倍から(m−1)倍までの周期成分からなっていること
を利用し、 AC(f)>0 かつ AC(2・f)>0 かつ・・
・ かつ AC(k・f)>0 (但し、k・fは周期性有無判定条件の最大周期成分で
k<m) の条件式に基づいて基本周期fを算出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のデータ処理を行う場合には、測定領域を単位領
域に分割して2値化データとしており、計算速度や記憶
容量等の制限から分割をあまり細かくできず、欠陥位置
の精度を上げることが難しかった。
【0005】また、同一原因による周期欠陥でも、被検
査物の延伸工程等の影響で周期に若干のばらつきが発生
したときは、細分化の境界付近の欠陥に対して周期判定
に誤りが生じる場合がある、さらに、周期が長いために
測定範囲での欠陥総数が少ない場合や、欠陥からの信号
強度が小さいために検出漏れを生じた場合、従来の技術
では判別条件に適合せず、基本周期を誤ったり、周期判
定できないという問題があった。
【0006】本発明の課題は、このような従来技術の問
題点を解決し、欠陥周期の基本周期を算出するためのア
ルゴリズムを改良し、欠陥位置にばらつきが生じたり、
欠陥の検出漏れが発生しても正確な周期判定を可能にす
る周期欠陥検出方法および装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、被検査物から得られた欠陥データのうち
少なくとも走行方向の位置と幅方向の位置を用い、幅方
向の位置でグループ分けし、幅方向位置が同一と見なさ
れる一群の欠陥データの中で相互間の距離を求めた後、
相互間の距離が互いに整数倍の関係にあるかを判定して
基本周期の候補を求め、さらに基本周期候補相互の除算
による商と剰余から検出漏れによる短い基本周期の有無
を考慮して、基本周期を算出するようにしたものであ
る。
【0008】また測定結果の出力の際、欠陥データの中
で周期性を有するデータには、同一種類の周期欠陥に同
一の記号と、同一種類内で何番目の欠陥かを示す数字を
付して出力するようにしたものである。
【0009】すなわち、本発明に係る周期欠陥検出方法
は、走行するシート状物体に光を投射し、反射光または
透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出す
る欠陥検出方法において、シート状物体から検出された
欠陥データのうちの少なくとも走行方向の位置(MD位
置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、
まずTD位置ごとに予め設定したTD位置許容範囲内で
近接する欠陥同士を同一のグループに分類し、各同一グ
ループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接してい
る欠陥のMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上
の差分値を基本周期として、あらためて該TD位置にお
ける欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がど
れかを判定し、先頭の欠陥以降のMD位置にある欠陥を
順次1個づつ取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥と
のMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整
数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一
の周期欠陥と判定することを特徴とする方法からなる。
【0010】また、本発明に係る周期欠陥検出方法は、
走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過
光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠
陥検出方法において、シート状物体から検出された欠陥
データのうちの少なくとも走行方向の位置(MD位置)
および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まず
TD位置ごとに予め設定したTD位置許容範囲内で近接
する欠陥同士を同一のグループに分類し、各同一グルー
プに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接している欠
陥のMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差
分値を基本周期として、あらためて該TD位置における
欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれか
を判定し、先頭の欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次
1個づつ取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥とのM
D位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍
となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周
期欠陥と判定し、該整数倍の倍率またはその倍率に1を
加えた値を表示することを特徴とする方法からなる。
【0011】また、本発明に係る周期欠陥検出方法は、
走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過
光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠
陥検出方法において、シート状物体から検出された欠陥
データのうち少なくとも走行方向の位置(MD位置)お
よび幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まず、
各TD位置に対してそのTD位置を中心として予め設定
したTD位置許容範囲内の欠陥に対してすべての欠陥の
組み合わせでMD位置の差分演算を行い、得られた1個
以上の差分値を基本周期として、あらためて該TD位置
における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥
がどれか判定し、先頭欠陥以降のMD位置にある欠陥を
順次1個取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥とのM
D位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍
となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周
期欠陥と判定し、次にTD位置が隣接し周期の同じ周期
欠陥同士を同一のグループに分類することを特徴とする
方法からなる。
【0012】また、本発明に係る周期欠陥検出方法は、
走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過
光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠
陥検出方法において、シート状物体から検出された欠陥
データのうち少なくとも走行方向の位置(MD位置)お
よび幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まず、
各TD位置に対してそのTD位置を中心として予め設定
したTD位置許容範囲内に欠陥に対してすべての欠陥の
組み合わせでMD位置の差分演算を行い、得られた1個
以上の差分値を基本周期として、あらためて該TD位置
における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥
がどれか判定し、先頭欠陥以降のMD位置にある欠陥を
順次1個取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥とのM
D位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍
となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周
期欠陥と判定し、次にTD位置が隣接し周期の同じ周期
欠陥同士を同一のグループに分類し、同一グループに分
類した周期欠陥の中で、整数倍の倍率または倍率に1を
加えた値を表示することを特徴とする方法からなる。
【0013】また、本発明に係る周期欠陥検出装置は、
走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過
光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠
陥検出装置において、シート状物体から検出された欠陥
データのうちの少なくとも走行方向の位置(MD位置)
および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まず
TD位置ごとに予め設定したTD位置位置許容範囲内で
近接する欠陥同士を同一のグループに分類する手段と、
各同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣
接している欠陥のMD位置の差分演算を行い、得られた
1個以上の差分値を基本周期とする手段と、あらためて
該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する
先頭の欠陥がどれかを判定する手段と、先頭の欠陥以降
のMD位置にある欠陥を順次1個づつ取り出し、取り出
した欠陥の先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、こ
の差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出し
た欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定する手段とを
有することを特徴とするものからなる。
【0014】また、本発明に係る周期欠陥検出装置は、
走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過
光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠
陥検出装置において、シート状物体から検出された欠陥
データのうちの少なくとも走行方向の位置(MD位置)
および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まず
TD位置ごとに予め設定したTD位置位置許容範囲内で
近接する欠陥同士を同一のグループに分類する手段と、
各同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣
接している欠陥のMD位置の差分演算を行い、得られた
1個以上の差分値を基本周期とする手段と、あらためて
該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する
先頭の欠陥がどれかを判定する手段と、先頭の欠陥以降
のMD位置にある欠陥を順次1個づつ取り出し、取り出
した欠陥の先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、こ
の差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出し
た欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定する手段と、
該整数倍の倍率またはその倍率に1を加えた値を表示す
る手段とを有することを特徴とするものからなる。
【0015】また、本発明に係る周期欠陥検出装置は、
走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過
光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠
陥検出装置において、シート状物体から検出された欠陥
データのうち少なくとも走行方法の位置(MD位置)お
よび幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まず、
各TD位置に対してそのTD位置を中心として予め設定
したTD位置許容範囲内の欠陥に対してすべての欠陥の
組み合わせでMD位置の差分演算を行い、得られた1個
以上の差分値を基本周期とする手段と、あらためて該T
D位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭
の欠陥がどれか判定する手段と、先頭欠陥以降のMD位
置にある欠陥を順次1個取り出し、取り出した欠陥と先
頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基
本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本
周期と同一の周期欠陥と判定する手段と、次にTD位置
が隣接し周期の同じ周期欠陥同士を同一のグループに分
類する手段とを有することを特徴とするものからなる。
【0016】さらに、本発明に係る周期欠陥検出装置
は、走行するシート状物体に光を投射し、反射光または
透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出す
る欠陥検出装置において、シート状物体から検出された
欠陥データのうち少なくとも走行方向の位置(MD位
置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、
まず、各TD位置に対してそのTD位置を中心として予
め設定したTD位置許容範囲内の欠陥に対してすべての
欠陥の組み合わせでMD位置の差分演算を行い、得られ
た1個以上の差分値を基本周期とする手段と、あらため
て該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当す
る先頭の欠陥がどれか判定する手段と、先頭欠陥以降の
MD位置にある欠陥を順次1個取り出し、取り出した欠
陥と先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分
値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥
を基本周期と同一の周期欠陥と判定する手段と、次にT
D位置が隣接し周期の同じ周期欠陥同士を同一のグルー
プに分類し、同一グループに分類した周期欠陥の中で、
整数倍の倍率または倍率に1を加えた値を表示する手段
とを有することを特徴とするものからなる。
【0017】上記のような本発明に係る手法によれば、
欠陥の走行方向の位置データと幅方向の位置データを直
接周期判定に使用できるため、従来のようにデータ処理
装置の制約を受けて測定領域を単位面積に細分化するよ
りも位置データの精度が上げられる。
【0018】また、幅方向の位置が近接する欠陥データ
を抽出し、欠陥相互の走行方向の位置間隔を互いに除算
した商と剰余を用いて基本周期を算出するため、周期性
のある欠陥の検出漏れが発生しても、正確な基本周期を
求めることが可能となる。
【0019】さらに、検出結果の出力では、同一原因に
よる周期欠陥に対して、同一の周期性欠陥であること
と、同一の周期性欠陥の中で何番目に検出したかを付し
て出力することで、検出漏れの存在を明確に示すことが
可能となる。
【0020】上記のような周期欠陥検出方法および周期
欠陥検出装置は、例えばプラスチックフィルムの製造に
適用して好適なものである。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例1を図1ないし図1
3を参照して、実施例2を図14ないし図19を参照し
て説明する。 〔実施例1〕図1は、本発明に係る周期欠陥検出装置を
シートの欠陥検出装置に適用した一実施例を示す全体構
成図である。図において、長尺の被検シート1(たとえ
ば、プラスチックフィルム)を搬送させる搬送系は、こ
の被検シート1が巻き回された、回動可能な巻出しロー
ル2と巻取りロール3と、この巻取りロール3を回動駆
動する巻取りモータ4と、搬送ロール53に接続された
エンコーダ54から構成されている。被検シート1は、
この巻取りモータ4の駆動によって、巻出しロール2か
ら搬送されて一定速度で巻取りロール3に巻き取られ
る。なお、5は、被検シート1の走行方向に生じた欠陥
である。
【0022】本発明に係る欠陥検出装置は、被検シート
1の一方の面に、光ビームを、被検シート1の幅方向に
対して所定角度θだけ傾いた方向に走査する投光部10
と、被検シート1の他方の面に対向し、かつ、上記投光
部10で走査された光ビームの主ビームが入射しない位
置に設けられ、上記被検シート1を透過した拡散光を受
光する受光部20と、受光部20に接続され、受光部2
0からの出力から被検シート1に生じた欠陥の種類の判
定を行うデータ処理部30と、データ処理部30に接続
され、データ処理部30の指示により上記被検シート1
の端部にマーキングを行うマーキング装置51と、被検
シート1の下流側に設けられ、対向する被検シート1の
面に光を照射する透視装置52とから構成されている。
【0023】投光部10は、光ビームaを出力するレー
ザ光源11と、この光ビームaの光路上に設けられた、
集光レンズ12、モータ13によって矢印方向に定速で
駆動されるポリゴンミラー14および集光レンズ15と
を備えている。この投光部10は、光ビームaを、被検
シート1の走行方向(図中L方向)と幅方向(図中W方
向)に対して所定角度θだけ傾けた図中S方向に走査す
ることができるように設置されている。
【0024】一方、被検シート1を介在させて投光部1
0の反対側には、受光部20が設置されている。この受
光部20は、被検シート1の欠陥5により生じた拡散光
bの一部を受光する光ロッド21と、この光ロッド21
内を導かれてきた拡散光を測光する、その光ロッド21
の各端部に設けた光電子増倍管22、22とを備えてい
る。この受光部20はその光ロッド21に光ビームaの
主ビームcが入射しないように、光ロッド21が光ビー
ムaの走査軌跡からわずかに離れた位置になるように設
置されている。受光部20の光電子増倍管22、22
は、データ処理部30に接続されている。
【0025】図2(a)は、欠陥5で左右に拡散する光
の内、右方向に拡散した光を光ロッド21で受光する状
態を示している。ここで図2(b)に示すように、光ビ
ームaの走査面の両側に受光部20を1個づつ配置する
2本受光方式にすると、欠陥5から両側へ拡散した光を
2本の光ロッドで受光できることから、1本の受光部に
比べて受光量は増大する。また受光部2本化により欠陥
からの信号量は増大するが、白色雑音要素は2本の受光
部の信号の重ね合わせによる信号の相殺効果でS/Nが
良くなり、検出感度が向上するので受光部の2本化が好
ましい。
【0026】また、光ビームaの走査軌跡上で、かつ、
検出幅の外、すなわち、被検シート1の外方で、その側
縁近くには、データ処理部30に接続された、光ビーム
の走査基準位置検出用受光器23が設置されている(図
1)。
【0027】データ処理部30は、図3に示すように、
光電子増倍管22、22からの受光部出力(受光信号)
を増幅するアンプ31と、増幅された出力をデジタル信
号に変換するA/D変換装置32と、A/D変換された
値があらかじめ設定されたしきい値より大きいことを判
定する比較器33と、クロックを出力するクロック発生
回路34と、このクロックのカウント値を出力するクロ
ックカウンタ35と、クロックカウンタ値が設定された
上限値と下限値の間にあることを判定する比較器36
と、受光器23からの走査信号をカウントする走査カウ
ンタ37と、エンコーダ54から出力されたエンコーダ
信号をカウントするエンコーダカウンタ38と、書き込
み信号を出力する書き込み信号発生回路39と、この書
き込み信号の出力によってA/D変換器32、クロック
カウンタ35、走査カウンタ37およびエンコーダカウ
ンタ38からの出力を一時記憶する記憶装置40と、記
憶装置40に記憶されたデータの処理を行うメインコン
ピュータ41とから構成されている。
【0028】アンプ31の出力をA/D変換したA/D
変換器32は、デジタル値を比較器33および記憶装置
40に出力する。比較器33にはしきい値が設定されて
おり、入力したデジタル値がしきい値以上のときにデジ
タル値の有効信号を書き込み信号発生回路39へ出力す
る。
【0029】クロックカウンタ35は、クロック発生回
路34から主力されるクロックをカウントし、光ビーム
の1走査分(図1中S方向の1走査分)の測定範囲をカ
ウント値として、比較器36および記憶装置40に出力
する。比較器36には測定領域両端である、クロックの
上限値および下限値が設定されており、クロック値がこ
の上下限の間にあるとき、クロック値有効信号を書き込
み信号発生回路39に出力するとともに、このカウント
値を、走査基準位置検出用受光器23から出力される走
査信号でリセットさせ、再び新たに1走査分のカウント
がなされる。
【0030】書き込み信号発生回路39は、比較器33
からのデジタル値有効信号と比較器36からのクロック
値有効信号が同時に入力された時、欠陥発生と判定し、
書き込み信号を発生させて記憶装置40へ出力する。
【0031】走査カウンタ37は、被検シート1の走行
方向、すなわち、光ビームが何回走査されたかを示すも
ので、走査信号が入力するたびに、カウントを1つ増加
させている。
【0032】エンコーダカウンタ38は、被検シート1
が走行方向に移動した変位に応じて出力されるエンコー
ダ信号をカウントするもので、被検シート1を送り出し
た時、エンコーダ信号が入力するたびにカウントを1つ
づつ増加させ、被検シート1を巻き戻した時、エンコー
ダ信号が入力するたびにカウントを1つづつ減少させ
る。
【0033】なお、走査カウンタ37とエンコーダカウ
ンタ38は、どちらも被検シート1の走査方向の位置を
特定する目的のため、一方だけでもよい。
【0034】メインコンピュータ41は、記憶装置40
に欠陥データ(デジタル値、クロックカウンタ値、走査
カウンタ値およびエンコーダカウンタ値)が一時記憶さ
れると、そのデータを読み出し、欠陥の走行方向(MD
方向と呼ぶ)の位置(MD位置)と、幅方向(TD方向
と呼ぶ)の位置(TD位置)を求めることができる。
【0035】MD位置は、エンコーダカウンタ値にエン
コーダの単位長さを掛け合わせることで計算し、TD位
置は、クロックカウンタ値にクロックの単位長さを掛け
合わせて計算する。本実施例では、エンコーダの単位長
さを0.1mm、クロックの単位長さを0.05mmに
設定したが、より分解能の高いエンコーダや高いクロッ
ク周波数を用いることで精度を上げることが可能であ
る。
【0036】なお、被検シート上の欠陥の大きさ、形状
によって、1つの欠陥に対して複数回の光ビームが照射
された場合は、その都度、欠陥データとして記憶装置に
一時記憶される。この場合にはそれら複数の欠陥データ
間の距離があらかじめ設定した許容値以下となるものを
一群の欠陥にまとめ、平均などの演算により、欠陥全体
を代表する位置データ(MD位置、TD位置)を計算し
て、以降の処理を行う。
【0037】こうして得られた欠陥の位置データを用
い、後述する周期判定を行った後、モニタ42への表
示、処理結果のプリンタ43への出力などを行う。
【0038】メインコンピュータ41は、走査カウンタ
37およびエンコーダカウンタ38からのカウント値を
随時読み出して、データ処理に用いている。
【0039】マーキング装置51は、受光部20より下
流側の被検シート1の端部に設置されており、欠陥を検
出したときに、メインコンピュータ41からのマーキン
グ指示によって、この被検シート1の端部に欠陥の存在
を示すマーキングを行っている。
【0040】透視装置52は、このマーキング装置51
より下流側の被検シート1の近隣に設置されており、複
数の蛍光灯と、被検シート1に対向する面に設けられた
乳白色の板とから構成されている。作業者は、必要に応
じて透視装置52の蛍光灯を点灯させて、被検シート1
に光を照射して、検出した欠陥を目視で確認する。
【0041】次に、図1に示した欠陥検出装置を用いた
欠陥検出について説明する。この装置では、光源に波長
約670nmの半導体レーザを用い、出力する光ビーム
の直径を、被検シート上で100μmとなるように調整
する。1つの投光部で検査できる被検シートの幅が、最
大約550mmであるため、投光部および受光部を3台
づつ図1のS方向に並列に設置して、幅が約1500m
mまでの被検シートの検査に対応できるようにしてあ
る。また、これよりも幅の広い被検シートの検査には、
投光部および受光部の数をさらに追加して対応すればよ
い。
【0042】投受光部の校正には、拡散板(#150
0)とカメラ用NDフィルタ(1/4)を組み合わせた
もの(調整フィルタと呼ぶ)を用いて行った。調整フル
ルタの本来の目的は基準拡散光を得ることにあるから拡
散板のみあればよいが、光電変換を行うフォトマル出力
が飽和するのを防ぐためにNDフィルタを組み合わせ、
調整フィルタのエッジ部での乱反射を防ぐためフィルタ
周囲を黒紙でマスク処理している。
【0043】受光部の光入射窓上に調整フィルタを設置
し、窓に沿って一端から他端へ10cm/sec程度の
ゆっくりとした速度で移動する。この間フォトマルから
の受光信号をデジタル式オシロスコープで画面を消去せ
ず、連続表示することで幅方向の各位置での強度分布が
記録される。この分布のおおよその平均レベルを求め、
3台の投受光部の平均レベルを同程度(約700mV)
になるように各フォトマルの印加電圧を調整した。
【0044】また、3台の投受光部での検出位置の校正
のため、検出装置の中に座標系を設置する。CH2(チ
ャンネル2、他も同様)の受光部中央の座標C2(0,
0)とおき、3台の機械的な配置からCH1の受光部中
央をC1(−DT,+DM)、CH3の受光部中央をC
3(+DT,−DM)とおく。
【0045】各受光部での幅方向位置の検出は、走査基
準位置検出用受光器23が光を受けてからカウントした
クロックカウンタ値から求める。各チャンネル中央位置
におけるクロックカウント値を実測で測定しておき、各
チャンネル中央位置の座標とクロック値との対応で位置
の校正を行う。実施例では、DT=550mm、DM=
400mm、C1、C2、C3の各クロック値は被検シ
ートの対応位置にマークしたものを受光部で検出した実
測値からCK1=7078、CK2=7128、CK3
=7107とした。
【0046】被検シート上での1クロックの長さは、走
査方向(θ=20°)で46μm、幅方向でTs=43
μm、走行方向でMs=16μmとした。
【0047】例えば、CH1の受光部で検出したクロッ
ク位置をt1とすると、装置の座標系でのTD位置x
[mm]、MD位置y[mm]は次式で計算する。 x=(t1−CK1)*Ts−DT y=(t1−CK1)*Ms+DM
【0048】次にメインコンピュータ41による周期判
定のデータ処理手順を説明する。図4に処理全体の流れ
を示す。検出した欠陥の個数をN個とし、各欠陥はMD
位置の小さい順に1〜Nまでの欠陥番号が割り当てられ
ている。各欠陥の位置データをTD位置の昇順(または
降順)で、TD位置が同一の場合はMD位置の昇順(ま
たは降順)となるように、2次元のバッファに欠陥番号
を格納する。2次元バッファの大きさはTDの幅とTD
位置の分解能とTDの各位置の余裕をみた欠陥の個数で
決まるが、本実施例ではTD測定幅1500mm、TD
分解能1mmを考慮して1500×200のバッファを
使用した。2次元バッファに欠陥番号を格納する際、T
D位置許容範囲内にある2次元バッファ全てに同一の欠
陥番号を格納する。TD位置許容範囲は可変であるが実
施例では±2mmとした(ステップS1)。
【0049】次に2次元バッファのTDの各位置での欠
陥個数を順次見ていき、個数が正となる部分があれば、
個数が正となるTDの連続部分を取り出してグループ化
し、そのグループの代表となるTD位置を求める(ステ
ップS2)。
【0050】次にグループ化した欠陥の一群において、
MD方向に隣接する欠陥のMD位置の差分を計算し、そ
れらの差分を昇順(または降順)に並び換え、差分値が
MD位置許容範囲内のものは同一値と見なして平均をと
るなどして差分値を一つに統合する。差分値を統合する
毎に、その差分値に統合された個数をカウントしてお
く。また差分値を一度統合する毎に差分値の種類数は1
個減少する。さらに被検シート製造工程で使用している
ロール周期の下限値より小さな差分値を無効とする(ス
テップS3)。
【0051】次に差分値の要素で整数倍の関係となる組
み合わせがあったとき、小さい方の値を基本周期とし、
大きい方の値を整数倍周期(倍周期と呼ぶ)として、倍
周期と基本周期に統合する。統合は、倍周期(基本周期
のK倍とする)と基本周期をK対1で加重平均するなど
して1つの値にまとめ、基本周期の個数に倍周期の個数
を加えたものを新たに基本周期の個数とする。周期の種
類数はステップS3と同様に一度統合する毎に1個減少
する(ステップS4)。
【0052】次に差分値の要素から2数a、b(b>
a)を取り出して、求めた最大公約数がロールの下限値
以上で、取り出した2数の小さい方(a)の値を最大公
約数で割ったときの剰余がMD位置許容範囲以下のと
き、この最大公約数を基本周期として取り出した2数を
基本周期に統合する。統合は2数それぞれの基本周期に
対する倍率をL倍、M倍としたとき、2数の和(a+
b)を(L+M)で割った値をあらためて基本周期とし
て統合する。統合した基本周期の個数は取り出した2数
それぞれの個数の和とする。実施例では最大公約数の値
は、取り出した2数の小さい方(a)の1/5倍の低い
基本周期までにとどめた(ステップS5)。
【0053】次に同一TD内の欠陥から2個を取り出
す。この2個の取り出し方は同一TDの欠陥をMD順に
並べたとき、先頭から1番目にある欠陥を取り出し、さ
らに2番目以降の欠陥から順次1個をとることで2個の
欠陥を取り出す。2個目に取り出す欠陥が最後の1個ま
で行ったときは、第1の数字を今の値の次の値として、
同様の手順で2個の欠陥を取り出す。取り出した2個の
欠陥のMD位置の差分値を基本周期で割ったときの剰余
が、最初にMD位置許容範囲以下になったとき、この2
個の欠陥を基本周期に対応する先頭の欠陥と第2の欠陥
と判定する。MD位置の基準を先頭欠陥のMD位置とし
て、MD位置で第2欠陥以降にくる欠陥を順次取り出
し、先頭の欠陥と取り出した欠陥との2個の欠陥で同様
の判定を繰り返して、個々の欠陥が基本周期に該当する
欠陥であるかどうかを判定する。これを同一TD内の全
ての基本周期で判定する(ステップS6)。
【0054】ステップS2で複数のTD位置で欠陥群が
あれば、一群づつ順次取り出して、ステップS3からス
テップS6までの操作を繰り返す。この判定はステップ
S7で行う。以上の手順により、判定した結果を帳票等
に出力する。
【0055】以下に、欠陥の検出例について説明する。
検査対象の被検シートとしては、厚さが約14μm、幅
が1014mmのポリエチレンテレフタレートフィルム
を用い、図1に示した搬送系で、6m/minの一定速
度で走行させて検査を行った。
【0056】図5は、測定器で検出した欠陥の表示例を
示している。17個の欠陥を検出し、それぞれの欠陥に
対するMD位置とTD位置の一覧を示している。
【0057】図6は、TD別バッファの一部分を示して
いる。最上段の数字はTD位置(mm)で、その下の丸
印を付けた数字が検出した欠陥の番号を示し、丸印の前
後に2個づつ同一数字を上方につめて格納している。丸
印の前後にも同一の欠陥番号を格納することでTD方向
の許容範囲内の位置ずれに対処している。
【0058】図7は、図6のTD別バッファの各TDに
おける欠陥の個数をカウントしたものである。これを使
ってn[i](i=0,・・,1499)を順次見てい
くことで、この例ではTD=283付近に一群の欠陥が
あることがわかる。具体的には個数が1個以上となる連
続区間を見つけ、その中で個数が最大となる位置を抽出
する。TD=281〜284までが各8個と最大値を示
すが、最大値が連続している区間の端部よりも中央付近
(TD=282または283)を抽出する方が精度は向
上する。
【0059】以下の説明では周期欠陥の検出漏れなどの
説明の都合で、端部であるTD=281を抽出する。
【0060】図8は、抽出したTD=281のTDバッ
ファに含まれる欠陥の抽出例(1)を示している。最上
段に欠陥番号、2段目がTD位置、3段目がMD位置、
4段目がMD位置の差分、5段目が差分した値を昇順に
並べ換えたもの(差分ソート)を示している。
【0061】次に、差分ソート値から2個の要素a,b
(b>a)を選択する。ここでa,bの選択の仕方は差
分ソートの値から繰り返し操作でまず1個選択し、さら
に下の階層の繰り返し操作でもう1個選択する方法で実
現できる。
【0062】a,bに対して割算b/aから商と余りを
計算する。余りの値は−a/2〜+a/2の範囲の値と
定義する。この演算は通常の剰余計算で余りがa/2よ
り大きいとき、商を1増加させ、余りからaを減算する
ことで実現できる。
【0063】剰余を計算したとき、商が1で余りの絶対
値がMD位置許容値(例えば15)以下の場合は、同一
の周期と判定して統合し、同一周期の個数を1増加す
る。このような判定を順次行っていき、周期の種類数と
それぞれの周期に含まれる個数を計算する。なお、同一
種類の周期に含まれる要素の個数が2個以上の場合はそ
れらの平均値をあらためて周期の値とする。図8の例
で、同周期統合(個数)は39(1個)、647(5
個)、1255(1個)となる。
【0064】次に最小ロールピッチより小さい場合を無
効として除外する。図8の例では、例えば200mmを
最小ロールピッチとすると、39は無効となる。
【0065】次に倍周期判定の説明のため、図9に別の
欠陥抽出例(2)を示す。同周期統合から2個の要素を
選択する。例えば第2要素(999)と第3要素(19
97)との剰余演算は、 1997/999=2・・・−1 となって許容値15mm以下であるので、整数倍と判断
して999(3個)と、1997(1個)を統合して、
999(4個)とする。周期性のある欠陥の抜けが少数
の場合は差分ソート値の中に基本周期が含まれているた
め、倍周期判定のみで統合化の操作は十分であるが、検
出条件が悪く、周期欠陥の抜けが多い場合には、差分ソ
ート値の中に基本周期がない場合がある。
【0066】次に半周期判定の説明のため、図10に別
の欠陥抽出例(3)を示す。この例では同周期統合の結
果、2種類の周期が得られているが、本来の基本周期5
00が表面化しないため、単純な周期判定では周期の統
合ができない。
【0067】前段階までの判定と同様の方法で半周期統
合したものから2個の要素を選択し、この2数から最大
公約数を求めて基本周期とするが、計算時間や実際のロ
ールピッチの下限値を考慮するとあまり小さな公約数ま
で求めるのは効率が悪い。そこで、本実施例では簡略的
手法として検出した欠陥間隔の1/5倍以上のものを効
率的に検出する手法を用いた。なお、どの比率まで求め
るかは適宜決める。
【0068】図11は2数a,bの例とその基本周期と
の対応を、また、増減周期とは2数の差とaとの割合を
示している。
【0069】2数a,b(b>a)のaに対して1/
2,1/3,1/4,1/5周期を計算して、バッファ
Rs[i]に格納する。また、比率計算の補助としてU
[i]、D[i]を定義する。 Rs[0]=a/2;Rs[1]=a/3;Rs[2]
=a/4;Rs[3]=a/5;Rs[4]=a*2/
5; U[0]=1;U[1]=1;U[2]=1;U[3]
=1;U[4]=2; D[0]=2;D[1]=3;D[2]=4;D[3]
=5;D[4]=5
【0070】b/aの商と剰余(符号をSg絶対値をR
eとする)を次のように求める。 b/a=Qu・・・Sg*Re
【0071】剰余絶対値ReとバッファRs[i]の差
がMD位置許容値(15mm)以下の場合は、iに対応
するU[i]とD[i]から基本周期Tmを次式で計算
する。 Tm=(a+b)/((Qu+1)*D[i]+Sg*
U[i])
【0072】図11のNo=9を例として低周期の計算
法を説明する。 a=1800;b=2880; Rs[0]=900;Rs[1]=600;Rs[2]
=450;Rs[3]=360;Rs[4]=720; b/a=2880/1800=2・・・−720 より、Qu=2、Sg=−1、Re=720となり、剰
余の絶対値がRs[4]に一致する(許容値との比較で
判定)ので、i=4となる、したがって、これに対応す
るU[4]=2、D[4]=5を得る。
【0073】以上の値から基本周期Tmを計算すると、 Tm=(2880+1800)/((2+1)*5−1
*2)=4680/13=360 となり、1800と2880からは1/5倍の基本周期
360mmを検出する。
【0074】基本周期が発見された場合は、他の要素に
対しても同一の基本周期がないかをチェックし、もし他
にも同一基本周期があればそれらを統合するが、この場
合の周期の値は統合する全体から再度平均値を計算して
改めて基本周期とし、以降の操作を考慮してバッファ内
の周期種類を昇順にソートし、再度倍周期判定を行う。
【0075】図10の欠陥例(3)では、a=100
0、b=1500から同様の計算で Tm=(100+1500)/((1+1)*2+1*
1)=2500/(4+1)=500 から基本周期500mmとその要素5個が判定される。
また図8の欠陥例(1)では倍周期判定、半周期判定で
新たな周期は発見されなかったので同周期統合後の有効
判定の結果が最終的に得られる。
【0076】以上の操作により同一TDにおける周期判
定が完了する。次に周期欠陥の要素数が2個以上のもの
を周期欠陥と確定する。全測定における周期欠陥の種類
数の計算は、確定した周期欠陥の個数で数える。
【0077】ここで、周期判別により得られた基本周期
をもとに同一TD内の欠陥全てについて、この周期欠陥
に該当するかどうかを判定する。
【0078】図8の欠陥の例について周期欠陥の確定手
順について説明する。図8で抽出した欠陥8個から2個
を取り出す。2個の取り出し方は、8個の内から2個取
り出す全ての組み合わせで行い、欠陥個数8個の場合、
28通りとなる。
【0079】取り出した2個のMD位置の差分値が得ら
れた基本周期647の(許容値以内で)整数倍となるか
を判定し、整数倍となった場合はその2個を同一周期と
確定する。基本周期に該当する2個が最初に発見された
とき、2数でMDが小さい方を周期欠陥の先頭とし、他
方を2番目とする。以降は先頭と判定した欠陥のMD位
置を基準として、残りの各欠陥のMD位置との差分が基
本周期の整数倍になるかを順次判定する。基本周期が複
数得られている場合は、残りの基本周期についても同様
に順次判定していく。
【0080】以上の操作により同一TDに含まれる欠陥
全てについて基本周期に該当するかどうかが判定され、
基本周期に属する欠陥の中で何番目の欠陥であるかも判
定される。この手法によれば、周期欠陥の一部に抜けが
生じた場合は、周期欠陥の先頭からの番号付けも対応し
た番号が抜けるため、検出漏れが明確にわかるようにな
る。図8の例では、欠陥番号1を先頭としたとき、欠陥
番号4、10、12、15、17とのMD位置の差分が
基本周期の整数倍となり、これら6個を周期欠陥と判定
する。
【0081】なお、図8の欠陥抽出の際、説明の都合で
TD=281を抽出したが、欠陥個数の極大位置判定法
を変えてTD=282を抽出した場合は欠陥番号5、8
が欠陥番号7、9に置き換わるため、周期欠陥の個数は
8個に向上する。また、極大位置判定法が同一でも、T
D位置許容値2mmを3mmに変更すると周期欠陥の個
数は同様に8個となる。
【0082】図12に図5の欠陥に対する周期判定の結
果出力の例を示す。同一種類の周期欠陥に同一の識別マ
ーク(A)をつけるとともに、同一種類の周期欠陥の中
で何番目の欠陥であるかを明示している。
【0083】また、図13に測定した被検査物のマップ
出力の例を示す。このマップから、TD=280付近に
周期欠陥が検出できていることがよくわかる。
【0084】〔実施例2〕実施例2は実施例1の欠陥検
出装置と周期判定方法のみ異なる装置を同じ検査条件で
用いた場合の例で、ここでは実施例1と異なる部分であ
るメインコンピュータ41による周期判定のデータ処理
手順のみを説明する。
【0085】図14は処理全体の流れを示す。検出した
欠陥の個数をN個とし、各欠陥はMD位置の小さい順に
1〜Nまでの欠陥番号が割り当てられている。各欠陥の
位置データをTD位置の昇順(または降順)で、TD位
置が同一の場合はMD位置の昇順(または降順)となる
ように、2次元のバッファに欠陥番号を格納する。
【0086】2次元バッファの大きさはTDの幅とTD
位置の分解能とTDの各位置の余裕をみた欠陥の個数で
決まるが、本実施例ではTD測定幅1500mm、TD
分解能1mmを考慮して1500×200のバッファを
使用した。2次元バッファに欠陥番号を格納する際、T
D位置許容範囲内にある2次元バッファ全てに同一の欠
陥番号を格納する。TD位置許容範囲は可変であるが実
施例では±1mmとした。(以上、ステップS1)
【0087】次に各TD位置毎の欠陥群において、MD
位置の差分演算を行い基本周期の計算を行う。差分演算
は最後尾にある欠陥が先頭からm番目にあるとして、先
頭からi番目の欠陥について注目し、i番目とi+1番
目、i番目とi+2番目、・・・、i番目とi+n番目
という順番で、i番目とi+n番目の距離がi番目とm
番目の距離の1/3以上になるまで行う。さらに被検シ
ート製造工程で使用しているロール周期の下限値より小
さな基本周期を無効とする。(ステップS2)
【0088】次に同一TD内の欠陥から2個を取り出
す。この2個の取り出し方は同一TDの欠陥をMD順に
並べたとき、先頭から1番目にある欠陥を取り出し、さ
らに2番目以降の欠陥から順次1個を取ることで2個の
欠陥を取り出す。2個目に取り出す欠陥が最後の1個ま
で行ったときは、最初に取り出す欠陥を順次の欠陥とし
て、同様な手順で2個の欠陥を取り出す。取り出した2
個の欠陥のMD位置の差分値を基本周期で割ったときの
剰余が、最初にMD位置許容範囲以下になったとき、こ
の2個の欠陥を基本周期に対応する先頭の欠陥と第2の
欠陥と判定する。(ステップS3)
【0089】MD位置の基準を先頭欠陥のMD位置とし
て、MD位置で第2欠陥以降にくる欠陥を順次取り出
し、先頭の欠陥と取り出した欠陥との2個の欠陥で同様
の判定を繰り返して、個々の欠陥が基本周期に該当する
欠陥であるかどうかを判定する。これを同一TD内の全
ての基本周期で判定する。(ステップS4)
【0090】周期欠陥であることが既知である欠陥を除
いて注目欠陥番号iが1からm−1番になるまでステッ
プS2からステップS4までの操作を繰り返す。(ステ
ップS5)
【0091】更にステップS1で複数のTD位置で欠陥
群があれば、一群づつ順次取り出して、ステップS2か
らステップS5までの操作を繰り返す。以上の手順によ
り、判定した結果を帳票等に出力する。
【0092】以下に検出した欠陥の例を挙げて説明す
る。図15は、測定器で検出した欠陥の例を示してい
る。また、図16に前述の2次元バッファに欠陥データ
を格納した様子を示す。格納に際しては測定時のTD位
置変動に対応するため、本来のTD位置に対してTDの
許容範囲である±1mmの範囲に同じデータを入れた。
【0093】図16においてTD位置t2を抜き出して
示した図17を例にとると、基本周期の計算方法は先ず
m1の欠陥に注目しm1とm2、m3、・・・m12の
差を計算し、つぎにm2の欠陥に注目しm2とm3、m
4、・・・m12の差を計算し、同様のことを注目欠陥
がm11の欠陥になるまで繰り返すことで計算する。
【0094】ただし、全ての欠陥間を基本周期として周
期判定を行うことは現実的でないので次のような方法で
計算負荷の低減を行った。 (a)本方法では3個以上の欠陥が周期的に並んでいて
初めて周期欠陥と判定するので、基本周期の計算範囲は
注目欠陥と最後の欠陥間の距離の1/3の範囲とする。 (b)一定周期性欠陥と判定された欠陥は基本周期を求
める際に注目欠陥としない。
【0095】この方法を用いた計算例を図18および図
19を用いて説明する。図18においてMD位置がm1
の欠陥に注目し、基本周期s1、s2、s3、s4を計
算する。次にm1を起点として基本周期間隔で存在する
欠陥をチェックする。3欠陥以上存在するのは基本周期
がs2の時なので、これらの欠陥(m1、m3、m4、
m5、m7、m8、m9、m11、m12)にマークを
付ける。
【0096】次に図19において前過程でマークがつい
ていない欠陥でMD位置の一番若いm2の欠陥に注目す
る。前過程と同様に基本周期s1、s2、s3、s4を
計算する。次にm2を起点として基本周期間隔で存在す
る欠陥をチェックする。3欠陥以上存在するのは基本周
期s4の時なので、これらの欠陥(m2、m6、m1
0)にマークを付ける。
【0097】更に以前の過程でマークがついていない欠
陥を探し、注目欠陥が最後から2番目のものになるか、
マーク無しの欠陥が無くなるかするまでこれまでの過程
を繰り返す。図18および図19において60は注目欠
陥を示している。この様にして最終的に基本周期はP1
とP2が検出される。
【0098】以上実施例1で具体的な手法を説明したよ
うに、走行するシート状物体から周期的な欠陥や周期的
な印刷汚れなど、周期を持った対象を検出する場合に本
発明を実施し、被検査物から得られた欠陥などの幅方向
の位置データと走行方向の位置データをもとに、まず幅
方向の位置が同一の欠陥をグループ化し、グループ内の
欠陥の、走行方向の位置の間隔(差分)を計算し、それ
らの差分値の中から基本周期となるものを算出する。基
本周期の算出は、差分値の中で重複する値、整数倍の値
および逆数倍の値を除くことで算出する。
【0099】グループ内の欠陥から一つの基本周期に当
てはまる欠陥を判定し、また基本周期に当てはまる欠陥
の中で、先頭から何周期目の欠陥であるかの周期番号を
判定し、検出結果の出力で基本周期と周期番号を明示す
る検出方法および装置に実施する。
【0100】また、実施例2で具体的な手法を説明した
ように、走行するシート状物体から周期的な欠陥や周期
的な印刷汚れなど、周期を持った対象を検出する場合に
本発明を実施し、被検査物から得られた欠陥などの幅方
向の位置データと走行方向の位置データをもとに、周期
欠陥であるか不明の欠陥に対し、走行方向の位置の間隔
(差分)を計算し、それらの差分値の中から基本周期と
なるものを算出する。基本周期の算出は、差分値の中で
重複する値、整数倍の値を引くことで算出する。
【0101】予め設定したTD位置許容範囲内にある欠
陥群の中から基本周期に当てはまる欠陥を判定し、また
基本周期に当てはまる欠陥の中で、先頭から何周期目の
欠陥であるかの周期番号を判定し、検出結果の出力で基
本周期と周期番号を明示する検出方法および装置に実施
する。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、例え
ば、走行中の帯状被検シートに、光ビームを該被検シー
トの幅方向に走査して照射し、該被検シートからの拡散
光を受光するなどして、被検シートの欠陥を検出するに
際し、検出した欠陥番号を、幅方向の位置別バッファへ
格納し、バッファの幅方向許容範囲にも同一の欠陥番号
を格納するため、周期欠陥の位置が幅方向にばらついて
も同一の周期欠陥と判定できる。
【0103】また周期性判定において、幅方向位置が同
一の欠陥について欠陥の走行方向の位置の差分から求め
た周期欠陥の中で、走行方向の許容範囲で同一となるも
の、整数倍となるものや逆数倍となるものを判別するた
め、周期欠陥の欠陥位置が走行方向にばらつきを生じた
り、周期欠陥の一部に抜けが生じても同一の周期欠陥で
あること容易に判定できる。
【0104】また、実施例1では検出欠陥数やノイズな
どが少ない場合に有効であるが、欠陥数やノイズが多か
ったり、同じTD位置に複数の周期をもつ欠陥が存在す
る場合には実施例2で説明した周期判定方法を用いるこ
とにより、計算時間を増加させることなく、より判定ミ
スが少なく欠陥周期を判定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る周期欠陥検出方法をシートの欠陥
検出に適用した装置の一実施例を示す概略構成図であ
る。
【図2】図1に示した受光部の2本受光方式化を示す概
略構成図である。
【図3】図1に示したデータ処理部の一実施例を示すブ
ロック図である。
【図4】周期判定方法のフローチャートである。
【図5】検出した欠陥データの例である。
【図6】図5のデータを用いてTD別バッファへ欠陥番
号を格納した例を示す図である。
【図7】図5のTD別バッファの各個数を示した例を示
す図である。
【図8】図5、図6から欠陥を抽出した例(1)を示す
図である。
【図9】欠陥を抽出した例(2)を示す図である。
【図10】欠陥を抽出した例(3)を示す図である。
【図11】差分値と基本周期の対応例を示す図である。
【図12】図5の欠陥に対する周期判定結果の例を示す
図である。
【図13】図12の結果をマップに出力した図である。
【図14】実施例2記載の周期判定方法のフローチャー
トである。
【図15】検出した欠陥データの例である。
【図16】図15のデータを用いてTD別2次元バッフ
ァへ欠陥番号を格納した例を示す図である。
【図17】図15、図16から欠陥を抽出した例を示す
図である。
【図18】基本周期の計算例(1)を示す図である。
【図19】基本周期の計算例(2)を示す図である。
【符号の説明】
1 被検シート 2 巻出しロール 3 巻取りロール 4 モータ 5 欠陥 10 投光部 11 レーザ光源 12 集光レンズ 13 モータ 14 ポリゴンミラー 15 集光レンズ 20 受光部 21 光ロッド 22 光電子増倍管 23 受光器 30 データ処理部 31 アンプ 32 A/D変換装置 33 比較器 34 クロク発生回路 35 クロックカウンタ 36 比較器 37 走査カウンタ 38 エンコーダ 39 書き込み信号発生回路(異常検出手段) 40 記憶装置(記憶手段) 41 メインコンピュータ(検知手段、変換手段、認識
手段、方向算出手段、周期性認識手段および判定手段) 42 モニタ 43 プリンタ 51 マーキング装置 52 透視装置 53 ロール 54 エンコーダ 60 注目欠陥

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行するシート状物体に光を投射し、反
    射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠
    陥を検出する欠陥検出方法において、シート状物体から
    検出された欠陥データのうちの少なくとも走行方向の位
    置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデー
    タを用い、まずTD位置ごとに予め設定したTD位置許
    容範囲内で近接する欠陥同士を同一のグループに分類
    し、各同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向
    に隣接している欠陥のMD位置の差分演算を行い、得ら
    れた1個以上の差分値を基本周期として、あらためて該
    TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先
    頭の欠陥がどれかを判定し、先頭の欠陥以降のMD位置
    にある欠陥を順次1個づつ取り出し、取り出した欠陥と
    先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が
    基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基
    本周期と同一の周期欠陥と判定することを特徴とする周
    期欠陥検出方法。
  2. 【請求項2】 走行するシート状物体に光を投射し、反
    射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠
    陥を検出する欠陥検出方法において、シート状物体から
    検出された欠陥データのうちの少なくとも走行方向の位
    置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデー
    タを用い、まずTD位置ごとに予め設定したTD位置許
    容範囲内で近接する欠陥同士を同一のグループに分類
    し、各同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向
    に隣接している欠陥のMD位置の差分演算を行い、得ら
    れた1個以上の差分値を基本周期として、あらためて該
    TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先
    頭の欠陥がどれかを判定し、先頭の欠陥以降のMD位置
    にある欠陥を順次1個づつ取り出し、取り出した欠陥と
    先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が
    基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基
    本周期と同一の周期欠陥と判定し、該整数倍の倍率また
    はその倍率に1を加えた値を表示することを特徴とする
    周期欠陥検出方法。
  3. 【請求項3】 走行するシート状物体に光を投射し、反
    射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠
    陥を検出する欠陥検出方法において、シート状物体から
    検出された欠陥データのうち少なくとも走行方向の位置
    (MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータ
    を用い、まず、各TD位置に対してそのTD位置を中心
    として予め設定したTD位置許容範囲内の欠陥に対して
    すべての欠陥の組み合わせでMD位置の差分演算を行
    い、得られた1個以上の差分値を基本周期として、あら
    ためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該
    当する先頭の欠陥がどれか判定し、先頭欠陥以降のMD
    位置にある欠陥を順次1個取り出し、取り出した欠陥と
    先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が
    基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基
    本周期と同一の周期欠陥と判定し、次にTD位置が隣接
    し周期の同じ周期欠陥同士を同一のグループに分類する
    ことを特徴とする周期欠陥検出方法。
  4. 【請求項4】 走行するシート状物体に光を投射し、反
    射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠
    陥を検出する欠陥検出方法において、シート状物体から
    検出された欠陥データのうち少なくとも走行方向の位置
    (MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータ
    を用い、まず、各TD位置に対してそのTD位置を中心
    として予め設定したTD位置許容範囲内に欠陥に対して
    すべての欠陥の組み合わせでMD位置の差分演算を行
    い、得られた1個以上の差分値を基本周期として、あら
    ためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該
    当する先頭の欠陥がどれか判定し、先頭欠陥以降のMD
    位置にある欠陥を順次1個取り出し、取り出した欠陥と
    先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が
    基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基
    本周期と同一の周期欠陥と判定し、次にTD位置が隣接
    し周期の同じ周期欠陥同士を同一のグループに分類し、
    同一グループに分類した周期欠陥の中で、整数倍の倍率
    または倍率に1を加えた値を表示することを特徴とする
    周期欠陥検出方法。
  5. 【請求項5】 TD位置許容範囲内で近接する欠陥同士
    を同一のグループに分類するに際し、幅方向の個数が欠
    陥検出の幅方向分解能の範囲内の個数で、走行方向の個
    数が同一TD位置で予想される欠陥個数の最大値以上と
    なる2次元バッファを用意し、先頭欠陥の番号を1とし
    て欠陥のMD位置の順に各欠陥に番号を付しておき、番
    号順に取り出した欠陥のTD位置に対応する、前記2次
    元バッファに欠陥番号を格納し、さらにTD位置許容範
    囲で示される値以内に近接する2次元バッファのTD位
    置にも同一の欠陥番号を格納し、欠陥番号格納の際に、
    該当するTD位置のバッファにすでに別の欠陥番号が格
    納されていたときは、2次元バッファの同一TD位置で
    走行方向に次にくる場所の2次元バッファに欠陥番号を
    格納していき、全ての欠陥の番号を2次元バッファに格
    納した後、2次元バッファの各TD位置に格納されてい
    る欠陥の個数を順次見ていき、欠陥個数が1個以上とな
    る連続領域を存在するだけ捜し、連続領域を順に取り出
    し、この中で欠陥の個数が最大となるTD位置をその連
    続領域の代表TD位置として、2次元バッファの代表T
    D位置に格納された番号の欠陥を同一の欠陥グループと
    して分類する、請求項1または2の周期欠陥検出方法。
  6. 【請求項6】 TD位置で同一グループに分類した欠陥
    群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差
    分演算から基本周期を算出するに際し、演算した差分値
    同士で、予め設定したMD位置許容範囲内で、一致する
    差分値があれば、一致する差分値の平均値を基本周期に
    する、請求項1または2に記載の周期欠陥検出方法。
  7. 【請求項7】 TD位置で同一グループに分類した欠陥
    群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差
    分演算から基本周期を演算するに際し、演算した差分値
    同士の比較で、予め設定したMD位置許容範囲誤差で、
    整数倍となるものがあれば、倍率を考慮した加重平均値
    を基本周期にする、請求項1または2に記載の周期欠陥
    検出方法。
  8. 【請求項8】 TD位置で同一グループに分類した欠陥
    群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差
    分演算から基本周期を演算するに際し、得られた差分値
    が2個以上の場合に、差分値の中から全ての組み合わせ
    で2数を取り出し、その最大公約数が予め設定した周期
    の下限値以上であるとき、この最大公約数の値を基本周
    期にする、請求項1または2に記載の周期欠陥検出方
    法。
  9. 【請求項9】 得られた1個以上の差分値を基本周期と
    して、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基
    本周期に該当する先頭の欠陥がどれかを判定するに際
    し、該TD位置における欠陥から1番目と2番目、1番
    目と3番目という順で、全ての組み合わせで2個の欠陥
    を取り出し、この2個の欠陥のMD位置の差分値が最初
    に基本周期の整数倍となったとき、この2個の欠陥のM
    D位置の小さい方を基本周期に該当する先頭の欠陥と判
    定する、請求項1ないし8のいずれかに記載の周期欠陥
    検出方法。
  10. 【請求項10】 各欠陥のMD位置の差分演算を行なう
    に際し、最後尾にある欠陥が先頭からm番目にあるとし
    て、先頭からi番目の欠陥について注目し、i番目とi
    +1番目、i番目とi+2番目、・・・、i番目とi+
    n番目という順番で、i番目とi+n番目の距離がi番
    目とm番目の距離の1/3になるまで差分演算を行うこ
    とを特徴とする請求項3または4に記載の周期欠陥検出
    方法。
  11. 【請求項11】 各欠陥のMD位置の差分演算を行なう
    に際し、先頭からi番目の該注目欠陥が請求項3または
    4または9に記載の周期欠陥判定方法によって、周期欠
    陥であることが未知である場合のみ、該注目欠陥を基に
    基本周期を計算することを特徴とする請求項3または4
    に記載の周期欠陥検出方法。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    の周期欠陥検出方法を用いてプラスチックフィルムを製
    造する、プラスチックフィルムの製造方法。
  13. 【請求項13】 走行するシート状物体に光を投射し、
    反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する
    欠陥を検出する欠陥検出装置において、シート状物体か
    ら検出された欠陥データのうちの少なくとも走行方向の
    位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデ
    ータを用い、まずTD位置ごとに予め設定したTD位置
    位置許容範囲内で近接する欠陥同士を同一のグループに
    分類する手段と、各同一グループに分類した欠陥群の中
    で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差分演算
    を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期とする手
    段と、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基
    本周期に該当する先頭の欠陥がどれかを判定する手段
    と、先頭の欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個づ
    つ取り出し、取り出した欠陥の先頭の欠陥とのMD位置
    の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となっ
    た場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥
    と判定する手段とを有することを特徴とする周期欠陥検
    出装置。
  14. 【請求項14】 走行するシート状物体に光を投射し、
    反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する
    欠陥を検出する欠陥検出装置において、シート状物体か
    ら検出された欠陥データのうちの少なくとも走行方向の
    位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデ
    ータを用い、まずTD位置ごとに予め設定したTD位置
    位置許容範囲内で近接する欠陥同士を同一のグループに
    分類する手段と、各同一グループに分類した欠陥群の中
    で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差分演算
    を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期とする手
    段と、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基
    本周期に該当する先頭の欠陥がどれかを判定する手段
    と、先頭の欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個づ
    つ取り出し、取り出した欠陥の先頭の欠陥とのMD位置
    の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となっ
    た場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥
    と判定する手段と、該整数倍の倍率またはその倍率に1
    を加えた値を表示する手段とを有することを特徴とする
    周期欠陥検出装置。
  15. 【請求項15】 走行するシート状物体に光を投射し、
    反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する
    欠陥を検出する欠陥検出装置において、シート状物体か
    ら検出された欠陥データのうち少なくとも走行方法の位
    置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデー
    タを用い、まず、各TD位置に対してそのTD位置を中
    心として予め設定したTD位置許容範囲内の欠陥に対し
    てすべての欠陥の組み合わせでMD位置の差分演算を行
    い、得られた1個以上の差分値を基本周期とする手段
    と、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本
    周期に該当する先頭の欠陥がどれか判定する手段と、先
    頭欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個取り出し、
    取り出した欠陥と先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算
    し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取
    り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定する手
    段と、次にTD位置が隣接し周期の同じ周期欠陥同士を
    同一のグループに分類する手段とを有することを特徴と
    する周期欠陥検出装置。
  16. 【請求項16】 走行するシート状物体に光を投射し、
    反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する
    欠陥を検出する欠陥検出装置において、シート状物体か
    ら検出された欠陥データのうち少なくとも走行方向の位
    置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデー
    タを用い、まず、各TD位置に対してそのTD位置を中
    心として予め設定したTD位置許容範囲内の欠陥に対し
    てすべての欠陥の組み合わせでMD位置の差分演算を行
    い、得られた1個以上の差分値を基本周期とする手段
    と、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本
    周期に該当する先頭の欠陥がどれか判定する手段と、先
    頭欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個取り出し、
    取り出した欠陥と先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算
    し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取
    り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定する手
    段と、次にTD位置が隣接し周期の同じ周期欠陥同士を
    同一のグループに分類し、同一グループに分類した周期
    欠陥の中で、整数倍の倍率または倍率に1を加えた値を
    表示する手段とを有することを特徴とする周期欠陥検出
    装置。
  17. 【請求項17】 TD位置許容範囲内で近接する欠陥同
    士を同一のグループに分類する手段は、幅方向の個数が
    欠陥検出の幅方向分解能の範囲内の個数で、走行方向の
    個数が同一TD位置で予想される欠陥個数の最大値以上
    となる2次元バッファをもち、先頭欠陥の番号を1とし
    て欠陥のMD位置の順に各欠陥に番号を付しておき、番
    号順に取り出した欠陥のTD位置に対応する、前記2次
    元バッファに欠陥番号を格納する手段と、さらにTD位
    置許容範囲で示される値以内に近接する2次元バッファ
    のTD位置にも同一の欠陥番号を格納する手段と、欠陥
    番号格納の際に、該当するTD位置のバッファにすでに
    別の欠陥番号が格納されていたときは、2次元バッファ
    の同一TD位置で走行方向に次にくる場所の2次元バッ
    ファに欠陥を格納する手段と、全ての欠陥の番号を2次
    元バッファに格納した後、2次元バッファの各TD位置
    に格納されている欠陥の個数を順次見ていき、欠陥個数
    が1個以上となる連続領域を存在するだけ捜し、連続領
    域を順に取り出し、この中で欠陥の個数が最大となるT
    D位置をその連続領域の代表TD位置として、2次元バ
    ッファの代表TD位置に格納された番号の欠陥を同一の
    欠陥グループとして分類する手段とを有する、請求項1
    3または14に記載の周期欠陥検出装置。
  18. 【請求項18】 TD位置で同一グループに分類した欠
    陥群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の
    差分演算から基本周期を演算する手段は、演算した差分
    値同士で、予め設定したMD位置許容範囲内で、一致す
    る差分値を判定する手段と、一致する差分値の平均値を
    基本周期にする手段とを有する、請求項13または14
    に記載の周期欠陥検出装置。
  19. 【請求項19】 TD位置で同一グループに分類した欠
    陥群の中で、走行方向に隣接されている欠陥のMD位置
    の差分演算から基本周期を演算する手段は、演算した差
    分値同士の比較で、予め設定したMD位置許容範囲誤差
    で、整数倍となるものを判定する手段と、倍率を考慮し
    た加重平均値を基本周期にする手段とを有する、請求項
    13または14に記載の周期欠陥検出装置。
  20. 【請求項20】 TD位置で同一グループに分類した欠
    陥群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の
    差分演算から基本周期を演算する手段は、得られた差分
    値が2個以上の場合に、差分値の中から全ての組み合わ
    せで2数を取り出し、その最大公約数が予め設定した周
    期の下限値以上であることを判定する手段と、この最大
    公約数の値を基本周期にする手段とを有する、請求項1
    3または14に記載の周期欠陥検出装置。
  21. 【請求項21】 得られた1個以上の差分値を基本周期
    として、あらためて該TD位置における欠陥の中から各
    基本周期に該当する先頭の欠陥がどれかを判定する手段
    は、該TD位置における欠陥から1番目と2番目、1番
    目と3番目という順で、全ての組み合わせで2個の欠陥
    を取り出し、この2個の欠陥のMD位置の差分値が最初
    に基本周期の整数倍となることを判定する手段と、この
    2個の欠陥のMD位置の小さい方を基本周期に該当する
    先頭の欠陥と判定する手段とを有する、請求項13ない
    し20のいずれかに記載の周期欠陥検出装置。
  22. 【請求項22】 各欠陥のMD位置の差分演算を行なう
    に際し、最後尾にある欠陥が先頭からm番目にあるとし
    て、先頭からi番目の欠陥について注目し、i番目とi
    +1番目、i番目とi+2番目、・・・、i番目とi+
    n番目という順番で、i番目とi+n番目の距離がi番
    目とm番目の距離の1/3になるまで差分演算を行う手
    段を有する請求項14または15に記載の周期欠陥検出
    装置。
  23. 【請求項23】 各欠陥のMD位置の差分演算を行なう
    に際し、先頭からi番目の該注目欠陥が請求項14また
    は15または19記載の周期欠陥判定装置によって、周
    期欠陥であることが未知である場合のみ、該注目欠陥を
    基に基本周期を計算する手段を有する請求項14または
    15に記載の周期欠陥検出装置。
  24. 【請求項24】 請求項13ないし23のいずれかに記
    載の周期欠陥検出装置を有するプラスチックフィルムの
    製造装置。
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