JP3158969B2 - フイルムの欠点検出装置およびフイルムの製造方法 - Google Patents

フイルムの欠点検出装置およびフイルムの製造方法

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JP3158969B2 JP16830495A JP16830495A JP3158969B2 JP 3158969 B2 JP3158969 B2 JP 3158969B2 JP 16830495 A JP16830495 A JP 16830495A JP 16830495 A JP16830495 A JP 16830495A JP 3158969 B2 JP3158969 B2 JP 3158969B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子フイルムに発生
した欠点、とくにピンホールを検出する装置、およびそ
の検出装置を用いたフイルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子フイルムを製造する際、特に溶融
成形、延伸等の工程では種々の原因でフイルムに直径数
十μm〜数十mmの大きさのピンホール(穴)があくこ
とがある。このピンホールのあるフイルムが製品として
ユーザーに出荷されると様々な障害の原因になる。例え
ば、フイルムを磁気テープ等の基材として使用する場合
には、製造された磁気テープに残ったピンホールが記
録の欠陥の原因となって製品の不良となる、フイルム
に磁性体を塗布するときに塗液が裏側に滲み出し塗布工
程の装置を汚してしまうため、正常部の裏側を汚染して
不良品にする、汚れた装置を停止してクリーニングす
るために時間と工数を要する、といった問題を引き起こ
し、大幅な収率低下の原因となっていた。
【0003】そこで、ピンホール欠点のある製品をユー
ザーに出荷しないという品質保証のためには、ピンホー
ルを確実に検出することが必要である。また、ピンホー
ル欠点が頻発したり周期的に発生した場合に、早急に製
造工程の対応箇所を修正して不良製品を造らないように
するという工程管理のためにも、ピンホールを迅速かつ
確実に検出することが必要である。特に工程管理のため
には迅速な対応が必要とされるため、例えば延伸工程の
後や、巻き返し工程中に、フイルムを製造しながらオン
ラインでピンホールを検出することが重要である。
【0004】さらに、フイルムの代表的欠陥である黒点
とピンホールとを比較すると、同程度の大きさの欠点で
はピンホールの方がより重大な障害となり、また両者は
発生原因も異なるため品質保証、工程管理のいずれの面
からも両欠点を区別して検出することが重要である。
【0005】従来から、ピンホールおよび黒点の検査装
置として、白色蛍光灯を光源としフイルムを透過させた
光を固体撮像素子で受光するイメージセンサ方式のもの
が知られている。すなわち、フイルムの一面側に白色蛍
光灯、他面側に固体撮像素子を用いた受光部を配置し、
フイルムを透過した光の強度を測定することでフイルム
上のピンホールまたは黒点を検出するものである。この
ときピンホールと黒点とは、映像信号上の観点から、そ
れぞれ明欠陥と暗欠陥とに対応づけられる。
【0006】このような装置を使用した検査において
は、ピンホールと黒点を検出する精度を向上するための
手段として、例えば特開昭62−138740号公報に
は、明欠陥映像信号用AGC(自動感度調整回路)と暗
欠陥映像信号用AGCの2系列のAGC回路を有する方
法が記載されている。この方法では、明欠陥信号微分波
高と暗欠陥信号微分波高は波高値が異なり、1回路のA
GCでは誤差の要因であったのに対し、明欠陥用AGC
と暗欠陥用AGCの2回路の自動感度調整回路を併用し
てより高精度に検出するようにしている。
【0007】しかしながら、上述のように明欠陥映像信
号用AGCと暗欠陥映像信号用AGCを併用した場合で
あっても、光の透過性の高いフイルムにおける小径のピ
ンホール検出は困難である。すなわち、光透過性の高い
フイルムでは、ピンホールを通過した光量とそれ以外を
透過した光量とが近くなるため、明欠陥信号として十分
な出力が得られず判定レベルを設定することが難しい。
さらに、ピンホール周縁では透過光が屈折散乱して受光
部に到達する光量が減少するため、固体撮像素子からの
信号が暗/明/暗と変化し、特に小径のピンホールでは
暗欠陥信号のみが出力されて黒点と誤判定してしまうこ
とがある。すなわち、従来の技術によって光透過性の高
いフイルムにおける小径のピンホールを精度良く検出す
ることは実質的に不可能であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
第1の目的は、光透過性の高いフイルムにおける小径の
ピンホールを精度良く検出できる装置を提供することに
ある。
【0009】また、本発明の第2の目的は、小径のピン
ホールを精度良く検出して、不良フイルムの製造を最小
限にとどめ、歩留まりを高めることのできるフイルムの
製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のフイルムの欠点検出装置は、フイルムの一面
側に光源を配置し、他面側に撮像素子を有する受光部を
配置した欠点検出装置において、前記光源が紫外線光源
であり、前記紫外線光源が、複数本の光学繊維の一端を
線状に並べた出光部を備えており、かつ、前記受光部
が、前記出光部からフイルムに照射された紫外線のうち
フイルムの欠点を通過した紫外線を受光するものである
ことを特徴とするものからなる。
【0011】この欠点検出装置においては、受光部が紫
外線透過フィルタを備えていることが好ましい。また、
上記出光部が、複数の光学繊維を1束に束ねたものを一
定間隔で直線状に配列したものであることが好ましい。
【0012】また、本発明に係るフイルムの製造方法
は、上記のような欠点検出装置によりフイルムのピンホ
ールを検出した結果に基づいてフイルム製造工程を管理
することを特徴とする方法からなる。
【0013】本発明においてフイルムの種類はとくに限
定されないが、本発明装置の適用が好ましいフイルムと
して、たとえばアラミドフイルム、ポリイミドフイル
ム、ポリフェニレンサルファイドフイルムを挙げること
ができる。
【0014】
【作用】本発明において、複数本の光学繊維の一端を線
状に並べた出光部を備えた紫外線光源から発せられた紫
外線はフイルムに照射される。このとき、ピンホール発
生部位では紫外線はそのまま通過するが、その他の部分
では大部分の紫外線が吸収、あるいは反射されて透過で
きない。したがって、透過した紫外線をフイルムの他面
側に配置した(固体)撮像素子を用いた受光部で検出す
ることで、ピンホールを確実に検出することができる。
特に、可視光の透過性の高いフイルムであっても、通常
は紫外線は透過性が低いため、ピンホールを通過した紫
外線量とそれ以外の部分を透過した紫外線量には大きな
差ができ、十分な明欠陥信号が得られる。さらに、紫外
線の透過性が低いことによりピンホール周縁での屈折散
乱はほとんどなく、小径のピンホールであっても明欠陥
信号のみが出力されてそのピンホールを確実に検出でき
るようになる。すなわち、本発明の欠点検出装置によれ
ば、光透過性の高いフイルムにおける小径のピンホール
を精度良く検出することができる。
【0015】また、本発明のフイルムの製造方法によれ
ば、上記のように小径のピンホールを精度良く検出し
て、ピンホール欠点のある製品をユーザーに出荷せずに
済むとともに、ピンホール欠点が頻発したり周期的に発
生した場合に早急に製造工程の対応箇所を修正すること
でピンホールのある製品を製造し続けること防ぎ、結果
として不良なフイルムの製造を最小限にとどめ、歩留ま
りを高めることができる。
【0016】以下、本発明の一実施態様について図面を
参照しながら説明する。図1は、フイルム1の一面側に
紫外線光源3を配置し、他面側に固体撮像素子5を内蔵
した受光部4を配置した構成を示すものである。紫外線
光源3は、複数本の光学繊維の一端を線状に並べた出光
部を備えたものからなるが、この出光部の一実施例の構
造については、図5を用いて後述する。図1において、
紫外線光源3より出射された紫外線は、フイルム1で大
部分が反射、吸収され受光部4側には透過しない。一
方、フイルム1上にピンホール2が存在する場合には、
紫外線はここを通過して受光部4に至り、固体撮像素子
5で映像信号に変換され、この映像信号を信号処理装置
6で処理してピンホールと判定される。
【0017】図2はこのようにして受光部4で検出した
ピンホール部分の映像信号である。中央部のパルス状の
信号がピンホールであり、その周縁は外光および紫外線
光源から出射されてフイルムを透過した可視光成分の出
力である。ピンホールの径は約400μmである。この
ように、映像信号におけるピンホールでの明欠点出力値
は、その他の部分の値と大きく異なっており、映像信号
に適当な閾値を設けたり、映像信号の微分波高値に適当
な閾値を設けたりすることで容易にピンホールを判定す
ることができる。
【0018】また、このように判定したピンホールよ
り、製品にピンホール欠点のある場合は、その製品をさ
らに小幅にスリットして巻き返す際に、ピンホールのあ
る部分が製品に含まれないようにスリット位置を変えた
り、それができないときにはピンホールを含む部分だけ
を製品としないことで、欠点のある製品をユーザーに出
荷せずに済むとともに、不良なフイルムの割合を小さく
することができる。さらに、ピンホール欠点が頻発した
り周期的に発生した場合には、その頻度から原因を推定
したり、周期から製造工程の対向箇所を推定すること
で、早急に製造工程の対応箇所を修正することが可能と
なる。その結果、ピンホールのある製品を製造し続ける
ことを防ぎ、結果として不良なフイルムの製造を最小限
にとどめ、歩留まりを高めることができる。
【0019】固体撮像素子を用いた受光部としては、画
素を線状(たとえば、直線状)に配列したものと、画素
を面状に配列したものの2種類がある。通常フイルムの
ピンホール検査を実施するにあたっては、測定対象とな
るフイルムを連続的に走行させながら検査を行う場合が
多く、この際フイルムの走行方向に対して切れ目なく検
査を行うことが要求される。このため、受光部は画素を
直線状に配列した固体撮像素子から構成することが好ま
しく、フイルムの走行方向に対して直角の方向に走査が
できるように固体撮像素子を用いた受光部と光源を配置
することが好ましい。この場合画素を直線状に配列した
固体撮像素子は、検査速度を変えることにより測定対象
となるフイルムの走行方向での分解能を変えることがで
きる。また、固体撮像素子を用いた受光部を走査方向に
複数並べることにより、同時に広い視野の測定を高精度
に行うことができる。
【0020】一方、紫外線光源の光源部としては、例え
ばブラックライト蛍光灯、殺菌蛍光灯、紫外線ランプ
用いることができ、複数本の光学繊維の一端を線状に並
べた出光部を備えた紫外線光源としては、ラインライト
ガイドを出射部に備えた紫外線ランプなどが適してい
る。ラインライトガイドは複数本の光学繊維の一端を直
線状に配列し、他端を平行に束ねたライトガイドであ
り、平行に束ねた他端に紫外線ランプからの紫外線を収
束して照射することにより、直線状に配列した一端から
紫外線が直線状に均一に出射されるものである。
【0021】特に、画素を直線状に配列した固体撮像素
子を用いる場合には、直線状に均一な紫外線量を得るた
めに、このようなラインライトガイドを出射部に備えた
紫外線ランプが適している。
【0022】さらに、固体撮像素子の走査周波数が電源
周波数と同程度以上であるならば、ブラックライト蛍光
灯や殺菌蛍光灯の場合は高周波点灯することが好まし
く、紫外線ランプの場合は直流点灯することが好まし
い。高周波点灯とは、30kHz程度の高周波電圧を使
用して蛍光灯を点灯させる方式であり、固体撮像素子の
走査周波数より高い高周波電圧を蛍光管に加えることに
より、蛍光管の点滅による光量変化が一走査周期内で平
均化されて検査に影響しなくなる。
【0023】検査に使用する紫外線の波長は、検査対象
のフイルムの素材に適した波長を選択する必要があり、
ポリエステルフイルム、ポリプロピレンフイルム等の場
合には短波長紫外線(約270nm付近、たとえば24
0〜300nm)、アラミドフイルム、ポリイミドフイ
ルム、ポリフェニレンサルファイドフイルム等の場合に
は長波長紫外線(約365nm付近、たとえば300〜
400nm)を用いることが好ましい。
【0024】次に、本発明の別の実施態様について図面
を参照しながら説明する。図3は、フイルム1の一面側
に紫外線光源3を配置し、他面側に紫外線透過フィルタ
7を備えた受光部4を配置した構成を示すものである。
図3において、紫外線光源3より出射された紫外線は、
フイルム1で大部分が反射、吸収され受光部側には透過
せず、ピンホール2を通過した紫外線のみが受光部4に
至り、さらに紫外線透過フィルタ7を透過して固体撮像
素子5で映像信号に変換される。一方、紫外線光源3か
ら出射された可視光成分は、フイルム1を透過して受光
部4に至るが、紫外線透過フィルタ7によって遮られ、
固体撮像素子5には入射しない。結局、固体撮像素子5
で映像信号に現れるのはピンホール2を通過した紫外線
のみであり、高いS/Nでピンホールを検出することが
できる。
【0025】図4は、このような紫外線透過フィルタ7
を備えた受光部4で検出したピンホール部分の映像信号
である。ピンホールは図2におけるものと同じものであ
る。中央部のパルス状の信号がピンホールであり、それ
以外はほぼ0となっている。このような映像信号におい
てはピンホール以外の出力が0であるため非常に高いS
/Nでピンホールを判定することができる。
【0026】さらに、本発明で使用される紫外線光源に
ついて、以下に詳細に説明する。フイルムのピンホール
検査を実施するにあたっては、測定対象となるフイルム
を連続的に走行させながら検査を行う場合が多く、特
に、工程管理のためにピンホール検査をオンラインで行
なう場合には、製膜速度で走行するフイルムを検査する
必要がある。前述のように、フイルムの走行方向に対し
て直角の方向に走査ができるように受光部を配置した構
成においては、フイルムの走行方向での分解能はフイル
ムの走行速度と固体撮像素子の走査速度によって決ま
る。したがって、小径のピンホールが検出できるように
分解能を高くするためには、フイルムの走行速度が製膜
速度で決まっているときには、固体撮像素子の走査速度
を速くする必要がある。
【0027】この場合、固体撮像素子は画素に照射され
た光の強度と時間の積で出力値が定まるので、走査速度
を速くして、かつ、十分なS/Nのある出力を得るため
には、十分な強度の紫外線を固体撮像素子に照射する必
要がある。
【0028】ところで、ブラックライトや殺菌灯といっ
た蛍光管方式の紫外線光源では、出射される紫外線スペ
クトルの波長域が狭く、また固体撮像素子の感度が紫外
線に対しては可視光よりも低いことなどから、走査速度
が速くなると十分なS/Nが得られなくなる。
【0029】一方、紫外線ランプは強力な紫外線を照射
できることから、走査速度が速くても十分なS/Nが得
られるが、逆に強力な紫外線をフイルムに長時間照射す
ると、照射されたフイルムが変性する場合がある。
【0030】すなわち、高速で製膜されるフイルムの小
径ピンホールをオンラインで検出するためには、走査速
度を速くしても十分なS/Nが得られるように、固体撮
像素子には十分な強度の紫外線を照射しなければならな
いが、フイルムの品質を保証するためにはできるだけ少
ない紫外線量で検出できなければならない。
【0031】ところで、本発明によるピンホール検出に
おいてピンホール出力に寄与する紫外線は、紫外線光源
から照射されフイルムのピンホールを通過して受光部に
至るもののみである。紫外線光源から発せられた紫外線
のうち一部はピンホール部分で回折されて通過し、その
通過した光の一部は受光部に至る。したがって、ピンホ
ールの近辺だけに平行光もしくは平行光に近い光を照射
すれば紫外線光源から出射された紫外線はきわめて効率
よく受光部に到達する。
【0032】この観点から各紫外線光源を考えてみる
と、蛍光管方式の紫外線光源では、紫外線は蛍光管の各
部分から全方位に拡散して出射されるため、フイルムに
照射される全紫外線のうちピンホールを通過する紫外線
の割合はわずかであるが、さらにピンホールを通過した
光のうち受光部に至る割合もわずかである。また、紫外
線ランプでは、紫外線は点状の光源から全方位に照射さ
れるため、フイルムに照射される全紫外線のうちピンホ
ールを通過する紫外線の割合はわずかであり、ピンホー
ルを通過した光のうち受光部に至る光の割合も少ない。
【0033】これに対し図5にラインライトガイドを備
えた紫外線光源を用いた本発明の実施態様を示す。図5
では、複数本の光学繊維の一端31a(出射部)を直線
状に配列し、他端31b(入射部)を平行に束ねたライ
ンライトガイド31と紫外線光源ユニット34を用い、
平行に束ねた他端31bに紫外線光源ユニット34内の
紫外線ランプ32の光をミラー33で集光しながら入射
して直線状に配列した一端31aから出射する。ライン
ライトガイド31から照射された紫外線は、フイルム1
上での照射範囲がきわめて細い直線状になることから、
ピンホール2を効率よく通過し、さらに光学繊維から出
射された紫外線は極めて平行光に近いことから、ピンホ
ール2を通過した紫外線はきわめて効率よく受光部4に
至る。なお、光学繊維の一端31a(出光部)の形態と
しては、光学繊維を一列に直線状に配列したもの、もし
くは光学繊維を複数列に直線状に配列したもの、もしく
は複数本(2〜50本)の光学繊維を1束に束ねたもの
を一定間隔で直線状に配列したものが好ましく用いられ
る。
【0034】このような本発明の一実施態様に係る方式
においては、蛍光管方式の紫外線光源と比較して数十倍
の効率でピンホールの映像信号を得ることができるた
め、固体撮像素子の走査速度を速くしても十分な出力を
得ることができ、小径のピンホールを検出することが可
能である。さらに、フイルムに照射される紫外線量は紫
外線ランプから直接照射する場合の数十分の一であるた
め、フイルムが変性することもない。
【0035】図6は、このようなラインライトガイドを
備えた紫外線光源を用いた構成で検出したピンホール部
分の映像信号である。フイルム走行速度は25m/分、
走査速度は4kHz、ピンホールの径は100μmであ
る。中央部のパルス状の信号がピンホールであり、十分
なS/Nが得られている。
【0036】なお、このラインライトガイドを出射部に
用いた紫外線光源の紫外線の効率をさらに高めるため、
ラインライトガイド出射部にシリンドリカルレンズ(図
示略)を配置したものがさらに好ましい。
【0037】
【実施例】
実施例1 図1に示した構成のフイルムの欠点検出装置を製造し
た。紫外線光源3としてはブラックライト蛍光管を使用
し、受光部4としてはCCDを固体撮像素子5として用
いたものを使用した。CCDは2048画素であり、一
つの画素の大きさは14μm×14μmであり、これが
フイルム上で100μm×100μmに対応するように
受光部の配置を設定した。CCDの走査周波数は30H
zとした。
【0038】図2はこの欠点検出装置を使用して検出し
たピンホールの出力であり、フイルム1はアラミドフイ
ルムを使用し、ピンホールの径は400μmである。中
央のパルスがピンホールを表している。
【0039】実施例2 図3に示した構成のフイルム欠点検出装置を製造した。
紫外線光源3としてブラックライト蛍光管を使用し、受
光部4としてはCCDを固体撮像素子5として用いたも
のを使用した。紫外線透過フィルタ7としては吸収方式
のものを使用した。CCDは2048画素であり、一つ
の画素の大きさは14μm×14μmであり、これがフ
イルム上で100μm×100μmに対応するように受
光部の配置を設定した。CCDの走査周波数は30Hz
とした。
【0040】図4はこの欠点検出装置を使用して検出し
たピンホールの出力であり、フイルム1はアラミドフイ
ルムを使用し、ピンホールの径は400μmである。中
央のパルスがピンホールを表している。
【0041】実施例3 図5に示した構成のフイルムの欠点検出装置を製造し
た。紫外線ランプ32としては水銀キセノン放電管を使
用し、ラインライトガイド31としては直径220μm
の石英ファイバ2010本を10本ずつ束にして、2m
m間隔で配置して使用した。受光部4としてはCCDを
固体撮像素子5として用いたものを使用した。紫外線透
過フィルタ7としては吸収方式のものを使用した。CC
Dは2048画素であり、一つの画素の大きさは14μ
m×14μmであり、これがフイルム上で100μm×
100μmに対応するように受光部の配置を設定した。
CCDの走査周波数は4kHzである。
【0042】図6はの欠点検出装置を使用して検出した
ピンホールの出力であり、フイルム1はアラミドフイル
ムを使用し、ピンホールの径は100μmである。な
お、検出時にフイルムは25m/分の速度で連続走行さ
せた。中央のパルスがピンホールを表しており、S/N
は20以上ある。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、光の透過性の高いフイ
ルムにおける小径のピンホールを精度良く検出できる。
したがって、小径のピンホール欠点があるフイルムを製
品として出荷することがなくなり、結果として出荷した
製品の品質が向上する。
【0044】また、ピンホールは発生した場合に、その
状況が迅速に確認でき、対応策をとることが可能とな
り、したがって不良をもった製品を製造することが減少
するため、フイルムの製造コストを削減することができ
る。
【0045】さらに、本発明の欠点検出装置の好ましい
態様によれば、フイルムの製造ラインで製膜速度で走行
中のフイルムのピンホールをオンラインで精度良く検出
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明フイルムの欠点検出装置の一実施態様を
示す概略構成図である。
【図2】図1の装置を用いて検出したアラミドフイルム
上の400μm径のピンホールの映像信号波形を示す図
である。
【図3】本発明フイルムの欠点検出装置の別の実施態様
を示す概略構成図である。
【図4】図3の装置を用いて検出したアラミドフイルム
上の400μm径のピンホールの映像信号波形を示す図
である。
【図5】本発明のフイルムの欠点検出装置のさらに別の
実施態様を示す概略構成図である。
【図6】図5の装置を用いて検出した、走行中のアラミ
ドフイルム上の100μm径のピンホールの映像信号波
形を示す図である。
【符号の説明】
1 フイルム 2 ピンホール 3 紫外線光源 4 受光部 5 固体撮像素子 6 信号処理装置 7 紫外線透過フィルタ 31 ラインライトガイド 31a ラインライトガイド出射部 31b ラインライトガイド入射部 32 紫外線ランプ 33 ミラー 34 紫外線光源ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花登 洋 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ 株式会社 滋賀事業場内 (56)参考文献 特開 昭48−12786(JP,A) 特開 昭63−154951(JP,A) 特開 昭58−14026(JP,A) 特開 昭54−14293(JP,A) 実開 昭63−99263(JP,U) 実開 平3−31994(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/894 B29C 55/02 G01N 21/89 B29L 7:00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フイルムの一面側に光源を配置し、他面
    側に撮像素子を有する受光部を配置した欠点検出装置に
    おいて、前記光源が紫外線光源であり、前記紫外線光源
    が、複数本の光学繊維の一端を線状に並べた出光部を備
    えており、かつ、前記受光部が、前記出光部からフイル
    ムに照射された紫外線のうちフイルムの欠点を通過した
    紫外線を受光するものであることを特徴とするフイルム
    の欠点検出装置。
  2. 【請求項2】 前記受光部が紫外線透過フィルタを備え
    ていることを特徴とする請求項1に記載のフイルムの欠
    点検出装置。
  3. 【請求項3】 前記複数本の光学繊維の一端を線状に並
    べた出光部が、複数の光学繊維を1束に束ねたものを一
    定間隔で直線状に配列したものである、請求項1または
    に記載のフイルムの欠点検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3のいずれかに記載のフ
    イルムの欠点検出装置によりフイルムの欠点を検出した
    結果に基づいてフイルム製造工程を管理することを特徴
    とするフイルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のフイルムの製造方法に
    おいて、小幅にスリットした製品に欠点が含まれないよ
    うにフイルム製造工程を管理することを特徴とするフイ
    ルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載のフイルムの製
    造方法において、欠点発生原因と推定される工程を修正
    することでフイルム製造工程を管理することを特徴とす
    るフイルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 フイルムがアラミドフイルムである、請
    求項4、5、6のいずれかに記載のフイルムの製造方
    法。
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