JP2934676B2 - 中空糸膜の欠陥検査方法および装置 - Google Patents

中空糸膜の欠陥検査方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は精密ろ過、限定ろ過、逆浸透等の水処理や各
種ガスの分離、人工肺血しょうろ過等の医療器具に用い
られる中空糸膜の未白化欠陥を検査する方法および装置
に関する。
[従来の技術] ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンや
ポリエステル、ポリアセタール等の結晶性高分子を高ド
ラフト下で溶融紡糸して配向結晶化の発達した中空の未
延伸糸を得て、この未延伸糸を必要に応じて熱処理後適
切な条件で延伸することにより、その中空壁に多数の微
細孔を形成せしめて得られる中空糸膜が例えば特開昭52
−15627号公報、特開昭57−42919号公報等に示されてい
る。また、未延伸中空糸膜として適切な可塑剤や溶剤を
ポリマーと混合し紡糸して得る場合にも、中空糸膜の強
度向上ならびに孔径や空孔率の増大のため、仕上げ工程
に延伸操作が必要な場合がある。
このような延伸工程を通過中の中空糸膜は延伸の進行
と共に微細空孔が形成され、この微細空孔は光を拡散反
射するので、自然光下で背景を黒くして、延伸の様子を
観察すると、灰色の未延伸糸がだんだん白くなって行
き、延伸が完了すると真っ白に白化した延伸糸になるの
を見ることができる。このため、この工程を白化工程と
も呼んでいる。従って、白化の程度は延伸に伴って形成
される微細空孔の発達状況の目安となっている。そこ
で、製造された中空糸膜について、白化の斑を調べてみ
ると、中空糸膜の白さが不足している欠陥部分を発見す
ることがある。この白さ不足、つまり、延伸不足である
ため微細空孔が十分に形成されていない部分を未白化欠
陥と呼んでいる。
この未白化欠陥は次の点で問題となる。人工肺や血し
ょう分離用のコンパクトで高性能を要求される医療用膜
モジュールでは、中空糸膜を収納する容器が膜面積に応
じて設定されるが、このような場合、未白化欠陥部分は
膜面積の減少をもたらし、膜モジュール性能を低下する
ものとなる。また、未白化欠陥の頻度が低い場合でも、
血液等を中空糸膜の内側に流す時に、未白化欠陥部は血
液が透けて赤く見えるため商品価値が低下する。
従来、未白化欠陥の検査のための適当な装置がなく、
中空糸膜の状態でもモジュールに加工した状態でも目視
検査が行われている。中空糸膜の状態で検査する場合、
黒い布を張り付けた板の上に中空糸膜を適当な長さ巻取
り、肉眼あるいはルーペを用いて検査し、欠陥部の計測
を行う。モジュールに加工した場合には、直接に目視検
査するか、あるいは中空糸膜の内側に着色液体を入れ、
肉眼による発見を容易にして目視検査することもある。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来の技術は目視検査であるので簡単に実施でき
るが、次のような問題点がある。
まず、中空糸膜の状態で前記従来方法により検査する
場合には、中空糸膜を検査中に手で触ったりして汚染す
る恐れがあり、検査を行った部分は製品にすることがで
きない。また、これを避けようとして製造中に走行中の
中空糸膜を目視する場合、糸速を速くして検査能率を上
げようとすると、小さな未白化部分を見逃すことになる
上に、長時間に亘る検査や、検査結果の分類あるいは記
録を行うことが困難である。
次に、モジュール加工後に、未白化部分を検出する場
合には、モジュールの中空糸束の内部にあるものを見つ
けることは容易ではない。また、注入する着色液体によ
ってはモジュールを汚染する恐れもある。さらに、製品
として出荷するモジュールに欠陥部を発見した場合に
は、加工賃が無駄になるので、やはり中空糸膜の状態で
検査することが望ましい。
以上の理由で中空糸膜の未白化欠陥を、製造中のよう
に、走行状態で非接触で検査することが望まれていた
が、適当な方法は従来はなかった。
そこで、このような目的に使える検査装置を開発すべ
く検討したところ、中空糸膜の未白化欠陥の性質につい
て次のことが解った。
中空糸膜を自然光下で背景を暗くして、その反射光を
観測すると、欠陥のない正常部分は一様に形成された多
数の微細空孔により光が散乱されて白く見える。これに
対して、未白化欠陥部分は延伸不完全のため微細空孔が
殆どないか数が少ないため白さが低く、つまり灰色に見
える。また、中空糸膜を透過する光を観測すると、正常
な部分は光が殆ど散乱されて透過光が少ないため暗く黒
ずんで見えるが、未白化欠陥部は透過光が多く明るく見
える。以上のことから、正常部分と未白化欠陥部分との
見え方の違いは、光吸収の差によるものではない。つま
り、サブミクロンの微細空孔の有無による光散乱の差に
よるものであり、正常部分では無数の微細空孔が光を殆
ど完全に拡散反射するため中空糸膜を透過する光が少な
いが、未白化欠陥部分では微細空孔が極端に少ないため
入射光の拡散が不十分となり中空糸膜を透過する光量の
割合が多くなるためである。
このような中空糸膜の性質を考慮して、本出願人は連
続的に走行する中空糸膜の未白化欠陥を検査する方法と
して透過光測定法を用いた中空糸膜の欠陥検査方法およ
び装置を本発明に先立ち開発し、特許出願(特願平1−
313193号)している。
上記先願の方法および装置では、連続的に走行する中
空糸膜の未白化欠陥を検査する際に、走行する中空糸膜
側面を垂直方向から平行光源で解明し、中空糸膜の後方
に設置した光センサ上に中空糸膜の像を結ばせて光量を
測定している。つまり、中空糸膜の透過光量を測定し
て、中空糸膜の微細空孔による散乱光の低い部分を検出
しているのである。この方法で、未白化欠陥部分を含む
中空糸膜が通過するとき、未白化欠陥部分では光量値が
ピークを示すので、それが判定基準値を越えていれば、
欠陥部分であると判定できる。
ところが、この先願の測定法および装置では未白化欠
陥を誤り率低く検出することは容易ではない。即ち、未
白化欠陥部は結晶性高分子を高ドラフト下で溶融紡糸し
て配向結晶化した未延伸糸が延伸不足のため中空糸膜に
残留しているものであるから、一般には半透明または不
透明であり、未白化部の透過光量は正常部と大きな差は
なく、未白化部を検出したときの光量変化の信号は小さ
い。その上、現実の中空糸膜を検査する場合には、次の
ようなノイズ源があり信号対ノイズ比を低下させること
になる。第1のノイズ源は、中空糸膜の外径変動によっ
て引き起こされるバックグランド光の変動である。外径
変動には中空糸膜が真円であって変動する場合と、何か
の外力で変形して変動する場合がある。中空糸膜の透過
光量を測定しているため、外径の変動は直接にバックグ
ランド光量に影響を与え重大なノイズになる。第2のノ
イズ源は、中空糸膜の重なりによって引き起こされるバ
ックグランド光の変動である。中空糸膜が複雑であり蛇
行が極端に激しい場合には、隣の中空糸膜と重なった
り、入れ替わったりすることが希に起こる。また、中空
糸膜が複数であって撚りがある場合には頻繁に重なりが
生じる。中空糸膜の重なりはバックグランド光の減少に
なり未白化欠陥と同じ傾向の信号となり、ノイズ源とな
る。第3のノイズ源は、光源および光センサの不均一さ
と中空糸膜の走行の不安定さによって引き起こされるバ
ックグラド光の変動である。中空糸膜は走行中に揺れた
り、蛇行したりして、走行路に変動があり、平行光光源
の明るさ或いは光センサの感度が完全に均一でない場合
には、同様にバックグランドが変動しノイズ源になる。
結局、これらのノイズが大きい原因はバックグランド光
の絶対値が大きいことにある。
このような信号対ノイズ比を低減する要因を除くため
に、透過光測定法により未白化欠陥を検出すめ方法で
は、中空糸膜の走行の高度の安定化が必要な上に、光源
や光センサの高度の均一性が必要であるから、装置が複
雑になり、調整も困難になり、高価になる等の問題を持
っている。よって、上記先願の方法及び装置は、中空糸
膜の本数が少なく、外径変動も少なく、未白化部の透明
度も高いなどの条件のよい場合にしか適用できず、中空
糸膜の製造工程に組み込むことは困難である。従って本
発明は、中空糸膜の走行が極めて安定していなくても、
又、光源や光センサの特性の均一性が高くなくてもバッ
クグランド光による悪影響を受けることなく中空糸膜の
未白化欠陥をその走行状態において非接触で、かつ正確
に検査することのできる方法及び装置を提供することを
目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため本発明によれば連続的に走行
する中空糸膜の一方の側面に所定の方向から偏光した平
行光を照射し、前記中空糸膜の他方の側面に面する位置
に配した検光子により前記平行光のうち前記中空糸膜に
当たらずに通過した光を除去しつつ、前記中空糸膜によ
る偏光解消光を透過せしめ、光量検出手段によって前記
検光子の透過光量を測定し、前記中空糸膜の未白化欠陥
部分を検出する中空糸膜の欠陥検査方法が提供される。
更に本発明によれば連続的に走行する中空糸膜の一方
の側面に所定の方向から備光した平行光を照射するため
の偏光平行光照射手段と、前記中空糸膜の他方の側面に
面する位置に配され、前記平行光のうち前記中空糸膜に
当たらずに通過した光を除去しつつ、前記中空糸膜によ
る偏光解消光を透過せしめる検光子と、前記検光子を透
過した前記偏光解消光の光量を検出する光量検出手段と
からなる中空糸膜の欠陥検査装置が提供される。
上記方法及び装置は次のような経緯にて開発された。
本発明者等は本発明方法および装置を考案するに先立
ち、前記先願に係る透過光測定法による中空糸膜の未白
化欠陥検出方法の問題点について調べた。その結果、前
記3つのノイズ源はすべてバックグランド光量に比例し
ているので、中空糸膜を照明した光の中で中空糸膜に当
たらずに通過した邪魔な光を除去することにより、これ
らのノイズ源は殆ど無視できる程に小さくできることが
解った。そこで、中空糸膜の正常部の透過光と未白化欠
陥部の透過光の差によって生じた信号光は余り減衰させ
ずにバックグランド光を大幅に減衰させる方法について
検討し、本発明方法および装置を完成するに到った。
[作用] 本発明によれば偏光平行光が速行する中空糸膜に照射
され、中空糸膜に当たることなく通過した光は検光子に
て除去され、中空糸膜にて偏光が解消した光のみが透過
して光量検出手段に与えられるので、バックグランド光
による悪影響を受けることなく未白化欠陥を検出するこ
とができる。
[実施例] 以下図面と共に本発明の中空糸膜の欠陥検査方法を実
現する装置の実施例について説明する。
第1図は本発明の検査装置の1実施例の主要部を示す
正面図、第2図は同実施例の主要部の側面図である。中
空糸膜1は中空糸膜供給装置4から一定速度で供給さ
れ、引き取り装置5によって引き取られる。この中空糸
膜1の側面の一方には光源10が、他方には検出部20が配
されている。かかる構成によりこの中空糸膜1を側面か
ら、光源部10から出される偏光した平行光15によって照
明する。光源部10は白熱ランプ11から出た光を集光レン
ズ12によって平行光にし、偏光子13により直線偏光に変
換して、直線偏光した平行光源15を出力し、中空糸膜1
を照明する。このとき、第2図に示すように照明光15の
幅Jは中空糸膜1の走行路の幅Kよりも広くし、中空糸
膜1の蛇行などがあっても常に照明光15が当たるように
している。14は光源部10のハウジングである。
検出部20は中空糸膜1に当たることなく通過した余分
の邪魔な照明光を除去し、中空糸膜1に入射し偏光解消
された光量を検出する。検光子21は光源部10の偏光子13
と同じ特性の素子であり、第2偏光子と呼んでもよい
が、機能上から一般に検光子と呼ばれるので、ここでも
検光子と呼ぶことにする。検光子21はその偏光軸を偏光
子13の偏光軸と直交するように調節して、中空糸膜1に
当たらず通過した照明光を除去すると共に、中空糸膜1
に入射し偏光解消された光を通過させる役目を有する。
投影レンズ22は、この偏光解消光を幅Mで長さLの光セ
ンサ23上に投影して中空糸膜1の像を倍率Qで結ばせ
る。光センサ23の出力を、必要ならば増幅し、記録計
(図示せず)で記録する。こうして、走行する中空糸膜
1の偏光解消光量が電気量として、連続的に測定して記
録できる。このとき、検光子21および投影レンズ22の有
効径と光センサ23の幅Mは中空糸膜1の走行路の幅Kよ
りも広くして、中空糸膜1の蛇行などがあっても常に偏
光解消光を光センサ23が受けられるようにしている。フ
ィルタ25は有害な光がセンサ23に侵入するのを阻止する
ため必要に応じて設ける。26は検出部20のハウジングで
ある。
上記検査装置を使うことによって、中空糸膜の偏光解
消光量が電気量として、連続的に測定記録できる。その
後記録された波形を解析し、偏光解消の異常部を検出す
ることにより、中空糸膜の未白化欠陥を検査できる。次
に、記録された波形の解析の仕方について説明する。
第3図はいろいろな長さの未白化欠陥を含む中空糸膜
1について、一定の速さで走行させながら偏光解消光量
を測定したときの波形を摸式的に示したものである。縦
軸は検出した光量で任意単位である。横軸は距離であ
る。この距離は中空糸膜1の走行速度と記録紙の記録速
度から換算して得られる、中空糸膜1の長手方向の距離
である。この図の波形は測定の際に、中空糸膜1の像が
光センサ23の上を通過する時間が関係するので、光セン
サ23の長さと中空糸膜1の投影倍率によって影響され
る。
第4図は光センサ23とその上に投影された像の寸法関
係を示している。2は中空糸膜1の像であり、2aは正常
白化部分で2bは未白化欠陥部分である。中空糸膜の長さ
Xの未白化欠陥が投影倍率Qのとき光センサ23上ではQ
・Xの長さになって、幅Mで長さLの光センサ23上に投
影される。中空糸膜1が走行中、正常部分の像の通過時
は一定の光量であるが、未白化欠陥の像が光センサ23を
通り抜ける間、偏光解消による光量が増加する。つま
り、中空糸膜1と記録紙の速度比が一定であれば、得ら
れる波形はL、Q及びXによって決定される。このこと
を考慮すれば、偏光解消光量の変化を測定し、その波形
を解析して、未白化欠陥の長さを求めることができる。
次に、第3図に基づき、この解析方法について説明す
る。
第3図の光量レベル30は中空糸膜1がないときの光量
で偏光子13、検光子21、白熱ランプ11、フィルタ25およ
び光センサ23の特性によって決まる。主に、前二者によ
ってこの光量レベルが決まり、偏光子13と検光子21を直
交させると理論的には光量はゼロになるが、現実には若
干の漏れ光がある。消光比の大きい高性能の偏光素子を
使用して、後述の光量レベル31よりも低いレベルにした
方が、中空糸膜1の外径変動がある場合には、よい結果
が得られる。何故ならば、用済みの照明光が殆ど除去そ
れバックグランド光が極めて低くなるから、当然、中空
糸膜1の外径変動があってもバックグランド光の変化幅
は無視できるほど小さい。前記先願の透過光測定法で
は、光量レベル30の方が光量レベル31よりも高いレベル
にある。従って、中空糸膜1に当たることなく通過した
照明光が直径変動などの影響をまともに受けて光量レベ
ル30に相当する光量、つまり、バックグランド光の変動
幅の絶対値が非常に大きく、未白化欠陥と正常部との違
いによる透過光の光量差よりも大きくバックグランド光
の変動の方が中空糸膜1の透過率変化より大になる。
光量レベル31は中空糸膜1の正常白化部分が走行して
いるときの光量レベルで、検査時の検出信号のベースラ
インとなる。正常白化部分には無数の微細空孔があり、
これが照明光を殆ど完全に拡散反射するので、偏光解消
が起こるが、同時に透過光が殆どなくなるので、正常部
が通過するときの光センサに入射する光量は少ない。こ
の光量レベルは投影レンズの受光角と走行路中の中空糸
膜の光学特性、外径、膜厚および本数などによって決ま
る。中空糸膜の外径変動など前記ノイズ源のところで述
べた様々な原因により変動する、しかし、透過光測定法
で問題であった中空糸膜1に当たらずに通過した照明光
レベルの絶対値は小さいので、その変動が無視できる。
従って、透過光測定法に比べて極めて安定したベースラ
インが得られる。
未白化欠陥が通過するときには、第3図中32で示すよ
うな光量のピークが記録される。このようにピークがで
きるのは、第1に、未白化部は前記のように透明または
半透明であるため照明光の透過率が高いことである。第
2に、これに加えて、未白化部分は延伸が不足して、未
延伸糸に近い性質であるから、配向結晶化による複屈折
性があり、入射した偏光を解消させることである。とこ
ろで未白化部は偏光解消性と透過率の高さを同時に持つ
ので、検光子21を通過して光センサ23に達する光が正常
部分に比べて格段に多くなる。この正常部と欠陥部の光
量比を最大にする方法の1つは、偏光子13と検光子23の
光軸を直交させたまま中空糸膜11の走行方向に対して回
転し、最大になるように調節する。普通は光軸と走行方
向の間の角度が45度で最大になる。もう1つの方法は、
投影レンズ22の焦点距離の長さの異なるものを用意する
か、投影倍率を変えて、投影レンズ22と中空糸膜1の間
の距離を変えて受光角を変え最大点を探すことである。
光量のピーク32は、光センサ23の長さLに比較して、
未白化欠陥部の像の長さX・Qが非常に長い場合の波形
である。この場合、ピーク32の頂部が平坦で、ピーク32
の高さY1は一定であり、ピーク32の幅が未白化欠陥の長
さに比例して変わる。このピーク32の幅Z1から未白化欠
陥の長さXを次の式によって求めることができる。
X=(Z1−L)/Q ……(1) 次の光量のピーク33は中空糸膜1の未白化欠陥の像の
長さX・Qと光センサ23の長さLが等しい場合の波形で
ある。このときのピーク33の高さY2は非常に長い未白化
欠陥のときのピーク32の高さY1と大体同じである。この
場合には、未白化欠陥部の長さXを次の式によって求め
ることができる。
X=2・L/Q ……(2) 更に次の光量のピーク34は中空糸膜1の未白化欠陥の
像の長さX・Qが光センサ23の長さLよりも短い場合の
波形である。この場合はピーク34の幅23はピーク33の場
合より狭くなり、同時にピークの高さが変わる。このと
き、光量のピークの高さの方が幅より変化が大きく、そ
の高さY3は未白化欠陥部の長さに大体比例するので、未
白化欠陥部の長さXを次の式から求めることができる。
X=(L/Q)・(Y3/Yl) …(3) 上記第3図の例は未白化欠陥と正常部の境界が鮮明で
且つ一様である未白化欠陥の場合のものである。実際の
中空糸膜の場合には、この境界が鮮明でない場合があ
る。また、中空糸膜の円周方向に均一に白化しておらず
部分的に未白化である場合もある。また、長手方向に未
白化の程度が変動している場合もある。しかし、いずれ
の場合にも、未白化の部分は正常部分よりも透明度が高
く且つ偏光解消性が高いので、光量のピークは検出でき
る。境界が不鮮明な場合、前記の式を適用して厳密に未
白化長を決定することはできないが、ピークの幅や高さ
は実際上の商品価位を低下させ見栄えを悪くする程度に
比例していると言え、この意味での中空糸膜の欠陥検査
方法としての有用度は非常に高い。
第1表は上記実施例の装置の主要特性値である。この
条件で、各種中空糸膜について未白化欠陥を測定した結
果を次に説明する。
第5図はポリエチレン中空糸膜(三菱レイヨン(株)
製のEHF−410C相当の膜性能を有する試作品で未白化欠
陥が多くなる条件で製造したもので未白化部のΔnは10
×10-3)について、実際に測定した記録波形図である。
縦軸は光量(仕意単位)、横軸は中空糸膜の長手方向の
距離である。中空糸膜の本数は1本として測定後巻き戻
して、未白化部分の長さを顕微鏡で計測し、その値を第
2表に示した。第3図のモデルとよく一致する結果が得
られた。中空糸膜が1本の場合には、正常部分が通過す
るときの光量レベル50(バックグランド光)は極めて安
定しており、中空糸膜の正常部と未白化欠陥部の境界が
鮮明であるときは未白化欠陥部の長さを求めることが可
能である。
次に、複数の中空糸膜の未白化欠陥を検査した場合に
ついて説明する。第1図,第2図および第3図によって
説明した実施例の装置とこれによって得られた信号の解
析の仕方は1本の中空糸膜の場合について説明したが、
複数の中空糸膜についても未白化欠陥を検出できる。第
2図に示した中空糸膜の走行路の幅Kの範囲で、中空糸
膜をなるべく重なりが起こらないように並べて走行させ
る。このとき、すべての中空糸膜の像のピントが光セン
サ23上に合うように、図上で表せば、横1列に並べる。
このようにして中空糸膜を検査すると、第3図の光量レ
ベル31は、正常部分が複数本並んで通過するので高くな
るが、未白化部が通過するときには同様な光量ピークを
得ることができる。このとき、第1図で示したような1
素子からなる光センサ23を使用する場合でも、中空糸膜
の未白化欠陥の発生頻度は低いので、2カ所以上の未白
化欠陥が同時に検出され、それを1つの欠陥であると誤
る可能性は非常に少ない。これを確実に分離して測定し
たい場合には、一次元または二次元のCCDラインセンサ
を使用すればよい。
第6図は上記実施例の装置により複数の中空糸膜を測
定した対を示すグラフである。第6図は第5図と同じ種
類のポリエチレン中空糸膜を16本を並べて走行させ同じ
条件で測定したときのものである。但し、縦軸の倍率と
中空糸膜の走行速度は異なるので、横軸の目盛りは第5
図と異なっている。中空糸膜の本数が多いので正常部分
の通過時の光量が中空糸膜の本数に比例して増加すると
共に、その光量レベル、つまり、べースラインが若干変
動している。しかし、未白化欠陥は確実に検出されてい
る。正常部の通過時の光量レベルが変動するのは、中空
糸膜の外径変動や隣合う中空糸膜の重なりが主な原因で
ある。前記先願の透過光測定法では、このような場合に
は光量レベルの変動の方が未白化欠陥による信号の振れ
幅よりは遥かに大きくなり、測定不可能となる。しか
し、本発明方法では、バックグランド光を直交偏光の原
理で除去した効果が現れ、透過率測定法の場合には中空
糸膜に当たることなく通過した照明光が強くバックグラ
ンド光の主要素であるが、このような邪魔な用済みの照
明光は極端に小さいので、同じような外径変動がある場
合にはバックグランド光の強度比に対応して無視できる
ほど小さく、正常部からの拡散反射光による偏光解消光
が外径変動に応じて変動するだけであり、これも光量ピ
ークに比べて小さいから、未白化部による光量ピークを
確実に検出できる。このように、未白化欠陥部分は長さ
当たりにすれば発生頻度が低いので、滅多に重なること
はないと言えるから、中空糸膜の本数が多く、その走行
路に複数の中空糸膜が並んでいる場合でも、上記実施例
のような1素子からなる光センサにより、ほとんどの未
白化欠陥を見逃すことなく検出できる。1素子の光セン
サのもう1つの利点は、中空糸膜の走行路内での揺れに
影響されにくいことである。多素子光センサの場合には
中の像が素子の境界を横切ることになる。信号処理が複
雑になる。しかし、当然、1素子光センサの場合には、
どの中空糸膜に欠陥があるかを区別できないので、使用
目的により、使い分けする必要がある。
次に、撚りのある複数の中空糸膜の未白化欠陥を測定
した例を示す。第7図は24本のポリプロピレン中空糸膜
(三菱レイヨン(株)製のKPF−200EL相当の膜性能を有
する試作品で未白化欠陥が多くなる条件で製造したも
の)を測定した例を示す。この場合中空糸膜の束に撚り
が掛かっており、極端に重なりが多い場合に相当するた
め、正常部分の通過時の光量が撚りに対応して、この場
合には数10cmから1mの周期で変動している。このことは
2本以上の中空糸膜が重なったことを意味しており、1
本以上の中空糸膜が走行路から外れた場合、或いは、全
体で1本分以上の外径の減少があったことに等しい。こ
のような未白化検出のためには好ましくない条件でもベ
ースラインの変動は第7図に示す程度に少ない。これは
直交偏光を利用して用済みの照明光を除去した効果であ
る。しかし、中空糸膜の重なりのところに、丁度、未白
化欠陥がある時に見逃しが起こる可能牲があるけれど
も、短い未白化欠陥はベースラインの光量レベルの揺れ
幅の中に含まれるが、ハイパスフィルタを通すなど適当
な波形処理を施すことにより、長い未白化欠陥ほど誤り
率小さく検出できる。前記先願の透過光測定法ではこの
ような重なりが生じると全く測定できない程のベースラ
インの変動が生じる。
本発明方法は上記実施例に限定されるものではなく、
部品の種類、部品の組み合わせ、部品の追加により様々
に装置の構成を変えて実施することができる。例えば、
光源部では、光源ランプとしては発光ダイオード、各種
レーザ、各種放電灯などが使用できる。光源ランプ自身
が偏光を出すものを使用すれば偏光子を省略することも
可能である。また、外乱光と区別するために、チョッパ
ーを組み込むか光源ランプの電源を制御して断続光とす
ることもできる。
検出部では投影レンズにズームレンズを用い正常部の
信号のベースラインと信号のピーク比を調節して中空糸
膜の種類によって最適な条件を選ぶのを便利にしてもよ
い。また、検光子と光センサを照明された中空糸膜に可
及的に近づけることで、投影レンズを省略しても偏光解
消光の検出は可能である。光センサは多素子型を用い、
単位素子の幅を中空糸膜の外径と同じか狭くして、正常
部と未白化欠陥部の信号の差の大きくすることもでき
る。偏光子と検光子の偏光特性は悪い方の特性が影響し
て消光比が決まるので、同じ特性の偏光素子を使う方が
よい。消光比は少なくととも1/10以下で中空糸膜の本数
の多い場合には1/1000以下のものが好適である。また、
偏光子と検光子の間に、中空糸膜を挾むようにして直交
させた一対の四分の一波長板を追加して入れることによ
り円偏光下に中空糸膜を置き偏光軸との角度を無関係に
することもできる。
信号の解析は記録波形を図式的に解析する方法だけで
なく、自動化することも可能である。例えば、正常部の
通過時の信号レベルとピーク信号の間に適当な判断レベ
ルを設定して、検査時に検出した信号ピークがこの判断
レベルを越えるかどうかを電子回路或いはコンピュータ
ーに取り込みソフトウェアで自動判断させることができ
る。
[発明の効果] 以上詳細に説明したところから明らかなように、本発
明方法および装置を中空糸膜の製造工程へ導入すること
により、延伸法で得られる中空糸膜の未白化欠陥の製造
中の検査を行うに際し、中空糸膜の走行が極めて安定し
たものでなくても、又、光源や光センサの特性の均一性
が高くなくても、バックグランド光による悪影響を受け
ることなく連続走行中に、非接触で検査することが可能
となり、中空糸膜の品質が改良された。従って最終製品
である中空糸膜モジュールの信頼性が高まり商品価値の
向上がもたらされることとなった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の1実施例を示す側面図、第2図は同実
施例の正面図、第3図は同実施例装置で走行中の中空糸
膜の欠陥を測定したときに得られた信号の波形を摸式的
に表した図、第4図は同実施例における光センサとその
上に結ばれた中空糸膜の像との寸法及び位置関係を示す
図、第5図は1本のポリエチレン中空糸膜の測定結果例
を示すグラフ、第6図は16本の中空糸膜の測定結果例を
示すグラフ、第7図は24本のポリプロピレン中空糸膜の
測定結果例を示すグラフである。 1……中空糸膜、2……中空糸膜の像、2a……正常白化
部分、2b……未白化欠陥部分、4……中空糸膜供給装
置、5……引き取り装置、10……光源部、11……白熱ラ
ンプ、12……集光レンズ、13……偏光子、14……光源部
のハウジング、15……平行光線、20……検出部、21……
検光子、22……投影レンズ、23……光センサ、25……フ
ィルタ、26……検出部のハウジング。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 65/10 B01D 69/08 G01N 21/89

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続的に走行する中空糸膜の一方の側面に
    所定の方向から偏光した平行光を照射し、前記中空糸膜
    の他方の側面に面する位置に配した検光子により前記平
    行光のうち前記中空糸膜に当たらずに通過した光を除去
    しつつ、前記中空糸膜による偏光解消光を透過せしめ、
    光量検出手段によって前記検光子の透過光量を測定し、
    前記中空糸膜の未白化欠陥部分を検出する中空糸膜の欠
    陥検査方法。
  2. 【請求項2】連続的に走行する中空糸膜の一方の側面に
    所定の方向から偏光した平行光を照射するための偏光平
    行光照射手段と、前記中空糸膜の他方の側面に面する位
    置に配され、前記平行光のうち前記中空糸膜に当たらず
    に通過した光を除去しつつ、前記中空糸膜による偏光解
    消光を透過せしめる検光子と、前記検光子を透過した前
    記偏光解消光の光量を検出する光量検出手段とからなる
    中空糸膜の欠陥検査装置。
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