JP4414658B2 - 欠陥検査装置および欠陥検査方法 - Google Patents

欠陥検査装置および欠陥検査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板、フィルム、不織布、樹脂板等の連続シート状の検査対象物に特に好適に使用される、疵、汚れ等の欠陥を検出する欠陥検査装置および欠陥検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、連続シート状の検査対象物に照明装置からの光を照射し、その反射光あるいは透過光を受光器で撮像し、その画像信号を適当な画像処理装置で処理し、欠陥情報を抽出する欠陥検出装置を用いて、検査対象物の欠陥検査が行われている。
【0003】
連続シート状物の製造ラインにおいては、搬送、延伸等のためにいくつものローラが使用されており、このローラにキズが発生したり、ゴミ等が付着したりすると、連続シート状物の表面に欠陥がローラの周囲長の間隔で周期的に発生することになる。
したがって、このような連続シート状物の欠陥検査においては、周期性のある欠陥(周期欠陥)の検出に対するニーズがある。すなわち、欠陥検出装置にて周期欠陥が発生したことを判定し、その周期を作業者に通知することができれば、早期に周期欠陥の発生箇所を特定することができる。このように、周期欠陥の情報をただちに製造ラインにフィードバックすることができれば、生産性の向上を図ることが可能となる。
【0004】
連続シート状物を検査対象にした欠陥検出装置においては、周期的に発生する欠陥の検出が行われている。例えば、特開平10−132536号公報に、周期欠陥検出方法および装置が開示されている。この周期欠陥検出方法は、シート状物体から検出された欠陥情報のうちの少なくとも走行方向の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)の情報を用い、まず、任意のTD位置に注目しそのTD位置を中心として予め設定したTD位置許容範囲内の欠陥に対して各欠陥のMD位置の差分演算を行い、得られた1つ以上の差分値を基本周期として、MD位置の差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定し、TD位置が隣接し、周期の同じ周期欠陥同士を同一のグループに分類し、同一グループに分類した周期欠陥の中で、整数倍の倍率または1を加えた値を表示することを特徴とする方法である。
【0005】
しかしながら、上述した方法では、TD位置許容範囲内の多くの欠陥に対して、各欠陥のMD位置の差分演算をしなければならず、周期欠陥のなかに多量のランダム欠陥が発生した場合、その演算量は非常に多くなる。また、全ての欠陥情報をバッファリングするため、それらの欠陥情報を記憶するのに大きな一時記憶容量が必要となる。このような問題から、製造ライン中でリアルタイムに周期欠陥を検出しようとする場合には、適用しにくい面がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−132536号公報(第2−13頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明の目的は、欠陥情報を記憶するのに大きな一時容量を用意する必要がなく、単純な構成でかつ非常に高速に、欠陥の中から周期性のある欠陥をリアルタイムに検出することができる欠陥検査装置および欠陥検査方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の欠陥検査装置は、移動する検査対象物上に存在する欠陥を検出し、少なくとも欠陥位置情報を含む欠陥情報を取得する欠陥検出手段と、欠陥情報に基づいて周期性のある欠陥を検出する欠陥情報処理手段とを具備し、前記欠陥情報処理手段が、欠陥情報に含まれる欠陥位置情報に基づいて、検査対象物の移動方向に沿って分割された複数の検査領域のうち、検出された欠陥an がどの検査領域に位置するかを判定する領域判定部と、欠陥情報に含まれる欠陥位置情報に基づいて、欠陥an と欠陥an の1つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an-1 との間の欠陥距離Pn を算出する欠陥距離算出部と、欠陥距離Pn と欠陥距離Pn の1つ前に同じ検査領域において算出された欠陥距離Pn-1 との差が所定範囲内であれば、この検査領域における周期欠陥候補数を1つ増やす周期欠陥候補判定部と、各検査領域における周期欠陥候補数が所定数以上となったか否かを判定する周期欠陥判定部と、検査対象物が所定距離移動する間に欠陥が検出されなかった場合、欠陥が検出されなかった検査領域の周期欠陥候補数を0にするリセット部とを有することを特徴とするものである。ここで、欠陥an とは、欠陥an が存在する検査領域におけるn番目の欠陥であることを意味する。
また、前記欠陥検出手段は、移動する検査対象物からの光を受光して、その画像信号を得る受光手段と、画像信号から欠陥を検出し、欠陥情報を取得する画像処理手段とを具備するものであることが望ましい。
【0009】
また、前記周期欠陥候補判定部は、欠陥距離Pn と欠陥距離Pn の1つ前に同じ検査領域において算出された欠陥距離Pn-1 との差が所定範囲内であれば、この検査領域における周期欠陥候補数を1つ増やし、そうでなければ連続欠陥候補数を1つ増やすものであり、前記周期欠陥判定部は、各検査領域における周期欠陥候補数または連続欠陥候補数がそれぞれの所定数以上となったか否かを判定するものであり、前記リセット部は、検査対象物が所定距離移動する間に欠陥が検出されなかった場合、欠陥が検出されなかった検査領域の周期欠陥候補数および連続欠陥候補数を0にするものであることが望ましい。
また、前記欠陥距離算出部または周期欠陥候補判定部は、欠陥距離Pn と、欠陥情報に含まれる欠陥an の長さLn との間に、|Pn|≦Ln/2の関係が成立する場合、欠陥距離Pn を、欠陥an と欠陥an の2つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an-2 との間の欠陥距離に変更するものであることが望ましい。
【0010】
また、本発明の欠陥検査方法は、移動する検査対象物上に存在する欠陥を検出し、少なくとも欠陥位置情報を含む欠陥情報を取得するステップと、欠陥情報に含まれる欠陥位置情報に基づいて、検査対象物の移動方向に沿って分割された複数の検査領域のうち、検出された欠陥an がどの検査領域に位置するかを判定するステップと、欠陥情報に含まれる欠陥位置情報に基づいて、欠陥an と欠陥an の1つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an-1 との間の欠陥距離Pn を算出するステップと、欠陥距離Pn と欠陥距離Pn の1つ前に同じ検査領域において算出された欠陥距離Pn-1 との差が所定範囲内であれば、この検査領域における周期欠陥候補数を1つ増やすステップと、各検査領域における周期欠陥候補数が所定数以上となったか否かを判定するステップと、検査対象物が所定距離移動する間に欠陥が検出されなかった場合、欠陥が検出されなかった検査領域の周期欠陥候補数を0にするステップとを有することを特徴とする。
また、本発明の欠陥検査方法においては、移動する検査対象物上に存在する欠陥を検出し、欠陥情報を取得するステップが、移動する検査対象物からの光を受光し、その画像信号を得るステップと、画像処理によって画像信号から欠陥を検出し、欠陥情報を取得するステップとを含むことが望ましい。
【0011】
また、本発明の欠陥検査方法は、さらに、欠陥距離Pn と欠陥距離Pn の1つ前に同じ検査領域において算出された欠陥距離Pn-1 との差が所定範囲外であれば、連続欠陥候補数を1つ増やすステップと、各検査領域における連続欠陥候補数が所定数以上となったか否かを判定するステップと、検査対象物が所定距離移動する間に欠陥が検出されなかった場合、欠陥が検出されなかった検査領域の連続欠陥候補数を0にするステップとを有することが望ましい。
また、本発明の欠陥検査方法は、さらに、欠陥距離Pn と、欠陥情報に含まれる欠陥an の長さLn との間に、|Pn|≦Ln/2の関係が成立する場合、欠陥距離Pn を、欠陥an と欠陥an の2つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an-2 との間の欠陥距離に変更するステップを有することが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、連続シート状の検査対象物の製造ラインおよび本発明の欠陥検査装置の一例を示す概略構成図である。この製造ラインは、検査対象物のベースとなるベース材1が巻き回された供給ロール2と、搬送ローラ3を介して供給ロール2から供給されたベース材1を加工して検査対象物4を得る加工機5と、搬送ローラ6および7を介して加工機5から搬送される検査対象物4を巻き取る巻き取りロール8とから概略構成される。
【0013】
本発明の欠陥検査装置は、移動する検査対象物4上に存在する欠陥を検出し、欠陥位置情報、欠陥の面積、長さ、幅等を含む欠陥情報を取得する欠陥検出装置10(欠陥検出手段)と、欠陥情報に基づいて周期性のある欠陥を検出するデータ処理ユニット20(欠陥情報処理手段)と、検査距離測定装置30と、出力装置と、入力装置50とを具備して概略構成されるものである。
【0014】
ここで、欠陥検出装置10は、搬送ローラ6、7の間において製造ラインを加工機5から巻き取りロール8に向かって移動する検査対象物4の表面に光を照射する照明装置11と、検査対象物4からの反射光を受光して、その画像信号を得るラインセンサ12(受光手段)と、この画像信号を処理する画像処理ユニット13(画像処理手段)とを具備して概略構成されるものである。
【0015】
検査対象物4は、連続シート状の金属板、フィルム、布、不織布、樹脂板等からなるものであり、ラインセンサ12の長さ方向に直行するように製造ライン上を移動している。本発明の欠陥検査装置を用いた欠陥検査には、鋼板、メッキ鋼板、酸洗済み鋼板、塗装鋼板、銅板、アルミニウム板などの金属板が好適に用いられる。
【0016】
照明装置11は、検査対象物4上における光の照射範囲の長手方向が検査対象物4の移動方向に直交するように配置されたライン状の照明装置であり、例えば、蛍光灯、ロッド照明、光ファイバ照明等が挙げられる。図示例では、照明装置11はラインセンサ12と同じ検査対象物4の表面側に配置されているが、本発明における照明装置の配置形態は、これに限られるものではない。例えば、照明装置をラインセンサ12とは反対の検査対象物4の背面側に配置し、検査対象物4の背面から光を照射し、透過光をラインセンサ12で受光するようにしてもよい。
【0017】
ラインセンサ12は、撮像範囲の長手方向が検査対象物4の移動方向に直交するように配置されたライン状の光センサであり、検査対象物4からの反射光を受光し、検査対象物4の移動方向に直交するライン(検査ライン)単位で検査対象物4表面の光強度分布に応じた画像信号を出力するものである。ラインセンサ12としては、例えば、素子数(画素数)が2048または5000のCCDカメラ等が用いられる。
【0018】
画像処理ユニット13は、ラインセンサ12から出力された画像信号を、所定のプログラムにしたがって処理し、検査対象物4上に存在する欠陥を検出し、その検出された欠陥情報(欠陥位置情報、欠陥の面積、長さ、幅等)をデータ処理ユニット20に出力するものである。画像処理ユニット13としては、公知の欠陥検出装置に用いられている公知の画像処理装置を用いることができる。
【0019】
データ処理ユニット20は、図2に示すように、画像処理ユニット13にて検出された欠陥がいずれの検査領域に位置するかを判定する領域判定部21と、欠陥間の距離を算出する欠陥距離算出部22と、欠陥位置情報、欠陥距離等を記憶する記憶部23と、検出された欠陥が周期性を有している可能性がある周期欠陥候補であるかどうかを判定する周期欠陥候補判定部24と、周期欠陥候補数をカウントするカウンタ部25と、周期欠陥候補数に基づいて検出された一連の欠陥が周期性を有しているかどうか判定する周期欠陥判定部26と、カウンタ部の周期欠陥候補数をリセットするリセット部27とを有して概略構成されるものである。
【0020】
領域判定部21は、図3に示すように、画像処理ユニット13から送られてきた欠陥情報に含まれる欠陥位置情報(X、Y)に基づいて、検出された欠陥aが、複数の検査領域のうちのどの検査領域に位置するかを判定し、該当検査領域におけるn番目の欠陥an と定義するものである。
ここで、検査領域とは、検査対象物4の幅方向検査範囲を、検査対象物4の移動方向に沿って分割して設定される領域である。なお、判定領域数は、1以上、ラインセンサ12の素子数以下であればよい。
また、X、Yは、欠陥aの中心座標であって、Xは検査対象物4の幅方向における座標であり、Yは検査開始からの検査対象物4の移動距離、すなわち検査開始時からの検査距離である。
【0021】
欠陥距離算出部22は、欠陥情報に含まれる欠陥位置情報に基づいて、欠陥an (Xn 、Yn )と、欠陥an の1つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an-1 (Xn-1 、Yn-1 )との間の欠陥距離Pn を算出するものである。具体的には、欠陥距離Pn は、欠陥an の検査距離Yn と欠陥an-1 の検査距離Yn-1 との差(Yn −Yn-1 )である。
【0022】
また、欠陥距離算出部22は、後述の周期欠陥候補判定部24における周期欠陥を判定する精度が向上することから、算出された欠陥距離Pn の絶対値と、欠陥情報に含まれる欠陥an の長さLn との間に、|Pn|≦Ln/2の関係が成立する場合、欠陥距離Pn を、欠陥an と欠陥an の2つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an-2 との間の欠陥距離に変更する、すなわち欠陥an-1 を無視するようにするものであってもよい。ここでいう欠陥距離Pn の、欠陥an と欠陥an-2 との間の欠陥距離への変更は、例えば、Pn が負であれば、Pn =Pn-1 −|Pn |とし、Pn が正であれば、Pn =Pn-1 +Pn とすることである。
【0023】
すなわち、欠陥検出装置10が、ラインセンサ12で受光した検査ラインごとの画像信号(1次元情報)を画像処理ユニット13にて移動方向に連結し、2次元情報として欠陥情報(欠陥の幅、長さ、面積、欠陥中心位置(X、Y座標)を取得するものであれば、欠陥の終端がラインセンサ12の撮像範囲を通過し終えた時点で欠陥情報が確定する。このため、ある検査領域mに、図4に示すような複数の欠陥が存在する場合、欠陥を検出する順番は、欠陥a1、欠陥a2、欠陥a3、欠陥a4、欠陥a5となり、欠陥a1、欠陥a3、欠陥a4、欠陥a5に周期性があったとしても、欠陥3の横にランダム欠陥a2が存在しているため、欠陥a3を周期欠陥と判定できない場合がある。
【0024】
したがって、欠陥a3の検出が完了し、欠陥a2と欠陥a3との間の欠陥距離P3が算出された時点で、|P3|≦L3/2の関係があれば、欠陥距離P3を欠陥a1と欠陥a3との間の欠陥距離P3’(=P2−|P3|)に変更し、周期欠陥候補判定部24における判定をスキップする。そうすれば、次に欠陥a4が検出されたときに、周期欠陥候補判定部24において、周期性があると予想される欠陥距離P3’と欠陥距離P4との比較が可能となる。
【0025】
このように、欠陥距離Pn と、欠陥情報に含まれる欠陥an の長さLn との間に、|Pn|≦Ln/2の関係が成立する場合、欠陥距離Pn を、欠陥an と欠陥an の2つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an-2 との間の欠陥距離に変更すれば、同一の検査領域において幅方向に重複した位置に存在する欠陥の一方を無視することが可能となるため、連続欠陥から周期欠陥を判定する精度が更に向上する。
なお、欠陥距離Pn の、欠陥an と欠陥an-2 との間の欠陥距離への変更は、後述の周期欠陥候補判定部24において行ってもよい。
【0026】
記憶部23は、欠陥an の1つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an-1 の欠陥位置情報(Yn-1 )、欠陥距離Pn の1つ前に同じ検査領域において算出された欠陥距離Pn-1 (=Yn-1 −Yn-2 )等を記憶するものである。記憶部23にて記憶される欠陥an-1 の欠陥位置情報(Yn-1 )は、欠陥距離算出部22において欠陥距離Pn の算出に利用され、欠陥距離Pn-1 は、周期欠陥候補判定部24において欠陥距離Pn との比較に利用される。ここで、記憶部23は、例えば、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成される。
【0027】
周期欠陥候補判定部24は、欠陥距離Pn と、記憶部23に記憶された、欠陥距離Pn の1つ前に同じ検査領域において算出された欠陥距離Pn-1 との差が、あらかじめ設定された周期判定精度内であれば、すなわち差の絶対値と周期判定精度との間に|Pn −Pn-1 |≦周期判定精度の関係が成立すれば、後述のカウンタ部25にてカウントされている、この検査領域における周期欠陥候補数を1つ増やすものである。
ここで、周期判定精度は、検査対象物4の伸縮、検査距離測定装置の精度等から予想される検査距離Yn の誤差を加味した、周期性を判定する際の許容範囲である。また、周期欠陥候補とは、欠陥an の1つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an-1 と、欠陥an との間に周期性が認められるが、今後もこの周期性が継続するかどうかがわからない欠陥を意味する。
【0028】
また、周期欠陥候補判定部24は、欠陥距離Pn と欠陥距離Pn-1 との差が、あらかじめ設定された周期判定精度外であれば、後述のカウンタ部25にてカウントされている、この検査領域における連続欠陥候補数を1つ増やすものであってもよい。ここで、連続欠陥とは、1つ前に検出された欠陥との間に周期性は認められないが、継続的に発生する欠陥を意味する。例えば、搬送ローラにゴミ、キズ等が複数ある場合、複数で1組の欠陥群が周期的に発生することがある。このような欠陥は、本発明においては連続欠陥と判定される。
【0029】
カウンタ部25は、図3に示すように、周期欠陥候補判定部24において、周期欠陥候補または連続欠陥候補と判定された欠陥の数を、検査領域ごとに周期欠陥候補数Qまたは連続欠陥候補数Rとしてカウントするものである。カウンタ部25にカウントされる周期欠陥候補数Qおよび連続欠陥候補数Rは、周期欠陥判定部26において周期欠陥および連続欠陥の判定に利用される。
【0030】
周期欠陥判定部27は、カウンタ部25にカウントされる周期欠陥候補数Q1 〜Qm が、あらかじめ設定された周期欠陥判定個数以上となった場合、検出された一連の欠陥を周期欠陥であると判定し、データ処理ユニット20に接続された出力装置40に、周期欠陥が存在する検査領域の番号(1〜m)、その周期(欠陥距離Pn )等の周期欠陥情報を出力するものである。ここで、周期欠陥判定個数は、2以上であればよい。
【0031】
また、周期欠陥判定部27は、カウンタ部25にカウントされる連続欠陥候補数R1 〜Rm が、あらかじめ設定された連続欠陥判定個数以上となった場合、検出された一連の欠陥を連続欠陥であると判定し、データ処理ユニット20に接続された出力装置40に、連続欠陥が存在する検査領域の番号(1〜m)等の連続欠陥情報を出力するものである。ここで、連続欠陥判定個数は、2以上であればよい。
【0032】
リセット部28は、検査対象物4が、あらかじめ設定された判定リセット長を移動する間に新たな欠陥が検出されなかった場合、欠陥が検出されなかった検査領域の周期欠陥候補数を0にするものである。
また、リセット部28は、検査対象物4が、あらかじめ設定された判定リセット長を移動する間に新たな欠陥が検出されなかった場合、欠陥が検出されなかった検査領域の連続欠陥候補数を0にするものであってもよい。
【0033】
すなわち、リセット部28は、検査距離測定装置30からの情報(検査距離)に基づいて、周期欠陥候補あるいは連続欠陥候補と判定された最後の欠陥から、設定される判定リセット長の間、次の欠陥の検出がなかった場合、出力装置40への周期欠陥および連続欠陥の出力をリセット(消去)し、さらに、カウンタ部25の周期欠陥候補数および連続欠陥候補数をリセットするものである。言い換えるならば、判定リセット長の間に周期が一定でない連続欠陥が発生している場合には、出力装置40への周期欠陥および連続欠陥の出力、カウンタ部25の周期欠陥候補数および連続欠陥候補数はリセットされない。
【0034】
ここで、判定リセット長を、例えば、予想される周期欠陥の最大周期(搬送ローラの周囲長)より少し長い程度に設定すると、周期欠陥における欠陥のひとつが未検出となって、欠陥距離が2倍となった場合、周期欠陥候補数および連続欠陥候補数がリセットされてしまう。したがって、判定リセット長は、予想される周期欠陥の最大周期の数倍に設定することが好ましい。
【0035】
上述したデータ処理ユニット20は、メモリおよび中央演算装置(CPU)によって構成され、上述の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行するものであってもよく、上述の機能をそれぞれ専用のハードウエアにより実現させるものであってもよい。
【0036】
検査距離測定装置30は、検査開始時点からの検査距離を測定するものである。検査距離測定装置30としては、例えば、ロータリエンコーダ等が使用される。検査距離測定装置30は、検査対象物4が所定距離(例えば、10mm)を移動するごとに発生するパルスを、検査開始時点からカウントし、そのパルス数にパルス分解能(例えば、10mm/パルス)を乗じることで、検査開始時点からの距離を算出することができる。
また、製造ラインのスピードが一定であれば、ロータリエンコーダを使用することなく、一定時間毎にカウントしていくことで検査開始時点からの検査距離を算出してもよい。
【0037】
出力装置40は、データ処理ユニット20から送られた周期欠陥が存在する検査領域の番号、その周期(欠陥距離Pn )等の周期欠陥情報を出力するものである。出力装置としては、CRTモニター41、液晶表示装置、プリンタ42などを用いることができる。
また、データ処理ユニット20には、ディスプレイタッチパネル、スイッチパネル、キーボード等の入力装置50などの周辺機器を接続してもよい。
【0038】
次に、本発明の欠陥検出方法について説明する。
図5および図6は、本発明の欠陥検出方法における各ステップの流れを示すフローチャートである。
検出位置において照明装置11から検査対象物4の表面に照射され、検査対象物4の表面で反射された光は、ラインセンサ12に受光される。ラインセンサ12に受光された光は、検査ラインごとに画像信号として画像処理ユニット13へと出力される(ステップS1)。
【0039】
画像処理ユニット13においては、検査距離測定装置30からのパルス信号に同期して、画像処理を行い、欠陥の有無を判定する(ステップS2)。
欠陥が検出された場合、欠陥情報(欠陥位置、面積、幅、長さ等)を取得する(ステップS3)。
欠陥が検出されない場合は、ステップS4〜ステップS15をスキップしてステップS16に移る。
【0040】
具体的には、ラインセンサ12から出力される画素ごとのアナログの画像信号Ai (i:画素No)は、例えば、画像処理ユニット13内のA/D変換部によって8ビットの濃度値(256階調)を表すデジタル信号Bi に変換される。A/D変換部で変換されたデジタル信号Bi は、正常部に対して指定された2つのスライスレベルにしたがって二値化部で二値化される。二値化後のデジタル信号は、ランレングス符号化部でランレングス符号化される。ランレングス符号化された検査ラインごとの画像信号(1次元情報)は、連結性処理部で検査対象物4の移動方向につなぎ合わされる。つなぎ合わされた画像信号(2次元情報)からは、あらかじめ設定された検査基準(サイズ)以上の欠陥が検出され、検出された欠陥an の面積、検査対象物4の移動方向の長さL、検査対象物4の幅方向の長さ、幅方向の中心位置(欠陥位置座標:X、Y)、ランク(大小)、種類等の欠陥情報が取得される。さらに、膨張処理を施し、幅方向および移動方向の欠陥位置座標が指定範囲内の複数の欠陥を一つに集約させている。
このようにして画像処理ユニット13で取得された欠陥情報は、データ処理ユニット20に送られる。
【0041】
まず、領域判定部21にて、画像処理ユニット13から送られてきた欠陥情報に含まれる欠陥位置情報(X)に基づいて、検出された欠陥aが、複数の検査領域のうちのどの検査領域に位置するかを判定し、該当検査領域の欠陥数nに1を足す(ステップS4)。
ついで、欠陥距離算出部22にて、欠陥情報に含まれる欠陥an の検査距離Yn と、記憶部23に記憶されている欠陥an-1 の検査距離Yn-1 との差(Yn −Yn-1 )を計算して、これを欠陥距離Pn とする(ステップS5)。
【0042】
ついで、算出された欠陥距離Pn の絶対値と、欠陥情報に含まれる欠陥an の長さLn との間に、|Pn|≦Ln/2の関係が成立するかどうかを判定する(ステップS6)。
|Pn|≦Ln/2の関係が成立する場合、Pn が負であれば、Pn =Pn-1 −|Pn |とし、Pn が正であれば、Pn =Pn-1 +Pn とすることにより、欠陥距離Pn を、欠陥an と欠陥an の2つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an-2 との間の欠陥距離に変更する(ステップS7)。また、|Pn|≦Ln/2の関係が成立する場合は、ステップS8〜ステップS10をスキップして、ステップS11に移る。
【0043】
|Pn|≦Ln/2の関係が成立しない場合は、周期欠陥候補判定部24にて、欠陥距離Pn と、記憶部23に記憶された、欠陥距離Pn の1つ前に同じ検査領域において算出された欠陥距離Pn-1 との差が、あらかじめ設定された周期判定精度内、すなわち|Pn −Pn-1 |≦周期判定精度であるかどうかを判定する(ステップS8)。
欠陥距離Pn と欠陥距離Pn-1 との差が、周期判定精度内であれば、カウンタ部25にてカウントされている、この検査領域における周期欠陥候補数を1つ増やす(ステップS9)。
一方、欠陥距離Pn と欠陥距離Pn-1 との差が、周期判定精度外であれば、カウンタ部25にてカウントされている、この検査領域における連続欠陥候補数を1つ増やす(ステップS10)。
【0044】
ついで、記憶部23に記憶されている欠陥位置情報(Yn-1 )および欠陥距離Pn-1 を消去し、欠陥位置情報(Yn )および欠陥距離Pn を記憶部23に記憶する(ステップ11)。
【0045】
ついで、周期欠陥判定部27にて、カウンタ部25にカウントされる周期欠陥候補数が、あらかじめ設定された周期欠陥判定個数以上となったか否かを判定する(ステップS12)。
周期欠陥候補数が周期欠陥判定個数以上となった場合、検出された一連の欠陥を周期欠陥であると判定し、データ処理ユニット20に接続された出力装置40に、周期欠陥が存在する検査領域の番号、その周期(欠陥距離Pn )等の周期欠陥情報を出力する(ステップS13)。
【0046】
ついで、周期欠陥判定部27にて、カウンタ部25にカウントされる連続欠陥候補数が、あらかじめ設定された連続欠陥判定個数以上となったか否かを判定する(ステップS14)。
連続欠陥候補数が連続欠陥判定個数以上となった場合、検出された一連の欠陥を連続欠陥であると判定し、データ処理ユニット20に接続された出力装置40に、連続欠陥が存在する検査領域の番号等の連続欠陥情報を出力する(ステップS15)。
【0047】
ついで、すべての検査領域について、各検査領域における最新の欠陥が検出されてからの検査対象物4の移動距離が、あらかじめ設定された判定リセット長以上となったかを判定する(ステップS16)。最新の欠陥が検出されてからの検査対象物4の移動距離が判定リセット長以上となった検査領域については、その検査領域の周期欠陥候補数および連続欠陥候補数を0にし(ステップS17)、ステップS1に戻る。
【0048】
以上説明した本発明の欠陥検査装置および欠陥検査方法にあっては、各検査領域ごとに、最新の欠陥an の欠陥情報(Xn 、Yn 、Ln )および欠陥距離Pn 、並びに1つ前の欠陥an-1 の欠陥情報(Xn-1 、Yn-1 、Ln-1 )および欠陥距離Pn-1 のみを用い、これらデータに基づいて各検査領域における周期欠陥候補数および連続欠陥候補数をカウントし、カウントされた数で欠陥の周期性を判断しているので、検出されたすべての欠陥の欠陥情報を記憶しておく必要がなく、直前の欠陥an-1 の欠陥情報のみを一時記憶しておけばよい。これにより、欠陥の欠陥情報を記憶するのに大きな一時容量を用意する必要がなく、単純な構成でかつ非常に高速に、欠陥の中から周期性のある欠陥をリアルタイムに検出することができる。
【0049】
【実施例】
以下、具体的な実施例について説明する。
図1に示すような製造ラインにおいて、図1に示す構成の欠陥検査装置を用いて、検査対象物の欠陥検査を行った。
ベース材1として版材に使用されるアルミニウム板を用意した。加工機5としては、このアルミニウム板表面を研磨し、平滑面に仕上げるものを用いた。
【0050】
照明装置11としては、高周波点灯蛍光灯を用い、ラインセンサ12としてはラインCCDカメラ(三菱レイヨン(株)製、SCD−2048、画素数2048、幅方向分解能0.3mm/画素、移動方向分解能0.3mm/スキャン)を用いた。画像処理ユニットとしては、三菱レイヨン(株)製のLSC−300を用いた。
データ処理ユニット20における設定値は、検査領域数を64、周期欠陥判定個数を5、連続欠陥判定個数を5、周期判定精度を0.03m、判定リセット長を10mとした。判定リセット長は、周期欠陥の1つが未検出となった場合、周期欠陥候補数、連続欠陥候補数、出力装置への欠陥検出の出力がリセットされないように、予想される周期欠陥の最大周期2m(搬送ロール3、6、7の外周)の5倍である、10mと設定した。
【0051】
[実施例1]
図7は、検査領域1では周期欠陥、検査領域3では連続欠陥と判定された例を示す欠陥マップである。ここでは、検査領域ごとに、1つめに検出した検査領域1の欠陥a1および検査領域3の欠陥b1のY座標をY1、2つめに検出した検査領域1の欠陥a2および検査領域3の欠陥b2のY座標をY2として順次番号を割り当ててある。
【0052】
(検査領域1)
1)欠陥a1が検出された時点では、欠陥距離が求められないので、データ処理ユニット20では何の処理も行われなかった。
2)欠陥a2が検出された時点で、欠陥a2と欠陥a1との間の欠陥距離P2が算出された。欠陥距離P2は2.00mであった。
3)この欠陥距離P2は記憶部23に記憶された。
4)次の欠陥a3が検出された時点で、欠陥a3と欠陥a2との間の欠陥距離P3が算出された。欠陥距離P3は1.98mであった。
5)欠陥距離P2と欠陥距離P3との差が0.02mであり、周期判定精度0.03m以下であったので、周期欠陥候補数が1となった。
【0053】
6)次の欠陥a4が検出された時点で、欠陥a4と欠陥a3との間の欠陥距離P4が算出された。欠陥距離P4は1.95mであった。
7)欠陥距離P3と欠陥距離P4との差が0.03mであり、周期判定精度0.03m以下であったので、周期欠陥候補数が2となった。
8)次の欠陥a5が検出された時点で、欠陥a5と欠陥a4との間の欠陥距離P5が算出された。欠陥距離P5は2.05mであった。
9)欠陥距離P4と欠陥距離P5との差が0.10mであり、周期判定精度0.03mを超えたので、連続欠陥候補数が1となった。
10)欠陥a10が検出された時点で、周期欠陥候補数が5となり、周期欠陥判定個数5に達したので、一連の欠陥が周期欠陥であると判定され、CRTモニター41およびプリンタ42に検査領域番号および欠陥の周期が出力された。
【0054】
(検査領域3)
同様に検査領域3については、欠陥b7を検出した時点で、連続欠陥候補数が5となり、連続欠陥判定個数5に達したので、一連の欠陥が連続欠陥であると判定され、CRTモニター41およびプリンタ42に検査領域番号が出力された。
【0055】
[実施例2]
次に、図8を用いて、周期欠陥候補数および連続欠陥候補数のリセットの一例について説明する。
図8に示す欠陥マップでは、欠陥a10が検出された時点で、周期欠陥候補数が5となるので、一連の欠陥が周期欠陥であると判定され、CRTモニター41およびプリンタ42に検査領域番号および欠陥の周期が出力された。
【0056】
もし、欠陥a10が検出された後、判定リセット長である10mの間に次の欠陥が検出されなければ、図8の(a)に示すように、周期欠陥候補数および連続欠陥候補数が0にリセットされ、CRTモニター41の表示(検査領域番号、欠陥の周期)が消去される。
実際には、図8の(b)に示すように、欠陥a10が検出された後、判定リセット長である10mの間に次の欠陥a11が検出されたので、CRTモニター41の表示(検査領域番号、欠陥の周期)は継続され、周期欠陥候補数および連続欠陥候補数はリセットされなかった。
以上の処理を繰り返し実行することにより、検査対象物の外観の特徴に周期性あるいは連続性の欠陥があるかどうかを、簡単な方法で判定することが可能である。
【0057】
[実施例3]
図4は、同一検査領域内において、幅方向に欠陥が重複した場合の一例を示す欠陥マップである。
1)欠陥a1が検出された時点では、欠陥距離が求められないので、データ処理ユニット20では何の処理も行われなかった。
2)欠陥a2が検出された時点で、欠陥a2と欠陥a1との間の欠陥距離P1が算出された。
3)欠陥a2の欠陥長L2と欠陥距離P2の関係が|P2|≦L2/2であるかが判定された。この場合、この関係は成り立たないので、そのまま、欠陥距離P2が保持された。
4)欠陥a3が検出された時点で、欠陥a3と欠陥a2との間の欠陥距離P3が算出された。
【0058】
5)欠陥a3の欠陥長L3と欠陥距離P3の関係が|P3|≦L3/2であるかが判定された。この場合、この関係が成り立ち、欠陥距離P3 <0であるので、P3をP2−|P3|に変更し、周期欠陥候補の判定は行われなかった。
6)欠陥a4が検出された時点で、欠陥a4と欠陥a3との間の欠陥距離P4が算出された。
7)欠陥a4の欠陥長L4と欠陥距離P4の関係が|P4|≦L4/2であるかが判定された。この場合、この関係は成り立たないので、そのまま、欠陥距離P4が保持された。
8)変更後の欠陥距離P3と欠陥距離P4との差が、周期判定精度以内であるか否かが判定された。
【0059】
欠陥距離Pn と欠陥長Ln との間に、|Pn|≦Ln/2の関係が成立するか否かを判定しない場合、周期欠陥候補数は1、連続欠陥候補数は2となるが、この例では、周期欠陥候補数は2、連続欠陥候補数は0となり、周期欠陥と判定する精度を向上させることが可能となる。
これにより、同一検査領域内の幅方向に欠陥が重複した場合、そのどちらか一方を無視することができ、周期性あるいは連続性の欠陥があるかどうかを精度よく簡単は方法で判定することが可能となる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の欠陥検査装置は、移動する検査対象物上に存在する欠陥を検出し、少なくとも欠陥位置情報を含む欠陥情報を取得する欠陥検出手段と、欠陥情報に基づいて周期性のある欠陥を検出する欠陥情報処理手段とを具備し、前記欠陥情報処理手段が、欠陥情報に含まれる欠陥位置情報に基づいて、検査対象物の移動方向に沿って分割された複数の検査領域のうち、検出された欠陥an がどの検査領域に位置するかを判定する領域判定部と、欠陥情報に含まれる欠陥位置情報に基づいて、欠陥an と欠陥an の1つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an-1 との間の欠陥距離Pn を算出する欠陥距離算出部と、欠陥距離Pn と欠陥距離Pn の1つ前に同じ検査領域において算出された欠陥距離Pn-1 との差が所定範囲内であれば、この検査領域における周期欠陥候補数を1つ増やす周期欠陥候補判定部と、各検査領域における周期欠陥候補数が所定数以上となったか否かを判定する周期欠陥判定部と、検査対象物が所定距離移動する間に欠陥が検出されなかった場合、欠陥が検出されなかった検査領域の周期欠陥候補数を0にするリセット部とを有するので、欠陥情報を記憶するのに大きな一時容量を用意する必要がなく、単純な構成でかつ非常に高速に、欠陥の中から周期性のある欠陥をリアルタイムに検出することができる。
【0061】
また、前記周期欠陥候補判定部が、欠陥距離Pn と欠陥距離Pn の1つ前に同じ検査領域において算出された欠陥距離Pn-1 との差が所定範囲内であれば、この検査領域における周期欠陥候補数を1つ増やし、そうでなければ連続欠陥候補数を1つ増やすものであり、前記周期欠陥判定部は、各検査領域における周期欠陥候補数または連続欠陥候補数がそれぞれの所定数以上となったか否かを判定するものであり、前記リセット部は、検査対象物が所定距離移動する間に欠陥が検出されなかった場合、欠陥が検出されなかった検査領域の周期欠陥候補数および連続欠陥候補数を0にするものであれば、欠陥の中から周期性のある欠陥は周期欠陥、周期性のない欠陥は連続欠陥と判定することが可能である。
また、前記欠陥距離算出部または周期欠陥候補判定部が、欠陥距離Pn と、欠陥情報に含まれる欠陥an の長さLn との間に、|Pn|≦Ln/2の関係が成立する場合、欠陥距離Pn を、欠陥an と欠陥an の2つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an-2 との間の欠陥距離に変更するものであれば、周期欠陥の判定精度が向上する。
【0062】
また、本発明の欠陥検査方法は、移動する検査対象物上に存在する欠陥を検出し、少なくとも欠陥位置情報を含む欠陥情報を取得するステップと、欠陥情報に含まれる欠陥位置情報に基づいて、検査対象物の移動方向に沿って分割された複数の検査領域のうち、検出された欠陥an がどの検査領域に位置するかを判定するステップと、欠陥情報に含まれる欠陥位置情報に基づいて、欠陥an と欠陥an の1つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an-1 との間の欠陥距離Pn を算出するステップと、欠陥距離Pn と欠陥距離Pn の1つ前に同じ検査領域において算出された欠陥距離Pn-1 との差が所定範囲内であれば、この検査領域における周期欠陥候補数を1つ増やすステップと、各検査領域における周期欠陥候補数が所定数以上となったか否かを判定するステップと、検査対象物が所定距離移動する間に欠陥が検出されなかった場合、欠陥が検出されなかった検査領域の周期欠陥候補数を0にするステップとを有する方法であるので、欠陥情報を記憶するのに大きな一時容量を用意する必要がなく、単純な構成でかつ非常に高速に、欠陥の中から周期性のある欠陥をリアルタイムに検出することができる。
【0063】
また、本発明の欠陥検査方法が、さらに、欠陥距離Pn と欠陥距離Pn の1つ前に同じ検査領域において算出された欠陥距離Pn-1 との差が所定範囲外であれば、連続欠陥候補数を1つ増やすステップと、各検査領域における連続欠陥候補数が所定数以上となったか否かを判定するステップと、検査対象物が所定距離移動する間に欠陥が検出されなかった場合、欠陥が検出されなかった検査領域の連続欠陥候補数を0にするステップとを有する方法であれば、欠陥の中から周期性のある欠陥は周期欠陥、周期性のない欠陥は連続欠陥と判定することが可能である。
また、本発明の欠陥検査方法が、さらに、欠陥距離Pn と、欠陥情報に含まれる欠陥an の長さLn との間に、|Pn|≦Ln/2の関係が成立する場合、欠陥距離Pn を、欠陥an と欠陥an の2つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an-2 との間の欠陥距離に変更するステップを有する方法であれば、周期欠陥の判定精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 連続シート状の検査対象物の製造ラインおよび本発明の欠陥検査装置の一例を示す概略構成図である
【図2】 欠陥情報処理手段の一例を示すブロック図である。
【図3】 検査対象物における検査領域の一例を説明する概略図である。
【図4】 欠陥対象物の同一検査領域において幅方向に欠陥が重複した場合の一例を示す欠陥マップである。
【図5】 本発明の欠陥検出方法における各ステップの流れの一例を示すフローチャート(前半)である。
【図6】 本発明の欠陥検出方法における各ステップの流れの一例を示すフローチャート(後半)である。
【図7】 検査領域1では周期欠陥、検査領域3では連続欠陥と判定された例を示す欠陥マップである。
【図8】 周期欠陥候補数および連続欠陥候補数がリセットされる場合およびリセットされない場合の例を示す欠陥マップである。
【符号の説明】
4 検査対象物
10 欠陥検出装置(欠陥検出手段)
12 ラインセンサ(受光手段)
13 画像処理ユニット(画像処理手段)
20 データ処理ユニット(欠陥情報処理手段)
21 領域判定部
22 欠陥距離算出部
24 周期欠陥候補判定部
26 周期欠陥判定部
27 リセット部

Claims (6)

  1. 移動する検査対象物上に存在する欠陥を検出し、少なくとも欠陥位置情報を含む欠陥情報を取得する欠陥検出手段と、
    欠陥情報に基づいて周期性のある欠陥を検出する欠陥情報処理手段とを具備し、
    前記欠陥情報処理手段が、
    欠陥情報に含まれる欠陥位置情報に基づいて、前記検査対象物の幅方向検査範囲を該検査対象物の移動方向に沿って分割された複数の検査領域のうち、検出された欠陥aがどの検査領域に位置するかを判定する領域判定部と、
    欠陥情報に含まれる欠陥位置情報に基づいて、欠陥aの検査距離と、欠陥aの1つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an−1の検査距離との差である欠陥距離Pを算出する欠陥距離算出部と、
    欠陥距離Pと欠陥距離Pの1つ前に同じ検査領域において算出された欠陥距離Pn−1との差が所定範囲内であれば、この検査領域における周期欠陥候補数を1つ増やす周期欠陥候補判定部と、
    各検査領域における周期欠陥候補数が所定数以上となったか否かを判定する周期欠陥判定部と、
    検査対象物が所定距離移動する間に欠陥が検出されなかった場合、欠陥が検出されなかった検査領域の周期欠陥候補数を0にするリセット部とを有し、
    前記欠陥距離算出部または周期欠陥候補判定部が、欠陥距離Pと、欠陥情報に含まれる欠陥aの長さLとの間に、|P|≦L/2の関係が成立する場合、欠陥距離Pを、欠陥aと欠陥aの2つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an−2との間の欠陥距離に変更することを特徴とする欠陥検査装置。
  2. 前記欠陥検出手段が、移動する検査対象物からの光を受光して、その画像信号を得る受光手段と、画像信号から欠陥を検出し、欠陥情報を取得する画像処理手段とを具備することを特徴とする請求項1記載の欠陥検査装置。
  3. 前記周期欠陥候補判定部が、欠陥距離Pと欠陥距離Pの1つ前に同じ検査領域において算出された欠陥距離Pn−1との差が所定範囲内であれば、この検査領域における周期欠陥候補数を1つ増やし、そうでなければ連続欠陥候補数を1つ増やすものであり、
    前記周期欠陥判定部が、各検査領域における周期欠陥候補数または連続欠陥候補数がそれぞれの所定数以上となったか否かを判定するものであり、
    前記リセット部が、検査対象物が所定距離移動する間に欠陥が検出されなかった場合、欠陥が検出されなかった検査領域の周期欠陥候補数および連続欠陥候補数を0にするものであることを特徴とする請求項記載の欠陥検査装置。
  4. 移動する検査対象物上に存在する欠陥を検出し、少なくとも欠陥位置情報を含む欠陥情報を取得するステップと、
    欠陥情報に含まれる欠陥位置情報に基づいて、前記検査対象物の幅方向検査範囲を該検査対象物の移動方向に沿って分割された複数の検査領域のうち、検出された欠陥aがどの検査領域に位置するかを判定するステップと、
    欠陥情報に含まれる欠陥位置情報に基づいて、欠陥a の検査距離と、欠陥aの1つ前に同じ検査領域において検出された欠陥an−1 の検査距離との差である欠陥距離Pを算出するステップと、欠陥距離Pと欠陥距離Pの1つ前に同じ検査領域において算出された欠陥距離Pn−1との差が所定範囲内であれば、この検査領域における周期欠陥候補数を1つ増やすステップと、
    各検査領域における周期欠陥候補数が所定数以上となったか否かを判定するステップと、
    検査対象物が所定距離移動する間に欠陥が検出されなかった場合、欠陥が検出されなかった検査領域の周期欠陥候補数を0にするステップとを有し、
    さらに、欠陥距離P と、欠陥情報に含まれる欠陥a の長さL との間に、|P |≦L /2の関係が成立する場合、欠陥距離P を、欠陥a と欠陥a の2つ前に同じ検査領域において検出された欠陥a n−2 との間の欠陥距離に変更するステップを有することを特徴とする欠陥検査方法。
  5. 移動する検査対象物上に存在する欠陥を検出し、欠陥情報を取得するステップが、移動する検査対象物からの光を受光し、その画像信号を得るステップと、画像処理によって画像信号から欠陥を検出し、欠陥情報を取得するステップとを含むことを特徴とする請求項記載の欠陥検査方法。
  6. さらに、欠陥距離Pと欠陥距離Pの1つ前に同じ検査領域において算出された欠陥距離Pn−1との差が所定範囲外であれば、連続欠陥候補数を1つ増やすステップと、
    各検査領域における連続欠陥候補数が所定数以上となったか否かを判定するステップと、
    検査対象物が所定距離移動する間に欠陥が検出されなかった場合、欠陥が検出されなかった検査領域の連続欠陥候補数を0にするステップとを有することを特徴とする請求項記載の欠陥検査方法。
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