JP3845958B2 - 周期欠陥検出方法および装置 - Google Patents

周期欠陥検出方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状物体の製造ラインにおいて形成される周期的な欠陥を検出する周期欠陥検出方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フィルム、金属等のシート状物体の製造において、シート表面に存在する欠陥を検出する検査装置により、製品の品質管理が行われている。フィルム、金属等のシート状物体の製造工程では、搬送、延伸等のためのロールが複数使用されており、ロールの傷、ロールへの付着物、あるいはシート状物体とロールとの擦れ等の影響により、製造物に周期欠陥が発生することがある。使用されているロール径には種々のものがあり、欠陥を検出した際に周期性の有無、幅方向の位置、周期ピッチを正確に求めることで、欠陥の発生原因となるロールを特定し、それ以上の欠陥の発生を防ぐ対策を講じることが可能となる。
【0003】
周期欠陥の検出には、例えば特公平7−86474号公報に示されるような欠陥の周期を測定する方法がある。この方法によれば、被検査物を走行方向および幅方向に細分化し、各々のデータセルについて欠陥の有無により「1」、「0」の2値化データとして、走行している被検査物からデータ列(d1,d2,・・,dn)を取り込み、
Figure 0003845958
で表される自己相関関数AC(j)により、間隔jで分布する欠陥部の頻度を計算し、判別条件によって周期性の有無を判定している。この判別条件は、周期的に存在するm個の欠陥の周期成分は、基本周期成分及びその2倍から(m−1)倍までの周期成分からなっていることを利用し、
AC(f)>0 かつ AC(2・f)>0 かつ・・・ かつ AC(k・f)>0
(但し、k・fは周期性有無判定条件の最大周期成分でk<m)
の条件式に基づいて基本周期fを算出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のデータ処理を行う場合には、測定領域を単位領域に分割して2値化データとしており、計算速度や記憶容量等の制限から分割をあまり細かくできず、欠陥位置の精度を上げることが難しかった。
【0005】
また、同一原因による周期欠陥でも、被検査物の延伸工程等の影響で周期に若干のばらつきが発生したときは、細分化の境界付近の欠陥に対して周期判定に誤りが生じる場合がある、さらに、周期が長いために測定範囲での欠陥総数が少ない場合や、欠陥からの信号強度が小さいために検出漏れを生じた場合、従来の技術では判別条件に適合せず、基本周期を誤ったり、周期判定できないという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、このような従来技術の問題点を解決し、欠陥周期の基本周期を算出するためのアルゴリズムを改良し、欠陥位置にばらつきが生じたり、欠陥の検出漏れが発生しても正確な周期判定を可能にする周期欠陥検出方法および装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、被検査物から得られた欠陥データのうち少なくとも走行方向の位置と幅方向の位置を用い、幅方向の位置でグループ分けし、幅方向位置が同一と見なされる一群の欠陥データの中で相互間の距離を求めた後、相互間の距離が互いに整数倍の関係にあるかを判定して基本周期の候補を求め、さらに基本周期候補相互の除算による商と剰余から検出漏れによる短い基本周期の有無を考慮して、基本周期を算出するようにしたものである。
【0008】
また測定結果の出力の際、欠陥データの中で周期性を有するデータには、同一種類の周期欠陥に同一の記号と、同一種類内で何番目の欠陥かを示す数字を付して出力するようにしたものである。
【0009】
すなわち、本発明に係る周期欠陥検出方法は、走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出方法において、シート状物体から検出された欠陥データのうちの少なくとも走行方向の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まずTD位置ごとに予め設定したTD位置許容範囲内で近接する欠陥同士を同一のグループに分類し、各同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期として、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれかを判定し、先頭の欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個づつ取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定することを特徴とする方法からなる。
【0010】
また、本発明に係る周期欠陥検出方法は、走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出方法において、シート状物体から検出された欠陥データのうちの少なくとも走行方向の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まずTD位置ごとに予め設定したTD位置許容範囲内で近接する欠陥同士を同一のグループに分類し、各同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期として、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれかを判定し、先頭の欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個づつ取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定し、該整数倍の倍率またはその倍率に1を加えた値を表示することを特徴とする方法からなる。
【0011】
また、本発明に係る周期欠陥検出方法は、走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出方法において、シート状物体から検出された欠陥データのうち少なくとも走行方向の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まず、各TD位置に対してそのTD位置を中心として予め設定したTD位置許容範囲内の欠陥に対してすべての欠陥の組み合わせでMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期として、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれか判定し、先頭欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定し、次にTD位置が隣接し周期の同じ周期欠陥同士を同一のグループに分類することを特徴とする方法からなる。
【0012】
また、本発明に係る周期欠陥検出方法は、走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出方法において、シート状物体から検出された欠陥データのうち少なくとも走行方向の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まず、各TD位置に対してそのTD位置を中心として予め設定したTD位置許容範囲内に欠陥に対してすべての欠陥の組み合わせでMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期として、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれか判定し、先頭欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定し、次にTD位置が隣接し周期の同じ周期欠陥同士を同一のグループに分類し、同一グループに分類した周期欠陥の中で、整数倍の倍率または倍率に1を加えた値を表示することを特徴とする方法からなる。
【0013】
また、本発明に係る周期欠陥検出装置は、走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置において、シート状物体から検出された欠陥データのうちの少なくとも走行方向の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まずTD位置ごとに予め設定したTD位置位置許容範囲内で近接する欠陥同士を同一のグループに分類する手段と、各同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期とする手段と、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれかを判定する手段と、先頭の欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個づつ取り出し、取り出した欠陥の先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定する手段とを有することを特徴とするものからなる。
【0014】
また、本発明に係る周期欠陥検出装置は、走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置において、シート状物体から検出された欠陥データのうちの少なくとも走行方向の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まずTD位置ごとに予め設定したTD位置位置許容範囲内で近接する欠陥同士を同一のグループに分類する手段と、各同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期とする手段と、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれかを判定する手段と、先頭の欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個づつ取り出し、取り出した欠陥の先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定する手段と、該整数倍の倍率またはその倍率に1を加えた値を表示する手段とを有することを特徴とするものからなる。
【0015】
また、本発明に係る周期欠陥検出装置は、走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置において、シート状物体から検出された欠陥データのうち少なくとも走行方法の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まず、各TD位置に対してそのTD位置を中心として予め設定したTD位置許容範囲内の欠陥に対してすべての欠陥の組み合わせでMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期とする手段と、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれか判定する手段と、先頭欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定する手段と、次にTD位置が隣接し周期の同じ周期欠陥同士を同一のグループに分類する手段とを有することを特徴とするものからなる。
【0016】
さらに、本発明に係る周期欠陥検出装置は、走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置において、シート状物体から検出された欠陥データのうち少なくとも走行方向の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まず、各TD位置に対してそのTD位置を中心として予め設定したTD位置許容範囲内の欠陥に対してすべての欠陥の組み合わせでMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期とする手段と、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれか判定する手段と、先頭欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定する手段と、次にTD位置が隣接し周期の同じ周期欠陥同士を同一のグループに分類し、同一グループに分類した周期欠陥の中で、整数倍の倍率または倍率に1を加えた値を表示する手段とを有することを特徴とするものからなる。
【0017】
上記のような本発明に係る手法によれば、欠陥の走行方向の位置データと幅方向の位置データを直接周期判定に使用できるため、従来のようにデータ処理装置の制約を受けて測定領域を単位面積に細分化するよりも位置データの精度が上げられる。
【0018】
また、幅方向の位置が近接する欠陥データを抽出し、欠陥相互の走行方向の位置間隔を互いに除算した商と剰余を用いて基本周期を算出するため、周期性のある欠陥の検出漏れが発生しても、正確な基本周期を求めることが可能となる。
【0019】
さらに、検出結果の出力では、同一原因による周期欠陥に対して、同一の周期性欠陥であることと、同一の周期性欠陥の中で何番目に検出したかを付して出力することで、検出漏れの存在を明確に示すことが可能となる。
【0020】
上記のような周期欠陥検出方法および周期欠陥検出装置は、例えばプラスチックフィルムの製造に適用して好適なものである。
【0021】
【実施例】
以下に、本発明の実施例1を図1ないし図13を参照して、実施例2を図14ないし図19を参照して説明する。
〔実施例1〕
図1は、本発明に係る周期欠陥検出装置をシートの欠陥検出装置に適用した一実施例を示す全体構成図である。図において、長尺の被検シート1(たとえば、プラスチックフィルム)を搬送させる搬送系は、この被検シート1が巻き回された、回動可能な巻出しロール2と巻取りロール3と、この巻取りロール3を回動駆動する巻取りモータ4と、搬送ロール53に接続されたエンコーダ54から構成されている。被検シート1は、この巻取りモータ4の駆動によって、巻出しロール2から搬送されて一定速度で巻取りロール3に巻き取られる。なお、5は、被検シート1の走行方向に生じた欠陥である。
【0022】
本発明に係る欠陥検出装置は、被検シート1の一方の面に、光ビームを、被検シート1の幅方向に対して所定角度θだけ傾いた方向に走査する投光部10と、被検シート1の他方の面に対向し、かつ、上記投光部10で走査された光ビームの主ビームが入射しない位置に設けられ、上記被検シート1を透過した拡散光を受光する受光部20と、受光部20に接続され、受光部20からの出力から被検シート1に生じた欠陥の種類の判定を行うデータ処理部30と、データ処理部30に接続され、データ処理部30の指示により上記被検シート1の端部にマーキングを行うマーキング装置51と、被検シート1の下流側に設けられ、対向する被検シート1の面に光を照射する透視装置52とから構成されている。
【0023】
投光部10は、光ビームaを出力するレーザ光源11と、この光ビームaの光路上に設けられた、集光レンズ12、モータ13によって矢印方向に定速で駆動されるポリゴンミラー14および集光レンズ15とを備えている。この投光部10は、光ビームaを、被検シート1の走行方向(図中L方向)と幅方向(図中W方向)に対して所定角度θだけ傾けた図中S方向に走査することができるように設置されている。
【0024】
一方、被検シート1を介在させて投光部10の反対側には、受光部20が設置されている。この受光部20は、被検シート1の欠陥5により生じた拡散光bの一部を受光する光ロッド21と、この光ロッド21内を導かれてきた拡散光を測光する、その光ロッド21の各端部に設けた光電子増倍管22、22とを備えている。この受光部20はその光ロッド21に光ビームaの主ビームcが入射しないように、光ロッド21が光ビームaの走査軌跡からわずかに離れた位置になるように設置されている。受光部20の光電子増倍管22、22は、データ処理部30に接続されている。
【0025】
図2(a)は、欠陥5で左右に拡散する光の内、右方向に拡散した光を光ロッド21で受光する状態を示している。ここで図2(b)に示すように、光ビームaの走査面の両側に受光部20を1個づつ配置する2本受光方式にすると、欠陥5から両側へ拡散した光を2本の光ロッドで受光できることから、1本の受光部に比べて受光量は増大する。また受光部2本化により欠陥からの信号量は増大するが、白色雑音要素は2本の受光部の信号の重ね合わせによる信号の相殺効果でS/Nが良くなり、検出感度が向上するので受光部の2本化が好ましい。
【0026】
また、光ビームaの走査軌跡上で、かつ、検出幅の外、すなわち、被検シート1の外方で、その側縁近くには、データ処理部30に接続された、光ビームの走査基準位置検出用受光器23が設置されている(図1)。
【0027】
データ処理部30は、図3に示すように、光電子増倍管22、22からの受光部出力(受光信号)を増幅するアンプ31と、増幅された出力をデジタル信号に変換するA/D変換装置32と、A/D変換された値があらかじめ設定されたしきい値より大きいことを判定する比較器33と、クロックを出力するクロック発生回路34と、このクロックのカウント値を出力するクロックカウンタ35と、クロックカウンタ値が設定された上限値と下限値の間にあることを判定する比較器36と、受光器23からの走査信号をカウントする走査カウンタ37と、エンコーダ54から出力されたエンコーダ信号をカウントするエンコーダカウンタ38と、書き込み信号を出力する書き込み信号発生回路39と、この書き込み信号の出力によってA/D変換器32、クロックカウンタ35、走査カウンタ37およびエンコーダカウンタ38からの出力を一時記憶する記憶装置40と、記憶装置40に記憶されたデータの処理を行うメインコンピュータ41とから構成されている。
【0028】
アンプ31の出力をA/D変換したA/D変換器32は、デジタル値を比較器33および記憶装置40に出力する。比較器33にはしきい値が設定されており、入力したデジタル値がしきい値以上のときにデジタル値の有効信号を書き込み信号発生回路39へ出力する。
【0029】
クロックカウンタ35は、クロック発生回路34から主力されるクロックをカウントし、光ビームの1走査分(図1中S方向の1走査分)の測定範囲をカウント値として、比較器36および記憶装置40に出力する。比較器36には測定領域両端である、クロックの上限値および下限値が設定されており、クロック値がこの上下限の間にあるとき、クロック値有効信号を書き込み信号発生回路39に出力するとともに、このカウント値を、走査基準位置検出用受光器23から出力される走査信号でリセットさせ、再び新たに1走査分のカウントがなされる。
【0030】
書き込み信号発生回路39は、比較器33からのデジタル値有効信号と比較器36からのクロック値有効信号が同時に入力された時、欠陥発生と判定し、書き込み信号を発生させて記憶装置40へ出力する。
【0031】
走査カウンタ37は、被検シート1の走行方向、すなわち、光ビームが何回走査されたかを示すもので、走査信号が入力するたびに、カウントを1つ増加させている。
【0032】
エンコーダカウンタ38は、被検シート1が走行方向に移動した変位に応じて出力されるエンコーダ信号をカウントするもので、被検シート1を送り出した時、エンコーダ信号が入力するたびにカウントを1つづつ増加させ、被検シート1を巻き戻した時、エンコーダ信号が入力するたびにカウントを1つづつ減少させる。
【0033】
なお、走査カウンタ37とエンコーダカウンタ38は、どちらも被検シート1の走査方向の位置を特定する目的のため、一方だけでもよい。
【0034】
メインコンピュータ41は、記憶装置40に欠陥データ(デジタル値、クロックカウンタ値、走査カウンタ値およびエンコーダカウンタ値)が一時記憶されると、そのデータを読み出し、欠陥の走行方向(MD方向と呼ぶ)の位置(MD位置)と、幅方向(TD方向と呼ぶ)の位置(TD位置)を求めることができる。
【0035】
MD位置は、エンコーダカウンタ値にエンコーダの単位長さを掛け合わせることで計算し、TD位置は、クロックカウンタ値にクロックの単位長さを掛け合わせて計算する。本実施例では、エンコーダの単位長さを0.1mm、クロックの単位長さを0.05mmに設定したが、より分解能の高いエンコーダや高いクロック周波数を用いることで精度を上げることが可能である。
【0036】
なお、被検シート上の欠陥の大きさ、形状によって、1つの欠陥に対して複数回の光ビームが照射された場合は、その都度、欠陥データとして記憶装置に一時記憶される。この場合にはそれら複数の欠陥データ間の距離があらかじめ設定した許容値以下となるものを一群の欠陥にまとめ、平均などの演算により、欠陥全体を代表する位置データ(MD位置、TD位置)を計算して、以降の処理を行う。
【0037】
こうして得られた欠陥の位置データを用い、後述する周期判定を行った後、モニタ42への表示、処理結果のプリンタ43への出力などを行う。
【0038】
メインコンピュータ41は、走査カウンタ37およびエンコーダカウンタ38からのカウント値を随時読み出して、データ処理に用いている。
【0039】
マーキング装置51は、受光部20より下流側の被検シート1の端部に設置されており、欠陥を検出したときに、メインコンピュータ41からのマーキング指示によって、この被検シート1の端部に欠陥の存在を示すマーキングを行っている。
【0040】
透視装置52は、このマーキング装置51より下流側の被検シート1の近隣に設置されており、複数の蛍光灯と、被検シート1に対向する面に設けられた乳白色の板とから構成されている。作業者は、必要に応じて透視装置52の蛍光灯を点灯させて、被検シート1に光を照射して、検出した欠陥を目視で確認する。
【0041】
次に、図1に示した欠陥検出装置を用いた欠陥検出について説明する。
この装置では、光源に波長約670nmの半導体レーザを用い、出力する光ビームの直径を、被検シート上で100μmとなるように調整する。1つの投光部で検査できる被検シートの幅が、最大約550mmであるため、投光部および受光部を3台づつ図1のS方向に並列に設置して、幅が約1500mmまでの被検シートの検査に対応できるようにしてある。また、これよりも幅の広い被検シートの検査には、投光部および受光部の数をさらに追加して対応すればよい。
【0042】
投受光部の校正には、拡散板(#1500)とカメラ用NDフィルタ(1/4)を組み合わせたもの(調整フィルタと呼ぶ)を用いて行った。調整フルルタの本来の目的は基準拡散光を得ることにあるから拡散板のみあればよいが、光電変換を行うフォトマル出力が飽和するのを防ぐためにNDフィルタを組み合わせ、調整フィルタのエッジ部での乱反射を防ぐためフィルタ周囲を黒紙でマスク処理している。
【0043】
受光部の光入射窓上に調整フィルタを設置し、窓に沿って一端から他端へ10cm/sec程度のゆっくりとした速度で移動する。この間フォトマルからの受光信号をデジタル式オシロスコープで画面を消去せず、連続表示することで幅方向の各位置での強度分布が記録される。この分布のおおよその平均レベルを求め、3台の投受光部の平均レベルを同程度(約700mV)になるように各フォトマルの印加電圧を調整した。
【0044】
また、3台の投受光部での検出位置の校正のため、検出装置の中に座標系を設置する。CH2(チャンネル2、他も同様)の受光部中央の座標C2(0,0)とおき、3台の機械的な配置からCH1の受光部中央をC1(−DT,+DM)、CH3の受光部中央をC3(+DT,−DM)とおく。
【0045】
各受光部での幅方向位置の検出は、走査基準位置検出用受光器23が光を受けてからカウントしたクロックカウンタ値から求める。各チャンネル中央位置におけるクロックカウント値を実測で測定しておき、各チャンネル中央位置の座標とクロック値との対応で位置の校正を行う。実施例では、DT=550mm、DM=400mm、C1、C2、C3の各クロック値は被検シートの対応位置にマークしたものを受光部で検出した実測値からCK1=7078、CK2=7128、CK3=7107とした。
【0046】
被検シート上での1クロックの長さは、走査方向(θ=20°)で46μm、幅方向でTs=43μm、走行方向でMs=16μmとした。
【0047】
例えば、CH1の受光部で検出したクロック位置をt1とすると、装置の座標系でのTD位置x[mm]、MD位置y[mm]は次式で計算する。
x=(t1−CK1)*Ts−DT
y=(t1−CK1)*Ms+DM
【0048】
次にメインコンピュータ41による周期判定のデータ処理手順を説明する。
図4に処理全体の流れを示す。検出した欠陥の個数をN個とし、各欠陥はMD位置の小さい順に1〜Nまでの欠陥番号が割り当てられている。各欠陥の位置データをTD位置の昇順(または降順)で、TD位置が同一の場合はMD位置の昇順(または降順)となるように、2次元のバッファに欠陥番号を格納する。2次元バッファの大きさはTDの幅とTD位置の分解能とTDの各位置の余裕をみた欠陥の個数で決まるが、本実施例ではTD測定幅1500mm、TD分解能1mmを考慮して1500×200のバッファを使用した。2次元バッファに欠陥番号を格納する際、TD位置許容範囲内にある2次元バッファ全てに同一の欠陥番号を格納する。TD位置許容範囲は可変であるが実施例では±2mmとした(ステップS1)。
【0049】
次に2次元バッファのTDの各位置での欠陥個数を順次見ていき、個数が正となる部分があれば、個数が正となるTDの連続部分を取り出してグループ化し、そのグループの代表となるTD位置を求める(ステップS2)。
【0050】
次にグループ化した欠陥の一群において、MD方向に隣接する欠陥のMD位置の差分を計算し、それらの差分を昇順(または降順)に並び換え、差分値がMD位置許容範囲内のものは同一値と見なして平均をとるなどして差分値を一つに統合する。差分値を統合する毎に、その差分値に統合された個数をカウントしておく。また差分値を一度統合する毎に差分値の種類数は1個減少する。さらに被検シート製造工程で使用しているロール周期の下限値より小さな差分値を無効とする(ステップS3)。
【0051】
次に差分値の要素で整数倍の関係となる組み合わせがあったとき、小さい方の値を基本周期とし、大きい方の値を整数倍周期(倍周期と呼ぶ)として、倍周期と基本周期に統合する。統合は、倍周期(基本周期のK倍とする)と基本周期をK対1で加重平均するなどして1つの値にまとめ、基本周期の個数に倍周期の個数を加えたものを新たに基本周期の個数とする。周期の種類数はステップS3と同様に一度統合する毎に1個減少する(ステップS4)。
【0052】
次に差分値の要素から2数a、b(b>a)を取り出して、求めた最大公約数がロールの下限値以上で、取り出した2数の小さい方(a)の値を最大公約数で割ったときの剰余がMD位置許容範囲以下のとき、この最大公約数を基本周期として取り出した2数を基本周期に統合する。統合は2数それぞれの基本周期に対する倍率をL倍、M倍としたとき、2数の和(a+b)を(L+M)で割った値をあらためて基本周期として統合する。統合した基本周期の個数は取り出した2数それぞれの個数の和とする。実施例では最大公約数の値は、取り出した2数の小さい方(a)の1/5倍の低い基本周期までにとどめた(ステップS5)。
【0053】
次に同一TD内の欠陥から2個を取り出す。この2個の取り出し方は同一TDの欠陥をMD順に並べたとき、先頭から1番目にある欠陥を取り出し、さらに2番目以降の欠陥から順次1個をとることで2個の欠陥を取り出す。2個目に取り出す欠陥が最後の1個まで行ったときは、第1の数字を今の値の次の値として、同様の手順で2個の欠陥を取り出す。取り出した2個の欠陥のMD位置の差分値を基本周期で割ったときの剰余が、最初にMD位置許容範囲以下になったとき、この2個の欠陥を基本周期に対応する先頭の欠陥と第2の欠陥と判定する。MD位置の基準を先頭欠陥のMD位置として、MD位置で第2欠陥以降にくる欠陥を順次取り出し、先頭の欠陥と取り出した欠陥との2個の欠陥で同様の判定を繰り返して、個々の欠陥が基本周期に該当する欠陥であるかどうかを判定する。これを同一TD内の全ての基本周期で判定する(ステップS6)。
【0054】
ステップS2で複数のTD位置で欠陥群があれば、一群づつ順次取り出して、ステップS3からステップS6までの操作を繰り返す。この判定はステップS7で行う。以上の手順により、判定した結果を帳票等に出力する。
【0055】
以下に、欠陥の検出例について説明する。
検査対象の被検シートとしては、厚さが約14μm、幅が1014mmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、図1に示した搬送系で、6m/minの一定速度で走行させて検査を行った。
【0056】
図5は、測定器で検出した欠陥の表示例を示している。17個の欠陥を検出し、それぞれの欠陥に対するMD位置とTD位置の一覧を示している。
【0057】
図6は、TD別バッファの一部分を示している。最上段の数字はTD位置(mm)で、その下の丸印を付けた数字が検出した欠陥の番号を示し、丸印の前後に2個づつ同一数字を上方につめて格納している。丸印の前後にも同一の欠陥番号を格納することでTD方向の許容範囲内の位置ずれに対処している。
【0058】
図7は、図6のTD別バッファの各TDにおける欠陥の個数をカウントしたものである。これを使ってn[i](i=0,・・,1499)を順次見ていくことで、この例ではTD=283付近に一群の欠陥があることがわかる。具体的には個数が1個以上となる連続区間を見つけ、その中で個数が最大となる位置を抽出する。TD=281〜284までが各8個と最大値を示すが、最大値が連続している区間の端部よりも中央付近(TD=282または283)を抽出する方が精度は向上する。
【0059】
以下の説明では周期欠陥の検出漏れなどの説明の都合で、端部であるTD=281を抽出する。
【0060】
図8は、抽出したTD=281のTDバッファに含まれる欠陥の抽出例(1)を示している。最上段に欠陥番号、2段目がTD位置、3段目がMD位置、4段目がMD位置の差分、5段目が差分した値を昇順に並べ換えたもの(差分ソート)を示している。
【0061】
次に、差分ソート値から2個の要素a,b(b>a)を選択する。ここでa,bの選択の仕方は差分ソートの値から繰り返し操作でまず1個選択し、さらに下の階層の繰り返し操作でもう1個選択する方法で実現できる。
【0062】
a,bに対して割算b/aから商と余りを計算する。余りの値は−a/2〜+a/2の範囲の値と定義する。この演算は通常の剰余計算で余りがa/2より大きいとき、商を1増加させ、余りからaを減算することで実現できる。
【0063】
剰余を計算したとき、商が1で余りの絶対値がMD位置許容値(例えば15)以下の場合は、同一の周期と判定して統合し、同一周期の個数を1増加する。このような判定を順次行っていき、周期の種類数とそれぞれの周期に含まれる個数を計算する。なお、同一種類の周期に含まれる要素の個数が2個以上の場合はそれらの平均値をあらためて周期の値とする。図8の例で、同周期統合(個数)は39(1個)、647(5個)、1255(1個)となる。
【0064】
次に最小ロールピッチより小さい場合を無効として除外する。図8の例では、例えば200mmを最小ロールピッチとすると、39は無効となる。
【0065】
次に倍周期判定の説明のため、図9に別の欠陥抽出例(2)を示す。同周期統合から2個の要素を選択する。例えば第2要素(999)と第3要素(1997)との剰余演算は、
1997/999=2・・・−1
となって許容値15mm以下であるので、整数倍と判断して999(3個)と、1997(1個)を統合して、999(4個)とする。周期性のある欠陥の抜けが少数の場合は差分ソート値の中に基本周期が含まれているため、倍周期判定のみで統合化の操作は十分であるが、検出条件が悪く、周期欠陥の抜けが多い場合には、差分ソート値の中に基本周期がない場合がある。
【0066】
次に半周期判定の説明のため、図10に別の欠陥抽出例(3)を示す。この例では同周期統合の結果、2種類の周期が得られているが、本来の基本周期500が表面化しないため、単純な周期判定では周期の統合ができない。
【0067】
前段階までの判定と同様の方法で半周期統合したものから2個の要素を選択し、この2数から最大公約数を求めて基本周期とするが、計算時間や実際のロールピッチの下限値を考慮するとあまり小さな公約数まで求めるのは効率が悪い。そこで、本実施例では簡略的手法として検出した欠陥間隔の1/5倍以上のものを効率的に検出する手法を用いた。なお、どの比率まで求めるかは適宜決める。
【0068】
図11は2数a,bの例とその基本周期との対応を、また、増減周期とは2数の差とaとの割合を示している。
【0069】
2数a,b(b>a)のaに対して1/2,1/3,1/4,1/5周期を計算して、バッファRs[i]に格納する。また、比率計算の補助としてU[i]、D[i]を定義する。
Figure 0003845958
【0070】
b/aの商と剰余(符号をSg絶対値をReとする)を次のように求める。
b/a=Qu・・・Sg*Re
【0071】
剰余絶対値ReとバッファRs[i]の差がMD位置許容値(15mm)以下の場合は、iに対応するU[i]とD[i]から基本周期Tmを次式で計算する。
Tm=(a+b)/((Qu+1)*D[i]+Sg*U[i])
【0072】
図11のNo=9を例として低周期の計算法を説明する。
Figure 0003845958
より、Qu=2、Sg=−1、Re=720となり、剰余の絶対値がRs[4]に一致する(許容値との比較で判定)ので、i=4となる、したがって、これに対応するU[4]=2、D[4]=5を得る。
【0073】
以上の値から基本周期Tmを計算すると、
Tm=(2880+1800)/((2+1)*5−1*2)=4680/13=360
となり、1800と2880からは1/5倍の基本周期360mmを検出する。
【0074】
基本周期が発見された場合は、他の要素に対しても同一の基本周期がないかをチェックし、もし他にも同一基本周期があればそれらを統合するが、この場合の周期の値は統合する全体から再度平均値を計算して改めて基本周期とし、以降の操作を考慮してバッファ内の周期種類を昇順にソートし、再度倍周期判定を行う。
【0075】
図10の欠陥例(3)では、a=1000、b=1500から同様の計算で
Tm=(100+1500)/((1+1)*2+1*1)=2500/(4+1)=500
から基本周期500mmとその要素5個が判定される。また図8の欠陥例(1)では倍周期判定、半周期判定で新たな周期は発見されなかったので同周期統合後の有効判定の結果が最終的に得られる。
【0076】
以上の操作により同一TDにおける周期判定が完了する。次に周期欠陥の要素数が2個以上のものを周期欠陥と確定する。全測定における周期欠陥の種類数の計算は、確定した周期欠陥の個数で数える。
【0077】
ここで、周期判別により得られた基本周期をもとに同一TD内の欠陥全てについて、この周期欠陥に該当するかどうかを判定する。
【0078】
図8の欠陥の例について周期欠陥の確定手順について説明する。図8で抽出した欠陥8個から2個を取り出す。2個の取り出し方は、8個の内から2個取り出す全ての組み合わせで行い、欠陥個数8個の場合、28通りとなる。
【0079】
取り出した2個のMD位置の差分値が得られた基本周期647の(許容値以内で)整数倍となるかを判定し、整数倍となった場合はその2個を同一周期と確定する。基本周期に該当する2個が最初に発見されたとき、2数でMDが小さい方を周期欠陥の先頭とし、他方を2番目とする。以降は先頭と判定した欠陥のMD位置を基準として、残りの各欠陥のMD位置との差分が基本周期の整数倍になるかを順次判定する。基本周期が複数得られている場合は、残りの基本周期についても同様に順次判定していく。
【0080】
以上の操作により同一TDに含まれる欠陥全てについて基本周期に該当するかどうかが判定され、基本周期に属する欠陥の中で何番目の欠陥であるかも判定される。この手法によれば、周期欠陥の一部に抜けが生じた場合は、周期欠陥の先頭からの番号付けも対応した番号が抜けるため、検出漏れが明確にわかるようになる。図8の例では、欠陥番号1を先頭としたとき、欠陥番号4、10、12、15、17とのMD位置の差分が基本周期の整数倍となり、これら6個を周期欠陥と判定する。
【0081】
なお、図8の欠陥抽出の際、説明の都合でTD=281を抽出したが、欠陥個数の極大位置判定法を変えてTD=282を抽出した場合は欠陥番号5、8が欠陥番号7、9に置き換わるため、周期欠陥の個数は8個に向上する。また、極大位置判定法が同一でも、TD位置許容値2mmを3mmに変更すると周期欠陥の個数は同様に8個となる。
【0082】
図12に図5の欠陥に対する周期判定の結果出力の例を示す。同一種類の周期欠陥に同一の識別マーク(A)をつけるとともに、同一種類の周期欠陥の中で何番目の欠陥であるかを明示している。
【0083】
また、図13に測定した被検査物のマップ出力の例を示す。このマップから、TD=280付近に周期欠陥が検出できていることがよくわかる。
【0084】
〔実施例2〕
実施例2は実施例1の欠陥検出装置と周期判定方法のみ異なる装置を同じ検査条件で用いた場合の例で、ここでは実施例1と異なる部分であるメインコンピュータ41による周期判定のデータ処理手順のみを説明する。
【0085】
図14は処理全体の流れを示す。検出した欠陥の個数をN個とし、各欠陥はMD位置の小さい順に1〜Nまでの欠陥番号が割り当てられている。
各欠陥の位置データをTD位置の昇順(または降順)で、TD位置が同一の場合はMD位置の昇順(または降順)となるように、2次元のバッファに欠陥番号を格納する。
【0086】
2次元バッファの大きさはTDの幅とTD位置の分解能とTDの各位置の余裕をみた欠陥の個数で決まるが、本実施例ではTD測定幅1500mm、TD分解能1mmを考慮して1500×200のバッファを使用した。
2次元バッファに欠陥番号を格納する際、TD位置許容範囲内にある2次元バッファ全てに同一の欠陥番号を格納する。TD位置許容範囲は可変であるが実施例では±1mmとした。(以上、ステップS1)
【0087】
次に各TD位置毎の欠陥群において、MD位置の差分演算を行い基本周期の計算を行う。
差分演算は最後尾にある欠陥が先頭からm番目にあるとして、先頭からi番目の欠陥について注目し、i番目とi+1番目、i番目とi+2番目、・・・、i番目とi+n番目という順番で、i番目とi+n番目の距離がi番目とm番目の距離の1/3以上になるまで行う。さらに被検シート製造工程で使用しているロール周期の下限値より小さな基本周期を無効とする。(ステップS2)
【0088】
次に同一TD内の欠陥から2個を取り出す。この2個の取り出し方は同一TDの欠陥をMD順に並べたとき、先頭から1番目にある欠陥を取り出し、さらに2番目以降の欠陥から順次1個を取ることで2個の欠陥を取り出す。2個目に取り出す欠陥が最後の1個まで行ったときは、最初に取り出す欠陥を順次の欠陥として、同様な手順で2個の欠陥を取り出す。取り出した2個の欠陥のMD位置の差分値を基本周期で割ったときの剰余が、最初にMD位置許容範囲以下になったとき、この2個の欠陥を基本周期に対応する先頭の欠陥と第2の欠陥と判定する。(ステップS3)
【0089】
MD位置の基準を先頭欠陥のMD位置として、MD位置で第2欠陥以降にくる欠陥を順次取り出し、先頭の欠陥と取り出した欠陥との2個の欠陥で同様の判定を繰り返して、個々の欠陥が基本周期に該当する欠陥であるかどうかを判定する。これを同一TD内の全ての基本周期で判定する。(ステップS4)
【0090】
周期欠陥であることが既知である欠陥を除いて注目欠陥番号iが1からm−1番になるまでステップS2からステップS4までの操作を繰り返す。(ステップS5)
【0091】
更にステップS1で複数のTD位置で欠陥群があれば、一群づつ順次取り出して、ステップS2からステップS5までの操作を繰り返す。
以上の手順により、判定した結果を帳票等に出力する。
【0092】
以下に検出した欠陥の例を挙げて説明する。
図15は、測定器で検出した欠陥の例を示している。また、図16に前述の2次元バッファに欠陥データを格納した様子を示す。格納に際しては測定時のTD位置変動に対応するため、本来のTD位置に対してTDの許容範囲である±1mmの範囲に同じデータを入れた。
【0093】
図16においてTD位置t2を抜き出して示した図17を例にとると、基本周期の計算方法は先ずm1の欠陥に注目しm1とm2、m3、・・・m12の差を計算し、つぎにm2の欠陥に注目しm2とm3、m4、・・・m12の差を計算し、同様のことを注目欠陥がm11の欠陥になるまで繰り返すことで計算する。
【0094】
ただし、全ての欠陥間を基本周期として周期判定を行うことは現実的でないので次のような方法で計算負荷の低減を行った。
(a)本方法では3個以上の欠陥が周期的に並んでいて初めて周期欠陥と判定するので、基本周期の計算範囲は注目欠陥と最後の欠陥間の距離の1/3の範囲とする。
(b)一定周期性欠陥と判定された欠陥は基本周期を求める際に注目欠陥としない。
【0095】
この方法を用いた計算例を図18および図19を用いて説明する。図18においてMD位置がm1の欠陥に注目し、基本周期s1、s2、s3、s4を計算する。次にm1を起点として基本周期間隔で存在する欠陥をチェックする。3欠陥以上存在するのは基本周期がs2の時なので、これらの欠陥(m1、m3、m4、m5、m7、m8、m9、m11、m12)にマークを付ける。
【0096】
次に図19において前過程でマークがついていない欠陥でMD位置の一番若いm2の欠陥に注目する。前過程と同様に基本周期s1、s2、s3、s4を計算する。次にm2を起点として基本周期間隔で存在する欠陥をチェックする。3欠陥以上存在するのは基本周期s4の時なので、これらの欠陥(m2、m6、m10)にマークを付ける。
【0097】
更に以前の過程でマークがついていない欠陥を探し、注目欠陥が最後から2番目のものになるか、マーク無しの欠陥が無くなるかするまでこれまでの過程を繰り返す。図18および図19において60は注目欠陥を示している。
この様にして最終的に基本周期はP1とP2が検出される。
【0098】
以上実施例1で具体的な手法を説明したように、走行するシート状物体から周期的な欠陥や周期的な印刷汚れなど、周期を持った対象を検出する場合に本発明を実施し、被検査物から得られた欠陥などの幅方向の位置データと走行方向の位置データをもとに、まず幅方向の位置が同一の欠陥をグループ化し、グループ内の欠陥の、走行方向の位置の間隔(差分)を計算し、それらの差分値の中から基本周期となるものを算出する。基本周期の算出は、差分値の中で重複する値、整数倍の値および逆数倍の値を除くことで算出する。
【0099】
グループ内の欠陥から一つの基本周期に当てはまる欠陥を判定し、また基本周期に当てはまる欠陥の中で、先頭から何周期目の欠陥であるかの周期番号を判定し、検出結果の出力で基本周期と周期番号を明示する検出方法および装置に実施する。
【0100】
また、実施例2で具体的な手法を説明したように、走行するシート状物体から周期的な欠陥や周期的な印刷汚れなど、周期を持った対象を検出する場合に本発明を実施し、被検査物から得られた欠陥などの幅方向の位置データと走行方向の位置データをもとに、周期欠陥であるか不明の欠陥に対し、走行方向の位置の間隔(差分)を計算し、それらの差分値の中から基本周期となるものを算出する。基本周期の算出は、差分値の中で重複する値、整数倍の値を引くことで算出する。
【0101】
予め設定したTD位置許容範囲内にある欠陥群の中から基本周期に当てはまる欠陥を判定し、また基本周期に当てはまる欠陥の中で、先頭から何周期目の欠陥であるかの周期番号を判定し、検出結果の出力で基本周期と周期番号を明示する検出方法および装置に実施する。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、例えば、走行中の帯状被検シートに、光ビームを該被検シートの幅方向に走査して照射し、該被検シートからの拡散光を受光するなどして、被検シートの欠陥を検出するに際し、検出した欠陥番号を、幅方向の位置別バッファへ格納し、バッファの幅方向許容範囲にも同一の欠陥番号を格納するため、周期欠陥の位置が幅方向にばらついても同一の周期欠陥と判定できる。
【0103】
また周期性判定において、幅方向位置が同一の欠陥について欠陥の走行方向の位置の差分から求めた周期欠陥の中で、走行方向の許容範囲で同一となるもの、整数倍となるものや逆数倍となるものを判別するため、周期欠陥の欠陥位置が走行方向にばらつきを生じたり、周期欠陥の一部に抜けが生じても同一の周期欠陥であること容易に判定できる。
【0104】
また、実施例1では検出欠陥数やノイズなどが少ない場合に有効であるが、欠陥数やノイズが多かったり、同じTD位置に複数の周期をもつ欠陥が存在する場合には実施例2で説明した周期判定方法を用いることにより、計算時間を増加させることなく、より判定ミスが少なく欠陥周期を判定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る周期欠陥検出方法をシートの欠陥検出に適用した装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】図1に示した受光部の2本受光方式化を示す概略構成図である。
【図3】図1に示したデータ処理部の一実施例を示すブロック図である。
【図4】周期判定方法のフローチャートである。
【図5】検出した欠陥データの例である。
【図6】図5のデータを用いてTD別バッファへ欠陥番号を格納した例を示す図である。
【図7】図5のTD別バッファの各個数を示した例を示す図である。
【図8】図5、図6から欠陥を抽出した例(1)を示す図である。
【図9】欠陥を抽出した例(2)を示す図である。
【図10】欠陥を抽出した例(3)を示す図である。
【図11】差分値と基本周期の対応例を示す図である。
【図12】図5の欠陥に対する周期判定結果の例を示す図である。
【図13】図12の結果をマップに出力した図である。
【図14】実施例2記載の周期判定方法のフローチャートである。
【図15】検出した欠陥データの例である。
【図16】図15のデータを用いてTD別2次元バッファへ欠陥番号を格納した例を示す図である。
【図17】図15、図16から欠陥を抽出した例を示す図である。
【図18】基本周期の計算例(1)を示す図である。
【図19】基本周期の計算例(2)を示す図である。
【符号の説明】
1 被検シート
2 巻出しロール
3 巻取りロール
4 モータ
5 欠陥
10 投光部
11 レーザ光源
12 集光レンズ
13 モータ
14 ポリゴンミラー
15 集光レンズ
20 受光部
21 光ロッド
22 光電子増倍管
23 受光器
30 データ処理部
31 アンプ
32 A/D変換装置
33 比較器
34 クロク発生回路
35 クロックカウンタ
36 比較器
37 走査カウンタ
38 エンコーダ
39 書き込み信号発生回路(異常検出手段)
40 記憶装置(記憶手段)
41 メインコンピュータ(検知手段、変換手段、認識手段、方向算出手段、周期性認識手段および判定手段)
42 モニタ
43 プリンタ
51 マーキング装置
52 透視装置
53 ロール
54 エンコーダ
60 注目欠陥

Claims (24)

  1. 走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出方法において、シート状物体から検出された欠陥データのうちの少なくとも走行方向の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まずTD位置ごとに予め設定したTD位置許容範囲内で近接する欠陥同士を同一のグループに分類し、各同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期として、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれかを判定し、先頭の欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個づつ取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定することを特徴とする周期欠陥検出方法。
  2. 走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出方法において、シート状物体から検出された欠陥データのうちの少なくとも走行方向の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まずTD位置ごとに予め設定したTD位置許容範囲内で近接する欠陥同士を同一のグループに分類し、各同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期として、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれかを判定し、先頭の欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個づつ取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定し、該整数倍の倍率またはその倍率に1を加えた値を表示することを特徴とする周期欠陥検出方法。
  3. 走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出方法において、シート状物体から検出された欠陥データのうち少なくとも走行方向の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まず、各TD位置に対してそのTD位置を中心として予め設定したTD位置許容範囲内の欠陥に対してすべての欠陥の組み合わせでMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期として、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれか判定し、先頭欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定し、次にTD位置が隣接し周期の同じ周期欠陥同士を同一のグループに分類することを特徴とする周期欠陥検出方法。
  4. 走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出方法において、シート状物体から検出された欠陥データのうち少なくとも走行方向の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まず、各TD位置に対してそのTD位置を中心として予め設定したTD位置許容範囲内に欠陥に対してすべての欠陥の組み合わせでMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期として、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれか判定し、先頭欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定し、次にTD位置が隣接し周期の同じ周期欠陥同士を同一のグループに分類し、同一グループに分類した周期欠陥の中で、整数倍の倍率または倍率に1を加えた値を表示することを特徴とする周期欠陥検出方法。
  5. TD位置許容範囲内で近接する欠陥同士を同一のグループに分類するに際し、幅方向の個数が欠陥検出の幅方向分解能の範囲内の個数で、走行方向の個数が同一TD位置で予想される欠陥個数の最大値以上となる2次元バッファを用意し、先頭欠陥の番号を1として欠陥のMD位置の順に各欠陥に番号を付しておき、番号順に取り出した欠陥のTD位置に対応する、前記2次元バッファに欠陥番号を格納し、さらにTD位置許容範囲で示される値以内に近接する2次元バッファのTD位置にも同一の欠陥番号を格納し、欠陥番号格納の際に、該当するTD位置のバッファにすでに別の欠陥番号が格納されていたときは、2次元バッファの同一TD位置で走行方向に次にくる場所の2次元バッファに欠陥番号を格納していき、全ての欠陥の番号を2次元バッファに格納した後、2次元バッファの各TD位置に格納されている欠陥の個数を順次見ていき、欠陥個数が1個以上となる連続領域を存在するだけ捜し、連続領域を順に取り出し、この中で欠陥の個数が最大となるTD位置をその連続領域の代表TD位置として、2次元バッファの代表TD位置に格納された番号の欠陥を同一の欠陥グループとして分類する、請求項1または2の周期欠陥検出方法。
  6. TD位置で同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差分演算から基本周期を算出するに際し、演算した差分値同士で、予め設定したMD位置許容範囲内で、一致する差分値があれば、一致する差分値の平均値を基本周期にする、請求項1または2に記載の周期欠陥検出方法。
  7. TD位置で同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差分演算から基本周期を演算するに際し、演算した差分値同士の比較で、予め設定したMD位置許容範囲誤差で、整数倍となるものがあれば、倍率を考慮した加重平均値を基本周期にする、請求項1または2に記載の周期欠陥検出方法。
  8. TD位置で同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差分演算から基本周期を演算するに際し、得られた差分値が2個以上の場合に、差分値の中から全ての組み合わせで2数を取り出し、その最大公約数が予め設定した周期の下限値以上であるとき、この最大公約数の値を基本周期にする、請求項1または2に記載の周期欠陥検出方法。
  9. 得られた1個以上の差分値を基本周期として、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれかを判定するに際し、該TD位置における欠陥から1番目と2番目、1番目と3番目という順で、全ての組み合わせで2個の欠陥を取り出し、この2個の欠陥のMD位置の差分値が最初に基本周期の整数倍となったとき、この2個の欠陥のMD位置の小さい方を基本周期に該当する先頭の欠陥と判定する、請求項1ないし8のいずれかに記載の周期欠陥検出方法。
  10. 各欠陥のMD位置の差分演算を行なうに際し、最後尾にある欠陥が先頭からm番目にあるとして、先頭からi番目の欠陥について注目し、i番目とi+1番目、i番目とi+2番目、・・・、i番目とi+n番目という順番で、i番目とi+n番目の距離がi番目とm番目の距離の1/3になるまで差分演算を行うことを特徴とする請求項3または4に記載の周期欠陥検出方法。
  11. 各欠陥のMD位置の差分演算を行なうに際し、注目している、先頭からi番目の欠陥が周期欠陥であると判定されていない場合のみ、前記i番目の欠陥を基に基本周期を計算することを特徴とする請求項3または4または9に記載の周期欠陥検出方法。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の周期欠陥検出方法を用いてプラスチックフィルムを製造する、プラスチックフィルムの製造方法。
  13. 走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置において、シート状物体から検出された欠陥データのうちの少なくとも走行方向の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まずTD位置ごとに予め設定したTD位置位置許容範囲内で近接する欠陥同士を同一のグループに分類する手段と、各同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期とする手段と、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれかを判定する手段と、先頭の欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個づつ取り出し、取り出した欠陥の先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定する手段とを有することを特徴とする周期欠陥検出装置。
  14. 走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置において、シート状物体から検出された欠陥データのうちの少なくとも走行方向の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まずTD位置ごとに予め設定したTD位置位置許容範囲内で近接する欠陥同士を同一のグループに分類する手段と、各同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期とする手段と、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれかを判定する手段と、先頭の欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個づつ取り出し、取り出した欠陥の先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定する手段と、該整数倍の倍率またはその倍率に1を加えた値を表示する手段とを有することを特徴とする周期欠陥検出装置。
  15. 走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置において、シート状物体から検出された欠陥データのうち少なくとも走行方法の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まず、各TD位置に対してそのTD位置を中心として予め設定したTD位置許容範囲内の欠陥に対してすべての欠陥の組み合わせでMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期とする手段と、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれか判定する手段と、先頭欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定する手段と、次にTD位置が隣接し周期の同じ周期欠陥同士を同一のグループに分類する手段とを有することを特徴とする周期欠陥検出装置。
  16. 走行するシート状物体に光を投射し、反射光または透過光を受光してシート状物体に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置において、シート状物体から検出された欠陥データのうち少なくとも走行方向の位置(MD位置)および幅方向の位置(TD位置)のデータを用い、まず、各TD位置に対してそのTD位置を中心として予め設定したTD位置許容範囲内の欠陥に対してすべての欠陥の組み合わせでMD位置の差分演算を行い、得られた1個以上の差分値を基本周期とする手段と、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれか判定する手段と、先頭欠陥以降のMD位置にある欠陥を順次1個取り出し、取り出した欠陥と先頭の欠陥とのMD位置の差分を計算し、この差分値が基本周期の整数倍となった場合に、取り出した欠陥を基本周期と同一の周期欠陥と判定する手段と、次にTD位置が隣接し周期の同じ周期欠陥同士を同一のグループに分類し、同一グループに分類した周期欠陥の中で、整数倍の倍率または倍率に1を加えた値を表示する手段とを有することを特徴とする周期欠陥検出装置。
  17. TD位置許容範囲内で近接する欠陥同士を同一のグループに分類する手段は、幅方向の個数が欠陥検出の幅方向分解能の範囲内の個数で、走行方向の個数が同一TD位置で予想される欠陥個数の最大値以上となる2次元バッファをもち、先頭欠陥の番号を1として欠陥のMD位置の順に各欠陥に番号を付しておき、番号順に取り出した欠陥のTD位置に対応する、前記2次元バッファに欠陥番号を格納する手段と、さらにTD位置許容範囲で示される値以内に近接する2次元バッファのTD位置にも同一の欠陥番号を格納する手段と、欠陥番号格納の際に、該当するTD位置のバッファにすでに別の欠陥番号が格納されていたときは、2次元バッファの同一TD位置で走行方向に次にくる場所の2次元バッファに欠陥を格納する手段と、全ての欠陥の番号を2次元バッファに格納した後、2次元バッファの各TD位置に格納されている欠陥の個数を順次見ていき、欠陥個数が1個以上となる連続領域を存在するだけ捜し、連続領域を順に取り出し、この中で欠陥の個数が最大となるTD位置をその連続領域の代表TD位置として、2次元バッファの代表TD位置に格納された番号の欠陥を同一の欠陥グループとして分類する手段とを有する、請求項13または14に記載の周期欠陥検出装置。
  18. TD位置で同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差分演算から基本周期を演算する手段は、演算した差分値同士で、予め設定したMD位置許容範囲内で、一致する差分値を判定する手段と、一致する差分値の平均値を基本周期にする手段とを有する、請求項13または14に記載の周期欠陥検出装置。
  19. TD位置で同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接されている欠陥のMD位置の差分演算から基本周期を演算する手段は、演算した差分値同士の比較で、予め設定したMD位置許容範囲誤差で、整数倍となるものを判定する手段と、倍率を考慮した加重平均値を基本周期にする手段とを有する、請求項13または14に記載の周期欠陥検出装置。
  20. TD位置で同一グループに分類した欠陥群の中で、走行方向に隣接している欠陥のMD位置の差分演算から基本周期を演算する手段は、得られた差分値が2個以上の場合に、差分値の中から全ての組み合わせで2数を取り出し、その最大公約数が予め設定した周期の下限値以上であることを判定する手段と、この最大公約数の値を基本周期にする手段とを有する、請求項13または14に記載の周期欠陥検出装置。
  21. 得られた1個以上の差分値を基本周期として、あらためて該TD位置における欠陥の中から各基本周期に該当する先頭の欠陥がどれかを判定する手段は、該TD位置における欠陥から1番目と2番目、1番目と3番目という順で、全ての組み合わせで2個の欠陥を取り出し、この2個の欠陥のMD位置の差分値が最初に基本周期の整数倍となることを判定する手段と、この2個の欠陥のMD位置の小さい方を基本周期に該当する先頭の欠陥と判定する手段とを有する、請求項13ないし20のいずれかに記載の周期欠陥検出装置。
  22. 各欠陥のMD位置の差分演算を行なうに際し、最後尾にある欠陥が先頭からm番目にあるとして、先頭からi番目の欠陥について注目し、i番目とi+1番目、i番目とi+2番目、・・・、i番目とi+n番目という順番で、i番目とi+n番目の距離がi番目とm番目の距離の1/3になるまで差分演算を行う手段を有する請求項14または15に記載の周期欠陥検出装置。
  23. 前記判定する手段によって、注目している、先頭からi番目の欠陥が周期欠陥であると判定されていない場合のみ、前記i番目の欠陥を基に基本周期を計算する手段を有する請求項14または15または21に記載の周期欠陥検出装置。
  24. 請求項13ないし23のいずれかに記載の周期欠陥検出装置を有するプラスチックフィルムの製造装置。
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