JPH10129596A - スロッテッド巡航後縁フラップ装置 - Google Patents

スロッテッド巡航後縁フラップ装置

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JPH10129596A
JPH10129596A JP9288251A JP28825197A JPH10129596A JP H10129596 A JPH10129596 A JP H10129596A JP 9288251 A JP9288251 A JP 9288251A JP 28825197 A JP28825197 A JP 28825197A JP H10129596 A JPH10129596 A JP H10129596A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巡航中はシングルスロッテッド構成を有し、
離陸および着陸の際はダブルスロッテッド構成を有する
スロッテッド巡航後縁フラップを提供する。 【解決手段】 スロッテッド巡航後縁フラップ１６は、
航空機の翼３０の後縁に沿って位置するフラップアセン
ブリ１８を含む。フラップアセンブリは、ベーン構成要
素２２および主構成要素２４を含み、これらは互いに固
定された関係で装着され、その間にスロット２５を規定
する。スロッテッド巡航後縁フラップはまた、支持構造
２３を含む伸張アセンブリ２０を含み、支持構造からト
ラック４４およびキャリッジ４６構成を介してフラップ
アセンブリが直進移動可能に接続される。フラップアセ
ンブリは、カムフォロワ５２およびカムスロット５０を
用いて支持構造に回転可能に接続される。ロータリアク
チュエータ５６を含む作動機構２８は、フラップアセン
ブリを支持構造に対して動かす。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の分野】この発明は、航空機の翼のためのフラッ
プ構成に関し、より特定的にはダブルスロッテッド後縁
フラップに関する。
【０００２】
【発明の背景】現在、さまざまな種類のシングルおよび
マルチ・スロッテッド・フラップが離陸および着陸の際
に、揚力を増加させ航空機の操縦性を改善するために用
いられている。しかしながら、巡航中は、スロットは何
の価値も持たないものと以前は思われていた。代わり
に、設計者らは翼上面に沿って、特にフラップと翼後縁
またはスポイラとの間にできた継ぎ目において起こる空
気流の妨害の量を最小にするよう、常に努めてきた。例
として米国特許第４，１２０，４７０号を参照された
い。
【０００３】最近、翼後縁に沿って位置づけられた適当
な輪郭の翼幅方向のスロットを、翼の下面から上面への
制御された空気流を促進するような態様で形づくること
によって、巡航様式における航空力学的利点が得られる
ことがわかってきた。翼下から空気を加えることで、翼
上部の境界層を実際に再付勢することができる。このこ
とは、所与の対気速度に対する抗力が減少することにつ
ながる。この利点の代わりに、ウィングスウィープ（wi
ng sweep）を減少させることによって、結果として重量
減少の利点を得ることも可能である。この現象に関する
重要文献に、「多要素翼型のための設計および最適化の
方法：論文第９３−０９６９号」（Design and Optimiz
ation Method for Multi-Element Airfoils : Paper N
o. 93-0969 ）がある。これはマーク・ドレラ（Mark Dr
ela）によって米国航空宇宙工学連盟（American Instit
ute of Aeronautics and Astronautics）主催の航空宇
宙設計会議（Aerospace Design Conference ）（１９９
３年２月１６日−１９日）で発表された。
【０００４】
【発明の概要】この発明によれば、巡航中はシングルス
ロッテッド構成を有し、離陸および着陸の際はダブルス
ロッテッド構成を有する後縁フラップが提供される。後
縁フラップは、ベーン翼型構成要素および主翼型構成要
素（以下、主構成要素とも呼ぶ）とを含むフラップアセ
ンブリを含む。ベーン構成要素および主構成要素は、互
いに固定された関係にあり、その間に永久スロットを規
定する。収容された位置においては、ベーン構成要素
は、スロットが翼下面から翼上面へ空気流を向けること
ができる状態のままであるように翼の中に収まる。伸張
された位置においては、ベーン構成要素および主構成要
素は後方へ移動し、下方へ回転して、ベーン構成要素と
翼後縁との間に第２のスロットを形成する。代わりに、
この発明は、フラップアセンブリをただ下方へ回転させ
後方へは移動させないことによって第２のスロットの形
成を避けるようにしてもよい。
【０００５】この発明のさらなる局面によれば、フラッ
プアセンブリは、翼後縁に沿って位置づけられた複数の
横の支持位置において支持される。各支持位置は伸張ア
センブリを含み、収容された位置と伸張された位置との
間でベーン構成要素および主構成要素を動かす。フラッ
プアセンブリはさらに、上面および対向するパレット側
壁を有するパレットを含む。パレットは各支持位置に設
けられる。ベーンおよび主翼型構成要素はパレット上面
に装着される。中央旋回軸はパレット側壁の間に横方向
に延びる。伸張アセンブリは、パレットが直進移動可能
かつ回転可能に接続されている支持構造を含む。特に、
サイドパネルを有するフレームが設けられ、サイドパネ
ルは、ほぼ垂直縦方向の平面に配向され、翼後桁から片
持ちにされる。収容された位置においては、パレット側
壁はフレームサイドパネルの外面にごく隣接して位置づ
けられて、スリーブ・タイプの配置を形成する。外側フ
ェアリングは翼に装着され、各支持位置において伸張ア
センブリの各部を囲む。
【０００６】この発明の別の局面によれば、支持構造は
さらに、トラックに直進移動可能に係合するキャリッジ
を含む。トラックはフレームサイドパネルの間でフレー
ムに装着される。キャリッジは、トラック下に位置する
少なくとも１つの車輪と、トラック上に位置する少なく
とも１つの車輪とを含む。キャリッジは、好ましくはキ
ャリッジ車軸の１つと同程度に延在する中央旋回軸を位
置づけることによって、パレットに回転可能に接続され
る。支持構造はさらに、各フレームサイドパネルの外面
の下部領域近くに位置するカムスロットを含む。各パレ
ット側壁内面に形成されたカムフォロアは、そのそれぞ
れのフレームサイドパネルのカムスロットに係合する。
フラップアセンブリは、カムおよびトラック構成の形お
よび位置を変えることによって、独自の偏向経路に従う
ように作られてもよい。好ましい実施例では、トラック
およびカムスロットは、パレットをまず後部方向へ直進
移動させ、次に下方へ回転させて、収容された位置から
完全に伸張された位置へと移行するよう形づくられる。
【０００７】この発明のさらに別の局面によれば、パレ
ットにリンクされ、フラップアセンブリを中央旋回軸を
中心に回転させるロータリアクチュエータを含む作動機
構が提供される。好ましい実施例では、ロータリアクチ
ュエータは、アイドラリンクの一方端に旋回可能に接続
されている径方向アームを回転する。アイドラリンクの
反対側の端は、延長タブに旋回可能に接続されており、
この延長タブはパレットの前方領域でパレット上面近く
に位置する。
【０００８】この発明の前述の局面および付随する利点
の多くは、添付の図面に関連して以下の詳細な説明を参
照することによってより容易に理解されるであろう。
【０００９】
【好ましい実施例の詳細な説明】航空機翼設計の当業者
にはわかるように、航空機翼３０は、翼の横の（すなわ
ち翼幅方向の）距離に延在する、いくつかの剛性桁を含
む。リブは桁を互いに接続し、縦の構造上の支持を提供
する。上部および下部外板は、リブおよび桁に装着さ
れ、翼を閉じて航空力学的に滑らかな空気流表面を形成
する。この発明の特別の関心事は、翼３０の後部部分と
併せて図１から図３に概略的に示される翼後桁３１であ
る。この発明の構成要素は大抵、翼後桁３１の後部に位
置し、翼後桁３１によって構造上支持される。
【００１０】一般的に、この発明に従って形成されたス
ロッテッド巡航後縁フラップ１６は、巡航中はシングル
スロッテッド構成を有し、離陸および着陸の際にはダブ
ルスロッテッド構成を有する。これは、収容された位置
と伸張された位置との間で可動であるフラップアセンブ
リ１８によって行なわれる。収容された位置では１つの
スロットが存在し、伸張された位置では２つのスロット
が存在する。より特定的には、フラップアセンブリ１８
は、ベーン構成要素２２および主構成要素２４の２つの
翼型構成要素を含み、これらは互いに固定した関係で配
置される。翼型構成要素間の空間は、永久シングルスロ
ット２５を構成する。翼後縁に沿った、いくつかの支持
位置において、フラップアセンブリ１８は伸張アセンブ
リ２０に可動に接続され、伸張アセンブリ２０は翼後桁
３１に固定される。伸張アセンブリ２０は、支持構造２
３を含み、これにフラップアセンブリ１８が直進移動可
能かつ回転可能に接続される。伸張アセンブリ２０はさ
らに、作動機構２８を含み、これはフラップアセンブリ
１８を支持構造２３に対して動かす。収容された位置で
は、ベーンフラップ２２は、永久シングルスロット２５
が翼下の領域から翼上の領域へ空気流を向けることが可
能な状態のままであるように翼３０の中に収まる。伸張
された位置では、ベーンおよび主構成要素２２、２４
は、下方へ回転し、翼３０に対して後方へ移動すること
によってダブルスロッテッド構成を形成する。
【００１１】より詳細には、ベーンおよび主翼型構成要
素２２、２４は、翼後縁に沿って短い間隔で位置づけら
れた、いくつかの翼幅方向の支持位置において、翼３０
に装着される。支持位置の一実施例は、図１から図３の
側断面図に示される。図２および図３に最もよく見られ
るように、フラップアセンブリ１８のベーンおよび主構
成要素２２、２４は、たとえば外側の外板を１つまたは
２つ以上の横の構造部材に装着することによって従来の
やり方で形成される。翼型構成要素２２、２４およびス
ロット２５の輪郭および大きさは、特定の応用例によっ
て異なる。各支持位置において、構成要素２２、２４
は、ほぼ平らな上面３６を有するパレット３４の上に装
着される。翼型構成要素は、溶接、リベット締め、ボル
ト締め等のいくつかの公知の方法のいずれか１つを用い
てパレット上面３６に固定され得る。たとえば図１で
は、パレットは構造上の延長部３１、３３を含み、これ
らにベーン構成要素および主構成要素は装着される。選
択した装着方法は、収容された位置と伸張された位置と
の双方において翼型構成要素を固定した関係に保つこと
によってその間にスロット２５を維持しなければならな
い。スロット２５の幅は、特定の応用例の要件と、多様
な翼弦および翼厚に対するスロットの比率とに依存す
る。
【００１２】図１から図３に示される翼３０の後部部分
は、翼上面の後縁近くに位置するスポイラ３２を含む。
スロッテッド巡航後縁フラップが収容されていると、ス
ポイラ３２はベーン構成要素２２の一部分と重なる。フ
ラップアセンブリ１８が収容されていると、スポイラの
外面は翼の上部外板外面と同じ高さの面にあり、スポイ
ラの内面はベーン構成要素の上面と隣接している。この
ため、ベーン構成要素２２はスポイラ３２の下に「隠
れ」ている。ベーン構成要素の後縁をスポイラの後縁の
後ろ、または直接隣接して位置づけることによって、ス
ロット２５は開いたままとなり、常時、空気を翼の下お
よび上の領域の間に通わせることが可能になる。この構
成には、フラップアセンブリが収容されている際、必要
であればスポイラ３２をベーン構成要素２２上に搭載し
ておくことが可能であるという付加的な利点がある。
【００１３】各支持位置において、伸張アセンブリ２０
は支持構造２３と、支持構造２３に対してフラップアセ
ンブリ１８を動かす作動機構２８とを含む。好ましく
は、フラップアセンブリのパレット３４は、支持構造２
３に回転可能かつ直進移動可能に接続され、作動機構２
８は、フラップアセンブリのパレット３４に直接接続さ
れ、強制的にフラップアセンブリを支持構造２３に対し
て直進移動させ回転させる。
【００１４】図２および図３から最もよくわかるよう
に、支持構造２３は、ほぼ垂直縦方向の平面に配向され
た対向する直立サイドパネル２７を有する剛性フレーム
２６を含む。直立サイドパネル２７は翼後桁３１から片
持ちにされる。ほぼ水平なトラック４４は、後方に延び
るアーム７０およびその間に装着され、アーム７０は対
向するフレームサイドパネルの一部分を構成する。図５
を参照すると、トラック４４は２つのサブトラック４５
から形成され、サブトラック４５は各々、一方のフレー
ムサイドパネルのアームの上端縁から反対側のフレーム
サイドパネルのアームに向かって内向きに延びる。サブ
トラック４５は、鍛造、ミリング、曲げ加工等によって
形成され得る。小さな横方向の空隙が２つのサブトラッ
ク４５の間に存在する。
【００１５】支持アセンブリはさらに、キャリッジ４６
を含み、キャリッジ４６はトラック上の前後方向のキャ
リッジの直進移動を可能にする態様でトラック４４に係
合する。特に、キャリッジ４６は各々の側に４つずつ車
輪４８を有する縦センタープレート４７を含み、車輪の
回転軸は縦センタープレート４７の面に垂直である。図
２、図３、および図５に示されるように、縦センタープ
レート４７は２つのサブトラック４５の間に位置づけら
れ、車輪の内４つ（すなわち各側面に２つずつ）がサブ
トラック４５の上面に接触し、車輪の内４つがサブトラ
ックの下面に接触するようにする。そこで、キャリッジ
４６は直進移動中、縦または横の離脱を防ぐような態様
でトラック４４に係合する。キャリッジはまた、以下に
説明されるようにフラップアセンブリのパレットに接続
される。
【００１６】図２、図３、および図５に示されるよう
に、支持構造２３はさらに、各フレームサイドパネル２
７の外面に沿って形成されるカムスロット５０を含む。
カムスロット５０は、フラップアセンブリ１８の使用中
の動きを案内するガイドとして作用する。図示されるカ
ムスロット５０は２つの部分を有する。これらの部分は
図２および図３から最もよくわかる。第１の部分５１は
水平方向に走り、フレームサイドパネル２７の下端近く
に位置する。第２の部分５３は、第１の部分５１の後方
端から張り出し、サイドパネル２７内で上向きの弧形を
形成する。より特定的には、第２の部分５３は、上向き
および戻る方向にスポイラ３２の方向へ折り曲がり、次
に、進む方向および上向きに折り曲がる。すなわち、真
っ直ぐではなく、第２の部分は曲がっている。このカム
スロットの形の重要性は、以下に説明される使用中のフ
ラップアセンブリの動きについての説明によってより良
く理解されるであろう。
【００１７】図５を参照すると、パレット３４はパレッ
ト上面３６から下方へ延びる対向するパレット側壁３５
を含む。パレット側壁３５間の横の距離は、フレームサ
イドパネル２７間の横の距離より僅かに大きい。この相
対的なサイジングのお蔭でパレット側壁は、スリーブを
取付ける態様でフレームサイドパネル２７にまたがり、
ここではパレットは外側スリーブを形成し、フレームは
内側スリーブを形成する。パレット３４は、各パレット
側壁３５上の２つの位置で支持構造２３に接続される。
この接続は図２および図３から最もよくわかる。第１の
位置は、パレット側壁３５の間を横に延び、かつキャリ
ッジ４６を通って延びるピボットピン４０の位置であ
る。ピボットピン４０は好ましくは車軸を形成し、これ
を中心に２つの最後部のキャリッジの上側車輪が回転す
る。ピボットピン位置は、図１から図３に、４２と符号
を付けられた中央旋回軸位置において図示される。第２
の接続位置はカムスロット５０の位置である。各パレッ
ト側壁３５は、パレット側壁の下部領域に装着される、
内向きに配向されたカムフォロワ５２を含む。カムフォ
ロワ５２は、カムガイド５０に係合するように位置づけ
られる。
【００１８】これらの２つの接続位置は共にフラップア
センブリ１８を支持し、フラップアセンブリ１８を移動
し、かつ回転させる有用な方法を提供する。特に、カム
ガイドの第１の部分５１は、まずフラップアセンブリが
後方へ移動するように案内する。カムフォロワ５２がカ
ムガイドの第２の部分５３に入ると、フラップアセンブ
リ１８はそこで、ピボットピン４０を中心にして下方に
回転させられる。フラップアセンブリ１８を動かすのに
用いられる作動機構２８の種類に応じて、カムスロット
５０およびトラック４４は、パレット３４の滑らかな直
進移動および回転を可能にするような位置におかれ、か
つ形づくられなければならないことに注意されたい。構
成要素が拘束されたり衝突したりしないことが重要であ
る。これに関しては、カムスロットは、カムフォロワが
スロット内を容易に動くことができるように僅かに大き
めのサイズにしてもよい。
【００１９】図１を再び参照すると、支持構造２３はさ
らに、フレーム２６およびパレット３４を囲む外側フェ
アリング６０を各支持位置において含む。フェアリング
６０は、滑らかな外面を提供し、翼およびスロッテッド
巡航後縁フラップの下面に沿った空気流を増す。フェア
リング６０は、翼下面に接続される静止部分６２と、主
構成要素２４においてパレット３４に接続される可動部
分６４とを含む。可動部分６４は、小さめの部分６５を
含み、小さめの部分６５は、フラップアセンブリのベー
ン構成要素２２と主構成要素２４との間に延びる。この
小さめの部分６５はベーン構成要素２２と主構成要素２
４との間を通る空気流を閉め出す。
【００２０】作動機構２８は、各支持位置において翼後
桁３１近くのフレーム２６に接続される駆動装置を含
む。ロータリアクチュエータ５６が図２および図３には
示されるが、代わりに線形アクチュエータなどの別の種
類の駆動装置を用いてもよい。アクチュエータ５６への
回転入力は独立した電源（図示せず）によって供給され
る。各ロータリアクチュエータ５６は好ましくは、横に
配向された軸を中心に回転するよう位置づけられる。ア
クチュエータ５６の回転出力は、ピンおよびＵリンクタ
イプの配置でアイドラリンク５８の一方端５７に接続す
る、径方向に延びるアーム５４を介して伝えられる。ア
イドラリンク５８の反対側の端５９は、延長タブ６８に
回転可能に接続され、延長タブ６８はパレット３４の前
方領域に接続される。アイドラリンクの端部５７、５９
での回転軸はロータリアクチュエータの回転軸と平行で
ある。これらの軸はさらに、中央旋回軸４２とも平行で
ある。
【００２１】収容された位置から伸張された位置へと動
く際、ロータリアクチュエータ５６が回転すると径方向
アーム５４およびアイドラリンク５８は後方へ動く。こ
の動作によってパレット３４は後方へ移動し、そのた
め、キャリッジ４６はトラック４４に沿って後方へ移動
することになる。特定的には、パレット３４は、トラッ
ク４４とカムスロットの第１の部分５１との直線距離に
等しい距離を後方へ移動する。図２に示されるように、
カムフォロワがカムガイドの第１の部分５１の終端に達
すると、カムフォロワはそのまま、カーブした第２の部
分５３を上へ動く。図２のカムフォロワは第２の部分５
３に入り始め、そのため、ピボットピンにおいて中央旋
回軸を中心にした僅かな回転を起こしている。図示した
回転の角度は約１５度である。カムフォロワ５２がカム
スロットの第２の部分５３を上へ動くにつれ、アクチュ
エータ５６の回転エネルギがフラップアセンブリ１８を
中央軸を中心に旋回させるのに用いられる。図３に見ら
れるように、最初の回転の後はフラップアセンブリ１８
をさらに後方へ移動するのにエネルギはほとんど使わな
い。図３のフラップアセンブリは約５０度下方へ回転し
ている。フラップアセンブリのための他の動作は、特定
の応用の必要に合わせて、トラック４４およびカムスロ
ット５０の位置および形を単に操作することによって規
定することができる。
【００２２】図２および図３を参照することで理解され
るように、上述のフラップアセンブリ１８の伸張された
位置では、スポイラ３２とベーン構成要素２２との間に
第２のスロット６６が形成される。これはダブル・スロ
ッテッド・フラップ構成を必要とする応用には望まし
い。応用によっては、フラップアセンブリ１８の後方移
動の量を制限することが望ましいかもしれない。そのよ
うな場合、カムスロットの第１の部分をなくすことで第
２のスロット６６を省略することができる。そうすれば
ベーンフラップはスポイラと接触したままである。
【００２３】この発明の好ましい実施例を図示し説明し
たが、添付の特許請求の範囲によって規定されるこの発
明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな
変更がなされ得ることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図１】収容された位置で示される、この発明に従って
形成されたスロッテッド巡航後縁フラップの簡略化され
た側断面図である。
【図２】部分的に伸張された位置で示される、図１のス
ロッテッド巡航後縁フラップの側断面図である。
【図３】完全に伸張された位置で示される、図１のスロ
ッテッド巡航後縁フラップの側断面図である。
【図４】図１から図３に示されるスロッテッド巡航後縁
フラップに含まれるアイドラリンクを示す図２の４−４
の線に沿った側断面図である。
【図５】図１から図３に示されるスロッテッド巡航後縁
フラップに含まれるキャリッジアセンブリを示す図１の
５−５の線に沿った断面図である。
【図６】図１から図３に示されるスロッテッド巡航後縁
フラップに含まれる外側フェアリングの部分を示す図１
の６−６の線に沿った部分断面図である。
【符号の説明】
１６ スロッテッド巡航後縁フラップ １８ フラップアセンブリ ２０ 伸張アセンブリ ２２ ベーン構成要素 ２３ 支持構造 ２４ 主構成要素 ２５ 永久シングルスロット ２８ 作動機構 ３０ 翼 ４４ トラック ４６ キャリッジ ５０ カムスロット ５２ カムフォロワ ５６ ロータリアクチュエータ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 航空機の翼に使用するためのスロッテッ
    ド巡航後縁フラップ装置であって、前記フラップ装置
    は、 （ａ） 主構成要素、ベーン構成要素、およびパレット
    を含むフラップアセンブリを含み、前記主構成要素およ
    び前記ベーン構成要素は、前記主構成要素および前記ベ
    ーン構成要素の間にスロットが形成されるようにパレッ
    ト上に装着され、前記フラップアセンブリはさらにパレ
    ット上に装着されたカムフォロワを含み、前記フラップ
    装置はさらに （ｂ） 伸張アセンブリを含み、前記伸張アセンブリ
    は、（ｉ） 翼に接続されるフレームを含む支持構造を
    含み、前記フレームはカムスロットを含み、前記支持構
    造はさらに、トラックに直進移動可能に係合するキャリ
    ッジを含み、前記キャリッジは中央旋回軸においてパレ
    ットに回転可能に接続され、前記カムフォロワはカムス
    ロットに可動に係合し、前記伸張アセンブリはさらに
    （ｉｉ） パレットと旋回可能な連通状態にあり、支持
    構造に対して収容された位置と伸張された位置との間で
    パレットを動かすための作動機構を含み、前記スロット
    は収容された位置および伸張された位置の両方において
    空気流にさらされる、スロッテッド巡航後縁フラップ装
    置。
  2. 【請求項２】 前記ベーン構成要素および前記主構成要
    素は、パレットの上面に装着され、前記パレットと前記
    作動機構との旋回可能な接続部は、パレットの前方領域
    で上面近くに位置し、前記カムスロットはパレットの下
    部領域近くに位置し、翼に対するパレットの回転は中央
    旋回軸を中心として行なわれる、請求項１に記載のスロ
    ッテッド巡航後縁フラップ装置。
  3. 【請求項３】 前記トラックは縦方向に配向され、前記
    キャリッジは前記トラック下に位置する少なくとも１つ
    の車輪と、前記トラック上に位置する１つの車輪とを含
    む、請求項１に記載のスロッテッド巡航後縁フラップ装
    置。
  4. 【請求項４】 前記トラック上に位置する前記少なくと
    も１つの車輪は、前記中央旋回軸を中心に回転可能であ
    る、請求項３に記載のスロッテッド巡航後縁フラップ装
    置。
  5. 【請求項５】 前記作動機構は、前記パレットに回転可
    能にリンクされるロータリアクチュエータを含み、前記
    ロータリアクチュエータの作動はパレットを前記中央旋
    回軸を中心に回転させる、請求項１に記載のスロッテッ
    ド巡航後縁フラップ装置。
  6. 【請求項６】 前記ロータリアクチュエータの作動はさ
    らに、前記パレットを前記トラックに対して直進移動さ
    せる、請求項５に記載のスロッテッド巡航後縁フラップ
    装置。
  7. 【請求項７】 前記トラックおよび前記カムスロット
    は、収容された位置から完全に伸張された位置へと移行
    するにあたって、前記パレットをまず後方へ動かし、次
    に下方へ回転させるように形づくられる、請求項６に記
    載のスロッテッド巡航後縁フラップ装置。
  8. 【請求項８】 翼に装着され、前記支持構造の部分を囲
    むための外側フェアリングをさらに含む、請求項１に記
    載のスロッテッド巡航後縁フラップ装置。
  9. 【請求項９】 前記ベーン構成要素と前記主構成要素と
    の間の前記スロットは固定された距離にある、請求項１
    に記載のスロッテッド巡航後縁フラップ装置。
  10. 【請求項１０】 前記フラップ装置が伸張された位置に
    あると、第２のスロットが前記翼と前記ベーン構成要素
    との間に形成される、請求項１に記載のスロッテッド巡
    航後縁フラップ装置。
  11. 【請求項１１】 航空機の翼に使用するためのスロッテ
    ッド巡航後縁フラップ装置であって、前記フラップ装置
    は、 （ａ） パレットによって支持される主構成要素および
    ベーン構成要素を含むフラップアセンブリを含み、スロ
    ットが前記主構成要素と前記ベーン構成要素との間に規
    定され、前記スロットは、フラップ装置の収容された位
    置および伸張された位置の両方において空気流にさらさ
    れ、前記フラップ装置はさらに （ｂ） 伸張アセンブリを含み、前記伸張アセンブリ
    は、（ｉ） 前記パレットにおいて前記翼に装着される
    支持構造を含み、前記支持構造は前記パレットに可動に
    係合し、前記可動な係合は、ほぼ横方向に配向される中
    央旋回軸を中心にした回転を含み、前記伸張アセンブリ
    はさらに（ｉｉ） 前記フラップアセンブリに接続さ
    れ、前記支持構造に対して前記フラップアセンブリを収
    容された位置と伸張された位置との間で動かすための少
    なくとも１つの作動機構を含み、前記フラップアセンブ
    リの伸張は、前記中央旋回軸を中心とした回転を含む、
    スロッテッド巡航後縁フラップ装置。
  12. 【請求項１２】 各支持構造は、トラックに直進移動可
    能に係合するキャリッジを含み、前記キャリッジは前記
    パレットに前記中央旋回軸において回転可能に接続さ
    れ、前記フラップアセンブリと前記支持構造との前記可
    動な接続はさらに、トラックに沿った前記パレットの直
    進移動を含む、請求項１１に記載のスロッテッド巡航後
    縁フラップ装置。
  13. 【請求項１３】 前記作動機構は、前記パレットに旋回
    可能にリンクされるロータリアクチュエータを含む、請
    求項１１に記載のスロッテッド巡航後縁フラップ装置。
  14. 【請求項１４】 前記ロータリアクチュエータの作動は
    さらに、前記パレットを前記支持構造に対して直進移動
    させる、請求項１３に記載のスロッテッド巡航後縁フラ
    ップ装置。
  15. 【請求項１５】 前記支持構造は、前記パレットを下方
    へ回転させる前に、前記フラップアセンブリを後方へ延
    ばすように形づくられる、請求項１４に記載のスロッテ
    ッド巡航後縁フラップ装置。
  16. 【請求項１６】 前記ベーン構成要素は、前記主構成要
    素の前方に位置し、前記フラップ装置が伸張された位置
    にあると、第２のスロットが、前記翼と前記ベーン構成
    要素との間に形成される、請求項１１に記載のスロッテ
    ッド巡航後縁フラップ装置。
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