JPH10129531A - トラックのキャブ構造 - Google Patents

トラックのキャブ構造

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JPH10129531A
JPH10129531A JP28657496A JP28657496A JPH10129531A JP H10129531 A JPH10129531 A JP H10129531A JP 28657496 A JP28657496 A JP 28657496A JP 28657496 A JP28657496 A JP 28657496A JP H10129531 A JPH10129531 A JP H10129531A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝突時のエネルギー吸収量を増加させかつ変
形を減少させることによって、さらに衝突安全性が向上
するトラックのキャブ構造を提供する。 【解決手段】 トラックのキャブ構造1はフロアパン4
とメインシル5と連結部材19,20,21とを備えて
いる。フロアパン4は略中央に凸部9を有する中央部6
と中央部6の左右両側に設けられかつ前後に高さが変化
する段部10を有する両側部7,7と水平部8とを備え
ている。メインシル5はフロアパン4の下面に前後に延
びて設けられた一対の並行部11,11と並行部11,
11の後端に連設された車幅方向の基部12とを備えて
いる。並行部11,11はフロアパン4の段部10など
に沿う屈曲部13,14,15を有している。これら屈
曲部13,14,15に、それぞれ車幅方向にわたる第
1、第2及び第3の連結部材19,20,21が設けら
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フロアパンとメイ
ンシルとを備えたトラックのキャブ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】トラックのキャブ構造は、乗員の保護と
安全性を確保・向上することが要求されている。そのた
め、従来より種々の技術が用いられている。例えば図7
に示すように、衝突時のエネルギー吸収曲線30に関し
て初期座屈荷重31が大きくかつエネルギー吸収荷重3
2が初期座屈荷重31と略等しくなるような効率のい
い、つまり衝突時の変位が少なくかつエネルギー吸収量
の大きなキャブ構造とするのが望ましいとされている。
【0003】なお、この明細書に記述するエネルギー吸
収量とは、衝突の際にキャブなどに作用する荷重をキャ
ブの変位で積分することによって求められるエネルギー
を示している。つまり、図7中にハッチングで示された
部分の面積を示している。
【0004】ところで、一般的なトラックのキャブ構造
は、図8に例示されるようにシート42やベッド43等
が設けられるフロアパン44と、このフロアパン44の
下面に車両前後方向に延びて設けられるメインシル45
などを備えて構成されている。
【0005】上記フロアパン44は、車両の略中央に位
置する中央部46と、この中央部46の車両左右側に設
けられる両側部47,47と、上記中央部46と両側部
47,47の車両後側に設けられる水平部48とを備え
ている。上記中央部46は図8に示すように車両に搭載
されるエンジンの容積及び車高の制限などから車幅方向
の略中央に、上に凸の凸部49を有するように形成され
ている。上記両側部47,47は乗員用シート42,4
2の設置及び乗員のスペース確保などの観点から、車両
前後方向に高さが変化する段部50をそれぞれ有しかつ
この段部50の前方が上記中央部46の凸部49より一
段低く落ち込んだように形成されている。上記水平部4
8は、上記中央部46及び両側部47,47の後端に連
設されかつ乗員用の簡易型のベッド43を設けている。
【0006】上記メインシル45は、上記フロアパン4
4の両側部47,47の前端から水平部48に亘って両
側部47,47の下面に固着される一対の並行部51,
51と、この並行部51,51の後端に連設されかつ車
幅方向に亘って上記フロアパン44の水平部48の下面
に固着される基部52とを有している。上記並行部5
1,51は車両前側から順に、上記フロアパン44の段
部50,50などに沿う第1の屈曲部53と、第2の屈
曲部54と、第3の屈曲部55とを有するように屈曲形
成されている。また、上記メインシル45は上記並行部
51,51の前端を相互に連結する連結部56を一体に
設けている。
【0007】上記並行部51,51及び基部52は軽量
化と機械的強度の確保などの観点から断面がコ字状(ハ
ット形状)に形成されている。上記のように構成された
従来のキャブ構造41について、コンピュータなどを用
いておこなった有限要素法による衝突時の変形状態の解
析結果を図9及び図10に示す。有限要素法とは、所望
の現象中における構造物に生じる応力及び変形などを解
析する手法の一つであり、上記キャブ構造41のような
複雑な構造物で、かつ衝突のような変位の大きな現象に
おいても、近年のコンピュータの進歩によって解析が可
能となってきた手法である。なお本解析においては、衝
突時の衝撃荷重を、主に車体の減速度によって生じる荷
台の慣性による応力としてモデル化をおこない、図9及
び図10に示す矢印Tに沿って、上記メインシル45と
フロアパン44等で構成されるキャブ構造41の後端に
荷重を作用させた。
【0008】なお図9は、キャブ構造41の変位が第1
所定量L1となるまで解析した時の結果を示し、図10
はキャブ構造41の変位が第1所定量L1より大きい第
2所定量L2となるまで解析した時の結果を示してい
る。
【0009】衝突時の荷重を模擬した応力(矢印T)が
キャブ構造41に作用した結果、図9(B)及び図10
(B)に示すように側面方向からみると、メインシル4
5の並行部51,51の主に第2及び第3の屈曲部5
4,55で折れ曲りかつフロアパン44が局所座屈を起
こすモードとなっている。また、図9(A)及び図10
(A)に示すように上方からみると、メインシル45の
並行部51の主に第2の屈曲部54が車幅方向に折れ曲
がって車両内側に倒れ込んでいるのが明らかになった。
また、一般にトラックのキャブ構造においては、衝突時
等に車両全体に作用するエネルギー吸収量の50%以上
をフロアパンとメインシルとが負担している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のキャブ構造
41は車両前後方向のエネルギー吸収をおこなう際に、
メインシル45の並行部51,51の主に第2の屈曲部
54,54が車幅方向に倒れ込んでいるため、そのぶん
変形しやすくかつエネルギー吸収荷重も低くなって、エ
ネルギー吸収量を損失するという傾向があった。
【0011】従って本発明の目的は、衝突時のエネルギ
ー吸収量を増加させるとともに、衝突時の変形を減少さ
せることによって、衝突安全性をさらに向上させること
が可能なトラックのキャブ構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、請求項1に記載の本発明のトラックの
キャブ構造は、車両前後方向において高さが変化する段
部を有して屈曲形成されたフロアパンと、上記フロアパ
ン下面に密着して車両前後方向に延びると共に上記フロ
アパンの上記段部に対応した屈曲部を有して屈曲形成さ
れた左右一対の並行部を有するメインシルと、上記両並
行部の上記屈曲部間を結合して車幅方向に沿って設けら
れた連結部材とを備えたことを特徴としている。
【0013】請求項2に記載の本発明のトラックのキャ
ブ構造は、請求項1に記載のトラックのキャブ構造にお
いて、上記連結部材がパイプ材によって構成されたこと
を特徴としている。
【0014】請求項3に記載の本発明のトラックのキャ
ブ構造は、請求項2に記載のトラックのキャブ構造にお
いて、上記連結部材と上記フロアパンの下面とが互いに
固定されていないことを特徴としている。
【0015】請求項4に記載に本発明のトラックのキャ
ブ構造は、請求項3に記載のトラックのキャブ構造にお
いて、上記フロアパンの車幅方向中間部分に上に凸の凸
部が形成され、かつ、上記連結部材には上記フロアパン
の上記凸部と対応した位置に上に凸の段差状または円弧
状の部分が形成されていることを特徴としている。
【0016】上記手段を講じた結果、次のような作用が
生じる。請求項1に記載されたトラックのキャブ構造
は、車両衝突時にメインシルの屈曲部が車幅方向に倒れ
込む現象を屈曲部間を結合する連結部材によって抑制で
きる。
【0017】請求項2に記載されたトラックのキャブ構
造は、連結部材をパイプ材とすることで連結部材の強度
を容易に高くできる。請求項3に記載されたトラックの
キャブ構造は、車両衝突時に連結部材がフロアパンの変
形の影響を受けにくいので、フロアパンが変形してもメ
インシルの屈曲部が車幅方向に倒れ込む現象を上記連結
部材によってより確実に抑制できる。
【0018】請求項4に記載されたトラックのキャブ構
造は、大型のエンジンを搭載したトラックにおいても、
連結部材によってメインシルの屈曲部間を確実に結合で
きるので、車両衝突時にメインシルの屈曲部が車幅方向
に倒れ込む現象を確実に抑制することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態につい
て、図1から図6を参照して説明する。図1に示すトラ
ックのキャブ構造1は、シート2やベッド3等が設けら
れるフロアパン4と、このフロアパン4の下面に車両前
後方向に延びて設けられる一対の並行部11,11を有
するメインシル5と、上記メインシル5の並行部11,
11間に結合された連結部材19,20,21などを備
えている。
【0020】上記フロアパン4は、従来例(図8に示
す)と同様に車両の略中央に位置する中央部6と、この
中央部6の車両左右側に設けられる両側部7,7と、上
記中央部6と両側部7,7との車両後側に設けられる水
平部8とを備えている。上記中央部6は、車両に搭載さ
れるエンジン(図示せず)の容積及び車高の制限などか
ら車幅方向の略中央に上に凸の凸部9を有するように形
成されている。上記両側部7,7は乗員用シート2,2
の設置及び乗員のスペース確保などの観点から、車両前
後方向に高さが変化する段部10をそれぞれ有しかつこ
の段部10から車両前方が上記中央部6の凸部9より一
段低く落ち込んだように形成されているとともに、後端
7aにおいて上記中央部6と略水平となるように形成さ
れている。上記水平部8は、上記中央部6の後端6aと
両側部7,7の後端7a,7aに連設されかつ乗員用の
簡易型のベッド3を設けている。
【0021】なお、車種によっては比較的小型のエンジ
ンが搭載されているものがあり、この場合には、上記フ
ロアパン4の中央部6は上記凸部9を有していないのが
一般的である。
【0022】上記メインシル5も、従来例(図8に示
す)と同様に上記フロアパン4の両側部7,7の前端7
b,7bから水平部8に亘って両側部7,7の下面にス
ポット溶接などの手段で固着される一対の並行部11,
11と、この並行部11,11の後端11a,11aに
連設されかつ車幅方向に亘って上記フロアパン4の水平
部8の下面にスポット溶接などの手段で固着される基部
12とを有している。上記並行部11,11は車両前側
から順に上記フロアパン4の両側部7,7の段部10,
10などに沿う第1の屈曲部13と、第2の屈曲部14
と、第3の屈曲部15とを有するように屈曲形成されて
いる。また、上記メインシル5は上記並行部11,11
の前端11b,11bを相互に連結する連結部16を一
体に設けている。
【0023】上記並行部11,11及び基部12は、軽
量化と機械的強度の確保などの観点から、断面が両側壁
17a,17aと底面壁17bとを有するコ字状(ハッ
ト形状)に形成されている。
【0024】さらに、上記メインシル5の並行部11,
11の第1の屈曲部13,13間には第1の連結部材1
9が車幅方向に沿って結合されかつ上記第2の屈曲部1
4,14間には第2の連結部材20が車幅方向に沿って
結合される。第3の屈曲部15,15間には第3の連結
部材21が車幅方向に沿って結合されている。これらの
連結部材19,20,21は製造上の簡便さ及び低コス
ト化などから棒状のパイプ材などで形成するのが望まし
く、かつエネルギー吸収の際に極力エネルギー吸収荷重
を増加させるためにフロアパン4とは相互に固定しない
のが望ましい。また所望の機械的強度が得られれば、パ
イプ材以外のもので構成しても良い。
【0025】また、車両が比較的大型のエンジンを搭載
するために上記フロアパン4の中央部6が凸部9を有す
るように形成されている場合には、図2に示すように上
記凸部9に応じた位置に上に凸の段差状の連結部材2
2,23または図3に示すように円弧状に形成された連
結部材24,25を用いても良い。
【0026】図2に示すように段差状に形成された第1
及び第2の連結部材22,23は、上記のように構成さ
れたメインシル5の並行部11,11の第1の屈曲部1
3,13間及び第2の屈曲部14,14間に各々車幅方
向に沿って結合されかつ、フロアパン4(図1に示す)
の中央部6の凸部9に沿う車幅方向の段差22a,23
aを各々有して形成されている。
【0027】図3に示すように円弧状に形成された第1
及び第2の連結部材24,25も同様にメインシル5の
並行部11,11の第1の屈曲部13,13間及び第2
の屈曲部14,14間に各々車幅方向に沿って結合され
かつ、フロアパン4の中央部6の凸部9に沿う円弧24
a,25aを各々有して形成されている。
【0028】図2に示すように段差状に形成された各連
結部材22,23及び図3に示すように円弧状に形成さ
れた各連結部材24,25も図1に示す各連結部材1
9,20,21などと同様に、製造上の簡便さ及び低コ
スト化などからパイプ材などで形成するのが望ましく、
かつエネルギー吸収の際に極力エネルギー吸収荷重を増
加させるためにフロアパン4とは相互に固定しないのが
望ましい。また所望の機械的強度が得られれば、パイプ
材以外のもので構成しても良い。
【0029】このように段差状に形成された各連結部材
22,23または円弧状に形成された各連結部材24,
25を用いることにより、比較的大型なエンジンを用い
た車両においても確実にメインシル5の並行部11,1
1の第1及び第2の屈曲部13,14間を結合できる。
【0030】以下に、上記実施形態のトラックのキャブ
構造1の作用を確かめるため行った衝突荷重負荷実験に
ついて図4から図6を参照して述べる。図4は実験形態
を示す図であり、図示するようにメインシル5,45な
どが取り付けられたトラックのキャビン26を移動剛体
27を備えた移動体(図示しない)に設置し、所定の速
度などの条件下で固定バリア28に対して矢印S方向に
沿って衝突させ、キャビン26などに作用する荷重及び
メインシル5,45の変位などを測定した。図5は、本
実験における上記キャビン26の速度条件を示す図であ
り、この速度条件は実測に基づく特性値が与えられてい
る。
【0031】図6に示すように本実験の結果において、
まずメインシル単体のエネルギー吸収に対する各連結部
材19,20,21の影響をみると、従来のキャブ構造
41のメインシル45単体(図示中の比較例1)では衝
突荷重が作用すると、キャビン26などに作用する荷重
が衝突直後にピーク(図示中における点P1)をむか
え、その後、変形が進行(変位が増加)するとともに著
しく荷重(エネルギー吸収荷重)が低下している。これ
は図9及び図10に示す解析結果と同様に上記点P1
(初期座屈荷重)においてメインシル45の主に第2及
び第3の屈曲部54,55などが座屈して車両前後方向
に折れ曲るとともに、変位の増加とともに主に第2の屈
曲部54が車幅方向にも倒れ込んでいることを示してい
る。このように比較例1はメインシル45の主に第2の
屈曲部54等が車幅方向にも倒れ込んで変形しやすいた
め、エネルギー吸収荷重が低くなる傾向が明らかになっ
た。
【0032】一方、上記実施形態の各屈曲部13,1
4,15にそれぞれ連結部材19,20,21を設けた
メインシル5単体(図示中の本発明品1)では、初期座
屈荷重(図示中の点P2)が上記比較例1(図示中の点
P1)に比べ約20%増となるとともに、評価点Aにお
けるエネルギー吸収荷重(図示中の点Q2)が上記比較
例1(図示中の点Q1)に比べ約4倍となることが確認
された。これは上記点P2(初期座屈荷重)においてメ
インシル5の第2及び第3の屈曲部14,15が座屈す
る際に各連結部材19,20,21が車幅方向の変形
(倒れ込み)を抑制するため、その分荷重が大きくな
り、かつその後変位が増加しても、上記各屈曲部13,
14,15の車幅方向の変形(倒れ込み)が抑制される
ので、その分エネルギー吸収荷重も大きくなると考えら
れる。
【0033】次に、フロアパンとメインシルとで構成さ
れるキャブ構造全体における各連結部材19,20,2
1の影響をみた場合、上記のようにメインシル5の各屈
曲部13,14,15の車幅方向の変形(倒れ込み)が
抑制されるので、上記実施形態のキャブ構造1(図示中
の本発明品2)は、初期座屈荷重(図示中の点P4)が
従来のキャブ構造41(図示中の比較例2)の初期座屈
荷重(図示中の点P3)に比べ約13%増となるととも
に、評価点Aにおけるエネルギー吸収荷重(図示中の点
Q4)が従来の構造41(比較例2の点Q3)に比べ約
20%増加することが確認された。
【0034】その結果、上記本発明品2及び比較例2で
示される荷重を変位で積分して得られるエネルギー吸収
量に対する各連結部材19,20,21の影響をみる
と、上記実施形態のキャブ構造1は曲線M1で示すよう
に従来のキャブ構造41(曲線M2で示す)に比べ評価
点Aにおけるエネルギー吸収量が約20%増加すること
が明らかになった。
【0035】また、同じエネルギー吸収量の場合、つま
り同じ条件下(速度、質量等)で衝突した際に生じるキ
ャブ構造1,41の変位を比較すると、図6において上
記実施形態のキャブ構造1(図中の曲線M1)は、従来
のキャブ構造41(図中の曲線M2)に比べ、評価点B
における変位が約20%減少することが確認された。
【0036】上述したように、トラックにおけるキャブ
構造のエネルギー吸収量に影響を与えるメインシルの変
形に関し、メインシルの屈曲部間を連結部材によって結
合することによって、車両衝突時にメインシルの屈曲部
の車幅方向の倒れ込みが抑制されて車幅方向に変形しに
くくすることが可能となる。その結果、メインシルの屈
曲部の初期座屈荷重を大きくできかつ、変形が進行して
もエネルギー吸収荷重を高い荷重に維持できるためキャ
ブ構造のエネルギー吸収量を高めることとなるととも
に、キャブ構造の変形量(変位)も減少できる。
【0037】
【発明の効果】請求項1の発明によると、車両衝突時に
メインシルの屈曲部が車幅方向に倒れ込む現象を、屈曲
部間を結合する連結部材によって抑制できるので、車両
衝突時の変形量を増加させることもなくエネルギー吸収
量を増加させることが可能となる。また、キャブ構造の
エネルギー吸収量が一定の場合には、キャブ構造の変形
量を減少できるので、乗員に対する衝突安全性をさらに
向上させることが可能となる。
【0038】請求項2の発明によると、連結部材をパイ
プ材とすることで連結部材の強度を容易に高くできるの
で、メインシルの屈曲部が車幅方向に倒れ込む現象をよ
り効果的に抑制できる。そのため、車両衝突時のエネル
ギー吸収量をより増加させることが可能となる。また、
キャブ構造のエネルギー吸収量が一定の場合には、キャ
ブ構造の変形量を減少できるので、乗員に対する衝突安
全性をより効果的に向上させることが可能となる。
【0039】請求項3の発明によると、車両衝突時に連
結部材がフロアパンの変形の影響を受けにくいので、フ
ロアパンが変形してもメインシルの屈曲部が車幅方向に
倒れ込む現象を上記連結部材によってより確実に抑制で
きる。また、キャブ構造のエネルギー吸収量が一定の場
合には、キャブ構造の変形量を減少できるので、乗員に
対する衝突安全性をより確実に向上させることが可能と
なる。
【0040】請求項4の発明によると、大型のエンジン
を搭載したトラックにおいても、連結部材をメインシル
の屈曲部間に設けることができるので、車両衝突時にメ
インシルの屈曲部が車幅方向に倒れ込む現象を確実に抑
制できる。その結果、大型のエンジンを搭載したトラッ
クにおいても、車両衝突時の変形量を増加させることも
なくエネルギー吸収量をより増加させることが可能とな
り、キャブ構造のエネルギー吸収量が一定の場合にはキ
ャブ構造の変形量を減少できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すトラックのキャブ構
造を示す分解斜視図。
【図2】本発明の実施形態に係る連結部材の第1変形例
を示すキャブ構造の一部の斜視図。
【図3】本発明の実施形態に係る連結部材の第2変形例
を示すキャブ構造の一部の斜視図。
【図4】衝突荷重負荷実験の実験形態を示す模式図。
【図5】衝突荷重負荷実験の速度などの条件を示す図。
【図6】本発明品と比較例について衝突荷重負荷実験で
得られたエネルギー吸収曲線を示す図。
【図7】トラックのキャブ構造のエネルギー吸収曲線を
模式的に示す図。
【図8】従来のトラックのキャブ構造を示す分解斜視
図。
【図9】変位が第1所定量L1になるまで衝突荷重負荷
解析した時の従来のトラックのキャブ構造の変形状態を
示す図。
【図10】変位が第1所定量L1より大きい第2所定量
L2になるまで衝突荷重負荷解析した時の従来のトラッ
クのキャブ構造の変形状態を示す図。
【符号の説明】
1…トラックのキャブ構造 4…フロアパン 5…メインシル 10…段部 11…並行部 13…第1の屈曲部 14…第2の屈曲部 15…第3の屈曲部 19…第1の連結部材 20…第2の連結部材 21…第3の連結部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両前後方向において高さが変化する段部
    を有して屈曲形成されたフロアパンと、 上記フロアパン下面に密着して車両前後方向に延びると
    共に上記フロアパンの上記段部に対応した屈曲部を有し
    て屈曲形成された左右一対の並行部を有するメインシル
    と、 上記両並行部の上記屈曲部間を結合して車幅方向に沿っ
    て設けられた連結部材とを備えたことを特徴とするトラ
    ックのキャブ構造。
  2. 【請求項2】上記連結部材がパイプ材によって構成され
    たことを特徴とする請求項1記載のトラックのキャブ構
    造。
  3. 【請求項3】上記連結部材と上記フロアパンの下面とが
    互いに固定されていないことを特徴とする請求項2記載
    のトラックのキャブ構造。
  4. 【請求項4】上記フロアパンの車幅方向中間部分に上に
    凸の凸部が形成され、かつ、上記連結部材には上記フロ
    アパンの上記凸部と対応した位置に上に凸の段差状また
    は円弧状の部分が形成されていることを特徴とする請求
    項3記載のトラックのキャブ構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8052201B2 (en) 2006-10-20 2011-11-08 Isuzu Motors Limited Floor structure of cabin
JP2015116960A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 三菱自動車工業株式会社 キャブオーバー型車両の構造
JP2015116961A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 三菱自動車工業株式会社 キャブオーバー型車両の構造
JP2016523752A (ja) * 2013-05-10 2016-08-12 アカーテース パワー,インク. 大型トラック内の対向ピストンエンジンの配置

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