JPH10129448A - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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Publication number
JPH10129448A
JPH10129448A JP29049496A JP29049496A JPH10129448A JP H10129448 A JPH10129448 A JP H10129448A JP 29049496 A JP29049496 A JP 29049496A JP 29049496 A JP29049496 A JP 29049496A JP H10129448 A JPH10129448 A JP H10129448A
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JP
Japan
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wheel
wheel speed
pressure
target
value
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JP29049496A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tsunehara
弘 恒原
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】停止直前のような低速時の制動用シリンダの流
体圧制御を最適化する。 【解決手段】車輪速Vwi の目標となる目標車輪速Vw
* を、例えば推定される車体速度VX に所定のスリップ
率(1−Y)を乗じ、更に所定値Xを減じて求めること
で、特に停止直前のような低速時には当該目標車輪速V
* を負値の領域まで算出設定し、例えばホイールシリ
ンダ圧Pi の増減圧を、車輪速Vwi から目標車輪速V
* を減じたスリップ量と車輪加減速度V'wi との和が
正値か負値かで設定制御するような場合に、特に停止直
前のような低速時の減圧時間を短くすると共に増圧量を
大きくして、制動距離と舵取効果とを両立可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各車輪の回転状態
に応じて制動用シリンダの流体圧を最適状態に制御する
アンチスキッド制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このようなアンチスキッド制御装置とし
ては、例えば特開平4−110265号公報や、特開平
7−318584号公報に記載されるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のアン
チスキッド制御装置では、一般的に、検出される複数の
車輪速度等を用いて車体速度を算出し、この車体速度に
所定のスリップ率を乗じるなどして目標車輪速度を算出
し、この目標車輪速度と当該車輪速度との差値や比率等
から得られる当該車輪のスリップの状態量及び当該車輪
の加減速度から制動用シリンダへの流体圧の増圧・保持
・減圧を設定し、制御している。
【0004】しかしながら、従来のアンチスキッド制御
装置では、例えば前記算出される車体速度が零又はほぼ
零になると、目標車輪速度も零に規制する,つまり目標
車輪速度を大きく設定(上ずり)してしまうため、例え
ば前記流体圧制御が、車輪速度から目標車輪速度を減じ
たスリップ量と車輪加減速度との和から目標とする制動
用シリンダの流体圧の目標増減圧量を算出設定し、この
目標増減圧量が正値の場合に増圧、負値の場合に減圧制
御するものであるとき、車両の停車直前のような低速時
には、算出されるスリップ量が制御に適切な値よりも数
値的に小さくなる(正値ならば絶対値が小さくなり、負
値ならば絶対値が大きくなる)から、制動用シリンダの
流体圧は減圧気味になってしまうという問題がある。こ
のような問題を回避するために、こうした低速時に減圧
を禁止してしまうと、今度は車輪がロック傾向になっ
て、本当に減圧が必要なときに減圧を行うことができな
くなってしまうという問題が発生する。
【0005】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、減圧を禁止してしまうのではなく、制動
用シリンダの流体圧制御を最適化することのできるアン
チスキッド制御装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記諸問題を解決するた
めに、本発明のアンチスキッド制御装置は、複数の車輪
の速度を個別に検出する車輪速度検出手段と、該車輪速
度検出手段の車輪速度検出値から車輪加減速度を算出す
る車輪加減速度算出手段と、少なくとも前記車輪速度検
出手段の車輪速度に基づいて車体速度を算出する車体速
度算出手段と、少なくとも前記車体速度算出手段の車体
速度算出値に基づいて目標とする目標車輪速度を算出す
る目標車輪速度算出手段と、少なくとも前記目標車輪速
度算出手段の目標車輪速度算出値と前記車輪速度検出手
段の車輪速度検出値とから得られる当該車輪のスリップ
状態量及び前記車輪加減速度算出手段の車輪加減速度算
出値に基づいて各車輪に配設された制動用シリンダの流
体圧を少なくとも減圧及び保持及び増圧状態の何れかに
制御する制動圧制御手段とを備えたアンチスキッド制御
装置において、前記目標車輪速度算出手段は、負値の領
域まで目標車輪速度を算出するものであることを特徴と
するものである。
【0007】この発明では、例えば前記車体速度算出値
に所定のスリップ率を乗じ、更に所定値を減ずるなどし
て目標車輪速度を負値の領域まで算出することにより、
例えば前述のように車輪速度から目標車輪速度を減じた
スリップ量と車輪加減速度との和から目標とする制動用
シリンダの流体圧の目標増減圧量を算出設定し、この目
標増減圧量が正値の場合に増圧、負値の場合に減圧制御
するものであるとき、車両の停車直前のような低速時に
は、目標車輪速度を零に規制する場合に比して算出され
るスリップ量が数値的に大きくなるから、制動用シリン
ダの流体圧の不要な減圧を回避して制動距離を確保する
ことができるなど当該流体圧制御を最適化することがで
きる。
【0008】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアンチス
キッド制御装置によれば、目標車輪速度を負値の領域ま
で算出設定することにより、停車直前のような低速時に
おける目標車輪速度を小さく設定することが可能とな
り、この目標車輪速度と車輪速度とから算出されるスリ
ップ状態量を制御に適切な値に設定して、制動用シリン
ダの流体圧制御を最適化することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明のアンチスキッド制
御装置の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0010】図1は本発明のアンチスキッド制御装置
を,FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式をベ
ースにした後輪駆動車両に展開した一例である。図中、
1FL,1FRは前左右輪、1RL,1RRは後左右輪
であって、後左右輪1RL,1RRにエンジンEGから
の回転駆動力が変速機T、プロペラシャフトPS及びデ
ィファレンシャルギヤDGを介して伝達される。また、
各車輪1FL〜1RRには、それぞれ制動用シリンダと
してのホイールシリンダ2FL〜2RRが取付けられ、
更に前輪1FL,1FRにこれらの車輪回転数に応じた
正弦波信号を出力する車輪速センサ3FL,3FRが取
付けられ、プロペラシャフトPSに後輪の平均回転数に
応じた正弦波信号を出力する車輪速センサ3Rが取付け
られている。
【0011】各前輪側ホイールシリンダ2FL,2FR
には、ブレーキペダル4の踏込みに応じて前輪側及び後
輪側の2系統のマスタシリンダ圧を発生するマスタシリ
ンダ5からのマスタシリンダ圧が前輪側アクチュエータ
6FL,6FRを介して個別に供給されると共に、後輪
側ホイールシリンダ2RL,2RRには、マスタシリン
ダ5からのマスタシリンダ圧が共通の後輪側アクチュエ
ータ6Rを介して供給され、全体として3センサ3チャ
ンネルシステムに構成されている。なお、前記マスタシ
リンダ5の一方の系には前記前輪側アクチュエータ6F
L,6FRに供給されるマスタシリンダ圧PMCF を、ま
た他方の系には前記後輪側アクチュエータ6Rに供給さ
れるマスタシリンダ圧PMCR を検出する圧力センサ13
F,13Rが夫々配設されていると共に、ブレーキペダ
ル4には、その踏込時にオン状態のブレーキスイッチ信
号BSを出力するブレーキスイッチ14が配設されてい
る。
【0012】前記アクチュエータ6FL〜6Rの夫々
は、図2に示すように、マスタシリンダ5に接続される
油圧配管7とホイールシリンダ2FL〜2RRとの間に
介装された電磁流入弁8と、この電磁流入弁8と並列に
接続された電磁流出弁9、油圧ポンプ11及び逆止弁1
1の直列回路と、流出弁9及び油圧ポンプ10間の油圧
配管に接続されたアキュームレータ12とを備えてい
る。そして、異常時の作動補償,所謂フェールセーフの
関係から、前記電磁流入弁8は通電のないノーマル位置
で常時開状態(増圧状態),通電による切換え位置で閉
状態(圧力保持状態)に移行し、前記電磁流出弁9は通
電のないノーマル位置で常時閉状態(圧力保持状態),
通電による切換え位置で開状態(減圧状態)に移行す
る。
【0013】そして、各アクチュエータ6FL〜6Rの
電磁流入弁8、電磁流出弁9及び油圧ポンプ10は、車
輪速センサ3FL〜3Rからの車輪速正弦波信号と、前
記圧力センサ13F及び13Rのマスタシリンダ圧P
MCF 及びPMCR と、前記ブレーキスイッチ14からのブ
レーキスイッチ信号BSとが入力されるコントロールユ
ニットCRからの液圧制御信号EV、AV及びMRによ
って制御される。
【0014】前記コントロールユニットCRは、車輪速
センサ3FL〜3Rからの車輪速正弦波信号が入力さ
れ、これらと各車輪1FL〜1RRのタイヤ転がり動半
径とから各車輪の周速度でなる車輪速度(以下、単に車
輪速とも記す)VwFL〜VwRを演算し、この車輪速V
FL〜VwR や前記マスタシリンダ圧PMCF 及びPMCR
に基づいて、車体速度勾配VXK及び車体速度VX を算出
し、且つホイールシリンダ圧PFL〜PR を算出すると共
に、目標ホイールシリンダ増減圧量ΔP* FL〜ΔP* R
を算出し、この目標ホイールシリンダ増減圧量ΔP* FL
〜ΔP* R が達成されるように、アクチュエータ6FL
〜6Rに対する制御信号EV,AV及びMRを出力する
アクチュエータ制御手段としてのマイクロコンピュータ
20とを備えており、当該マイクロコンピュータ20か
ら出力される指令信号としての制御信号EVFL〜E
R ,AVFL〜AVR 及びMRFL〜MRR が駆動回路2
2aFL〜22aR ,22bFL〜22bR 及び22cFL
22cR を介してアクチュエータ6FL〜6Rに供給さ
れる。
【0015】そして、前記マイクロコンピュータ20
は、例えばA/D変換機能等を有する入力インタフェー
ス回路20aと、マイクロプロセサ等の演算処理装置2
0bと、ROM,RAM等の記憶装置20cと、例えば
D/A変換機能を有する出力インタフェース回路20d
とを備えている。このマイクロコンピュータ20では、
前記各車輪速VwFL〜VwR を用いて例えば従来周知の
車体速算出演算処理に従って車体速度勾配VXk及び車体
速度VX を算出し、この車体速度VX をもとに目標車輪
速Vw* を算出すると共に、車輪速VwFL〜VwR を微
分して車輪加減速度V'wFL〜V'wR を算出し、車輪速V
FL〜VwR 、車輪加速度V'wFL〜V'wRび目標車輪速
Vw* に基づいて基準目標ホイールシリンダ増減圧量Δ
* 0-FL〜P* 0-R を算出し、一方、マスタシリンダ圧
検出値PMCF,MCR 及びアクチュエータ6FL〜6Rに
対する制御信号AV,EVをもとにホイールシリンダ圧
FL〜PR を算出し、これらホイールシリンダ圧PFL
R や前記基準目標ホイールシリンダ増減圧量ΔP*
0-FL〜P* 0-R に基づいて最終的な目標ホイールシリン
ダ増減圧量ΔP* FL〜P* R を算出設定し、この目標ホ
イールシリンダ増減圧量ΔP* FL〜P* R が達成される
ようにアクチュエータ6FL〜6Rに対する制御信号A
FL〜AVR ,EVFL〜EVR ,MRFL〜MRR を出力
する。
【0016】それでは次に、本実施形態のアンチスキッ
ド制御装置によるアンチスキッド制御の構成を、前記マ
イクロコンピュータ20で実行される図3のフローチャ
ートに示す演算処理に従って説明する。この演算処理は
所定のサンプリング時間(例えば10msec)ΔT毎にタ
イマ割込処理として実行される。なお、これ以後の演算
処理では、何れも特に通信のためのステップを設けてい
ないが、演算処理装置20bで必要なプログラムやマッ
プ、或いは必要なデータは随時記憶装置20cから読込
まれるし、逆に演算処理装置20bで算出されたデータ
は随時記憶総20cに更新記憶されるものとする。
【0017】この演算処理では、まずステップS1で前
記圧力センサ13F,13Rからのマスタシリンダ圧P
MCF ,PMCR を読込む。次にステップS2に移行して、
前記車輪速センサ3FL〜3Rからの正弦波信号に基づ
いて、後述する図示されない演算処理によって各車輪速
VwFL〜VwRを算出する。
【0018】次にステップS3に移行して、前記各車輪
速VwFL〜VwR を図示されない個別の演算処理により
微分処理して各車輪加減速度V'wFL〜V'wR を算出す
る。次にステップS4に移行して、後述する図示されな
い演算処理によって各車輪ロックフラグFLOCK-FL 〜F
LOCK-Rを設定する。
【0019】次にステップS5に移行して、後述する図
示されない演算処理によって車体速度勾配VXK及び車体
速度VX を算出する。次にステップS6に移行して、後
述する図示されない演算処理によって各チャンネルのホ
イールシリンダ圧PFL〜PR を算出する。
【0020】次にステップS7に移行して、後述する図
4の演算処理によって各チャンネルの基準目標ホイール
シリンダ増減圧量(以下、単に基準目標増減圧量とも記
す)ΔP* 0-FL(n) 〜ΔP* 0-R(n)を算出設定する。
【0021】次にステップS8に移行して、後述する図
5の演算処理によって各チャンネルの目標ホイールシリ
ンダ増減圧量(以下、単に目標増減圧量とも記す)ΔP
* FL (n) 〜ΔP* R(n)を算出設定する。
【0022】次にステップS9に移行して、後述する図
示されない演算処理によってアクチュエータ駆動用パル
ス幅制御信号を出力する。次にステップS10に移行し
て、前記目標増減圧量の今回値ΔP* FL(n) 〜ΔP*
R(n)を、夫々前回値ΔP* FL(n-1) 〜ΔP* R(n-1)とし
て前記記憶装置20cに更新記憶してからメインプログ
ラムに復帰する。
【0023】次に、前記図3の演算処理のステップS2
で実行される各車輪速Vwi (i:FL〜R)算出のた
めの演算処理について簡潔に説明する。この演算処理
は、前記各車輪速センサ3FL〜3Rが、例えば本出願
人が先に提案した特開平7−329759号公報に記載
されるようなものである場合に、予め前記各車輪速セン
サ3FL〜3Rからの正弦波信号を矩形波信号に波形整
形しておき、この矩形波信号のLo/Hiを短いサンプ
リング周期で読込んで当該矩形波信号のパルス幅を求
め、そのパルス幅から車輪速Vwi を算出する。車輪速
Vwi が大きくなれば前記波形整形された矩形波信号の
パルス幅は短くなり、車輪速Vwi が小さくなればパル
ス幅は長くなる。この矩形波信号のパルス幅は、前述の
ようなセンサの所定の長さの歯が通過する所要時間と等
価であるから、各車輪の回転角速度に反比例することに
なり、従ってこの矩形波信号のパルス幅信号が得られれ
ば、各車輪の回転角速度が求められ、この回転角速度に
タイヤ転がり動半径を乗じて各車輪速Vwi が算出され
る。勿論、所定時間内に幾つのパルスがカウントされる
かによって車輪回転角速度を求める従来の手法でも同様
に車輪速Vwi を算出可能である。
【0024】次に、前記図3の演算処理のステップS4
で実行されるロックフラグ設定のための演算処理につい
て説明する。この演算処理では、まず各車輪速Vw
i が、予め設定された所定値Vw0i(≒0km/h)以
下であるか否かを判定し、当該車輪速Vwi が所定値V
0i以下である場合には、当該車輪がロックしている又
は殆どロックしているとしてロックフラグFLOCK-i
“1”にセットし、そうでない場合には、当該車輪はロ
ックしていないとしてロックフラグFLOCK-iを“0”に
リセットする。
【0025】次に、前記図3の演算処理のステップS5
で実行される車体速度勾配VXK及び車体速度VX 算出の
ための演算処理について簡潔に説明する。この演算処理
では、車体速度VX 算出の素情報であり且つ実際には制
動力や駆動力,路面凹凸や路面反力トルク等によって細
かく変動する車輪速Vwi にフィルタリングを施す必要
がある。このフィルタリング処理には、例えば本出願人
が先に提案した特開平8−133062号公報に記載さ
れるアナログフィルタリング回路を離散化,ソフト化し
たものなどが考えられる。この演算処理によれば、フィ
ルタ出力Vfi に対して予め設定した所定の不感帯幅内
に前記車輪速Vwiがあるか否か、即ちVfi −1km/h
<Vwi <Vfi +1km/hであるか否かを検出し、車輪
速Vwi が不感帯幅内となったとき及びイグニッション
スイッチのオン信号が入力されたときの車輪速Vwi
サンプリングし、これを車体速Vwiが不感帯幅内にあ
るとき及び不感帯幅外となってから所定時間T3 保持
し、車輪速Vwi が不感帯より上側に外れてから、即ち
Vwi >Vfi +1km/hとなってから前記所定時間T3
経過後には、非アンチスキッド制御中であるときはフィ
ルタ出力Vfi を+0.4Gで加速し、或いはアンチス
キッド制御中であるときは+10Gで加速し、さらに車
輪速Vwi が不感帯から下側に外れてから、即ちVwi
<Vfi −1km/hとなってから所定時間T3 経過後には
フィルタ出力Vfiを−1.2Gで加速する。
【0026】そして、このフィルタ出力Vfi を用い
て、例えば本出願人が先に提案した前記特開平8−13
3062号公報に記載される演算処理に従って車体速度
勾配V XK及び車体速度VX を算出する。この演算処理に
ついて簡潔に説明すると、ブレーキスイッチ14のブレ
ーキスイッチ信号BSがオフ状態であるか否かを判定
し、これがオフ状態であるときには非制動状態であると
判断して前記フィルタ出力VfFL, VfFR及びVfR
うち最も小さい値をセレクトロー車輪速度VwL として
算出し、このセレクトロー車輪速度VwL を車体速度V
X として設定すると共に更新記憶し、車体速度勾配VXK
として予め設定された設定値VXK0 (<0)を設定する
と共に更新記憶してから、前記図3におけるステップS
6のホイールシリンダ圧算出演算処理に移行する。
【0027】一方、ブレーキスイッチ信号BSがオン状
態であるときには、制動状態であると判断してフィルタ
出力VfFL, VfFR及びVfR の何れか大きい値をセレ
クトハイ車輪速度VwH として選択すると共に更新記憶
し、このセレクトハイ車輪速度VwH を微分してセレク
トハイ車輪加減速度V'wH を算出する。次いで、このセ
レクトハイ車輪加減速度V'wH が予め設定した設定減速
度−DS に達する制動状態となったか否かを表す制動状
態フラグF1が“1”であるか否かを判定し、これが
“0”にリセットされているときには非制動状態である
と判断し、次いでこのセレクトハイ車輪加減速度V'wH
が設定減速度−DS 以下であるか否かを判定し、設定減
速度−DS より大きいときには制動初期状態であると判
断して、セレクトハイ車輪速度VwH を車体速度VX
して更新記憶してから前記ステップS6のホイールシリ
ンダ圧算出演算処理に移行する。
【0028】これに対して、前記セレクトハイ車輪加減
速度V'wH が制動開始後に始めて設定減速度−DS 以下
となったとき(F1=0)には、そのときのセレクトハ
イ車輪速度VwH を前回サンプリング車輪速度Vs
(n-1) として更新記憶し、第1回目のアンチスキッドサ
イクルでは、この前回サンプリング車輪速度Vs(n-1)
を初期値とし、前記非制動状態時に車体速度勾配VXK
して更新記憶された設定値VXK0 を時間積分して車体速
度VX を算出すると共にこれを更新記憶する。次いで、
アンチスキッドサイクル中にホイールシリンダ圧が減圧
され、その結果、車輪速度Vwi (フィルタ出力V
i )が増速(加速)し、前述したセレクトハイ車輪速
度VwH が、前記算出される車体速度VX 以上となる
と、再び当該セレクトハイ車輪速度VwH が車体速度V
X に設定されると共に更新記憶される。
【0029】次いで、アンチスキッドサイクルが繰返さ
れてホイールシリンダ圧が増圧され、その結果、前記セ
レクトハイ車輪加減速度V'wH が再び前記設定減速度−
S以下となったとき(F1=1,F4=1))には、
そのときのセレクトハイ車輪速度VwH を今回サンプリ
ング車輪速度Vs(n) として更新記憶すると共に、前記
前回サンプリング車輪速度Vs(n-1) とサンプリング車
輪速度Vs(n) との差分値を経過時間Tで除した値に、
所定のオフセット値VXOF を和した値を車体速度勾配V
XKとして算出すると共にこれを更新記憶し、これ以後
は、前記今回サンプリング車輪速度Vs(n) を初期値と
して、前記更新記憶された車体速度勾配V XKを時間積分
して車体速度VX を算出する。そして、繰返されるアン
チスキッドサイクルで、前記セレクトハイ車輪加減速度
V'wH が前記設定減速度−DS 以下となり、つまりセレ
クトハイ車輪速度VwH が車体速度VX から分離する度
に、前述と同様にして車体速度勾配VXKを求め、これを
そのときの今回サンプリング車輪速度Vs(n) に時間積
分して車体速度VX を算出する。なお、前記前回サンプ
リング車輪速度Vs(n-1) は、真に直前の前回値を更新
記憶して使用することも可能であり、そのようにすれば
路面μが変化した前後の車体速度VX を速やかに修正す
ることが可能となる。また、勿論、車体速度勾配VXK
は、前後加速度センサ等で検出した前後加速度を用いる
ことも可能である。
【0030】次に、前記図3の演算処理のステップS6
で実行されるホイールシリンダ圧P i 算出のための演算
処理について説明する。この演算処理としては、前記特
開平8−133062号公報に記載されるものを用いる
ことが可能であり、当該演算処理について簡潔に説明す
ると、まず後述する各チャンネルの目標増減圧量ΔP *
i に基づいて行われるアクチュエータ制御信号を読込
み、このアクチュエータ制御信号の状態からホイールシ
リンダ2j(j=FL,FR,RL,RR)が増圧状
態、減圧状態、保持状態の何れであるかを判定し、増圧
状態であるときには、記憶装置20cに更新記憶されて
いる前回ホイールシリンダ圧Pi(n-1)を読出し、これと
今回マスタシリンダ圧PMCとをもとに、記憶装置20c
に予め記憶された増圧量算出制御マップを参照して推定
増圧量ΔPiAを算出する。ここで、増圧量算出制御マッ
プは、マスタシリンダ圧PMCを一定としたときに前回ホ
イールシリンダ圧Pi(n-1)の増加によって推定増圧量Δ
iAが増加し、且つマスタシリンダ圧PMCの増加によっ
て推定増加量ΔPiAの最大値が増加するように設定され
ている。そして、前記前回ホイールシリンダ圧Pi(n-1)
と推定増圧量ΔPiAとを加算して今回のホイールシリン
ダ圧Pi(n)を算出し、算出した今回ホイールシリンダ圧
i(n)と現在のマスタシリンダ圧PMCとを比較し、何れ
か小さい値を今回ホイールシリンダ圧Pi(n)として更新
記憶してから、前記図3の演算処理におけるステップS
7の基準目標増減圧量算出処理に移行する。
【0031】また、ホイールシリンダ2jの流体圧が保
持状態であるときにはそのままサブルーチン処理を終了
して、前記図3におけるステップS7の基準目標増減圧
量算出処理に移行し、減圧状態であるときには、更新記
憶されている前回ホイールシリンダ圧Pi(n-1)を読出
し、これをもとに記憶装置20cに予め記憶された前回
ホイールシリンダ圧Pi(n-1)と推定減圧量ΔPiDとの関
係を表す制御マップを参照して推定減圧量ΔPiDを算出
する。ここで、減圧量算出制御マップは、前回ホイール
シリンダ圧Pi(n-1)の増加に比例して推定減圧量ΔPiD
が増加するように設定されている。そして、前記前回ホ
イールシリンダ圧Pi(n-1)から推定減圧量ΔPiDを減算
して今回のホイールシリンダ圧Pi(n)を算出し、算出し
た今回ホイールシリンダ圧Pi(n)と“0”とを比較し、
何れか大きい値を今回ホイールシリンダ圧Pi(n)として
更新記憶してから、前記図3におけるステップS7の基
準目標増減圧量算出処理に移行する。
【0032】次に、前記図3の演算処理のステップS7
で実行される図4の演算処理について説明する。この演
算処理では、まずステップS701で、図示されない個
別の演算処理に基づき、下記1式の演算を行って目標車
輪速Vw* を算出してこれを記憶装置20cに更新記憶
する。なお、式中のYは、例えば制動距離と舵取効果と
を確保可能なスリップ率であり、例えば0.05程度
に、Xは所定値であって例えば−4km/h程度に設定され
る。従って、算出される目標車輪速Vw* は、当然なが
ら負値の領域まで設定される。また、これらの数値は、
例えば車両の減速度,アンチスキッド制御の対象となる
車輪が前輪であるか、後輪であるか,車体速度の大きさ
そのものなどに依存する変数であってもよく、その場合
には制御マップや各種の演算を用いて設定すればよい。
【0033】 Vw* =(1−Y)・VX +X ……… (1) 次いで、ステップS702に移行して、車輪速Vwi
目標車輪速Vw* より小さいか否かを判定し、車輪速V
i が目標車輪速Vw* より小さい場合にはステップS
703に移行し、そうでない場合にはステップS704
に移行する。
【0034】前記ステップS703では、目標車輪加減
速度V'w* を“0”に設定してからステップS705に
移行する。一方、前記ステップS704では、目標車輪
加減速度V'w* を、予め設定された所定値V'w* 0 (<
0)に設定してから前記ステップS705に移行する。
【0035】前記ステップS705では、前記車輪速V
i 、目標車輪速Vw* 、車輪加減速度V'wi 及び目標
車輪加減速度V'w* に基づいて下記2式の演算を行うこ
とにより、比例・微分制御(PD制御)による基準目標
増減圧量の今回値ΔP* 0-i( n)を算出する。
【0036】 ΔP* 0-i(n)=K1 (Vwi −Vw* )+K2 (V'wi −V'w* )…… (2) この2式において、右辺第1項が比例制御項であり、右
辺第2項が微分制御項であり、K1 は比例ゲイン、K2
は微分ゲインである。
【0037】次にステップS706に移行して、前記車
体速度VX が予め設定された所定値VX0(例えば10km
/h)以上であるか否かを判定し、当該車体速度VX が所
定値VX0以上である場合にはステップS707に移行
し、そうでない場合には前記図3におけるステップS8
の目標増減圧量算出演算処理に移行する。
【0038】前記ステップS707では、前記車輪速V
i が前記目標車輪速Vw* より大きく且つ前記ステッ
プS705で算出した基準目標増減圧量の今回値ΔP*
0-i( n)が負値であるか否かを判定し、Vwi >Vw*
つΔP* 0-i(n)<0であるときにはステップS709に
移行し、そうでない場合にはステップS708に移行す
る。
【0039】前記ステップS708では、前記車輪速V
i が前記目標車輪速Vw* 以下で且つ前記ステップS
705で算出した基準目標増減圧量の今回値ΔP*
0-i(n)が正値であるか否かを判定し、Vwi ≦Vw*
つΔP* 0-i(n)>0であるときには前記ステップS70
9に移行し、そうでない場合には前記図3におけるステ
ップS8の目標増減圧量算出演算処理に移行する。
【0040】前記ステップS709では、前記ステップ
S707又はステップS708のAND条件が満足され
ず、設定されている基準目標増減圧量の今回値ΔP*
0-i(n)が所望する車輪速Vwi の変化方向に一致されて
いないとして、基準目標増減圧量の今回値ΔP* 0-i(n)
を“0”に設定してから、前記図3におけるステップS
8の目標増減圧量算出演算処理に移行する。
【0041】次に、前記図3の演算処理のステップS8
で実行される図6の演算処理について説明する。この演
算処理では、まずステップS801で、図示されない個
別の演算処理を実行してアンチスキッド制御を終了して
よいか否かを判定し、アンチスキッド制御終了可の場合
にはステップS802に移行し、そうでない場合にはス
テップS803に移行する。このアンチスキッド制御終
了条件には、例えば後述する緩増圧モードにおける増圧
回数が所定回数以上になったとか、ブレーキスイッチ信
号がOFF状態になってから所定時間が経過したとか、
マスタシリンダ圧が所定値以下の状態が所定時間経過し
たといった条件が挙げられ、それらが満足された場合に
はアンチスキッド制御を終了してもよいと判断する。
【0042】前記ステップS802では、アンチスキッ
ド制御フラグFABS を“0”にリセットしてからステッ
プS803に移行する。前記ステップS803では、前
記図3のステップS7で実行される前記図5の演算処理
で算出設定された基準目標増減圧量の今回値ΔP*
0-i(n)が“0”以下であるか否かを判定し、当該基準目
標増減圧量の今回値ΔP* 0-i(n)が“0”以下である場
合にはステップS804に移行し、そうでない場合には
ステップS805に移行する。
【0043】前記ステップS804では、アンチスキッ
ド制御フラグFABS を“1”にセットしてから前記ステ
ップS805に移行する。前記ステップS805では、
アンチスキッド制御フラグFABS が“1”のセット状態
であるか否かを判定し、当該アンチスキッド制御フラグ
ABS がセット状態である場合にはステップS806に
移行し、そうでない場合にはステップS807に移行す
る。
【0044】前記ステップS806では、前記図3のス
テップS7で実行される前記図5の演算処理で算出設定
された基準目標増減圧量の今回値ΔP* 0-i(n)が正値な
のか、“0”なのか、負値なのかを判定し、当該基準目
標増減圧量の今回値ΔP* 0- i(n)が負値である場合には
ステップS808に移行し、当該基準目標増減圧量の今
回値ΔP* 0-i(n)が“0”である場合にはステップS8
09に移行し、当該基準目標増減圧量の今回値ΔP*
0-i(n)が正値である場合にはステップS810に移行す
る。
【0045】前記ステップS808では、アンチスキッ
ド制御フラグFABS が“1”のセット状態であり且つ前
記基準目標増減圧量の今回値ΔP* 0-i(n)が負値である
ために、当該ホイールシリンダ2jのホイールシリンダ
圧Pi を減圧すべき減圧モードであると判断し、減圧モ
ードフラグFG が“0”のリセット状態であるか否かを
判定し、当該減圧モードフラグFG がリセット状態であ
る場合にはステップS811に移行し、そうでない場合
にはステップS812に移行する。
【0046】前記ステップS811では、アンチスキッ
ド制御カウンタCNTABS を、当該減圧モードで予め設
定された負値の所定値−N0 (例えば−N0 =−6)に
設定してから、前記ステップS812に移行する。
【0047】前記ステップS812では、前記減圧モー
ドフラグFG を“1”にセットすると共に、保持モード
フラグFH 及び増圧モードフラグFZ を共に“0”にリ
セットしてからステップS813に移行する。
【0048】前記ステップS813では、後述する図示
されない演算処理を行って減圧側の目標増減圧量(の今
回値)ΔP* i(n)を算出してから、前記図3におけるス
テップS9の制御信号出力演算処理に移行する。
【0049】また、前記ステップS809では、アンチ
スキッド制御フラグFABS が“1”のセット状態であり
且つ前記基準目標増減圧量の今回値ΔP* 0-i(n)
“0”であるため、当該ホイールシリンダ2jのホイー
ルシリンダ圧Pi を保持すべき保持モードであると判断
し、保持モードフラグFH が“0”のリセット状態であ
るか否かを判定し、当該保持モードフラグFH がリセッ
ト状態である場合にはステップS814に移行し、そう
でない場合にはステップS815に移行する。
【0050】前記ステップS814では、前記図3のス
テップS6で実行される演算処理で算出されたそのとき
の今回ホイールシリンダ圧Pi(n)をホイールシリンダピ
ーク圧(ロック流体圧)PPEAK-iに設定し、これを前記
記憶装置20cに更新記憶してから前記ステップS81
5に移行する。
【0051】前記ステップS815では、前記アンチス
キッド制御カウンタCNTABS を“0”にクリアしてか
らステップS816に移行する。前記ステップS816
では、前記保持モードフラグFH を“1”にセットする
と共に、前記減圧モードフラグFG 及び増圧モードフラ
グFZ を共に“0”にリセットし、更に後述する連続減
圧フラグFCNTN-Gを“0”にリセットしてからステップ
S817に移行する。
【0052】前記ステップS817では、目標増減圧量
の今回値ΔP* i(n)を、このときの前記基準目標増減圧
量の今回値ΔP* 0-i(n)と同じ“0”に設定してから、
前記図3におけるステップS9の制御信号出力演算処理
に移行する。
【0053】また、前記ステップS810では、アンチ
スキッド制御フラグFABS が“1”のセット状態であり
且つ前記基準目標増減圧量の今回値ΔP* 0-i(n)が正値
であるために、当該ホイールシリンダ2jのホイールシ
リンダ圧Pi を増圧すべき増圧モードであると判断し、
増圧モードフラグFZ が“0”のリセット状態であるか
否かを判定し、当該増圧モードフラグFZ がリセット状
態である場合にはステップS818に移行し、そうでな
い場合にはステップS819に移行する。
【0054】前記ステップS818では、増圧カウンタ
CNTZ を“0”にクリアしてからステップS820に
移行する。また、前記ステップS819では、アンチス
キッド制御カウンタCNTABS が“0”のクリア状態で
ないか否かを判定し、当該アンチスキッド制御カウンタ
CNTABS が“0”でない場合にはステップS821に
移行し、そうでない場合には前記ステップS820に移
行する。
【0055】前記ステップS820では、アンチスキッ
ド制御カウンタCNTABS を、当該増圧モードで予め設
定された正値の所定値+N0 (例えば+N0 =+6)に
設定してから、前記ステップS821に移行する。
【0056】前記ステップS821では、前記増圧モー
ドフラグFZ を“1”にセットすると共に、前記減圧モ
ードフラグFG 及び保持モードフラグFH を共に“0”
にリセットし、更に後述する前記連続減圧フラグF
CNTN-Gを“0”にリセットしてからステップS822に
移行する。
【0057】前記ステップS822では、後述する図示
されない演算処理を行って増圧側の目標増減圧量(の今
回値)ΔP* i(n)を算出してから、前記図3におけるス
テップS9の制御信号出力演算処理に移行する。
【0058】一方、前記ステップS807では、アンチ
スキッド制御フラグFABS が“0”のリセット状態であ
るために、マスタシリンダ5と当該ホイールシリンダ2
jとを直結状態に連通する,所謂通常の急増圧モードで
あると判断し、前記アンチスキッド制御カウンタCNT
ABS を“0”にクリアしてからステップS823に移行
する。
【0059】前記ステップS823では、前記減圧モー
ドフラグFG 及び保持モードフラグFH 及び増圧モード
フラグFZ を共に“0”にリセットし、更に後述する前
記連続減圧フラグFCNTN-Gを“0”にリセットしてから
ステップS824に移行する。
【0060】前記ステップS824では、前記目標増減
圧量の今回値ΔP* i(n)を、前記電磁流入弁8が常時全
開状態となるように予め設定された正値の所定値+ΔP
0iに設定してから、前記図3におけるステップS9の制
御信号出力演算処理に移行する。
【0061】次に、前記図6の演算処理のステップS8
13で実行される減圧側目標増減圧量算出のための演算
処理について簡潔に説明する。この演算処理では、前記
連続減圧フラグFCNTN-Gが“0”のリセット状態でない
場合や、前記車輪ロックフラグFLOCK-iが“0”のリセ
ット状態でない場合には、後述する連続減圧のための目
標増減圧量算出演算処理を行う。一方、前記連続減圧フ
ラグFCNTN-Gが“0”のリセット状態である場合で、且
つ前記車輪ロックフラグFLOCK-iが“0”のリセット状
態である場合には、前記アンチスキッド制御カウンタC
NTABS が前記減圧モードで設定される負値の所定値−
0 (=−6)でないか否かを判定し、当該アンチスキ
ッド制御カウンタCNTABS が負値の所定値−N0 でな
い場合には、後述する初回減圧時の目標増減圧量算出演
算処理を行い、その他の場合には2回目以後の目標増減
圧量算出演算処理を行う。
【0062】前記初回減圧時の目標増減圧量算出演算処
理では、減圧カウンタCNTG を“0”にクリアし、前
記算出設定された負値の基準目標増減圧量の今回値ΔP
* 0- i(n)をそのまま、減圧側の目標増減圧量の今回値Δ
* i(n)(<0)に設定し、この目標増減圧量の今回値
ΔP* i(n)をそのまま、総減圧量ΣΔPi に設定すると
共にこれを記憶装置20cに更新記憶し、前記負値の所
定値−N0 に設定されているアンチスキッド制御カウン
タCNTABS をインクリメントし、前記減圧カウンタC
NTG をインクリメントしてから前記図3におけるステ
ップS9の制御信号出力演算処理に移行する。
【0063】一方、前記2回目以後の目標増減圧量算出
演算処理では、下記3式に従って、前記目標増減圧量の
前回値の絶対値|ΔP* i(n)|と、ホイールシリンダ圧
i( n)から前記ホイールシリンダピーク圧PPEAK-iを減
じた値の絶対値|Pi(n)−P PEAK-i|とを比較し、何れ
か小さい方を前回までの減圧量ΔPG-i(n-1)として算出
設定する。
【0064】 ΔPG-i(n-1)=min[|ΔP* i(n)|,|Pi(n)−PPEAK-i|] ……… (3) 更に、下記4式に従って、前記算出設定された負値の基
準目標増減圧量の今回値ΔP* 0-i(n)に前記前回までの
減圧量ΔPG-i(n-1)(>0)を和した値と、“0”とを
比較し、何れか小さい方を今回の目標減圧量ΔP*
G-i(n)として算出設定する。
【0065】 ΔP* G-i(n)=min[0,ΔP* 0-i(n)+ΔPG-i(n-1)] ……… (4) なお、実質的には前記更新されている目標増減圧量の前
回値ΔP* i(n)が負値であるため、符号を整合すると、
前記3式は下記3’式に、前記4式は下記4’式に置換
しても、実質的に等価になる。なお、3’式中のmax
は最大値選出を意味する。
【0066】 ΔPG-i(n-1)=max[ΔP* i(n),Pi(n)−PPEAK-i] ………(3') ΔP* G-i(n)=min[0,ΔP* 0-i(n)−ΔPG-i(n-1)] ………(4') そして、前記今回の目標減圧量の絶対値|ΔP* G-i(n)
|が、予め設定された所定値ΔP* G0-i(n) (>0)以
上でない場合には、減圧側の目標増減圧量の今回値ΔP
* i(n)を“0”に設定し、当該今回の目標減圧量の絶対
値|ΔP* G-i( n)|が所定値ΔP* G0-i(n) 以上であり
且つ前記減圧カウンタCNTG が予め設定された所定値
CNTG0(例えばCNTG0=2)より小さい場合には、
減圧側の目標増減圧量の今回値ΔP* i(n)を前記今回の
目標減圧量ΔP* G-i(n)に設定し、何れの場合も、前回
までの減圧量ΔPG-i(n-1)に前記設定された目標増減圧
量の今回値ΔP* i(n)を和した値を総減圧量ΣΔPi
設定する。なお、前記前記減圧カウンタCNTG が所定
値CNTG0以上である場合には、後述する連続減圧のた
めの目標増減圧量算出演算処理に移行する。また、前記
今回の目標減圧量ΔP* G-i(n)が負値であることから、
前記所定値ΔP* G0-i(n) を同等の負値に設定すれば、
判定の内容は当該今回の目標減圧量ΔP* G-i(n)が負値
の所定値ΔP * G0-i(n) 以下であるか否かという判定に
変化するのは言うまでもない。
【0067】そして、前記連続減圧のための目標増減圧
量算出演算処理では、前記連続減圧フラグFCNTN-G
“1”にセットすると共に、減圧側の目標増減圧量の今
回値ΔP* i(n)を、前記電磁流出弁9が常時全開状態と
なるように予め設定された負値の所定値−ΔP0iに設定
し、前回までの総減圧量ΣΔPi に、この目標増減圧量
の今回値ΔP* i(n)を和した値を総減圧量ΣΔPi に設
定する。
【0068】そして、アンチスキッド制御カウンタCN
ABS を“0”にクリアし、減圧カウンタをインクリメ
ントしてから、前記図3におけるステップS9の制御信
号出力演算処理に移行する。
【0069】次に、前記図6の演算処理のステップS8
22で実行される図示されない演算処理について簡潔に
説明する。この演算処理では、前記アンチスキッド制御
カウンタCNTABS が前記増圧モードで設定される正値
の所定値+N0 (=+6)であり且つ図示されない演算
処理によって設定される増圧許可フラグFARW-Z-i
“1”のセット状態である場合に限って、後述する増圧
側目標増減圧量算出演算処理を行い、そうでない場合に
は目標増減圧量の今回値ΔP* i(n)を“0”とし、次い
でアンチスキッド制御カウンタをデクリメントしてか
ら、前記図3におけるステップS9の制御信号出力演算
処理に移行する。
【0070】前記増圧側目標増減圧量算出演算処理で
は、まず前記増圧カウンタCNTZ が“0”のクリア時
に限って後述の初回増圧時の目標増減圧量算出演算処理
を行い、そうでない場合には2回目以後の目標増減圧量
算出演算処理を行う。このうち初回増圧時の目標増減圧
量算出演算処理では、更新記憶されている前回までの総
減圧量ΣΔPi を読込み、この総減圧量ΣΔPi に比例
係数α(例えばα=−0.5〜−0.8)を乗じた値を
増圧側の目標増減圧量の今回値ΔP* i(n)に設定する。
なお、前記比例係数αは、例えば路面μに応じて変更設
定するようにしてもよい。一方、前記2回目以後の目標
増減圧量算出演算処理では、図示されない演算式に従い
且つ前記増圧カウンタCNTZ に応じて最小増圧量ΔP
L-i (>0)を設定し、前記算出設定された正値の基準
目標増減圧量の今回値ΔP* 0-i(n)と前記最小増圧量Δ
L-i とを比較し、何れか小さい方を増圧側の目標増減
圧量の今回値ΔP* i(n)に設定。なお、前記最小増圧量
ΔPL-i は、例えば増圧カウンタCNTZ の増加に伴っ
て次第に大きく設定されるようにしてもよい。
【0071】そして、前記増圧カウンタCNTZ をイン
クリメントし、前記アンチスキッド制御カウンタCNT
ABS をデクリメントしてから、前記図3におけるステッ
プS9の制御信号出力演算処理に移行する。
【0072】次に、前記図3のステップS9で実行され
る演算処理について簡潔に説明する。この演算処理で
は、図示されない制御マップに従って、前記各目標増減
圧量の今回値ΔP* i(n)の正負及び絶対値の大きさに応
じて、所定時間内における電磁流入弁8又は電磁流出弁
9の開閉時間を制御するためのパルス幅制御信号が創成
され、これが対応する各電磁流入弁8又は電磁流出弁9
に向けて出力され、このうち電磁流入弁8へのパルス幅
制御信号は前記各駆動回路22aiから駆動信号EVi
として出力され、電磁流出弁9へのパルス幅制御信号は
前記各駆動回路22ciから駆動信号AVi として出力
される。
【0073】次に、本実施形態の全体的な作用を、図6
のタイミングチャートに従って簡潔に説明する。このタ
イミングチャートは、時刻t00以前から車両が乾燥した
舗装路等の比較的摩擦係数の高い、所謂高μ良路を非制
動状態で定速走行しており、その後の時刻t01からブレ
ーキペダルを踏込んで制動状態に移行したところ、車輪
のスリップが大きくなってアンチスキッド制御が開始さ
れた場合をシミュレートしたものである。そして、図6
aには車輪速Vwi の,同図6bには車輪加減速度V'w
i の,同図6cには基準目標増減圧量ΔP* 0-i の,同
図6dにはホイールシリンダ圧Pi の経時変化を夫々示
す。また、同図6aには真の車体速度V XR及び前記図3
の演算処理のステップS5で算出された車体速度VX
び前記図5の演算処理のステップS701で算出された
目標車輪速Vw* の,同図6bには図5の演算処理のス
テップS702又はステップS704で設定される目標
車輪加減速度V'w* の,同図6dにはマスタシリンダ圧
MCForRの経時変化を併記する。
【0074】このタイミングチャートでは、まず前記時
刻t00から時刻t01までの時間、車輪速Vwi は算出さ
れる車体速度VX (=真の車体速度VXR)と一致してい
るので、目標車輪速Vw* より車輪速Vwi の方が大き
く、従って前記負値の所定値V'w0 が目標車輪加減速度
V'w* に設定され、実際の車輪加減速度V'wi は“0”
であるから、算出される基準目標増減圧量ΔP* 0-i
比較的大きな正値になる。しかしながら、この時点では
未だブレーキペダルが踏込まれておらず、従ってマスタ
シリンダ圧PMCForRも“0”(MPa) であるから、ホイー
ルシリンダ圧P i も“0”(MPa) である。一方、前記図
6の演算処理では、アンチスキッド制御終了条件が満足
されているためにアンチスキッド制御フラグFABS
“0”にリセットされており、合わせて前記基準目標増
減圧量ΔP* 0-i が正値であるために、急増圧モードが
設定されてアンチスキッド制御カウンタCNTABS
“0”にクリアされ、連続減圧フラグFCNTN-Gも“0”
にリセットされている。
【0075】この状態から、前記時刻t01でブレーキペ
ダルが踏込まれるとマスタシリンダ圧PMCForRの増圧に
伴って、急増圧モードが選択されているホイールシリン
ダ圧Pi も次第に増圧され、制動力が増加されてゆく。
従って、これにやや遅れるようにして車輪加減速度V'w
i が負の領域で次第に小さくなり、更にこれに遅れて車
輪速Vwi が次第に小さくなり、これに伴って車体速度
X (<真の車体速度VXR)も次第に小さくなる。やが
て、減少を続ける車輪加減速度V'wi は、時刻t02で、
前記負値の所定値V'w0 に設定されている目標車輪加減
速度V'w* 以下となり、未だ車輪速Vwi は目標車輪速
Vw* より大きかったが、算出される基準目標増減圧量
ΔP* 0-i は時刻t03で“0”に設定され、これ以後、
負値の領域で減少し続けた。ところが、このように算出
される基準目標増減圧量ΔP* 0- i が“0”以下となっ
たにも係わらず、未だ車輪速Vwi は目標車輪速Vw*
より大きいために、同演算処理のAND条件を満足して
最終的な基準目標増減圧量ΔP* 0-i は“0”に設定さ
れてしまう。このようにして、基準目標増減圧量ΔP*
0-i が“0”になると、アンチスキッド制御フラグF
ABS が“1”にセットされ、その結果、そのときのホイ
ールシリンダ圧Pi(n)をホイールシリンダピーク圧P
PEAK-iに設定し、次いでアンチスキッド制御カウンタC
NTABS をクリアし、次いで保持モードフラグFH をセ
ットすると共に、その他のモードフラグF G ,FZ 及び
連続減圧フラグFCNTN-Gをリセットし、次いで目標増減
圧量ΔP* i を“0”に設定し、これ以後、基準目標増
減圧量ΔP* 0-i が“0”に設定される限り、このフロ
ーが繰返される。その結果、前記時刻t03以後、マスタ
シリンダ圧PMCForRに係わらずホイールシリンダ圧Pi
は一定に保持された。
【0076】しかしながら、その後も、車輪速Vwi
減速し続け、時刻t04で目標車輪速Vw* 以下となって
しまった。これにより、図5の演算処理で目標車輪加減
速度V'w* は“0”に設定されるため、この時刻を境に
算出される基準目標増減圧量ΔP* 0-i は負の領域でス
テップ状に小さくなり、しかしながらこのときの基準目
標増減圧量ΔP* 0-i 及び車輪速Vwi は、同演算処理
の何れのAND条件も満足しないので、当該基準目標増
減圧量ΔP* 0-i がそのまま以後の演算処理に用いられ
る。従って、図6の演算処理では、既にアンチスキッド
制御フラグFAB S がセットされており、基準目標増減圧
量ΔP* 0-i が負値であることから減圧モードに移行す
る。そして、未だ減圧モードフラグFG がリセットされ
たままであるから、アンチスキッド制御カウンタCNT
ABS を前記減圧モードにおける負値の所定値−N0 に設
定し、次いで減圧モードフラグFG をセットすると共
に、その他のモードフラグFH ,FZ をリセットし、次
いで減圧側の目標増減圧量ΔP* i を算出設定し、これ
以後は減圧制御のフローを繰返す。
【0077】そして、未だ連続減圧フラグFCNTN-G及び
車輪ロックフラグFLOCK-iはリセットされたままであ
り、前記アンチスキッド制御カウンタCNTABS は前記
負値の所定値−N0 に設定された直後であるから、減圧
カウンタCNTG をクリアし、次いでそのときの基準目
標増減圧量ΔP* 0-i を目標増減圧量ΔP* i に設定
し、次いでこの目標増減圧量ΔP* i を総減圧量ΣΔP
i に設定し、次いでアンチスキッド制御カウンタCNT
ABS をインクリメントし、次いで減圧カウンタCNTG
をインクリメントする。従って、時刻t04後、ホイール
シリンダ圧Pi は、前記基準目標増減圧量ΔP* 0-i
設定された目標増減圧量ΔP* i 分だけ減圧されるもの
の、その直後から車輪加減速度V'wi が正値に転ずる訳
ではなく、車輪速Vwi は未だ減速を継続している。
【0078】そして、前記所定サンプリング時間ΔT後
の時刻t05に、再び演算処理が実行されると、既にアン
チスキッド制御カウンタCNTABS はインクリメントさ
れていて前記負値の所定値−N0 ではないので、記憶さ
れている目標増減圧量の前回値の絶対値|ΔP* i(n-1)
(=ΔP* 0-i(n-1))|と、ホイールシリンダ圧の今回
値から前記ホイールシリンダピーク圧を減じた値の絶対
値|Pi(n)−PPEAK-i|のうちの何れか小さい方が前回
までの減圧量ΔPG-i(n-1)として算出設定され、次いで
そのときの基準目標増減圧量の今回値ΔP* 0-i(n)(<
0)に前記前回までの減圧量ΔPG-i(n-1)(>0)を和
した値と、“0”の何れか大きい小さい方が今回の目標
減圧量ΔPG-i(n)(<0)に設定される。このとき、前
述のように車輪加減速度V'wi は正値に転じている訳で
もなく、また急速なホイールシリンダ圧Pi の増圧によ
って車輪速Vwi は著しく減速を継続しているために、
この時刻t05の基準目標増減圧量の今回値ΔP* 0-i(n)
は、前記時刻t04のそれ(=ΔP* 0-i(n-1))より負の
領域で更に減少しており、結果的にこの基準目標増減圧
量の今回値ΔP* 0-i(n)に前回までの減圧量ΔP
G-i(n-1)を和した値は、少なくとも前述した減圧所定値
ΔP* G0-iよりも絶対値の大きな負値となった。その結
果、この加算値が今回の目標減圧量ΔPG-i(n)に設定さ
れ、しかもその絶対値|ΔPG-i(n)|が所定値ΔP*
G0-i以上であり、減圧カウンタCNTG は未だ“1”で
あり、所定値CNTG0(=2)より小さいので、前記今
回の目標減圧量ΔPG-i(n)が目標増減圧量の今回値ΔP
* i(n)として算出設定され、次いで前記前回までの減圧
量ΔPG-i(n-1)に目標増減圧量の今回値ΔP* i(n)を和
した値が総減圧量ΣΔPi として算出され、次にアンチ
スキッド制御カウンタCNTABSをクリアし、次いで減
圧カウンタCNTG をインクリメントする(=2)。そ
の結果、未だホイールシリンダ圧Pi の減圧の影響を十
分に反映していないと考えられる車輪加減速度V'wi
車輪速Vwi から算出される前記基準目標増減圧量ΔP
* 0-i(n)ではなく、それと前回までの減圧量ΔP
G-i(n-1)との差分値(=今回の目標減圧量ΔPG-i(n)
分だけ減圧が行われて、所謂過減圧を未然に回避するこ
とが可能となる。なお、前記今回の目標減圧量の絶対値
|ΔPG-i(n)|が所定値ΔP* G0-iより小さいような場
合には、車輪加減速度V'wi や車輪速Vwiには、前回
までのホイールシリンダ圧Pi の減圧の影響が反映され
て、その結果、基準目標増減圧量ΔP* 0-i(n)が絶対値
の小さな値に設定されている可能性があるとして、目標
増減圧量ΔP* i(n)を“0”とし、ホイールシリンダ圧
i を実質的に保持する。
【0079】更に、前記所定サンプリング時間ΔT後の
時刻t06に、三たび図7の演算処理が実行されると、既
にアンチスキッド制御カウンタCNTABS は“0”にク
リアされてしまっているので、前述と同様に前回までの
減圧量ΔPG-i(n-1)が算出設定され、次いで今回の目標
減圧量ΔPG-i(n)が算出設定される。このときも前記時
刻t05と同様に、車輪加減速度V'wi は負値のままであ
り、車輪速Vwi も減速を継続しているために、この時
刻t06の基準目標増減圧量の今回値ΔP* 0-i( n)は、前
記時刻t05のそれより負の領域で更に減少しており、結
果的にこの基準目標増減圧量の今回値ΔP* 0-i(n)と前
回までの減圧量ΔPG-i(n-1)との加算値からなる今回の
目標減圧量の絶対値|ΔPG-i(n)|は所定値ΔP* G0-i
以上であるが、今回は減圧カウンタCNTG が所定値C
NTG0(=2)と等しいので、連続減圧フラグFCNTN-G
が“1”にセットされると共に、連続減圧を行うための
前記負値の所定値−ΔP0iが目標増減圧量の今回値ΔP
* i(n)として設定され、次いで、それまでの総減圧量Σ
ΔPi に前記目標増減圧量の今回値ΔP* i(n)を和した
値が新たな総減圧量ΣΔPi として算出され、次いで減
圧カウンタCNTGをインクリメントし、これ以後、基
準目標増減圧量ΔP* 0-i が“0”以上になる時刻t10
までの時間、前記所定サンプリング時間ΔT毎の時刻t
07,t08,t 09毎に、フローが繰返される。その結果、
ホイールシリンダ圧Pi は連続減圧され、車輪加減速度
V'wi は速やかに大きくなり、車輪速Vwi も速やかに
増速される。
【0080】これにより、車輪加減速度V'wi は前記時
刻t09で正値に転じ、次のサンプリング時刻t10で前記
図5の演算処理で算出される基準目標減圧量ΔP* 0-i
が“0”となり、それ以後は正値となったが、このと
き、未だ車輪速Vwi は目標車輪速Vw* より小さいた
めに、同演算処理のAND条件を満足して最終的な基準
目標減圧量ΔP* 0-i は“0”に維持された。従って、
この時刻t10からは前記時刻t03以後と同様に、保持モ
ードが設定され、実際にホイールシリンダ圧Piも保持
された。
【0081】その後、車輪加減速度V'wi は正の領域で
ピークを迎えて減少に転じたが、未だ増速を続ける車輪
速Vwi は、それより遅い時刻t11で目標車輪速Vw*
以上となった。そのため、この時刻t11以後の最初のサ
ンプリング時刻で実行される図5の演算処理では目標車
輪加減速度V'w* は負値の所定値V'w0 に設定されると
共に、算出される基準目標減圧量ΔP* 0-i は前記何れ
のAND条件をも満足せず、最終的にはステップ状に増
加する正値の基準目標増減圧量ΔP* 0-i が設定され
る。従って、図6の演算処理では、これ以後、未だ増圧
モードフラグFZはリセットされたまであるから増圧カ
ウンタCNTZ をクリアし、次いでアンチスキッド制御
カウンタCNTABS を前記増圧モードで設定される正値
の所定値+N0 に設定し、次いで増圧モードフラグFZ
をセットすると共に、その他のモードフラグFG ,FH
及び連続減圧フラグFCNTN-Gをリセットし、次いで増圧
側の目標増減圧量ΔP* i を算出設定する。
【0082】この時刻t11に実行される演算処理では、
アンチスキッド制御カウンタCNT ABS は前記正値の所
定値+N0 に設定された直後であるから、増圧許可フラ
グF ARW-Z-i が“1”にセットされたとすると、未だ増
圧カウンタCNTZ がクリアされたままであるために前
回の総減圧量ΣΔPi に比例係数αを乗じて目標増減圧
量ΔP* i を算出設定し、次いで増圧カウンタCNTZ
をインクリメントし、次いでアンチスキッド制御カウン
タCNTABS をデクリメントする。これにより、この時
刻t11直後から、ホイールシリンダ圧Pi は前記増圧側
の目標増減圧量ΔP* i 分だけ急速に増圧される。とこ
ろが、この時刻t11から所定サンプリング時間ΔT後の
時刻t12で演算処理が実行されると、既にアンチスキッ
ド制御カウンタCNTABS がデクリメントされて前記正
値の所定値+N0 ではないので、目標増減圧量ΔP* i
は“0”に設定され、次いでアンチスキッド制御カウン
タCNTABS をデクリメントし、これ以後、デクリメン
トされ続けて“0”となったアンチスキッド制御カウン
タCNTABS が読込まれるサンプリング時刻t18までの
時間、前記所定サンプリング時間ΔT毎の時刻t13,t
14,t15,t16でこの保持制御のフローが繰返される。
そのため、前記時刻t12から時刻t18までの時間、ホイ
ールシリンダ圧Pi は、前記時刻t11で増圧された状態
に保持される。
【0083】この時刻t18より早い時刻t17で、車輪加
減速度V'wi は“0”以下となったが、未だ車輪速Vw
i は目標車輪速Vw* より大きく、従って車輪加減速度
V'w i も前記負値の所定値V'w0 に設定された目標車輪
加減速度V'w* より大きい状態を維持した。そして、時
刻t18で前記図6の演算処理が実行されると、その前の
時刻t16でデクリメントされたアンチスキッド制御カウ
ンタCNTABS が“0”であるため、アンチスキッド制
御カウンタCNTABS を前記正値の所定値+N 0 に設定
する。すると、既に増圧カウンタCNTZ は“1”であ
るために最小増圧量ΔP* L-i を設定し、次いでこの最
小増圧量ΔP* L-i とそのときの基準目標増減圧量ΔP
* 0-i との何れか小さい方を目標増減圧量ΔP* i とし
て算出設定し、次いで増圧カウンタCNTZ をインクリ
メントし、次いでアンチスキッド制御カウンタCNT
ABS をデクリメントしてしまうので、これ以後は、再び
“0”となったアンチスキッド制御カウンタCNTABS
が読込まれる時刻t19まで、前記時刻t12〜時刻t18
様ホイールシリンダ圧Pi は保持される。そして、正値
の所定値+N0 に設定されたアンチスキッド制御カウン
タCNTABS が“0”になる度、つまり時間(N0 ×Δ
T)毎の時刻t19,t20,t22で上記フローが繰返さ
れ、最小増圧量ΔP* L-i とそのときの基準目標増減圧
量ΔP* 0-i との何れか小さい方からなる目標増減圧量
ΔP* i 分ずつホイールシリンダ圧Pi は増圧される。
ここで、例えば増圧カウンタCNTZ の増加と共に最小
増圧量ΔP * L-i も次第に大きくなるように設定されて
いたりするが、一般には最小増圧量ΔP* L-i は絶対値
の小さな正値であり、従って前記時刻t11で一端大きく
増圧されたホイールシリンダ圧Pi は、前記時間(N0
×ΔT)毎に、目標とする圧力に向けて微増されること
になり、これが所謂緩増圧と呼ばれる。
【0084】このようなホイールシリンダ圧Pi の緩増
圧により、車輪加減速度V'wi は負の領域で次第に減少
し、これに伴って車輪速Vwi も次第に大きく減速し、
前記時刻t22よりも早い時刻t21で、車輪加減速度V'w
i は前記負値の所定値V'w0からなる目標車輪加減速度
V'w* 以下となり、前記時刻t22よりも遅い時刻t23
算出される基準目標増減圧量ΔP* 0-i も“0”以下と
なった。ところが、この時刻t23以後も、車輪速Vwi
は目標車輪速Vw* より大きいので、前記時刻t03以後
と同様に、最終的な基準目標増減圧量ΔP* 0-i
“0”に維持され、その結果、ホイールシリンダ圧の制
御モードは保持モードとなり、前記時刻t22で緩増圧さ
れたホイールシリンダ圧Pi が保持される。
【0085】やがて、次第に大きく減速し続ける車輪速
Vwi は、時刻t24で目標車輪速Vw* 以下となるため
に、前記図5の演算処理のAND条件が解除されると共
に目標車輪加減速度V'w* は“0”に設定され、その結
果、最終的な基準目標増減圧量ΔP* 0-i は負の領域で
ステップ状に減少する。但し、前述のようにホイールシ
リンダ圧Pi は緩増圧されていたために、この時刻t24
で設定される基準目標増減圧量ΔP* 0-i は、さほど絶
対値の大きなものではない。従って、図6の演算処理で
はホイールシリンダ圧の減圧モードが設定され、減圧制
御が開始される。この減圧制御では、前記時刻t04以後
と同様に、ここではまず時刻t24でそのときの基準目標
増減圧量ΔP* 0-i を目標増減圧量ΔP* i としてホイ
ールシリンダ圧Pi が比較的大きく減圧され、所定サン
プリング時間ΔT後の時刻t25では、そのときの基準目
標増減圧量ΔP* 0-i と前回までの減圧量ΔPG-i(n-1)
との差分値からなる目標増減圧量ΔP* i 分だけホイー
ルシリンダ圧Pi が減圧され、次のサンプリング時刻t
26でも未だそのときの基準目標増減圧量ΔP* 0-iが負
値であり、しかも当該基準目標増減圧量ΔP* 0-i と前
回までの減圧量ΔP G-i(n-1)との差分値からなる今回の
目標減圧量の絶対値|ΔP* G-i(n)|が前記所定値ΔP
* G0-i以上であったため、これ以後、前記時刻t06以後
と同様に、所定サンプリング時間ΔT毎の時刻t27,t
28,t29と連続減圧が行われた。これにより、車輪加減
速度V'wi は前記時刻t24以後、負の領域での増加に転
じ、やがて前記時刻t27で“0”となり、それ以後、正
値での増加に転じ、これにより車輪速Vwi も時刻t27
で減速のピークを迎え、その後、増速し始めた。
【0086】ところで、前記時刻t29以後、算出される
基準目標増減圧量ΔP* 0-i が“0”以上となったが、
未だ車輪速Vwi は目標車輪速Vwi より小さかったの
で、前記時刻t10以後と同様に、最終的な基準目標増減
圧量ΔP* 0-i が“0”に設定され、ホイールシリンダ
圧Pi が保持された。
【0087】更に、時刻t30で、車輪速Vwi は目標車
輪速Vwi となったために、前記時刻t11以後と同様
に、目標車輪加減速度V'w* が負値の所定値V'w0 に設
定されて最終的な基準目標増減圧量ΔP* 0-i が正の領
域でステップ状に増加設定され、これに伴って時刻t30
で前回の総減圧量ΣΔPi に応じた目標増減圧量ΔP*
i 分だけホイールシリンダ圧Pi が増圧され、以後、前
記所定時間(N0 ×ΔT)毎の時刻で、夫々緩増圧制御
が行われた。
【0088】なお、ここでは詳細に説明していないが、
本実施形態では、車輪速Vwi が前記所定値車輪速Vw
0i(≒0)以下になったときに車輪ロックフラグF
LOCK-iがセットされると、強制的に連続減圧が行われる
ために、車輪速の回復を促すことができるようになって
いる。
【0089】以上が、本実施形態のアンチスキッド制御
装置の全体的な作用の概略であるが、次いで本実施形態
のアンチスキッド制御装置による停車直前の作用につい
て図7のタイミングチャートを用いて説明する。なお、
同図7の各分図には図6のそれらと同じ状態量が記載さ
れているが、前述のようにホイールシリンダ圧は基準目
標増減圧量に応じて各サンプリング時刻ごとに適切に制
御されているものとして、その図示を割愛している。
【0090】このタイミングチャートでは、前述と同様
のアンチスキッド制御が繰り返されて、やがて車両が停
車する状態をシミュレートしている。これにより時刻t
90で車輪速Vwi は目標車輪速Vw* より大きな領域で
減速しており、目標車輪加減速度V'w* は前記負値の所
定値V'w0 に設定されている。一方、車輪加減速度V'w
i は負値の領域で次第に減少しているから、時刻t91
基準目標増減圧量ΔP * 0-i は“0”となり、この時点
では未だ車体速度VX は前記所定値VX0以上で且つ車輪
速Vwi は目標車輪速Vw* 以上であることから、前述
と同様にこの時刻t91以後、基準目標増減圧量ΔP*
0-i は強制的に“0”に維持され、ホイールシリンダ圧
i は保持される。
【0091】ところが、時刻t92で車輪速Vwi が目標
車輪速Vw* 以下となるため、目標車輪加減速度V'w*
は“0”に設定されると共に、これ以後、ステップ的に
減少した負値の基準目標増減圧量ΔP* 0-i が設定さ
れ、これに応じてホイールシリンダ圧Pi は減圧され
る。更に、その後の時刻t93では、車体速度VX が前記
所定値VX0以下となるため、これ以後は前述したAND
条件に係わらず、前記2式で算出される基準目標増減圧
量ΔP* 0-i がそのまま最終的な基準目標増減圧量ΔP
* 0-i に設定される。このホイールシリンダ圧Pi の減
圧によって車輪速Vwi は次第に増速に転じ、時刻t94
で目標車輪速Vw* 以上となる。但し、基準目標増減圧
量ΔP* 0-i はそれ以前の時刻t93.5で“0”以上の正
値となり、前述のようにAND条件が解除されて、その
値がそのまま最終的な基準目標増減圧量ΔP* 0-i にな
る。
【0092】このように減速を続ける車輪速Vwi に対
して、算出される車体速度VX は図示一点鎖線のように
一様に減少し、前記1式に従って算出される目標車輪速
Vw * も図示破線のように一様に減少して、時刻t95
後で“0”以下の負値となった。このときホイールシリ
ンダ圧の減圧の応答遅れによって未だ増速し続ける車輪
速Vwi は、目標車輪速Vw* との偏差が更に大きくな
り、一方の車輪加減速度V'wi は正値か若しくはさほど
絶対値の大きくない負値であるから、基準目標増減圧量
ΔP* 0-i は正値の領域で増加し、ホイールシリンダ圧
i は増圧される。これにより、車輪速Vwi は減速に
転じ、車輪加減速度V'wi も負値の領域で減少する。一
方、時刻t96以後、真の車体速度VXRは未だ“0”でな
いのに、算出される車体速度VX は“0”となり、目標
車輪速Vw* は前記1式の所定値Xに保持される。その
結果、真の車体速度VXRは未だ“0”でないのに、検出
される車輪速Vwi は時刻t97から時刻t98まで“0”
となり、その間、目標車輪速Vw* との偏差は前記所定
値X一定となる。一方、前記時刻t97の以前から、算出
される車輪加減速度V'wi は急速に且つ大幅に負値の領
域で減少し続けており、その演算の応答遅れが当該時刻
97の直後まで残存して、算出設定される基準目標増減
圧量ΔP* 0-i は、当該時刻t97の前後、極僅かな時
間、負値となった。
【0093】この基準目標増減圧量ΔP* 0-i に正確に
応答して減圧されたホイールシリンダ圧Pi によって、
車輪速Vwi は前記時刻t98以後、極僅かに増速し、そ
れに伴って車輪加減速度V'wi も僅かに変動するもの
の、前記目標車輪速Vw* と車輪速Vwi との偏差はほ
ぼ一定であり、また目標車輪加減速度V'w* と車輪加減
速度V'wi との偏差も余り変化しないから、基準目標増
減圧量ΔP* 0-i は前記時刻t98以前から、或る絶対値
の正値となり、当然ながらホイールシリンダ圧P i が増
圧され、車輪速Vwi は減速して時刻t99で、真の車体
速度VXRと同時に“0”となった。つまり、真の車体速
度VX が“0”ではないのに、車輪速Vw i が“0”と
なってしまう、所謂ロック状態を短くして舵取効果を確
保すると共に、不要な減圧を可及的に減らして制動距離
を確保することができるようになる。なお、その後、前
記図3の演算処理が所定回数繰返されると、アンチスキ
ッド制御が終了され、少なくとも基準目標増減圧量ΔP
* 0-i は“0”にリセットされる。
【0094】一方、従来のアンチスキッド制御装置で
は、例えば前記タイミングチャートにおいて時刻t95
ら目標車輪速Vw* が“0”一定に保持されてしまうの
で、当該目標車輪速Vw* と車輪速Vwi との偏差は、
本実施形態のように大きくならず、また車輪加減速度
V'wi そのものは本実施形態とさほど変化しないので、
これ以後、算出される基準目標増減圧量ΔP* 0-i は図
示二点鎖線のように比較的小さな正値に設定され、ホイ
ールシリンダ圧Pi の増圧量も小さなものとなる。従っ
て、車輪速Vwi の減速度合いが図示二点鎖線のように
小さくなると共に、車輪加減速度V'wi の負値の領域で
の減少割合も図示二点鎖線のように小さなものとなる
が、目標車輪速Vw* と車輪速Vwi との偏差そのもの
が小さいので、負値の車輪加減速度V'wi との和で算出
される基準目標増減圧量ΔP* 0-i は、どうしても負値
になり易く、結果的に図示二点鎖線のように、本実施形
態より長い時間、減圧の実行されることが予想される。
そして、このように増圧量が少なく、減圧時間の長いホ
イールシリンダ圧Pi 制御を行ってしまうと、車輪はロ
ックこそしにくく、舵取効果は確保されるものの、車体
に及ぶ制動力も小さくなって制動距離を確保しにくくな
ることが予想される。
【0095】これに対して、単に停車直前のような低速
時に減圧を禁止してしまうだけでは、本実施形態のよう
に減圧によって舵取り効果を確保しなければならない状
況でそれを実行できなくなってしまうという問題が発生
する。
【0096】このように二律相反する問題に対して、本
実施形態のアンチスキッド制御装置では、各ホイールシ
リンダ圧Pi の制御を最適化して、舵取効果と制動距離
との確保を可能とすることができる。なお、前記所定ス
リップ率Y及び所定値Xについては、前述のような車両
諸元のみならず、例えば車体減速度などで代用可能な路
面μなどに応じて、適宜設定を変更してもよい。
【0097】以上より、前記車輪速センサ3FL〜3R
及び図3の演算処理のステップS2が本発明の車輪速度
検出手段を構成し、以下同様に、図3の演算処理のステ
ップS3が車輪加減速度算出手段を構成し、図3の演算
処理のステップS5が車体速度算出手段を構成し、図4
のステップS701が目標車輪速度算出手段を構成し、
図3の演算処理のステップS4及びステップS6乃至ス
テップS10及び図4乃び図5の各演算処理全体が制動
圧制御手段を構成している。
【0098】なお、上記実施例では、ホイールシリンダ
2FL〜2RRのホイールシリンダ圧をホイールシリン
ダ圧演算処理で推定するようにした場合について説明し
たが、これに限定されるものではなく、各ホイールシリ
ンダ2FL〜2RRのホイールシリンダ圧を圧力センサ
で直接検出するようにしてもよい。
【0099】また、前記実施形態においては後輪側の車
輪速を共通の車輪速センサで検出する3チャンネルアン
チスキッド制御装置の場合についてのみ詳述したが、こ
れに限らず後輪側の左右輪についても個別に車輪速セン
サを設け、これに応じて左右のホイルシリンダに対して
個別のアクチュエータを設ける,所謂4チャンネルのア
ンチスキッド制御装置にも展開可能である。
【0100】また、本発明のアンチスキッド制御装置
は,後輪駆動車,前輪駆動車,四輪駆動車等のあらゆる
車両に適用可能である。また、前記各実施形態はコント
ロールユニットとしてマイクロコンピュータを適用した
場合について説明したが、これに代えてカウンタ,比較
器等の電子回路を組み合わせて構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンチスキッド制御装置の一例を示す
車両概略構成図である。
【図2】図1のアクチュエータの一例を示す概略構成図
である。
【図3】図1のコントロールユニットで実行されるアン
チスキッド制御の全体演算処理の一実施形態を示すフロ
ーチャートである。
【図4】図3の全体演算処理で実行される基準目標増減
圧量算出演算処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】図3の全体演算処理で実行される目標増減圧量
算出演算処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態のアンチスキッド制御装置による概
略的な作用説明のためのタイミングチャートである。
【図7】本実施形態のアンチスキッド制御装置による作
用説明のためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
1FL〜1RRは車輪 2FL〜2RRはホイールシリンダ(制動用シリンダ) 3FL〜3Rは車輪速センサ 4はブレーキペダル 5はマスタシリンダ 6FL〜6Rはアクチュエータ 8は電磁流入弁 9は電磁流出弁 10はポンプ 13F,13Rは圧力センサ 20はマイクロコンピュータ 22aFL〜22cRは駆動回路 EGはエンジン Tは変速機 DGはディファレンシャルギヤ CRはコントロールユニット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の車輪の速度を個別に検出する車輪
    速度検出手段と、該車輪速度検出手段の車輪速度検出値
    から車輪加減速度を算出する車輪加減速度算出手段と、
    少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度に基づいて
    車体速度を算出する車体速度算出手段と、少なくとも前
    記車体速度算出手段の車体速度算出値に基づいて目標と
    する目標車輪速度を算出する目標車輪速度算出手段と、
    少なくとも前記目標車輪速度算出手段の目標車輪速度算
    出値と前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値とから得
    られる当該車輪のスリップ状態量及び前記車輪加減速度
    算出手段の車輪加減速度算出値に基づいて各車輪に配設
    された制動用シリンダの流体圧を少なくとも減圧及び保
    持及び増圧状態の何れかに制御する制動圧制御手段とを
    備えたアンチスキッド制御装置において、前記目標車輪
    速度算出手段は、負値の領域まで目標車輪速度を算出す
    るものであることを特徴とするアンチスキッド制御装
    置。
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