JPH1012913A - 半導体受光素子 - Google Patents

半導体受光素子

Info

Publication number
JPH1012913A
JPH1012913A JP8161962A JP16196296A JPH1012913A JP H1012913 A JPH1012913 A JP H1012913A JP 8161962 A JP8161962 A JP 8161962A JP 16196296 A JP16196296 A JP 16196296A JP H1012913 A JPH1012913 A JP H1012913A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
junction
layer
depletion layer
type
receiving element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8161962A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshikazu Tanaka
芳和 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP8161962A priority Critical patent/JPH1012913A/ja
Publication of JPH1012913A publication Critical patent/JPH1012913A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広がった光を入射した場合でもパルス応答の
劣化を生ずることのないような半導体受光素子を得るこ
とを目的とするものである。 【解決手段】 この発明に係る半導体受光素子は、光吸
収層2内に形成された第1のp−n接合部5の周囲に、
該第1のp−n接合部5で形成される空乏層9から離れ
た上記光吸収層2で発生した電子・正孔対の拡散キャリ
ア12を,外部に取り出すための空乏層91を形成する
第2のp−n接合部51を設けてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光を受けて光電
流を発生させる半導体受光素子に関し、特にパルス状の
光を入射させた場合に裾引きのない正常なパルス応答電
流が得られる素子構造を有する半導体受光素子に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来のプレーナ型半導体受光素
子(フォトダイオード:Photo Diode;以
下、「PD」とも呼ぶ。)の構造断面図を示す。図にお
いて、1はn型InP半導体基板、2は該n型InP半
導体基板1上に形成されたn型InGaAs光吸収層、
3は該n型InGaAs吸収層2上に形成されたn型I
nP窓層、4は該n型InP窓層3に選択的にp型ドー
パントを拡散して形成したp型領域、5は該p型領域4
と上記n型InGaAs光吸収層2およびn型InP窓
層3との境界部分に形成されたp−n接合(活性領
域)、6は上記n型InP窓層上に形成され、上記p型
領域4に対する部分に開口を有する保護膜、7は上記n
型InP窓層3のp型領域4上に形成されたp側電極、
8は上記n型InP半導体基板1の裏面側に形成された
n側電極である。
【0003】次に動作について説明する。図7は、図6
で示される半導体受光素子のPD動作中の断面図を示
す。上記p側電極7、n側電極8を介して外部よりp−
n接合5に逆バイアスを印加すると、p−n接合5近傍
に空乏層9が広がる。このとき、p型領域4表面より光
10を入射させれば、図7に示すように、光電効果によ
り光電流が発生する。つまり、入射光10はn型InP
光吸収層2で吸収され、キャリア(電子・正孔対)11
を発生させる。これらの電子および正孔は空乏層9の電
界によりそれぞれp側電極7およびn側電極8に向けて
ドリフトし、光電流となり、外部に取り出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図8は、従来の半導体
受光素子のパルス応答特性を説明する図であり、同図
(a) は入射光強度の時間的変化のパルス波形を示
し、同図(b) は出力電流の時間的変化のパルス波形を示
す。
【0005】従来のプレーナ型PDは上述のように構成
されているが、例えば入射光10がp型領域4以外にも
入射するような広がった光であった場合、図7に示すよ
うに、空乏層9から離れた光吸収層2でも電子・正孔対
12が発生する。そのため、この空乏層9外で発生した
キャリア(電子・正孔対)12は、その領域には電界が
ないため、拡散により移動し、空乏層9に到達して光電
流となる。この場合、拡散が遅いため空乏層9内で発生
したキャリア11に比べて光電流に寄与する時間が遅れ
ることとなる。したがって、例えば、図8(a) に示すよ
うにパルス状の光を入射させた場合、図8(b) に示すよ
うに得られる光電流のパルス波形は波状劣化16を生じ
る。すなわち、従来のPDは、上記拡散により移動する
遅いキャリア(電子および正孔)12によって光電流成
分の応答が劣化して、いわゆる裾引きが生じるという問
題があった。
【0006】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、広がった光を入射した場合で
もパルス応答の劣化を生ずることのないような半導体受
光素子を得ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る半導体受
光素子は、半導体基板上に入射光を吸収して電子・正孔
対を発生させる光吸収層を有し、かつ該光吸収層内に、
空乏層を形成し該空乏層内の電界により光吸収層で発生
した電子および正孔をドリフトして光電流とする第1の
p−n接合部を有し、上記第1のp−n接合部の周囲に
は、該第1のp−n接合部で形成される空乏層から離れ
た上記光吸収層で発生した電子・正孔対の電子,正孔の
拡散キャリアを,外部に取り出すための空乏層を形成す
る第2のp−n接合部を設けてなることを特徴とする。
【0008】また、この発明に係る半導体受光素子は、
上記の半導体受光素子において、上記第1のp−n接合
部より広がる空乏層と、上記第2のp−n接合部より広
がる空乏層とが接触してなることを特徴とする半導体受
光素子。
【0009】さらに、この発明に係る半導体受光素子
は、上記の半導体受光素子において、上記第2のp−n
接合部より広がる空乏層が、半導体基板に達するように
形成されてなることを特徴とする。
【0010】さらにまた、この半導体受光素子は、上記
の半導体受光素子において、上記第2のp−n接合部の
周囲に、上記光吸収層と同じ導電型の不純物拡散領域が
形成されてなることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態に
ついて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。 実施の形態1.図1は、本発明の実施の形態1による半
導体受光素子のPD動作状態における断面構造を示す図
であり、図2は、この実施の形態1による半導体受光素
子の平面図である。
【0012】この実施の形態1における半導体受光素子
は、図1,2に示すように、n型InP半導体基板1上
にn型InGaAs光吸収層2が形成され、該n型In
GaAs光吸収層2上にn型InP窓層3が形成されて
いる。該n型InP窓層3には、n型InGaAs光吸
収層2にまで達するように、選択的にp型ドーパントを
拡散して形成されたp型領域4が形成されている。該p
型領域4と上記n型InGaAs光吸収層2およびn型
InP窓層3との境界部分には第1のp−n接合部(活
性領域)5が形成されている。そして、該第1のp−n
接合部5に逆バイアスが印加されたときには、空乏層9
が形成される。また、上記第1のp−n接合部5の周囲
には、n型InP窓層3とn型InGaAs光吸収層2
まで達するように、選択的にp型ドーパントを拡散して
形成されたp型領域13が形成されている。該p型領域
13と上記n型InGaAs光吸収層2およびn型In
P窓層3との境界部分には第2のp−n接合部51が形
成されている。そして、該第2のp−n接合部51に逆
バイアスが印加されたときには、空乏層91が形成され
る。また、上記n型InP窓層3上には、上記p型領域
4に対応する部分に開口を有する保護膜6が形成されて
いる。そして、上記n型InP窓層3のp型領域4上に
はp側電極7が形成され、また、該p側電極7の周囲に
おいてp型領域13上にp側電極14が形成されてい
る。また、上記n型InP半導体基板1の裏面側にはn
側電極8が形成されている。なお、10はこの半導体受
光素子に入射される入射光である。
【0013】この実施の形態1における半導体受光素子
の製造方法として、例えば、まず、MOCVD法によ
り、n型InP半導体基板1上に、n型InGaAs光
吸収層2、n型InP窓層3を順次結晶成長させる。こ
の後、n型InP窓層3上にマスクとなる絶縁層等を形
成し、エッチングにより所定の開口が設けられる。次い
で、このマスク上からp型ドーパントをイオン注入し、
熱処理してn型InP窓層3からn型InGaAs光吸
収層2に達するp型領域4,13を形成する。そして、
上記マスクをエッチング除去した後、p型領域4上に開
口を有する保護膜6を形成し、第1のp−n接合部5,
および第2のp−n接合部51に接続するp側電極7,
14を設け、また、n型InP半導体基板1の裏面にn
側電極8を設ける。以上の工程により、図1,図2に示
す実施の形態1における半導体受光素子を製造すること
ができる。
【0014】次に、実施の形態1における半導体受光素
子の動作について説明する。p側電極7,14,および
n側電極8より第1のp−n接合部5,第2のp−n接
合部51に所望の逆バイアスを印加すると、図1に示す
ように第1のp−n接合部5,第2のp−n接合部51
から広がる空乏層9,91がそれぞれ形成させる。
【0015】そして、この半導体受光素子の受光面に入
射光10があてられ、保護膜6の開口から入射光10が
n型InGaAs光吸収層2に入射すると、第1のp−
n接合部5による空乏層9内にキャリア11が発生する
(図7参照。)。この空乏層9内で生じたキャリア11
は、空乏層9内の電界によってp側電極7およびn側電
極8に向けてドリフトし光電流となる。
【0016】一方、広がった光が入射された場合、空乏
層9から離れた光吸収層2においてもキャリア12が発
生し、このキャリア12は拡散により移動する。しかし
ながら、本半導体受光素子では第1のp−n接合部5の
周りに設けられたp型領域13に電界を印加することに
より、第2のp−n接合部51から広がる空乏層91が
形成されている。この空乏層91の電界によって上記キ
ャリア12がp側電極14およびn側電極8に向けてド
リフトして吸収され、外部に取り出される。そのため、
空乏層9から離れた光吸収層2で発生したキャリア12
は、第1のp−n接合部5による空乏層9までは到達し
ないこととなる。その結果、この半導体受光素子に広が
った光を入射した場合でもパルス状の入射光に応答する
出力電流は裾引きのない正常なパルス応答出力電流を得
ることができる。
【0017】このように実施の形態1における半導体受
光素子によれば、第1のp−n接合部5の周囲に第2の
p−n接合部51を備えるので、該第2のp−n接合部
51より広がる空乏層91によって第1のp−n接合部
5より広がる空乏層9の周囲で発生するキャリアの発生
が該空乏層91に吸収されるため、移動速度の遅いキャ
リアによる光電流がなくなり、その結果、裾引きのない
正常なパルス応答電流が得られる。
【0018】実施の形態2.図3は、本発明の実施の形
態2による半導体受光素子のPD動作状態における断面
構造を示す図である。この実施の形態2における半導体
受光素子は、図3に示すように、n型InP半導体基板
1上にn型InGaAs光吸収層2が形成され、該n型
InGaAs光吸収層2上にn型InP窓層3が形成さ
れている。該n型InP窓層3には、n型InGaAs
光吸収層2にまで達するように、選択的にp型ドーパン
トを拡散して形成されたp型領域4が形成されている。
該p型領域4と上記n型InGaAs光吸収層2および
n型InP窓層3との境界部分には第1のp−n接合部
(活性領域)5が形成されている。そして、該第1のp
−n接合部5に逆バイアスが印加されたときには、空乏
層9が形成される。また、上記第1のp−n接合部5の
周囲には、n型InP窓層3とn型InGaAs光吸収
層2まで達するように、選択的にp型ドーパントを拡散
して形成されたp型領域13が形成されている。該p型
領域13と上記n型InGaAs光吸収層2およびn型
InP窓層3との境界部分には第2のp−n接合部51
が形成されている。そして、該第2のp−n接合部51
に逆バイアスが印加されたときには、空乏層92が形成
される。この空乏層92は、上記第1のp−n接合部5
から広がる空乏層9と接触するように形成される。ま
た、上記n型InP窓層3上には、上記p型領域4に対
応する部分に開口を有する保護膜6が形成されている。
そして、上記n型InP窓層3のp型領域4上にはp側
電極7が形成され、また、該p側電極7の周囲において
p型領域13上にp側電極14が形成されている。ま
た、上記n型InP半導体基板1の裏面側にはn側電極
8が形成されている。
【0019】この実施の形態2における半導体受光素子
は、上記の実施の形態1における半導体受光素子と同様
にして製造されるが、p型領域4,13は第1のp−n
接合部5から広がる空乏層9と、第2のp−n接合部5
1から広がる空乏層92とが接触して形成されるように
p型ドーパントが注入される。
【0020】次に、実施の形態2における半導体受光素
子の動作について説明する。p側電極7,14,および
n側電極8より第1のp−n接合部5,第2のp−n接
合部51に所望の逆バイアスを印加すると、図3に示す
ように第1のp−n接合部5,第2のp−n接合部51
から広がる空乏層9,92がそれぞれ形成させる。
【0021】そして、この半導体受光素子の受光面に入
射光10があてられ、保護膜6の開口から入射光10が
n型InGaAs光吸収層2に入射すると、第1のp−
n接合部5による空乏層9内にキャリア11が発生する
(図7参照。)。この空乏層9内で生じたキャリア11
は、空乏層9内の電界によってp側電極7およびn側電
極8に向けてドリフトし光電流となる。
【0022】一方、広がった光が入射された場合、空乏
層9から離れた光吸収層2においてもキャリア12が発
生し、このキャリア12は拡散により移動する。しかし
ながら、本半導体受光素子では第1のp−n接合部5の
周りに設けられたp型領域13に電界を印加することに
より、第2のp−n接合部51から広がる空乏層92が
形成される。さらには、この空乏層92は、上記第1の
p−n接合部5から広がる空乏層9と接触するように形
成される。これにより、p型領域4,13間に発生する
キャリア12が抑制され、また該キャリアには必ず空乏
層9か空乏層92かのいずれかの電界によりドリフトす
るため、拡散による遅い成分がなくなることとなる。そ
の結果、この半導体受光素子に広がった光を入射した場
合でもパルス状の入射光に応答する出力電流は裾引きの
ない正常なパルス応答出力電流を得ることができる。
【0023】このように実施の形態2における半導体受
光素子によれば、第1のp−n接合部5の周囲に第2の
p−n接合部51を備え、しかも、第1のp−n接合部
5より広がる空乏層9と第2のp−n接合部51より広
がる空乏層92とが接触しているので、p型領域4,1
3間に発生するキャリア12が抑制され、必ず空乏層9
か空乏層92かのいずれかの電界によりドリフトするた
め、移動速度の遅いキャリアによる光電流がなくなり、
その結果、裾引きのない正常なパルス応答電流が得られ
る。
【0024】実施の形態3.図4は、本発明の実施の形
態3による半導体受光素子のPD動作状態における断面
構造を示す図である。この実施の形態3における半導体
受光素子は、図4に示すように、n型InP半導体基板
1上にn型InGaAs光吸収層2が形成され、該n型
InGaAs光吸収層2上にn型InP窓層3が形成さ
れている。該n型InP窓層3には、n型InGaAs
光吸収層2にまで達するように、選択的にp型ドーパン
トを拡散して形成されたp型領域4が形成されている。
該p型領域4と上記n型InGaAs光吸収層2および
n型InP窓層3との境界部分には第1のp−n接合部
(活性領域)5が形成されている。そして、該第1のp
−n接合部5に逆バイアスが印加されたときには、空乏
層9が形成される。また、上記第1のp−n接合部5の
周囲には、n型InP窓層3とn型InGaAs光吸収
層2まで達するように、選択的にp型ドーパントを拡散
して形成されたp型領域13が形成されている。該p型
領域13と上記n型InGaAs光吸収層2およびn型
InP窓層3との境界部分には第2のp−n接合部51
が形成されている。そして、該第2のp−n接合部51
に逆バイアスが印加されたときには、空乏層93が形成
される。この空乏層93は、上記第1のp−n接合部5
から広がる空乏層9およびn型InP半導体基板1にま
で達するように形成される。また、上記n型InP窓層
3上には、上記p型領域4に対応する部分に開口を有す
る保護膜6が形成されている。そして、上記n型InP
窓層3のp型領域4上にはp側電極7が形成され、ま
た、該p側電極7の周囲においてp型領域13上にp側
電極14が形成されている。また、上記n型InP半導
体基板1の裏面側にはn側電極8が形成されている。
【0025】この実施の形態3における半導体受光素子
は、上記の実施の形態1における半導体受光素子と同様
にして製造されるが、p型領域4,13は、第2のp−
n接合部51から広がる空乏層93が第1のp−n接合
部5から広がる空乏層9およびn型InP半導体基板1
に接触して形成されるように、p型ドーパントが注入さ
れる。
【0026】次に、実施の形態3における半導体受光素
子の動作について説明する。p側電極7,14,および
n側電極8より第1のp−n接合部5,第2のp−n接
合部51に所望の逆バイアスを印加すると、図4に示す
ように、第1のp−n接合部5,第2のp−n接合部5
1から広がる空乏層9,93がそれぞれ形成させる。
【0027】そして、この半導体受光素子の受光面に入
射光10があてられ、保護膜6の開口から入射光10が
n型InGaAs光吸収層2に入射すると、第1のp−
n接合部5による空乏層9内にキャリア11が発生する
(図7参照)。この空乏層9内で生じたキャリア11
は、空乏層9内の電界によってp側電極7およびn側電
極8に向けてドリフトし光電流となる。
【0028】一方、広がった光が入射された場合、空乏
層9から離れた光吸収層2においてもキャリア12が発
生し、このキャリア12は拡散により移動する。しかし
ながら、この半導体受光素子では第1のp−n接合部5
の周りに設けられたp型領域13に電界を印加すること
により、第2のp−n接合部51から広がる空乏層93
が形成される。この空乏層93は、上記第1のp−n接
合部5から広がる空乏層9およびn型InP半導体基板
1と接触するように形成される。これにより、この半導
体受光素子ではp型領域13に電界を印加して隣接する
空乏層9およびn型InP半導体基板1までパンチスル
ーさせることにより、p型領域13以外で発生したキャ
リア12の発生が低減されるため、拡散による遅いキャ
リアによる成分がなくなることとなる。その結果、この
半導体受光素子に広がった光を入射した場合でもパルス
状の入射光に応答する出力電流は、裾引きのない正常な
パルス応答出力電流を得ることができる。
【0029】このように実施の形態3における半導体受
光素子によれば、第1のp−n接合部5の周囲に第2の
p−n接合部51を備えており、しかも、第2のp−n
接合部51より広がる空乏層93が、第1のp−n接合
部51より広がる空乏層9およびn型InP半導体基板
1に達するように形成されているので、p型領域13以
外で発生したキャリア12の発生が低減されるため、移
動速度の遅いキャリアによる光電流がなくなり、その結
果、裾引きのない正常なパルス応答電流が得られる。
【0030】実施の形態4.図5は、本発明の実施の形
態4による半導体受光素子のPD動作状態における断面
構造を示す図である。この実施の形態4における半導体
受光素子は、図5に示すように、n型InP半導体基板
1上にn型InGaAs光吸収層2が形成され、該n型
InGaAs光吸収層2上にn型InP窓層3が形成さ
れている。該n型InP窓層3には、n型InGaAs
光吸収層2にまで達するように、選択的にp型ドーパン
トを拡散して形成されたp型領域4が形成されている。
該p型領域4と、上記n型InGaAs光吸収層2およ
びn型InP窓層3との境界部分には、第1のp−n接
合部(活性領域)5が形成されている。そして、該第1
のp−n接合部5に逆バイアスが印加されたときには空
乏層9が形成される。また、上記第1のp−n接合部5
の周囲には、n型InP窓層3とn型InGaAs光吸
収層2まで達するように、選択的にp型ドーパントを拡
散して形成されたp型領域13が形成されている。該p
型領域13と、上記n型InGaAs光吸収層2および
n型InP窓層3との境界部分には、第2のp−n接合
部51が形成されている。そして、該第2のp−n接合
部51に逆バイアスが印加されたときには、空乏層94
が形成される。この空乏層94は、上記第1のp−n接
合部5から広がる空乏層9およびn型InP半導体基板
1にまで達するように形成される。また、この半導体受
光素子は、n型InP窓層2からn型InP半導体基板
1まで選択的にn型ドーパントを拡散などにより形成さ
れたn型領域15が形成させている。上記n型InP窓
層3上には、上記p型領域4に対応する部分に開口を有
する保護膜6が形成されている。そして、上記n型In
P窓層3のp型領域4上にはp側電極7が形成され、ま
た、該p側電極7の周囲においてp型領域13上にp側
電極14が形成されている。また、上記n型InP半導
体基板1の裏面側にはn側電極8が形成されている。
【0031】この実施の形態4における半導体受光素子
は、上記の実施の形態1における半導体受光素子と同様
にして製造されるが、p型領域4,13は第2のp−n
接合部51から広がる空乏層94が第1のp−n接合部
5から広がる空乏層9およびn型InP半導体基板1に
接触して形成されるように、p型ドーパントが注入され
る。また、保護層61を形成するまでの工程において、
第2のp型領域13の周囲には、n型ドーパントを注入
して空乏層94が半導体受光素子の側面まで伸びないよ
うにするためのn型領域15が形成される。
【0032】次に、実施の形態4における半導体受光素
子の動作について説明する。p側電極7,14,および
n側電極8より第1のp−n接合部5,第2のp−n接
合部51に所望の逆バイアスを印加すると、図5に示す
ように第1のp−n接合部5,第2のp−n接合部51
から広がる空乏層9,94がそれぞれ形成させる。
【0033】そして、この半導体受光素子の受光面に入
射光10があてられ、保護膜6の開口から入射光10が
n型InGaAs光吸収層2に入射すると、第1のp−
n接合部5による空乏層9内にキャリア11が発生する
(図7参照)。この空乏層9内で生じたキャリア11は
空乏層9内の電界によってp側電極7およびn側電極8
に向けてドリフトし光電流となる。
【0034】一方、広がった光が入射された場合、空乏
層9から離れた光吸収層2においてもキャリア12が発
生し、このキャリア12は拡散により移動する。しかし
ながら、この半導体受光素子では第1のp−n接合部5
の周りに設けられたp型領域13に電界を印加すること
により、第2のp−n接合部51から広がる空乏層94
が形成される。この空乏層94は、上記第1のp−n接
合部5から広がる空乏層9およびn型InP半導体基板
1と接触するように形成される。これにより、この半導
体受光素子ではp型領域13に電界を印加して隣接する
空乏層9およびn型InP半導体基板1までパンチスル
ーさせることにより、p型領域13以外で発生したキャ
リア12の発生が低減されるため、拡散による遅いキャ
リアの成分がなくなることとなる。その結果、この半導
体受光素子に広がった光を入射した場合でもパルス状の
入射光に応答する出力電流は裾引きのない正常なパルス
応答出力電流を得ることができる。
【0035】また、この半導体受光素子は、p型領域1
3の周囲にn型領域15を形成して上記空乏層94が半
導体受光素子の側面にまで伸びないようにされているの
で、漏れ電流が抑制される。
【0036】このように実施の形態4における半導体受
光素子によれば、第1のp−n接合部5の周囲に第2の
p−n接合部51を備え、しかも、第2のp−n接合部
51より広がる空乏層94が第1のp−n接合部51よ
り広がる空乏層9およびn型InP半導体基板1に達す
るよう形成されているので、p型領域13以外で発生し
たキャリア12の発生が低減されることとなり、このた
め、移動速度の遅いキャリアによる光電流がなくなり、
その結果、裾引きのない正常なパルス応答電流が得られ
る。
【0037】しかも、実施の形態4における半導体受光
素子は、p型領域13の外周にn型領域15を形成して
上記空乏層94が半導体受光素子の側面にまで伸びない
ようにされているので、空乏層が半導体受光素子の側面
まで伸びることによる漏れ電流を確実に抑制することの
できるものが得られる。
【0038】
【発明の効果】この発明に係る半導体受光素子によれ
ば、半導体基板上に入射光を吸収して電子・正孔対を発
生させる光吸収層を有し、かつ該光吸収層内に、空乏層
を形成し該空乏層内の電界により光吸収層で発生した電
子および正孔をドリフトして光電流とする第1のp−n
接合部を有し、上記第1のp−n接合部の周囲には、該
第1のp−n接合部で形成される空乏層から離れた上記
光吸収層で発生した電子・正孔対の電子,正孔の拡散キ
ャリアを,外部に取り出すための空乏層を形成する第2
のp−n接合部を設けてなるので、第2のp−n接合部
より広がる空乏層によって第1のp−n接合部より広が
る空乏層以外でのキャリアの発生が抑制されるため、移
動速度の遅いキャリアによる光電流がなくなり、その結
果、裾引きのない正常なパルス応答電流が得られるもの
を実現することができるという効果がある。
【0039】また、この発明に係る半導体受光素子によ
れば、上記の半導体受光素子において、上記第1のp−
n接合部より広がる空乏層と、上記第2のp−n接合部
より広がる空乏層とが接触してなるので、第1のp−n
接合部より広がる空乏層以外でのキャリアの発生が抑制
されるため、移動速度の遅いキャリアによる光電流がな
くなり、その結果、裾引きのない正常なパルス応答電流
が得られるものを実現することができるという効果があ
る。
【0040】さらに、この発明に係る半導体受光素子に
よれば、上記の半導体受光素子において、上記第2のp
−n接合部より広がる空乏層が、半導体基板に達するよ
うに形成されてなるので、第1のp−n接合部から広が
る空乏層およびn型InP半導体基板までパンチスルー
させることにより、該空乏層以外で発生したキャリア1
2の発生が低減されるため、移動速度の遅いキャリアに
よる光電流がなくなり、その結果、裾引きのない正常な
パルス応答電流が得られるものを実現することができる
という効果がある。
【0041】さらにまた、この発明に係る半導体受光素
子によれば、上記の半導体受光素子において、上記第2
のp−n接合部の周囲に、上記光吸収層と同じ導電型の
不純物拡散領域が形成されてなるので、上記の半導体受
光素子と同様に裾引きのない正常なパルス応答電流が得
られ、しかも、第2のp−n接合部より外側に形成され
た不純物拡散領域によって第2のp−n接合部より広が
る空乏層が半導体受光素子の側面にまで伸びないように
されているので、該第2のp−n接合部より広がる空乏
層が素子の側面まで伸びることによる漏れ電流を確実に
抑制することのできるものを実現することができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る半導体受光素子のPD動
作状態を示す断面図である。
【図2】 実施の形態1に係る半導体受光素子を示す平
面図である。
【図3】 実施の形態2に係る半導体受光素子のPD動
作状態を示す断面図である。
【図4】 実施の形態3に係る半導体受光素子のPD動
作状態を示す断面図である。
【図5】 実施の形態4に係る半導体受光素子のPD動
作状態を示す断面図である。
【図6】 従来の半導体受光素子を示す断面図である。
【図7】 従来の半導体受光素子のPD動作状態を示す
断面図である。
【図8】 従来の半導体受光素子のパルス応答特性を説
明する図であり、同図(a) は入射光強度の時間的変化の
パルス波形を示し、同図(b) は出力電流の時間的変化の
パルス波形を示す。
【符号の説明】
1 n型半導体基板、2 n型光吸収層、3 n型窓
層、4 p型領域、5第1のp−n接合、6 保護層、
7 p−電極、8 n−電極、9 空乏層、10 入射
光、11 キャリア(空乏層内で発生した電子正孔
対)、12 キャリア(空乏層外で発生した電子正孔
対)、13 p型領域、14 p側電極、15 n型領
域、16 波状劣化、51 第2のp−n接合、91,
92,93,94 空乏層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に入射光を吸収して電子・
    正孔対を発生させる光吸収層を有し、かつ該光吸収層内
    に、空乏層を形成し該空乏層内の電界により光吸収層で
    発生した電子および正孔をドリフトして光電流とする第
    1のp−n接合部を有し、 上記第1のp−n接合部の周囲には、該第1のp−n接
    合部で形成される空乏層から離れた上記光吸収層で発生
    した電子・正孔対の電子,正孔の拡散キャリアを,外部
    に取り出すための空乏層を形成する第2のp−n接合部
    を設けてなることを特徴とする半導体受光素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体受光素子におい
    て、 上記第1のp−n接合部より広がる空乏層と、上記第2
    のp−n接合部より広がる空乏層とが接触してなること
    を特徴とする半導体受光素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の半導体受光素子におい
    て、 上記第2のp−n接合部より広がる空乏層が、半導体基
    板に達するように形成されてなることを特徴とする半導
    体受光素子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の半導体受光素子におい
    て、 上記第2のp−n接合部の周囲に、上記光吸収層と同じ
    導電型の不純物拡散領域が形成されてなることを特徴と
    する半導体受光素子。
JP8161962A 1996-06-21 1996-06-21 半導体受光素子 Pending JPH1012913A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8161962A JPH1012913A (ja) 1996-06-21 1996-06-21 半導体受光素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8161962A JPH1012913A (ja) 1996-06-21 1996-06-21 半導体受光素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1012913A true JPH1012913A (ja) 1998-01-16

Family

ID=15745388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8161962A Pending JPH1012913A (ja) 1996-06-21 1996-06-21 半導体受光素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1012913A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009267251A (ja) * 2008-04-28 2009-11-12 Mitsubishi Electric Corp 半導体受光素子
JP2014207392A (ja) * 2013-04-15 2014-10-30 セイコーNpc株式会社 ノイズ電流を抑制したフォトダイオード
CN110212044A (zh) * 2019-06-13 2019-09-06 中国电子科技集团公司第二十四研究所 一种深槽半导体光探测结构及其制造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009267251A (ja) * 2008-04-28 2009-11-12 Mitsubishi Electric Corp 半導体受光素子
JP2014207392A (ja) * 2013-04-15 2014-10-30 セイコーNpc株式会社 ノイズ電流を抑制したフォトダイオード
CN110212044A (zh) * 2019-06-13 2019-09-06 中国电子科技集团公司第二十四研究所 一种深槽半导体光探测结构及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2007000996A1 (ja) アバランシ・フォトダイオード
JP5011607B2 (ja) 受光素子
CA2050435C (en) Photo-sensing device
JP3828982B2 (ja) 半導体受光素子
JP4861388B2 (ja) アバランシェホトダイオード
JPH1012913A (ja) 半導体受光素子
JP2996943B2 (ja) 半導体受光装置及びその製造方法
JPH09289333A (ja) 半導体受光素子
JP4166560B2 (ja) アバランシェフォトダイオード及びその製造方法
JP5303793B2 (ja) フォトダイオード
JP2010098239A (ja) 光半導体装置及び光半導体装置の製造方法
JP2008047580A (ja) 半導体受光素子
JP3238823B2 (ja) 受光素子
JP2670553B2 (ja) 半導体受光・増幅装置
JPH02226777A (ja) 半導体受光素子及びその製造方法
JPS61101084A (ja) 化合物半導体受光素子の製造方法
JPS6161479A (ja) 発光素子の製造方法
JP2004241588A (ja) 受光素子およびその製造方法ならびに当該受光素子を用いた光モジュール
JPH0722641A (ja) 受光素子
JPH01125989A (ja) 半導体受光装置
JPS61101085A (ja) 3−5族半導体受光素子の製造方法
JP3101015B2 (ja) 受光素子及び受光素子の製造方法
KR100205212B1 (ko) 반도체 장치의 금확산방법
JP2995359B2 (ja) 半導体光検出器およびその製造方法
JPH1126803A (ja) アバランシェ・フォト・ダイオード