JP3238823B2 - 受光素子 - Google Patents

受光素子

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JP3238823B2
JP3238823B2 JP4011594A JP4011594A JP3238823B2 JP 3238823 B2 JP3238823 B2 JP 3238823B2 JP 4011594 A JP4011594 A JP 4011594A JP 4011594 A JP4011594 A JP 4011594A JP 3238823 B2 JP3238823 B2 JP 3238823B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、受光素子に関し、より
詳しくは、半導体レーザを搭載するモジュールに取付け
られてレーザ出力をモニターするモニター用の受光素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザは、駆動電流を一定にして
も素子自体の発熱、素子周辺の雰囲気温度等の影響で光
出力は変動する。そこで半導体レーザの出力を一定に保
持する方法として、半導体レーザの後方にモニター用の
受光素子を配置し、これに半導体レーザの後方から出力
される光を入射して受光素子の電流が一定になるように
APC回路(Automatic Power Control)を介して半導体
レーザの駆動電流を抑制することが知られている。その
ような方法で半導体レーザの出力を保持する構成につい
ては、例えば特開平5−29712号公報に記載されて
いる。
【0003】APC回路は、例えば受光素子電流の時間
平均を測定することにより半導体レーザの出力をモニタ
ーし、これをフィードバックする構成となっている。モ
ニター用受光素子として、例えば図10(A),(B) に示す
ようなpinフォトダイオードが使用されている。図1
0(A) はフォトダイオードの断面図、図10(B) はその
平面図である。
【0004】図において、n+ 型InP 基板101 の上には
- 型InGaAs層102 、n- 型InP 層103 が積層され、ま
た、n- 型InP 層103 には能動領域となるp+ 型拡散層
104が形成されている。n- 型InP 層103 は窒化シリコ
ンよりなるパッシベーション膜105 により覆われ、ま
た、パッシベーション膜105 のうちp+ 型拡散層104 の
周縁部の上には開口部106 が形成され、パッシベーショ
ン膜105 の上に形成されるp電極107 は、開口部106 を
通してp+ 型拡散層104 に接続されている。なお、n-
型InP 基板101 の下面にはn電極108 が形成されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】半導体レーザの後方か
ら出力される光は、図10(A),10(B) に示すモニター
用の受光素子のほぼ全領域に照射される。光の照射によ
って受光素子内で発生した電子と正孔は、pn接合の拡
散電位による電界によって電子はn型領域(n+ 型InP
基板101 )へ移動し、正孔はp型領域(p+ 型拡散層10
4 )へ流れ込む。
【0006】p+ 型拡散層104 とn- 型InGaAs層102 、
- 型InP 層103 との界面近傍に存在する空乏層から離
れた領域で発生した電子、正孔は、拡散によって空乏層
に到達するが、その到達までに余分な時間を要し、応答
速度の面からは遅い成分になる。その遅い成分は、低周
波入力に対しては応答できても、高周波入力に対しては
応答できないため、高周波領域で出力電流のレスポンス
が低下し、レスポンスの周波数特性が図11の曲線Aに
示すようになり、本来望ましい平坦特性のある曲線Bか
らずれてしまう。周波数特性が平坦でない場合には、図
12(A) に示す矩形波の光パルス信号が受光素子に入力
しても、出力波形が図12(B) に示すように歪んでしま
う。そのため、半導体レーザの出力を忠実にモニターす
ることができなくなり、半導体レーザをリアルタイムに
制御することが難しくなる。
【0007】そこで、レスポンスの遅いキャリアの発生
量を少なくするために、受光素子の側端面から能動領域
(p+ 型拡散層104 )に至るまでの距離Lを小さくすれ
ば、これにより空乏層の外部で発生した電子、正孔が空
乏層まで到達する時間が短縮されて応答時間が早くな
り、周波数特性の平坦性が向上する。しかし、能動領域
と受光素子側端面との距離Lを小さくすると、暗電流が
増加するという問題がある。
【0008】本発明の目的とするところは、レスポンス
の周波数特性が良く、かつ、暗電流が小さくなるモニタ
ー用の受光素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、図2に
例示するように、第一導電型不純物を含む第一の半導体
層1と、前記第一の半導体層1よりも低濃度の第一導電
型不純物を含み、前記第一の半導体層1の上に形成され
た第二の半導体層2,3と、前記第二の半導体層2,3
内の能動領域Sに第二導電型不純物の導入により形成さ
れた第一の第二導電型半導体領域6と、前記能動領域S
の周囲であって前記能動領域Sから離れて前記第二の半
導体層2,3に形成された溝5と、前記溝5の面から前
記第二の半導体層2,3の中に形成され、前記能動領域
から離れて形成され且つ前記溝5と前記第一の第二導電
型半導体領域6の間でpn接合を形成する第二の第二導
電型半導体領域7とを有することを特徴とする受光素子
により解決される。
【0010】または、前記第二の半導体層2,3は、ヘ
テロ接合する二つの半導体層から構成されていることを
特徴とする受光素子により解決される。または、図2
(A) に例示するように、前記第一の半導体層1は、前記
溝5に沿ってダイシングされていることを特徴とする受
光素子によって解決される。または、前記第一の第二導
電型半導体領域6のうち光が照射される第一の領域の面
積は、前記第一の第二導電型半導体領域6と前記第二の
第二導電型半導体層7の間において光が照射される第二
の領域の面積の10倍以上であることを特徴とする受光
素子によって解決される。
【0011】または、前記第一の第二導電型半導体領域
6の周縁近傍に沿って、前記第一の第二導電型半導体領
域6の上に電極10が形成されていることを特徴とする
受光素子によって解決される。または、前記電極10に
より囲まれる前記第一の第二導電型半導体領域6の面積
は、前記電極10の外縁と前記第二の第二導電型半導体
領域7の内縁の間の中央を通る環状の仮想線と前記電極
10との間にある領域の面積の10倍以上であることを
特徴とする受光素子によって解決される。
【0012】または、図8に例示するように、前記第二
の半導体層2,3は、前記第一の第二導電型半導体領域
6内の受光領域よりも前記第一の第二導電型半導体領域
6の外側の領域の方が薄くなっていることを特徴とする
受光素子により解決される。または、前記第一の第二導
電型不純物領域6の表面には入射光の1/4波長の厚さ
の保護膜8が形成され、前記第一の第二導電型半導体領
域6の外側の前記第二の半導体層3の表面には該入射光
の1/2波長の厚さの保護膜4,8が形成されているこ
とを特徴とする受光素子により解決される。
【0013】または、前記第二の第二導電型半導体領域
7は、前記第一の第二導電型半導体領域6よりも深いこ
とを特徴とする受光素子により解決される。
【0014】
【作 用】本発明によれば、受光素子は、第一導電型不
純物を含む半導体層の上層部に形成された第二導電型不
純物を含む第一の不純物含有層と、第一の不純物含有層
の周囲に間隔をおいて形成された第二導電型不純物を含
む第二の不純物含有層を有している。
【0015】この受光素子の第一及び第二の不純物含有
層が形成された半導体層に光を照射すると、半導体層内
で電子・正孔対が形成され、これらは拡散電位及び逆バ
イアス電圧によって移動する。第一の不純物含有層周囲
の空乏層の外部で生成された電子又は正孔は、低速度で
第一の不純物含有層に到達するが、第一の不純物含有層
の外側にある前記半導体層の面積が狭い場合にはキャリ
ア数が少ないので、受光素子の出力のレスポンスの周波
数特性は平坦になる。
【0016】また、第一の不純物含有層の外側にある前
記半導体層の面積が狭い場合に、本発明の受光素子によ
れば、第二の不純物含有層を有しない受光素子に比べて
暗電流が大幅に低減する。これは、次のような理由によ
る。受光素子の化合物半導体層の端面には生成・再結合
中心が多く存在し、ここで生成されたキャリアが半導体
層のヘテロ界面に形成されるチャネルを通ってpn接合
の空乏層に流れるために暗電流が発生する。そして、本
発明のようにそのチャネルの途中にpn接合による障壁
が形成されると、そのチャネルが中断されてキャリアが
空乏層に移動し難くなり、暗電流が小さくなる。
【0017】なお、キャリアの拡散長が長くなるほど出
力電流の応答が悪くなるので、第一の不純物含有層と第
二の不純物含有層の間の距離は短いほど良い。第一の不
純物含有層の周囲の空乏層内で生成されるキャリア数に
対する空乏層の外側で生成されるキャリア数の比が小さ
いほど高周波数での応答が良くなる。第一の不純物含有
層の外側にある半導体層を薄くすることにより、その空
乏層の外側でのキャリアの生成が少なくなる。また、第
一の不純物含有層の外側の半導体層の表面の保護膜の膜
厚を制御して反射率を良くすれば、空乏層の外側でのキ
ャリアの生成が少なくなる。
【0018】
【実施例】(第1実施例)本発明の第1実施例に係る受
光素子(pinフォトダイオード)の製造工程を図1、
図2(A) に基づいて説明する。まず、図1(A) 示すよう
に、n+ 型のInP 基板1の上に膜厚2.5μmのn-
のInGaAs層2と膜厚1.5μmのn- 型のInP 層3を有
機金属気相成長法(MOCVD)により順次形成する。
InP 基板1にはn型不純物が濃度2×1018/cm3 で含
まれ、InGaAs層2とInP 層3にはそれぞれ濃度2×10
15/cm3 のn型不純物が含まれている。n型不純物とし
てはシリコン、セレン、スズ等がある。InGaAs層2は、
InP 層3よりもバンドギャップが狭い組成となってい
る。
【0019】次に、CVD法により第一の窒化シリコン
膜4を約200nmの厚さに形成した後に、フォトリソグ
ラフィー法により第一の窒化シリコン膜4をパターニン
グして素子形成領域を囲む部分に第一の開口部4aを形
成する。その第一の開口部4aの平面形状は40μm程
度のパターン幅の環状となっている。続いて、図1(B)
に示すように、第一の開口部4aの下にあるInP 層3か
らInP 基板1表層までをほぼ垂直方向にエッチングして
溝5を形成する。溝5に囲まれる素子形成領域は290
×290μm2 のほぼ矩形状に形成される。
【0020】この後に、第一の窒化シリコン膜4をフォ
トリソグラフィー法により再びパターニングして能動領
域Sに第二の開口部4bを形成する。第二の開口部4b
は、直径300μmの円の面積にほぼ等しい大きさ、例
えば270×270μm2 程度の矩形状に形成される。
続いて、図1(C) に示すように、第一及び第二の開口部
4a,4bを通してp型不純物を熱拡散することによ
り、能動領域Sにあるn- 型InP 層3とn- 型InGaAs層
2表層とをp型化して第一のp+ 型不純物含有層6に変
えるとともに、溝5の内面から周囲約10μmの範囲に
あるn- 型InP 層3、n- 型InGaAs層2及びn+ 型InP
層1をp型化して第二のp+ 型不純物含有層7を形成す
る。その第一及び第二のp+ 型不純物含有層6,7の不
純物濃度は、2×1018〜3×10 18/cm3 である。p
型不純物として亜鉛、カドミウム、ベリリウム等があ
る。
【0021】続いて、図2(A) に示すように、CVD法
により第二の窒化シリコン膜8をn - 型InP 層3及び第
一のp+ 型不純物含有層6の上面と溝5の内面に沿って
形成する。その窒化シリコン膜は、波長λの1/4の膜
厚に形成することにより能動領域Sにおいて反射防止膜
9となる。次に、フォトリソグラフィー法により第二の
窒化シリコン膜8をパターニングして能動領域Sの周縁
近傍に平面が環状の第三の開口部8aを形成し、第三の
開口部8aから第一のp+ 型不純物含有層6を露出す
る。
【0022】続いて、スパッタ法によりチタン膜、白金
膜及び金膜を第二の窒化シリコン膜8の上と第三の開口
部8aの中に順次形成する。そして、これらの金属膜を
パターニングして第三の開口部8a内から引き出される
p電極10を形成する。パターニング法としてはフォト
リソグラフィー、リフトオフなどを使用する。さらに、
+ 型InP 基板1の下面にスパッタ法により金とゲルマ
ニウムを順次形成し、これをn電極11とする。
【0023】この後に、溝5に沿ってInP 基板1とその
上の各半導体層をダイシングすることにより受光素子が
完成する。その平面は、図2(B) に示すようになる。以
上のような受光素子において、p電極10とn電極11
の間に逆バイアス電圧VR を印加し、さらに能動領域S
にある反射防止膜9に外部から光を照射すると、電子・
正孔対が主にn- 型InGaAs層2で発生する。このとき、
拡散電位及び電界によって電子はn+ 型InP 基板1を通
してn電極11に移動し、正孔は第一のp+ 型不純物含
有層6を通してp電極10へ移動し、これにより電流が
流れる。
【0024】また、第一のp+ 型不純物含有層6の外側
の空乏層の周囲にあるn- 型InGaAs層2及びn- 型InP
層3には、第一のp+ 型不純物含有層6を通り抜けた光
や第一及び第二の窒化シリコン膜4,8を透過した光が
入射して電子・正孔対が発生する。それらの電子や正孔
は、遅れて第一のp+ 型不純物含有層6やn+ 型InP基
板1に移動する。
【0025】そして、第一のp+ 型不純物含有層6側面
から受光素子の側端面までの距離L 0 を20μmとし、
受光素子の逆バイアス電圧と暗電流の関係を調べたとこ
ろ、図3に示すような特性が得られた。逆バイアス電圧
の使用範囲は、通常0〜10Vであるので、この範囲に
おける暗電流は1nA以下と極めて小さい。これに対し
て、受光素子の周囲に第二のp+ 型不純物含有層を設け
ない図10に示すような先行技術の受光素子によれば、
図4に示すように、図3と同じような暗電流特性を得る
ためには、第一のp+ 型不純物含有層104 の側面から受
光素子の側端面までの距離Lを100μmまで広げなけ
ればならない。さらに、図10に示す受光素子の逆バイ
アス電圧を10Vとして暗電流と距離Lの関係を調べた
ところ、図5のような結果が得られ、距離Lを100μ
m以上にしなければ暗電流が十分小さくならないことが
わかった。距離Lを100μm以上にすれば、空乏層の
外側で生成されるキャリアの拡散長が長くなって応答成
分が大きくなるという問題がある。
【0026】ところで、第一のp+ 型不純物含有層6側
面から受光素子の側端面までの距離L0 を20μmとし
て、本実施例の発光素子のレスポンスの周波数特性を調
べたところ、図6に示すように、10MHz におけるレス
ポンスの低下ΔRは0.2dB以下であり、良好な特性
の平坦性が得られた。これに対し、図10に示す受光素
子において、能動領域と受光素子側端面の距離Lが20
0μmの場合には、曲線Aで示すように平坦性が悪く、
また、その距離Lを20μmとした場合には平坦性が良
いことがわかった。これらは、レスポンスが、空乏層の
外で発生した電子、正孔の能動領域Sへの到達時間に影
響されることから容易に理解される。これにより、受光
素子の周縁に第二のp+ 型不純物含有層7を形成しなく
ても距離Lを小さくすることによってレスポンスが良く
なることがわかるが、上記したように暗電流が小さくな
らないという問題が生じる。
【0027】以上のことから、本実施例の受光素子によ
れば、第一のp+ 型不純物含有層6の端部から素子の側
端面までの距離L0 を短くしても先行技術に比べて暗電
流が大きくならないことがわかる。これによれば、図1
2(A) に示すようなパルス状の入射波形の光に対する出
力電流の立ち上がり、立ち下がり時間が短くなり、出力
電流波形のなまりは極めて小さくなる。
【0028】ここで、暗電流が小さくなる理由を考察す
る。受光素子端面の化合物半導体層には、生成・再結合
中心が多く存在し、ここで生成されたキャリアがInP 層
3とInGaAs層2とのヘテロ界面に形成されたチャネルを
通って空乏層に流れるために暗電流が発生するものと考
えられる。そして、図2に示すように、受光素子端面に
第二のp+ 型不純物含有層7を形成すると、受光素子の
端面近傍にpn接合による障壁が形成され、この障壁に
よってヘテロ界面に形成されているチャネルが中断され
て暗電流の流入が阻止されるものと思われる。この結
果、能動領域Sと受光素子端面との距離L0 を短くする
ことによって周波数特性が平坦になるとともに暗電流を
低く抑えることが可能になる。
【0029】ところで、レスポンスの周波数特性を改善
する条件は、能動領域Sでの受光面積によって異なる。
その条件は、p電極10と第二のp+ 型不純物含有層7
の間の領域(副受光領域)の面積がp電極10に囲まれ
る受光領域の面積の1/10以下にすればよい。また、
第一のp+ 型不純物含有層6と第二のp+ 型不純物含有
層7の間にある領域で発生したキャリアが第一のp+
不純物含有層6と第二のp+ 型不純物含有層7の両側に
拡散することを考慮して、第一のp+ 型不純物含有層6
の外縁と第二のp+ 型不純物含有層7の内縁とを結ぶ線
の中央を通る仮想線に囲まれた領域(実行副受光量領
域)の面積がp電極10に囲まれる受光領域の面積の1
/10以下であればよい。
【0030】キャリアの拡散長が長くなるほど出力電流
の応答が悪くなるので、第一の不純物含有層6と第二の
不純物含有層7の間の距離L1 は短いほど良い。第一の
不純物含有層6の周囲の空乏層内で生成されるキャリア
数に対する空乏層外側で生成されるキャリア数の比が小
さいほど高周波数での応答が良くなる。モニター電流の
ピーク値を、ある範囲を越えないように設計する場合
に、受光面の面積は制約を受けることが予想される。し
たがって、能動領域Sの受光面に対する副受光領域又は
実行副受光領域の面積比を小さくすることにより、出力
電流のレスポンス遅延の原因となるキャリア成分の比率
を抑制できる。 (第2実施例)図8(B) に示す受光素子は、本発明の第
2実施例を示す断面図である。図8(B) において、図2
と同じ符号は同じ要素を示している。
【0031】この受光素子は、n- 型InGaAs層2が第一
のp+ 型含有層6の外側で薄くなっていること以外は第
1実施例と同じ構造である。そのn- 型InGaAs層2を部
分的に薄くするために、例えば図8(A) に示すように、
+ 型InP 基板1の主面に能動領域を囲む凸部12を形
成する。凸部12は、マスクとエッチング技術を使用し
てInP 基板1を選択的に薄層化することにより容易に形
成される。
【0032】このように凸部12を有するInP 基板1の
上に、能動領域Sで2.5μm厚さとなるようにn-
InGaAs層2を形成すると、そのn- 型InGaAs層2の上面
は平坦になる。さらに、第1実施例と同様にn- 型InP
層3を形成し、これに続いて第1実施例と同様に溝5を
形成し、不純物を拡散し、反射防止膜9を形成し、電極
10,11を形成することにより、図8(B) に示す受光
素子が得られる。
【0033】このような受光素子によれば、光照射によ
って電子・正孔対が生じ易いn- 型InGaAs層2が能動領
域Sの外側において薄くなっているので、空乏層の外で
生成されるキャリアの数が少なくなる。これにより、空
乏層内で生成されるキャリアの相対的な数が多くなるの
で、高周波数でのレスポンス劣化が起きにくくなる。 (第3実施例)図9は、本発明の第3実施例を示す断面
図で、図2と同じ符号は同じ要素を示している。
【0034】図9に示す受光素子は、能動領域Sの周囲
に溝5を形成せずに受光素子端面の周囲に第二のp+
不純物含有層15を形成した構造を有している点で図2
に示す受光素子と相違する。第1実施例に示す受光素子
に溝5を形成したのは、能動領域Sにある第一のp +
不純物含有層6よりも第二のp+ 型不純物含有層7を深
く形成したいからである。すなわち、溝5を形成してか
ら第二のp+ 型不純物含有層7を形成した方がn- 型In
GaAs層2で生成されるキャリアの数が少なくなる。
【0035】しかし、暗電流を小さくすることについて
は、図9に示す受光素子によっても第1実施例と同様な
作用効果が得られるので、暗電流の減少を狙うには図9
の構造で十分である。 (その他の実施例)上記した実施例では、InP 基板を使
用し、その上にInGaAs層、InP 層を形成しているが、特
に材料はこれに限定されない。例えば、InP 基板の上に
InGaAsP 層を形成したフォトダイオード、GaAsを使用し
たフォトダイードなどがあり、これらの場合にも外部に
基板と反対導電型の不純物を拡散させれば、暗電流が小
さくなり、受光素子を小形化できる。
【0036】また、上記した実施例において、能動領域
Sの周辺にある第一の窒化シリコン膜4の厚さを、その
内部を通る光の波長λの1/4にして、第一及び第二の
窒化シリコン膜4,8の総厚さをλ/2にしてこれらを
反射膜として機能させてもよい。これによれば、空乏層
の外部の半導体層に入射する光量が少なくなり、その領
域での電子、正孔の発生が抑制され、レスポンスの周波
数特性が良くなる。
【0037】なお、上記した実施例では、p+ 型不純物
含有層6,7を熱拡散によって形成しているが、イオン
注入によって形成してもよいし、膜の成長によって形成
してもよい。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、第一
導電型不純物を含む半導体層の上層部に形成された第二
導電型不純物を含む第一の不純物含有層と、第一の不純
物含有層の周囲に間隔をおいて形成された第二導電型不
純物を含む第二の不純物含有層を有している。
【0039】従って、第一の不純物含有層周囲の空乏層
の外部で生成された電子又は正孔は、低速度で第一の不
純物含有層に到達するが、第一の不純物含有層の外側に
ある前記半導体層の面積が狭い場合には、キャリア数が
少なくなり、受光素子の出力のレスポンスの周波数特性
を平坦にできる。また、第一の不純物含有層の外側にあ
る前記半導体層の面積が狭い場合に、受光素子の側端か
らのキャリアの移動を空乏層の外側のpn接合の障壁に
より阻止して暗電流を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例の受光素子の製造
工程を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施例の受光素子を示す
断面図及び平面図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施例の受光素子におけ
る暗電流と逆バイアス電圧の関係を示す特性図である。
【図4】図4は、先行技術の受光素子における暗電流と
逆バイアス電圧の関係を示す特性図である。
【図5】図5は、先行技術の受光素子における受光領域
から受光素子端面に至る距離Lと暗電流ID との関係を
示す特性図である。
【図6】図6は、本発明の第1実施例の受光素子におけ
るレスポンスの周波数特性を示す図である。
【図7】図7は、先行技術の受光素子におけるレスポン
スの周波数特性を示す図である。
【図8】図8(A) は、本発明の第2実施例の受光素子の
層構造を示す断面図、図8(B)は、本発明の第2実施例
の受光素子を示す断面図である。
【図9】図9は、本発明の第3実施例の受光素子を示す
断面図である。
【図10】図10(A) は、先行技術に係る受光素子を示
す断面図、図10(B) は、その平面図である。
【図11】図11は、先行技術の受光素子によるレスポ
ンスの周波数特性曲線と理想的な特性曲線を示す図であ
る。
【図12】図12(A) は、受光素子の入射光のパルス状
の波形図、図12(B) は、先行技術に係る受光素子の出
力信号の波形図である。
【符号の説明】
1 n+ 型InP 基板 2 n- 型InGaAs層 3 n- 型InP 層 4 第一の窒化シリコン膜 5 溝 6 第一のp+ 型不純物含有層 7 第二のp+ 型不純物含有層 8 第二の窒化シリコン膜 9 反射防止膜 10 p電極 11 n電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−111479(JP,A) 特開 平2−262379(JP,A) 特開 昭60−173882(JP,A) 特開 平5−13798(JP,A) 特開 昭55−75274(JP,A) 特開 昭54−152881(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/10 - 31/119

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一導電型不純物を含む第一の半導体層
    と、 前記第一の半導体層よりも低濃度の第一導電型不純物を
    含み、前記第一の半導体層の上に形成された第二の半導
    体層と、 前記第二の半導体層内の能動領域に第二導電型不純物の
    導入により形成された第一の第二導電型半導体領域と、 前記能動領域の周囲であって前記能動領域から離れて前
    記第二の半導体層に形成された溝と、 前記溝の面から前記第二の半導体層の中に形成され、前
    記能動領域から離れて形成され且つ前記溝と前記第一の
    第二導電型半導体領域の間でpn接合を形成する第二の
    第二導電型半導体領域とを有することを特徴とする受光
    素子。
  2. 【請求項2】前記第二の半導体層は、ヘテロ接合する二
    つの半導体層から構成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の受光素子。
  3. 【請求項3】前記第一の半導体層は、前記溝に沿ってダ
    イシングされていることを特徴とする請求項1に記載の
    受光素子。
  4. 【請求項4】前記第一の第二導電型半導体領域のうち光
    が照射される第一の領域の面積は、前記第一の第二導電
    型半導体領域と前記第二の第二導電型半導体層の間にお
    いて光が照射される第二の領域の面積の10倍以上であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の受光素子。
  5. 【請求項5】前記第一の第二導電型半導体領域の周縁近
    傍に沿って、前記第一の第二導電型半導体領域の上に電
    極が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    受光素子。
  6. 【請求項6】前記電極により囲まれる前記第一の第二導
    電型半導体領域の面積は、前記電極の外縁と前記第二の
    第二導電型半導体領域の内縁の間の中央を通る環状の仮
    想線と前記電極との間にある領域の面積の10倍以上で
    あることを特徴とする請求項5に記載の受光素子。
  7. 【請求項7】前記第二の半導体層は、前記第一の第二導
    電型半導体領域内の受光領域よりも前記第一の第二導電
    型半導体領域の外側の領域の方が薄くなっていることを
    特徴とする請求項1に記載の受光素子。
  8. 【請求項8】前記第一の第二導電型不純物領域の表面に
    は入射光の1/4波長の厚さの保護膜が形成され、前記
    第一の第二導電型半導体領域の外側の前記第二の半導体
    層の表面には該入射光の1/2波長の厚さの保護膜が形
    成されていることを特徴とする請求項1に記載の受光素
    子。
  9. 【請求項9】前記第二の第二導電型半導体領域は、前記
    第一の第二導電型半導体領域よりも深いことを特徴とす
    る請求項1に記載の受光素子。
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