JPH10128041A - 湿式ガススクラバー及びガス処理方法 - Google Patents

湿式ガススクラバー及びガス処理方法

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JPH10128041A
JPH10128041A JP8285017A JP28501796A JPH10128041A JP H10128041 A JPH10128041 A JP H10128041A JP 8285017 A JP8285017 A JP 8285017A JP 28501796 A JP28501796 A JP 28501796A JP H10128041 A JPH10128041 A JP H10128041A
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JP
Japan
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gas
demister
ion
chemical
chemical solution
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Application number
JP8285017A
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English (en)
Inventor
Kunihiro Sakata
国広 坂田
Osamu Hayashi
理 林
Toshihiko Watanabe
俊彦 渡辺
Goro Fujiwara
護朗 藤原
Shinji Hatsutori
進司 服部
Takeshi Morimoto
健 森本
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Takuma Co Ltd
NEC Kyushu Ltd
Original Assignee
Takuma Co Ltd
NEC Kyushu Ltd
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  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Separating Particles In Gases By Inertia (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 将来の厳しい化学汚染物質の基準に対応すべ
く、排ガス処理設備の処理効率を更に大幅に向上せしめ
ると共に、供給される排ガス濃度の変化にも十分に対応
でき常に非常に安定した処理効果を発揮し、かつ設備
費、維持管理費の安価な湿式ガススクラバー及びガス処
理方法等を提供する。 【解決手段】 ガス中の不要成分を薬液散布により吸収
除去する洗浄塔1と、該洗浄塔のガス排出側に設けら
れ、且つ、排出されたガス中のミスト成分を回収するデ
ミスター2とを備える湿式ガススクラバーであって、前
記不要成分を吸着すると共に前記薬液により再生可能な
イオン交換体を、前記デミスター2内又は前記デミスタ
ー2へのガス流路内の前記ミスト成分の存在する位置に
設けてある湿式ガススクラバー、並びに前記湿式ガスス
クラバーを用いるガス処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学、電子、医薬
等の各産業分野における排ガスの処理設備に用いられる
湿式ガススクラバー及びそれを用いるガス処理方法に関
する。また、湿式ガススクラバーに設けられるデミスタ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の湿式ガススクラバーは、
酸、アルカリ系等の不要成分を含有する排ガスを処理す
るものであるが、一般的には吸収液として薬液或は水を
用いた吸収塔方式が主流である。また、吸収塔(洗浄塔
ともいう)内の構造としては、スプレー式、多孔板式、
ラシヒリング充填方式などが広く適用されており、又ベ
ンチュリースクラバー方式などあるが、いずれも技術的
には完成された技術と考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術によ
ると、排ガス組成中の吸収物質にもよるが、比較的高性
能と言われている薬液を用いた排ガス吸収法であって
も、その平均除去率は98%程度である。そしてこの除
去率は、過剰薬品の量を増加せしめても除去性能は上述
の値以上にはならず、維持管理が高価となる結果を招
く。また、吸収塔に供給される排ガス中の除去対象物質
の濃度変化の影響を受けて、吸収塔から排出される処理
ガス濃度は大きく変化し、現実には極めて不安定な状態
で運転されている例が多い。このような処理ガスは、現
状の環境基準は十分満足し得るものであるが、特に半導
体工場にあっては、次のような問題が生じる。
【0004】即ち、半導体工場においては、たとえ99
%以上の除去性能を確保し得る排ガス吸収塔でも、その
処理ガス中には数ppmから数百ppbの不要成分(例
えば酸、アルカリ物質)が含まれることになり、吸収塔
から排出される処理ガス中に不要成分がリークする結果
を招くと共に、その濃度が時間的に比較的大きな変化を
示す傾向が認められる。その結果、特に半導体工場では
クリーンルーム導入空気系を有するため、これら導入空
気に前記不要成分が混入する結果となる。また当然、排
ガス吸収塔の位置によっては、風向、風速、排気口高
さ、気温などの影響を受けて、十分に大気拡散を受けな
い状態でクリーンルームの導入空気に混合して供給され
る結果を招く。
【0005】一方、半導体工場にあってはIC集積度の
向上に伴い、供給空気中の酸、アルカリなどの化学汚染
物質の許容濃度はppbオーダーの値が問題にされ、こ
の値は環境基準よりはるかに厳しい値である。このよう
な厳しい状況の中で、排ガス吸収塔の除去性能が上述の
ようなものであると、直接クリーンルームの化学汚染に
影響を及ぼすことになる。
【0006】従って、本発明の目的は上述の如き現状に
鑑み、将来の厳しい化学汚染物質の基準に対応すべく、
排ガス処理設備の処理効率を更に大幅に向上せしめると
共に、供給される排ガス濃度の変化にも十分に対応でき
常に非常に安定した処理効果を発揮し、かつ設備費、維
持管理費の安価な湿式ガススクラバー及びガス処理方法
等を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、不要成分を吸着すると
共に薬液により再生可能なイオン交換体を、デミスター
内又はデミスターへのガス流路内の薬液ミスト成分の存
在する位置に設けることにより、その薬液ミスト成分に
よりイオン交換体を再生しつつ、そのガス中の不要成分
の吸着を行うことができ、上記目的が達成できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明の特徴構成は、ガス中の不要
成分を薬液散布により吸収除去する洗浄塔と、該洗浄塔
のガス排出側に設けられ、且つ、排出されたガス中のミ
スト成分を回収するデミスターとを備える湿式ガススク
ラバーにおいて、前記不要成分を吸着すると共に前記薬
液により再生可能なイオン交換体を、前記デミスター内
又は前記デミスターへのガス流路内の前記ミスト成分の
存在する位置に設けてある点にある。
【0009】また、本発明のガス処理方法は、上記の湿
式ガススクラバーを用いて、洗浄塔でガス中の不要成分
を薬液散布により吸収除去すると共に、前記洗浄塔より
排出されたガス中の薬液ミスト成分によりイオン交換体
を再生しつつ、そのガス中の不要成分の吸着を行うもの
である。
【0010】また、本発明のデミスターは、ガス流路内
にミスト成分を付着させる面状体を設けてある薬液回収
用のデミスターであって、前記面状体はイオン交換樹脂
の成形体又はイオン交換繊維の加工体であるものであ
る。以上の本発明の作用・効果は以下の通りである。
【0011】〔作用効果〕つまり、本発明の湿式ガスス
クラバーによると、洗浄塔においてガス中の不要成分を
薬液散布により殆ど吸収除去し、排出されたガス中のミ
スト成分をデミスターで回収するに際し、前記不要成分
を吸着すると共に前記薬液により再生可能なイオン交換
体を、前記デミスター内又は前記デミスターへのガス流
路内の前記ミスト成分の存在する位置に設けてあるた
め、前記薬液ミスト成分によりイオン交換体を再生しつ
つ、そのガス中の不要成分の吸着を行うことができ、不
要成分の除去率を高められると共に、その高い除去率を
長期間維持することができる。ここで、イオン交換体の
再生と吸着の機構は、次のように考えられる。例えば、
不要成分であるアンモニアに対し、薬液として硫酸を用
い、イオン交換体として強酸性陽イオン交換体を用いる
場合、イオン交換体は薬液ミスト中に多量に共存する硫
酸アンモニウムとは反応せず、未反応の遊離アンモニア
とイオン交換して吸着し、次いでアンモニアの結合した
イオン交換体は薬液ミスト中の硫酸によって再生され
る。その反応式を下記に示す。
【0012】
【化1】
【0013】また、ガス中の不要成分である塩酸等に対
し、薬液として水酸化ナトリウム等を用い、イオン交換
体として強塩基性陰イオン交換体を用いる場合も同様
に、不要成分の吸着とイオン交換体の再生が行われると
考えられる。以上の如き反応において、吸着と再生は並
行して行われ、またミスト成分が循環しつつイオン交換
体の再生を繰り返すため、イオン交換体体の使用量は原
ガスのアンモニア濃度から計算する必要はない。
【0014】また、本発明のガス処理方法によると、上
記のような作用機構により、ガス中の薬液ミスト成分に
よりイオン交換体を再生しつつ、そのガス中の不要成分
を吸着することができる。
【0015】その結果、排ガス処理設備の処理効率を更
に大幅に向上せしめると共に、供給される排ガス濃度の
変化にも十分に対応でき常に非常に安定した処理効果を
発揮することができる。従って、将来の厳しい化学汚染
物質の基準に対応でき、しかも設備費、維持管理費の安
価な湿式ガススクラバー及びガス処理方法等を提供でき
る。
【0016】また、本発明のデミスターも、面状体をイ
オン交換樹脂の成形体又はイオン交換繊維の加工体で構
成してあるため、洗浄塔のガス排出側に設置するだけ
で、上記のような作用機構により、ガス中の薬液ミスト
成分によりイオン交換体を再生しつつ、そのガス中の不
要成分を吸着することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の湿式ガススクラバーは、ガス中の
不要成分を薬液散布により吸収除去する洗浄塔と、該洗
浄塔のガス排出側に設けられ、且つ、排出されたガス中
のミスト成分を回収するデミスターとを備えるものであ
る。湿式ガススクラバーの形式は、洗浄塔でガス中の不
要成分を薬液散布により吸収除去する際に、洗浄塔から
ミストが排出されるようなものであればよく、スプレー
式、多孔板式、ラツシヒリング充填式等の液体流下式な
どが挙げられる。吸収除去の対象となるガス中の不要成
分としては、アルカリ性のものとして、アンモニア、ア
ミン類、Na、K等が挙げられ、酸性のものとして、塩
酸、硫酸、硝酸、フッ酸、リン酸、亜硝酸、ホウ酸等が
挙げられる。散布する薬液としては、酸性のものとし
て、硫酸、塩酸等が用いられ、アルカリ性のものとし
て、水酸化ナトリウム、等が用いられる。
【0018】デミスターは洗浄塔のガス排出側に設けら
れるが、具体的には洗浄塔内のガスの排気口付近、又は
洗浄塔外部の上方等に配管を介して連通接続される。ま
た、その構造は排出されたガス中のミスト成分を回収で
きるものであればよく、ガス流路内にミスト成分を付着
させる面状体(例えば断面S字型、断面くの字型等)を
設けてある構造や、メッシュの積層体構造、圧損の少な
い多孔質構造のもの等が用いられる。
【0019】本発明では、上記のような湿式ガススクラ
バーにおいて、前記不要成分を吸着すると共に前記薬液
により再生可能なイオン交換体を、前記デミスター内又
は前記デミスターへのガス流路内の前記ミスト成分の存
在する位置に設けてある。
【0020】本発明に用いられるイオン交換体は、前記
不要成分をイオン交換により吸着すると共に前記薬液に
より再生可能なものであるが、カチオン性の不要成分に
対しては陽イオン交換体が用いられ、アニオン性の不要
成分に対しては陰イオン交換体が用いられる。イオン交
換体は、不要成分を吸着すると共に薬液により再生可能
なものであれば、有機物、無機物のいずれでもよい。有
機物の陽イオン交換体としては、イオン交換基としてス
ルホン酸基を結合した強酸性樹脂やカルボン酸基を結合
した弱酸性樹脂が挙げられ、陰イオン交換体としては、
4級アンモニウム基を有する強塩基性樹脂や1〜3級ア
ミン基を有する弱塩基性樹脂が挙げられる。また、無機
物のイオン交換体としては、ゼオライト等のケイ酸系無
機物等が挙げられる。
【0021】イオン交換体は、イオン交換樹脂の成形体
又はイオン交換繊維の加工体であることが好ましいが、
具体的には、イオン交換繊維体からなる不織布、織布等
を加工した円筒体、断面S字体、断面くの字体、又はイ
オン交換樹脂を成形した断面S字体、断面くの字体を一
定間隔に充填もしくは並設させることにより並流させし
め、圧損を大きくすることなく、本発明の作用効果が得
られる。ここで、イオン交換繊維体からなる不織布、織
布等を断面S字体、断面くの字体に加工する方法として
は、メッシュ間にイオン交換繊維体を挟み込み、メッシ
ュごと折り曲げ加工して断面S字型、断面くの字型にす
る方法が挙げられる。また、イオン交換樹脂を断面S字
体、断面くの字体に加工する方法としては、予め基材樹
脂を断面S字体、断面くの字体として成形し、放射線等
を利用して表面処理によりイオン交換基を導入すればよ
い。
【0022】イオン交換体が設けられる位置は、前記デ
ミスター内又は前記デミスターへのガス流路内の前記ミ
スト成分の存在する位置であるが、具体的には、デミス
ター内のミスト成分を付着させる面状体(以下、単に
「面状体」と略す)に代えて用いるか、あるいはデミス
ター内の面状体の下方部分、又はデミスターと洗浄塔を
連通接続するダクト内、洗浄塔内のガスの排気口付近な
どが挙げられる。
【0023】本発明のデミスターは、ガス流路内にミス
ト成分を付着させる面状体を設けてある薬液回収用のデ
ミスターであって、前記面状体がイオン交換樹脂の成形
体又はイオン交換繊維の加工体であるものである。ここ
で、イオン交換樹脂の成形体又はイオン交換繊維の加工
体の材質、形状、加工方法等は、上述のとおりである。
【0024】本発明のガス処理方法は、以上のような湿
式ガススクラバーを用いて、洗浄塔でガス中の不要成分
を薬液散布により吸収除去すると共に、前記洗浄塔より
排出されたガス中の薬液ミスト成分によりイオン交換体
を再生しつつ、そのガス中の不要成分の吸着を行うもの
である。薬液を用いた湿式のガスススクラバーは、いず
れの型式にあってもこの処理ガス中にリークし、残留す
るイオン性物質、例えばアンモニア、各種酸性物質をイ
オン交換体と接触せしめることにより、従来処理ガス中
に排出されていた上述のリークするイオン性物質を捕捉
せしめる。このことにより、従来法に比較し、更にリー
ク物質の濃度を1/10以下にすることができる。具体
的には、上述の各型式のガスススクラバーにあって、下
部から送られる排ガスは上部から送られる薬液に接触し
て薬液により中和され塩として吸収されるが、この接触
層上部の吸収薬液がミスト状態で存在する位置にイオン
交換体を設置すると、ミストはイオン交換樹脂あるいは
イオン交換繊維体に接触し、気体中に残留するイオン性
物質は更にイオン交換除去される。
【0025】本発明においては、上述のイオン交換され
たイオン交換体は、ミストに含まれる余剰の吸収薬液に
より再び再生される。すなわち、イオン交換樹脂あるい
はイオン交換繊維体は塔内にあって、ミスト中の吸収液
に微量の酸、アルカリが残留する限り、吸収液に排ガス
を吸収した中性塩が多量に共存しても、吸着、再生を繰
り返すことができる。従って、従来法のように塔内で気
液接触後にデミスターにより液滴を分離して気体を直接
排出されていたら残留する未反応の除去対象物質を、更
に気液混合状態にてイオン吸着をさせるため、従来法に
比較してリーク物質の濃度は1/10以下となるのであ
る。
【0026】本発明の具体的な条件、効果について、ア
ルカリ系排ガスとしてアンモニアの例について述べる
と、以下のようになる。薬液を使用した排ガス吸収塔に
あっては、スプレー法、多孔板法、ラツシヒリング充填
法、いずれの方法にあっても、圧力損失などから経済的
な塔設計値である塔内風速2.0〜2.5m/secに
おいて、数パーセントの硫酸溶液によるアンモニアガス
(NH3)の除去率は最高に達したとしても99%が限界
である。従って、排ガス吸収塔に供給される排ガス中の
アンモニア濃度200ppmの場合には、処理ガス中に
2ppm程度は未反応分としてリークする。このとき、
本発明のイオン交換樹脂あるいはイオン交換繊維体を傾
斜板式デミスターにかわり、充填密度50%以下、すな
わちイオン交換樹脂あるいはイオン交換繊維体を板状に
形成し、開口部に対する断面風速3〜5m/secとな
るように配置し、かつイオン交換樹脂あるいはイオン交
換繊維体デミスター層の滞留時間を0.1秒以上に採っ
た場合に、上述の従来法における2ppmに対して0.
2ppm程度まで下げることができる。また、この値は
排ガス中のアンモニア濃度が300ppmの場合にあっ
ても0.2ppm以下を得ることができた。また、イオ
ン交換体を取り出しての再生は必要とせず、ミスト中に
含まれる硫酸アンモニウム中に共存する0.5%以上の
硫酸により再生されることが分かった。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例等について説明する。 参考例1 本参考例では、不要成分であるアンモニアの除去を目的
とした、アルカリ系洗浄塔を有する従来の湿式ガススク
ラバーを用いた装置により試験した結果について述べ
る。従来設備の装置構成を説明すると、1は排ガス中の
アンモニアを薬液(4重量%の硫酸水溶液)散布により
吸収除去する洗浄塔、2は傾斜板によりガス中のミスト
成分を付着させて回収するデミスター、3は排気ファ
ン、5は気液混合体ダクト、6は処理ガスダクト、7は
供給ガスダクト、8は排ガスを貯留するチャンバーであ
る。表1は、図1に示すような従来設備の供給原ガス
及び各位置〜における分析結果である。なお、と
は同じサンプリング位置において、pHが異なる状態
の時にそれぞれサンプリングしたものである。
【0028】
【表1】
【0029】上記表1から分かる如く、デミスター出口
側のアンモニア濃度は、未反応のNH3で処理側にリ
ークする濃度であり、従来設備では洗浄塔入口濃度の9
6.6%しか除去されておらず、2.8ppmの濃度でリーク
しており、除去率をより高める必要があることが判っ
た。なお、のデータでアンモニア成分、硫酸成分の濃
度が高くなっているのは、ミスト中に含まれる硫酸アン
モニウムの影響であり、気体としての濃度が高くなって
いるのではない。
【0030】実施例1 上述の従来設備でリークするNH3を除去対象に、処理
ガスの一部を気液混合体ダクト5から気液混合状態で取
り出し、本発明の効果を実証すべく、図2のようなイオ
ン交換体11を内装するデミスター2を試験装置とし
て、イオン交換繊維体からなる不織布円筒、又は同一形
状のポリエステル(不活性)不織布円筒を組み込み、両
者について比較試験を実施した。尚、本試験では、従来
処理ガス中のNH3の除去傾向のみを調べた。試験装置
及び条件は次のとうりである。 塔寸法 :φ320mm×H800mm 処理風量 :15m3/min 塔内風速 :2.5m/sec 有効断面風速:4m/sec 充填材 形状:25mm内径×300mmH ×2段(肉
厚:約10mm) 重量 :80〜90g/1本 イオン交換繊維体:フジコー製,MP−IFE−SC
(H)−GA,2meq/g,総イオン交換容量348
0meq ポリエステル不織布:フジコー製,フェルトチューブ 上述の試験装置及び条件により試験を行った結果を下記
に示す。イオン交換繊維体、又はポリエステル繊維体か
らなるフェルトチューブを各々充填して運転した初期除
去率の比較について表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】表2の結果が示すように、充填部の有効面
風速が実用的な範囲内において、イオン交換繊維体を用
いると高い初期除去率が得られるのに対して、ポリエス
テル繊維体を用いると初期除去率が低いことが判った。
【0033】表3には、イオン交換繊維体からなるフェ
ルトチューブによる連続運転の結果を示した。また表4
には、本発明の効果を確認するために表2に示すポリエ
ステル、不織布円筒を充填して連続運転を行った結果に
ついて示した。なお、運転条件は共に次のとおりであ
る。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】上記表3と表4を比較した結果、明らかに
IEF製フェルトチューブを用いる方が試験結果が良好
であり、かつ除去率は90%以上を長期間安定して確保
することが分かった。
【0037】上記表3に示す除去能力を連続して長期間
保持することが可能である理由を確認するために、表1
に示す吸収液による強酸性陽イオン交換繊維のフェルト
チューブの次のような再生実験を行った。その結果を表
5に示した。イオン交換繊維フェルトチューブ片10g
を硫酸アンモニウム5%溶液200ccに浸漬し、十分
攪拌して強酸性陽イオン交換繊維の交換基を、すべてア
ンモニア型にした後、500ccの純水を用いて水洗し
た。フェルトチューブに各々上記表5の組成を有する再
生液200ccを用いて約30分間浸漬攪拌し、それを
純水500ccにて水洗後、再び塩酸5%溶液200c
cにて残留するアンモニア成分を溶離させ、その溶離液
のアンモニアを分析して、R−SO3NH4からR−SO
3Hへの転換率を求めた。
【0038】
【表5】
【0039】上記表5に示す再生効果から、明らかに
0.5重量%以上の遊離硫酸を含む気液混合体に接触す
ることにより十分に再生できることが分かった。また、
このような再生を行いつつ、表3に示すような除去率が
維持できるのは、硫酸アンモニウムが高濃度の状態にあ
っても強酸性陽イオン交換体は、まずアンモニアとイオ
ン交換するためと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の排ガス処理装置の概略構成図
【図2】本発明のデミスターの一実施例の概略構成図で
あり、(a)は正面図、(b)はA−A断面図
【符号の説明】 1 洗浄塔 2 デミスター 3 排気ファン 5 気液混合体ダクト 6 処理ガスダクト 7 供給ガスダクト 8 チャンバー 11 イオン交換体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 53/14 B01D 53/34 B 53/77 53/81 (72)発明者 渡辺 俊彦 熊本県熊本市八幡1丁目1番1号 九州日 本電気株式会社内 (72)発明者 藤原 護朗 大阪府大阪市北区堂島浜1丁目3番23号 株式会社タクマ内 (72)発明者 服部 進司 大阪府大阪市北区堂島浜1丁目3番23号 株式会社タクマ内 (72)発明者 森本 健 大阪府大阪市北区堂島浜1丁目3番23号 株式会社タクマ内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス中の不要成分を薬液散布により吸収
    除去する洗浄塔と、該洗浄塔のガス排出側に設けられ、
    且つ、排出されたガス中のミスト成分を回収するデミス
    ターとを備える湿式ガススクラバーであって、 前記不要成分を吸着すると共に前記薬液により再生可能
    なイオン交換体を、前記デミスター内又は前記デミスタ
    ーへのガス流路内の前記ミスト成分の存在する位置に設
    けてある湿式ガススクラバー。
  2. 【請求項2】 前記イオン交換体が、イオン交換樹脂の
    成形体又はイオン交換繊維の加工体である請求項1記載
    の湿式ガススクラバー。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の湿式ガススクラバ
    ーを用いて、洗浄塔でガス中の不要成分を薬液散布によ
    り吸収除去すると共に、前記洗浄塔より排出されたガス
    中の薬液ミスト成分によりイオン交換体を再生しつつ、
    そのガス中の不要成分の吸着を行うガス処理方法。
  4. 【請求項4】 ガス流路内にミスト成分を付着させる面
    状体を設けてある薬液回収用のデミスターであって、 前記面状体はイオン交換樹脂の成形体又はイオン交換繊
    維の加工体であるデミスター。
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Cited By (4)

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