JP2003117389A - オゾン分解型ガス吸着剤及びこの吸着剤を用いたフィルター材とその再生方法、並びに再生品 - Google Patents
オゾン分解型ガス吸着剤及びこの吸着剤を用いたフィルター材とその再生方法、並びに再生品Info
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Abstract
により繰り返し使用が可能なオゾン分解型ガス吸着剤及
びフィルター材と、その再生方法を提供する。 【解決手段】 炭素原子を含む多孔質吸着物質の表面及
び/又は内部に、アルカリ金属の塩及びアルカリ金属の
水酸化物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のア
ルカリ金属化合物を添着してなるオゾン分解型ガス吸着
剤。この吸着剤をフィルター基材に付着させたフィルタ
ー材。このオゾン分解型ガス吸着剤又はフィルター材に
アルカリ金属化合物を添着させて再生する。
Description
し使用可能なオゾン分解型ガス吸着剤及びこの吸着剤を
用いたフィルター材と、その再生方法並びに再生品に関
する。
体であるため、オゾン脱臭機や殺菌目的等に利用される
ケースもあるが、粘膜刺激性が強く、高濃度では呼吸器
を侵し、また微量でも長時間吸入すると極めて有毒とさ
れている。有害物質管理のための測定方法(労働科学研
究所出版部(1969) P.178)によると、呼吸器への影響
は1〜2ppmの低濃度から起こることが報告されてい
る。このため、オゾンガスについては、種々の規制があ
り、作業環境における許容濃度としては日本産業衛生学
会の勧告値で0.1ppm(0.2mg/m3)に定め
られている。また、UL(Underwriters Laboratories
Inc.)規格ではオゾンを発生する機器については8時間
のTWA(Time Weighted average)で0.1ppm、瞬
時の濃度で0.3ppmを超えてはならないと定められ
ている。
方式の空気清浄機など放電現象を利用した機器等につい
ては、オゾンガス対策が必要となる。
去剤としては、活性炭や酸化マンガン系触媒が知られて
いる。このうち、活性炭は、吸着剤の中では最も大きな
吸着比表面積を有し、広範なガスを効率良く吸着するも
のであるが、オゾンの除去においては、ガス吸着孔によ
る吸着(van der Waals adsorption)というよりは、む
しろ活性炭表面の炭素とオゾンガスとの直接分解反応に
よるものと考えられている。しかしながら、活性炭のオ
ゾン除去性能の評価を行ってみると、活性炭が消滅して
なくなるまでオゾンを分解し続けることはなく、活性炭
が消滅する前にオゾン除去性能が失なわれる傾向が見ら
れ、また一旦、オゾン分解性能が低下した活性炭は、水
浸漬や100℃前後の加熱乾燥程度ではオゾン分解性能
を回復することはできないという問題がある。
よりオゾンを分解するものであるが、大気中の不純物や
酸化分解に伴う反応生成物等により、次第に被毒され、
分解性能を失うという問題がある。失活した酸化マンガ
ン系触媒に対して、高温下での加熱による賦活処理を行
っても、被毒物質を完全に除去することはできないた
め、充分な再生効率は得られず、しかも触媒反応に伴う
副生成ガスの発生が異臭発生の原因に繋がるという問題
があり、更には、活性炭に対して吸着比表面積が著しく
劣るため、オゾン以外の広範なガス成分の除去に対応で
きないという問題もある。
温暖化対策及び資源の有効活用といった見地から、フィ
ルター分野においても、従来の使い捨て型からリサイク
ル,リユース,リデュース可能なフィルター材の開発が
期待されている。
状に鑑みてなされたものであって、再生により繰り返し
使用が可能なオゾン分解型ガス吸着剤及びこの吸着剤を
用いたフィルター材と、その再生方法を提供することを
目的とする。
な炭素原子を有する多孔質吸着物質のオゾン分解性能を
高めると同時に、使用により性能が低下した後は容易に
再生可能とすることを目的とするものであり、各種複写
機やプリンター、電気集塵方式の空気清浄機用の他、半
導体産業等で用いるスーパークリーンルーム用のフィル
ター材等として有効に適用可能な技術を提供するもので
ある。
ス吸着剤は、炭素原子を含む多孔質吸着物質の表面及び
/又は内部に、アルカリ金属の塩及びアルカリ金属の水
酸化物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のアル
カリ金属化合物を添着してなることを特徴とする。
ン分解型ガス吸着剤を、フィルター基材の表面及び/又
は内部に担持してなることを特徴とする。
点を克服するために、活性炭の特徴である極めて大きな
吸着比表面積とそれに付随する広範なガス成分の吸着性
能、及び触媒反応のような反応副生成ガスの問題がない
ことに注目し、活性炭の持つガス吸着性能を維持した状
態でオゾン分解性能を高める方法と、その安全かつ簡便
な再生方法を開発すべく、オゾン分解性能の低下要因と
して考えられる表面酸化物の生成に注目し、表面酸化物
の生成を遅延させる方法と直接分解反応を促進させる方
法、更にはオゾン暴露により生成された表面酸化物を除
去することにより活性炭表面を再活性させる方法につい
て鋭意研究を行った結果、炭素原子を有する吸着剤にア
ルカリ金属の塩やアルカリ金属の水酸化物を添着せしめ
ることにより、飛躍的にオゾン分解性能を向上させるこ
とができること、またオゾン暴露により一旦オゾン分解
性能が失われた活性炭にアルカリ洗浄措置を施した上
で、アルカリ金属の塩又はアルカリ金属の水酸化物を添
着することにより、オゾン分解性能を効率的に再生する
ことができることを見出し、本発明を完成させた。
おけるオゾン分解除去に関する研究を行う中で、石油ピ
ッチ系のビーズ状の活性炭が天然椰子殻活性炭に比べ
て、極めて低いオゾン分解性能しか有していないことに
着目した。石油ピッチ系のビーズ状活性炭は乳鉢で粉砕
処理を施すと、ある程度良好なオゾン分解性能を示す
が、ビーズ状の形態では平均粒子径400μm程度の比
較的小さな粒子径のものでさえ、低レベルのオゾン除去
性能しか有さないと言った問題があった。
面状態と含有元素の状態について検証すべく走査型電子
顕微鏡や蛍光X線を用いて分析評価を行った結果、天然
の椰子殻活性炭にはカリウムや塩素が含有されているの
に対し、石油ピッチ系のビーズ状活性炭には、これらの
元素が殆ど含まれていないことが判明した。
なりいびつで荒れた状態であるのに対し、石油ピッチ系
のビーズ状活性炭は非常に滑らかな状態であった。
について検証するため、無極性炭化水素の代表であるベ
ンゼンの吸着性能の評価を行った結果、石油ピッチ系の
ビーズ状活性炭におけるベンゼン吸着性能はBET比表
面積1500m2/g以上を有する高賦活の天然椰子殻
活性炭に対して、7〜8割程度の吸着容量を有している
ことが確認され、成形活性炭としては、そこそこ高い物
理的吸着性能を示していることが判明した。
カニズムは、活性炭表面の炭素とオゾンの直接分解反応
とであり、下式のようなメカニズムが存在していると考
えられるが、同一測定条件下でのオゾン分解性能評価に
て、天然の椰子殻活性炭と石油ピッチ系のビーズ状活性
炭との間ではかなり大きな分解性性能上の差異が生じ
る。このことから、炭素とオゾンの直接分解反応以外の
要素がオゾン分解のメカニズムの中に存在しているので
はないかとの予測から、本発明者は石油ピッチ系のビー
ズ状活性炭自体には殆ど存在しないカリウムや塩素を含
む化合物の添着を試みた。 CxOy(solid)+O3 → CxOy+1(solid)+O2 CxOy(solid)+O3 → Cx-1Oy+1(solid)+CO
2
l、KCl、LiOH、NaOH、KOH、Li2CO
3、Na2CO3、K2CO3等のアルカリ金属の塩又
は水酸化物の単体のみではオゾン分解性能を有さないこ
と、また、ゼオライトのような無機の多孔質吸着物質に
対して、これらのアルカリ金属化合物を添着してもオゾ
ン分解性能が発揮できないことより、これらのアルカリ
金属化合物を添着する多孔質吸着物質としては炭素原子
の存在が非常に重要であることをつきとめた。
ルター材は、アルカリ金属化合物の添着により著しく優
れたオゾン分解性能を示し、また、多孔質吸着物質本来
のガス吸着性能により、他の成分の吸着除去にも好適で
ある。
剤及びフィルター材は、オゾンガスや臭気との暴露によ
りオゾン分解性能やガス吸着性能が低下した後は、本発
明のオゾン分解型ガス吸着剤又はフィルター材の再生方
法に従って、アルカリ金属化合物を添着することによ
り、或いは、アルカリ性の洗浄液で洗浄した後、アルカ
リ金属化合物を添着することにより、容易に再生するこ
とができる。
びフィルター材再生品は、このような本発明の再生方法
で再生されたものである。
に説明する。
て、炭素原子を含む多孔質吸着物質としては、石油ピッ
チ系活性炭、椰子柄活性炭、活性炭繊維、石炭系活性
炭、木質系活性炭、古タイヤ再生活性炭、骨炭等、炭素
原子含有の多孔質吸着物質であれば良く、特に限定する
ものではないが、オゾンとの接触効率や吸着物質との吸
着効率といった面から、吸着比表面積の高い椰子柄活性
炭や活性炭繊維、石油ピッチ系活性炭が好適である。
破砕状、粉末状、ペレット状、球状、楕円球状、繊維状
など特に限定するものではないが、フィルター加工した
際の圧力損失の低減や吸着剤の付着量の確保及びオゾン
や他のガス成分との接触効率や吸着効率を高めるといっ
た点から球状、又は破砕状のものが好適に使用できる。
に限定するものではないが、BET法による測定で50
0m2/g以上、特に1000m2/g以上、とりわ
け、オゾンとの接触効率や吸着物質との吸着効率及び取
り扱い性等の面から、1000〜2000m2/gの吸
着比表面積を有するものを選択するとよい。また、吸着
剤の平均粒子径は、オゾンとの接触効率や吸着物質との
吸着効率及び取り扱い性等の面から5〜5000μmで
あることが好ましい。なお、多孔質吸着物質が繊維状等
の異形状の場合、平均粒子径は、繊維長等の長辺の長さ
を示すものとする。
多孔質吸着物質に求められる特性としては、できるだけ
硬度の高い多孔質吸着物質が好ましく、80重量%以
上、好ましくは90重量%以上のJIS K1474−
4・7硬度を有するものが再生による破損が少なく、好
ましい。なお、このJIS K1474−4・7硬度と
は、鋼球振とう法により測定される硬度である。
の製法についても、特に限定するものではないが、オゾ
ン暴露時の吸着剤表面の酸化物生成を遅延又は抑制させ
るといった点から、ノーバインダー製法で作られたもの
が好ましい。
おいては、多孔質吸着物質は、材料、形状、製法、その
他の特性の異なるものを2種以上組み合わせて用いても
良い。
に添着させるアルカリ金属の塩、アルカリ金属の水酸化
物についても特に限定させるものではないが、添着加工
を施す際の水への溶解性の面から、アルカリ金属の塩と
しては、炭酸塩又は塩酸塩が好ましく、より具体的に
は、LiCl、NaCl、KCl、LiOH、NaO
H、KOH、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3
が好適に使用できる。これらのアルカリ金属化合物を、
1種を単独で添着するか、2種類以上を混合して添着す
るかについては、特に限定するものではないが、処理対
象とするガス成分の種類や濃度もしくは使用条件及び添
着する多孔質吸着物質の種類等により、配合割合も含め
適宜選択することができる。
着物質に添着する方法としては特に制限はないが、予め
アルカリ金属化合物の水溶液を調製しておき、このアル
カリ金属化合物の水溶液(以下、「アルカリ金属化合物
添着水溶液」と称す場合がある。)中に多孔質吸着物質
を浸漬する方法、或いは、多孔質吸着物質にアルカリ金
属化合物の水溶液を噴霧する方法が挙げられ、添着方法
は、多孔質吸着物質の種類や得られる吸着剤の使用条
件、加工条件等により適宜選択することができる。アル
カリ金属化合物添着水溶液中に多孔質吸着物質を浸漬し
てアルカリ金属化合物を添着する場合、多孔質吸着物質
を静置浸漬しても良く、水溶液に超音波振動を付与した
状態で浸漬しても良く、特に超音波振動を付与すること
により添着効率を高めることができる。
ルカリ金属化合物濃度は、多孔質吸着物質の種類や吸着
剤の使用条件等により適宜設定され、特に限定するもの
ではないが、0.1〜10mol/L、特に0.5〜
3.0mol/Lとするのが好ましい。この濃度が0.
1mol/L未満では添着による物理的吸着性能への影
響は少ないが、十分な添着量が稼げないため、添着によ
るオゾン分解性能の向上効果を十分に得ることができな
い。また、10mol/Lを超える濃度では、多孔質吸
着物質の吸着表面積が失われてくるため、物理的吸着性
能が阻害され、また、オゾンと炭素との接触状態が阻害
されることにより、オゾン分解性能が低下するおそれが
ある。
は、乾燥後のアルカリ金属化合物の飛散防止のために、
ラテックス、ホットメルトパウダー、及び水分散型エマ
ルジョンよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のバ
インダー成分を含んでいても良く、この場合、このよう
なバインダー成分の水溶液中の含有量は1〜30重量%
であることが好ましい。
は、得られる吸着剤にオゾン分解性能を損なわずにアル
デヒド類や塩基性ガスに対してもガス吸着性能や再生性
能を付与させることが可能な薬剤である、アミノフェニ
ル酢酸、2−アミノエタン−1−スルホン酸及びリンゴ
酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含んでい
ても良く、この場合、このような薬剤の水溶液中の含有
量は0.1〜30重量%であることが好ましい。
は、得られる吸着剤に難燃性を付与するために、水酸化
アルミニウム、臭化アンモニウム、三酸化アンチモン、
五酸化アンチモン、第2リン酸アンモニウム、硫酸アン
モニウム、ホウ酸等の無機系難燃剤を含んでいても良
く、この場合、このような無機系難燃剤の水溶液中の含
有量は1〜30重量%であることが好ましい。
は、多孔質吸着物質に対して、前記アルカリ金属化合物
が0.1〜30重量%添着されていることが好ましく、
添着量は、アルカリ金属化合物添着水溶液のアルカリ金
属化合物濃度や添着方法を適宜選択することにより調整
することができる。この添着量が0.1重量%未満で
は、添着によるオゾン分解性能の改善効果が十分ではな
く、30重量%を超えると、多孔質吸着物質の吸着表面
積が失われてくるため、物理的吸着性能が阻害され、ま
た、オゾンと炭素との接触状態が阻害されることによ
り、オゾン分解性能が低下するおそれがある。
明のオゾン分解型ガス吸着剤をフィルター基材に付着さ
せたものである。
ォーム、ポリオレフィンフォーム、セラミックフォー
ム、メタルフォーム等のフォーム状、該フォームの加工
品、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エステル、ポリテトラフルオロエチレン等の有機繊維、
ガラス繊維、セラミック繊維、及び紙よりなる群から選
ばれる1種又は2種以上よりなるものが挙げられるが、
何らこれらに限定されるものではない。
次元網状骨格構造を有するもの、ネット状のもの、ひだ
状に成型加工されたプリーツ形状のもの、コルゲート加
工されたシートを積層し断面裁断加工したもの、ハニカ
ム構造を有するもの、繊維を三次元状に編み上げた立体
構造を有するネット状のもの、複数の繊維を束ねて撚っ
て平面幾何学的に織り込んだネット状のもの、縦横両軸
延伸加工を施したネット状のもの、並びにメルトブロー
又はスパンボンド製法にて作られた不織布状のものより
なる群から選ばれる1種の単一構造或いは2種以上の複
合構造が挙げられるが、何らこれらに限定されるもので
はない。
ようなフィルター基材に付着させる方法は、目的や用途
により適宜選択することができ、特に限定するものでは
ないが、湿式含浸付着法又は乾式付着法を用いることが
できる。
を混練したスラリーにフィルター基材を浸漬、含浸した
後、乾燥する方法であり、一方、乾式付着法とは、予め
フィルター基材の表面及び/又は内部にバインダー成分
を塗布するなどして付着させた後、バインダーの接着力
及び粘着力(タック力)を利用することにより、吸着剤
をフィルター基材に付着させる方法である。
フィルターの製造が比較的容易であるという利点がある
が、バインダー成分により吸着剤の全表面が被覆されて
しまうため、このバインダー成分がオゾンと炭素との接
触分解反応阻害要因になったり、ガス成分の吸着阻害要
因になったりするといった欠点がある。これに対して、
乾式付着法は、湿式含浸法対に比べて、製造工程が複雑
化するという難点はあるが、バインダー成分により吸着
剤の全表面が被覆されないため、オゾンと炭素との接触
分解反応やガス成分の吸着を阻害することがなく、しか
も、単位面積当りの吸着剤付着量が湿式法対に比べて高
いといった利点から、好適である。
ンダーとしては、再生使用の要否により異なるため、特
に限定するものではないが、例えば湿気反応型ウレタン
系プレポリマー、合成ゴム系接着剤、変成シリコーン系
プレポリマー及びこれらのホットメルトタイプ、イソシ
アネートとの2液硬化型ウレタン系エマルジョン、エポ
キシ系バインダー、酢酸ビニル系バインダー、アクリル
系バインダー、ポリオレフィン系バインダー、SBR系
バインダー、NBR系バインダー、クロロプレン系バイ
ンダー等の1種又は2種以上が選択できるが、吸着剤の
オゾン分解性能への影響やガス吸着性能の面及び環境へ
の配慮の面から、非溶剤系バインダーを用いるのがよ
く、また、長時間のオゾン暴露やアルカリ水溶液による
繰り返し洗浄や添着処理の面から耐薬品性、耐熱性、耐
水性に優れた湿気反応型ウレタン系プレポリマー、湿気
反応型ウレタン系プレポリマーが混入された合成ゴム系
接着剤、湿気反応型変成シリコーン系プレポリマーのホ
ットメルトタイプが好適である。
り、予めアルカリ金属化合物が多孔質吸着物質に添着さ
れた本発明のオゾン分解型ガス吸着剤をフィルター基材
に付着させても良く、また、フィルター基材に多孔質吸
着物質を付着させた後アルカリ金属化合物を添着しても
良い。従って、本発明のフィルター材は、例えば、次の
ような方法で製造することができる。
にフィルター基材を含浸させた後、乾燥する。 本発明に係る多孔質吸着物質とアルカリ金属化合物
とバインダー成分とを含むスラリーにフィルター基材を
含浸させた後、乾燥する。 本発明に係る多孔質吸着物質とバインダー成分とを
含むスラリーにフィルター基材を含浸させて多孔質吸着
物質を付着させた後、前述のアルカリ金属化合物添着水
溶液に含浸させてアルカリ金属化合物を添着する。
るか、バインダー成分を含む液にフィルター基材を含浸
させて、フィルター基材にバインダー層を形成した後、
本発明のオゾン分解型ガス吸着剤を付着させる。 フィルター基材にバインダー成分を塗布又は噴霧す
るか、バインダー成分を含む液にフィルター基材を含浸
させて、フィルター基材にバインダー層を形成した後、
本発明に係る多孔質吸着物質を付着させ、その後、前述
のアルカリ金属化合物添着水溶液に含浸させてアルカリ
金属化合物を添着する。
ー基材へのバインダー成分及びオゾン分解型ガス吸着剤
の付着量は、フィルター基材の材料や構造、フィルター
材の使用目的等によっても異なるが、フィルター材に対
するオゾン分解型ガス吸着剤の付着重量割合で50〜5
000重量%とするのが好ましく、このような吸着剤付
着量を得るために、吸着剤を付着するためのバインダー
成分は、フィルター材に対して10〜300重量%付着
させることが好ましい。
成分を含むスラリーや乾式付着法で用いるアルカリ金属
化合物添着水溶液が、前述のアミノフェニル酢酸、2−
アミノエタン−1−スルホン酸、リンゴ酸といった薬剤
や無機系難燃剤を含んでいても良いことは言うまでもな
く、また、上記方法で得られたフィルター材に更に無機
系難燃剤を付着させても良い。
ルター材の再生方法は、このような本発明のオゾン分解
型ガス吸着剤又はフィルター材をオゾン分解処理又はガ
ス吸着処理等に使用することにより、オゾン分解性能や
ガス吸着性能が低下したものを再生する方法であり、使
用済吸着剤又はフィルター材を好ましくはアルカリ性の
水溶液で洗浄してオゾン分解により吸着剤又はフィルタ
ー材に生成した表面酸化物を除去した後、前述の本発明
のオゾン分解型ガス吸着剤を製造する際のアルカリ金属
化合物の添着方法に従ってアルカリ金属化合物を添着す
る。
物質の種類及びその水溶液濃度は、処理する吸着剤又は
フィルター材のオゾン暴露雰囲気や劣化の状態により異
なり、特に限定するものではないが、水への溶解性の面
から、アルカリ物質としてはLiCl、NaCl、KC
l、LiOH、NaOH、KOH、Li2CO3、Na
2CO3、K2CO3を好適に使用することができ、な
かでもアルカリ性の強いNaOH、KOHが少量で良好
な洗浄効果を示すため、好ましい。洗浄液中には、アル
カリ物質の1種が含まれていても良く、2種以上が含ま
れていても良い。また、洗浄液中のこれらのアルカリ物
質の濃度としては、前述のアルカリ金属化合物添着水溶
液の濃度よりは低めに調整することが望ましく、0.0
01〜1.0mol/L、特に0.01〜0.1mol
/Lに調整するのが好ましい。
に超音波振動を付与した状態で吸着剤又はフィルター材
を浸漬洗浄することにより行うことが、洗浄効果の面で
好ましい。
り具体的に説明する。
吸着物質のアルカリ金属化合物による添着効果を見極め
るために、活性炭の中ではオゾン分解性能の低くカリウ
ムやナトリウムなどの不純物が殆ど含有されていない石
油ピッチ系ビーズ状活性炭を多孔質吸着物質の添着担持
体として選択し、この吸着物質をベースにアルカリ金属
化合物を添着することによるオゾン分解性能への影響を
調べた。
粒子径400μmの呉羽化学工業(株)製の石油ピッチ
系ビーズ状活性炭(商品名BAC−SPタイプ,吸着比
表面積1100m2/g,JIS K1474−4・7
硬度97重量%,平均粒子径400μm)10gを投入
し、30分間静置浸漬した後、減圧吸引濾過器を用いて
脱水し、更に110℃のオーブンにて15分間乾燥させ
る事により、塩化カリウム添着活性炭サンプルを得、オ
ゾン分解性能の測定を行い、結果を表1に示した。
た装置の概略構成を示す系統図である。
器では、乾燥空気を放電管に供給し、無声放電方式によ
ってオゾンを生成させ、NOX除去槽を通過した希釈空
気で希釈して送給した。オゾンガス濃度の調整は放電管
の印可電圧を調整することによって行い、希釈空気で試
験カラム(内径30mmφ)内に流速1m/secが得
られるように流量計1Aで流量調整した。
7g秤取り、上下が、目付60g/m2のポリプロピレ
ン繊維不織布で覆われた内径30mmφのアクリル製サ
ンプル容器に充填した後、ガス流通径30mmφ×60
0mm長のアクリル製カラム4の中央部(裏面部から3
00mm)にセットし、18ppmのオゾンガスを流速
1m/secの条件で通気させ、カラム4の入口と出口
のオゾン濃度を測定し、通気1時間後のオゾン除去率を
求めた。
は、オゾン濃度測定器5により、Beerの法則に基づ
き、低圧水銀ランプ6を光源とする253.7nm波長
域でのオゾンによる紫外線吸収量(光電流)を光電流検
出器8で計測することにより行った。なお、オゾン濃度
を測定するために、ポンプPにより紫外線吸収セル7内
に送り込んだオゾンガスの流量は3L/minであり、
カラム4のサンプル容器3の上流側のオゾンガス流と、
下流側のオゾンガス流とをタイマーと電磁弁V 1,V2
の操作により交互に切り替えることにより、経時毎の入
口オゾン濃度と出口オゾン濃度を測定した。
5の測定結果をCPU9に入力し、入口ガス濃度と出口
ガス濃度を下式に代入することによって求めた。なお、
測定結果は、光量変動分を補正した後、演算を行った。
塩化カリウム添着量は表2に示す通りであった。
均粒子径400μmの呉羽化学工業(株)製の石油ピッ
チ系ビーズ状活性炭(商品名BAC−SPタイプ)を1
0g投入し、30分間静置浸漬した後、減圧吸引濾過器
を用いて脱水し、更に110℃のオーブンにて15分間
乾燥させることにより塩化ナトリウム添着活性炭サンプ
ルを得た。
様にして経時1時間後のオゾン分解性能を調べ、結果を
表1に示した。表1には、得られたサンプルの活性炭に
対する塩化ナトリウム添着量を併記した。
均粒子径400μmの呉羽化学工業(株)製の石油ピッ
チ系ビーズ状活性炭(商品名BAC−SPタイプ)を1
0g投入し、30分間静置浸漬した後、減圧吸引濾過器
を用いて脱水し更に110℃のオーブンにて15分間乾
燥させることにより水酸化カリウム添着活性炭サンプル
を得た。
様にして経時1時間後のオゾン分解性能を調べ、結果を
表1に示した。表1には、得られたサンプルの活性炭に
対する水酸化カリウム添着量を併記した。
平均粒子径400μmの呉羽化学工業(株)製の石油ピ
ッチ系ビーズ状活性炭(商品名BAC−SPタイプ)を
10g投入し、30分間静置浸漬した後、減圧吸引濾過
器を用いて脱水し、更に110℃のオーブンにて15分
間乾燥させることにより、水酸化ナトリウム添着活性炭
サンプルを得た。
様にして経時1時間後のオゾン分解性能を調べ、結果を
表1に示した。表1には、得られたサンプルの活性炭に
対する水酸化ナトリウム添着量を併記した。
粒子径400μmの呉羽化学工業(株)製の石油ピッチ
系ビーズ状活性炭(商品名BAC−SPタイプ)を10
g投入し、30分間静置浸漬した後、減圧吸引濾過器を
用いて脱水し、更に110℃のオーブンにて15分間乾
燥させることにより、炭酸カリウム添着活性炭サンプル
を得た。
様にして経時1時間後のオゾン分解性能を調べ、結果を
表1に示した。表1には、得られたサンプルの活性炭に
対する炭酸カリウム添着量を併記した。
均粒子径400μmの呉羽化学工業(株)製の石油ピッ
チ系ビーズ状活性炭(商品名BAC−SPタイプ)を1
0g投入し、30分間静置浸漬した後、減圧吸引濾過器
を用いて脱水し、更に110℃のオーブンにて15分間
乾燥させる事により、炭酸ナトリウム添着活性炭サンプ
ルを得た。
様にして経時1時間後のオゾン分解性能を調べ、結果を
表1に示した。表1には、得られたサンプルの活性炭に
対する炭酸ナトリウム添着量を併記した。
物との関係を把握するために、合成ゼオライトを吸着剤
の添着担持体として用い、実施例1と同様にして添着加
工を行った。
100mL中に、東ソー(株)製の合成ゼオライト(商
品名A−5)を10g投入し、30分間静置浸漬した
後、減圧吸引濾過器を用いて脱水し、更に110℃のオ
ーブンにて15分間乾燥させることにより、塩化カリウ
ム添着ゼオライトを得た。
様にして経時1時間後のオゾン分解性能を調べ、結果を
表1に示した。表1には、得られたサンプルのゼオライ
トに対する塩化カリウム添着量を併記した。
(株)製の石油ピッチ系ビーズ状活性炭(商品名BAC
−SPタイプ)の未処理非添着状態での潜在的オゾン分
解性能を調べるために、本サンプルをそのまま0.7g
秤取り、実施例1と同様にして経時1時間後のオゾン分
解性能を調べ、結果を表1に示した。
例1〜6のサンプルのうち、最もオゾン分解性能の高か
った塩化カリウム添着活性炭サンプルを用い、再添着に
よる再生実験を行った。
100mL中に平均粒子径400μmの呉羽化学工業
(株)製の石油ピッチ系ビーズ状活性炭(商品名BAC
−SPタイプ)を10g投入し、30分間静置浸漬した
後、減圧吸引濾過器を用いて脱水し、更に110℃のオ
ーブンにて15分間乾燥させることにより、塩化カリウ
ム添着活性炭サンプルを得た。
例1と同様の方法でオゾン分解性能の評価を行って、オ
ゾン通気開始から5分後の初期オゾン除去率を調べ、結
果を表2に示した。
(入口オゾン濃度と出口オゾン濃度が同一になるま
で)、18ppmのオゾンガスを通気させたところ、破
過に到るまでの通気時間は55時間であった。
り出し、サンプル全量を、0.1Nの水酸化カリウム水
溶液に投入し、この水酸化カリウム水溶液が完全に透明
になるまで浸漬排水を繰り返すことにより洗浄した後、
1mol/Lの塩化カリウム水溶液に30分間浸漬する
ことにより、再添着処理を行い、減圧吸引濾過器により
脱水し、その後110℃オーブンにて15分間乾燥させ
ることにより再生サンプルを得た。
と同様にしてオゾン通気開始から5分後の初期オゾン除
去率を調べ、結果を表2に示した。
例7と同様にサンプルが完全に破過するまで18ppm
のオゾンガスを通気させ、破過に到るまでの通気時間を
調べ、結果を表2に示した。
ゾン除去率に対する、本再生サンプルの通気開始5分後
の初期オゾン除去率の割合(百分率)を求め、これを再
生効率として、結果を表2に示した。
ンプルを用い、水浸漬のみによる再生効率の確認を行っ
た。100mLのイオン交換水に実施例8の実験によ
り、完全に破過されたサンプルを全量投入し、1時間浸
漬した後、サンプルが全量回収できるように注意してイ
オン交換水で流水洗浄させながら、減圧吸引濾過器にて
本サンプルを濾過した後、110℃のオーブンにて15
分間乾燥させることにより、再生サンプルを得た。
と同様にしてオゾン通気開始から5分後の初期オゾン除
去率を調べ、結果を表2に示した。
例7と同様にサンプルが完全に破過するまで、18pp
mのオゾンガスを通気させ、破過に到るまでの通気時間
を調べ、結果を表2に示した。
ゾン除去率に対する、本再生サンプルの通気開始5分後
の初期オゾン除去率の割合(百分率)を求め、これを再
生効率として、結果を表2に示した。
い、超音波洗浄による再生効果について実験を行った。
まず、超音波洗浄機に0.1Nの水酸化カリウム水溶液
を満たし、この中に比較例3の実験により完全に破過さ
れたサンプルを全量投入し、本水溶液が完全に透明にな
るまで繰り返し超音波洗浄を施した。次に、洗浄に用い
た0.1Nの水酸化カリウム水溶液を完全に取り除き、
1mol/Lの塩化カリウム水溶液が満たされた超音波
洗浄機に本洗浄済みサンプルを投入し、5分間超音波下
で浸漬添着させた後、減圧吸引濾過器を用いて脱水し
た。その後、110℃オーブンにて15分間乾燥させる
ことにより再生サンプルを得た。
と同様にしてオゾン通気開始から5分後の初期オゾン除
去率を調べ、結果を表2に示した。
例7と同様にサンプルが完全に破過するまで、18pp
mのオゾンガスを通気させ、破過に到るまでの通気時間
を調べ、結果を表2に示した。
ゾン除去率に対する、本再生サンプルの通気開始5分後
の初期オゾン除去率の割合(百分率)を求め、これを再
生効率として、結果を表2に示した。
ウレタンフォームの除膜処理品(商品名 エバーライト
SF QW−12 7t)を用い、これを7mm×25
0mm×250mmに裁断し、この基材に日本エヌエス
シー(株)製の反応性ウレタンホットメルト(商品名
ボンドマスターMR70)を用い45g/Lになるよう
に塗工させた。
ガス吸着剤をフィルター基材の内部まで均一に付着でき
るように表面及び裏面からフィードさせた。次に、余分
なオゾン分解型ガス吸着剤を振るい落とし、150g/
Lのオゾン分解型ガス吸着剤が付着された実施例10の
オゾン分解型ガス吸着剤付着フィルターを得た。
って、結果を表3に示した。
き加工を施した後、オゾンガスとフィルターのガス接触
径が30mmφになるように内径30mmφのアクリル
製試料装着ホルダーにフィルターサンプルを装着させ、
実施例1で用いたものと同様のオゾン分解性能試験器を
用いオゾン濃度18ppm、流速1m/secの条件
下、初期5分後のオゾン除去性能を測定した。
ついては次の実施例11による再生処理による効果確認
を行うために、フィルターのオゾン除去率がゼロになる
まで24時間、オゾンガスを通気させ続けた。
mmの高さから黒紙の上に自由落下させ、添着剤の粉落
ちレベルを目視確認した。
率 アセトアルデヒド脱臭性能効果の確認を行うため、本サ
ンプルを40mmφに打ち抜き、図2のように内径40
mmφ、長さ300mmのアクリル製カラム11の中央
部にサンプル12をセットし、ガス洗浄瓶13を用いた
エアーポンプ14によるバブリング通気法により、1L
/minでワンパス通気することにより、経時60分後
のアセトアルデヒド50ppmの除去率を求めた。アセ
トアルデヒドのガス濃度の調整は95%濃度のアセトア
ルデヒド試薬を水で2/100に希釈して、更にそれを
原液として5/1000に希釈し、このアセトアルデヒ
ド溶液15の200ccをガス洗浄瓶13に秤採り、測
定時の初期ガス濃度が50ppmとなるようにした。ガ
スの検出には(株)ガステック製のガス検知管No.9
2Mを用い、入口側の三方コック16部分で入口ガス濃
度を検出し、出口側の三方コック17で出口ガス濃度を
検出した。
UL−94燃焼試験を行った。
OH水溶液に浸漬させ、水溶液中の汚れが目立ってきた
ら溶液を取り替え、本水溶液が透明状態になるまで洗浄
を繰り返した。
KOH水溶液から取り出し、次に1mol/LのKCl
水溶液中に30分間浸漬させた後、脱水し、110℃で
5分間の乾燥処理を施すことにより、再生処理フィルタ
ーを得た。
復率を把握するために、オゾン濃度18ppm、流速1
m/secの実施例10と同一条件下で初期5分後のオ
ゾン分解性能評価を行い、結果を表3に示した。
オゾン除去率に対する、本再生サンプルの通気開始5分
後の初期オゾン除去率の割合(百分率)を求め、これを
再生効率として、結果を表3に示した。
ダー成分として(株)イーテック製アクリルエマルジョ
ン(商品名AE932)を60g投入し、よく撹拌した
後、200gの呉羽化学工業(株)製の石油ピッチ系ビ
ーズ状活性炭(商品名BAC−SPタイプ)を投入し、
30分間撹拌しながら浸漬することによりKClを添着
させた。その後、減圧吸引濾過器を用いて本バインダー
分散液を脱水し、完全に乾燥するように110℃で乾燥
させた。
型ガス吸着剤をフィルター基材に固着させフィルター化
するため、フィルター基材として(株)ブリヂストン製
ポリエーテル系ウレタンフォームの除膜処理品(商品名
エバーライトSF QW−12 7t)を用い、これ
を7mm×250mm×250mmに裁断した後、日本
エヌエスシー(株)製の反応性ウレタンホットメルト
(商品名 ボンドマスターMR70)を用いて45g/
Lになるように塗工させた。
添着活性炭をフィルター基材の内部まで均一に付着でき
るように表面及び裏面からフィードさせ、次に余分な活
性炭を振るい落とすことにより153g/Lのオゾン分
解型ガス吸着剤が付着されたフィルターを得た。
と同様の方法にて初期5分後のオゾン分解性能評価を行
うと共に、添着薬剤の脱離レベルを調べ、結果を表3に
示した。
%,KCl9.5%,KOH0.07%を溶解させ、こ
の混合溶液中に呉羽化学工業(株)製の石油ピッチ系ビ
ーズ状活性炭(商品名BAC−SPタイプ)200gを
撹拌しながら投入し、浸漬添着させた。その後、減圧吸
引濾過器を用いて本混合水溶液を脱水し、完全に乾燥す
るように110℃で乾燥させることにより、p−アミノ
フェニル酢酸とKClの混合添着活性炭を得た。
せてフィルター化するために、フィルター基材として7
mm×250mm×250mmに裁断した(株)ブリヂ
ストン製ポリエーテル系ウレタンフォームの除膜処理品
(商品名 エバーライトSFQW−12 7t)を用
い、これにバインダーとして日本エヌエスシー(株)製
の反応性ウレタンホットメルト(商品名 ボンドマスタ
ーMR70)を用いて45g/Lになるように塗工さ
せ、その後、前述の添着活性炭を本バインダー加工後の
フィルターの表裏面からフィード加工することにより均
一に付着させ、最後に余剰の添着活性炭を振るい落とす
ことによりオゾン分解型ガス吸着剤が付着されたフィル
ターを得た。
施例10と同様の方法で初期5分後のオゾン分解性能評
価を行うと共に、アセトアルデヒド脱臭性能効果の確認
を行い、結果を表3に示した。
ウレタンフォームの除膜処理品(商品名 エバーライト
SF QW−12 7t)を用い、これを7mm×25
0mm×250mmに裁断し、この基材に日本エヌエス
シー(株)製の反応性ウレタンホットメルト(商品名
ボンドマスターMR70)を用い45g/Lになるよう
に塗工させた。
ターの表裏面から呉羽化学工業(株)製の石油ピッチ系
ビーズ状活性炭(商品名BAC−SPタイプ)をフィー
ドすることにより活性炭を均一に付着させ、最後に余剰
の活性炭を振るい落とすことにより未添着の活性炭付着
フィルターを得た。
0と同様の方法で初期5分後のオゾン除去性能の評価を
行うと共に、アセトアルデヒド脱臭性能効果の確認及び
UL−94燃焼試験を行い、結果を表3に示した。
剤としてNH4Brを160g投入し充分に溶解させた
後、この混合溶液中に比較例4と同様にして作製した活
性炭付着活性炭フィルター(サイズ7mm×250mm
×250mm)を30分間浸漬させ、その後、本サンプ
ルを脱水し、110℃雰囲気で完全乾燥させることによ
り実施例14のサンプルを得た。
の方法で初期5分後のオゾン除去性能の評価を行うと共
に、UL−94燃焼試験を行い、結果を表3に示した。
ゾンガス分解性能及びガス吸着性能に優れ、しかも再生
により繰り返し使用可能なオゾン分解型ガス吸着剤及び
フィルター材が提供され、使用後のオゾン分解型ガス吸
着剤又はフィルター材を高い再生効率で再生して、繰り
返し使用することが可能となる。
方式の空気清浄機用の他、半導体産業等で用いるスーパ
ークリーンルーム用のフィルター材等の広範な分野に有
効であり、オゾン分解型ガス吸着剤及びフィルター材の
再生により、リサイクル,リユース,リデュースの面で
多彩な活用が期待される。
定装置の概略構成を示す系統図である。
臭性能の測定装置の概略構成を示す系統図である。
Claims (29)
- 【請求項1】 炭素原子を含む多孔質吸着物質の表面及
び/又は内部に、アルカリ金属の塩及びアルカリ金属の
水酸化物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のア
ルカリ金属化合物を添着してなるオゾン分解型ガス吸着
剤。 - 【請求項2】 請求項1において、該アルカリ金属化合
物がLiCl、NaCl、KCl、LiOH、NaO
H、KOH、Li2CO3、Na2CO3、及びK2C
O3よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であるこ
とを特徴とするオゾン分解型ガス吸着剤。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、該多孔質吸着
物質が、石油ピッチ系活性炭、椰子柄活性炭、活性炭繊
維、石炭系活性炭、木質系活性炭、古タイヤ再生活性炭
及び骨炭よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であ
り、その形状が、破砕状、粉末状、ペレット状、球状、
楕円球状、及び繊維状よりなる群から選ばれる1種又は
2種以上であることを特徴とするオゾン分解型ガス吸着
剤。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
て、該多孔質吸着物質の平均粒子径が5〜5000μm
であることを特徴とするオゾン分解型ガス吸着剤。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
て、該アルカリ金属の添着量が、該多孔質吸着物質に対
して0.1〜30重量%であることを特徴とするオゾン
分解型ガス吸着剤。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
て、該多孔質吸着物質の吸着比表面積が500g/m2
以上であることを特徴とするオゾン分解型ガス吸着剤。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項におい
て、該多孔質吸着物質が80重量%以上のJIS K1
474−4・7硬度を有することを特徴とするオゾン分
解型ガス吸着剤。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項におい
て、該多孔質吸着物質を該アルカリ金属化合物の水溶液
中に浸漬するか、或いは該多孔質吸着物質に該アルカリ
金属の水溶液を噴霧することにより、該多孔質吸着物質
にアルカリ金属化合物を添着してなることを特徴とする
オゾン分解型ガス吸着剤。 - 【請求項9】 請求項8において、該アルカリ金属化合
物の水溶液が、ラテックス、ホットメルトパウダー、及
び水分散型エマルジョンよりなる群から選ばれる1種又
は2種以上のバインダー成分を含むことを特徴とするオ
ゾン分解型ガス吸着剤。 - 【請求項10】 請求項8又は9において、該アルカリ
金属化合物の水溶液が、アミノフェニル酢酸、2−アミ
ノエタン−1−スルホン酸及びリンゴ酸よりなる群から
選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とするオゾ
ン分解型ガス吸着剤。 - 【請求項11】 請求項8ないし10のいずれか1項に
おいて、該アルカリ金属化合物の水溶液が無機系難燃剤
を含むことを特徴とするオゾン分解型ガス吸着剤。 - 【請求項12】 請求項8ないし11のいずれか1項に
おいて、該アルカリ金属化合物の水溶液中のアルカリ金
属化合物の濃度が0.1〜10mol/Lであることを
特徴とするオゾン分解型ガス吸着剤。 - 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれか1項に
記載のオゾン分解型ガス吸着剤を、フィルター基材の表
面及び/又は内部に担持してなることを特徴とするフィ
ルター材。 - 【請求項14】 請求項13において、該フィルター基
材が、ポリウレタンフォーム、ポリオレフィンフォー
ム、セラミックフォーム、メタルフォーム等のフォーム
状、該フォームの加工品、ポリアミド、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエ
チレン等の有機繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、及
び紙よりなる群から選ばれる1種又は2種以上よりなる
ことを特徴とするフィルター材。 - 【請求項15】 請求項13又は14において、該フィ
ルター基材が、三次元網状骨格構造を有するもの、ネッ
ト状のもの、ひだ状に成型加工されたプリーツ形状のも
の、コルゲート加工されたシートを積層し断面裁断加工
したもの、ハニカム構造を有するもの、繊維を三次元状
に編み上げた立体構造を有するネット状のもの、複数の
繊維を束ねて撚って平面幾何学的に織り込んだネット状
のもの、縦横両軸延伸加工を施したネット状のもの、並
びにメルトブロー又はスパンボンド製法にて作られた不
織布状のものよりなる群から選ばれる1種の単一構造或
いは2種以上の複合構造であることを特徴とするフィル
ター材。 - 【請求項16】 請求項13ないし15のいずれか1項
において、該フィルター基材にバインダー成分により前
記オゾン分解型ガス吸着剤を付着させたことを特徴とす
るフィルター材。 - 【請求項17】 請求項16において、該フィルター基
材の表面及び/又は内部の骨格上にバインダー成分を付
着させた後、このバインダー成分を介して前記オゾン分
解型ガス吸着剤を該基材に付着させたことを特徴とする
フィルター材。 - 【請求項18】 請求項13ないし15のいずれか1項
において、該フィルター基材にバインダー成分により前
記多孔質吸着物質を付着させた後、前記アルカリ金属化
合物を添着させたことを特徴とするフィルター材。 - 【請求項19】 請求項16において、前記オゾン分解
型ガス吸着剤とバインダー成分とを含む液中に、該フィ
ルター基材を含浸させた後乾燥することにより、該基材
に前記オゾン分解型ガス吸着剤を付着させたことを特徴
とするフィルター材。 - 【請求項20】 請求項16において、前記アルカリ金
属化合物、多孔質吸着物質及びバインダー成分を含む液
中に、該フィルター基材を含浸させた後乾燥することに
より、該基材に前記オゾン分解型ガス吸着剤を付着させ
たことを特徴とするフィルター材。 - 【請求項21】 請求項16ないし20のいずれか1項
において、該バインダー成分が、湿気反応型ウレタン系
プレポリマー、合成ゴム系接着剤、変成シリコーン系プ
レポリマー及びこれらのホットメルトタイプ、ウレタン
系エマルジョン、エポキシ系バインダー、酢酸ビニル系
バインダー、アクリル系バインダー、ポリオレフィン系
バインダー、SBR系バインダー、NBR系バインダ
ー、及びクロロプレン系バインダーよりなる群から選ば
れる1種又は2種以上であることを特徴とするフィルタ
ー材。 - 【請求項22】 請求項13ないし21のいずれか1項
において、更に無機系難燃剤を付着させたことを特徴と
するフィルター材。 - 【請求項23】 請求項1ないし12のいずれか1項に
記載のオゾン分解型ガス吸着剤又は請求項13ないし2
2のいずれか1項に記載のフィルター材を再生する方法
であって、 該オゾン分解型ガス吸着剤又はフィルター材に、アルカ
リ金属の塩及びアルカリ金属の水酸化物よりなる群から
選ばれる1種又は2種以上のアルカリ金属化合物を添着
させることを特徴とするオゾン分解型ガス吸着剤又はフ
ィルター材の再生方法。 - 【請求項24】 請求項23において、該オゾン分解型
ガス吸着剤又はフィルター材をアルカリ性の洗浄液で洗
浄した後、該アルカリ金属化合物を添着することを特徴
とするオゾン分解型ガス吸着剤又はフィルター材の再生
方法。 - 【請求項25】 請求項24において、該アルカリ性の
洗浄液中に含まれるアルカリ物質が、LiCl、NaC
l、KCl、LiOH、NaOH、KOH、Li2CO
3、Na2CO3、及びK2CO3よりなる群から選ば
れる1種又は2種以上であることを特徴とするオゾン分
解型ガス吸着剤又はフィルター材の再生方法。 - 【請求項26】 請求項24又は25において、該アル
カリ性の洗浄液中に含まれるアルカリ物質の濃度が0.
001〜1.0mol/Lであることを特徴とするオゾ
ン分解型ガス吸着剤又はフィルター材の再生方法。 - 【請求項27】 請求項24ないし26のいずれか1項
において、アルカリ性の洗浄液を超音波により振動させ
て、該オゾン分解型ガス吸着剤又はフィルター材を洗浄
することを特徴とするオゾン分解型ガス吸着剤又はフィ
ルター材の再生方法。 - 【請求項28】 請求項23ないし27のいずれか1項
に記載の方法により再生されたオゾン分解型ガス吸着剤
再生品。 - 【請求項29】 請求項23ないし27のいずれか1項
に記載の方法により再生されたフィルター材再生品。
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