JP3542001B2 - ガスの処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
近年、イオン交換ケミカルフィルタが半導体業界を始めとする精密電子産業のクリーンルームで使用されている。本発明はこのケミカルフィルタに由来する環境の汚染を防止するためのものである。
【0002】
【従来の技術】
空気中のガス成分を除去するケミカルフィルタとして活性炭粒子や活性炭素、またそれらに酸やアルカリを添着したフィルタが知られている。その他の担体に酸化物や金属を担持したフィルタも知られている。イオン交換体を用いたケミカルフィルタはppbレベルのガス成分の除去率が高いばかりでなく、被吸着物の再放出がないので、近年特に半導体関連業界で使用され始めた。
ケミカルフィルタに用いるイオン交換体の形状としては除去率が高く、軽量で成型加工が容易な不織布や織布にしたものがよく使われている。イオン交換基はスルホン基やカルボキシル基などのカチオン交換基、第4級アンモニウム基、3級アミノ基などのアニオン交換基などが利用されている。
【0003】
この中で、第4級アンモニウム基を有する強塩基性アニオン交換繊維は、塩基度が高く酸性ガスに対する除去性能が優れているが、他の3級・2級アミノ基に比べ不安定であり、第4級アンモニウム化に使用したアミン類の放出を招きやすい。この現象はHofmann分解と呼ばれ、イオン交換樹脂の分野では良く知られている。従って、純水や超純水製造分野においては、強塩基性陰イオン交換樹脂の使用にあたっては数々の工夫がなされてきた。
イオン交換樹脂は一般的に乾燥状態の方が不安定であり、その中でも強塩基性陰イオン交換樹脂を再生型で空気中で使用する場合には種々問題がある。特に、半導体産業のような精密産業では、ウエハーの表面などを汚染することが懸念される。
従って、従来は第4級アンモニウム基を有する強塩基性アニオン交換体の代わりに3級アミンなどの低級アミンをイオン交換基とした弱塩基性アニオン交換体を用いる場合が多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、酸性ガスに対する除去性能が優れている第4級アンモニウム基を有する強塩基性アニオン交換体から構成されたものであっても、それから放出されるアミンなどの影響がないようにしたケミカルフィルタを提供することを目的とするものである。
さらに、本発明は、酸性ガスに対する除去性能が優れている第4級アンモニウム基を有する強塩基性アニオン交換体から構成されたものであっても、高純度の精製を行い得て、半導体産業のような精密産業に使用できるケミカルフィルタを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、 ガスを、少なくとも第4級アンモニウム基を有するイオン交換体層のガスの流通方向についての上流側及び下流側に強酸性カチオン交換体層をそれぞれ設置したイオン交換体ケミカルフィルタに流通せしめ、ガス中のアミン成分を上流側の強酸性カチオン交換体層で除去し、第4級アンモニウム基を有するイオン交換体層で発生するアミン成分を下流側の強酸性カチオン交換体層で除去することを特徴としている。ガスの流通方向について下流側に強酸性カチオン交換体層があれば、少なくとも第4級アンモニウム基を有する強塩基性イオン交換体層より放出されたアミンはここで吸着除去される。
【0006】
また、前記少なくとも第4級アンモニウム基を有するイオン交換体層のガスの流通方向についての上流側にも強酸性カチオン交換体層を設置した前記イオン交換体ケミカルフィルタを用い、アミン成分を上流側の強酸性カチオン交換体層でも除去することを特徴の一つとしている。通常、第4級アンモニウム基を有する強塩基性イオン交換体層の上流側にまでアミン成分が拡散することはないと考えられているが、建設時や定期点検時などにおいては、イオン交換体ケミカルフィルタの取付け・取り外し時に上流側にまでアミンが拡散するのが普通である。上流側に強酸性カチオン交換体層を置くことにより、上流側に拡散するアミン成分をも吸着除去することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
強酸性カチオン交換体層のイオン交換基としては中性塩分解容量を有するスルホン基、リン酸基より選ばれたものが必要である。弱酸性のカルボキシル基ではアミン成分の吸着除去に不十分である。
イオン交換体ケミカルフィルタの構成材料の形状としては繊維、繊維の集合体である織布、不織布、空隙性材料のうちより選ばれたものであると、ケミカルフィルターとしての性能を十分発揮し、また本発明の効果も良く発揮することができて好ましい。
本発明を適用するにあたっては、一つのイオン交換体ケミカルフィルタのフィルタ部を本発明の要件を満たすように複層の構成としてもよいし、別のケミカルフィルタを複数設置してもよい。
【0008】
第4級アンモニウム基を有するイオン交換体層としては、不織布からなるものを用いるのが好ましく、その層の厚さとしては、不織布の場合には厚さでは表わすよりは、目付の量で表わすのが一般的である。第4級アンモニウム基を有するイオン交換体の種類としては、既に知られているものを用いることができる。
また、強酸性カチオン交換体層としては、不織布からなるものを用いるのが好ましく、それを構成する強酸性カチオン交換体の種類としては、既に知られているものを用いることができる。
【0009】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
目付113g/m2 、中性塩分解容量2.2meq/gの強塩基性アニオン交換繊維よりなる不織布の上下を目付185g/m2 、中性塩分解容量2.5meq/gのスルホン基を有する強酸性カチオン交換繊維不織布ではさみ、10cm平方のフィルタ枠に取付け、風速0.3m/秒でクリーンエアを通した。フィルタ出口側の空気を200ml/分の流量で超純水を入れたインピンジャーに連続的に1週間吸収させたところ、TOC濃度は30ppbであった。
一方、下流側の強酸性カチオン交換繊維よりなる不織布を除いただけで他の条件は同一でTOC濃度を測定したところ1160ppbであった。また吸収液のpHは9.6であり、明らかにアルカリ成分のトリメチルアミンが吸収された結果であった。
【0010】
【発明の効果】
本発明により、強塩基性陰イオン交換繊維をケミカルフィルタとして使用した場合に放出される微量のアミン成分を効果的に除去することができ、ろ過ガスとして高純度のガスが得られるので、半導体業界を始めとする精密電子産業に使用しても供給する空間や環境を汚染することがないし、また精製効率の良い強塩基性陰イオン交換体をフィルタに使用できるために、酸性ガスを効率よく除去できるという利点も有する。
Claims (3)
- ガスを、少なくとも第4級アンモニウム基を有するイオン交換体層のガスの流通方向についての上流側及び下流側に強酸性カチオン交換体層をそれぞれ設置したイオン交換体ケミカルフィルタに流通せしめ、ガス中のアミン成分を上流側の強酸性カチオン交換体層で除去し、第4級アンモニウム基を有するイオン交換体層で発生するアミン成分を下流側の強酸性カチオン交換体層で除去することを特徴とするガスの処理方法。
- 前記イオン交換体ケミカルフィルタの前記強酸性カチオン交換体層のイオン交換基がスルホン基、リン酸基より選ばれたものであることを特徴とする請求項1記載のガスの処理方法。
- 前記イオン交換体ケミカルフィルタの前記イオン交換体及び/又は前記強酸性カチオン交換体の形状が繊維、繊維の集合体である織布、不織布、空隙性材料のうちより選ばれたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のガスの処理方法。
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1996
- 1996-09-05 JP JP23542396A patent/JP3542001B2/ja not_active Expired - Fee Related
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