JPH06126123A - 排ガス吸収装置 - Google Patents
排ガス吸収装置Info
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Abstract
中の酸、アルカリ、反応生成物などを捕捉分離する。 【構成】 ガス排出側に繊維状イオン交換体からなるフ
ィルターを装着する。通常のアルカリ性排ガスや酸性排
ガスに対しては、交換基として−SO3 Hを有する繊維
状陽イオン交換体および/またはCOOHを有する繊維
状陽イオン交換体、あるいは第四級アンモニウム基を有
する繊維状陰イオン交換体を単独で使用する。必要に応
じ、これらの繊維状イオン交換体を組合わせて使用する
こともできる。さらに、フィルターに向けて吸収液を散
布するイオン交換体再生用の第2の吸収液散布管を設け
るとよい。
Description
属、エネルギー、その他の多くの産業分野で広く採用さ
れている、酸またはアルカリ水溶液を吸収液として排ガ
ス中の目的物質を吸収除去する排ガス吸収装置に関す
る。この目的物質は、有害物質であると有用物質である
とを問わない。
中の目的物質を吸収液中に吸収させるために、下部から
目的物質を含む排ガスを送入し、上部から流下させた吸
収液と向流接触させる充填塔、段塔、スプレー塔類、微
粒化した吸収液と排ガスとを並流接触させるスクラバー
類、液中に排ガスを吹込む気泡塔などがあげられる。こ
れらの装置は、いづれも処理を終えた排出ガス中に吸収
液の微小なミストを含んでいる。このミストは、残留す
る酸またはアルカリや、目的物質と反応して生成した塩
類を含んでいて、排出ガスとともにそのまま外部に放出
するために問題がある。そこで、ガスの排出側に金網な
どのデミスターを取付けたり、塔高や塔径を大きくして
ミストの分離除去を図っていた。
は、これら排ガス吸収装置から同伴されるミストを物理
的手段によって分離するものであって、ミスト中に含ま
れる酸、アルカリ、反応生成物などを確実に捕捉除去す
ることは極めて困難である。しかも、従来のミスト分離
方法は、分離効率の割に設備費が高い。本発明者は、ミ
ストおよびミスト中に含まれる酸、アルカリのみでな
く、反応生成物である中性塩なども捕捉分離する方法を
研究の結果、本発明を完成したものである。
カリ水溶液を吸収液とする排ガス吸収装置において、ガ
スの排出側に繊維状イオン交換体からなるフィルターを
装着することを特徴とする排ガス吸収装置を提供する。
前記の繊維状イオン交換体の再生手段として、前記のフ
ィルターに向け、排ガス中の目的物質を吸収するための
吸収液散布管に加えて、第2の吸収液散布管を設けるこ
とが好ましい。さらに、この装着するフィルターを2段
に構成し、吸収液の種類により排出ガスの上流側に (1)交換基として−SO3 Hを有する繊維状陽イオン
交換体および/または交換基としてCOOHを有する繊
維状陽イオン交換体、または、(1´)交換基として第
四級アンモニウム基を有するOH型の繊維状陰イオン交
換体、からなる第1段のフィルターを配設し、下流側に (2)交換基として−SO3 H基を有する繊維状強酸性
陽イオン交換体と交換基として第四級アンモニウム基を
有する繊維状強塩基性陰イオン交換体とを混合してなる
第2段のフィルターを配設するとよい。
目的物質が分離された排出ガス中に同伴されるミストな
どを、従来は、前記の物理的な手段で分離していたのに
対し、本発明の排ガス吸収装置においては、繊維状イオ
ン交換体からなるフィルターを用いて、物理的、かつ化
学的な手段で分離するものである。本発明の排ガス吸収
装置について、実施態様例をあげつつ、具体的に説明す
る。
溶液を吸収液とする排ガス吸収装置の種類としては、前
記の充填塔、段塔、スプレー塔類、スクラバー類、気泡
塔、気泡攪拌槽などがあげられる。
公知の強酸性陽イオン交換繊維、弱酸性陽イオン交換繊
維、I型およびII型の強塩基性陰イオン交換繊維また
は弱塩基性陰イオン交換繊維などからなる繊維状成形体
を使用できるが、排ガス中の目的物質の特性、使用する
吸収液の種類、排出ガスの線速度などの使用条件によっ
て選定し、必要によって複数のものを組合わせて使用す
る。通常のアルカリ性排ガスや酸性排ガスに対しては、
交換基として−SO3 Hを有する繊維状陽イオン交換体
および/またはCOOHを有する繊維状陽イオン交換
体、あるいは第四級アンモニウム基を有する繊維状陰イ
オン交換体を単独で使用することができる。しかし、必
要に応じこれらの繊維状イオン交換体を組合わせて使用
することもできる。たとえば、アルカリ性排ガスのアル
カリ成分の除去を目的とする場合には、第1段のフィル
ターとして、上流側に−SO3 Hを有する繊維状陽イオ
ン交換体および/またはCOOHを持つ繊維状陽イオン
交換体を配設し、第2段のフィルターとして、下流側に
−SO3 H基を有する繊維状強酸性イオン交換体と、こ
れと等交換容量の第四級アンモニウム基をもつ繊維状強
アルカリ性陰イオン交換体とを混合して配設すると好適
である。一方、酸性排ガスの酸成分の除去を目的とする
場合、第1段のフィルターとして、上流側に第四級アン
モニウム基をもつOH型の繊維状陰イオン交換体を配設
し、第2段のフィルターとして、下流側に−SO3 H基
を持つ繊維状陽イオン交換体と第四級アンモニウム基を
もつ繊維状陰イオン交換体とを混合して配設するとよ
い。両者の混合比は、通常、等交換容量であることがが
好ましい。
状陰イオン交換体で構成されるフィルターは、イオン交
換能がブレークポイントに達しても、通常、吸収液中の
余剰の酸またはアルカリで容易に再生することが可能で
ある。もともと排ガス吸収装置に設けられている吸収液
の散布管とは別に、イオン交換体の再生用として、フィ
ルターに向けて吸収液を散布する第2の吸収液散布管を
設けることが好ましい。すなわち、アルカリ性排ガスを
処理する場合は、フィルターに陽イオン交換体を、吸収
液として酸性液を使用するので、吸収液をそのまま陽イ
オン交換体の再生液として使用することができる。同様
にして、アルカリ性排ガスを処理する場合は、吸収液の
アルカリ性溶液を、陰イオン交換体の再生液として使用
することができる。もちろん、通常使用する再生液を散
布してもよい。フィルターを2段に設けた場合には、第
1段と第2段のフィルターの中間に、第2の吸収液散布
管を第1段のフィルターに向けて設けるとよい。散布管
の形状は、吸収液が万遍なくフィルターに散布されるよ
うに形成することが望ましい。中性塩類の分解を目的と
するフィルター、たとえば前記の第2段のフィルターに
使用する繊維状強酸性イオン交換体、繊維状強塩基性イ
オン交換体の混合体は、一般に長期使用に耐えるので、
カートリッジ交換型にしておくと便利である。
としての形状は、排出ガスが均一に流れ、排出ガス中の
ミストを物理的にも有効に捕捉できることが要求され
る。繊維状イオン交換体は、長繊維でも短繊維、あるい
は複合繊維でもよく、繊維状イオン交換体からなるフィ
ルターの形状もトウ、フェルト、不繊布、織物、編物あ
いはこれらの成型品でもよい。また、繊維状イオン交換
体以外の担体となる繊維などに交絡させ、または接着し
たものでもよく、当然適当な支持体を使用することもで
きる。
あげ、図面で説明する。図1は、本発明の排ガス吸収装
置の一例を示す概念図である。この実施態様例は充填塔
1を用いたものであって、排ガス配管2から送風機3を
用いて充填層4に排ガスを送入する。充填塔1の底部は
吸収液溜め5を形成し、吸収液循環ポンプ6を用いて吸
収液を第1の吸収液散布管7から充填層4上部に散布
し、排ガスと向流接触させ、排ガス中の目的成分を吸収
液に吸収させている。目的成分の吸収を終えた排出ガス
は、塔頂部に設けられた第1段のフィルター8と第2段
のフィルター9を通過し、同伴するミストを捕捉分離す
るとともに、第1段のフィルター8ではミスト中に含ま
れている酸またはアルカリをイオン交換して捕捉する。
第2段のフィルター9では主に排ガス中の成分と吸収液
との反応によって生成した塩類を分解捕捉する。第1段
のフィルター8と第2段のフィルター9との間には第2
の吸収液散布管10が第1のフィルター8に向けて設け
られている。第1のフィルター8を構成する繊維状イオ
ン交換体がブレークポイントに近接すると第2の吸収液
散布管10から吸収液を散布してこれを再生することが
できる。11は排気管である。
あげて具体的に説明する。図1に示したのと同様の既設
の排ガス吸収塔(充填塔)を使用して、200ppmの
アンモニアガスを含むアルカリ性排ガス処理を行った。
この吸収塔は、排ガスの処理能力100Nm3 /hr、
塔内流速が0.3m/secに設計されていた。吸収塔
の頂部に、排出ガス上流側の第1段のフィルターとし
て、目付密度0.1、厚さが2mmのフェルト状に形成
された強酸性陽イオン交換繊維を、下流側には、厚さが
5mmのカートリッジタイプに形成されたフェルト状の
強酸性陽イオン交換繊維と強塩基性イオン交換繊維との
等交換容量混合体を装着した。1段目と2段目のフィル
ターのと間に、第2の吸収液散布管を設けた。
まれる状態で、第1段のフィルターを通過した排出ガス
を導出、冷却し、ミスト分を捕捉して溶存塩類を測定し
たところ、4ppm以下を示し、かつpH値は5.0〜
6.0であった。同様にして、排出ガス中の塩類濃度も
測定を繰返したが、その濃度は、吸収液中の硫酸が排ガ
ス中のアンモニアと中和して飽和に近ずいても、上記と
同様の値を示した。これは、第2段のイオン交換繊維が
ミスト中に含まれる中性塩を分解し、イオン交換除去機
能を持っているものと考えられる。第1段のフィルター
がブレークポイントに達した状態で、第2の吸収液散布
管から、第1段のフィルターに吸収液を散布した。フィ
ルターを構成する強酸性陽イオン交換繊維は、吸収液に
含まれる余剰の硫酸で繰返し使用することが可能な状態
に再生された。第2段のフィルターも長期に亘って使用
可能な状態であった。
ミストに含まれて同伴する酸、アルカリなどの吸収液の
みでなく、反応生成物である中性塩類をも分離除去する
ことができる。たとえ、フルターから排出ガスへとミス
トが移行してもミスト中には酸、アルカリ性成分はもと
より中性塩類も存在しない。したがって、排出ガス中ま
れるミストが、周辺地域に落下しても従来のように構造
物を変色、腐蝕させたり、農耕地や山林などの自然環境
へ影響をおよぼすことを防止できる。また、排出ガス中
の有用成分を回収する場合にも、それらの成分の同伴を
防止できるのである。そして、従来、排ガス吸収装置に
設けられていたミスト飛散防止のための排気筒などは必
要でなくなり設備費の低減に役立つ。
図。
プ 7:第1の吸収液散布管 8:第1段のフィル
ター 9:第2段のフィルター 10:第2の吸収
液散布管 11:排気管
Claims (3)
- 【請求項1】酸またはアルカリ水溶液を吸収液とする排
ガス吸収装置において、ガスの排出側に、繊維状イオン
交換体からなるフィルターを装着することを特徴とす
る、排ガス吸収装置。 - 【請求項2】前記の繊維状イオン交換体の再生手段とし
て、前記のフィルターに向け、第2の吸収液散布管を設
けることを特徴とする、請求項1に記載の排ガス吸収装
置。 - 【請求項3】前記のフィルターを2段に構成し、吸収液
の種類により排出のガス上流側に、 (1)交換基として−SO3 Hを有する繊維状陽イオン
交換体および/または交換基としてCOOHを有する繊
維状陽イオン交換体、または、(1´)交換基として第
四級アンモニウム基を有するOH型の繊維状陰イオン交
換体、からなる第1段のフィルターを配設し、下流側に (2)交換基として−SO3 H基を有する繊維状強酸性
陽イオン交換体と交換基として第四級アンモニウム基を
有する繊維状強塩基性陰イオン交換体とを混合してなる
第2段のフィルターを配設することを特徴とする、請求
項1または2に記載の排ガス吸収装置。
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JP27728092A JP3352476B2 (ja) | 1992-10-15 | 1992-10-15 | 排ガス吸収装置 |
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1992
- 1992-10-15 JP JP27728092A patent/JP3352476B2/ja not_active Expired - Fee Related
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