JPH1012703A - 移換え装置 - Google Patents

移換え装置

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JPH1012703A
JPH1012703A JP16197396A JP16197396A JPH1012703A JP H1012703 A JPH1012703 A JP H1012703A JP 16197396 A JP16197396 A JP 16197396A JP 16197396 A JP16197396 A JP 16197396A JP H1012703 A JPH1012703 A JP H1012703A
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JP16197396A
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Yoshiyuki Matsuo
佳幸 松尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエハの移換え動作を簡略化して移換え時間
を短縮する。 【解決手段】 移換え動作の初期状態では、ウエハ37
が載置された収納部材39は空の保持部材38よりも鉛
直方向V上方に配置される。保持部材38は、収納部材
39の内部空間を鉛直方向Vに通過可能である。移動機
構35は、初期状態から載置台33を鉛直方向上向きV
1に上昇移動させ、その上に載置される保持部材38を
収納部材39の内部空間を通過させて該部材39よりも
鉛直方向V上側に至るまで上昇移動させる。保持部材3
8は収納部材39の内部空間を通過するとき、この内部
空間に保持されるウエハ37を下方から支持し、持上げ
て部材39から取外す。これによってウエハ37は保持
部材38に移換えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、たとえばウエハを
用いて半導体回路素子を製造する半導体回路素子製造ラ
インにおいて使用される移換え装置に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路(IC)および大規模集積回路
(LSI)の製造工程ラインでは、一般的にウエハと呼
ばれる珪素(Si)の単結晶の円板上に同一の回路素子
が複数個まとめて生成される。この製造工程では、各回
路素子の構造に応じて、ウエハ上に予め定める平面形状
をそれぞれ有する物質層が複数層積層されて形成され
る。
【0003】各物質層の製造工程を以下に示す。まずウ
エハに対し酸化・拡散処理を施して所望の材質の薄膜を
形成する。次いで、フォソリソグラフィ処理を施して、
所望の材質の薄膜の所望の部分だけをフォトレジストで
覆う。続いてこれら薄膜が形成されたウエハに対しエッ
チング処理を施して、薄膜のうちフォトレジストで覆わ
れていない残余の部分を除去する。最後に予め定める化
学処理でフォトレジストを除去する。これによって、ウ
エハ上には所望の材質で所望の形状を有する物質層が形
成される。製造工程では、このような一連の処理工程を
各物質層毎に繰返す。これによって、複数の物質層が所
望の順で積層されて半導体素子が形成される。
【0004】たとえば工場の製造工程ライン上において
ウエハが加工されるとき、ウエハは複数枚ずつ同時に上
述した処理が施される。これら複数のウエハは、ウエハ
キャリアと称される収納部材に収納されて、ライン上を
搬送される。かつ各ウエハは、各処理をを施すための装
置に該ウエハを収納した収納部材ごと挿入され、装置内
に密閉される。したがって、ウエハに対して予め定める
処理が施されると、収納部材もウエハが受ける処理の影
響を受ける。収納部材は、これら処理を施されたときに
破損および変形してウエハを保持することができなくな
ることを防止するために、各処理に対する耐久性を有す
る材料で構成される。
【0005】上述した製造工程ラインにおいて、各処理
を行う装置間を搬送されるとき、ならびにフォトリソグ
ラフィ処理、エッチング処理、および化学処理を行う工
程においてウエハを収納載置する収納部材の材料として
は、たとえばテフロン(ポリテトラフルオロエチレン)
が多く用いられる。テフロン製の収納部材は、上述した
各処理工程内での各過程に対する耐久性、および各処理
で用いられる薬品に対する耐薬品性が充分あり、各処理
の影響によって破損および変形することがない。
【0006】上述した半導体回路素子の製造工程におい
て、薄膜を形成する酸化・拡散処理を行う処理工程で
は、ウエハをたとえば800度以上の高温に加熱する。
前述したテフロン製の収納部材は、耐熱温度が約250
度であるので、酸化・拡散処理が行われる装置内にウエ
ハとともに挿入してウエハを保持させることは困難であ
る。ゆえに酸化・拡散工程においては、拡散用ボートと
称される別の材質の載置部材が用いられる。この拡散用
載置部材の材料としては、耐熱性が高い高純度の石英お
よび炭化珪素(SiC)が用いられる。ゆえに、素子製
造工程ラインにおいて、ウエハに対し酸化・拡散処理を
施す前および施した後において、テフロン製の収納部材
と拡散用の載置部材との間でウエハを移換える必要があ
る。
【0007】図7は従来技術であるウエハの移換え装置
1の構成を簡略化して示す模式図である。この移換え装
置1では、ウエハ3をウエハキャリアである収納部材4
から拡散用ボートである保持部材5に移換える。ウエハ
3は略円板状の部材であり、一方端部にオリフラ(オリ
エンテーションフラット)部と称される切欠き14が設
けられる。
【0008】図8は収納部材4の正面図である。図9
は、収納部材4のA−A断面図である。図8を図9とを
併せて説明する。収納部材4は、一対の平板状部材の一
部を「Z」の字状に折曲げた部材を予め定める間隔をあ
けて配置させた構成を有する。この平板状部材は、重力
が作用する鉛直方向Vに略平行に配置され、相互に対向
する面に複数の溝8が形成される。
【0009】溝8は、鉛直方向Vと直交する水平方向H
に沿って対向し、その断面形状は「U」字状である。溝
8の底部の幅W1は、ウエハ3の厚みW2よりも大き
い。溝8は、収納部材4の平板状部材の鉛直方向上向き
V1側の上側端部から該部材の鉛直方向下向きV2側下
側端部よりも上側の折曲がり部分12まで、鉛直方向V
に沿って予め定める深さに形成される。以後、各構成要
素に対し、基準とする構成要素から見て鉛直方向上向き
V1側の構成要素および部分を「上側」の構成要素およ
び部分と称する。また各構成要素に対し、基準とする構
成要素から鉛直方向下向きV2側の構成要素および部分
を「下側」の構成要素および部分と称する。
【0010】水平方向Hに沿って対向する溝8間の間隔
のうち、溝8の上側端部の間隔W3は、ウエハ3の幅W
Hよりも大きい。ウエハ3の幅WHはウエハ3の切欠き
部14からウエハ3の中心を通り、切欠き部14に対向
する端部に至るまでの幅である。また、溝8の下側端部
の間隔W4は、ウエハ3の幅WHよりも小さい。
【0011】ウエハ3は、収納部材4の上側から鉛直方
向下向きV2に向かい、対向する溝8にその縁部が嵌ま
り込むように挿入される。ウエハ3が収納部材4の溝8
に嵌まり込むと、折曲げ部分12近傍の溝8の底部がウ
エハ3の端部に接触してウエハ3を支持する。これによ
って、ウエハ3は、その面が鉛直方向Vおよび水平方向
Hに平行になるように収納部材4に収納される。
【0012】また溝8は、ウエハ3の面の法線方向Uに
沿って相互に平行に複数形成される。これによって、複
数枚のウエハ3は、法線方向Uに沿って各ウエハ3の面
が相互に平行になるように、収納部材4に収納される。
【0013】再び図7を参照する。拡散ボートである保
持部材5は、断面形状が真円である複数の棒状部材が長
手方向が法線方向Uと平行になるように配置され、ウエ
ハ3の縁部をウエハ3の下側から支持して、該部材5上
に保持する構成を有する。
【0014】図10〜図14は、従来技術の移換え装置
1においてウエハ3を収納部材4から保持部材5に移換
えるウエハ移換え動作を説明するための移換え工程の各
過程における装置1の段階的な状態を示す模式図であ
る。図7および図10〜図14を用いて、移換え装置1
における移換え動作を説明する。
【0015】移換え装置には、収納部材4および保持部
材5を載置する載置台16,17が設けられる。固定の
載置台16は載置部材4を載置する上側の載置面の高さ
が常に固定される。また載置台16の載置面の水平方向
H中央部は開口しており、この開口部を通して鉛直方向
Vに移動可能な鉛直移動装置18が設置される。載置台
17は、その上側の載置面が鉛直方向Vに沿って昇降可
能である。載置台16,17は水平方向Hに沿って並べ
て設置され、これら載置台16,17上方には、各載置
台16,17の上方を相互に移動することができる水平
移動装置19が設けられる。水平移動装置19には、後
述する挟持装置20が設けられる。
【0016】ウエハ3を収納部材4から保持部材5に移
換えるとき、初期状態として載置台17の載置面の高さ
を最小とする。また水平移動装置19を固定の載置台1
6の上方に止める。さらに鉛直移動装置18の上側端部
の高さを載置台16の載置面よりも低くする。このよう
な初期状態にある移換え装置1の載置台16,17に、
ウエハ3が載置された収納部材4、および空の保持部材
5をそれぞれ載置する。
【0017】この状態から、まず鉛直移動装置18を鉛
直方向上向きV1に向かい、その上側端部18aが水平
移動装置19近傍に至るまで上昇させる。このとき鉛直
移動装置18の上側端部18aは収納部材4の内部空間
を鉛直方向上向きV1に向かって通過する。これによっ
てウエハ3は、鉛直移動装置18の上側端部18aに下
方から支持されて持上げられ、水平移動装置19内の挟
持装置20と同一高さまで移動される。この状態を図1
0に示す。
【0018】続いて、図11に示すように、持上げられ
たウエハ3を挟持装置20によってその側方から挟んで
支持する。続いて、鉛直移動装置18を鉛直方向下向き
V2に向かって移動させて初期状態に戻す。同時に水平
移動装置19を水平方向Hに沿って移動させて、ウエハ
3を載置台17の上方に移動させる。この状態を図12
に示す。
【0019】続いて移動載置台17を鉛直方向上向きV
1に向かって移動させて、保持部材5の棒状部材がウエ
ハ3の下側端部と接触するまで持上げる。これによっ
て、ウエハ3は保持部材5に下方から支持される。続い
て、挟持装置20を図11で示すウエハ3を挟持すると
きとは逆方向に動かして初期状態に戻す。これによっ
て、ウエハ3は、保持部材5にだけ支持される。この状
態を図13に示す。最後に、図14に示すように載置台
17を鉛直方向下向きV2に向かって移動させて、ウエ
ハ3および保持部材5を下降させ、載置台17から取外
す。このような一連の動作によって、ウエハ3は収納部
材4から保持部材5に移換えられる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の移換え装置1では、ウエハ3を収納部材4から保持部
材5に移換えるとき、装置1に最初にウエハ3が設置さ
れた位置からウエハ3を上昇させ、水平移動した後にさ
らに下降させる。また、載置台16,17の上方でウエ
ハ3を水平移動させるとき、ウエハ3は収納部材4から
取外されているので部材4,5とは別の構成を用いてウ
エハを支持している。このように移換え装置1では、少
なくともウエハ3を鉛直方向Vおよび水平方向Hに移動
させるための構成およびウエハ3を上方で支持する構成
が必要となる。したがって、装置1内で可動するべき構
成要素の数が増加し、装置が複雑になる。したがって装
置の製造コストが増加する。
【0021】また、この移換え装置1を用いたウエハの
移換え動作には、前述した図7、図10〜図14で示す
ように多くの過程が必要とされる。ゆえにウエハ3を部
材4,5間で移換える移換え時間が長くなる傾向にあ
る。これによって、半導体回路素子を製造する製造工程
ライン全体の処理能力が低下する。さらに、移換え装置
1では部材4,5が水平方向Hに並べて設置される。ゆ
えに装置1の設置面積が大きくなる。
【0022】本発明の目的は、移換え時間が短くかつ構
成が容易である移換え装置を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、装置から取外
し可能な収納部材内に収納された複数の移換えの対象部
材を、装置から取外し可能な載置部材に移換える移換え
装置において、収納部材は、対象部材の最大の幅よりも
小さい内径を有する挿通孔であって、収納部材を重力が
作用する鉛直方向に沿って貫通する挿通孔が設けられ、
対象部材は少なくともその一部分が挿通孔内に露出する
ように収納され、載置部材は、収納部材の挿通孔を通過
可能な大きさを有し、収納部材が鉛直方向に沿って載置
部材よりも上方の離反した位置に設置された初期状態か
ら、載置部材が収納部材の挿通孔を鉛直方向に沿って相
対的に通過して離反するように、収納部材および載置部
材の少なくともいずれか一方部材を移動させる移動手段
を含むことを特徴とする移換え装置である。 本発明に従えば、移換え装置では、収納部材内に収納さ
れた複数の移換えの対象部材を載置部材に移換える。収
納部材および載置部材は、いずれも移換え装置から取外
し可能である。対象部材は、収納部材に収納された状態
で移換え装置に設置され、また載置部材に載置された状
態で装置外部に排出される。 収納部材は、少なくともその一部に収納部材を鉛直方向
に沿って貫通する挿通孔が設けられる。挿通孔の内径
は、対象部材の最大の幅よりも小さい。収納部材に収納
される対象部材は、たとえば挿通孔内壁の凹凸に当接し
て支持され、少なくともその一部分を挿通孔内に露出さ
せる。また載置部材の大きさは、収納部材の挿通孔を通
過可能な大きさである。 この移換え装置を用いて収納部材から載置装置に移換え
の対象部材を移換える移換え動作を以下に説明する。移
換え動作では、まず載置部材を予め定める位置に設置
し、同時に収納部材を鉛直方向に沿って載置部材よりも
上方の離反した位置に設置する。次いで、載置部材が収
納部材の挿通孔を鉛直方向に沿って通過して離反するよ
うに、収納部材および載置部材の少なくともいずれか一
方部材を移動させる。たとえば載置部材および収納部材
のいずれか一方を固定し、いずれか他方を鉛直方向Vに
沿っていずれか一方の部材に接近する方向に移動させ
る。または、載置部材および収納部材の両方を、それぞ
れ相互に接近する方向に移動させる。 載置部材が収納部材の挿通孔を相対的に通過するとき、
載置部材は対象部材の挿通孔内部に露出した部分に鉛直
方向下側から当接する。この状態からさらに載置部材を
相対的に通過させると、対象部材は収納部材の挿通孔を
相対的に鉛直方向上向きに移動する。この載置部材を収
納部材の挿通孔内を通過後離反するまで移動させると、
対象部材は収納部材から取外されて、載置部材だけに載
置される。従来技術の装置で収納部材の載置部材に移換
えるには、収納部材から移換え装置の別の構成を用いて
対象部材を取外し、さらに取外された対象部材を載置部
材に載置させていた。本発明の移換え装置では、載置部
材に収納部材内を鉛直方向から通過させるだけで、対象
部材の移換えを行うことができる。ゆえに、収納部材か
ら対象部材を取外す過程、および対象部材を載置部材に
載置させる過程を同時に行うことができる。したがっ
て、移換え装置の構成を簡単にすることができる。 特に、従来技術の装置における対象部材の取外し過程を
行う構成要素には、対象部材を保持する構成、および該
対象部材を水平および鉛直方向に移動させる構成が必要
であった。本発明の移換え装置では、収納部材および載
置部材の少なくともいずれか一方を鉛直方向に移動させ
る構成要素だけで実現することができる。ゆえに、移換
え装置の構成を極めて簡略化させることができる。 また、移換え装置を収納部材および載置部材のいずれか
一方だけを移動させる構成とするとき、該部材の両方を
移動させる構成と比較して、移動手段の構成をさらに簡
略化することができる。また、移換え装置を収納部材お
よび載置部材の両方を移動させる構成とすると、該部材
のいずれか一方だけを移動させる構成と比較して、収納
部材および載置部材の移動距離を短くすることができ
る。
【0024】本発明は、装置から取外し可能な載置部材
に載置された複数の移換えの対象部材を、装置から取外
し可能な収納部材に移換える移換え装置において、収納
部材は、対象部材の最大の幅よりも小さい内径を有する
挿通孔であって、収納部材を重力が作用する鉛直方向に
沿って貫通する挿通孔が設けられ、載置部材は、収納部
材の挿通孔を通過可能な大きさを有し、対象部材は少な
くともその一部分が載置部材の側方から露出するように
載置され、載置部材が鉛直方向に沿って収納部材よりも
上方の離反した位置に設置された初期状態から、載置部
材が収納部材の挿通孔を鉛直方向に沿って相対的に通過
して離反するように、収納部材および載置部材の少なく
ともいずれか一方部材を移動させる移動手段を含むこと
を特徴とする移換え装置である。 本発明に従えば、移換え装置は、請求項1の移換え装置
と類似の構成を有する。該移換え装置では、載置部材に
載置された移換えの対象部材を、収納部材に移換えて収
納させる。 この移換え装置を用いて載置部材から収納部材に対象部
材を移換える移換え動作を以下に説明する。この移換え
動作は、請求項1の移換え装置の移換え動作と類似の動
作である。移換え動作では、まず空の収納部材を予め定
める位置に設置し、同時に載置部材を鉛直方向に沿って
収納部材よりも上方の離反した位置に設置する。次い
で、載置部材が収納部材の挿通孔を鉛直方向に沿って通
過して離反するように、収納部材および載置部材の少な
くともいずれか一方部材を移動させる。 載置部材は収納部材の挿通孔を通過可能である。また、
挿通孔の内径は対象部材の最大の幅よりも小さい。ゆえ
に、載置部材が対象部材を支持して載置するとき、対象
部材の少なくとも一部分は載置部材から露出する。上述
した移換え動作で載置部材が収納部材の挿通孔を相対的
に通過するとき、載置部材に載置された対象部材の露出
した部分に、収納部材が鉛直方向下側から当接する。こ
の状態からさらに載置部材を相対的に通過させると、対
象部材は収納部材に当接した位置に相対的に止まり、載
置部材だけが挿通孔内を相対的に下降移動される。この
載置部材を収納部材の挿通孔内を通過後離反するまで移
動させると、対象部材だけが収納部材内に残されて載置
される。 このように、本発明の移換え装置は、載置部材を収納部
材の挿通孔を鉛直方向上側から下向きに通過させるだけ
で、対象部材を移換えることができる。ゆえに、移換え
動作を簡略化して、装置の構成を簡略化することができ
る。同時に、移換え動作に必要な移換え時間を短縮する
ことができる。
【0025】本発明は、前記各対象部材は、略円板状の
部材であり、表面に垂直な法線方向に沿って順次的に並
べられ、かつ該表面が前記鉛直方向に平行になるように
して前記収納部材に収納および載置部材に載置され、載
置部材は、各一方表面に複数の溝が相互に平行に形成さ
れた平板状の第1および第2支持部材であって、各支持
部材が前記挿通孔の内径と同じ間隔を明けて該一方表面
が対象部材の並びに沿い、かつ前記鉛直方向に平行であ
って各溝が対向するよう配置される第1および第2支持
部材を有し、各溝は、断面形状がV字状であって、各支
持部材の一方表面の上側端部から鉛直方向に沿って各支
持部材の鉛直方向の幅よりも短い長さを有し、該法線方
向から見て底部が対象部材の端部の接線方向と平行に形
成されることを特徴とする。 本発明に従えば、前記各対象部材は、略円板状の部材で
ある。このような対象部材としては、たとえば半導体回
路素子の製造に用いられるウエハが挙げられる。この対
象部材は複数枚ずつ前記収納部材および載置部材に収納
および載置される。 収納部材は、第1および第2平板状部材が、前記挿通孔
の内径と同じ間隔を明けて、一方表面が前記鉛直方向お
よび前記対象部材の法線方向に平行となるように配置さ
れて構成される。この平板状部材の一方表面間の内部空
間が前述した挿通孔となる。また、各平板状部材の一方
表面には、複数の溝が同一平板状部材内で相互に平行
に、かつ他方の平板状部材において対向するように形成
される。 各溝は、断面形状がV字状の溝である。また各溝は、平
板状部材の一方表面の上側端部から鉛直方向に沿って平
板状部材の鉛直方向の幅よりも短い長さだけ形成され
る。さらに対向する各溝の上側端部の底部間の間隔は、
対象部材の幅よりも大きい。また下側端部近傍の底部
は、該法線方向から見て対象部材の端部の接線方向と平
行に形成される。 対象部材は、対向する溝にその縁部が嵌まり込むよう
に、収納部材の上側から鉛直方向下向きに挿入される。
このように挿入されると、対象部材の下側端部が溝の下
側端部近傍で溝の底部に当接して支持される。これによ
って、対象部材は、その面が鉛直方向に平行になるよう
に、内部空間内に設置される。 各収納部材および載置部材において、対象部材はその面
に垂直な法線方向に沿って順次的に並べられる。収納部
材および載置部材は、相対的に鉛直方向に平行に相対的
に移動されて、相互に対象部材を移換える。この動作
は、対象部材に加わる重力をを考慮して、対象部材を支
持する部材を挿通孔(内部空間)通過時に入換えるよう
に行われる。ゆえに、対象部材が収納部材および載置部
材にその面が鉛直になるように支持されていると、対象
部材が溝に引っ掛かったりすることなく、移換えを行う
ことができる。 上述した構成の溝は、溝の一方表面側の開口部の幅が被
移換え装置の法線方向の幅よりも広いので、対象部材の
着脱が容易である。かつV字状の内壁面で該部材の両面
を支持するので、溝内部で対象部材ががたつくなどの不
都合が生じにくい。さらに、挿通孔(内部空間)には、
対象部材の中心から鉛直方向にわたる部分が露出され
る。ゆえに、空の載置部材が挿通孔(内部空間)内部を
鉛直方向上向きに相対的に通過するとき、載置部材は対
象部材の中心部分に向かって重力に逆らう力を加える。
ゆえに、着実に対象部材を鉛直方向上向きに相対的に移
動させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態で
あるウエハの移換え装置31の構成を説明するための斜
視図である。移換え装置31は、半導体素子の製造工程
ラインにおいて酸化・拡散処理工程を行う装置の前段に
組込まれ、収納部材39に載置される複数のウエハ37
を保持部材38に移換える。収納部材39は、該製造工
程ラインにおいて、前記半導体素子の製造工程ラインの
酸化・拡散処理工程以外の残余の処理工程においてウエ
ハを搬送および処理するときに、該ウエハ37を収納す
る。保持部材38は、酸化・拡散処理工程においてだ
け、ウエハ37を載置する。
【0027】移換え装置31は、載置台33,34、お
よび移動機構35を含んで構成される。載置台33,3
4には、保持部材38および収納部材39がそれぞれ載
置される。
【0028】載置台33は、一側面が開口した中空の直
方形の部材で実現される。該部材の上側面である載置面
33aに後述する空の保持部材38が載置される。載置
台33は、移動機構35によって、その載置面33aが
重力が作用する方向である鉛直方向Vに沿って昇降する
ように、上向きV1および下向きV2に向かって移動さ
れる。
【0029】移動機構35は、台41、モータ42およ
びワイヤ43を含んで構成される。台41には、深さが
載置台33の鉛直方向Vの高さとほぼ同等であり、載置
台33を収納することが可能な穴44が設けられる。台
41内にはモータ42が固定されて取付けられる。また
モータ42の回転軸と載置台33の底面46とは、ワイ
ヤ43によって接続される。載置台33のほぼ全体が穴
44に収納された状態では、モータ42の回転軸と載置
台33の底面46との間隔が最大となる。この状態を載
置台33の初期状態とする。載置台33の初期状態から
モータ42を回転駆動させると、モータ42の回転軸は
ワイヤ43を巻取る方向に回転する。これによって、載
置台33の底面46に重力に逆らって鉛直方向上向きV
1に上昇する力が加えられる。これによって、載置台3
3は鉛直方向上向きV1に上昇する。
【0030】載置台34は、移動機構35の台41に上
方に設置される。載置台34は平板状の支持部材48お
よび水平部材49,50を有する。支持部材48は、台
41の法線方向Uの一方端部に、その平面が鉛直方向V
および水平方向Hに平行になるように取付けられる。水
平部材49,50は、支持部材48の該平面であって台
41に向かう側の平面に、水平方向Hに沿って予め定め
る間隔を開け、その面が垂直となるように取付られる。
該平面における各水平部材49,50の取付位置から支
持部材48の上方端部までの長さは等しい。ゆえに、水
平部材49,50は、相互に水平方向Hと平行に、かつ
その上面が水平および法線方向H,Uと平行になるよう
に、支持部材48に取付けられる。以後、水平部材4
9,50の上側面を含む仮想平面を、載置台34の載置
面34aとする。この載置面34a上に、収納部材39
が載置される。収納部材39には前述したように複数の
ウエハ37が設置される。
【0031】水平部材49,50の長手方向は、法線方
向Uと平行である。各水平部材49,50の水平方向H
の幅は、支持部材48の水平方向Hの幅の半分の長さ未
満である。さらに、水平部材49,50間の水平方向H
に沿った間隔は、載置台33の水平方向Hの幅、および
保持部材38の水平方向Hの幅よりも大きい。これによ
って、載置台33および保持部材38は水平部材49,
50間を通過することが可能である。
【0032】保持部材38および収納部材39の被載置
物であり、移換えの対象部材であるウエハ37は、珪素
(Si)の単結晶で構成される略円板状の部材である。
その一端部には、オリエンテーションフラット(オリフ
ラ)部と称される切欠き73が形成される。ウエハの幅
WHは、ウエハ37の切欠き73からウエハ37中心を
通り対向する端部に至るまでの幅であり、略円板状のウ
エハ37の直径よりも短い。
【0033】保持部材38は、断面形状が真円である複
数の棒状部材がその長手方向が法線方向Uと平行となる
ように配置され、かつ各棒状部材の中心が法線方向Uと
垂直な仮想平面においてウエハ37の下側部分と同じ曲
率の円弧上に位置するように配置された構成を有する。
保持部材38は、高耐熱性および高耐薬品性を有し、酸
化・拡散処理を施されても変形および破損しない材料で
実現される。保持部材38はたとえば高純度の石英およ
び炭化珪素(SiC)で実現される。
【0034】図2は収納部材39の法線方向Uから見た
正面図である。図3は収納部材39のB−B断面図であ
る。図1〜図3を併せて説明する。
【0035】収納部材39は、複数の溝61が形成され
た平板状部材56,57が、予め定める間隔W15をあ
けて一方表面58,59を対向させた構成を有する。ま
た部材56,57の法線方向Uの端部には、予め定める
間隔W15を保つための1対の支持部材60が介在され
る。すなわち収納部材39は、平板状部材56,57お
よび支持部材60によって構成され、該部材39内部を
鉛直方向Vに貫通する中空の内部空間を取囲むる矩形の
枠状の形状を有する。前述したウエハ37は、この内部
空間内に保持される。
【0036】平板状部材56,57の一方表面58,5
9には、それぞれ複数の溝61が互いに平行に形成され
る。各溝61は、鉛直方向Vに沿って形成され、かつ法
線方向Uに沿って互いに平行に隣接し、かつ隣接する溝
61との間隔を予め定める間隔を保つ。さらに平板状部
材56の一方表面58に形成される溝61と平板状部材
57の一方表面59に形成される溝61とが、水平方向
Hに沿って対向する。
【0037】溝61は、第1部分63、第2部分64を
含む。溝61の第1部分63は、平板状部材56,57
の上側端部66,67から該部材56,57の鉛直方向
V中央部近傍まで、鉛直方向Vに沿って予め定める第1
の深さに形成されるV字状の溝である。第2部分64
は、第1部分63をさらに鉛直方向Vに沿って鉛直方向
下向きV2に延長したV字状の溝である。
【0038】溝61の一方表面側の開口部の広さW11
は、ウエハ37の法線方向Uの幅W12よりも広い。第
2部分64の溝の深さは、第1部分63の下側端部と接
続される上側端部での溝の深さが予め定める第1の深さ
であり、鉛直方向下向きV2に至るほど深さが浅くな
る。第2部分64の下側端部の底部は、平板状部材5
6,57の一方表面58,59に達して露出する。かつ
第2部分64の下側端部、すなわち溝61の下側端部6
8は、平板状部材56,57の一方表面58,59にお
いて、下側端部69,70よりも鉛直方向V上側に位置
する。ゆえに平板状部材56,57の水平方向Hに沿っ
て対向する溝61の下側端部68間の間隔は、平板状部
材56,57間の間隔W15と等しい。
【0039】平板状部材56,57の水平方向Hに沿っ
た一対の溝61の上側端部の間隔W16は、ウエハ37
の幅WHよりも大きい。また、平板状部材56,57間
の間隔W15は、ウエハ37の幅WHよりもたとえば3
mm〜10mmだけ小さい。さらに、間隔W15は、前
述した載置台34の水平部材49,50間の水平方向H
の間隔よりも大きい。収納部材39の法線方向U端部に
設けられる1対の支持部材60間の間隔は、前述した載
置台33および保持部材38の法線方向Uの長さよりも
大きい。すなわち、収納部材39の内部空間における水
平および法線方向H,Uに平行な仮想平面方向の大きさ
は、載置面33aおよび保持部材38の該仮想平面方向
の大きさよりも大きい。
【0040】このような収納部材39が、前述した載置
台34の載置面34aに載置される。載置台34の水平
部材49,50は、収納部材39の平板状部材56,5
7の下側端部69,70に接して該部材56,57を下
側から支持する。したがって、載置台33および保持部
材38は、載置台34および収納部材39を鉛直方向V
に沿って通過することができる。
【0041】前述したウエハ37は、水平方向Hに沿っ
て対向する1対の溝61にその縁部が嵌まり込むよう
に、収納部材39の上側から鉛直方向V下向きV2に沿
って内部空間に挿入されて収納される。内部空間に挿入
されたウエハ37は、溝61に沿って鉛直方向下向きに
移動され、溝61の第2部分64に当接する。前述した
溝61の第2部分64の底部74は、法線方向Uから見
て当接するウエハ37の接線と一致する。これによっ
て、ウエハ37は一対の溝61の第2部分64におい
て、ウエハ37中央部よりも下寄りの部分を支持され
る。これによって、ウエハ37は収納部材39の内部空
間から鉛直方向下向きV2に抜落ちないように、平板状
部材56,57間に支持される。
【0042】一般的にウエハ37の端部は、面取りが成
されて断面形状が円弧状となっていることが多い。溝6
1の第2部分64は、ウエハ37の端部の円弧の接線と
一致するように、その内壁面75,76の角度が定めら
れる。前述したように、溝61は鉛直方向Vに平行に形
成される。したがって、各ウエハ37はその面が鉛直方
向Vおよび水平方向Hに平行であって法線方向Uに対し
て垂直になり、他のウエハ37と法線方向Uに沿って隣
接するように、内部空間内に保持される。
【0043】収納部材39は、高耐薬品性を有し、半導
体回路素子の製造工程において酸化・拡散処理以外の残
余の処理を施されても変形および破損しない材料で実現
される。収納部材の39の材料の高耐熱性は、保持部材
38の高耐熱性よりも弱い。収納部材38は、たとえば
テフロン(ポリテトラフルオロエチレン)で実現され
る。
【0044】図4は図1の移換え装置31におけるウエ
ハ移換え動作を説明するための各過程毎の装置31の模
式図である。移換え装置31では、ウエハ37を収納部
材39から保持部材38に移換える。
【0045】まず、空の保持部材38を初期状態にある
載置台33の載置面33aに載置する。同時にウエハ3
7が載置された収納部材39を固定の載置台34の載置
面34aに載置する。この状態を図4(1)に示し、ウ
エハ移換え動作の初期状態とする。
【0046】次いで、移動機構35によって載置台33
を鉛直方向上向きV1に向かって上昇させる。これによ
って、載置台33に載置された保持部材38が鉛直方向
上向きV1に向かって上昇移動される。載置台33の載
置面33aが載置部材34の載置面34aとほぼ同じ高
さとなるまで上昇移動されると、保持部材38は収納部
材39の平板状部材56,57間の内部空間に下側から
入込み、この内部空間内に保持されるウエハ37にその
下側から接する。この状態を図4(2)に示す。
【0047】移動機構35は、この状態から載置台33
をさらに鉛直方向上向きV1に上昇移動させる。これに
よって、ウエハ37には、保持部材38によって、鉛直
方向V下側端部から鉛直方向上向きV1に向かう力が加
えられる。収納部材39の溝61は、前述したように鉛
直方向Vに平行に形成されている。ゆえにウエハ37は
保持部材38が上昇移動するのにあわせて平板状部材5
6,57間の内部空間を鉛直方向Vに沿って移動する。
【0048】さらに載置台33を鉛直方向上向きV1に
向かって上昇移動させると、ウエハ37は収納部材39
の溝61から外れて、保持部材38上にだけ載置される
状態となる。載置台33は、この状態からさらに、載置
台33の載置面33aが収納部材39の平板状部材5
6,57の上側端部66,67よりも鉛直方向上向きV
1側に位置する状態まで上昇移動された後に停止する。
この状態を図4(3)に示す。載置台33が停止される
と、ウエハ37が載置された保持部材38を載置台33
から取外して、ウエハ37の移換え動作を終了する。
【0049】載置台33,34に保持部材38および収
納部材39を載置させる動作ならびに載置台33,34
から保持部材38および収納部材39を取外す動作は、
たとえば装置31の使用者が手作業で行う。またはたと
えばマニピュレータである機械を用い、自動化されて行
われてもよい。
【0050】このような一連の動作によって、ウエハ3
7は収納部材39から保持部材38に移換えられる。本
実施形態の移換え装置31は、保持部材38および収納
部材39を図4(1)に示す初期状態になるように設置
した後、収納部材39の内部空間を通過するように、保
持部材38を鉛直方向上向きV1に向かって上昇移動さ
せるだけで、ウエハ37を移換えることができる。ゆえ
に装置31の移動機構は、載置台33を鉛直方向Vに沿
って上昇させる構成だけを有する。したがって、従来の
移換え装置と比較して、移動のための機構の数を減少さ
せることができる。したがって装置31全体の構成が簡
略化される。
【0051】保持部材38の移動速度は、保持部材38
がウエハ37に接触するときに、接触の衝撃によってウ
エハ37に破損およびひび割れなどのダメージを与えな
い程度の速度に規定される。ゆえにたとえば保持部材3
8の移動速度は5mm/秒〜10mm/秒に保たれるこ
とが好ましい。
【0052】このような移換え装置31を用い、収納部
材39に載置されたウエハ37を保持部材38に移換え
るとき、保持部材38および収納部材39を載置台3
3,34に載置してからウエハが移換えられた保持部材
38を載置台33から取外すまでの移換え時間は約20
秒であると推測される。従来技術の移換え装置では移換
え動作に必要な移換え時間は約1分〜2分であった。ゆ
えに本実施形態の移換え装置31を用いると、移換え動
作に必要な移換え時間を短縮させることができる。した
がって、このような装置を組込んだ半導体回路素子の製
造工程ラインでは、半導体回路素子の製造に必要な製造
時間を短縮することができる。
【0053】本発明の第2実施形態である移換え装置に
ついて以下に説明する。本実施形態の移換え装置は、第
1実施形態の移換え装置31と類似の構成を有し、同一
の構成要素には同一の符号を付し説明は省略する。本実
施形態の移換え装置では、保持部材38を予め定める位
置に固定し、ウエハ37が載置された収納部材39を鉛
直方向Vに下降移動させてウエハを移換える。
【0054】本実施形態の移換え装置は、半導体回路素
子の製造工程ラインにおいて、酸化・拡散処理を行う装
置の前段に配置される。この移換え装置は、半導体製造
工程ラインにおいて酸化・拡散処理工程以外の残余の工
程で用いられる収納部材39から酸化・拡散処理工程に
だけ用いられる保持部材38にウエハ37を移換える。
【0055】図5は、上述した移換え装置を用いて行わ
れるウエハの移換え動作を説明するための各過程におけ
る移換え装置を示す模式図である。該移換え装置におい
て第1実施形態の移換え装置31と同様の構成要素には
同様の符号を付し、説明は省略する。
【0056】本実施形態の移換え装置は、載置台83,
84を有する。載置台83,84は第1実施形態の載置
台33,34と同様の形状をそれぞれ有する。載置台8
3はその載置面83aが予め定める高さになる位置で固
定される。載置台84は、移動機構によって鉛直方向V
に沿って移動可能である。
【0057】以下にウエハ37の移換え動作を説明す
る。移換え動作を始める前、載置台84は、その載置面
84aが載置台83の載置面83a上側端部よりも鉛直
方向V上側となる位置で停止される。まず、載置台8
3,84に保持部材38および収納部材39をそれぞれ
載置する。この状態を図5(1)に示し、初期状態とす
る。
【0058】次いで、載置台84も鉛直方向下向きV2
に向かって下降移動させる。これによって、載置台84
に載置された収納部材39が鉛直方向下向きV2に向か
って下降移動される。載置台84の載置面84aと載置
台83の載置面83aとがほぼ同じ高さに達すると、載
置台83に載置される保持部材38が収納部材39に載
置されるウエハ37に下方から当接して支持する。この
状態を図5(2)に示す。
【0059】さらに移動機構は、載置台84を鉛直方向
下向きにV2に下降移動させる。このときウエハ37
は、保持部材38に支持されてこれ以上下降することが
できないので、ウエハ37は収納部材39に対して相対
的に、鉛直方向上向きV1に移動する。これによってウ
エハ37は、収納部材39から外され、保持部材38だ
けに支持される状態となる。
【0060】移動機構は、さらに載置台84を下降移動
させ、収納部材39の平板状部材56,57の上側端部
66,67が載置台83の載置面83aよりも鉛直方向
V下側に至るまで載置台84を下降移動させた後に停止
させる。この状態を図5(3)に示す。載置台84停止
後、保持部材38を載置台83から取外して、ウエハ載
置動作を終了する。このような一連の動作によって、ウ
エハ37は収納部材39から保持部材38に移換えられ
る。
【0061】本実施形態の移換え装置31は、保持部材
38および収納部材39を図5(1)に示す初期状態に
なるように載置させた後、保持部材38が収納部材39
の内部空間を通過するように、収納部材39を鉛直方向
下向きV2に向かって下降移動させるだけで、ウエハ3
7を移換えることができる。ゆえに該移換え装置は、第
1実施形態の移換え装置31と同様に、移換え動作のた
めの移動機構の数を減少させることができる。したがっ
て移換え装置全体の構成を簡略化することができる。
【0062】また、収納部材39の移動速度は、保持部
材38がウエハ37に接触するときに、接触の衝撃によ
ってウエハ37に破損およびひび割れなどのダメージを
与えない程度の速度に規定される。この速度は、第1実
施形態に移換え装置31における保持部材38の移動速
度とほぼ等しい。ゆえに、ウエハを移換えるための移換
え時間を従来技術の装置と比較して短縮することができ
る。
【0063】本発明の第3実施形態である移換え装置を
以下に説明する。本実施形態の移換え装置は第1および
第2実施形態の移換え装置と類似の構成を有し、同一の
構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0064】本実施形態の移換え装置は、半導体回路素
子の製造工程ラインにおいて、酸化・拡散工程を行う装
置の前段に設置される。該移換え装置は、製造工程ライ
ンのうち酸化・拡散工程以外の残余の工程において用い
られる収納部材39に載置されたウエハを酸化・拡散工
程にだけ用いられる保持部材38に移換える。本実施形
態の移換え装置では、各保持部材38および収納部材3
9を互いに接近する方向に移動させる。
【0065】移換え装置は、鉛直方向Vに沿って移動可
能な載置台88,89を有する。載置台88,89は第
1および第2実施形態の移換え装置の載置台33,3
4;83,84とそれぞれ類似の形状を有する。該移換
え装置の移動機構は、載置台88,89を鉛直方向Vに
沿って相互に接近する方向に移動させる。
【0066】図6は、上述した移換え装置を用いたウエ
ハ37の移換え動作を説明するための各過程における移
換え装置の模式図である。
【0067】移換え動作を行う前、載置台89はその載
置面89aが載置台88の載置面88aよりも鉛直方向
V上方に位置するように保たれる。移換え動作を開始す
ると、まず載置台88,89に保持部材38および収納
部材39を載置する。この状態を初期状態とし、図6
(1)に示す。
【0068】続いて、載置台88,89を相互に接近す
る方向に同時に移動させる。このとき、たとえば載置台
88は鉛直方向上向きV1に向かって上昇移動される。
同時に載置台89は鉛直方向下向きV2に向かって下降
移動される。これによって保持部材38および収納部材
39は、鉛直方向Vに沿って互いに接近する方向に移動
される。
【0069】載置台88,89の載置面88a,89a
がほぼ同一高さとなるまで移動されると、ウエハ37に
保持部材38が下方から当接する。この状態を図6
(2)に示す。保持部材38がウエハ37に当接した状
態から、さらに載置台88,89をそれぞれ鉛直方向上
向きV1および下向きV2に向かって移動させる。これ
によってウエハ37は収納部材39の内部空間を溝61
に沿って鉛直方向上向きV1に移動され、収納部材39
から外されて、保持部材38だけに支持される状態とな
る。
【0070】移動機構は、載置台88の載置面88aが
収納部材39の平板状部材56,57の上側端部66,
67よりも上方に至るまで、載置台88,89を移動さ
せた後に停止させる。この状態を図6(3)に示す。載
置台88,89停止後、載置部材88の上側面から保持
部材38を取外して、ウエハ移換え動作を終了する。こ
のような一連の動作によってウエハ37を収納部材39
から保持部材38に移換えることができる。
【0071】本実施形態の移換え装置は、図6(1)に
示す初期状態から図6(3)に示すウエハが移換えられ
た状態に至るまでに、保持部材38および収納部材39
が移動する鉛直方向Vの移動距離が短い。ゆえにウエハ
移換え動作におけるウエハ37の設置高さの変化が少な
い。したがって本実施形態の移換え装置は、第1および
第2実施形態の移換え装置と比較して、装置の高さを低
くすることができる。
【0072】また載置台88,89の移動速度は、第1
および第2実施形態の移換え装置において移動される載
置台33,84の移動速度よりも小さくなるように設定
される。本実施形態における各載置台88,89の移動
速度は、ウエハ37に対する保持部材38の相対速度が
保持部材38とウエハ37との接触時にウエハ37に破
損ひび割れなどの損傷を与えない程度に設定されること
が好ましい。
【0073】上述した第1〜第3実施形態の移換え装置
では、鉛直方向Vに移動させる載置台33;83;8
8,89は予め定める速度で定速で移動される。これら
載置台の移動において、保持部材38とウエハ37が接
触する直前でそれまでの移動速度よりも速度を低下させ
るようにしてもよい。速度低下後の移動速度は、たとえ
ば5mm/秒〜1cm/秒であることが好ましい。この
ようにウエハ37と保持部材38とを緩やかにゆっくり
と接触させることによって、ウエハ37と保持部材38
との接触に起因する衝撃を緩和することができる。した
がってウエハ37に破損およびひび割れなどの衝撃によ
る損傷が生じにくくなる。
【0074】また、第1〜第3実施形態の移換え装置を
用い、保持部材38に載置されたウエハ37を空の収納
部材39に移換えることもできる。このとき各実施形態
の移換え装置では、空の収納部材39の上方にウエハ3
7を載置した保持部材38を配置させ、それぞれ図4
(3)〜図4(1)、図5(3)〜図5(1)、図6
(3)〜図6(1)の順で部材39を移動させると、ウ
エハ37を移換えることができる。ゆえにこの場合で
も、容易にウエハ37を移換えることができる。
【0075】さらにまた、第1〜第3実施形態の移換え
装置では、移換え動作の対象部材は略円板状の部材であ
ったけれども、これに限らず別の形状の板状の部材を移
換えることができる。さらに、板状の部材に限らず、他
の形状の部材を移換えるときにも、本実施形態の移換え
装置と同様に、収納部材内に保持部材を通過させる動作
で移換えることができる。
【0076】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、移換え装
置では、移換えの対象部材が載置された収納部材を空の
載置部材の上方に設置し、載置部材に収納部材の内部空
間を相対的に上昇移動させて通過離反させる。また本発
明によれば、対象部材が載置された載置部材を空の載置
部材の上方に設置し、載置部材に収納部材の内部空間を
相対的に下降移動させて通過離反させる。これによっ
て、対象部材が載置された収納部材および載置部材のい
ずれか一方部材からいずれか他方部材に、対象部材を容
易に移換えることができる。また、移換え装置の構成を
簡略化して、装置の製造コストを低減させることができ
る。さらに、移換え動作に必要な移換え時間の短縮を図
ることができる。
【0077】さらにまた本発明によれば、収納部材は予
め定める間隔を開けて平行に設置される一対の平板状部
材間の内部空間を挿通孔とする。各平板状部材には、断
面形状がV字状であって深さが線形的に浅くなる溝が、
鉛直方向に沿って上側端部から部材中央部近傍まで設け
られる。略円板状の各対象部材は、1対の平板状部材の
対向する溝に嵌まり込むように上側から挿入され、該溝
の下側端部で支持される。これによって、各対象部材は
その面が鉛直方向に平行に支持される。ゆえに、載置部
材が対象部材を通過するときに、容易且つ着実に移換え
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるウエハの移換え装
置31の構成を示す斜視図である。
【図2】収納部材39の詳細な構成を説明するための側
面図である。
【図3】図2の収納部材39のB−B断面図である。
【図4】移換え装置31を用いたウエハの移換え動作を
説明するための各過程における移換え装置31の模式図
である。
【図5】本発明の第2実施形態である移換え装置を用い
たウエハの移換え動作を説明するための各過程における
移換え装置の模式図である。
【図6】本発明の第3実施形態である移換え装置を用い
たウエハの移換え動作を説明するための各過程における
移換え装置の模式図である。
【図7】従来技術である移換え装置1の構成を説明する
ための正面図である。
【図8】載置部材4の詳細な構成を示す正面図である。
【図9】図8の載置部材4のA−A断面図である。
【図10】従来技術の移換え装置1を用いたウエハの移
換え動作を説明するための移換え装置の模式図である。
【図11】従来技術の移換え装置1を用いたウエハの移
換え動作を説明するための模式図である。
【図12】従来技術の移換え装置1を用いたウエハの移
換え動作を説明するための模式図である。
【図13】従来技術の移換え装置1を用いたウエハの移
換え動作を説明するための模式図である。
【図14】従来技術の移換え装置1を用いたウエハの移
換え動作を説明するための模式図である。
【符号の説明】
31 移換え装置 33,34;83,84;88,89 載置台 35 移動機構 37 ウエハ 38 保持部材 39 収納部材 56,57 平板状部材 60 支持部材 61 溝 63 溝の第1部分 64 溝の第2部分 75,76 溝の内壁面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置から取外し可能な収納部材内に収納
    された複数の移換えの対象部材を、装置から取外し可能
    な載置部材に移換える移換え装置において、 収納部材は、 対象部材の最大の幅よりも小さい内径を有する挿通孔で
    あって、収納部材を重力が作用する鉛直方向に沿って貫
    通する挿通孔が設けられ、 対象部材は少なくともその一部分が挿通孔内に露出する
    ように収納され、 載置部材は、収納部材の挿通孔を通過可能な大きさを有
    し、 収納部材が鉛直方向に沿って載置部材よりも上方の離反
    した位置に設置された初期状態から、載置部材が収納部
    材の挿通孔を鉛直方向に沿って相対的に通過して離反す
    るように、収納部材および載置部材の少なくともいずれ
    か一方部材を移動させる移動手段を含むことを特徴とす
    る移換え装置。
  2. 【請求項2】 装置から取外し可能な載置部材に載置さ
    れた複数の移換えの対象部材を、装置から取外し可能な
    収納部材に移換える移換え装置において、 収納部材は、対象部材の最大の幅よりも小さい内径を有
    する挿通孔であって、収納部材を重力が作用する鉛直方
    向に沿って貫通する挿通孔が設けられ、 載置部材は、収納部材の挿通孔を通過可能な大きさを有
    し、対象部材は少なくともその一部分が載置部材の側方
    から露出するように載置され、載置部材が鉛直方向に沿
    って収納部材よりも上方の離反した位置に設置された初
    期状態から、載置部材が収納部材の挿通孔を鉛直方向に
    沿って相対的に通過して離反するように、収納部材およ
    び載置部材の少なくともいずれか一方部材を移動させる
    移動手段を含むことを特徴とする移換え装置。
  3. 【請求項3】 前記各対象部材は、略円板状の部材であ
    り、表面に垂直な法線方向に沿って順次的に並べられ、
    かつ該表面が前記鉛直方向に平行になるようにして前記
    収納部材に収納および載置部材に載置され、 載置部材は、各一方表面に複数の溝が相互に平行に形成
    された平板状の第1および第2支持部材であって、各支
    持部材が前記挿通孔の内径と同じ間隔を明けて該一方表
    面が対象部材の並びに沿い、かつ前記鉛直方向に平行で
    あって各溝が対向するよう配置される第1および第2支
    持部材を有し、 各溝は、断面形状がV字状であって、各支持部材の一方
    表面の上側端部から鉛直方向に沿って各支持部材の鉛直
    方向の幅よりも短い長さを有し、該法線方向から見て底
    部が対象部材の端部の接線方向と平行に形成されること
    を特徴とする請求項1または2記載の移換え装置。
JP16197396A 1996-06-21 1996-06-21 移換え装置 Pending JPH1012703A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001144038A (ja) * 1999-11-16 2001-05-25 Tokyo Electron Ltd 基板処理装置および基板処理方法
JPWO2020188743A1 (ja) * 2019-03-19 2021-12-09 株式会社Kokusai Electric 半導体装置の製造方法、基板処理装置および記録媒体

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