JPH0211489B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、カセツトに収容した半導体をセラミ
ツクやガラス等の薄板材（以下ウエハという）
を、他のカセツトに移し替える装置に関するもの
である。

（従来の技術） たとえば、半導体素子は、半導体ウエハに、金
属蒸着・フオトレジスト塗布・パターン焼付・現
像・エツチング・洗浄・剥膜不純物拡散等、多数
の処理工程を施して製造され、処理工程によつて
は、ウエハを１枚ずつ処理する場合と、多数のウ
エハをカセツトに収容したままの状態で同時に行
なう場合がある。

カセツトに収容したままの状態で処理する場合
には、処理工程によつてウエハを他のカセツトに
移し替える必要があり、この移し替え作業は、ウ
エハが人手に触れて汚染されることを避けるた
め、従来は、ピンセツト等で挾持して移し替えて
いたが、ウエハが破損し易いため、作業は熟練を
要し、かつ甚だ面倒であつた。

そのため、特開昭54−19673号公報に開示され
ている如く、カセツトに収容されたウエハをいつ
たんバツフアーケースに挾着保持し、しかる後、
他のカセツトもしくは石英製ボートをバツフアー
ケースと対向する位置へ移動させ、当該他のカセ
ツト等に移し替えるようにした装置、あるいは、
特開昭56−161653号公報に開示されている如く、
ウエハ押上げ部材により、所定の枚数間隔で位置
するカセツト内の複数のウエハをカセツトから押
上げ、これら押上げられたウエハを、ウエハ挾持
部に挾着保持して水平移動し、他のカセツトに移
し替える工程を所定回数繰返すようにしたウエハ
移し替え装置など、機械的に移し替える装置が知
られている。

（発明が解決しようとする問題点） カセツトに収容されたウエハを機械的に他カセ
ツトに移し替える際には、ウエハが破損し易いた
め、両カセツトおよび中間に介在するウエハ挾持
用具の支持溝の軸線方向の相対位置を、精度よく
合致させる必要がある。

そのため、従来の装置は、製作に高精度を要し
たり、移し替え開始時における両カセツトの位置
決め機構を単独に設けたりして、装置が複雑かつ
高価となる難点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、台板上の少なくとも１個所のカセツ
ト載置位置下方に、上端にウエハ支持具を備え
た、少なくとも１個の昇降杆を設けるとともに、
カセツトの上方を、前記台板とは相対的に水平移
動するウエハ抱持具を備えるウエハの移し替え装
置において、昇降杆の昇降と連動するカセツト位
置決め手段を付設したことを特徴とするものであ
る。

本発明によると、例えば、抱持具を、ウエハを
収容したカセツトの真上に位置させて、昇降杆を
上昇させることにより、位置決め装置により、両
カセツトを所定位置に位置決めするとともに、ウ
エハを、昇降杆上端の支持具に移載し、上限で停
止した支持具上のウエハを、抱持具に移載した
後、昇降杆をいつたん下降させて、抱持具を新た
な空のカセツトの真上に、台板とは相対的に移送
し、再び昇降杆を上昇させて、ウエハを支持具に
移載した後、昇降杆を下限まで下降させることに
より、ウエハを新たなカセツトに移載するように
して、上述の問題点の解決が図られる。

（作用） 上述のように、本発明の装置においては、この
種の装置で重要なカセツトの位置決めが、別個の
駆動源を使用することなく、昇降杆と連動して自
動的に行なわれる。

（実施例） 第１図と第２図は、本発明に係るウエハ移し替
え装置の一実施例要部を略示するもので、第１図
は、当該装置の側断面図であり、第２図は、第１
図のＡ−Ａ線矢視断面図を示す。

ケース１の全部の水平台板２に、所定間隔で、
開口した左右１対の窓孔３内には、載置枠４が取
付けられ、台板２の下方には、次記するような昇
降枠５が設置されている。

昇降枠５は、両載置枠４の下方において、水平
台板２と直角をなす左右１対の昇降杆６を、連結
杆７をもつてＨ字形に連結してなり、各昇降杆６
は、ナツト８を介して、ケース１内に立設された
左右１対の案内杆９に昇降自在に支持され、図示
を省略した昇降駆動手段により、後述するように
昇降させられる。

各昇降杆６の上端には、常時は、載置枠４の下
方に位置する左右１対の支持具１０が装着され、
それらの上面には、所定ピツチの多数の受溝１１
が、それぞれ対向して切設されている。

これら両昇降杆６の前面中央部には、同一傾斜
角度をなす傾斜部１２が刻設されている。

各昇降杆６の前面には、第１図に示す如く逆向
Ｌ字形に屈曲し、かつその屈曲部がピン１３ａに
よりケース１に枢着されたリンク１３の一端に枢
着されたローラ１４が、リンク１３を時計回り方
向に付勢する引張ばね１５により圧接している。

リンク１３の他端には、下端がリンク１３に枢
着された連結杆１６が介在し、その上端は、リン
ク１３の上方において、基端がケース１に枢着さ
れた揺動板１７の遊端に枢着され、揺動板１７の
基端には、押圧腕１８の基端が固着されている。

通常の状態では、ローラ１４が昇降杆６の傾斜
部１２の上端に圧接しているため、押圧腕１８
は、第１図の実線で示す如く、その遊端が、載置
枠４の内部に位置している。

また、載置枠４の上面には、押圧腕１８に対向
してストツパ１９が固着され、リンク１３、ロー
ラ１４、ばね１５、連結杆１６、揺動板１７、押
圧腕１８、ストツパ１９が、後述するようなカセ
ツト位置決め手段２０を構成している。

２１は、載置枠４に載置された、上下両面が開
口する、例えば角筒状のカセツトで、一方の対向
する両内側面には、等ピツチの多数のウエハ収容
溝２２が切設されており、第１図および第２図左
方のカセツト２１は、多数のウエハ２３が収容さ
れた状態を示している。

ケース１の後部上方には、適宜の駆動手段によ
り左右に移動する搬送装置２４が内設されてお
り、その移動に対応して、ケース１の後部上方前
面に開口した長孔２５からは、搬送装置２４に連
結された左右１対の支持腕２６が突出している。

この両支持腕２６の前端部には、常時はカセツ
ト２１の直上において、対向面がウエハ２３の直
径と等間隔を隔てて平行をなす、左右１対のウエ
ハ抱持具２７が固着され、その対向面には、カセ
ツト２１内のウエハ２３、すなわちカセツト２１
のウエハ収容溝２２のピツチと等ピツチをもつ
て、多数の支持溝２８が切設されている。

抱持具２７は、搬送装置２４に内蔵された適宜
の駆動手段により、その下端が近接する方向に傾
動し、近接した下端間の間隔は、上記対をなす支
持具１０の外端間の間隔より、若干大きくなるよ
うに設定されている。

次に、上記ウエハ移し替え装置の動作を、図面
について説明する。

第１図と第２図に示すように、両方の載置枠４
に、カセツト２１をそれぞれ粗位置決めして載置
し、昇降枠５を上昇させると、その上端の両支持
具１０は、両カセツト２１内に、下方より突入を
開始する。これと同時に、位置決め手段２０のロ
ーラ１４が、各昇降杆６の傾斜部１２に沿つて、
相対的に下降するので、ばね１５の付勢により、
リンク１３が時計回り方向に回動して、連結杆１
６が上昇し、押圧腕１８は、揺動板１７ととも
に、第１図想像線で示す位置まで揺動して、両カ
セツト２１が、ストツパ１９に当接するまで押し
込まれて、所定の位置に位置決めされる。左方の
カセツト２１内のウエハ２３は、左方の支持具１
０の受溝１１に対応する位置に位置決めされる。

ついで、第３ａ図に示すように、各ウエハ２３
は、上昇する支持具１０の受溝１１に嵌合して保
持され、押し上げられて、カセツト２１より抜け
出すと、次に抱持具２７の下端が傾動して、ウエ
ハ２３は、支持具１０から抱持具２７に移し替え
られる。

ついで、第３ｂ図に示すように、昇降枠５とと
もに支持具１０が若干下降すると、ウエハ２３を
保持した抱持具２７は、搬送装置２４とともに、
右方のカセツト２１の真上まで移動する。

すると、第３ｃ図に示すように、昇降枠５が上
昇して、各ウエハ２３は、支持具１０に移し替え
られ、抱持具２７の下端が回動して垂直となる。

しかる後、第３ｄ図に示すように、昇降枠５が
下限まで下降すると、支持具１０上の各ウエハ２
３は、予め位置決め装置２０により位置決めされ
ている右方のカセツト２１内に収容される。

上記した実施例は、台板上に開口した２個所の
カセツト載置位置があり、該カセツト載置位置に
対応して、台板下方に上下動可能に設けられた１
対の昇降杆と、台板上方で２個所のカセツト載置
位置に対向する位置間を適宜移動する抱持具とで
構成されるウエハ移し替え装置に、本発明を適用
した場合のものであるが、本発明の適用は、かか
るものだけに限定されるものではなく、台板上の
カセツト載置位置が１個所で、昇降杆が１個の場
合でも、また上記した実施例の如く、抱持具が移
動する形式のものでなく、抱持具は固定で、台板
自体もしくは該台板上に設けられたテーブルが移
動するものでも、きわめて容易に適用することが
できる。

（発明の効果） 上述のように、本発明の装置によれば、同一駆
動源により、昇降枠の上昇と同時に、カセツトが
正しい位置に自動的に位置決めされて、昇降枠が
上昇している間、固定されるので、ウエハの受け
渡しが確実に行なわれるとともに、支持具がカセ
ツト内のウエハを受け取る際、カセツトが動揺し
て、ウエハがカセツトに接触して破損することが
なく、かつ装置が簡素化されて安価となる。

また、本装置は、半導体ウエハに限らず、破損
し易い薄板材を、人手に触れずにカセツト間を移
し替える際に使用して、効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明装置の要部を示す縦断側面
図、第２図は、第１図のＡ−Ａ線における断面
図、第３図は、本発明装置の動作を示す正面略示
図で、第３ａ図は、押し上げられたウエハが抱持
具に抱持された状況を、第３ｂ図は、ウエハが他
方のカセツトの真上に移送された状況を、第３ｃ
図は、移送されたウエハが、他方のカセツトの真
上において、支持具に受け取られた状況を、第３
ｄ図は、ウエハが他方のカセツト内に収容された
状況を、それぞれ示す。 １…ケース、２…台板、３…窓孔、４…載置
枠、５…昇降枠、６…昇降杆、７…連結杆、８…
支持腕、９…案内杆、１０…支持具、１１…受
溝、１２…傾斜部、１３…リンク、１３ａ…ピ
ン、１３ｂ…水平片、１４…ローラ、１５…引張
ばね、１６…連結杆、１７…揺動板、１８…押圧
腕、１９…ストツパ、２０…位置決め手段、２１
…カセツト、２２…収容溝、２３…ウエハ、２４
…搬送装置、２５…長孔、２６…支持腕、２７…
抱持具、２８…支持溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ カセツト２１載置位置に対応する開口３が少
   なくとも１個所設けられた台板２と、該開口３に
   対応して台板２下方に上下動可能に設けられた少
   なくとも１個の昇降杆６と、台板２上部で該台板
   ２とは相対移動して適宜台板２上のカセツト２１
   載置位置に対向し、昇降杆６に保持された薄板材
   ２３を、その最上昇位置で受授する抱持具２７と
   からなる薄板材２３の移し替え装置において、 昇降杆６の上昇に連動して、台板２上に載置さ
   れたカセツト２１を、所定位置に位置決めするた
   めの手段２０を付設したことを特徴とする薄板材
   の移し替え装置。 ２ 台板２上の開口３を２個所設けるとともに、
   昇降杆６を１対とし、各昇降杆６を一体的に昇降
   させるようにした特許請求の範囲第１項に記載の
   薄板材の移し替え装置。