JPH10125438A - ポリエステル樹脂製のヒンジ付き成形品 - Google Patents
ポリエステル樹脂製のヒンジ付き成形品Info
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- JPH10125438A JPH10125438A JP28372396A JP28372396A JPH10125438A JP H10125438 A JPH10125438 A JP H10125438A JP 28372396 A JP28372396 A JP 28372396A JP 28372396 A JP28372396 A JP 28372396A JP H10125438 A JPH10125438 A JP H10125438A
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Abstract
にも拘らず、製造時にこれら薄肉部やヒンジ部に充填不
足が生じ難く、高温下で長時間曝しても着色したり、熱
劣化が起こり難く、耐衝撃性が良好で、使用時に低温下
で長時間曝しても割れや欠けが発生し難い、ヒンジ付き
成形品を提供すること。 【解決手段】 分子量が500〜3500のポリテトラ
メチレングリコールを共重合成分として3〜7重量%含
むPBT樹脂(A)100重量部に、ヒンダードフェノ
ール系化合物(B)0.05〜1.0重量部、および/
または、チオエーテル系化合物(C)0.05〜1.0
重量部を添加して得られる樹脂組成物よりなることを特
徴とするヒンジ付き成形品を要旨とする。 【効果】 上記課題が解決される。
Description
製のヒンジ付き成形品に関する。さら詳しくは、ポリブ
チレンテレフタレート樹脂(以下「PBT樹脂」と略記
することがある)の組成物よりなり、少なくとも1個の
ヒンジ構造部を有するポリエステル樹脂製のヒンジ付き
成形品に関する。
耐薬品性、寸法安定性などに優れているため種々の用途
に使用されるが、それが電気部品のコネクター類、自動
車用のワイヤーハーネスコネクター類、ファスナー類な
どに使用される時は、各種の結合、組合せ、固定のため
の機能を必要とするため、ヒンジ構造部を有する成形品
として使用される例が増加している。近年、自動車の安
全性、快適性、走行性能の向上のため機能の付加と、エ
レクトロニクス化の進行により自動車1台に搭載される
電気部品類、ワイヤーハーネスコネクターなどのコネク
ター類の数が増加している。
動車に搭載される電気部品類、コネクター類の軽量化が
重要な課題となっており、電気部品類やコネクター類の
小型化や高性能化が求められている。電気部品類やコネ
クター類は、剛直性、弾性(硬さ)などの物理的強度が
要求されるが、一方、柔軟性を必要とするヒンジ部を有
する成形品は、ヒンジ部が肉薄であるので成形時の流動
性を発揮するPBT樹脂組成物が求められている。この
良流動化を達成するために、従来は、PBT樹脂組成物
の基体樹脂となるPBT樹脂を低粘度化することが行わ
れていた。しかし、低粘度化したPBT樹脂からなる部
品類やコネクター類は、より高粘度のPBT樹脂よりな
る部品類やコネクター類に比べて脆く、薄肉部やヒンジ
部に割れや欠けを発生し易く、低温条件下での使用で破
損し易いという欠点がある。
の使用比率の増加に伴い、部品類やコネクター類の組立
てや運搬、または自動車への取り付け工程における部品
類やコネクター類の薄肉部やヒンジ構造部の割れや欠け
が大きな問題となっている。特に冬季の低温時における
作業の場合や、部品類やコネクター類に大きな衝撃が加
わった場合には、部品類の薄肉部やヒンジ構造部に割れ
や欠けが発生し、生産性を著しく低下させるという欠点
があった。このため、使用樹脂のPBT樹脂の低粘度化
には限界があった。
ネクター類などの薄肉部やヒンジ構造部の割れや欠けを
改善するために、PBT樹脂に各種のエラストマー成分
を添加する方法が提案されている。この方法では、エラ
ストマー成分をPBT樹脂中に小粒子状に分散させるこ
とにより、衝撃により生成したクラックの拡大を阻止
し、耐衝撃性を向上させているため、エラストマー成分
をPBT樹脂中に微細に分散させることが必須である。
低粘度のPBT樹脂にエラストマーを添加した場合に
は、エラストマー成分の分散が困難で、充分な衝撃性改
良の効果が得られないか、または、得られるPBT組成
物の溶融粘度が上昇し、金型構造によっては、成形時に
ウェルドラインが薄肉部やヒンジ構造部に集中して発生
し、これらウェルドラインが発生した部分の強度が低下
するという問題があった。
し、薄肉部やヒンジ構造部を有する成形品であるにもに
も拘らず、製造時にこれら薄肉部やヒンジ構造部に充填
不足(ショートショット)発生し難く、高温化で長時間
曝しても着色したり、熱劣化が起こり難く、耐衝撃性が
良好で、使用時に低温下で長時間曝しても、薄肉部やヒ
ンジ構造部に割れや欠けが発生し難い、ヒンジ付き成形
品を提供することを目的とするものである。
況に鑑み、鋭意検討の結果、PBT樹脂に較べて弾性率
が低下するため、電気部品類やコネクター類などの薄肉
部やヒンジ構造部を有する成形品の材料としては、実用
に耐えないと従来考えられていたポリテトラメチレング
リコール(以下、PTMGと略記する)を共重合体成分
として含むPBT樹脂(以下、共重合PBTと略記すこ
とがある)に、特定の安定剤を組合わせることにより、
上記の欠点を一挙に解決できることを見出し、本発明を
完成した。
明では、少なくとも1個のヒンジ構造部を有するポリエ
ステル樹脂製のヒンジ付き成形品において、分子量50
0〜3500のポリテトラメチレングリコールを共重合
成分として3〜7重量%含むポリブチレンテレフタレー
ト樹脂(A)100重量部に、ヒンダードフェノール系
化合物(B)0.05〜1.0重量部、および/また
は、チオエーテル系化合物(C)0.05〜1.0重量
部を添加して得られる組成物によりなることを特徴とす
る、ポリエステル樹脂製のヒンジ付き成形品を提供す
る。
本発明において「ヒンジ付き成形品」とは、1個の成形
品の中に機能の異なる部分を有し、これら機能の異なる
部分を連結する薄肉の連結部分を少なくとも1個有し、
この連結部分が曲げ変形を受けることによって、機能を
発揮する構造部を有する成形品を言う。上記機能を発揮
する構造部としては、薄板状、フィルム状、紐状および
糸状の構造などが挙げられる。
ル(PTMG)を共重合成分として3〜7重量%含むポ
リブチレンテレフタレート樹脂(A){以下、成分
(A)と略記することがある}を基体樹脂とする。成分
(A)としては、PTMGを共重合成分として7重量%
よりも多く含む共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂
(共重合PBT)に、PBTホモポリマーを配合するこ
とにより、PTMG成分の含有量が3〜7重量%の範囲
になるように調整したブレンド組成物であってもよい。
クター類などの薄肉部やヒンジ部を有する成形品では、
低温で長時間使用した場合に薄肉部やヒンジ部の一部が
欠損するのに対し、PTMGを共重合体成分として含む
共重合PBTを基体樹脂とした場合には、従来のエラス
トマーの添加の場合と異なり、材料の流動性を損なわず
に、成形品の薄肉部やヒンジ部に割れや欠けが発生する
のを防止することができ、特に、従来のPBTホモポリ
マー製の電気部品類やコネクター類の問題とされてい
た、低温下での使用時の薄肉部やヒンジ部の割れや欠け
を大幅に改良することができる。
量が3重量%未満の場合は割れ、割れや欠けの改良効果
が不充分であり、また、PTMGの共重合成分の含有量
が7重量%を越える場合には、成分(A)の弾性率低下
に伴い成形品の薄肉部やヒンジ構造部の強度が低下し、
小さな応力で壁面の変形が生じたり、ロック強度が低下
するため実用上不適当である。成分(A)のPTMGの
共重合成分を、成分(A)の3〜7重量%とした場合に
は、成形品の薄肉部やヒンジ部の強度が低下することが
ほとんどなく、電気部品類やコネクター類などのヒンジ
付き成形品としての実用強度も十分である。
その分子量を500〜3500の範囲で選ぶものとす
る。分子量がこの範囲外であると、これを含む共重合P
BT製の電気部品類やコネクター類などの成形品が、薄
肉部やヒンジ部で割れや欠けが発生し、これらの発生を
防止するという本発明の目的が達成できず、好ましくな
い。PTMG共重合成分の分子量の特に好ましい範囲
は、650〜2000の範囲である。
2ーテトラクロロエタンとを重量比で1対1に混合した
混合溶液に1g/dlの濃度として溶解し、30℃の温
度で測定した固有粘度が、0.6〜1.4g/dlの範
囲のものが好ましい。固有粘度が0.6g/dl未満で
あると、成形品に割れや欠けが生じ易く実用的使用に耐
えず、また、固有粘度が1.4g/dlを越えると、本
発明の目的とする薄肉部やヒンジ部を有する成形品を製
造することが困難となる。成分(A)の固有粘度の特に
好ましい範囲は、0.7〜1.15g/dlのものであ
る。
に比べて熱安定性が悪く、成形中に熱劣化、および、高
温下での使用中に熱劣化が起こりやすいため、成形品の
強度が低下し易く、割れや欠けの少ないヒンジ部を有す
る成形品を得るのは困難であった。この問題は、共重合
PBTの分子量を下げて流動性の向上を試みた場合や、
成形温度を上げて共重合PBTの流動性を高めた場合に
顕著であった。本発明では、ヒンダードフェノール系化
合物(B){成分(B)とも言う}、および/または、
チオエーテル系の系化合物(C){成分(C)とも言
う}を配合することによりこの問題を解決し、ヒンジや
その他薄肉部位を有しながら、これらに割れ欠けの少な
い電気部品類やコネクター類などの成形品が得られるよ
うになった。
分(B)}としては、トリエチレングリコール[3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールービ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチルーテト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、テトラキス[メチレン
−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ
フェニル)プロピル]メタン、1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレー
ト、トリス3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
あってもよい。中でも好適なものは、1,3,5−トリ
メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンおよびペンタエリ
スリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。
加量は、成分(A)に対し0.01〜1.0重量%の範
囲で選ぶものとする。添加量が0.01重量%より少な
いと所期の熱安定性が得られず、また、1.0重量%よ
り多く添加しても添加量に比例して熱安定性は向上しな
い。成分(B)の特に好ましい添加量は、0.1〜0.
5重量%である。
(C)}としては、ジラウリルチオジプロピオネート、
ジトリデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオ
ジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネー
ト、ペンタエリスリトールーテトラキス(3−ラウリル
チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールーテトラ
キス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリ
スリトールーテトラキス(3−オクタデシルチオプロピ
オネート)、ペンタエリスリトールーテトラキス(3−
ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトー
ルーテトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)
などが挙げられる。
あってもよい。中でも好適なものは、ペンタエリスリト
ールーテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネー
ト)、ペンタエリスリトールーテトラキス(3−ドデシ
ルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールーテト
ラキス(3−オクタデシルチオプロピオネート)、ペン
タエリスリトールーテトラキス(3−ミリスチルチオプ
ロピオネート)、ペンタエリスリトールーテトラキス
(3−ステアリルチオプロピオネート)などの分子量1
000以上のチオエーテル化合物である。
成分(A)に対し0.01〜1.0重量%の範囲で選ぶ
ものとする。添加量が0.01重量%より少ないと所期
の熱安定性が得られず、また、1.0重量%より多く添
加しても添加量に比例して熱安定性のは向上しない。成
分(C)の特に好ましい添加量は、0.1〜0.5重量
%である。
は、ヒンダードフェノール系化合物(B){成分
(B)}の添加のみで可能である。しかし、成分(A)
は酸化雰囲気下で加熱された場合には、淡赤色〜褐色に
着色する場合がある。チオエーテル系化合物{成分
(C)}を併用することにより成分(A)のこの様な着
色を防止するとともに、成分(A)の熱安定性をさらに
向上させることができる。
成分(C)を添加するには、(1) 成分(A)の重縮合中
に添加する、(2) 成分(A)の重縮合完了後の溶融状態
にある間に添加する方法、(3) ペレット状の成分(A)
に、添加し溶融混練する方法などが挙げられ、これらの
いずれの方法によって添加してもよい。
合が終了する前に、次亜燐酸アルカリ金属塩を添加する
ことにより、成分(A)の熱安定性と耐湿熱性とを改善
することができる。これにより、成形品のヒンジ部の割
れや欠けを低減できるとともに、高温高湿下での耐久性
を改善できる。次亜燐酸アルカリ金属塩としては、次亜
燐酸ナトリウム、次亜燐酸カリウム、次亜燐酸リチウム
などが挙げられ、特に次亜燐酸ナトリウムが望ましい。
塩の添加量は、1〜1000ppmの範囲とするのが好
ましい。添加量が1ppm未満では、添加の効果が充分
得られず、また、1000ppmより多く添加しても、
効果が変わらずかえって重縮合反応を阻害するので好ま
しくない。次亜燐酸アルカリ金属塩の好ましい添加量
は、3〜200ppmであり、特に好ましいの5〜80
ppmである。
脂は、上記した通りであるが、この原料樹脂には、ヒン
ジ付き成形品の特性を失わない種類の各種樹脂添加剤
を、特性を失わない範囲で配合することができる。配合
することができる樹脂添加剤としては、着色剤、帯電防
止剤、結晶核剤、可塑剤、滑剤、離型剤、充填剤、繊維
状補強剤、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤などが挙げら
れる。
から、目的のヒンジ付き成形品を製造するには、射出成
形法によるのが一般的である。射出成形法によるとき
は、寸法の安定した同一形状の製品を多量に製造するこ
とができて、工業的に有利である。ヒンジ付き成形品と
しては、電気部品のコネクター類、自動車用のワイヤー
ハーネスコネクター類、ファスナー類などが挙げられ
る。中でも、自動車用のワイヤーハーネスコネクター類
が好適である。
するが、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、本発明
は以下の記載例に限定されるものではない。なお、以下
の記載例において、基体樹脂の固有粘度、樹脂組成物に
よるヒンジ付き試験片の成形性、試験片についてのヒン
ジ特性試験は、以下に記載の方法で測定したものであ
る。
2,2−テトラクロロエタンとを重量比1対1の割合で
混合した混合溶液に、1g/dlの濃度に溶解しウベロ
ーデ粘度計を使用して、30℃の温度で測定した。
性の評価:実施例および比較例において、図1に平面
図、図2に側面図、図3に図2のヒンジ部Aの拡大側面
図として示した通りの大きさ、形状のヒンジ付き試験片
を、FUNAC50B型射出成形機に装着した金型を用
いて成形した。図1ないし図3において、1および2は
成形品本体部、3はヒンジ部、Gはゲートである。成形
条件は、シリンダー温度…225℃、金型温度…50
℃、射出圧力…850kg/cm2、射出速度…120mm/
秒、射出時間…6秒、冷却時間…7秒、とした。得られ
た試験片につき、充填不足(ショートショット)および
バリの有無の目視観察し、下記のように判定した。充填
不足は、主に試験片のヒンジ構造部で起こった。 ○:良品、△:一部に充填不足有り、×:充填不足が著
しい
側面図として示したように、ヒンジ部で180度折り曲
げ、折り曲げた後のヒンジ部の外観を矢印の方向から目
視観察し、表−1に示したように5段階で評価判定し
た。なお、表−1において、「めくれ」とは試験片の折
り曲げた後のヒンジ部の目視観察した部分に、部分的な
亀裂や剥離が生じて表面が平滑でなくなったことを意味
する。ヒンジ特性試験は、各測定温度(23℃、10
℃、0℃、−10℃、−20℃、−30℃)で5個の試
験片について同様の試験を行い、外観評価結果を5段階
で得点を付与し、5個の試験片の得点の合計を総合評価
点とした。総合評価点の高いものほどヒンジ特性は良好
であり、15点以上であれば、その測定温度で使用可能
であると判断される。
10重量%を共重合成分として含有し、固有粘度1.1
5dl/gの共重合PBTを50重量%、固有粘度0.
95dl/gのPBTホモポリマー49.2重量%、ペ
ンタエリスルチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
0.3重量%、ペンタエリスルトールーテトラキス−
(3−ラウリルチオプロピオネート)0.3重量%、パ
ラフィンワックス0.3重量%をそれぞれ秤量し、ブレ
ンダーで均一に混合して混合物とした。得られた混合物
を、2軸混練押出機によって混練してペレット化した。
に記載したように、図1に示したヒンジ付き試験片を成
形し、同時に成形性を評価し、得られた試験片につき上
記(3)に記載した手順で、各温度(23℃、10℃、
0℃、−10℃、−20℃、−30℃)でヒンジ特性試
験を行った。その結果を、総合評価点として表−2に示
す。
て、PBTホモポリマーを次の方法で製造した代えた外
は、同例におけると同様の手順でペレットを得た。この
例におけるPBTホモポリマーは、PBTホモポリマー
製造工程において減圧下で重縮合する前のオリゴマー
に、次亜リン酸ナトリウム・1水塩を生成するポリマー
に対して50ppm添加した後、所定の固有粘度に達す
るまで重縮合反応させたものである。得られたペレット
につき、実施例1におけると同様の評価試験を行った。
その結果を、表−2に示す。
て、樹脂の種類を、分子量1000のPTMGを共重合
成分として10重量%含有した共重合PBT、固有粘度
1.15dl/gのPBTホモポリマー70重量%、お
よび、固有粘度1.14dl/gのPBTホモポリマー
29.2重量%よりなる混合物に代えた以外は、同例に
おけると同様の手順でペレットを得た。得られたペレッ
トにつき、実施例1におけると同様の評価試験を行っ
た。その結果を、表−2に示す。
10重量%共重合成分として含有し、固有粘度1.15
dl/gの共重合PBT30重量%、固有粘度0.95
dl/gのPBTホモポリマー69.2重量%、ペンタ
エリスルチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.
3重量%,ペンタエリスルトールーテトラキス−(3−
ラウリルチオプロピオネート)0.3重量%、パラフィ
ンワックス0.3重量%をそれぞれ秤量し、ブレンダー
で均一に混合した混合物とした。得られた混合物を、2
軸混練押出機によって混練してペレット化した。得られ
たペレットにつき、実施例1におけると同様の評価試験
を行った。その結果を、表−2に示す。
PBTホモポリマー99.4重量%と、ペンタエリスル
チルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.3重量
%、ペンタエリスルトールーテトラキス−(3−ラウリ
ルチオプロピオネート)0.2重量%、パラフィンワッ
クス0.3重量%をそれぞれ秤量し、ブレンダーで均一
に混合した混合物とした。得られた混合物を、2軸混練
押出機によって混練してペレット化した。得られたペレ
ットにつき、実施例1におけると同様の評価試験を行っ
た。その結果を、表−2に示す。
PBTホモポリマー96.4重量%と、コアシェル型ア
クリルゴム3重量%、ペンタエリスルチルーテトラキス
[3−(3,5ージ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]0.3重量%、ペンタエリスル
トールーテトラキス−(3−ラウリルチオプロピオネー
ト)0.2重量%、パラフィンワックス0.3重量%を
それぞれ秤量し、ブレンダーで均一に混合した混合物と
した。得られた混合物を、2軸混練押出機によって混練
してペレット化した。得られたペレットにつき、前記
(2)に記載の方法でヒンジ試験片を作成したが、この
例の基体樹脂を使用した場合は、ヒンジ部分を有する試
験片の一部に充填不足が生じたので、ヒンジ特性試験は
行わなかった。
10重量%共重合成分として含有し、固有粘度1.4d
l/gの共重合PBT50重量%と、固有粘度1.20
dl/gのPBTホモポリマー49.2重量%、ペンタ
エリスルチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.
3重量%、ペンタエリスルトールーテトラキスー(3ー
ラウリルチオプロピオネート)0.3重量%、パラフィ
ンワックス0.3重量%をそれぞれ秤量し、ブレンダー
で均一に混合した混合物とした。得られた混合物を、2
軸混練押出機によって混練してペレット化した。得られ
たペレットにつき、前記(2)に記載の方法でヒンジ試
験片を作成したが、この例の基体樹脂を使用した場合
は、ヒンジ部分を有する試験片は樹脂の充填不足が著し
かったので、ヒンジ特性試験は行わなかった。
かである。 (1) 本発明に係るポリエステル樹脂製のヒンジ付き成形
品製造用の樹脂組成物は、成形性に優れている(実施例
1〜実施例4参照)。 (2) 本発明に係るポリエステル樹脂製のヒンジ付き成形
品は、常温から−30℃の低温に曝しても優れたヒンジ
特性を発揮する(実施例1〜実施例4参照)。 (3) これに対して、比較例1の成形品製造用の樹脂組成
物は、成形性は優れているがヒンジ特性において実施例
のものより劣る。また、比較例2、比較例3のものは、
成形性が劣り目的とするヒンジ付き成形品を製造するこ
とができない。
して、FUNAC50B型射出成形機で、図5に斜視図
を示した自動車用ワイヤーハーネスコネクターを製造し
た。図5において、51は係止板、52はロック部、5
3は薄肉部分、54はコネクターの外壁、55はコネク
ターの中間壁、56、57はヒンジ部である。この際の
成形条件は、シリンダー温度…225℃、金型温度…5
0℃、射出圧力…850kg/cm 2、射出速度…120mm
/秒、射出時間…6秒、冷却時間…7秒、とした。得ら
れた自動車用ワイヤーハーネスコネクターにつき、常温
で、そのヒンジ部を矢印の方向に90度折曲げる試験を
500回繰返して行っても、ヒンジ部46、47に剥離
・めくれ、割れなどは発生しなかった。
して、実施例5に記載の例と同様にして図4に示した自
動車用ワイヤーハーネスコネクターを製造した。得られ
た自動車用ワイヤーハーネスコネクターにつき、常温
で、そのヒンジ部を90度折曲げる試験を30回繰返し
て行うと、ヒンジ部46、47に剥離・めくれが発生し
た。
ジ付き成形品は、次の様な特別に有利な効果を奏し、そ
の産業上の利用価値は極めて大である。 1.本発明に係るポリエステル樹脂製のヒンジ付き成形
品製造用の樹脂組成物は、基体のポリエステル樹脂の分
子量を特定の範囲としているので、成形性に優れてお
り、薄いヒンジ部を有する成形品であっても充填不足
(ショートショット)を生じることなく製造することが
できる。 2.本発明に係るポリエステル樹脂製のヒンジ付き成形
品製造用の樹脂組成物は、成分(B)および/または成
分(C)が特定量配合されているので、高温化で長時間
曝されても着色したり、熱劣化を起こしたりし難い。
ンジ付き成形品は、常温から−30℃の低温に曝して
も、ヒンジ部に割れや欠けが生ずることがなく、優れた
ヒンジ特性を発揮する。 4.本発明に係るポリエステル樹脂製のヒンジ付き成形
品が自動車用ワイヤーハーネスコネクターである場合に
は、常温から−30℃の低温でも割れや欠けが生じ難い
ので、低温下でコネクターに衝撃が加わっても、割れや
欠けが生じ難いので、冬季における低温時での生産性を
向上させることができ、冬季における低温時での長期間
の使用も可能である。
図である。
図である。
ある。
の斜視図である。
耐薬品性、寸法安定性などに優れているため種々の用途
に使用されるが、それが電気部品のコネクター類、自動
車用のワイヤーハーネスコネクター類、ファスナー類な
どに使用される時は、各種の結合、組合せ、固定のため
の機能を必要とするため、ヒンジ構造部を有する成形品
として使用される例が増加している。近年、自動車の安
全性、快適性、走行性能の向上のための機能の付加と、
エレクトロニクス化の進行により自動車1台に搭載され
る電気部品類、ワイヤーハーネスコネクターなどのコネ
クター類の数が増加している。
し、薄肉部やヒンジ構造部を有する成形品であるにもに
も拘らず、製造時にこれら薄肉部やヒンジ構造部に充填
不足(ショートショット)が発生し難く、高温化で長時
間曝しても着色したり、熱劣化が起こり難く、耐衝撃性
が良好で、使用時に低温下で長時間曝しても、薄肉部や
ヒンジ構造部に割れや欠けが発生し難い、ヒンジ付き成
形品を提供することを目的とするものである。
性の評価:実施例および比較例において、図1に平面
図、図2に側面図、図3に図2のヒンジ部Aの拡大側面
図として示した通りの大きさ、形状のヒンジ付き試験片
を、FUNAC50B型射出成形機に装着した金型を用
いて成形した。図1ないし図3において、1および2は
成形品本体部、3はヒンジ部、Gはゲートである。成形
条件は、シリンダー温度…225℃、金型温度…50
℃、射出圧力…850kg/cm2、射出速度…120mm/
秒、射出時間…6秒、冷却時間…7秒、とした。得られ
た試験片につき、充填不足(ショートショット)および
バリの有無を目視観察し、下記のように判定した。充填
不足は、主に試験片のヒンジ構造部で起こった。 ○:良品、△:一部に充填不足有り、×:充填不足が著
しい
して、FUNAC50B型射出成形機で、図5に斜視図
を示した自動車用ワイヤ−ハ−ネスコネクタ−を製造し
た。図5において、51は係止板、52はロック部、5
3は薄肉部分、54はコネクタ−の外壁、55はコネク
タ−の中間壁、56、57はヒンジ部である。この際の
成形条件は、シリンダ−温度…225℃、金型温度…5
0℃、射出圧力…850/cm2、射出速度…120mm/
秒、射出時間…6秒、冷却時間…7秒、とした。得られ
た自動車用ワイヤ−ハ−ネスコネクタ−につき、常温
で、そのヒンジ部を矢印の方向に90度折曲げる試験を
30回繰返して行っても、ヒンジ部46、47に剥離・
めくれ、割れなどは発生しなかった。
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくとも1個のヒンジ構造部を有する
ポリエステル樹脂製のヒンジ付き成形品において、分子
量500〜3500のポリテトラメチレングリコールを
共重合成分として3〜7重量%含むポリブチレンテレフ
タレート樹脂(A)100重量部に、ヒンダードフェノ
ール系化合物(B)0.05〜1.0重量部、および/
または、チオエーテル系化合物(C)0.05〜1.0
重量部を添加して得られる組成物によりなることを特徴
とする、ポリエステル樹脂製のヒンジ付き成形品。 - 【請求項2】 成分(A)が、これを製造する工程中の
少なくとも重縮合が終了する前に1〜1000ppmの
次亜燐酸アルカリ金属塩を添加して製造されたポリテト
ラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレー
ト樹脂である、請求項1記載のポリエステル樹脂製のヒ
ンジ付き成形品。 - 【請求項3】 成形品が、自動車用ワイヤーハーネスコ
ネクターである請求項1または請求項2に記載のポリエ
ステル樹脂製のヒンジ付き成形品。
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JP28372396A JP3660078B2 (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | ポリエステル樹脂製のヒンジ付き成形品 |
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JP28372396A JP3660078B2 (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | ポリエステル樹脂製のヒンジ付き成形品 |
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JPH10125438A true JPH10125438A (ja) | 1998-05-15 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017035798A (ja) * | 2015-08-07 | 2017-02-16 | 本田技研工業株式会社 | 樹脂成形品の成形方法及び樹脂部材 |
-
1996
- 1996-10-25 JP JP28372396A patent/JP3660078B2/ja not_active Expired - Fee Related
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