JPH10124909A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置

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Publication number
JPH10124909A
JPH10124909A JP8274686A JP27468696A JPH10124909A JP H10124909 A JPH10124909 A JP H10124909A JP 8274686 A JP8274686 A JP 8274686A JP 27468696 A JP27468696 A JP 27468696A JP H10124909 A JPH10124909 A JP H10124909A
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JP
Japan
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optical
light
signal
objective lens
light beam
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JP8274686A
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English (en)
Inventor
Hideyoshi Horigome
秀嘉 堀米
Kimihiro Saito
公博 斎藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成の複雑化を招来することなく、透明基板
の厚さが異なる複数種類の光ディスクに対する記録再
生、ディスクスキューの検出及びスキューサーボが行え
る光ピックアップ装置を提供する。 【解決手段】 光源1よりの直線偏光光束を分割領域ご
とに任意の旋光性が得られる液晶旋光子4を透して対物
レンズ5に入射させる。光ディスク101a,101b
の透明基板厚(D2,D1)に応じて液晶旋光子4におけ
る分割状態を変えて対物レンズ5の開口制限を行う。ま
た、液晶旋光子4を経た光ディスク101a,101b
よりの反射光よりディスクスキューを検出し、液晶旋光
子4の分割状態を変えてディスクスキューの影響をキャ
ンセルする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの如き
光学記録媒体に対して情報信号の書き込み及び読み出し
を行う光ピックアップ装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、情報信号の記録媒体として光ディ
スクや光カードの如き光学記録媒体が提案され、また、
このような光学記録媒体に対して情報信号の書き込み及
び読み出しを行う光ピックアップ装置が提案されてい
る。
【0003】このような光学記録媒体は、ポリカーボネ
イトの如き透明材料からなる透明基板と、この透明基板
の一主面部上に被着形成された信号記録層とを有して構
成されている。
【0004】上記光ピックアップ装置は、光源となる半
導体レーザと、この半導体レーザより発せられた光束が
入射されるビームスプリッタ、このビームスプリッタを
経た光束が入射される対物レンズ、及び、光検出器を有
している。上記ビームスプリッタは、反射面を、上記半
導体レーザよりの光束の光軸に対して45°の傾きとな
るように配設されている。
【0005】そして、上記対物レンズに入射された光束
は、この対物レンズにより、上記光学記録媒体の信号記
録面上に集光して照射される。このとき、この光束は、
上記光学記録媒体の透明基板側よりこの光学記録媒体に
対して照射され、該透明基板を透過して上記信号記録層
の表面部である上記信号記録面上に集光される。この対
物レンズは、2軸アクチュエータに支持されて移動操作
されることにより、常に、上記信号記録面上の情報信号
が記録される箇所(記録トラック)に上記光束を集光さ
せる。
【0006】上記光学記録媒体においては、上記対物レ
ンズを経た光束が集光されて照射されることにより、こ
の光束が照射された箇所に情報信号の記録が行われる。
【0007】上記信号記録面上に照射された光束は、こ
の信号記録面上に記録された情報信号に応じて、光量、
または、偏光方向を変調されて該信号記録面により反射
され、上記対物レンズに戻る。
【0008】上記信号記録面により反射された反射光束
は、上記対物レンズを経て、上記ビームスプリッタに至
る。この反射光束は、上記ビームスプリッタにより、上
記半導体レーザに戻る経路に対して分岐され、上記光検
出器に向かう。
【0009】上記光検出器は、フォトダイオードの如き
受光素子であって、上記ビームスプリッタを経た光束を
受光し、電気信号に変換する。この光検出器より出力さ
れる電気信号に基づいて、上記光学記録媒体に記録され
た情報信号の再生が行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な光ディスクの如き光学記録媒体においては、コンピュ
ータ用の補助記憶装置として、また、音声及び画像信号
の記録媒体として用いるために、情報信号の記録密度の
高密度化が進められている。
【0011】このように記録密度が高密度化された光学
記録媒体に対して情報信号の記録及び再生を行うには、
上記対物レンズをより開口数(NA)の大きなものとし
て、この光学記録媒体上に上記光束が集光されることに
より形成されるビームスポットを小さくする必要があ
る。
【0012】しかしながら、上記対物レンズの開口数が
大きくなると、上記光学記録媒体の傾き、この光学記録
媒体の透明基板の厚みムラ、及び、この光学記録媒体上
における上記光束のデフォーカス(焦点ずれ)に対する
許容度が減少することとなり、この光学記録媒体に対す
る情報信号の記録及び再生が困難となってしまう。
【0013】例えば、上記光学記録媒体の上記対物レン
ズの光軸に対する傾き(スキュー)が生ずると、上記信
号記録面上に集光される光束において波面収差が生じ、
上記光検出器より出力される電気信号(RF出力)に影
響が出る。
【0014】この波面収差は、上記対物レンズの開口数
の3乗と上記光学記録媒体の傾き角(スキュー角)の約
1乗に比例して発生する3次のコマ収差が支配的であ
る。したがって、上記光学記録媒体の傾きに対する許容
値は、上記対物レンズの開口数の3乗に反比例すること
となり、すなわち、この開口数が大きくなれば小さくな
る。
【0015】厚さ1.2mm、直径80mmまたは12
0mmの円盤状のポリカーボネイトにより形成された透
明基板を有して構成され、現在、一般に広く用いられて
いる光ディスク(いわゆる「コンパクトディスク」の如
きもの)においては、傾き角が±0.5°乃至±1°の
傾きが生ずることがある。
【0016】このような光ディスクにおいては、この光
ディスクに照射される光束において上述のような波面収
差が生じ、この光ディスク上におけるビームスポットが
非対称形状となり、符号間干渉が著しく生じて、正確な
信号再生が困難となる。
【0017】このような3次のコマ収差の量は、光ディ
スクの透明基板の厚さに比例する。そのため、上記透明
基板の厚さを薄くする(例えば0.6mmとする)こと
により、3次のコマ収差を半減させることができる。こ
のようにしてコマ収差を減少させることとした場合、上
記光ディスクとして、透明基板の厚さが1.2mmのも
のと、該透明基板の厚さが0.6mmのものとが混在し
て使用されることとなる。
【0018】ところで、上記対物レンズによって集光さ
れる収束光束の光路中に厚さtの平行平面板が挿入され
ると、この厚さtと該対物レンズの開口数NAに関連し
て、t×(NA)4に比例する球面収差が発生する。
【0019】上記対物レンズは、この球面収差が補正さ
れるように設計される。すなわち、上記透明基板の厚さ
が異なると発生する球面収差の量も異なるので、上記対
物レンズは、所定の透明基板の厚さに適合されたものと
して設計される。
【0020】そして、例えば0.6mmの厚さの透明基
板を有する光ディスクに適合されて設計された対物レン
ズを用いて、1.2mmの厚さの透明基板を有する光デ
ィスク(例えば、「コンパクトディスク」、追記型光デ
ィスク、光磁気ディスク)に対して情報信号の記録及び
再生を行おうとした場合には、これらの透明基板の厚さ
の違い(0.6mm)が上記光ピックアップ装置が対応
し得る透明基板の厚さの誤差の許容範囲を大幅に越えて
いることとなる。この場合には、上記対物レンズが上記
透明基板の厚さの違いにより発生する球面収差を補正す
ることができず、良好な情報信号の記録及び再生が行え
ない。
【0021】ここで、機械的な絞りを用いて、あるい
は、図29及び図30に示すように、電気光学素子10
5及びワイヤグリッド(Wire Grid)アパーチャ108
を用いて、上記対物レンズ109の開口数を上記光学記
録媒体の透明基板の厚さに応じて変化させることが考え
られる。
【0022】すなわち、この光ピックアップ装置におい
ては、受発光複合素子(レーザカプラ(Laser Couple
r))104が有する半導体レーザチップより発せられ
たレーザ光束は、透過光束の偏光方向を変えることがで
きる上記電気光学素子105を透過し、さらに、上記ワ
イヤグリッドアパーチャ108を透過して、対物レンズ
109に入射される。この対物レンズ109は、上記ワ
イヤグリッドアパーチャ108とともに、支持枠110
により支持されている。この対物レンズ109は、開口
数(NA)が、例えば、0.6となされて構成されてお
り、入射されたレーザ光束を光学記録媒体の信号記録面
上に集光させる。上記ワイヤグリッドアパーチャ108
は、周縁側部分のみにワイヤグリッドが形成された平行
平板として構成されている。ワイヤグリッドは、波長オ
ーダのピッチを有する微細な格子構造を有しており、透
過光について偏光依存性を有している。すなわち、この
ワイヤグリッドは、偏光方向が格子方向に沿っている光
束を透過させるが、偏光方向が格子方向と異なる光束を
遮断する。
【0023】この光ピックアップ装置において、上記電
気光学素子105を透過した光束の偏光方向が上記ワイ
ヤグリッドアパーチャ108のワイヤグリッドの格子方
向に沿う方向となっているとき、すなわち、図29に示
すように、上記電気光学素子105に対する電圧印加が
行われていないときには、上記対物レンズ109に対し
ては、開口制限がなされることなく上記レーザ光束が入
射され、この対物レンズ109は、開口数が0.6のレ
ンズとして機能する。
【0024】そして、この光ピックアップ装置におい
て、上記電気光学素子105を透過した光束の偏光方向
が上記ワイヤグリッドアパーチャ108のワイヤグリッ
ドの格子方向と異なる方向となっているとき、すなわ
ち、図30に示すように、上記電気光学素子105に対
する電圧印加が行われているときには、上記対物レンズ
109に対しては、上記ワイヤグリッドによって開口制
限がなされ、この対物レンズ109は、開口数が、例え
ば0.3のレンズとして機能する。このようにして、上
記対物レンズ109の開口数を小さくすることにより、
上記透明基板の厚さの違いによって生ずる球面収差を小
さく抑えることができる。
【0025】しかしながら、機械的な絞りや上述ような
電気光学素子105及びワイヤグリッド(Wire Grid)
アパーチャ108を設けることは、光ピックアップ装置
の構成の複雑化、大型化、消費電力の増大を招来するこ
ととなる。
【0026】さらに、異なる厚さの透明基板を有する複
数種類の光学記録媒体に対応するための光ピックアップ
装置としては、収差補正板を用いるもの、遠近両用レン
ズを用いるもの、複数の対物レンズを切換えて使用する
もの、ホログラムレンズを使用するもの等が提案されて
いるが、いずれにおいても、収差補正板や対物レンズの
差し替え操作や移動操作を行うことにより構造が複雑化
したり、あるいは、迷光の増大の問題やカップリング効
率の低下という問題を解決できない。
【0027】また、光学記録媒体の対物レンズの光軸に
対するスキュー(傾き)を検出し、このスキューに応じ
たサーボ動作を行うことにより、上記透明基板のスキュ
ーによるビームスポットの劣化の抑制を実現しようとす
る光ピックアップ装置が提案されている。しかしなが
ら、このような光ピックアップ装置においては、上記ス
キューを検出する検出素子(スキューセンサ)を上記光
ピックアップ装置の光学系とは別途に設ける必要がある
ため、構造が複雑化する。また、上記スキューの影響を
補正するための手法として、非球面を有する2枚の収差
補正板(スキュープレート)を光軸と直交する方向に移
動操作するもの、ピエゾ素子を用いて収差補正板の面形
状を変化させるもの、光ピックアップ装置の全体を傾け
るもの等が提案されているが、いずれも、収差補正板の
作製の困難さ、消費電力の増大(ピエゾ素子の駆動に
は、300V程度の電源が必要)、構成の大型化、アク
セスの遅さという問題を解決できない。
【0028】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提
案されるものであって、装置構成の複雑化、大型化を招
来することなく、透明基板の厚さが異なる光学記録媒体
に対しても、情報信号の記録及び再生が良好に行えるよ
うになされ、また、光学記録媒体の傾き(スキュー)に
対しても有効に対処し得るようになされた光ピックアッ
プ装置の提供という課題を解決しようとするものであ
る。
【0029】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明に係る光ピックアップ装置は、直線偏光の光
束を射出する光源と、この光源より射出された光束をこ
の光束を光学記録媒体の信号記録面上に集光させる対物
レンズに導く偏向ビームスプリッタと、この偏向ビーム
スプリッタより該対物レンズに至る光路上に配設されこ
の光路に略々垂直な平面内で複数の領域に分割され該各
領域毎に独立的に旋光方向が制御できる分割旋光素子
と、該信号記録面よりの該光束の反射光であって該偏向
ビームスプリッタにより互いに分岐された2本の反射光
束のうち該光源より発せられた光束の偏光方向に平行な
方向の偏光方向を有する第1の反射光束を検出する第1
の光検出手段と、該信号記録面よりの該光束の反射光で
あって該偏向ビームスプリッタにより互いに分岐された
2本の反射光束のうち該光源より発せられた光束の偏光
方向に垂直な方向の偏光方向を有する第2の反射光束を
検出する第2の光検出手段とを備えたものである。
【0030】また、本発明は、上記光ピックアップ装置
において、上記分割旋光素子は、液晶セルによって構成
され上記各領域毎に独立的に電界を加えられて制御され
ることとしたものである。
【0031】さらに、本発明は、上記光ピックアップ装
置であって、上記信号記録面上に設けられている透明基
板の厚さが第1の厚さである第1の光学記録媒体と該透
明基板の厚さが該第1の厚さよりも厚い第2の厚さであ
って該第1の光学記録媒体よりも情報の記録密度が低い
第2の光学記録媒体とのいずれに対しても情報信号の書
き込み読み出しが行えることとなされたものである。
【0032】そして、本発明は、上記光ピックアップ装
置において、上記第2の光学記録媒体に対して情報信号
の書き込み読み出しを行うときには、上記分割旋光素子
における右旋光領域と左旋光領域との配置パターンを、
該第2の光学記録媒体の信号記録面上に形成されている
記録トラックの接線方向に垂直な方向の分割線を介して
配置された状態とすることとなされたものである。
【0033】また、本発明は、上記光ピックアップ装置
において、上記第1の光学記録媒体に対して情報信号の
書き込み読み出しを行うときには、上記第1の光検出手
段における光検出出力に応じて該第1の光学記録媒体に
対する書き込み読み出しを行い、上記第2の光学記録媒
体に対して情報信号の記録再生を行うときには、上記第
2の光検出手段における光検出出力に応じて該第2の光
学記録媒体に対する書き込み読み出しを行うこととした
ものである。
【0034】そして、本発明に係る光ピックアップ装置
は、直線偏光の光束を射出する光源と、この光源より射
出された光束をこの光束を光学記録媒体の信号記録面上
に集光させる対物レンズに導く偏向ビームスプリッタ
と、この偏向ビームスプリッタより該対物レンズに至る
光路上に配設されこの光路に略々垂直な平面内で複数の
領域に分割され該各領域毎に独立的に旋光方向が制御で
きる分割旋光素子と、該信号記録面よりの該光束の反射
光であって該偏向ビームスプリッタにより互いに分岐さ
れた2本の反射光束のうち該光源より発せられた光束の
偏光方向に平行な方向の偏光方向を有する第1の反射光
束を検出する第1の光検出手段と、該信号記録面よりの
該光束の反射光であって該偏向ビームスプリッタにより
互いに分岐された2本の反射光束のうち該光源より発せ
られた光束の偏光方向に垂直な方向の偏光方向を有する
第2の反射光束を検出する第2の光検出手段とを備え、
上記第1の光検出手段における光検出出力を上記光学記
録媒体よりの情報信号の読み出し信号とし、上記第2の
光検出手段における光検出出力に基づいて上記光学記録
媒体の信号記録面の上記対物レンズの光軸に対する傾き
を検出し、該信号記録面の該対物レンズの光軸に対する
傾きがないときには、上記分割旋光素子における右旋光
領域と左旋光領域との配置パターンを該上記信号記録面
上に形成されている記録トラックの接線方向に平行な方
向の分割線を介して配置された状態とし、該信号記録面
の該対物レンズの光軸に対する傾きがあるときには、該
分割旋光素子における右旋光領域と左旋光領域との配置
パターンを変化させることにより該信号記録面の該対物
レンズの光軸に対する傾きの影響を相殺することとなさ
れたものである。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0036】この実施の形態は、本発明に係る光ピック
アップ装置を、透明基板の厚さtが0.6mmの光学記
録媒体である第1の光ディスク及び透明基板の厚さtが
1.2mmの光学記録媒体である第2の光ディスクとの
双方に対して、情報信号の記録及び再生が行える光ピッ
クアップ装置として構成したものである。なお、情報信
号の記録密度は、上記第1の光ディスクのほうが上記第
2の光ディスクよりも高くなされている。
【0037】この実施の形態について、次の順序で説明
する。
【0038】〔1〕第1及び第2の光ディスク(図1) 〔2〕光ピックアップ装置の構成(図1及び図2) 〔3〕第2の光ディスクよりの情報信号の読み出し(図
1乃至図8、図10及び図11) 〔4〕第1の光ディスクよりの情報信号の読み出し(図
1、図9、図12乃至図24) 〔5〕光ピックアップ装置を用いた記録再生装置の構成
(図1) 〔6〕受発光複合素子を用いた光ピックアップ装置の構
成(図25乃至図28)
【0039】〔1〕第1及び第2の光ディスク(図1) 上記第1の光ディスクは、図1に示すように、厚さt=
1(0.6mm)、直径120mmの円盤状のポリカ
ーボネイトにより形成された透明基板と、この透明基板
の一主面部上に形成された信号記録層102とを有して
構成されている。この第1の光ディスク101aは、2
枚の第1の光ディスク101aが上記信号記録層102
側同士を貼り合わされて、厚さ1.2mmの円盤体(い
わゆる両面ディスク、または、多層ディスク)を構成し
ている。
【0040】この第1の光ディスク101aは、波長が
635nmのレーザ光束により、開口数(NA)が0.
6の対物レンズを介して、情報信号の記録及び再生をな
されるように構成されている。この第1の光ディスク1
01aとしては、情報信号の記録及び再生が行われるい
わゆる光磁気ディスクと、情報信号の再生専用であるい
わゆるピットディスクとが考えられる。
【0041】このような第1の光ディスク101aに該
当するものとして、例えば、いわゆる「SD」、また
は、「デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)」が提案
されている。
【0042】上記第2の光ディスク101bは、図1に
示すように、厚さt=D2(1.2mm)、直径80m
mまたは120mmの円盤状のポリカーボネイトにより
形成された透明基板と、この透明基板の一主面部上に形
成された信号記録層102とを有して構成されている。
【0043】この第2の光ディスク101bは、波長が
780nmのレーザ光束により、開口数が0.45の対
物レンズを介して、情報信号の再生をなされるように構
成されている。この第2の光ディスク101bとして
は、情報信号の再生専用であるいわゆるピットディスク
が考えられる。
【0044】このような第2の光ディスク101bに該
当するものとしては、例えば、いわゆる「コンパクト・
ディスク(CD)」が提案されている。
【0045】〔2〕光ピックアップ装置の構成(図1及
び図2) そして、本発明に係る光ピックアップ装置は、図1に示
すように、光源となる半導体レーザ(Laser)1を有し
ている。この半導体レーザ1は、直線偏光のコヒーレン
ト光であるレーザ光束を発する。このレーザ光束は、発
散光束である。また、このレーザ光束の波長は、635
nmである。
【0046】上記レーザ光束は、ビームスプリッタ(B
S)2を透過して、偏光ビームスプリッタ(PBS)3
に至る。上記ビームスプリッタ2は、略々正方形状に形
成され、入射面部に対して45°の傾斜面となされた半
透過膜面を上記半導体レーザ1よりのレーザ光束の光軸
に対して45°の傾斜角として配設されている。また、
上記偏光ビームスプリッタ3は、略々正方形状に形成さ
れ、入射面部に対して45°の傾斜面となされた偏光透
過膜面を上記半導体レーザ1よりのレーザ光束の光軸に
対して45°の傾斜角として配設されている。
【0047】上記偏光ビームスプリッタ3に入射された
レーザ光束は、この偏光ビームスプリッタ3の偏光透過
膜面により反射されて90°偏向され、分割旋光子とな
る液晶旋光子4を透過して対物レンズ(Objective Len
s)5に入射される。すなわち、上記半導体レーザ1
は、射出したレーザ光束が上記偏光ビームスプリッタ3
の偏光透過膜面に対してS偏光状態で入射されるように
配置されている。
【0048】上記液晶旋光子4は、液晶セルを有して透
明な平行平板状に構成されている。この液晶旋光子4
は、上記偏向ビームスプリッタ3より上記対物レンズ5
に至る光路上に配設され、図2に示すように、該光路に
略々垂直な平面内で複数の領域に分割されており、該各
領域毎に独立的に、旋光方向が制御できるように構成さ
れている。すなわち、上記液晶旋光子4は、上記各領域
ごとに独立的に電圧を印加されることにより、該各領域
に対応する上記液晶セル内の分子の配向方向が変えら
れ、該各領域ごとに任意の旋光性を有するものとなされ
る。
【0049】上記対物レンズ5は、図示しないレンズ枠
により支持されている。この対物レンズ5は、上記液晶
旋光子4を透過したレーザ光束を、上記各光ディスク1
01a,101bの信号記録面上に集光させる。すなわ
ち、上記対物レンズ5に入射されたレーザ光束は、この
対物レンズ5により、上記各光ディスク101a,10
1bの信号記録面上に集光して照射される。
【0050】このとき、このレーザ光束は、上記各光デ
ィスク101a,101bの透明基板側よりこれら光デ
ィスク101a,101bに対して照射され、該透明基
板を透過して上記信号記録層102の表面部である上記
信号記録面上に集光される。この対物レンズ5は、上記
レンズ枠を介して、図示しない2軸アクチュエータによ
り支持され、図1中矢印F及び矢印Tで示すように、光
軸方向及び光軸に直交する方向に移動操作されることに
より、常に、上記信号記録面上の情報信号が記録される
箇所(記録トラック)に上記レーザ光束を集光させる。
【0051】上記対物レンズ5は、開口数(NA)が
0.6となっている。上記対物レンズ5は、この対物レ
ンズ5によって集光される収束光束の光路中に厚さtの
平行平面板が挿入されたときに、t×(NA)4に比例
して発生する球面収差が補正されるように設計されてい
る。すなわち、上記対物レンズ5は、透明基板の厚さが
厚さt=D1(0.6mm)の光学記録媒体である上記
第1の光ディスク101aに適合されたものとして設計
されている。
【0052】上記各光ディスク101a,101bにお
いては、上記対物レンズ5を経たレーザ光束が集光され
て照射されることにより、このレーザ光束が照射された
箇所における情報信号の書き込み、または、読み出しが
行われる。
【0053】そして、上記信号記録面上に照射されたレ
ーザ光束は、この信号記録面上に記録された情報信号に
応じて、光量(ピットディスクの場合)、または、偏光
方向(光磁気ディスクの場合)を変調されて該信号記録
面により反射され、反射光束として上記対物レンズ5に
戻る。上記反射光束は、上記対物レンズ5及び上記液晶
旋光子4を透過して、上記偏光ビームスプリッタ3に戻
る。この偏光ビームスプリッタ3においては、上記反射
光束のうちの上記偏光透過膜に対するS偏光である成分
は、この偏光透過膜によって反射され、上記ビームスプ
リッタ2に戻る。
【0054】このようにして上記ビームスプリッタ2に
戻った反射光束は、上記半透過膜において、この半透過
膜を透過して上記半導体レーザ1に戻る光束と、該半透
過膜により反射される光束とに分岐される。上記半透過
膜により反射された光束は、第1の光検出器PD1に受
光される。
【0055】上記第1の光検出器PD1は、図10に示
すように、中心部より等角度間隔の放射状に形成された
4本の分割線を介して隔てられた4個の受光部7a,7
b,7c,7dを有している(いわゆる田の字状の分割
受光部)。この第1の光検出器PD1の受光部7a,7
b,7c,7d上には、これら受光部7a,7b,7
c,7d上に照射される上記反射光束が第1の反射光ス
ポットS1を形成する。上記各受光部7a,7b,7
c,7dは、それぞれ照射された反射光束に応じた光検
出出力を独立的に出力する。
【0056】一方、上記偏光ビームスプリッタ3におい
て、上記反射光束のうちの上記偏光透過膜に対するP偏
光である成分は、この偏光透過膜を透過して上記ビーム
スプリッタ2へ戻る光路より分岐され、第2の光検出器
PD2により受光される。
【0057】上記第2の光検出器PD2は、図1及び図
13に示すように、互いに平行に形成された3本の分割
線を介して隔てられた4個の受光部6a,6b,6c,
6dを有している(いわゆる川の字状の分割受光部)。
この第2の光検出器PD2の受光部6a,6b,6c,
6d上には、これら受光部6a,6b,6c,6d上に
照射される上記反射光束が第2の反射光スポットS2
形成する。上記各受光部6a,6b,6c,6dは、そ
れぞれ照射された反射光束に応じた光検出出力を独立的
に出力する。
【0058】〔3〕第2の光ディスクよりの情報信号の
読み出し(図1乃至図8、図10及び図11) この光ピックアップ装置においては、上記第2の光ディ
スク101bについて情報信号の読み出しを行うときに
は、上記液晶旋光子4は、図2に示すように、該第2の
光ディスク101bの記録トラックの接線103に直交
する方向の分割線を介して右旋光部4Rと左旋光部4L
とに分割された状態(この状態を、以下、「T型光学
系」という)となされる。上記右旋光部4Rは、透過す
るレーザ光束の偏光方向を、所定の偏光角αだけ、光束
の進行方向に対して右側に回転させる。また、上記左旋
光部4Lは、透過するレーザ光束の偏光方向を、所定の
偏光角αだけ、光束の進行方向に対して左側に回転させ
る。
【0059】このT型光学系においては、上記対物レン
ズ5の開口数(NA)は、上記第2の光ディスク101
bのタンジェンシャル方向(上記記録トラックの接線1
03の方向)について、上記第1の光検出器PD1に戻
る反射光束については、0.6となっており、上記第2
の光検出器PD2に戻る反射光束については、0.3と
なっている。
【0060】すなわち、上記偏光ビームスプリッタ3を
経たレーザ光束のうち、上記右旋光部4Rを透過した光
束は、上記光ディスク101aの信号記録面上に照射さ
れたときに、この信号記録面上のピット(または、グル
ーブ)によって散乱されて反射され、上記液晶旋光子4
に戻ったときには、この液晶旋光子4の全面、すなわ
ち、上記右旋光部4R及び上記左旋光部4Lに亘って略
々均等に拡散されている。また、上記偏光ビームスプリ
ッタ3を経たレーザ光束のうち、上記左旋光部4Lを透
過した光束も、上記第2の光ディスク101bの信号記
録面上に照射されたときに、この信号記録面上のピット
(または、グルーブ)によって散乱されて反射され、上
記液晶旋光子4に戻ったときには、この液晶旋光子4の
全面、すなわち、上記右旋光部4R及び上記左旋光部4
Lに亘って略々均等に拡散されている。
【0061】そして、上記右旋光部4Rを透過して上記
第2の光ディスク101b側に入射され、かつ、この第
2の光ディスク101bにおいて反射された後に該右旋
光部4Rを透過した反射光束、及び、上記左旋光部4L
を透過して該第2の光ディスク101b側に入射され、
かつ、この第2の光ディスク101bにおいて反射され
た後に該左旋光部4Lを透過した反射光束は、偏光方向
が、上記半導体レーザ1より発せられたレーザ光束の偏
光方向と同一の方向に戻されているので、上記偏光ビー
ムスプリッタ3の偏光透過膜面に対してS偏光であるこ
ととなり、この偏光透過膜面により反射されて、上記ビ
ームスプリッタ2の側に戻る。
【0062】一方、上記右旋光部4Rを透過して上記第
2の光ディスク101b側に入射され、かつ、この第2
の光ディスク101bにおいて反射された後に上記左旋
光部4Lを透過した反射光束、及び、該左旋光部4Lを
透過して該第2の光ディスク101b側に入射され、か
つ、この第2の光ディスク101bにおいて反射された
後に該右旋光部4Rを透過した反射光束は、偏光方向
が、上記半導体レーザ1より発せられたレーザ光束の偏
光方向に対して上記旋光角の2倍(±2α)だけ回転さ
れているので、上記偏光ビームスプリッタ3の偏光透過
膜面に対するP偏光の成分を有することとなる。このよ
うな、上記偏光透過膜面に対するP偏光成分は、この偏
光透過膜面を透過し、上記第2の光検出器PD2に達す
る。
【0063】すなわち、上記第2の光検出器PD2に戻
る反射光束については、上記T型光学系を構成する液晶
旋光子4及び上記偏光ビームスプリッタ3により、1/
2の開口制限がなされていることとなり、これは、上記
対物レンズ105の開口数(NA)を半分の0.3に制
限したのと同値である。一方、上記第1の光検出器PD
1に戻る反射光束については、開口制限がなされないの
で、上記対物レンズ105の開口数(NA)は、0.6
のままである。
【0064】上記第1の光検出器PD1に戻る反射光束
については、上記透明基板の厚さt=0.6mmである
場合には、図3及び図5中の点線(Deffraction Limi
t)に示すように、良好な空間周波数特性(MTF:Mod
ulation Transfer Function)の信号が得られるが、該
透明基板の厚さt=1.2mmである場合には、図4及
び図5中の実線に示すように、空間周波数特性が極度に
劣化する。これは、上記透明基板の厚さtと上記対物レ
ンズ5の開口数(NA)とに関連して、すなわち、t×
(NA)4に比例して球面収差が発生するためである。
この球面収差の量λrmsは、 λrms=(1/√5)(1/6)(1/8)(N2−1/
3)(NA)4(t/λ) で示される。
【0065】そして、上記第2の光検出器PD2におい
ては、上記第2の光ディスク101bより情報信号の再
生を行う場合の本来の条件、すなわち、対物レンズ5の
開口数が0.45でレーザ光束の波長が780nmとい
う条件において該第2の光ディスク101bより読み出
される読み出し信号と略々同等の信号が得られる。
【0066】すなわち、上記第2の光検出器PD2に戻
る反射光束については、上記透明基板の厚さt=0.6
mmである場合には、図6及び図8中の点線(Deffract
ionLimit)に示すように、カットオフ周波数が上記第1
の光検出器PD1において得られる信号のカットオフ周
波数の1/2である空間周波数特性を有する信号が得ら
れる。そして、上記透明基板の厚さt=1.2mmであ
る場合には、この第2の光検出器PD2に戻る反射光束
については、図7及び図8中の実線に示すように、空間
周波数特性の劣化が少ない。
【0067】これは、この第2の光検出器PD2におい
ては、上記透明基板の厚さtと上記対物レンズ5の開口
数(NA)とに関連して、t×(NA)4に比例して発
生する球面収差が、該開口数が小さいために、0.03
λrms程度に抑えられるためである。すなわち、上記球
面収差の発生量は、開口数が1/2になることにより、
(1/2)4=1/16=0.0625倍となる。
【0068】したがって、上記第2の光検出器PD2
らは、上記第2の光ディスク101bに記録されている
全ての信号(3T乃至11T(Tはチャンネルビッ
ト))についての十分な空間周波数特性を有する信号が
得られ、該第2の光ディスク101bについての良好な
再生が可能である。上記第2の光検出器PD2の各受光
部6a,6b,6c,6dから出力される信号をそれぞ
れA,B,C,Dとすれば、上記第2の光ディスク10
1bよりの読み出し信号CDは、 CD=A+B+C+D である。上記読み出し信号CDは、図1に示すように、
上記各出力信号A,B,C,Dが加算器10,11,1
4によってすべて加算されることによって得られる。
【0069】なお、上記第1の光検出器PD1からは、
フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を得
ることができる。上記フォーカスエラー信号は、上記対
物レンズ5による上記レーザ光束の集光点と上記信号記
録面との該対物レンズ5の光軸方向の距離を示す信号で
ある。また、上記トラッキングエラー信号は、上記対物
レンズ5による上記レーザ光束の集光点と上記記録トラ
ックとの該記録トラックの接線に直交し上記信号記録面
に沿う方向の距離を示す信号である。
【0070】上記第1の光検出器PD1の各受光部7
a,7b,7c,7dから出力される信号をそれぞれ
E,F,G,Hとすれば、上記フォーカスエラー信号F
eは、 Fe=(E+G)−(F+H) である(いわゆる非点収差法)。このフォーカスエラー
信号Feは、図1に示すように、上記出力信号E及び出
力信号Gが加算器18により加算され、上記出力信号F
及び出力信号Hが加算器19により加算され、これら加
算器18,19の出力の差が減算器23において求めら
れることによって得られる。
【0071】そして、上記トラッキングエラー信号Te
は、 Te=(E+H)−(G+F) である(いわゆるプッシュプル法)。このトラッキング
エラー信号Teは、図1に示すように、上記出力信号E
及び出力信号Hが加算器20により加算され、上記出力
信号G及び出力信号Fが加算器21により加算され、こ
れら加算器20,21の出力の差が減算器24において
求められることによって得られる。
【0072】なお、これらフォーカスエラー信号及びト
ラッキングエラー信号を得る手法については種々の方式
があり、この光ピックアップ装置においても、上記第1
の光検出器PD1の出力信号に基づき、種々の方式を採
用して、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー
信号を得ることができる。
【0073】〔4〕第1の光ディスクよりの情報信号の
読み出し(図1、図9、図12乃至図24) そして、この光ピックアップ装置においては、上記第1
の光ディスク101a(ピットディスク、または、光磁
気ディスク)について情報信号の読み出しを行うときに
は、上記液晶旋光子4は、図16に示すように、上記第
1の光ディスク101aの記録トラックの接線103に
平行な分割線を介して右旋光部4Rと左旋光部4Lとに
分割された状態(この状態を、以下、「R型光学系」と
いう)となされる。
【0074】このR型光学系においては、上記対物レン
ズ5の開口数(NA)は、上記第1の光ディスク101
aのタンジェンシャル方向(上記記録トラックの接線1
03の方向)について、上記第1の光検出器PD1に戻
る反射光束については、0.6となっており、上記第2
の光検出器PD2に戻る反射光束についても、0.6と
なっている。すなわち、上記第1及び第2の光検出器P
1,PD2に戻る反射光束のいずれについても、図3及
び図5中の点線(Deffraction Limit)に示すように、
良好な空間周波数特性の信号が得られる。
【0075】すなわち、このR型光学系においては、上
記第1の光ディスク101aに対する情報信号の記録及
び再生の本来の条件、すなわち、対物レンズ5の開口数
が0.6でレーザ光束の波長が635nmという条件が
満足されており、この第1の光ディスク101aに記録
されている全ての信号(3T乃至11T(Tはチャンネ
ルビット))について、十分な空間周波数特性が得ら
れ、良好な記録及び再生が可能である。
【0076】上記第1の光ディスク101aがいわゆる
ピットディスクである場合には、この第1の光ディスク
101aよりの読み出し信号DVDは、上記第1及び第
2の光検出器PD1,PD2のいずれからの出力信号によ
っても得ることができる。上記読み出し信号DVDは、
図1に示すように、上記各出力信号A,B,C,Dが加
算器10,11,14によってすべて加算されることに
より、または、上記各出力信号E,F,G,Hが加算器
18,19,22によってすべて加算されることによっ
て得られる。すなわち、上記読み出し信号DVDは、 DVD=A+B+C+D または、 DVD=E+F+G+H である。
【0077】また、上記第1の光検出器PD1の出力信
号からは、上述したように、フォーカスエラー信号Fe
及びトラッキングエラー信号Teを検出することができ
る。
【0078】そして、上記第2の光検出器PD2の出力
信号からは、上記第1の光ディスク101aの信号記録
面の上記対物レンズ5の光軸に対する傾き、すなわち、
ディスクスキューの量を示すディスクスキュー信号を検
出することができる。
【0079】すなわち、この光ピックアップ装置におい
て、上記ディスクスキューがない場合には、上記右旋光
部4Rを透過して上記第1の光ディスク101aに入射
されたレーザ光束は、この第1の光ディスク101aに
より反射されて、該右旋光部4R及び上記左旋光部4L
に均等に戻る。また、このとき、上記左旋光部4Lを透
過して上記第1の光ディスク101aに入射されたレー
ザ光束は、この第1の光ディスク101aにより反射さ
れて、該左旋光部4L及び上記右旋光部4Rに均等に戻
る。したがって、このときには、上記第2の光検出器P
2の各受光部6a,6b,6c,6d上に照射される
反射光束の光強度分布は、光軸回りに対称な分布(例え
ばガウシアン分布)であり、これら受光部6a,6b,
6c,6dから出力される信号A,B,C,Dも、光軸
回りに対称な値となる。
【0080】そして、この光ピックアップ装置におい
て、図12及び図14において矢印θで示すように、ラ
ジアル方向のディスクスキューが生じた場合には、上記
右旋光部4Rを透過して上記第1の光ディスク101a
に入射されたレーザ光束及び上記左旋光部4Lを透過し
て上記第1の光ディスク101aに入射されたレーザ光
束のいずれも、この第1の光ディスク101aにより反
射されて、該左旋光部4Lに戻るよりも多くが該右旋光
部4Rに戻ったり(図12の場合)、または、該右旋光
部4Rに戻るよりも多くが該左旋光部4Lに戻ったりす
る(図14の場合)こととなる。
【0081】上記右旋光部4Rを透過して上記第1の光
ディスク101aに入射されて該右旋光部4Rに戻った
反射光束、及び、上記左旋光部4Lを透過して該第1の
光ディスク101aに入射されて該左旋光部4Lに戻っ
た反射光束は、いずれも、上記偏光ビームスプリッタ3
の偏光透過膜面に反射されて上記第2の光検出器PD2
には到達しない。したがって、このときには、上記第2
の光検出器PD2の各受光部6a,6b,6c,6d上
に照射される反射光束の光強度分布は、図13及び図1
5に示すように、上記右旋光部4Rを透過して上記第1
の光ディスク101aに入射されて該右旋光部4Rに戻
った反射光束に相当する部分(図13の場合)、また
は、上記左旋光部4Lを透過して該第1の光ディスク1
01aに入射されて該左旋光部4Lに戻った反射光束に
相当する部分(図15の場合)の光強度が弱くなる。
【0082】また、この光ピックアップ装置において、
ラジアル方向のディスクスキューが生じた場合には、上
記反射光束によって上記第2の光検出器PD2の受光部
上に形成されるビームスポットS2自体が、該ディスク
スキューの方向に応じて、該受光部上を移動することと
なる。
【0083】したがって、上記ディスクスキューの発生
により、上記第2の光検出器PDの受光部6a,6
b,6c,6dからの出力信号は、該ディスクスキュー
の方向に応じて、1番目と3番目の受光部6a,6cか
らの出力信号A,C(図12及び図13の場合)、また
は、2番目と4番目の受光部6b,6dからの出力信号
B,D(図14及び図15の場合)の値が低下すること
となる。
【0084】すなわち、上記ディスクスキュー信号SK
は、 SK=(A+C)−(B+D) である。このディスクスキュー信号SKは、図1に示す
ように、上記出力信号A及び出力信号Cが加算器11に
より加算され、上記出力信号B及び出力信号Dが加算器
10により加算され、これら加算器11,10の出力の
差が減算器13において求められることによって得られ
る。
【0085】そして、この光ピックアップ装置において
は、上記液晶旋光子4における右旋光部4Rと左旋光部
4Lとの分割状態を、上記ディスクスキュー信号SKに
応じて変化させることにより、上記ディスクスキューの
影響を相殺するスキューサーボ動作を行うことができ
る。すなわち、上記ディスクスキュー信号SKに応じ
て、図17乃至図23に示すように、上記液晶旋光子4
における右旋光部4Rと左旋光部4Lとの分割状態(分
割線の位置)を変えて該ディスクスキュー信号SKが0
となるようにすれば、上記読み出し信号DVDにおける
該ディスクスキューの影響を回避することができる。
【0086】例えば、図17及び図18に示すように、
上記右旋光部4Rと上記左旋光部4Lとの分割線を上記
記録トラックの接線103に平行なままで平行移動させ
ることや、図19に示すように、該記録トラックの接線
103に直交する方向の分割線をも形成して2つの右旋
光部4Rと2つの左旋光部4Lとに分割することや、図
20及び図21に示すように、該記録トラックの接線1
03に直交する方向の分割線をも形成するとともに該記
録トラックの接線103に平行な分割線を一体的にまた
は分離して平行移動させることや、図22に示すよう
に、該記録トラックの接線103に平行な分割線を2本
として1つの右旋光部4Rと2つの左旋光部4Lと(ま
たは、2つの右旋光部4Rと1つの左旋光部4Lと)を
形成することや、図23に示すように、該記録トラック
の接線103に平行な分割線を3本として2つの右旋光
部4Rと2つの左旋光部4Lとを形成することによっ
て、上記読み出し信号DVDにおける上記ディスクスキ
ューの影響を回避することができる。
【0087】このように、この光ピックアップ装置にお
いては、上記液晶旋光子4における右旋光部4Rと左旋
光部4Lとの分布状態、及び、各領域における旋光角α
を適宜設定することにより、上記各光ディスク101
a,101bの信号記録面上に上記レーザ光束が形成す
るビームスポット形状の形状を制御することができる。
さらに、上記液晶旋光子4における旋光角αを適宜に設
定することにより、いわゆる超解像の効果を得ることが
できる。すなわち、図9及び図24に示すように、上記
旋光角αを30°にすることによって、上記信号記録面
上においては2つの直交する方向の偏光成分が重なった
状態のビームスポットが形成され、図9中に(a)で示
すように、極めて高い空間周波数特性が実現される超解
像の効果が得られる。
【0088】そして、上記第1の光ディスク101aが
光磁気ディスクである場合には、この第1の光ディスク
101aよりの読み出し信号MOは、上記第2の光検出
器PDからの出力信号によって検出することができ
る。このとき、上記液晶旋光子4は、上記R型光学系を
構成する状態としておく。
【0089】上記半導体レーザ1より発せられたレーザ
光束は、図11において(a)で示すように、直線偏光
である。そして、このレーザ光束のうちの上記右偏光部
4Rを透過したレーザ光束は、図11において(b)で
示すように、上記旋光角αに応じて、+αだけ旋光され
る。また、上記レーザ光束のうちの上記左偏光部4Lを
透過したレーザ光束は、図11において(c)で示すよ
うに、上記旋光角αに応じて、−αだけ旋光される。こ
れらレーザ光束は、上記光磁気ディスクである第1の光
ディスク101aの信号記録面上に照射されると、カー
効果により、この第1の光ディスク101aに記録され
ている情報信号に応じて、角度θkの範囲内で偏光方向
を変化させられる(例えば、偏光方向が角度θkだけ変
えられたときが“1”、偏光方向が変えられないときが
“0”)。
【0090】上記右旋光部4Rを経て上記第1の光ディ
スク101aに入射されこの第1の光ディスク101a
により反射されて上記左旋光部4Lに戻った反射光束
は、図11において(d)で示すように、上記半導体レ
ーザ1より発せられたレーザ光束に対して、+2α+θ
kだけ旋光されている。また、上記左旋光部4Lを経て
上記第1の光ディスク101aに入射されこの第1の光
ディスク101aにより反射されて上記右旋光部4Rに
戻った反射光束は、図11において(e)で示すよう
に、上記半導体レーザ1より発せられたレーザ光束に対
して、−2α+θkだけ旋光されている。
【0091】上記第2の光検出器PD2において1番目
及び2番目の受光部6a,6bは、図11において
(f)で示すように、上記左旋光部4Lを経た反射光束
のうちの上記偏光ビームスプリッタ3の偏光透過膜面に
対するP偏光成分のみを受光する。これら受光部6a,
6bが受光する反射光束の光量は、sin(2α+θk)
である。そして、上記第2の光検出器PD2において3
番目及び4番目の受光部6c,6dは、図11において
(g)で示すように、上記右旋光部4Rを経た反射光束
のうちの上記偏光ビームスプリッタ3の偏光透過膜面に
対するP偏光成分のみを受光する。これら受光部6c,
6dが受光する反射光束の光量は、sin(−2α+θ
k)である。
【0092】したがって、上記読み出し信号MOは、 MO=(A+B)−(C+D) によって検出することができる。この読み出し信号MO
は、図1に示すように、上記出力信号A及び出力信号B
が加算器9により加算され、上記出力信号C及び出力信
号Dが加算器8により加算され、これら加算器9,8の
出力の差が減算器12において求められることによって
得られる。
【0093】〔5〕光ピックアップ装置を用いた記録再
生装置の構成(図1) この光ピックアップ装置は、図1に示すように、この光
ピックアップ装置を用いて構成された記録再生装置にお
いて、図示しないスピンドルモータにより回転操作され
る上記各光ディスク101a,101bの信号記録面に
上記対物レンズ5を対向させて配設され、この光ディス
ク101a,101bの内外周に亘って移動操作され
る。そして、この光ピックアップ装置は、上記光ディス
ク101a,101bの信号記録面の全面に亘って、情
報信号の書き込み及び読み出しを行うことができる。
【0094】なお、上記スピンドルモータの駆動軸に
は、略々円盤状のディスクテーブルが取付けられてい
る。上記光ディスク101a,101bは、上記ディス
クテーブルにより、中心部分を保持されて、上記スピン
ドルモータにより回転操作される。
【0095】そして、この光ピックアップ装置におい
て、上記液晶旋光子4における分割状態及び旋光状態の
選択は、装着された光ディスクが上記第1光ディスク1
01aのピットディスク、または、光磁気ディスク、あ
るいは、第2の光ディスク101bのいずれであるのか
がわかる場合には、装着された光ディスクの種類に応じ
て行うことができる。
【0096】また、上記第1及び第2の光ディスク10
1a,101bのいずれが装着された場合においても、
上記液晶旋光子4を上記「T型光学系」としておき、こ
の状態で装着された光ディスクの信号を上記第2の光検
出器PD2の出力信号に基づいて読み取り、この信号の
内容から、装着された光ディスクが上記第1光ディスク
101aのピットディスク、または、光磁気ディスク、
あるいは、第2の光ディスク101bのいずれであるの
かを判別することとしてもよい。
【0097】すなわち、上記対物レンズ5の開口数が
0.3に相当する状態においても、上記第1の光ディス
ク101aに記録された信号のうちの一部は読み取るこ
とができるので、読み取った信号に基づいて、装着され
た光ディスクが該第1の光ディスク101aであること
を判別することができる。
【0098】この記録再生装置において、上記各読み出
し信号CD,DVD,MOは、それぞれ図示しない復調
回路に送られ、復調される。また、上記フォーカスエラ
ー信号Feは、上記2軸アクチュエータを駆動制御する
2軸アクチュエータドライブ17に送られる。また、上
記トラッキングエラー信号Teは、減算器15により、
上記ディスクスキュー信号SKとの間で減算処理され
て、上記2軸アクチュエータドライブ17に送られる。
さらに、上記ディスクスキュー信号SKは、上記トラッ
キングエラー信号Teとの間での減算処理を行う上記減
算器15、上記2軸アクチュエータドライブ17、及
び、上記液晶旋光子4を制御するスキュー制御回路(液
晶ドライブ)16に送られる。
【0099】上記2軸アクチュエータドライブ17は、
送られる各信号に応じて、上記2軸アクチュエータを駆
動制御し、フォーカスサーボ動作及びトラッキングサー
ボ動作を実行させる。また、上記スキュー制御回路16
は、送られるディスクスキュー信号SKに応じて、上記
液晶旋光子4を制御し、スキューサーボ動作を実行させ
る。
【0100】〔6〕受発光複合素子を用いた光ピックア
ップ装置の構成(図25乃至図28) そして、本発明に係る光ピックアップ装置は、図25及
び図26に示すように、受発光複合素子(いわゆるレー
ザカプラ)26を用いて構成してもよい。この受発光複
合素子26は、半導体基板29上に、光源となる半導体
レーザ(レーザチップ)27及び複数の受光部からなる
第1の光検出器PD1が形成されて構成され、ケース3
0に収納されている。そして、上記第1の光検出器PD
1上には、ビームスプリッタプリズム28が配設されて
いる。
【0101】この受発光複合素子26において、上記半
導体レーザ27が発したレーザ光束は、上記ビームスプ
リッタプリズム28の一端部である45°の傾斜を有す
る斜面部により反射されて、上記半導体基板29に対す
る垂直方向に射出される。このようにして受発光複合素
子26より射出されたレーザ光束は、上述した光ピック
アップ装置におけると同様に、上記偏光ビームスプリッ
タ3及び上記液晶旋光子4を透過して、上記対物レンズ
5に入射される。
【0102】上記対物レンズ5により上記各光ディスク
101a,101bの上記信号記録面上に集光されたレ
ーザ光束は、この信号記録面により反射され、該対物レ
ンズ5、上記液晶旋光子4及び上記偏光ビームスプリッ
タ3を経て、上記第2の光検出器PD2及び上記ビーム
スプリッタプリズム28の斜面部に戻る。この斜面部に
戻った反射光束は、この斜面部において屈折されつつ、
上記ビームスプリッタプリズム28内に入射する。この
ビームスプリッタプリズム28内に入射した光束は、図
26に示すように、上記第1の光検出器PD1の各受光
部31a,31b,31c,31d,31e,31f,
31g,31h,31i,31j,31k,31m上に
照射される。これら第1の光検出器PD1の各受光部3
1a,31b,31c,31d,31e,31f,31
g,31h,31i,31j,31k,31mは、照射
された光束に応じた電気信号を出力する。
【0103】上記第1の光検出器PD1は、前側受光部
群と、後側受光部群とからなる。前側受光部群は、上記
光ディスク101a,101bのタンジェンシャル方向
に平行な3本の分割線を介して分割された4個の受光部
31a,31b,31c,31dから構成されている
(いわゆる川の字状分割受光部)。また、後側受光部群
は、上記光ディスク101a,101bのラジアル方向
に平行な1本の分割線により前後に分割され、さらに、
該光ディスク101a,101bのタンジェンシャル方
向に平行な3本の分割線を介して分割された8個の受光
部31e,31f,31g,31h,31i,31j,
31k,31mから構成されている(いわゆる川の字状
分割と田の字状分割とを併用した受光部)。この第1の
光検出部PD1においては、いわゆる作動同心円法によ
るフォーカスエラー信号の検出、位相差法(DPD法)
によるトラッキングエラー信号の検出を行うことができ
る。
【0104】さらに、本発明に係る光ピックアップ装置
は、図27及び図28に示すように、受発光複合素子
(いわゆるレーザカプラ)26を用い、この受発光複合
素子内に第1及び第2の光検出器PD1,PD2を設けて
構成してもよい。この受発光複合素子26は、半導体基
板29上に、光源となる半導体レーザ(レーザチップ)
27及び複数の受光部からなる第1及び第2の光検出器
PD1,PD2が形成されて構成され、基台32上に配設
されている。そして、上記第1及び第2の光検出器PD
1,PD2上には、ビームスプリッタプリズム28が配設
されている。さらに、上記第2の光検出器PD2上に
は、上述した光ピックアップ装置における偏光ビームス
プリッタ3に代わるPBSコーティング35が施されて
いる。
【0105】この受発光複合素子26において、上記半
導体レーザ27が発したレーザ光束は、上記ビームスプ
リッタプリズム28の一端部である45°の傾斜を有す
る斜面部により反射されて、上記半導体基板29に対す
る垂直方向に射出される。このようにして受発光複合素
子26より射出されたレーザ光束は、透明カバー34の
斜面部により反射されてこの透明カバー34の側面部を
透過して射出される。このレーザ光束は、上記基台32
上に配設された液晶旋光子4を透過し、該基台32上に
配設されたミラー33により反射されて、上記対物レン
ズ5に入射される。
【0106】上記対物レンズ5により上記各光ディスク
101a,101bの上記信号記録面上に集光されたレ
ーザ光束は、この信号記録面により反射され、該対物レ
ンズ5及び上記液晶旋光子4を経て、上記ビームスプリ
ッタプリズム28の斜面部に戻る。この斜面部に戻った
反射光束は、この斜面部において屈折されつつ、上記ビ
ームスプリッタプリズム28内に入射する。このビーム
スプリッタプリズム28内に入射した光束は、図28に
示すように、上記PBSコーティング35を透過して上
記第2の光検出器PD2の各受光部37a,37b,3
7c,37d,37e上に照射され、さらに、上記第1
の光検出器PD1の各受光部36a,36b,36c,
36d,36e,36f,36g,36h,36i,3
6j上に照射される。これら第1及び第2の光検出器P
1,PD2の各受光部37a,37b,37c,37
d,37e、36a,36b,36c,36d,36
e,36f,36g,36h,36i,36jは、照射
された光束に応じた電気信号を出力する。
【0107】上記第2の光検出器PD2は、上記光ディ
スク101a,101bのタンジェンシャル方向に平行
な4本の分割線を介して分割された5個の受光部37
a,37b,37c,37d,37eから構成されてい
る(いわゆる川の字状分割受光部)。また、上記第1の
光検出器PD1は、上記光ディスク101a,101b
のラジアル方向に平行な1本の分割線により前後に分割
され、さらに、該光ディスク101a,101bのタン
ジェンシャル方向に平行な4本の分割線を介して分割さ
れた10個の受光部36a,36b,36c,36d,
36e,36f,36g,36h,36i,36jから
構成されている(いわゆる川の字状分割と田の字状分割
とを併用した受光部)。これら第1及び第2の光検出部
PD1,PD2においては、いわゆる作動同心円法による
フォーカスエラー信号の検出、位相差法(DPD法)に
よるトラッキングエラー信号の検出を行うことができ
る。
【0108】なお、上記半導体基板29上には、フロン
トオートパワーコントロール用受光部(FAPC)38
が設けられている。このフロントオートパワーコントロ
ール用受光部38は、上記半導体レーザチップ27より
発せられて上記ビームスプリッタプリズム28を透過し
た光束を受光して、この半導体レーザチップ27の発光
出力を検出するものである。このフロントオートパワー
コントロール用受光部38の出力に応じて上記半導体レ
ーザチップ27の発光出力を制御すれば、この発光出力
を所定の一定値に維持することができる。
【0109】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る光ピックア
ップ装置においては、光源より発せられた直線偏光光束
は、偏光ビームスプリッタ及び複数の領域に分割され該
各領域毎に独立的に旋光方向が制御できる分割旋光素子
を経て、光学記録媒体に対向された対物レンズに入射さ
れる。
【0110】したがって、この光ピックアップ装置にお
いては、上記分割旋光子における領域の分割状態を適宜
設定し、上記光記録媒体よりの反射光であって上記偏向
ビームスプリッタにより互いに分岐される2本の反射光
束のうち上記光源より発せられた光束の偏光方向に垂直
な方向の偏光方向を有する反射光束を検出すると、上記
対物レンズの開口制限をしたのと同様の読み出し信号が
得られる。
【0111】また、本発明に係る光ピックアップ装置に
おいては、上記分割旋光子における領域の分割状態を適
宜設定し、上記光記録媒体よりの反射光であって上記偏
向ビームスプリッタにより互いに分岐される2本の反射
光束のうち上記光源より発せられた光束の偏光方向に垂
直な方向の偏光方向を有する反射光束を検出すると、上
記光学記録媒体の上記対物レンズの光軸に対する傾きを
検出することができる。
【0112】さらに、この光ピックアップ装置において
は、上記光学記録媒体の上記対物レンズの光軸に対する
傾きがあるときには、上記分割旋光素子における領域の
分割状態を変化させることにより、該光学記録媒体の該
対物レンズの光軸に対する傾きの影響を相殺することが
できる。
【0113】すなわち、本発明は、装置構成の複雑化、
大型化を招来することなく、透明基板の厚さが異なる光
学記録媒体に対しても、情報信号の記録及び再生が良好
に行えるようになされ、また、光学記録媒体の傾き(ス
キュー)に対しても有効に対処し得るようになされた光
ピックアップ装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ピックアップ装置の構成及びこ
の光ピックアップ装置を用いた記録再生装置の構成を示
す縦断面図及びブロック回路図である。
【図2】上記光ピックアップ装置の液晶旋光子の構成
(T型光学系)を示す平面図である。
【図3】上記光ピックアップ装置の第1の光検出器にお
いて第1の光ディスクについて得られる空間周波数の伝
達関数(Modulation Transfer Function)を示すグラフ
である。
【図4】上記光ピックアップ装置の第1の光検出器にお
いて第2の光ディスクについて得られる空間周波数の伝
達関数(Modulation Transfer Function)を示すグラフ
である。
【図5】上記光ピックアップ装置の第1の光検出器にお
いて第2の光ディスクについて得られる空間周波数の伝
達関数(Modulation Transfer Function)を示すグラフ
(数値スケール)である。
【図6】上記光ピックアップ装置の第2の光検出器にお
いて第1の光ディスクについて得られる空間周波数の伝
達関数(Modulation Transfer Function)を示すグラフ
である。
【図7】上記光ピックアップ装置の第2の光検出器にお
いて第2の光ディスクについて得られる空間周波数の伝
達関数(Modulation Transfer Function)を示すグラフ
である。
【図8】上記光ピックアップ装置の第2の光検出器にお
いて第2の光ディスクについて得られる空間周波数の伝
達関数(Modulation Transfer Function)を示すグラフ
(数値スケール)である。
【図9】上記光ピックアップ装置の第1の光検出器にお
いて第1の光ディスクについて旋光角を変化させた場合
に得られる空間周波数の伝達関数(Modulation Transfe
r Function)を示すグラフである。
【図10】上記光ピックアップ装置の第1の光検出器の
受光面の構成を示す平面図である。
【図11】上記光ピックアップ装置において液晶旋光子
を透過することによる光束の偏光方向の変化を示す正面
図である。
【図12】上記光ピックアップ装置におけるディスクス
キュー(左回転方向)の検出の原理を示す縦断面図であ
る。
【図13】上記光ピックアップ装置におけるディスクス
キュー(左回転方向)の検出の原理を示すグラフ及び平
面図である。
【図14】上記光ピックアップ装置におけるディスクス
キュー(右回転方向)の検出の原理を示す縦断面図であ
る。
【図15】上記光ピックアップ装置におけるディスクス
キュー(右回転方向)の検出の原理を示すグラフ及び平
面図である。
【図16】上記光ピックアップ装置の液晶旋光子の構成
(R型光学系)を示す平面図である。
【図17】スキューサーボを行っているときの上記液晶
旋光子の第1の旋光状態を示す平面図である。
【図18】スキューサーボを行っているときの上記液晶
旋光子の第2の旋光状態を示す平面図である。
【図19】スキューサーボを行っているときの上記液晶
旋光子の第3の旋光状態を示す平面図である。
【図20】スキューサーボを行っているときの上記液晶
旋光子の第4の旋光状態を示す平面図である。
【図21】スキューサーボを行っているときの上記液晶
旋光子の第5の旋光状態を示す平面図である。
【図22】スキューサーボを行っているときの上記液晶
旋光子の第6の旋光状態を示す平面図である。
【図23】スキューサーボを行っているときの上記液晶
旋光子の第7の旋光状態を示す平面図である。
【図24】光ディスク上に形成されるビームスポットの
形状(強度分布)を示すグラフである。
【図25】レーザカプラを用いて構成された本発明に係
る光ピックアップ装置の構成を示す縦断面図である。
【図26】上記図25に示した光ピックアップ装置の第
1の光検出器の受光部の構成を示す平面図である。
【図27】レーザカプラを用いて構成された本発明に係
る光ピックアップ装置の構成の他の形態を示す縦断面図
である。
【図28】上記図27に示した光ピックアップ装置の第
1及び第2の光検出器の受光部の構成を示す平面図であ
る。
【図29】従来の光ピックアップ装置において、対物レ
ンズの開口数が制限されていない状態を示す縦断面図で
ある。
【図30】上記従来の光ピックアップ装置において、対
物レンズの開口数が制限された状態を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 半導体レーザ、2 ビームスプリッタ(BS)、3
偏光ビームスプリッタ(PBS)、4 液晶旋光子、
5 対物レンズ、26 受発光複合素子、27半導体レ
ーザチップ、28 ビームスプリッタプリズム、101
a 第1の光ディスク、101b 第2の光ディスク、
PD1 第1の光検出器、PD2 第2の光検出器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直線偏光の光束を射出する光源と、 上記光源より射出された光束を、この光束を光学記録媒
    体の信号記録面上に集光させる対物レンズに導く偏向ビ
    ームスプリッタと、 上記偏向ビームスプリッタより上記対物レンズに至る光
    路上に配設され、この光路に略々垂直な平面内で複数の
    領域に分割され該各領域毎に独立的に旋光方向が制御で
    きる分割旋光素子と、 上記信号記録面よりの上記光束の反射光であって上記偏
    向ビームスプリッタにより互いに分岐された2本の反射
    光束のうち上記光源より発せられた光束の偏光方向に平
    行な方向の偏光方向を有する第1の反射光束を検出する
    第1の光検出手段と、 上記信号記録面よりの上記光束の反射光であって上記偏
    向ビームスプリッタにより互いに分岐された2本の反射
    光束のうち上記光源より発せられた光束の偏光方向に垂
    直な方向の偏光方向を有する第2の反射光束を検出する
    第2の光検出手段とを備えた光ピックアップ装置。
  2. 【請求項2】 分割旋光素子は、液晶セルによって構成
    され、各領域毎に独立的に電界を加えられて制御される
    こととなされた請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 【請求項3】 信号記録面上に設けられている透明基板
    の厚さが第1の厚さである第1の光学記録媒体と、該透
    明基板の厚さが該第1の厚さよりも厚い第2の厚さであ
    って該第1の光学記録媒体よりも情報の記録密度が低い
    第2の光学記録媒体とのいずれに対しても情報信号の書
    き込み読み出しが行えることとなされた請求項1記載の
    光ピックアップ装置。
  4. 【請求項4】 第2の光学記録媒体に対して情報信号の
    書き込み読み出しを行うときには、分割旋光素子におけ
    る右旋光領域と左旋光領域との配置パターンを、該第2
    の光学記録媒体の信号記録面上に形成されている記録ト
    ラックの接線方向に垂直な方向の分割線を介して配置さ
    れた状態とすることとなされた請求項3記載の光ピック
    アップ装置。
  5. 【請求項5】 第1の光学記録媒体に対して情報信号の
    書き込み読み出しを行うときには、第1の光検出手段に
    おける光検出出力に応じて該第1の光学記録媒体に対す
    る書き込み読み出しを行い、第2の光学記録媒体に対し
    て情報信号の記録再生を行うときには、第2の光検出手
    段における光検出出力に応じて該第2の光学記録媒体に
    対する書き込み読み出しを行うこととなされた請求項4
    記載の光ピックアップ装置。
  6. 【請求項6】 直線偏光の光束を射出する光源と、 上記光源より射出された光束を、この光束を光学記録媒
    体の信号記録面上に集光させる対物レンズに導く偏向ビ
    ームスプリッタと、 上記偏向ビームスプリッタより上記対物レンズに至る光
    路上に配設され、この光路に略々垂直な平面内で複数の
    領域に分割され該各領域毎に独立的に旋光方向が制御で
    きる分割旋光素子と、 上記信号記録面よりの上記光束の反射光であって上記偏
    向ビームスプリッタにより互いに分岐された2本の反射
    光束のうち上記光源より発せられた光束の偏光方向に平
    行な方向の偏光方向を有する第1の反射光束を検出する
    第1の光検出手段と、 上記信号記録面よりの上記光束の反射光であって上記偏
    向ビームスプリッタにより互いに分岐された2本の反射
    光束のうち上記光源より発せられた光束の偏光方向に垂
    直な方向の偏光方向を有する第2の反射光束を検出する
    第2の光検出手段とを備え、 上記第1の光検出手段における光検出出力を上記光学記
    録媒体よりの情報信号の読み出し信号とし、 上記第2の光検出手段における光検出出力に基づいて上
    記光学記録媒体の信号記録面の上記対物レンズの光軸に
    対する傾きを検出し、該信号記録面の該対物レンズの光
    軸に対する傾きがないときには、上記分割旋光素子にお
    ける右旋光領域と左旋光領域との配置パターンを該上記
    信号記録面上に形成されている記録トラックの接線方向
    に平行な方向の分割線を介して配置された状態とし、該
    信号記録面の該対物レンズの光軸に対する傾きがあると
    きには、該分割旋光素子における右旋光領域と左旋光領
    域との配置パターンを変化させることにより該信号記録
    面の該対物レンズの光軸に対する傾きの影響を相殺する
    こととなされた光ピックアップ装置。
JP8274686A 1996-10-17 1996-10-17 光ピックアップ装置 Withdrawn JPH10124909A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6804186B2 (en) 2000-05-24 2004-10-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical pickup of tilt control type

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6804186B2 (en) 2000-05-24 2004-10-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical pickup of tilt control type

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