JPH10124836A - 磁気ヘッドスライダの製造方法 - Google Patents
磁気ヘッドスライダの製造方法Info
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- JPH10124836A JPH10124836A JP27210296A JP27210296A JPH10124836A JP H10124836 A JPH10124836 A JP H10124836A JP 27210296 A JP27210296 A JP 27210296A JP 27210296 A JP27210296 A JP 27210296A JP H10124836 A JPH10124836 A JP H10124836A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ハードディスクドライブなどに使用される浮
上型磁気ヘッドのスライダをドライエッチングにより形
成する際、被加工スライダを加工治具に適切に接着でき
る方法を提供する。 【解決手段】 複数の磁気ヘッドのスライダ部を一括し
て加工する際、あらかじめ、スライダがアレイ状になっ
たロー(バー)を金属やセラミクスのベースに貼り付け
た後、ドライエッチング法によりエアーベアリングを形
成する磁気ヘッドスライダの製造方法であり、前記ロー
とベースとの接着に、ドライフィルムレジストを用いる
ことを特徴とする、磁気ヘッドスライダの製造方法。ド
ライエッチング法として、イオンミリングや反応性イオ
ンエッチング(RIE)が使用できる。
上型磁気ヘッドのスライダをドライエッチングにより形
成する際、被加工スライダを加工治具に適切に接着でき
る方法を提供する。 【解決手段】 複数の磁気ヘッドのスライダ部を一括し
て加工する際、あらかじめ、スライダがアレイ状になっ
たロー(バー)を金属やセラミクスのベースに貼り付け
た後、ドライエッチング法によりエアーベアリングを形
成する磁気ヘッドスライダの製造方法であり、前記ロー
とベースとの接着に、ドライフィルムレジストを用いる
ことを特徴とする、磁気ヘッドスライダの製造方法。ド
ライエッチング法として、イオンミリングや反応性イオ
ンエッチング(RIE)が使用できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
や磁気テープ装置などに用いる磁気ヘッド、特に高密度
記録に適した低浮上量の薄膜磁気ヘッドおよびその製造
方法に関するものである。
や磁気テープ装置などに用いる磁気ヘッド、特に高密度
記録に適した低浮上量の薄膜磁気ヘッドおよびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置に用いられる浮上型磁
気ヘッドは、記録密度の増大にともなって、いわゆるス
ペーシングロスを最小限に抑えるため、ディスクと磁気
ヘッドの間隔、すなわち浮上量は低下の一途をたどり、
かつディスクの外周から内周まで一定であることが求め
られている。このような要求に応えうる磁気ヘッドスラ
イダとして、空気の流体力学に基づいて設計された異形
スライダが提案され、実用化している。この異形スライ
ダーは、キャビティとよばれる凹部を備え、大気圧より
低い圧力を生じるようにしたことが特徴で、負圧スライ
ダとも呼ばれている。このようなキャビティは従来の機
械研削では製作が困難であり、フォトリソグラフィとド
ライエッチングプロセスにより作られるのが一般的であ
る。
気ヘッドは、記録密度の増大にともなって、いわゆるス
ペーシングロスを最小限に抑えるため、ディスクと磁気
ヘッドの間隔、すなわち浮上量は低下の一途をたどり、
かつディスクの外周から内周まで一定であることが求め
られている。このような要求に応えうる磁気ヘッドスラ
イダとして、空気の流体力学に基づいて設計された異形
スライダが提案され、実用化している。この異形スライ
ダーは、キャビティとよばれる凹部を備え、大気圧より
低い圧力を生じるようにしたことが特徴で、負圧スライ
ダとも呼ばれている。このようなキャビティは従来の機
械研削では製作が困難であり、フォトリソグラフィとド
ライエッチングプロセスにより作られるのが一般的であ
る。
【0003】ここで、従来の異形スライダ形成法を図2
によって説明する。まず磁気ヘッドは図2(a)のよう
にロー1と呼ばれるバー状態で加工される。これは薄膜
ヘッドのウェハーから切り出されのち、エアベアリング
面が研磨され適切な磁極深さまで加工されたものであ
る。これを一本づつ加工するのでは生産性が劣るので、
十数本から二十数本をまとめてベース2とよばれる支持
板に整列し接着し、加工するのが一般的である。ベース
2はここに示した板状の他、ブロック状のものもあり、
アルミやステンレス、セラミクスなどが用いられる。と
くにブロック状の場合は後の切断工程などを考慮して用
いられる場合が多い。ロー1とベース2の接着剤は仮止
め用のワックス系接着剤3が用いられる。この接着剤は
あらかじめ軟化点以上に加熱したベース2に固形ワック
スを擦り付けて塗布したり、適当な溶媒に溶解したワッ
クスをスピンコートなどでベースの上に塗布されたもの
で、さらに軟化点以上に加熱したうえでロー1を圧着し
徐冷することにより接着するものである。接着された様
子を図2(b)に示す。
によって説明する。まず磁気ヘッドは図2(a)のよう
にロー1と呼ばれるバー状態で加工される。これは薄膜
ヘッドのウェハーから切り出されのち、エアベアリング
面が研磨され適切な磁極深さまで加工されたものであ
る。これを一本づつ加工するのでは生産性が劣るので、
十数本から二十数本をまとめてベース2とよばれる支持
板に整列し接着し、加工するのが一般的である。ベース
2はここに示した板状の他、ブロック状のものもあり、
アルミやステンレス、セラミクスなどが用いられる。と
くにブロック状の場合は後の切断工程などを考慮して用
いられる場合が多い。ロー1とベース2の接着剤は仮止
め用のワックス系接着剤3が用いられる。この接着剤は
あらかじめ軟化点以上に加熱したベース2に固形ワック
スを擦り付けて塗布したり、適当な溶媒に溶解したワッ
クスをスピンコートなどでベースの上に塗布されたもの
で、さらに軟化点以上に加熱したうえでロー1を圧着し
徐冷することにより接着するものである。接着された様
子を図2(b)に示す。
【0004】つぎにロー1上に適切なレジストをコート
しこれを露光現像して図2(c)のようにキャビティの
パターンを反映したレジストマスク5を得る。これをイ
オンミリング法等のドライエッチングプロセスでマスク
以外のロー1をエッチングすることにより、所定のキャ
ビティ形状を得る。最後に個々のヘッドに切断すること
により異形スライダを持った磁気ヘッドが完成する。完
成したスライダをベースから剥がすには再度軟化点以上
に加熱するか、有機溶媒に浸せきする。
しこれを露光現像して図2(c)のようにキャビティの
パターンを反映したレジストマスク5を得る。これをイ
オンミリング法等のドライエッチングプロセスでマスク
以外のロー1をエッチングすることにより、所定のキャ
ビティ形状を得る。最後に個々のヘッドに切断すること
により異形スライダを持った磁気ヘッドが完成する。完
成したスライダをベースから剥がすには再度軟化点以上
に加熱するか、有機溶媒に浸せきする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ように仮止め用のワックスを用いてローを固定すると、
エッチング過程で発生する熱により、しばしばワックス
が軟化し、加工中のエアベアリング面にワックスがしみ
上がるために、正確なキャビティ形状とならなかった
り、極端な場合にはローが剥がれ落ちてしまうことがあ
った。またワックスが気化してできるガスによりエッチ
ング速度が低下し、バラツキの原因となっていた。ワッ
クスの軟化点は、貼付時の薄膜ヘッドへの熱的影響を考
慮すると、むやみに高めることはできず、通常の薄膜ヘ
ッドの耐熱温度100〜120゜C以下に抑えなければな
らない。したがってワックスの軟化点として、100゜C
付近のものを選ばざる得ない。一方でドライエッチング
工程において実用的なエッチング速度を得ようとする
と、基板温度は100゜C近くに上昇するのが一般的であ
り、前述したワックスの「ゆるみ」は避けて通れない課
題であった。あるいはエッチング装置の出力を下げ基板
温度上昇を80゜C程度に抑えることにより歩留まりを上
げることも可能であるが、エッチング速度が低下するこ
とから生産性の低下は免れない。発明は、こうした課題
を解決し、高精度な異形スライダを安定に製造しうる方
法を提供するものであり、ひいては高記録密度磁気ディ
スクドライブの実現に貢献するものである。
ように仮止め用のワックスを用いてローを固定すると、
エッチング過程で発生する熱により、しばしばワックス
が軟化し、加工中のエアベアリング面にワックスがしみ
上がるために、正確なキャビティ形状とならなかった
り、極端な場合にはローが剥がれ落ちてしまうことがあ
った。またワックスが気化してできるガスによりエッチ
ング速度が低下し、バラツキの原因となっていた。ワッ
クスの軟化点は、貼付時の薄膜ヘッドへの熱的影響を考
慮すると、むやみに高めることはできず、通常の薄膜ヘ
ッドの耐熱温度100〜120゜C以下に抑えなければな
らない。したがってワックスの軟化点として、100゜C
付近のものを選ばざる得ない。一方でドライエッチング
工程において実用的なエッチング速度を得ようとする
と、基板温度は100゜C近くに上昇するのが一般的であ
り、前述したワックスの「ゆるみ」は避けて通れない課
題であった。あるいはエッチング装置の出力を下げ基板
温度上昇を80゜C程度に抑えることにより歩留まりを上
げることも可能であるが、エッチング速度が低下するこ
とから生産性の低下は免れない。発明は、こうした課題
を解決し、高精度な異形スライダを安定に製造しうる方
法を提供するものであり、ひいては高記録密度磁気ディ
スクドライブの実現に貢献するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、ローとベー
スの接着において従来一般的に用いられているワックス
にかえ、本来、パターニングマスクとして用いられべき
ドライフィルムレジストを接着剤として使用する。ドラ
イフィルムレジストは、それ自体に粘着性があり製造者
より供給される場合には両面に保護シートが張られてい
る。したがって一方の保護フィルムを剥がし100゜C程
度の熱を加えながらラミネートすると、任意の基板に貼
ることができる。通常このあと露光するわけであるが、
本発明では接着層として用いるため露光は行わず、ドラ
イフィルムレジストの上面に残った保護フィルムをはが
し、この上にローを整列、圧着させることにより、ベー
スとローの接着を行う。このようにしてベースに貼り付
けられたローは非常に強固に密着し、その後に行われる
レジストの塗布、露光、現像と行ったフォトリソグラフ
ィ工程はもちろんのこと、ドライエッチング工程におい
てもなんら支障をきたすことなく接着層としての役割を
はたすばかりか、薄膜ヘッドの耐熱温度ぎりぎりまで温
度上昇が許容されるため、高出力による高速エッチング
が可能となり、かつ歩留まりが向上する。その一方でエ
ッチング工程が終了した後は、アセトンやNMPに浸せ
きすることにより、速やかににローをベースから剥離で
きる。
スの接着において従来一般的に用いられているワックス
にかえ、本来、パターニングマスクとして用いられべき
ドライフィルムレジストを接着剤として使用する。ドラ
イフィルムレジストは、それ自体に粘着性があり製造者
より供給される場合には両面に保護シートが張られてい
る。したがって一方の保護フィルムを剥がし100゜C程
度の熱を加えながらラミネートすると、任意の基板に貼
ることができる。通常このあと露光するわけであるが、
本発明では接着層として用いるため露光は行わず、ドラ
イフィルムレジストの上面に残った保護フィルムをはが
し、この上にローを整列、圧着させることにより、ベー
スとローの接着を行う。このようにしてベースに貼り付
けられたローは非常に強固に密着し、その後に行われる
レジストの塗布、露光、現像と行ったフォトリソグラフ
ィ工程はもちろんのこと、ドライエッチング工程におい
てもなんら支障をきたすことなく接着層としての役割を
はたすばかりか、薄膜ヘッドの耐熱温度ぎりぎりまで温
度上昇が許容されるため、高出力による高速エッチング
が可能となり、かつ歩留まりが向上する。その一方でエ
ッチング工程が終了した後は、アセトンやNMPに浸せ
きすることにより、速やかににローをベースから剥離で
きる。
【0007】本発明は、ドライフィルムレジストを両面
テープのように用いることにより、ローとベースを簡便
に接着した上で異形スライダ用のキャビティをエッチン
グする磁気ヘッドスライダの製造方法であり、エッチン
グ中には十分な強度を保つと同時に、アセトンなどによ
り容易に剥離できるなど、ドライフィルムレジストのフ
ォトレジストとは異なる特性を応用した磁気ヘッドスラ
イダの製造方法である。
テープのように用いることにより、ローとベースを簡便
に接着した上で異形スライダ用のキャビティをエッチン
グする磁気ヘッドスライダの製造方法であり、エッチン
グ中には十分な強度を保つと同時に、アセトンなどによ
り容易に剥離できるなど、ドライフィルムレジストのフ
ォトレジストとは異なる特性を応用した磁気ヘッドスラ
イダの製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】磁気ヘッドスライダのメディア対
向面を、ドライエッチング法により所定のエアーベアリ
ング形状に加工する磁気ヘッドスライダの製造方法であ
り、少なくとも一個以上のスライダないしはスライダと
なるべき材料を保持できるベース上にドライフィルムレ
ジストを貼付する工程と、当該ドライフィルムレジスト
上にスライダないしはスライダとなるべき材料を貼付す
る工程と、当該スライダないしスライダとなるべき材料
上に、所定のマスクを形成する工程と、ドライエッチン
グ法により前記マスクで保護されていない部分をエッチ
ングしてエアーベアリング形状を得る工程とを含むこと
を特徴とする、磁気ヘッドスライダの製造方法。
向面を、ドライエッチング法により所定のエアーベアリ
ング形状に加工する磁気ヘッドスライダの製造方法であ
り、少なくとも一個以上のスライダないしはスライダと
なるべき材料を保持できるベース上にドライフィルムレ
ジストを貼付する工程と、当該ドライフィルムレジスト
上にスライダないしはスライダとなるべき材料を貼付す
る工程と、当該スライダないしスライダとなるべき材料
上に、所定のマスクを形成する工程と、ドライエッチン
グ法により前記マスクで保護されていない部分をエッチ
ングしてエアーベアリング形状を得る工程とを含むこと
を特徴とする、磁気ヘッドスライダの製造方法。
【0009】
(実施例1)本発明による磁気ヘッドスライダの製造方
法の一例を図1を用いて説明する。まず図1(a)のよ
うにベース2にドライフィルムレジスト4を貼り付け
る。ドライフィルムレジストはここではデュポンMRC
社のFRA305−38(38μm厚)を用いたが、ネ
ガ型のドライフィルムレジストであれば同様に用いるこ
とができ、ここに挙げた38μmに限るものではない。
貼付はラミネータを用いて裏面の保護フィルムを剥離し
ながら100゜Cに加熱したローラーにより行った。
法の一例を図1を用いて説明する。まず図1(a)のよ
うにベース2にドライフィルムレジスト4を貼り付け
る。ドライフィルムレジストはここではデュポンMRC
社のFRA305−38(38μm厚)を用いたが、ネ
ガ型のドライフィルムレジストであれば同様に用いるこ
とができ、ここに挙げた38μmに限るものではない。
貼付はラミネータを用いて裏面の保護フィルムを剥離し
ながら100゜Cに加熱したローラーにより行った。
【0010】冷却後、ドライフィルムレジスト4の上面
にある保護フィルムを剥離し、ベース2全体を80゜Cに
加温しながらロー1を配置し、さらに圧力を加えて密着
させる。このときベース2が冷えた状態で複数のロー1
を載せ、整列させた後、ベース2を加熱して密着させる
ことも可能であり、治具の工夫により変更できる。次に
図1(b)のようにロー1を貼付したベース2の全面に
紫外光を照射し、ドライフィルムレジスト4のうち、ロ
ー1が貼付されていない部分を架橋させる。架橋したド
ライフィルムレジストは架橋する前と比較し強度が増す
ため、後のイオンミリング工程でベースを保護する効果
が高まる。またドライフィルムレジスト4の露出部分の
粘着性が架橋により失われるため、取り扱いも容易にな
る。
にある保護フィルムを剥離し、ベース2全体を80゜Cに
加温しながらロー1を配置し、さらに圧力を加えて密着
させる。このときベース2が冷えた状態で複数のロー1
を載せ、整列させた後、ベース2を加熱して密着させる
ことも可能であり、治具の工夫により変更できる。次に
図1(b)のようにロー1を貼付したベース2の全面に
紫外光を照射し、ドライフィルムレジスト4のうち、ロ
ー1が貼付されていない部分を架橋させる。架橋したド
ライフィルムレジストは架橋する前と比較し強度が増す
ため、後のイオンミリング工程でベースを保護する効果
が高まる。またドライフィルムレジスト4の露出部分の
粘着性が架橋により失われるため、取り扱いも容易にな
る。
【0011】次に、再度ラミネータによりドライフィル
ムレジストを貼付、さらに所望エアベアリング形状を投
影したレチクルマスクを介して露光、現像することによ
り、レジストマスク5を形成する。その様子を図1
(c)に示す。ここで用いるドライフィルムレジストは
ABS面にキャビティを形成するためのマスク材となる
もので、ロー1とベース2の接着に用いたドライフィル
ムレジスト4と共通化することも可能である。むしろ、
精度などの要求からレジストマスク5用ドライフィルム
レジストが先に選定され、それを接着用にも用いること
が妥当である。
ムレジストを貼付、さらに所望エアベアリング形状を投
影したレチクルマスクを介して露光、現像することによ
り、レジストマスク5を形成する。その様子を図1
(c)に示す。ここで用いるドライフィルムレジストは
ABS面にキャビティを形成するためのマスク材となる
もので、ロー1とベース2の接着に用いたドライフィル
ムレジスト4と共通化することも可能である。むしろ、
精度などの要求からレジストマスク5用ドライフィルム
レジストが先に選定され、それを接着用にも用いること
が妥当である。
【0012】次に、これをイオンミリング装置にセット
し、アルゴンイオンビームによりエッチングした後、レ
ジストマスク5をアセトンで剥離すると、ロー1にキャ
ビティが形成される。ここで、従来、600Vに抑えて
いたイオンミリングの加速電圧を、本実施例では800
Vに高め、エッチング速度を従来の25nm/minか
ら35nm/minに向上させることができた。これは
すでに述べたように従来の製造法では接着に用いていた
ワックスの特性上、発熱を抑えなければならなかったも
のが、本実施例ではエッチングによる発熱が120゜Cま
で上昇してもドライフィルムレジスト4が剥離したり変
形することがなく、製造上全く支障がないためである。
し、アルゴンイオンビームによりエッチングした後、レ
ジストマスク5をアセトンで剥離すると、ロー1にキャ
ビティが形成される。ここで、従来、600Vに抑えて
いたイオンミリングの加速電圧を、本実施例では800
Vに高め、エッチング速度を従来の25nm/minか
ら35nm/minに向上させることができた。これは
すでに述べたように従来の製造法では接着に用いていた
ワックスの特性上、発熱を抑えなければならなかったも
のが、本実施例ではエッチングによる発熱が120゜Cま
で上昇してもドライフィルムレジスト4が剥離したり変
形することがなく、製造上全く支障がないためである。
【0013】最後に、ローを個々のヘッドに切断するこ
とにより磁気ヘッドスライダが完成する。完成したスラ
イダはアセトンまたはNMPに浸せきすることにより容
易に剥離する。
とにより磁気ヘッドスライダが完成する。完成したスラ
イダはアセトンまたはNMPに浸せきすることにより容
易に剥離する。
【0014】(実施例2)続いて本発明による磁気ヘッ
ドスライダの別の製造方法の実施例について説明する。
実施例1で示した製造方法のうち、イオンミリング法を
反応性イオンエッチング法にかえて磁気ヘッドスライダ
ーを製造した。ここで反応性ガスとして三塩化ホウ素と
塩素ガスとアルゴンの混合ガス(流量比1.2:0.
8:8)を用い、誘導結合型プラズマエッチング装置を
用いてエッチングを行ったが、実施例1と同様、従来の
ワックスを用いて接着した場合と比較して1.5倍の高
周波出力を投入することができ、2割高いエッチング速
度が得られたにもかかわらず、不良率も小さいものとな
った。
ドスライダの別の製造方法の実施例について説明する。
実施例1で示した製造方法のうち、イオンミリング法を
反応性イオンエッチング法にかえて磁気ヘッドスライダ
ーを製造した。ここで反応性ガスとして三塩化ホウ素と
塩素ガスとアルゴンの混合ガス(流量比1.2:0.
8:8)を用い、誘導結合型プラズマエッチング装置を
用いてエッチングを行ったが、実施例1と同様、従来の
ワックスを用いて接着した場合と比較して1.5倍の高
周波出力を投入することができ、2割高いエッチング速
度が得られたにもかかわらず、不良率も小さいものとな
った。
【0015】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、異形
スライダのABS面をドライエッチング法で加工する工程
において、従来の方法でベースへROWを接着した場合と
比較して、高速かつ不良発生率の少ないエッチングが可
能となる。
スライダのABS面をドライエッチング法で加工する工程
において、従来の方法でベースへROWを接着した場合と
比較して、高速かつ不良発生率の少ないエッチングが可
能となる。
【図1】本発明による磁気ヘッドスライダーの製造工程
の一例を示す概略図である。
の一例を示す概略図である。
【図2】磁気ヘッドスライダーの従来製造工程の一例を
示す概略図である。
示す概略図である。
1 ロー 2 ベース 3 ワックス系接着剤 4 ドライフィルムレジスト 5 レジストマスク
Claims (7)
- 【請求項1】 磁気ヘッドスライダのメディア対向面
を、ドライエッチング法により所定のエアーベアリング
形状に加工する磁気ヘッドスライダの製造方法であり、
少なくとも一個以上のスライダないしはスライダとなる
べき材料を保持できるベース上にドライフィルムレジス
トを貼付する工程と、当該ドライフィルムレジスト上に
スライダないしはスライダとなるべき材料を貼付する工
程と、当該スライダないしスライダとなるべき材料上
に、所定のマスクを形成する工程と、ドライエッチング
法により前記マスクで保護されていない部分をエッチン
グしてエアーベアリング形状を得る工程とを含むことを
特徴とする、磁気ヘッドスライダの製造方法。 - 【請求項2】 前記ベースは金属ないしはセラミクスか
らなり、少なくとも1つ以上のスライダないしはスライ
ダとなるべき材料を貼付できる面を備えることを特徴と
する請求項1記載の磁気ヘッドスライダの製造方法。 - 【請求項3】 前記ドライフィルムレジストの厚みが1
00μm以下であることを特徴とする請求項1記載の磁
気ヘッドスライダの製造方法。 - 【請求項4】 前記ベースへのドライフィルムレジスト
と貼付は、ドライフィルムレジストの一方の面の保護フ
ィルムを剥離する工程と、その面をベースに対向させて
密着させることにより、行うことを特徴とする請求項1
記載の磁気ヘッドスライダの製造方法。 - 【請求項5】 前記ドライフィルムレジストへのスライ
ダないしスライダとなるべき材料の貼付は、ドライフィ
ルムのベースに対向した面とは異なる面の保護フィルム
を剥離する工程と、当該面上にスライダないしはスライ
ダとなるべき材料を整列し加圧する工程と、露出したド
ライフィルムレジストを充分な量の紫外線により架橋さ
せる工程とをふくむことを特徴とする請求項1記載の磁
気ヘッドスライダの製造方法。 - 【請求項6】 前記ドライエッチング法が、アルゴンガ
スを導入したイオンビームエッチングであることを特徴
とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダの製造方法。 - 【請求項7】 前記ドライエッチング法が、反応性イオ
ンエッチング法であることを特徴とする請求項1記載の
磁気ヘッドスライダの加工方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27210296A JPH10124836A (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 磁気ヘッドスライダの製造方法 |
US09/043,512 US6287475B1 (en) | 1996-10-15 | 1997-10-15 | Magnetic head slider manufacturing method |
PCT/JP1997/003703 WO1998016931A1 (fr) | 1996-10-15 | 1997-10-15 | Procede pour fabriquer un carenage de tete magnetique |
CN97190954A CN1119806C (zh) | 1996-10-15 | 1997-10-15 | 磁头滑块的制备方法 |
KR1019980702168A KR100280040B1 (ko) | 1996-10-15 | 1997-10-15 | 자기헤드슬라이더 제조방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27210296A JPH10124836A (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 磁気ヘッドスライダの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10124836A true JPH10124836A (ja) | 1998-05-15 |
Family
ID=17509114
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27210296A Pending JPH10124836A (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 磁気ヘッドスライダの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10124836A (ja) |
-
1996
- 1996-10-15 JP JP27210296A patent/JPH10124836A/ja active Pending
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