JP4074756B2 - 保持方法、光情報記録媒体製造方法、保持装置及び光情報記録媒体製造装置 - Google Patents

保持方法、光情報記録媒体製造方法、保持装置及び光情報記録媒体製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報記録媒体製造方法、光情報記録媒体製造装置及び光情報記録媒体に関し、詳細には、光情報記録媒体を変形等を生じさせることなく、各処理工程を保持・搬送する光情報記録媒体製造方法、光情報記録媒体製造装置及び光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
光情報記録媒体の生産おいては、一般的に、ディスク基板を基に種々の工程を経て処理が行われ、最終的な光情報記録媒体が完成する。これら種々の工程処理の代表的なものとしては、スパッタ成膜工程、ハードコート工程、オーバーコート工程、接着剤塗布工程、貼り合わせ工程及び印刷工程等が挙げられ、作製する光情報記録媒体のメディアの種類によって、各種工程の組み合わせが様々変化するが、基本的に、これらの工程間、あるいは、工程内でのディスク基板の搬送は、必要不可欠なものである。
【0003】
一般的な光情報記録媒体の生産工程における工程間でのディスク基板の搬送方法としては、例えば、ディスク基板の中心部を吸着パッドにより固定する方法、ディスク中心部を保持するテーブルにより水平保持する方法、あるいは、ディスク基板外周部をリング状部材により水平保持する方法等が用いられるが、これらのディスク基板の搬送方法は、基本的に、中心保持あるいは外周保持により自重でディスク基板自体が曲がらないことを前提としている。
【0004】
しかしながら、メディア記録密度の高密度化に伴ってディスク基板の薄肉化が進み、上記中心保持あるいは外周保持により自重でディスク基板自体が曲がらないという前提条件が崩れ、上記中心保持あるいは外周保持の搬送方法では、容易にはディスク基板の単独での搬送を行うことが困難となってきている。特に、近年使用されるようになってきた100μm前後のディスクシートなどは、上記方法では単体での搬送は不可能である。
【0005】
一方、スピンコートや貼り合わせ等の工程処理等のようにディスク基板を全面保持に近い形で保持することが要求される場合には、例えば、図15及び図15のA−A矢視断面図である図16に示すように、ディスク基板保持構造体200の上にディスク基板201を載せて保持する場合に、ディスク基板保持構造体200の表面に、複数の真空吸着孔202を形成し、真空吸着孔202を通してディスク基板201を真空吸着して保持する方法が採られている。
【0006】
この方法によれば、真空吸着現象を利用しているため、ディスク基板201を確実に保持することができるが、その反面、真空吸着孔202の近傍でディスク基板201が局所的に歪む等の不具合が発生するおそれがあり、特に、薄肉のディスク基板201において問題となる。また、この現象は、ハードコート材あるいはオーバーコート材等のスピンコート工程、あるいは、貼り合わせ工程における接着剤塗布などにおいては、塗布材の塗布むらにつながる可能性が高く、薄肉のディスク基板2において特に問題となる。これらの塗布むらは、作製される光ディスクのメディア信号特性にノイズとして重畳し、ジッター特性の劣化やトラッキングはずれによる異常動作等の種々の不具合を引き起こす原因となる。
【0007】
そこで、従来、光記録媒体または光記録媒体用基板を真空吸着保持する多孔質体を備えた吸着パッドを有することを特徴とする光記録媒体または光記録媒体用基板の搬送トレーが提案されている(特開平9−293276号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載の技術にあっては、ディスク全面をほぼ均一な保持力で保持することができ、真空吸着孔を設けて吸着する場合に当該真空吸着孔の近傍でディスク基板が局所的に歪む等の不具合が発生するという問題を解決することはできるが、ディスク基板を保持している際に、常に真空排気設備とディスク基板保持体を排気管でつないで吸着部を真空排気する必要があり、装置構成が煩雑で大型化するという問題がある。また、上記公報記載の搬送トレーは、スパッタ成膜の工程内でのディスク基板の搬送には適用することができず、光情報記録媒体の生産工程におけるディスク基板の搬送方法としての汎用性がなく、スパッタ工程、ハードコート工程、オーバーコート工程、貼り合わせ工程等の光情報記録媒体の生産工程内及び各工程間において、ディスク基板の厚みに関わらず、汎用的かつ効率的な同等のディスク基板搬送が可能で、かつ、極めて簡易的にディスク基板を均一な保持力により保持することのできるディスク基板の保持方法が要望されている。
【0009】
そこで、本発明は、基板に所定の処理を施して情報記録媒体を製造する情報記録媒体製造方法であって、所望のピット形状またはグルーブ形状を有するスタンパと基板と基板保持部の位置決めを行う工程と、一方の表面が平面と所定形状の溝部で形成された基板保持部の表面に基板を載置する工程と、載置された基板を加熱プレスし、基板の一部が溝部または穴部に入った状態で基板と基板保持部を接合させる工程と、載置する工程に先立って、溝部または穴部に熱硬化性樹脂を入れる工程と、を備え、保持する工程の加熱プレス時に、基板にグルーブ又はピット形状を転写する工程を含むので、ディスク基板の保持構造体へ吸着面を保護して、各種スピンコートを用いた塗布工程等におけるディスク基板の当該吸着面へのミストの付着や他部材との接触によるディスク基板の当該吸着面への傷の発生等を回避し、かつ、真空排気装置等の煩雑な接続を用いることなく、極めて簡単かつ容易に保持構造体へのディスク基板の保持力を維持し、光情報記録媒体を高精度かつ効率的に製造することのできる光情報記録媒体製造方法を提供することを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ディスク基板を保持する保持方法であって、一方の表面が平面と所定形状の溝部または穴部で形成された基板保持部の前記表面にディスク基板を載置する工程と、前記載置されたディスク基板を加熱プレスし、前記ディスク基板の一部が前記溝部または穴部に入った状態でディスク基板と基板保持部を接合させる工程と、を備えたことを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記載置する工程に先立って、前記溝部または穴部に熱硬化性樹脂を入れる工程を含むことを特徴とする。
また請求項3記載の発明は、報記録領域以外に対応する部分に溝部または/及び穴部を有する保持構造体に、ディスク基板を当該ディスク基板が前記溝部または/及び穴部に入り込む状態で接合させた状態で、各種処理工程間を搬送するとともに、前記各種工程処理を行う光情報記録媒体製造方法であって、所望のピット形状またはグルーブ形状を有するスタンパと前記ディスク基板と前記基板保持部の位置決めを行う工程と、請求項1又は2に記載の保持方法を用いて前記ディスク基板を保持する工程と、を備え、前記保持する工程の加熱プレス時に、前記ディスク基板にグルーブ又はピット形状を転写する工程を含むことを特徴とする。
また請求項4前記記載の発明は、転写する工程の後に、各種製造工程処理を行う工程を含むことを特徴とする。
また請求項5記載の発明は、前記各種製造工程処理は、スパッタリング工程であることを特徴とする。
また請求項6記載の発明は、前記各種製造工程処理は、スピンコート工程であることを特徴とする。
また請求項7記載の発明は、前記各種製造工程処理は、貼り合わせ工程であることを特徴とする。
また請求項8記載の発明は、記各種工程を行った後に、前記ディスク基板を情報記録媒体の所望の寸法に切断する工程を含むことを特徴とする。
また請求項9記載の発明は、ディスク基板を保持する保持装置であって、一方の表面が平面と所定形状の溝部で形成された基板保持部と、前記載置されたディスク基板を前記ディスク基板の一部が前記溝部または穴部に入った状態でディスク基板と基板保持部を接合させる加熱プレス手段と、を備えることを特徴とする。
また請求項10記載の発明は、前記加熱プレス手段に先立って、前記溝部または穴部に熱硬化性樹脂を入れる手段を備えることを特徴とする。
また請求項11記載の発明は、請求項9または10に記載の保持装置を設けた情報記録媒体製造装置であって、所望のピット形状又はグルーブ形状を有するスタンパと前記ディスク基板と前記基板保持部の位置決めを行う手段と、前記加熱プレス手段は、前記ディスク基板にグルーブ又はピット形状を転写する手段と、を備えることを特徴とする。
また請求項12記載の発明は、前記加熱プレス手段の後に、各種製造工程処理を行う手段を含むことを特徴とする。
また請求項13記載の発明は、前記各種製造工程処理は、スパッタリングであることを特徴とする。
また請求項14記載の発明は、前記各種製造工程処理は、スピンコートであることを特徴とする。
また請求項15記載の発明は、前記各種製造工程処理は、貼り合わせ工程であることを特徴とする。
また請求項16記載の発明は、前記各種工程を行った後に前記ディスク基板情報記録媒体の所望の寸法に切断する手段を備えることを特徴とする。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0058】
図1〜図12は、本発明の光情報記録媒体製造方法、光情報記録媒体製造装置及び光情報記録媒体の一実施の形態を示す図である。
【0059】
図1は、本発明の光情報記録媒体製造方法、光情報記録媒体製造装置及び光情報記録媒体の一実施の形態を適用した光情報記録媒体製造装置1に用いられる保持構造体2及びディスク基板3の平面図、図2は、図1の保持構造体2及びディスク基板3のA−A矢視断面図である。
【0060】
図1及び図2において、光情報記録媒体製造装置1は、保持構造体2を有し、保持構造体2の上面に製造対象のディスク基板3が載置される。
【0061】
保持構造体2は、その外観形状がディスク基板3の形状に相似する形状、例えば、円盤形状に形成されているとともに、ディスク基板3よりも多少大きめの形状に形成されており、保持構造体2のディスク基板3の載置される上面は、平面形状に形成されているとともに、当該上面に、図2に示すように、所定深さを有するとともに所定形状の溝(溝部)4が形成されている。
【0062】
そして、ディスク基板3を、保持構造体2の溝4に入り込んだ状態で保持構造体2に接合させるために、ディスク基板3と保持構造体2を位置決めした上で、少なくとも溝4の形成された面を加熱プレスし、保持構造体2の溝4に基板材料を入り込ませて、保持構造体2によりディスク基板3を保持させる。
【0063】
このようにすると、ディスク基板3を保持構造体2に高効率にかつ容易に接合させることができる。
【0064】
このとき、ディスク基板3として、例えば、あらかじめ所望のグルーブ、あるいは、ピット形状を転写したディスク基板3を用いる場合には、溝4の形成されている面を選択的に加熱プレスすると、グルーブあるいはピット形状に影響を与えることなく、ディスク基板3を保持構造体2に接合させることができる。
【0065】
また、所望のグルーブ、あるいは、ピット形状を有する光情報記録媒体用スタンパ、または、グルーブ、あるいは、ピット形状の転写されていないディスク基板3と、保持構造体2とを位置決めした上で、加熱プレスし、保持構造体2の溝4にディスク基板3の基板材料を入り込ませて、保持構造体2によりディスク基板3を保持させるとともに、ディスク基板3に所望のグルーブ、あるいは、ピット形状を転写させてもよい。
【0066】
このようにすると、保持構造体2へのディスク基板3の効率的な接合を行うと同時に、ディスク基板3の面上に、光情報記録媒体に不可欠なグルーブ形状あるいはピット形状を形成することができ、生産効率を向上させることができる。
【0067】
さらに、ディスク基板3が保持構造体2の溝4に入り込んだ状態で保持構造体2に接合させるための他の方法としては、保持構造体2を所望のグルーブ、あるいは、ピット形状を有する光情報記録媒体用スタンパを配置した射出成形装置の金型内に配置して、溝4を有する保持構造体2の基板保持面上に、ディスク基板3を射出成形し、ディスク基板3を保持構造体2に接合させるとともに、ディスク基板3に所望のグルーブ、あるいは、ピット形状を転写させる方法を用いることができる。
【0068】
このようにすると、保持構造体2上にディスク基板3を効率的に接合することができるとともに、ディスク基板3の面上に光情報記録媒体に不可欠なグルーブ形状あるいはピット形状を形成することができ、生産効率を向上させることができる。
【0069】
なお、溝4が貫通している保持構造体2を用いる場合には、当該貫通している溝4への射出成形による樹脂流入深さを別途規定する必要があるが、この深さは、例えば、射出成形装置の保持構造体2の配置面に貫通している溝4と同形状の突起部等を設けて、その高さにより容易に調整することができる。
【0070】
さらに、ディスク基板3を加熱プレス等のシート材を基体として生産する場合には、保持構造体2に形成した溝4にあらかじめ熱硬化性樹脂を流し込んだ上で、シート材を加熱プレスすることで、ディスク基板3を保持構造体2に効率的に接合することができる。
【0071】
この場合、熱硬化性樹脂が溝4に入り込み、加熱プレスによってシート材と一体になって硬化して、保持構造体2にシート材を効率よく保持させることができる。
【0072】
このようにすると、保持構造体2の溝4に入り込む樹脂量がシート材の厚みに影響されないため、薄肉シート材を用いた場合においても保持構造体2へのシート材の保持力を安定に確保することができる。
【0073】
なお、熱硬化製樹脂としては、シート材料の種類、加熱プレスの温度等によって適宜調整選択することができ、なんら限定されない。
【0074】
このようにして、ディスク基板3と保持構造体2を接合一体化させて生産工程に流し、光情報記録媒体に要求されるスパッタ成膜、スピンコート、貼り合わせ、初期化等の種々の工程を完了した後に、ディスク基板3を保持構造体2から剥離し、カッティングすることにより、所望の形状に仕上げることができる。この場合、例えば、ディスク基板3を保持構造体2上に接合した状態で、カッティング処理を行うことで、保持構造体2を基準にして光情報記録媒体の形状形成を行うことができ、光情報記録媒体の寸法を高精度に仕上げることができる。この際、ディスク基板3は、情報記録領域等の平面領域での真空吸着力により保持構造体2に固定されているため、カッティング時のディスク基板3の固定は基本的には不要であるが、カッティング精度を高めディスク基板3の微妙なずれ等による傷つき等を確実に防止するために、例えば、ディスク基板3の固定をサポートする固定治具等を付加する等の方法を用いてもよい。
【0075】
そして、保持構造体2上の溝4の形状としては、種々の形状を用いることができ、ディスク基板3の情報記録領域以外の位置であれば、いかなる形状をどの位置に形成してもよい。
【0076】
例えば、保持構造体2は、図3及び図3のA−A矢視断面図である図4に示すように、保持構造体2の外周4カ所に溝4aを設けてもよい。この場合、保持構造体2の平面部での真空吸着力に加えて、溝4aにディスク基板3が入り込むことによる接合力により、保持構造体2にディスク基板3を高い接合力で保持することができる。
【0077】
なお、溝4の形状及び配置は、ディスク基板3の情報記録領域に影響を与えることなく、溝4によるディスク基板3の接合効果を得ることができればよく、例えば、図5及び図5のA−A矢視断面図である図6に示すように、内周部にも溝4bを形成してもよい。このようにすると、保持構造体2の内周部での基板保持力を高めることができ、工程内での基板搬送及び各工程処理において、基板保持力不足等によりディスク基板3が脱落する等の不具合を確実に防止することができる。特に、内周部に貫通孔を設けたディスク基板3を用いる場合などにおいては、内周部での基板保持力が低下するため、有効である。例えば、スパッタ成膜等においては、ディスク基板3の貫通孔を通して内周マスクをディスク基板3側に配置させる方法が一般化しているが、図5及び図6に示したように、保持構造体2の内周部にも溝4bを形成すると、ディスク基板3の内周部を確実に保持して、スパッタ成膜等においては、ディスク基板3の貫通孔を通して内周マスクをディスク基板3側に配置させる場合にも、十分に対応することができる。なお、内周マスクを保持する場合には、保持構造体2の中心に位置決め及びマスク保持機構を付加する必要があるが、このような位置決め及びマスク保持機構を付加する場合にも、適切に対応することができる。
【0078】
また、保持構造体2は、溝4を保持構造体2の表面のディスク基板3の情報記録領域に対応する面よりも外側の外周部分にドーナツ状に形成してもよい。このようにドーナツ状(環状)に溝4を形成すると、ディスク基板3の保持力をドーナツ状の溝4の円周上で均一に維持し、また、スパッタ成膜あるいはスピンコート等の処理による基板機械特性への影響を均一に分散させることができ、面内での不均一なうねり成分の発生をより効果的に防止することができる。
【0079】
さらに、保持構造体2は、図7及び図7のA−A矢視断面図である図8に示すように、保持構造体2の表面のディスク基板3の情報記録領域に対応する面よりも外側の外周部分に、ドーナツ状に溝4cを形成するとともに、内周部の保持構造体2の表面のディスク基板3の情報記録領域に対応する面よりも内側の部分であって、かつ、最終的な光情報記録媒体となる領域の中心部分に丸穴部(穴部)5が形成されていてもよい。
【0080】
このようにすると、保持構造体2の基板保持効果及び上記基板機械特性の安定化効果をより一層高めることができるとともに、丸穴部5を保持構造体2の位置決め基準、または、搬送時のチャック部として機能させることができ、処理工程内でのディスク基板3の高精度な位置決め及び安定した搬送を行うことができる。
【0081】
また、保持構造体2は、図9及び図9のA−A矢視断面図である図10に示すように、保持構造体2の表面のディスク基板3の情報記録領域に対応する面よりも外側の外周部分に、ドーナツ状に溝4cを形成するとともに、図7及び図8に示した丸穴部5の代わりに、内周部にドーナツ状の溝4dを形成してもよく、この場合にも、保持構造体2の基板保持効果及び上記基板機械特性の安定化効果をより一層高めることができるとともに、丸穴部5を保持構造体2の位置決め基準、または、搬送時のチャック部として機能させることができ、工程内でのディスク基板3の高精度な位置決め及び安定した搬送をを行うことができる。さらに、このような保持構造体2を構造とすることにより、内周部に貫通孔の形成されたディスク基板3であっても、適切に保持することができる。例えば、スパッタ成膜等においては、ディスク基板3の貫通孔を通して内周マスクをディスク基板3側に配置させる方法が一般化してきているが、保持構造体2の外周部と内周部に溝4c及び溝4dを形成することにより、適切にディスク基板3を保持することができる。
【0082】
さらに、保持構造体2は、図11及び図11のA−A矢視断面図である図12に示すように、溝4を保持構造体2の表面のディスク基板3の情報記録領域に対応する面よりも外側の外周部分に、ドーナツ状に溝4cを形成し、内周部の保持構造体2の表面のディスク基板3の情報記録領域に対応する面よりも内側の部分であって、かつ、最終的に光情報記録媒体となる領域の中心部分に丸穴部5を形成し、さらに、内周部にドーナツ状の溝4dを形成してもよい。
【0083】
このようにすると、丸穴部5を、保持構造体2の位置決め基準、または、搬送時のチャック部等として機能させることができ、また、予め貫通孔を形成したディスク基板3を用いる際には、スパッタ成膜におけるディスク基板3側でのマスク固定孔として利用することができる。
【0084】
また、保持構造体2は、保持構造体2の外周部に形成するドーナツ状の溝4cの内周径を、光情報記録媒体の所望の外周寸法と同じにすると、保持構造体2からディスク基板3を剥離した後にディスク基板3の外周カッティングを行う場合において、有効に利用することができる。すなわち、ディスク基板3に保持構造体2のドーナツ状の溝4cを転写させた外周突起部を基準として、煩雑な基板位置合わせ等の機構を用いることなく、高精度に光情報記録媒体の外周径の加工を行うことができる。
【0085】
さらに、保持構造体2は、保持構造体2の内周部に形成する丸穴部5の径、あるいは、内周部に形成するドーナツ状の溝4dの外周径を、光情報記録媒体の所望の内周寸法と同じにすると、保持構造体2からディスク基板3を剥離した後に、ディスク基板3の内周にカッティングを行う場合において、有効である。すなわち、ディスク基板3に保持構造体2のドーナツ状の溝4dを転写させた内周突起部を基準として、煩雑な基板位置合わせ等の機構を用いることなく、高精度に光情報記録媒体の内周径の加工を行うことができる。なお、光情報記録媒体の内外周のカッティングには、例えば、カットパンチ等の装置を用いることができるが、これに限るものではない。
【0086】
また、保持構造体2の溝4、4a〜4d、あるいは、丸穴部5にディスク基板3を入り込ませて接合させる際には、溝4、4a〜4dあるいは丸穴部5に完全にディスク基板3が埋め込まれる必要はなく、ディスク基板3の保持に有効な保持力が得られる程度であれば充分であるが、この場合、一体化させた保持構造体2とディスク基板3をスパッタ装置等の真空装置に搬入する場合に注意が必要である。
【0087】
すなわち、保持構造体2とディスク基板3で形成された閉空間内の空気は、真空装置内で膨張し、接合部を剥離させるおそれがある。
【0088】
この場合、保持構造体2に丸穴部5を形成した場合には、丸穴部5のディスク基板3と反対側を、真空装置内の排気空間に配置するようにすることで対応することができるが、溝4、4a〜4dを形成している場合には、溝4、4a〜4dから保持構造体2のディスク基板3の設置面(基板保持面)以外の部分に通じる貫通孔を保持構造体2に形成することで対応することができる。
【0089】
このようにすると、一体化させた保持構造体2とディスク基板3を真空装置内に搬入した場合においても、保持構造体2とディスク基板3で形成された閉空間内の空気を当該貫通孔から排気し、空気の膨張による接合部の剥離を避けることができる。
【0090】
一方、光情報記録媒体の生産装置は、一般的にディスク基板3の厚みに応じて搬送系の調整を行ったり、各工程でのディスク基板3の取り扱いを調整したりする必要があるが、上記説明した保持構造体2を用いると、ディスク基板3と保持構造体2を接合した際のトータルの厚みが一定となるように、要求される基板厚みに応じて保持構造体2の厚みを調整すると、異なる基板厚みの光情報記録媒体を同一の製造装置によって生産することができる。
【0091】
本出願人の実験によると、上記製造装置及び製造方法を用いて作製した光情報記録媒体は、100um前後の薄肉基板であっても、基板機械特性が良好で、オーバーコート等のコート剤の塗布も均一に仕上げられ、安定な信号及びジッター特性を示した。
【0092】
【実施例】
〈実施例1〉
本実施例は、上記実施の形態を、射出成形により成形した0.6mm厚のディスク基板3を用いた光情報記録媒体の生産に適用したものであり、図13に示す生産システム100を用いて光情報記録媒体の生産を行った。
【0093】
図13において、生産システム100は、射出成形装置101、スパッタ装置102、オーバーコート装置103、貼り合わせ装置104、基板供給装置105、基板剥離装置106及び基板切断装置107等を備えている。
【0094】
この生産システム100において、まず、保持構造体2を所望のグルーブ形状を有する光情報記録媒体用スタンパを配置した射出成形装置101の金型内に配置して、保持構造体2の基板保持面上に射出成形装置101により0.6mm厚のディスク基板3を射出成形した。
【0095】
保持構造体2としては、図11及び図12に示した構造のものを使用した。この保持構造体2は、その外径が140mm、厚みが5mmであり、外周溝4cが、内径125mm、外径126mm、溝深さ0.5mmで、内周溝4dが、内径13mm、外径14mm、溝深さ0.5mmで、内周中心の丸穴部5が、穴径5mmである。
【0096】
また、保持構造体2上に成形するディスク基板3は、その径を外径130mmとし、射出成形において保持構造体2の内周の丸穴部5に裏面からピンを配置して、成形されるディスク基板3に内径5mmの穴部が形成されるようにした。
【0097】
さらに、図示していないが、保持構造体2は、内外の各溝4c、4d内には、保持構造体2の裏面まで貫通する外径1mmの穴部が円周4分割位置にそれぞれ形成され、射出成形時にこの穴部に樹脂が流入しないように裏面からピンを挿入している。なお、図13には示していないが、生産システム100は、スパッタ用の外周マスク固定機構やその他の機構部を有している。
【0098】
上述のようにして射出成形により保持構造体2上にディスク基板3を成形し、成形したディスク基板3を保持構造体2の溝4c、4d及び基板面で保持構造体2に効率よく保持させるとともに、所望のグルーブ形状をディスク基板3上に形成することができた。
【0099】
このようにしてグルーブ形状を形成したディスク基板3を保持構造体2とともにスパッタ装置102、オーバーコート装置103及び貼合装置104に順次搬送して、所望のスパッタ、オーバーコートを行うとともに、基板供給装置105から供給される基板と貼り合わせ処理を行う。なお、貼り合わせには、光情報記録媒体の所望面形状に相当する、φ120の基板径で内周にφ15の穴部を形成した厚さ0.6mmの基板を用いた。
【0100】
上記工程において、保持構造体2の内周部に形成した丸穴部5を、搬送におけるチャック部、各工程における基板位置決め及びスパッタ成膜における内周マスク保持孔として使用することで、安定した基板搬送、高精度の位置決め及びスパッタ成膜における基板側マスク保持を行うことができた。また、搬送動作においては、主に保持構造体2側で保持する形態とすることで、極力、ディスク基板3と他部材との接触を回避することができ、ディスク基板3に傷や汚れ等が発生するのを防止することができた。特に、オーバーコート等の塗布剤コートにおいては、保持構造体2によるカバー効果により、ディスク基板3の裏面への塗布剤の回り込みを完全に防ぐことができた。また、保持構造体2の面でのディスク基板3を保持しているため、スパッタ成膜、オーバーコート等の処理を行った際にディスク基板3が変形したり、歪むことを防止することができ、さらに、貼り合わせにおける貼り合わせ基板との面合わせ等の工程も容易に行うことができた。さらに、保持構造体2の溝4c、4d内に形成している貫通孔が、スパッタ装置内においてディスク基板3と保持構造体2の溝4c、4dで形成される空気だまりの排気口として効果的に機能し、空気だまりが原因となって生じる基板剥離等の不具合を未然に防ぐことができた。
【0101】
このようにして基板を貼り合わせたディスク基板3と保持構造体2を基板剥離装置106に搬送して、基板剥離装置106で保持構造体2からディスク基板3を剥離し、基板切断装置107で光情報記録媒体の所望の内径15mm、外径120mmに仕上げた。
【0102】
この基板剥離装置106では、保持構造体2の溝4c、4d内に形成した貫通孔から空気を送り込んで空気圧の力により基板剥離を行ったが、貫通孔からピンを押し込んだり、また、ディスク基板3の外周端あるいは内周端に爪をかけて剥離する等の方法で剥離を行う実験を行ったが、適切に剥離することができた。
【0103】
また、基板切断装置107では、ディスク基板3の切断を、貼り合わせた基板の形状を基準に行った。
【0104】
なお、基板切断と基板剥離の工程の順序を逆にしてもよく。この場合、基板剥離時に保持構造体2の溝4c、4dに形成した貫通穴を剥離に使用することができなくなるが、例えば、切断するディスク基板3の面内に相当する保持構造体2の面上に情報記録領域を避けて穴部等を設ける等を行うことにより、適切に剥離することができる。
【0105】
こうして作製した光情報記録媒体は、基板機械特性が良好で、オーバーコート剤、貼り合わせ剤等の塗布も均一に仕上げられ、安定な信号及びジッター特性を示した。
【0106】
なお、本実施例においては、ディスク基板3を保持構造体2上に保持した状態で貼り合わせ工程まで行ったが、当然ながら、貼り合わせを行わずに、薄肉基板を単体で形成するような場合にも適用することができる。この場合には、保持構造体2の内周溝4dの外周径を光情報記録媒体の内周径と同じにし、かつ、保持構造体2の外周溝4cの内周径を光情報記録媒体の外周径と同じにすることで適切に対応することができる。このようにすると、光情報記録媒体の所望の工程完了後の基板切断において、溝4c、4dに対応して形成されたディスク基板3上のドーナツ状の突起部を基準として、高精度の形状仕上げを何ら特別な位置決め等を行うことなく容易に実現することができる。当然のことながら、薄肉基板単体として仕上げた光情報記録媒体に後工程で貼り合わせを行ってもよい。
【0107】
〈実施例2〉
本実施例は、上記実施の形態を、0.1mm厚のディスク基板3を用いた光情報記録媒体の生産に適用したものであり、図14に示す生産システム110を用いて光情報記録媒体の生産を行った。
【0108】
なお、本実施例の説明において、図13に示した実施例1の生産システム100と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0109】
図14において、生産システム110は、上記実施例1と同様の基板切断装置107、スパッタ装置102、オーバーコート装置103、貼り合わせ装置104、基板供給装置105、基板切断装置107及び基板剥離装置106を備えているとともに、基板切断装置107の前段に、熱プレス装置111を備えている。
【0110】
本実施例の生産システム110では、まず、所望のグルーブ形状を有する光情報記録媒体用スタンパと0.1mm厚のディスク基板3と保持構造体2を位置決めした上で、熱プレス装置111で加熱プレスした。この工法により、容易にディスク基板3にグルーブ形状を転写するとともに、基板材料を保持構造体2上の溝部に入り込ませて効率よく保持することができた。保持構造体2としては、実施例1の場合と同様に、図11及び図12に示した構造のものを使用した。
【0111】
その後、基板切断装置107により、ディスク基板3を外径130mm、内径5mmに切断し、ディスク状基板以外の部分を除去した。この際、内径の切断は保持構造体2の内周の丸穴部5に沿って行った。
【0112】
その後、保持構造体2と一体化させた0.1mm厚のディスク基板3を保持構造体2とともにスパッタ装置102、オーバーコート装置103及び貼り合わせ装置104に順次搬送して、極薄肉基板であることを意識することなく、その後の光情報記録媒体の所望のスパッタ、オーバーコート及び貼り合わせ処理を適切に行うことができた。なお、貼り合わせ装置104での貼り合わせには、ディスク基板3に貼り合わせる基板として、光情報記録媒体の所望面形状に相当するφ120の基板径で内周にφ15の穴部を形成した厚さ1.1mmの基板を用いた。また、保持構造体2の内周部に形成した丸穴部5、表面に形成した溝4c、4d及び溝4c、4d内に形成した貫通穴の作用効果は実施例1の場合と同様であった。
【0113】
貼り合わせ装置104で貼り合わせを行った後、実施例1と同様の手法により、ディスク基板3の切断及び保持構造体2からのディスク基板3の剥離を行った。
【0114】
このようにして作製した光情報記録媒体は、基板機械特性が良好で、オーバーコート剤、貼り合わせ剤等の塗布も均一に仕上げられ、安定な信号及びジッター特性を示した。
【0115】
上記実施例1及び実施例2は、DVDあるいはDVRメディア等の生産を想定して、主に貼り合わせ後に、所望の光情報記録媒体形状に仕上げているが、薄肉基板単体についても、同様の実験を行った結果、良好な基板機械特性、安定な信号及びジッター特性を有する光情報記録媒体を作成することができた。
【0116】
また、光情報記録媒体の構成は、将来的な製品まで含めて多岐に渡り、また、各工程の組み合わせも多種多様であって、上記説明したものに限定されるものではない。すなわち、本発明は、薄肉基板を用いた光情報記録媒体の生産において、特に絶大な効果を奏するものであり、光情報記録媒体の種類及び工程構成は、何ら限定されるものではない。
【0117】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0118】
【発明の効果】
本発明の光情報記録媒体製造方法によれば、ディスク基板にスパッタリング、スピンコート、貼り合わせ等の各種工程処理を行って光情報記録媒体を製造するに際して、ディスク基板の光情報記録媒体の情報記録領域に対応する部分に平面部が形成され、かつ、情報記録領域以外に対応する部分に溝部または/及び穴部を有する保持構造体に、ディスク基板をディスク基板が溝部または/及び穴部に入り込む状態で接合させた状態で、各種処理工程間を搬送するとともに、各種工程処理を行うので、100μm以下等の薄肉のディスク基板であっても極めて容易に取り扱うことができるとともに、真空排気装置との煩雑な接続を行うことなく、かつ、極めて簡素な構成でディスク基板を保持して、一般的な真空吸着、特に薄肉板において大きな問題となる吸着部でのディスク基板の局所的な変形やこの変形に起因した種々の不具合を回避しつつ、ディスク基板の保持構造体へ吸着面を保護して、各種スピンコートを用いた塗布工程等におけるディスク基板の当該吸着面へのミストの付着や他部材との接触によるディスク基板の当該吸着面への傷の発生等を回避することができ、かつ、真空排気装置等の煩雑な接続を用いることなく、極めて簡単かつ容易に保持構造体へのディスク基板の保持力を維持することができ、光情報記録媒体を高精度かつ効率的に製造することができる。
【0119】
請求項2記載の発明の光情報記録媒体製造方法によれば、保持構造体とディスク基板を位置決めした状態で、当該保持構造体の少なくとも溝部または/及び穴部を含んだ面とディスク基板を加熱プレスし、保持構造体の溝部または/及び穴部にディスク基板の基板材料を入り込ませて、保持構造体にディスク基板を保持させるので、例えば、予め所望のグルーブまたはピット形状の転写されたディスク基板を用いる場合にも、溝部を含んだ面を選択的に加熱プレスして、グルーブまたはピット形状に影響を与えることなくディスク基板を保持構造体に接合することができ、ディスク基板を保持構造体に高効率で、かつ、容易に接合させて、光情報記録媒体を高精度かつ効率的に製造することができる。
【0120】
請求項3記載の発明の光情報記録媒体製造方法によれば、保持構造体の溝部に予め熱硬化性樹脂を流し込むので、加熱プレスによって熱硬化性樹脂と基板とを一体にした状態で硬化させて、保持構造体にディスク基板をより効率的に保持させることができるとともに、溝部に埋め込まれる熱硬化樹脂の樹脂量がシート材の厚みに依存することなく、薄肉シート材を用いた場合においても保持構造体へのシート材の保持力を安定的に確保することができ、ディスク基板を保持構造体に高効率で、かつ、容易に接合させて、光情報記録媒体を高精度かつ効率的に製造することができる。
【0121】
請求項4記載の発明の光情報記録媒体製造方法によれば、所望のグルーブまたはピット形状を有する光情報記録媒体用スタンパとディスク基板と保持構造体を位置決めした状態で加熱プレスし、保持構造体の溝部または/及び穴部にディスク基板の基板材料または熱硬化性樹脂を入り込ませて、保持構造体にディスク基板を保持させるとともに、当該ディスク基板にグルーブまたはピット形状を転写させるので、保持構造体にディスク基板をより効率的に接合させることができるとともに、ディスク基板面上に光情報記録媒体に不可欠なグルーブ形状またはピット形状をけいせいすることができ、光情報記録媒体を高精度かつより一層効率的に製造することができる。
【0122】
請求項5記載の発明の光情報記録媒体製造方法によれば、保持構造体を所望のグルーブまたはピット形状を有する光情報記録媒体用スタンパの配置された射出成形装置の金型内に配置し、当該保持構造体の溝部または/及び穴部を有する基板保持面上にディスク基板を射出成形し、ディスク基板を保持構造体に接合させるとともに、ディスク基板にグルーブまたはピット形状を転写させるので、保持構造体にディスク基板をより効率的に接合させることができるとともに、ディスク基板面上に光情報記録媒体に不可欠なグルーブ形状またはピット形状を形成することができ、光情報記録媒体を高精度かつより一層効率的に製造することができる。
【0123】
請求項6記載の発明の光情報記録媒体製造方法によれば、ディスク基板に各種工程処理を行った後、当該ディスク基板を保持構造体に接合させた状態で光情報記録媒体としての所望の寸法に切断するので、保持構造体を基準に光情報記録媒体の形状を形成することができ、光情報記録媒体をより一層高精度かつ効率的に製造することができる。
【0124】
請求項7記載の発明の光情報記録媒体製造装置によれば、ディスク基板にスパッタリング、スピンコート、貼り合わせ等の各種工程処理を行って光情報記録媒体を製造するに際して、ディスク基板の光情報記録媒体の情報記録領域に対応する部分に平面部が形成され、かつ、情報記録領域以外に対応する部分に溝部または/及び穴部を有する保持構造体に、ディスク基板をディスク基板が溝部または/及び穴部に入り込む状態で接合させた状態で、各種処理工程間を搬送するとともに、各種工程処理を行うので、100μm以下等の薄肉のディスク基板であっても極めて容易に取り扱うことができるとともに、真空排気装置との煩雑な接続を行うことなく、かつ、極めて簡素な構成でディスク基板を保持して、一般的な真空吸着、特に薄肉板において大きな問題となる吸着部でのディスク基板の局所的な変形やこの変形に起因した種々の不具合を回避しつつ、ディスク基板の保持構造体へ吸着面を保護して、各種スピンコートを用いた塗布工程等におけるディスク基板の当該吸着面へのミストの付着や他部材との接触によるディスク基板の当該吸着面への傷の発生等を回避することができ、かつ、真空排気装置等の煩雑な接続を用いることなく、極めて簡単かつ容易に保持構造体へのディスク基板の保持力を維持することができ、光情報記録媒体を高精度かつ効率的に製造することができる。
【0125】
請求項8記載の発明の光情報記録媒体製造方法及び光情報記録媒体製造装置によれば、保持構造体の溝部を、ディスク基板の情報記録領域に対応する面よりも外側の部分にドーナツ状に形成するので、光情報記録媒体の外側の円周部でディスク基板を保持して、接合力を向上させることができるとともに、面内方向に均一な保持力を持たせ、スパッタ成膜あるいはスピンコート等の処理による基板機械特性への影響を均一に分散させて、面内での不均一なうねり成分の発生を防止ずくことができ、光情報記録媒体をより一層高精度かつより効率的に製造することができる。
【0126】
請求項9記載の発明の光情報記録媒体製造方法及び光情報記録媒体製造装置によれば、保持構造体のドーナツ状の溝部の内周の径を、光情報記録媒体の所望の外径寸法と同じにするので、保持構造体からディスク基板を剥離した後に、ディスク基板をカッティングする場合においても、何ら煩雑な位置決め機構を用いることなく、保持構造体の溝部に対応してディスク基板に転写された突起部を基準にして、容易に高精度に外周カッティングを行うことができ、光情報記録媒体をより一層高精度かつより効率的に製造することができる。
【0127】
請求項10記載の発明の光情報記録媒体製造方法及び光情報記録媒体製造装置によれば、保持構造体の溝部を、ディスク基板の情報記録領域に対応する面よりも内側の部分にもドーナツ状に形成しているので、内周部に貫通孔の形成されたディスク基板においても適切に保持することができ、例えば、スパッタ成膜等において、ディスク基板の貫通孔を通して内周マスクをディスク基板側に配置させる場合にも、適切にディスク基板を保持することができ、光情報記録媒体をより一層高精度かつより効率的に製造することができる。
【0128】
請求項11記載の発明の光情報記録媒体製造方法及び光情報記録媒体製造装置によれば、ディスク基板の情報記録領域に対応する面よりも内側の部分にドーナツ状に形成さている溝部の内周の径を、光情報記録媒体の所望の内径寸法と同じにしているので、保持構造体からディスク基板を剥離した後にディスク基板をカッティングする場合においても、何ら煩雑な位置決め機構を用いることなく、保持構造体の溝部に対応してディスク基板に転写された突起部を基準に容易に高精度に内周カッティングを行うことができ、光情報記録媒体をより一層高精度かつより効率的に製造することができる。
【0129】
請求項12記載の発明の光情報記録媒体製造方法及び光情報記録媒体製造装置によれば、保持構造体の穴部を、情報記録領域に対応する面よりも内側の部分であって、かつ、最終的に光情報記録媒体となる領域の中心部分に対応する部分に丸形状に形成しているので、丸穴部を保持構造体の位置決め基準または搬送時のチャック部として利用し、工程内でのディスク基板の高精度な位置決め及び安定した搬送を行うことができ、光情報記録媒体をより一層高精度かつより効率的に製造することができる。
【0130】
請求項13記載の発明の光情報記録媒体製造方法及び光情報記録媒体製造装置によれば、保持構造体の穴部の外形を、光情報記録媒体の所望の内径寸法と同じにしているので、保持構造体からディスク基板を剥離した後にディスク基板をカッティングする場合においても、何ら煩雑な位置決め機構を用いることなく、保持構造体の溝部に対応してディスク基板に転写された突起部を基準に容易に高精度に内周カッティングを行うことができ、光情報記録媒体をより一層高精度かつより効率的に製造することができる。
【0131】
請求項14記載の発明の光情報記録媒体製造方法及び光情報記録媒体製造装置によれば、保持構造体の溝部に、当該溝部から保持構造体の基板保持面以外の部分に連通する貫通孔を形成しているので、保持構造体とディスク基板を真空装置内に搬入して、スパッタ成膜等の工程処理を行う際に、保持構造体とディスク基板とが剥離することを防止することができ、光情報記録媒体をより一層高精度かつより効率的に製造することができる。
【0132】
請求項15記載の発明の光情報記録媒体製造方法及び光情報記録媒体製造装置によれば、保持構造体の厚さを、ディスク基板との接合時に当該ディスク基板と当該保持構造体の厚さの合計が各種処理において要求される厚さとなる厚さに、接合されるディスク基板の厚さに応じて調整するので、大がかりな製造設備本体の調整を行うことなく、種々の膜厚の基板を同一の製造設備で生産することができ、光情報記録媒体をより一層高精度かつより一層効率的に製造することができる。
【0133】
請求項16記載の光情報記録媒体によれば、光情報記録媒体を、請求項1から請求項15のいずれかに記載の光情報記録媒体製造方法または請求項7から請求項15のいずれかに記載の光情報記録媒体製造装置で製造しているので、100um前後の薄肉基板であっても基板機械特性が良好で、オーバーコート等のコート剤の塗布も均一に仕上げることができ、安定した信号及びジッター特性を有したものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体製造方法、光情報記録媒体製造装置及び光情報記録媒体の一実施の形態を適用した光情報記録媒体製造装置に用いられるディスク基板を載置した状態の保持構造体の平面図。
【図2】図1のディスク基板を載置した状態の保持構造体のA−A矢視断面図。
【図3】図1の保持構造体の他の例の正面断面図。
【図4】図3の保持構造体のA−A矢視断面図。
【図5】図1の保持構造体のさらに他の例の正面断面図。
【図6】図5の保持構造体のA−A矢視断面図。
【図7】図1の保持構造体のさらに他の例の正面断面図。
【図8】図7の保持構造体のA−A矢視断面図。
【図9】図1の保持構造体のさらに他の例の正面断面図。
【図10】図9の保持構造体のB−B矢視断面図。
【図11】図1の保持構造体のさらに他の例の正面断面図。
【図12】図11の保持構造体のA−A矢視断面図。
【図13】実施例1の生産システムのブロック構成図。
【図14】実施例2の生産システムのブロック構成図。
【図15】従来のディスク基板を載置した状態のディスク保持構造体の平面図。
【図16】図15のディスク基板を載置した状態の保持構造体のA−A矢視断面図。
【符号の説明】
1 光情報記録媒体製造装置
2 保持構造体
3 ディスク基板
4 溝
4a〜4d 溝
5 丸穴部
100 生産システム
101 射出成形装置
102 スパッタ装置
103 オーバーコート装置
104 貼り合わせ装置
105 基板供給装置
106 基板剥離装置
107 基板切断装置
110 生産システム
111 熱プレス装置

Claims (16)

  1. ディスク基板を保持する保持方法であって、
    一方の表面が平面と所定形状の溝部または穴部で形成された基板保持部の前記表面にディスク基板を載置する工程と、
    前記載置されたディスク基板を加熱プレスし、前記ディスク基板の一部が前記溝部または穴部に入った状態でディスク基板と基板保持部を接合させる工程と、
    を備えたことを特徴とする保持方法。
  2. 前記載置する工程に先立って、
    前記溝部または穴部に熱硬化性樹脂を入れる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の保持方法。
  3. 報記録領域以外に対応する部分に溝部または/及び穴部を有する保持構造体に、ディスク基板を当該ディスク基板が前記溝部または/及び穴部に入り込む状態で接合させた状態で、各種処理工程間を搬送するとともに、前記各種工程処理を行う光情報記録媒体製造方法であって、
    所望のピット形状またはグルーブ形状を有するスタンパと前記ディスク基板と前記基板保持部の位置決めを行う工程と、
    請求項1又は2に記載の保持方法を用いて前記ディスク基板を保持する工程と、
    を備え、
    前記保持する工程の加熱プレス時に、前記ディスク基板にグルーブ又はピット形状を転写する工程を含むことを特徴とする情報記録媒体製造方法。
  4. 前記転写する工程の後に、
    各種製造工程処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の情報記録媒体製造方法。
  5. 前記各種製造工程処理は、スパッタリング工程であることを特徴とする請求項4に記載の情報記録媒体製造方法。
  6. 前記各種製造工程処理は、スピンコート工程であることを特徴とする請求項4に記載の情報記録媒体製造方法。
  7. 前記各種製造工程処理は、貼り合わせ工程であることを特徴とする請求項4に記載の情報記録媒体製造方法。
  8. 前記各種工程を行った後に、
    前記ディスク基板を情報記録媒体の所望の寸法に切断する工程を含むことを特徴とする請求項4乃至7の何れか一項に記載の情報記録媒体製造方法。
  9. ディスク基板を保持する保持装置であって、
    一方の表面が平面と所定形状の溝部で形成された基板保持部と、
    前記載置されたディスク基板を前記ディスク基板の一部が前記溝部または穴部に入った状態でディスク基板と基板保持部を接合させる加熱プレス手段と、
    を備えることを特徴とする保持装置。
  10. 前記加熱プレス手段に先立って、
    前記溝部または穴部に熱硬化性樹脂を入れる手段を備えることを特徴とする請求項に記載の保持装置。
  11. 請求項9または10に記載の保持装置を設けた情報記録媒体製造装置であって、
    所望のピット形状又はグルーブ形状を有するスタンパと前記ディスク基板と前記基板保持部の位置決めを行う手段と、
    前記加熱プレス手段は、前記ディスク基板にグルーブ又はピット形状を転写する手段と、
    を備えることを特徴とする情報記録媒体製造装置。
  12. 前記加熱プレス手段の後に、
    各種製造工程処理を行う手段を含むことを特徴とする請求項11に記載の情報記録媒体製造装置。
  13. 前記各種製造工程処理は、スパッタリングであることを特徴とする請求項12に記載の情報記録媒体製造装置。
  14. 前記各種製造工程処理は、スピンコートであることを特徴とする請求項12に記載の情報記録媒体製造装置。
  15. 前記各種製造工程処理は、貼り合わせ工程であることを特徴とする請求項12に記載の情報記録媒体製造装置。
  16. 前記各種工程を行った後に前記ディスク基板を情報記録媒体の所望の寸法に切断する手段を備えることを特徴とする請求項12乃至15の何れか一項に記載の情報記録媒体製造装置。
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