JPH10124275A - 画像処理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホスト装置がフォントデータを回転及び圧縮
する場合に処理速度が低下することを防止する。 【解決手段】 プリンタドライバ１は前のラインデータ
Ｄ０と、求めるべきライン「０」の８ビットデータＤ１
の上下のビットデータを排他的論理することによりに示
すように変化点を求め、変化点データ＝１のライン番号
を圧縮データとする。また、変化点データが奇数ならば
最後のライン番号＋１＝８を出力し、また、全てのライ
ンに「ＥＯＬ」を付加する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ装置やデ
ィスプレイ装置がフォントデータ（ＲＯＭ）を持たず、
ホストであるプリンタドライバやディスプレイドライバ
からダウンロードされたフォントデータに基づいて画像
を用紙にプリントするプリンタシステムや、画像を表示
するディスプレイシステム等に好適な画像処理システム
に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、画像回転機能を有するプリンタ
装置では、図４に示すようにホストコンピュータから指
示されるポートレート又はランドスケープのページオリ
エンテーションと、ロングエッジフィード（ＬＥＦ）又
はショートエッジフィード（ＳＥＦ）の用紙方向に基づ
いてビデオデータの作成方向を決定している。例えば図
４（ｂ）に示すようにユーザがホストコンピュータによ
りＡ４縦書き（ポートレート）で印刷データを作成し、
それをプリンタ装置にダウンロードして印刷する場合、
プリンタ装置には用紙がＡ４−ＬＥＦでセットされてい
るときにはプリンタ装置側で画像データの展開時に９０
°回転して印刷データを作成する。

【０００３】この場合、直線やアウトラインフォントは
回転した座標を求めて描画を行えばよいが、ビットマッ
プフォントについては図５に示すようにビットデータを
回転しなければならない。ここで、ビットデータの回転
処理は、ソフトウエアにより行うと全てビットの演算と
なり、速度的に不利となるので、ハードウエアにより行
う方が一般的である。

【０００４】また、ホストからフォントデータをダウン
ロードする際には、高解像度プリンタを使用すると１文
字に対するデータ量が多くなるので、例えば図６に示す
ようなランレングス方式等によりホスト側で圧縮して転
送することにより、データの転送量と転送時間を少なく
する方法がとられている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、プリンタ側
に画像回転機能を設けることはコストアップになり、ま
た、回転可能なサイズも限定される。そこで、ホストコ
ンピュータ（プリンタドライバ）側で回転をソフトウエ
アにより行ったり、また、回転とデータ圧縮の両方を行
うことが考えられるが、この場合には処理速度が低下す
るという問題点がある。

【０００６】本発明は上記従来の問題点に鑑み、ホスト
装置がフォントデータを回転及び圧縮する場合に処理速
度が低下することを防止することができる画像処理シス
テムを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】第１の手段は上記目的を
達成するために、ホスト装置から画像形成装置に対して
フォントデータをダウンロードする画像処理システムに
おいて、前記ホスト装置は、フォントデータを回転及び
圧縮する場合に、上下のラインのフォントデータを排他
的論理和することによりフォントデータの変化データを
生成し、前記変化点データのライン方向を抽出すること
により回転と圧縮を同時に行うことを特徴とする。

【０００８】第２の手段は、第１の手段において前記ホ
スト装置が、前記画像形成装置が画像回転手段を有する
場合にフォントデータを回転しないでダウンロードする
ことを特徴とする。

【０００９】第３の手段は、第２の手段において前記ホ
スト装置が、前記画像形成装置が画像回転手段を有して
いてもフォントサイズに応じてフォントデータを回転す
るか又はしないかを決定することを特徴とする。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図１は本発明に係る画像処理シス
テムの一実施形態を示すブロック図、図２は図１のプリ
ンタドライバの処理を説明するためのフローチャート、
図３は図２の画像回転圧縮処理を詳細に説明するための
フローチャート、図４は印刷データと用紙の方向を示す
説明図、図５は回転処理を示す説明図、図６は圧縮処理
を示す説明図、図７は回転と圧縮を同時に行う処理を示
す説明図、図８はフォントデータを分割して回転と圧縮
を同時に行う処理を示す説明図、図９は図２のプリンタ
の処理を説明するためのフローチャートである。

【００１１】図１は一例として、ホスト装置であるプリ
ンタドライバ１から画像形成装置であるプリンタ２に対
してフォントデータをダウンロードするプリンタシステ
ムを示している。プリンタドライバ１は図２に示すよう
に、プリンタ２に対してフォントデータをダウンロード
する前に、双方向通信やユーザによるプリンタ設定によ
りプリンタ２側に画像回転器が有るか否かを判断し（ス
テップＳ１）、ない場合にはステップＳ２に進み、他
方、有る場合にはステップＳ７に進む。

【００１２】ステップＳ２では図４に示すようにプリン
タドライバ１側で作成された印刷データのポートレート
又はランドスケープのページオリエンテーションと、プ
リンタ２にセットされているロングエッジフィード（Ｌ
ＥＦ）又はショートエッジフィード（ＳＥＦ）の用紙方
向に基づいて印刷データを回転するか否かを判断し、回
転しない場合にはステップＳ３に進み、他方、回転する
場合にはステップＳ７に進む。

【００１３】なお、図４（ａ）は印刷データがポートレ
ート、用紙方向がＳＥＦであるので回転しない場合を示
している。また、図４（ｂ）は印刷データがポートレー
ト、用紙方向がＬＥＦであるので回転し、図４（ｃ）は
印刷データがランドスケープ、用紙方向がＳＥＦである
ので回転し、図４（ｄ）は印刷データがランドスケー
プ、用紙方向がＬＥＦであるので回転しない場合を示し
ている。

【００１４】図２に戻り、ステップＳ３ではフォントデ
ータを参照し（アウトラインフォントの場合にはラスタ
ライズし）、次いでそのフォントを圧縮し（ステップＳ
４）、次いでそのフォントをプリンタ２にダウンロード
し（ステップＳ５）、次いでその印刷パーツの座標を求
め（解像度変換し）、そのパーツデータをプリンタ２に
送信する（ステップＳ６）。

【００１５】これに対し、ステップＳ７ではフォントデ
ータを参照し、次いでプリンタドライバ１側で回転する
か否かを更に判断する（ステップＳ８）。ここで、圧縮
データが元データより大きくなる場合や、プリンタ２側
の回転ハードウエアがサポートしている大きさ以下のデ
ータの場合にはプリンタ２側で回転処理を行った方が高
速になる場合がある。そこで、この場合にはプリンタド
ライバ１側では圧縮処理のみを行い（ステップＳ１
０）、他の場合に図３に詳しく示す回転と圧縮を行う
（ステップＳ９）。例えばフォントサイズに応じてある
サイズ（例えば６４×６４）以下の場合には圧縮処理の
みを行う（ステップＳ１０）。

【００１６】次いでそのフォントをプリンタ２にダウン
ロードし（ステップＳ１１）、次いでその印刷パーツの
座標を求め（解像度変換し）、そのパーツデータをプリ
ンタ２に送信する（ステップＳ１２）。なお、印刷パー
ツの回転は通常、解像度変換処理と同時に行うことがで
きる一般的な三角関数演算により行うことができる。

【００１７】フォントの回転、圧縮は通常では、図５、
図６に示すように回転を行った後に圧縮を行うが、ステ
ップＳ９では図３、図７に詳しく示すように回転と圧縮
を同時に行う。ここで、図５、図６を参照して通常の回
転、圧縮処理を説明すると、先ず、図５に示すようにＸ
方向８ビット「７」〜「０」、Ｙ方向７ライン「０」〜
「７」のフォント画像「Ｐ」を９０°回転する。そし
て、これをランレングス符号化する場合には、図６に示
すようにライン「０」、「７」は共にフォントがないの
でその旨を示す圧縮データ「ＥＯＬ」に符号化する。

【００１８】ここで、ビット「０」より前とビット
「７」より後の各ビットデータを「０」とし、ライン
「１」はビット「１」、「３」が前のビットデータと異
なるので圧縮データ「０，３，ＥＯＬ」に符号化し、ラ
イン「２」〜「５」は共にビット「０」、「１」、
「３」、「４」が前のビットデータと異なるので「０，
１，３，４，ＥＯＬ」に符号化し、ライン「６」はビッ
ト「０」、「８」が前のビットデータと異なるので圧縮
データ「０，８，ＥＯＬ」に符号化する。

【００１９】次に、図３、図７を参照して回転と圧縮を
同時に行う処理を説明する。先ず、ラインデータを初期
化（Ｄ０＝０）し（ステップＳ２１）、次いで最初のラ
イン「０」の８ビットデータＤ１を取り出す（ステップ
Ｓ２２）。そして、前のラインデータＤ０と、求めるべ
きライン「０」の８ビットデータＤ１の上下のビットデ
ータを排他的論理することにより図７（ａ）（ｂ）に示
すように変化点を求める（ステップＳ２３）。

【００２０】そして、変化点データ＝１のライン番号を
圧縮データとして出力し、また、変化点データ＝１の数
が奇数ならば最後のライン番号＋１＝８を出力し、ま
た、全てのラインに「ＥＯＬ」を付加する（ステップＳ
２４）。次いで、この圧縮データを保存し、８ライン数
分繰り返す（ステップＳ２５）。したがって、図６に示
すように回転を行った後に圧縮した結果と同じになるの
で、回転と圧縮を同時に行うことができる。

【００２１】ここで、８×８のフォントを例にして説明
したが、それより大きいサイズのフォントの場合にも、
変化点を求める順番を変更するだけで対応することがで
きる。例えば図８に示す１６×１６のフォントの場合に
は、これを１ブロックが８×８になるように２×２ブロ
ックに分割し、右上ブロック→右下ブロック→左上ブロ
ック→左下ブロックの順番で上記処理を行うことによ
り、１６×１６のフォントの回転と圧縮を同時に行うこ
とができる。

【００２２】また、一度に算出できるライン数は、単に
説明を簡略化するために８ラインを例にしたが、これに
限定されるものではない。但し、システムの総合的な速
度に差が発生する場合があり、例えばプリンタドライバ
１内のＣＰＵのビット長と、一度に扱うランレングスデ
ータを蓄積できるメモリ容量により左右され、ＣＰＵが
１回のアクセスでメモリから３２ビットデータをアクセ
スできる場合には３２ラインが最適値であり、また、メ
モリは３２ライン分のランレングスデータを蓄積できな
ければならない。

【００２３】また、速度との兼ね合いやソフトウエアの
アルゴリズムにも左右され、例えば変化点データからど
のビットが対象かを調べるためにビット置きではなく、
どのビットすなわちＸ座標の対象化テーブルを予め作成
して利用した方が速い場合もある。なお、この方法はＣ
ＰＵの命令セットとスピードにより遅くなる場合もあ
り、また、３２ラインを同時に求めるとテーブル容量が
大量になる。

【００２４】次に、図９を参照してプリンタ２の動作を
説明する。先ず、プリンタドライバ１からダウンロード
されるフォントを回転するか否かを判断し（ステップＳ
３１）、回転する場合にはダウンロードされるフォント
（圧縮データ）を格納し（ステップＳ３２）、次いで印
刷パーツの座標を回転し（ステップＳ３３）、次いで圧
縮データをフォントデータに伸長し（ステップＳ３
４）、次いでフォントデータを回転し（ステップＳ３
５）、回転したフォントデータをメモリ上に描画し（ス
テップＳ３６）、ビデオ信号として出力する（ステップ
Ｓ３７）。

【００２５】他方、ステップＳ３１において回転しない
場合には、ダウンロードされるフォント（圧縮データ）
を格納し（ステップＳ３８）、次いで圧縮データをフォ
ントデータに伸長し（ステップＳ３９）、次いで伸長し
たフォントデータをメモリ上に描画し（ステップＳ４
０）、ビデオ信号として出力する（ステップＳ３７）。

【００２６】ここで、プリンタ２側で印刷パーツの座標
の回転（ステップＳ３３）とフォントデータの回転（ス
テップＳ３５）を行う場合、パーツの回転はホスト１側
で行うときと同様に演算処理のみで求めることができる
が、フォントデータの回転はビット演算か又はハードウ
エアにより行う。また、フォントデータがランレングス
圧縮されている場合、変化点の座標回転は演算で求める
ことができるが、描画時のメモリアクセスはビット単位
である。

【００２７】なお、上記実施形態では、プリンタドライ
バ１から画像形成装置であるプリンタ２に対してフォン
トデータをダウンロードするプリンタシステムを例にし
て説明したが、本発明は、ホスト装置であるディスプレ
イドライバから画像形成装置であるディスプレイ装置に
ダウンロードするシステム等にも適用することができ
る。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように請求項１記載の発明
によれば、ホスト装置がフォントデータを回転及び圧縮
する場合に、上下のラインのフォントデータを排他的論
理和することによりフォントデータの変化データを生成
し、前記変化点データのライン方向を抽出することによ
り回転と圧縮を同時に行うようにしたので、処理速度が
低下することを防止することができる。

【００２９】請求項２記載の発明によれば、画像形成装
置が画像回転手段を有する場合にはホスト装置がフォン
トデータを回転しないでダウンロードするので、システ
ム全体の処理速度を最適化することができる。

【００３０】請求項３記載の発明によれば、画像形成装
置が画像回転手段を有していてもホスト装置がフォント
サイズに応じてフォントデータを回転するか又はしない
かを決定するので、システム全体の処理速度を更に最適
化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る画像処理システムの一実施形態を
示すブロック図である。

【図２】図１のプリンタドライバの処理を説明するため
のフローチャートである。

【図３】図２の画像回転圧縮処理を詳細に説明するため
のフローチャートである。

【図４】印刷データと用紙の方向を示す説明図である。

【図５】回転処理を示す説明図である。

【図６】圧縮処理を示す説明図である。

【図７】回転と圧縮を同時に行う処理を示す説明図であ
る。

【図８】フォントデータを分割して回転と圧縮を同時に
行う処理を示す説明図である。

【図９】図２のプリンタの処理を説明するためのフロー
チャートである。

【符号の説明】

１ プリンタドライバ ２ プリンタ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホスト装置から画像形成装置に対してフ
   ォントデータをダウンロードする画像処理システムにお
   いて、 前記ホスト装置は、フォントデータを回転及び圧縮する
   場合に、上下のラインのフォントデータを排他的論理和
   することによりフォントデータの変化データを生成し、
   前記変化点データのライン方向を抽出することにより回
   転と圧縮を同時に行うことを特徴とする画像処理システ
   ム。
2. 【請求項２】 前記ホスト装置は、前記画像形成装置が
   画像回転手段を有する場合にフォントデータを回転しな
   いでダウンロードすることを特徴とする請求項１記載の
   画像処理システム。
3. 【請求項３】 前記ホスト装置は、前記画像形成装置が
   画像回転手段を有していてもフォントサイズに応じてフ
   ォントデータを回転するか又はしないかを決定すること
   を特徴とする請求項２記載の画像処理システム。