JPH10123722A - 感光性印刷原版用現像装置 - Google Patents

感光性印刷原版用現像装置

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JPH10123722A
JPH10123722A JP29776696A JP29776696A JPH10123722A JP H10123722 A JPH10123722 A JP H10123722A JP 29776696 A JP29776696 A JP 29776696A JP 29776696 A JP29776696 A JP 29776696A JP H10123722 A JPH10123722 A JP H10123722A
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JP
Japan
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brush
photosensitive
plate material
developing device
developer
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JP29776696A
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Ichiro Konishi
一郎 小西
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 掻き取り糟がブラシに付着し難く、しかも版
材表面のかきとり部分に細かなうねりなどが生じない感
光性印刷原版用現像装置を提供すること。 【解決手段】 レリーフ画像を露光した感光性版材3の
表面の未露光部分または露光部分を取り除くように、感
光性版材3の表面に摺接し、感光性版材3に対して相対
的に移動するブラシ1を有する感光性印刷原版用現像装
置であって、ブラシ1を構成する各刷毛単位13が、所
定の実際隙間を以て植え込まれているが、感光性版材3
またはブラシ1の相対的直線移動方向Aから見た各刷毛
単位13の見かけ状隙間が実質的にないように配置して
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば水性現像
液を用いて感光性版材の未露光部分を取り除きレリーフ
を形成させる感光性印刷原版用現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】感光性印刷原版は、たとえば感光性版材
に印画フィルムを貼り合わせ、印画フィルムの上から活
性光を照射して露光を行い、次いで、未露光部分(また
は露光部分)を溶解させ、または掻き取ってレリーフを
形成することにより製造される。このような感光性印刷
版を現像する装置に使用されるブラシは、各刷毛単位を
立方格子あるいは千鳥格子などのパターンで植え込まれ
ている。
【0003】従来の現像装置に適用されていた版材は、
有機溶剤で溶解しやすい材料で形成されたものであっ
た。そのため、未露光部分は有機溶剤によりほとんど溶
解し、現像糟はほとんど発生せず、刷毛単位を密集して
植え込んだとしてもブラシに現像糟が付着して現像速度
が低下するなどの問題はなかった。
【0004】ところで、環境に対する配慮から、最近、
水現像型の感光性版材の開発が進められている。水現像
型の版材は、従来の溶剤現像型の版材とは異なる機構で
現像される。すなわち、水現像型の版材では感光部の材
料が完全には溶解せず、おもに膨潤するだけであるの
で、ブラシ等で擦りかきとることによって初めてレリー
フが形成される場合がある。
【0005】そのため、従来のように刷毛単位が高密度
に植え込みされたブラシでは、初期の現像速度は速くな
るが掻き取り糟が刷毛単位に付着して、画像再現性の低
下、現像速度の低下などを生起する。
【0006】一方、刷毛単位の植え込み密度を低くする
と、現像速度が低下し、版材表面のかきとり部分に細か
なうねり、いわゆる株目ができる。株目があると印刷版
の外観が悪くなるし、この印刷版を用いて印刷すると白
地部分に印刷汚れを生じさせる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
実状に鑑みてなされ、掻き取り糟がブラシに付着し難
く、しかも版材表面のかきとり部分に細かなうねりなど
が生じない感光性印刷原版用現像装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る感光性印刷原版用現像装置は、レリー
フ画像を露光した感光性版材の表面の未露光部分または
露光部分を取り除くように、感光性版材の表面に摺接
し、感光性版材に対して相対的に移動するブラシを有す
る感光性印刷原版用現像装置であって、前記ブラシを構
成する各刷毛単位が、所定の実際隙間を以て植え込まれ
ているが、前記感光性版材またはブラシの相対的直線移
動方向から見た各刷毛単位の見かけ状隙間が実質的にな
いように配置してあることを特徴とする本発明におい
て、「見かけ状隙間が実質的にない」とは、次のことを
意味する。ブラシは感光性版材の表面に押し付けて擦ら
れるので、各刷毛単位は若干曲げられて広がる。この広
がった状態で隙間がないこと(あるいはオーバーラップ
していること)を意味する。このような観点からは、ブ
ラシが感光性版材に押し付けられていない状態では、各
刷毛単位の見かけ状隙間は、通常、1mm以下、好まし
くは0.5mm以下とする。たとえば、約3mm厚の版
材の場合、ブラシと版材を固定する板との間隔を植毛の
長さ(いわゆるキスタッチ)として、その間に版材を挿
入するので、各刷毛単位は、版材の厚さ分(約3mm)
押し込まれて広がる。また、約7mm厚の版材の場合に
は、ブラシと版材を固定する板との間隔を、刷毛単位の
長さプラス3〜5mmと設定して、その間に版材を挿入
するので、刷毛単位は、版材の厚さ分(7mm)マイナ
ス3〜5mmの分だけ押し込まれて広がる。そして、現
像によりレリーフが生成されると、ブラシから版材のフ
ロア部分までの間隔は広がるが、その場合でも約1mm
程度押し込まれて広がっている。
【0009】本発明に係る現像装置では、ブラシを構成
する各刷毛単位が所定の十分な実際隙間を以て植え込ま
れていることから、掻き取り糟がブラシに付着し難い。
そのため、画像再現性が向上すると共に、現像速度も向
上する。また、ブラシの刷毛単位が、感光性版材または
ブラシの相対的直線移動方向から見た場合には、実質的
に隙間なく植え込まれているように配置してあるので、
版材表面のかきとり部分に細かなうねりなどが生じな
い。そのため、得られた感光性印刷原版の外観が向上す
ると共に、印刷時に生じるおそれがある印刷汚れも少な
い。
【0010】ここで相対的直線移動方向とは、版材を搬
送するタイプの装置では、搬送方向を、版材を固定しブ
ラシを動かすタイプの装置ではブラシの直線運動成分の
方向をいう。
【0011】前記のように見かけ状隙間が無いように配
置されれば、刷毛単位の配置パターンは、特に限定され
ないが、たとえば千鳥格子状、立方格子状などが例示さ
れる。各刷毛単位の実際の配置ピッチ(ある刷毛単位の
中心から隣接する刷毛単位の中心までの距離)は、特に
限定されないが、通常、ブラシ基板の孔径との関係で決
まり、1〜20mm、好ましくは4〜15mm程度が好まし
い。配置ピッチが広すぎると、株目が発生する傾向が増
大し、ピッチが狭すぎると、画像再現性が悪くなる傾向
にある。
【0012】本発明では、ブラシにおける各刷毛単位
は、豚毛、馬毛などの天然毛の他に、たとえばナイロン
などのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、
ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂繊維で構成される。この
ような刷毛単位は、複数本の毛または繊維の束または撚
線の集合などで構成される。
【0013】刷毛単位が毛または繊維の集合である場合
には、各毛または繊維の外径は、通常、50〜300μ
m、好ましくは100〜250μm程度が好ましい。ま
た、毛または繊維の集合である各刷毛単位の外径(ブラ
シ基板の孔径)は、通常、1〜10mm、好ましくは2〜
6mm程度が好ましい。各刷毛単位の植毛長さは、特に限
定されないが、5〜50mm、好ましくは10〜20mm程
度が好ましい。各刷毛単位の材質は、感光性版材の搬送
方向に沿ってすべて同じ材質のものを使用しても良い
が、異なる材質のものを使用しても良い。
【0014】本発明に係る現像装置のブラシの刷毛単位
を構成する毛または繊維の外径は、現像装置の全てのブ
ラシにおいて同一でも異なっていても良い。太い毛また
は繊維で構成された刷毛単位のブラシで掻き取ることに
より、現像速度を向上させ、細い毛または繊維で構成さ
れた刷毛単位で掻き取ることにより、細線の再現性向上
を図ることができる。
【0015】繊維の外径が異なっている場合には、該ブ
ラシの刷毛単位を構成する毛または繊維の外径が、感光
性版材の搬送方向の上流側より下流側の方ですなわち、
現像初期段階から最終段階に向かって、細くなっている
ことが好ましい。このように、感光性版材の搬送方向に
沿って上流側(現像初期段階)では、各刷毛単位を構成
する毛または繊維の外径が大きく、下流側(現像最終段
階)で小さくすることで、上流側では、感光性版材の表
面を荒削りに掻き取り、下流側では、微細な細線パター
ン部分を良好に掻き取る。
【0016】本発明の現像装置では通常、感光性版材と
ブラシとが相対的に直線運動と円運動とを組み合わせた
動きをして摺接される。
【0017】本発明に係る現像装置は、感光性版材を直
線方向に搬送移動させる手段と、感光性版材を直線方向
に搬送移動させた状態で、ブラシを円運動させる手段と
を有することが好ましい。または、本発明に係る現像装
置は、感光性版材を固定する手段と、前記ブラシと固定
手段とを相対的に円運動させると共に、直線運動させる
手段とを有しても良い。このように直線運動と円運動と
を組み合わせることにより、ブラシによる掻き取り効果
が向上し、現像速度の向上と細線の再現性とを向上させ
ることができる。
【0018】刷毛単位が植設されるブラシ基板の大きさ
は、感光性版材の面積に合わせて適宜、盤面積を選択で
き、例えば、A0サイズ、A1サイズ、A2サイズのも
のが採用される。ブラシ基板は、広い盤面積のものにな
っても、歪みやたわみなどが抑えられる材質のもので形
成されるのが好ましい。例えば、フェノール樹脂、エボ
ナイト樹脂、尿素樹脂、ABS樹脂などの樹脂や、アル
ミニム、ステンレスなどの金属が挙げられる。
【0019】なお、基板の変形を抑えるために中程度の
面積の基板を、複数枚組み合わせて、広い面積の現像に
用いることが好ましい。
【0020】前記ブラシを構成する刷毛単位は、ブラシ
基板に対して下向きに植え込まれており、感光性版材の
上面に当接するように構成してあることが好ましい。こ
のようにブラシが下向きに配置されることが好ましいの
は、掻き取り糟が現像液の流動と重力で落下し、ブラシ
に付着しないからである。
【0021】前記ブラシ基板には、現像液を供給するノ
ズルが形成してあってもよい。現像液を供給するノズル
をブラシ基板に装着することで、掻き取り糟がブラシに
付着する前に洗い流すことができ、ブラシによる掻き取
りの性能が低下することがない。現像液の供給量は、感
光性版材の面積の大きさにより異なるが、通常、毎分5
〜100リットル程度が好ましい。ノズルとしては、現
像液が自然落下するための単なる孔でも良いが、ジェッ
トノズルまたはスプレーノズルなどのように、現像液を
高圧力または高速度で供給できるものが好ましい。現像
液の供給圧などによって感光性印刷原版の未露光部分の
掻き取りが促進され、また掻き取り糟のブラシへの付着
が阻止されるからである。
【0022】ノズルの数は、一箇所でもよいが、ブラシ
を介して現像液が均等に供給されるように、1ブロック
のブラシに対して、4〜20箇所設けることが好まし
い。一つの供給手段から噴き出す現像液の量は、通常、
毎分0.25〜25リットル、好ましくは毎分1〜10
リットルである。なお、感光性版材の面積の大きさによ
り、現像液が噴出するノズルの数をバルブの切り替えな
どにより増減制御することによって、現像液の浪費を防
ぐことが可能である。
【0023】下向きに配置したブラシで連続的に感光性
版材の表面を掻き取る場合には、感光性版材は当初乾燥
しているので、現像液が感光性版材の全面に行き渡る前
にブラシで擦ると感光性版材にブラシの擦傷が生じるお
それがある。それを防ぐために、感光性版材がブラシに
挿入される前に現像液を供給でき、感光性版材の全面に
現像液が行き渡るようにする現像液供給補助手段を設け
ることがさらに好ましい。
【0024】ブラシのブラシ基板は、水平に配置しても
良いが、水平に対して所定の傾きを持って傾斜して配置
しても良い。ブラシ基板が傾斜して配置された場合に
は、感光性版材は、その傾斜方向に沿って搬送される。
傾斜して配置することで、現像液が傾斜に沿って流れる
ので、感光性版材とブラシとの間に存在する掻き取り糟
が現像液の流れとともに洗いだされ、ブラシに掻き取り
糟が付着することを阻止できる。
【0025】本発明において、感光性版材を搬送するた
めの手段としては、特に限定されず、たとえば搬送ロー
ラ、搬送ベルト、ロボットハンドなどを例示することが
できる。
【0026】本発明の装置に適用できる現像液は特に限
定されないが、水性の現像液が好適ある。
【0027】水性の現像液としては、界面活性剤水溶
液、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の水溶
液、鉱酸または有機酸の水溶液などを挙げることができ
る。これらのうち界面活性剤水溶液が好適である。ま
た、この現像液にさらにキレート化剤を配合することに
よって、掻き取り糟および感光性印刷原版の粘着性を低
下させることができるので好ましい。
【0028】界面活性剤は、水に溶けて水の表面張力を
低下させる作用を示す物質である。具体的には、ラウリ
ン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン
酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナ
トリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウ
ム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、オ
レイン酸カリウム、N−アシル−N−メチルグリシン
塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−ア
シルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエー
テルカルボン酸塩、アシル化ペプチドなどのカルボン酸
塩;アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、メラミンス
ルホン酸塩のホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハ
ク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィ
ンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリンなどのスル
ホン酸塩;硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、
第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテ
ル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェー
ト、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアマイ
ドの硫酸エステル塩などの硫酸エステル塩;アルキルエ
ーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩な
どのリン酸エステル塩のごときアニオン性界面活性剤;
脂肪族アミン塩、脂肪族第4級アンモニウム塩、ベンザ
ルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、
イミダゾニウム塩のごときカチオン性界面活性剤;カル
ボキシベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウ
ムベタイン、レシチンのごとき両性界面活性剤;ポリオ
キシエチレンアルキルエテール、単一鎖長ポリオキシエ
チレンアルキルエテール、ポリオキシエチレン2級アル
コールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポ
リオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノール
ホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルな
どのエーテル類;ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルな
どのエーテルエステル類;ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレン
グリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなど
のエステル類;脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシ
エチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルア
ミン、アルキルアミンオキサイドなどの含窒素化合物の
ごときノニオン性界面活性剤;また、フルオロアルキル
カルボン酸、N−パーフルオロオクタンスルホニルグル
タミン酸ジナトリウム、パーフルオロオクタンスルホン
酸ジエタノールアミドのごときフッ素系界面活性剤や;
ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエ
ーテルの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリルグ
リシジルノニルフェニルエーテルのごとき反応性界面活
性剤等を挙げることができる。
【0029】これら界面活性剤のうち、アニオン性界面
活性剤またはノニオン性界面活性剤が好適に用いられ
る。
【0030】界面活性剤の量は、通常、水溶液濃度で
0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%で
ある。
【0031】キレート化剤は、金属イオンと結合してキ
レート化合物を形成する多座配位子を持つ化合物であ
り、造塩能をもつ酸性基(カルボン酸基、スルホン酸
基、水酸基など)または配位能をもつ原子団(アミン
類、カルボニル基など)を分子構造中に有するものであ
る。具体的には、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレン
トリアミン五酢酸、ニトロソ三酢酸、ヒドロキシエチル
イミノ二酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ト
リエチレントリアミン六酢酸などのポリアミノカルボン
酸およびこれらのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム
塩;クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸、サル
チル酸、マンデル酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−
ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸、ロイシン酸、ジエ
トサル酸、ヒドロアクリル酸、リシノレイン酸、グリセ
リン酸、タルトロン酸、アセトキシコハク酸、シトラマ
ル酸、ブドウ酸、デソキサル酸などのヒドロキシカルボ
ン酸およびこれらのアルカリ金属塩もしくはアンモニウ
ム塩;グリオキシル酸、マロンアルデヒド酸、スクシン
アルデヒド酸、ピルビン酸、2−オキソ酪酸、アセト酢
酸、レプリン酸、メソシュウ酸などのオキソカルボン酸
およびこれらのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム
塩;ジメチルオキシム、オキシン、ジチゾン、アセチル
アセトンなどを挙げることができる。油溶性のキレート
化剤を用いることもできるが、水に易溶なポリアミノカ
ルボン酸およびこれのアルカリ金属塩もしくはアンモニ
ウム塩が好適に用いられる。
【0032】キレート化剤の量は、通常、水溶液濃度で
0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%
であり、界面活性剤に100重量部に対して、通常、2
〜200重量部である。
【0033】本発明の装置に適用できる感光性版材は特
に限定されないが、水性の現像液により未露光部分(ま
たは露光部分)が除去できるものが好適である。
【0034】水現像性を示す感光性版材は、通常、親水
性ポリマーと重合性エチレン性単量体と光重合開始剤と
を含有する組成物、好ましくはさらにエラストマーを含
有する組成物からなるものである。
【0035】エラストマーとしては、スチレンーブタジ
エンブロック共重合体、スチレンーイソプレンブロック
共重合体などの熱可塑性エラストマーが好適に使用され
る。エラストマーが配合されることにより印刷原版の機
械的強度バランスと水現像性とが良好になる。
【0036】また親水性ポリマーは、その分子側鎖に、
−OH、−COO−、−COOH、−NH2 、−SO3
−、−SO3 H、−P0(OH)2 、−PO(OH)
−、>PO−、−CNなどの親水基、好適には−P0
(OH)2 、−PO(OH)−、>PO−のごとき燐酸
エステル基、カルボン酸基がペンダント状に結合してい
るものである。
【0037】親水性ポリマーが配合されていることによ
り、水性の現像液により感光性版材が溶解または膨潤し
やすくなり、ブラシにより感光性版材の形状が崩れるよ
うになる。
【0038】光重合性エチレン性単量体が活性光の照射
により、エラストマーおよび親水性ポリマーの分子鎖間
で交絡的にあるいは橋架け的に重合し感光性版材を硬化
させ、現像液によって印刷原版の形状が崩れなくなる。
【0039】光重合開始剤は活性光を照射することによ
りラジカルを発生するものであり、具体的にはジアセチ
ル、ベンジル等のα−ジケトン;ベンゾイン、ピバロイ
ン等のアシロイン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル
等のアシロインエーテル;アントラキノン、1,4−ナ
フトキノン等の多核キノン;などが挙げられる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る感光性印刷原
版用現像装置を、図面に示す実施形態に基づき、詳細に
説明する。
【0041】第1実施形態 図1は本発明の一実施形態に係る感光性印刷原版用現像
装置の全体構成を示す概略図、図2はブラシにおける刷
毛単位の植え込み配置例を示すブラシの平面図、図3は
感光性版材の移動方向に対するブラシの相対移動軌跡を
示す概略図である。
【0042】図1に示すように、本実施形態に係る感光
性印刷原版用現像装置10は、二つのブラシ1,1を有
する。これらブラシ1,1は、感光性版材3の搬送方向
に沿って併設してある。感光性版材3は、搬送手段とし
ての搬送ローラ12により搬送方向Aに沿って搬送され
る。搬送速度は、毛の長さ等により異なるが、たとえば
50〜300mm/分である。感光性版材3は、単独で搬
送されても良いが、通常は、図示省略してある搬送用基
台の上に載せられて搬送される。搬送用基台としては、
反り返りなどが生じないものであれば良く、たとえばア
ルミニウム基板あるいはフェノール樹脂基板などが用い
られる。
【0043】ブラシ1,1では、ブラシ基板11の下面
に、ブラシを構成する刷毛単位13(図2参照)が、所
定間隔で植毛してある。各刷毛単位13は、天然毛また
は合成樹脂で構成された毛または繊維の束である。本実
施形態では、各刷毛単位13をブラシ基板11の下面に
装着し、ブラシを下向きに配置することで、ブラシによ
る掻き取り糟がブラシに付着することを防止している。
【0044】本実施形態では、各刷毛単位13は、たと
えば50〜300μm、好ましくは100〜250μm
の太さで、5〜30mm、好ましくは10〜20mmの長さ
の毛または繊維の束であり、各束の外径(ブラシ基板の
孔径)dは、1〜10mm、好ましくは2〜6mmである。
【0045】各刷毛単位13は、ブラシ基板の表面に所
定の実際隙間で孔が形成され、それら孔の中に植え込ま
れているが、感光性版材3の相対的直線移動方向Aから
見た各刷毛単位13の見かけ状隙間が実質的にないよう
に配置してある。本実施形態では、図2に示すように、
感光性版材3の搬送直線方向Aと略直角方向に沿って各
刷毛単位13が複数行状に配置され、隣接する行間で
は、各刷毛単位13が互い違いになるようになっている
千鳥格子状に配置してある。
【0046】孔径4mmの場合に、図2に示す各刷毛単位
13の配置ピッチP1 (搬送方向Aと直角)およびP2
(搬送方向)に関しては、ピッチP1 は、9〜6mmが好
ましく、ピッチP2 は、18〜6mmが好ましい。特に配
置ピッチP1 に関しては、感光性版材3の相対的直線移
動方向Aから見た各刷毛単位13の見かけ状隙間が実質
的にないようにする観点からは、P1 /P2 が0.25
〜4が好ましい。また、各刷毛単位13間の列方向実際
隙間S1 は、通常、孔径d+1mm以下、特に孔径d以下
が好ましい。また、各刷毛単位13間の行方向実際隙間
2 は、5mm以下が好ましい。列方向及び行方向から見
て刷毛単位が重なっていてもよい。
【0047】本実施形態では、各ブラシ1は、図示しな
い駆動手段により、図3に示すように、感光性版材3の
表面に沿って相対的に円運動を描く軌跡に沿って動き、
各刷毛単位13の先端が搬送方向Aに移動する感光性版
材3の表面を円運動で掻き取るようになっている。円運
動の半径は、5〜100mm程度が好ましく、円運動の回
転速度は、30〜180回転/分程度が好ましい。
【0048】図1に示すように、ブラシ基板11には、
スプレーノズル2が装着してある。ノズル2は、ブラシ
基板11の上面から下面に貫通して取り付けられ、感光
性版材3とブラシ基板11との間に現像液を供給できる
ようになっている。スプレーノズル2から供給される現
像液によりブラシ1の刷毛単位13が洗い流され掻き取
り糟の付着を防止している。現像液としては、水現像型
の現像液が用いられる。
【0049】図1に示すように、この現像装置10に
は、ブラシ1の搬送方向Aの上流側に、現像液供給補助
手段としてジェットノズル9が取り付けられており、ブ
ラシ1の下に感光性版材3が挿入される前に、ジェット
ノズル9から噴出される現像液により感光性版材3が現
像液で濡らされるようになっている。現像液は、現像液
貯蔵タンク5からポンプ6でジェットノズル9およびス
プレーノズル2に、10〜100リットル/分で供給さ
れる。
【0050】本実施形態では、掻き取り糟などの浮遊物
を含む現像液はホッパー14で回収され、バックフィル
ター4に通され現像液貯蔵タンク5に戻され、再度ポン
プ6でジェットノズル9およびスプレーノズル2に供給
され再使用される。
【0051】なお、バックフィルター4の代わりに、感
光性版材とブラシとの間に供給した現像液を回収して浮
遊物を取り除くことができるもの、たとえばメッシュフ
ィルター、限外濾過器などの濾過分離装置、サンドコー
ン、スピッツカステン、表面流分級器、全流分級器など
の沈降分離装置、リチャーズ渦動分級器などの水力分離
装置、レーキ分級器、ドラグ分級器、スパイラル分級器
などの機械的分離装置および遠心分離装置等の現像液再
生手段を用いることができる。
【0052】また、現像液再生手段は、回収した現像液
を連続的に再生し、ポンプなどの現像液循環手段に順次
送液するものであってもよいし、回収した現像液を一時
貯蔵し、オフラインにて再生し、ポンプ6に送液するも
のであってもよい。
【0053】オフラインにて再生を行う現像液再生手段
においては、浮遊物の分離を効率的に行うためにポリ塩
化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化マグネシウ
ム、アウミニウムミョウバン、塩化第二鉄などの無機凝
集剤や、カチオン化デンプン、水溶性アニリン樹脂、ポ
リエチレンイミン、キトサン、アルギン酸ソーダ、ポリ
(メタ)アクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリ
オキシエチレンなどの有機凝集剤を添加することが好ま
しい。
【0054】現像液再生手段により再生した現像液は、
その濃度が、現像液供給手段により供給された現像液の
ものに比べ、通常、低下している。そこで、本実施形態
の装置10においては、再生した現像液の濃度を測定
し、その測定値と設定値との差から補充すべき現像液の
量を計算し、現像液の濃度を適正な値に調節するための
現像液補充手段が設けられている(図示せず)。
【0055】図1に示すように、搬送方向Aに沿って下
流側のブラシ1の下流側には、すすぎ用の水性リンス液
を供給するためのジェットノズル8が設けられていて、
現像が終了した感光性版材3の上面に残る掻き取り糟を
洗い流す。また、すすぎ用ジェットノズル8の隣には送
風機(図示せず)が設けられていて、感光性版材3の上
面の水切りおよび掻き取り糟の吹き飛ばしをすることが
できる。加熱による水切り手段を採用することもできる
が加熱による手段では印刷原版の寸法に誤差を生じるお
それがある。また室温下に放置しておいてもよいが、乾
燥に時間を要しかつ水泡の痕が残り露光むらの原因とな
る。
【0056】水性リンス液としては、通常、水道水、工
業用水、地下水などの水が挙げられる。水性リンス液の
温度は、特に限定されず、通常、5〜80°Cである。
【0057】本実施形態の現像装置10では、ノズル2
から現像液が供給され、ブラシ1と感光性版材3とが相
対移動を行い摺接することで、感光性版材3の表面が擦
られ、前工程で露光された未露光パターン部分(または
露光パターン部分)が掻き取られて除去される。このよ
うな現像工程を経て、感光性版材3は、印刷原版とな
る。
【0058】特に本実施形態の現像装置10では、図2
に示すように、ブラシを構成する各刷毛単位13が所定
の十分な実際隙間を以て植え込まれていることから、掻
き取り糟がブラシ1に付着し難い。そのため、画像再現
性が向上すると共に、現像速度も向上する。また、ブラ
シ1の刷毛単位13が、感光性版材の搬送直線移動方向
Aから見た場合には、実質的に隙間なく植え込まれてい
るように配置してあるので、版材表面のかきとり部分に
細かなうねりなどが生じない。そのため、得られた感光
性印刷原版の外観が向上すると共に、その原版を用いて
印刷を行う時に生じるおそれがある印刷汚れも少ない。
【0059】第2実施形態 本実施形態では、図1に示すように、ブラシ1,1を、
感光性版材3の搬送方向Aに沿って、第1ブロック21
と第2ブロック22と第3ブロック23と第4ブロック
24との4ブロックに分け、各ブロックでの刷毛単位1
3を構成する繊維の外径を、搬送方向下流側で小さくな
るように変化させている。すなわち、第1ブロック21
では、太さが170〜190μm程度の繊維の束からな
る刷毛単位13をブラシ基板11に埋め込み、第2ブロ
ック22および第3ブロック23では、太さが140〜
170μm程度の繊維の束から成る刷毛単位13をブラ
シ基板11に埋め込み、第4ブロック24では、太さが
100〜140μm程度の繊維の束から成る刷毛単位1
3をブラシ基板11に埋め込んである。
【0060】その他の構成は、前記第1実施形態の現像
装置と同じであり、同様な作用を奏する。
【0061】特に本実施形態の現像装置10では、感光
性版材3の搬送方向Aに沿って上流側では、各刷毛単位
13を構成する繊維の外径が大きく、下流側で小さいこ
とから、上流側では、感光性版材3の表面を荒削りに掻
き取り、下流側では、微細な細線パターン部分を良好に
掻き取る。したがって、太い繊維で構成される刷毛単位
13のブラシで掻き取ることにより、現像速度を向上さ
せ、細い繊維で構成された刷毛単位13で掻き取ること
により、細線の再現性向上を図ることができる。
【0062】第3実施形態 図4に示すように、本実施形態では、ブラシ1を構成す
る刷毛単位13の配置形状を完全千鳥形状にしている。
すなわち、感光性版材の搬送直線方向Aに対して平行な
方向および直角方向に、それぞれピッチP2 およびP1
で刷毛単位13を行列状に配置し、これら行列状に配置
された刷毛単位13の間に行方向および列方向に互い違
いに位置するように刷毛単位13を配置する。
【0063】このように刷毛単位13を配置することで
も、感光性版材3の搬送直線移動方向Aから見た各刷毛
単位13の見かけ状隙間を実質的になくすることができ
る。本実施形態の現像装置のその他の構成は、前記第1
実施形態のものと同様であり、同様な作用を奏する。
【0064】第4実施形態 図5に示すように、本実施形態に係る現像装置10a
は、単一のブラシ1を有し、このブラシ1が傾斜して装
着してある。また、ブラシ1の下にはブラシに平行に感
光性版材3の受け台30が設けてある。受け台30およ
びブラシ1aが傾斜をもって設けてあるので、ノズル2
から供給された現像液は、受け台30の傾斜にそって流
れ、その流れと共に掻き取り糟も押し流されるので、ブ
ラシ1aに糟が付着するのを防止している。受け台30
には、感光性版材3が掻き取り用ブラシ1aの動きによ
り動かないようにするために、版材3の下面と粘着、接
着または吸着する手段が設けてある。
【0065】本実施形態においては、両面接着テープが
受け台30に取付けられ感光性版材3を固定している。
【0066】スプレーノズル2はブラシ基板11aの背
面から正面に貫通して取り付けられ、感光性版材3とブ
ラシとの間に現像液を供給できるようになっている。ス
プレーノズル2から供給される現像液によりブラシの刷
毛が洗い流され掻き取り糟の付着を防止している。
【0067】本実施形態に係る装置10aにおいては、
感光性版材3を固定し、感光性版材3に対して相対的
に、ブラシ1を円運動させると共に、直線運動させる機
構(図示省略)が装着してある。そして、本実施形態で
は、ブラシ1の直線運動方向から見て、見かけ状の隙間
が無くなるように、ブラシ基板11aにブラシを構成す
る刷毛単位13aが植毛してある。刷毛単位13aの構
成は、前記第1〜第3実施形態のものと同様である。
【0068】また、本実施形態では、現像液供給補助手
段としてジェットノズル9が、傾斜した受け台30の傾
斜方向の上方位置に装着してある。このノズル9は、ブ
ラシ1を感光性版材3に接触させる前に、該ノズル9か
ら噴出される現像液により感光性版材3が現像液で濡ら
されるようにしてある。また、このノズル9は、ブラシ
1aが傾斜しているので、ジェットノズル9より現像液
を噴出することで、ブラシによる掻き取り糟を傾斜に沿
って押し流すことを補助する作用もある。
【0069】現像液は現像液貯蔵タンク5からポンプ6
でジェットノズル9およびスプレーノズル2にたとえば
約40リットル/分で供給される。現像液としては、水
現像型の現像液が用いられる。
【0070】本実施形態では、感光性版材3は、ブラシ
1aと受け台30の間に挿入され、ブラシ1aは感光性
版材3の上面に摺接する。ブラシ1aが相対的に直線運
動および円運動することで、感光性印刷版材3が擦られ
未露光部分が除去される。
【0071】掻き取り糟などの浮遊物を含む現像液はホ
ッパー32で回収され、バックフィルター4を通して現
像液貯蔵タンク5に戻され、再度ポンプ6でジェットノ
ズル9およびスプレーノズル2に供給され再使用され
る。本実施形態の装置においては、再生した現像液の濃
度を測定し、その測定値と設定値との差から補充すべき
現像液の量を計算し、現像液の濃度を適正な値に調節す
るための現像液補充手段が設けられている(図示せ
ず)。
【0072】現像液供給用のジェットノズル9の脇に
は、すすぎ用の水性リンス液を供給するためのジェット
ノズル8が設けられていて、現像が終了した感光性印刷
原版の上面に残る掻き取り糟を洗い流す。また、すすぎ
用ジェットノズル8の隣には送風器(図示せず)が設け
られていて、感光性印刷原版の上面の水切りおよび掻き
取り糟の吹き飛ばしをすることができる。
【0073】本実施形態に係る現像装置10aでも、ブ
ラシ1aを構成する各刷毛単位13aが所定の十分な実
際隙間を以て植え込まれていることから、掻き取り糟が
ブラシ1aに付着し難い。そのため、画像再現性が向上
すると共に、現像速度も向上する。また、ブラシ1aの
刷毛単位13aが、ブラシ1aの直線運動方向から見た
場合には、実質的に隙間なく植え込まれているように配
置してあるので、版材3表面のかきとり部分に細かなう
ねり、株目などが生じない。そのため、得られた感光性
印刷原版の外観が向上すると共に、その原版を用いて印
刷を行う時に生じるおそれがある印刷汚れも少ない。
【0074】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0075】たとえば、前記実施形態では、ブラシ1,
1aにおける各刷毛単位13,13aを下向きに植毛
し、感光性版材3の上面を掻き取るように構成したが、
本発明に係る現像装置は、上向きに植毛されたブラシを
有する現像装置でも良い。ただし、その場合でも、ブラ
シを構成する各刷毛単位が、所定の実際隙間を以て植え
込まれているが、感光性版材またはブラシの相対的直線
移動方向から見た各刷毛単位の見かけ状隙間が実質的に
ないように配置してあることが必要である。
【0076】
【実施例】以下、本発明を、さらに具体的な実施例に基
づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。
【0077】実施例1 図1に示す現像装置10において、ブラシ1,1に植毛
される刷毛単位13を構成する繊維として、太さ160
μmおよび長さ20mmのナイロン製の繊維を用い、この
繊維の束(刷毛単位13)を、孔径dが4mmの孔に密に
植毛し、図6に示すように、千鳥格子状に配置した。感
光性版材3の搬送直線方向Aに直角方向のピッチP1
7mmとし、搬送直線方向Aに平行な方向のピッチP2
14mmとし、搬送直線方向Aから見た場合に、刷毛単位
13間の隙間が実質的になくなるように、ブラシ1を図
1に示す現像装置10に配置した。
【0078】一方、感光性版材3として、リン酸エステ
ル基含有親水性ポリマー、スチレンブタジエンブロック
共重合体、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、及びベンジルジメチルケタールを含有する感光性ゴ
ム版を準備し、裏露光を1分行った後、そのゴム版の表
面に再現性評価用のネガフィルムを表面に密着させて、
この面を、紫外線露光機(日本電子精機製JE−A2
SS型)を用いて15分間露光した。次に、ネガフィル
ムを剥し、露光後の版材3を、図1に示す現像装置10
へ搬送し現像した。
【0079】現像液としては、濃度2%、温度50°C
のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル水溶液を
用いた。現像液の供給量は、40リットル/分であっ
た。
【0080】版材3の搬送速度は、80mm/分であっ
た。また、各ブラシ1,1は、図3に示すように、感光
性版材3の表面に沿って相対的に円運動を描く軌跡に沿
って振動させた。円運動の半径は、30mmであり、円運
動の回転速度は、100回転/分であった。
【0081】現像装置10で現像後、版材を70°Cで
20分乾燥し、未露光部分が除去された面を前記紫外線
露光機を用いて10分間再露光して、感光性印刷原版を
得た。
【0082】この感光性印刷原版を目視により観察した
ところ、いわゆる株目は観察されなかった。また、この
原版を用いて実際に紙に印刷を行ったところ、紙の白地
部分に印刷汚れは観察されなかった。
【0083】比較例1 図6(B)に示すように、図6(A)に示す刷毛単位1
3の配置パターンを90度回転したパターンで植毛した
ブラシ1bを準備した。この刷毛単位13の配置パター
ンでは、感光性版材3の搬送直線方向Aに沿って刷毛単
位13は実質的に重ならず、見かけ状の隙間が生じる。
【0084】この比較例1に係るブラシ1bを用いた以
外は、前記実施例1と同様にして、現像を行い、感光性
印刷原版を得た。
【0085】この感光性印刷原版を目視により観察した
ところ、いわゆる株目が観察された。また、この原版を
用いて実際に紙に印刷を行ったところ、紙の白地部分に
印刷汚れが観察された。
【0086】実施例2 図5に示すように、感光性版材に対してブラシの方を直
線移動させる現像装置を用いた以外は、実施例1と同様
なブラシ(ブラシの直線移動方向に対して刷毛単位の見
かけ状の隙間が実質的にない配置パターンのブラシ)を
用いて、実施例1と同様な手法で現像を行い、感光性印
刷原版を得た。
【0087】この感光性印刷原版を目視により観察した
ところ、いわゆる株目は観察されなかった。また、この
原版を用いて実際に紙に印刷を行ったところ、紙の白地
部分に印刷汚れは観察されなかった。
【0088】比較例2 図5に示すように、感光性版材に対してブラシの方を直
線移動させる現像装置を用い、比較例1と同様なブラシ
(ブラシの直線移動方向に対して刷毛単位の見かけ状の
隙間がある配置パターンのブラシ)を用いた以外は、実
施例1と同様な手法で現像を行い、感光性印刷原版を得
た。
【0089】この感光性印刷原版を目視により観察した
ところ、いわゆる株目が観察された。また、この原版を
用いて実際に紙に印刷を行ったところ、紙の白地部分に
印刷汚れは観察された。
【0090】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
現像装置によれば、ブラシを構成する各刷毛単位が所定
の十分な実際隙間を以て植え込まれていることから、掻
き取り糟がブラシに付着し難い。そのため、画像再現性
が向上すると共に、現像速度も向上する。また、ブラシ
の刷毛単位が、感光性版材またはブラシの相対的直線移
動方向から見た場合には、実質的に隙間なく植え込まれ
ているように配置してあるので、版材表面のかきとり部
分に細かなうねりなどが生じない。そのため、得られた
感光性印刷原版の外観が向上すると共に、印刷時に生じ
るおそれがある印刷汚れも少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る感光性印刷原
版用現像装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】図2はブラシにおける刷毛単位の植え込み配置
例を示すブラシの平面図である。
【図3】図3は感光性版材の移動方向に対するブラシの
相対移動軌跡を示す概略図である。
【図4】図4は本発明の他の実施形態に係る現像装置に
用いる刷毛単位の配置パターンを示す平面図である。
【図5】図5は本発明の他の実施形態に係る現像装置の
概略図である。
【図6】図6(A)は本発明の実施例に係る現像装置に
用いる刷毛単位の配置パターンを示す平面図、同図
(B)は比較例に係る現像装置に用いる刷毛単位の配置
パターンを示す平面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b… ブラシ 2,8,9… ノズル 3… 感光性版材 4… バックフィルター 5… 現像液貯蔵タンク 6… ポンプ 10,10a… 感光性印刷原版用現像装置 11,11a… ブラシ基板 12… 搬送ローラ 13,13a… 刷毛単位 14,32… ホッパー 21… 第1ブロック 22… 第2ブロック 23… 第3ブロック 24… 第4ブロック

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レリーフ画像を露光した感光性版材の表
    面の未露光部分または露光部分を取り除くように、感光
    性版材の表面に摺接し、感光性版材に対して相対的に移
    動するブラシを有する感光性印刷原版用現像装置であっ
    て、 前記ブラシを構成する各刷毛単位が、所定の実際隙間を
    以て植え込まれているが、前記感光性版材またはブラシ
    の相対的直線移動方向から見た各刷毛単位の見かけ状隙
    間が実質的にないように配置してあることを特徴とする
    感光性印刷原版用現像装置。
  2. 【請求項2】 前記刷毛単位が、千鳥格子状に植え込ま
    れている請求項1に記載の感光性印刷原版用現像装置。
JP29776696A 1996-10-21 1996-10-21 感光性印刷原版用現像装置 Pending JPH10123722A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019151006A1 (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 富士フイルム株式会社 処理システムおよび処理方法
WO2020022019A1 (ja) * 2018-07-27 2020-01-30 富士フイルム株式会社 処理方法および処理装置
JP2020046547A (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 旭化成株式会社 現像装置及び現像方法
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