JPH10123540A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH10123540A
JPH10123540A JP28365696A JP28365696A JPH10123540A JP H10123540 A JPH10123540 A JP H10123540A JP 28365696 A JP28365696 A JP 28365696A JP 28365696 A JP28365696 A JP 28365696A JP H10123540 A JPH10123540 A JP H10123540A
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JP
Japan
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liquid crystal
sealing material
crystal display
bank
film
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JP28365696A
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English (en)
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Masamitsu Furuya
政光 古家
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】封止材あるいはシール材中の汚染物質に起因す
る液晶の汚染を抑制し、表示むら不良の発生を低減す
る。 【解決手段】液晶表示パネルPNLのマトリクス部AR
と、封止材ESLおよびシール材SLの全周との間に、
マトリクス部ARを構成する各種膜の一部からなる汚染
物質拡散抑制用の土手BNKを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、それぞれ対向面に
複数の膜を設けた2枚の透明絶縁基板を所定の間隙を隔
てて重ね合わせ、両基板間に液晶を封入してなる液晶表
示素子を有する液晶表示装置に係り、特に、表示品質を
向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブ・マトリクス方式の液晶表示
装置は、マトリクス状に配列された複数の画素電極のそ
れぞれに対応して非線形素子(スイッチング素子)を設
けたものである。各画素における液晶は理論的には常時
駆動(デューティ比 1.0)されているので、時分割駆動
方式を採用している、いわゆる単純マトリクス方式と比
べてアクティブ方式はコントラストが良く、特にカラー
液晶表示装置では欠かせない技術となりつつある。スイ
ッチング素子として代表的なものとしては薄膜トランジ
スタ(TFT)がある。
【0003】なお、薄膜トランジスタを使用したアクテ
ィブ・マトリクス方式の液晶表示装置は、例えば特開昭
63−309921号公報や、「冗長構成を採用した1
2.5型アクティブ・マトリクス方式カラー液晶ディスプ
レイ」、日経エレクトロニクス、頁193〜210、1986年12
月15日、日経マグロウヒル社発行、で知られている。
【0004】液晶表示装置(すなわち、液晶表示モジュ
ール)は、例えば、表示用の透明画素電極と配向膜等を
それぞれ積層した面が対向するように所定の間隙を隔て
て2枚のガラス等からなる透明絶縁基板を重ね合わせ、
該両基板間の周縁部に枠状(ロの字状)に設けた例えば
熱硬化型エポキシ樹脂からなるシール材により、両基板
を貼り合わせると共に、シール材の一部の切り欠け部で
ある液晶封入口から両基板間のシール材の内側に液晶を
注入し、該封入口を光硬化型樹脂からなる封止材により
封止し、さらに両基板の外側に偏光板を設けてなる液晶
表示パネル(すなわち、液晶表示素子、LCD:リキッ
ド クリスタル ディスプレイ(Liquid Crystal Displa
y))と、液晶表示パネルの下に配置され、液晶表示パネ
ルに光を供給するバックライトと、液晶表示パネルの外
周部の外側に配置した液晶駆動用回路基板と、バックラ
イトを収納、保持するプラスチックモールド成型品であ
る下側ケースと、前記各部材を収納し、表示窓があけら
れた金属製シールドケース等で構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の液晶表示装置に
おいては、2枚の透明絶縁基板を貼り合わせている熱硬
化型エポキシ樹脂等からなる枠状のシール材、およびシ
ール材の一部にある封入口を封止する光硬化型樹脂等か
らなる封止材が、液晶と接触しているため、これらの樹
脂から溶け出した汚染物質により液晶が汚染され、液晶
の比抵抗や配向状態が部分的に変化し、表示むら不良が
発生する問題がある。
【0006】この問題を解決するため、従来、液晶の最
大の汚染源である封止材によって封止される封入口の大
きさを小さくすることや、表示部と封入口との間に、シ
ール材を用いて土手を形成することが提案された。しか
し、封入口を小さくしたり、シール材からなる土手を形
成したりすると、液晶を注入する速度が下がり、スルー
プットが低下する問題が生じる。また、シール材からな
る土手は、それ自体が液晶の汚染源である。さらに、最
近、液晶表示モジュールの表示画面の周囲のいわゆる額
縁部の面積の縮小化により、シール材で土手を形成する
スペースがなくなってきている。
【0007】本発明の目的は、封止材あるいはシール材
中の汚染物質に起因する液晶の汚染を抑制し、表示むら
不良の発生を低減することができる液晶表示装置を提供
することにある。
【0008】また、本発明の別の目的は、液晶の注入速
度の低下を避けることができ、土手自体が汚染源となら
ず、かつ、土手を形成するスペースが小さくて済む汚染
物質(あるいは汚染液晶)拡散抑制用の土手を有する液
晶表示装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、複数の膜をそれぞれ面上に積層した2枚
の透明絶縁基板を、前記膜を設けた面が対向するように
所定の間隙を隔てて重ね合わせ、前記両基板間の縁周囲
に枠状に設けたシール材により、前記両基板を貼り合わ
せ、前記シール材の一部に設けた封入口から前記両基板
間の前記シール材の内側に液晶を注入し、前記封入口を
封止材により封止した液晶表示素子を有する液晶表示装
置において、前記液晶表示素子の表示領域と、前記封止
材、前記シール材の少なくとも一方との間に、前記膜の
少なくとも一部からなる土手を設けたことを特徴とす
る。
【0010】また、前記土手を、前記表示領域と、前記
封止材および前記シール材の全周との間に配置したこと
を特徴とする。
【0011】また、前記土手を、前記表示領域と、前記
封止材との間のみに配置したことを特徴とする。
【0012】また、前記土手が、前記2枚の透明絶縁基
板の両者に形成された膜からなり、該土手を形成する前
記両基板の膜どうしが密着していることを特徴とする。
【0013】また、前記土手が、前記2枚の透明絶縁基
板の両者に形成された膜からなり、該土手を形成する前
記両基板の膜どうしの間に間隙が存在することを特徴と
する。
【0014】さらに、前記土手が、前記2枚の透明絶縁
基板の一方に形成された膜のみからなることを特徴とす
る。
【0015】本発明では、液晶表示素子の表示領域と、
封止材あるいはシール材との間に、マトリクス部を構成
する膜の少なくとも一部を利用して、すなわち、これら
の膜と同一の形成工程で同層を用いて汚染物質(あるい
は汚染液晶)拡散抑制用の土手を設けたことにより、封
止材あるいはシール材から発生する汚染物質で汚染され
た液晶が表示領域の方へ拡散するのが該土手により抑制
され、液晶の汚染に起因する表示むら不良の発生を低減
することができる。
【0016】また、本発明による土手は、マトリクス部
を構成する膜を利用して形成するので、土手自体が汚染
源とならない。また、ホトリソグラフィ工程およびエッ
チング工程により形成するので、数十μm程度の幅に加
工形成することが可能であり、土手を形成するスペース
が小さくて済む。さらに、本発明において、土手どう
し、あるいは土手と基板とを密着させない場合は、液晶
が通過できるすき間が形成されるため、液晶注入時で
は、液晶セルが膨らみ、液晶の注入の妨げとならず、液
晶の注入速度の低下を避けることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する
図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その
繰り返しの説明は省略する。
【0018】《アクティブ・マトリクス液晶表示装置》
以下、本発明を適用したアクティブ・マトリクス方式の
カラー液晶表示装置について詳細に説明する。
【0019】《マトリクス部の概要》図7は本発明が適
用されるアクティブ・マトリクス方式カラー液晶表示装
置の一画素とその周辺を示す平面図、図8はマトリクス
の画素部、すなわち、図7の8b−8b切断線における
断面を中央(b)にして、左側(a)に液晶表示パネル
(すなわち、液晶表示素子。LCD)の角付近、すなわ
ち、図9の10−10切断線における断面と、右側
(c)に映像信号駆動回路が接続されるべき映像信号端
子部(外部接続端子DTM)付近の断面を示す図であ
る。
【0020】図7に示すように、各画素は隣接する2本
の走査信号線(ゲート信号線または水平信号線)GL
と、隣接する2本の映像信号線(ドレイン信号線または
垂直信号線)DLとの交差領域内(4本の信号線で囲ま
れた領域内)に配置されている。各画素は薄膜トランジ
スタTFT、透明画素電極ITO1および保持容量素子
Caddを含む。走査信号線GLは図では左右方向に延在
し、上下方向に複数本配置されている。映像信号線DL
は上下方向に延在し、左右方向に複数本配置されてい
る。
【0021】図8に示すように、液晶層LCを基準にし
て下部透明ガラス基板SUB1側には薄膜トランジスタ
TFTおよび透明画素電極ITO1が形成され、上部透
明ガラス基板SUB2側にはカラーフィルタFIL、遮
光用ブラックマトリクスパターンBMが形成されてい
る。透明ガラス基板SUB1、SUB2の両面にはディ
ップ処理等によって形成された酸化シリコン膜SIOが
設けられている。
【0022】上部透明ガラス基板SUB2の内側(液晶
LC側)の表面には、遮光膜BM、カラーフィルタFI
L、保護膜PSV2、共通透明画素電極ITO2(CO
M)および上部配向膜ORI2が順次積層して設けられ
ている。
【0023】《マトリクス周辺の概要》図1(または図
3)は上下のガラス基板SUB1、SUB2を含む液晶
表示パネルPNLのマトリクス(AR)周辺の要部平面
を、図9は図8の液晶表示パネルの左上角部に対応する
シール部SL付近の拡大平面を示す図である。また、前
述のように、図8は、左側(a)に走査回路が接続され
るべき外部接続端子GTM付近の断面を、右側(b)に
外部接続端子が無いところのシール部付近の断面を示す
図である。
【0024】このパネルの製造では、小さいサイズであ
ればスループット向上のため1枚のガラス基板で複数個
分のデバイスを同時に加工してから分割し、大きいサイ
ズであれば製造設備の共用のためどの品種でも標準化さ
れた大きさのガラス基板を加工してから各品種に合った
サイズに小さくし、いずれの場合も一通りの工程を経て
からガラスを切断する。図1、図3、図9は後者の例を
示すもので、図1、図3は上下基板SUB1、SUB2
の切断後を、図9は切断前を表しており、LNは両基板
の切断前の縁を、CT1とCT2はそれぞれ基板SUB
1、SUB2の切断すべき位置を示す。いずれの場合
も、完成状態では外部接続端子群Tg、Td(添字略)
が存在する(図で上下辺と左辺の)部分はそれらを露出
するように上側基板SUB2の大きさが下側基板SUB
1よりも内側に制限されている。端子群Tg、Tdはそ
れぞれ後述する走査回路接続用端子GTM、映像信号回
路接続用端子DTMとそれらの引出配線部を集積回路チ
ップCHIが搭載されたテープキャリアパッケージTC
P(図14参照)の単位に複数本まとめて名付けたもの
である。Td(o)は、奇数番目の端子群、Td(e)
は、偶数番目の端子群である。各群のマトリクス部から
外部接続端子部に至るまでの引出配線は、両端に近づく
につれ傾斜している。これは、パッケージTCPの配列
ピッチおよび各パッケージTCPにおける接続端子ピッ
チに表示パネルPNLの端子DTM、GTMを合わせる
ためである。
【0025】透明ガラス基板SUB1、SUB2の間に
はその縁に沿って、液晶封入口INJを除き、液晶LC
を封止するようにシールパターンSLが形成される。シ
ール材は例えばエポキシ樹脂からなる。上部透明ガラス
基板SUB2側の共通透明画素電極ITO2は、少なく
とも一箇所において、本例では少なくともパネルの4角
で銀ペースト材AGPによって下部透明ガラス基板SU
B1側に形成されたその引出配線INTに接続されてい
る。この引出配線INTは後述するゲート端子GTM、
ドレイン端子DTMと同一製造工程で形成される。
【0026】配向膜ORI1、ORI2、透明画素電極
ITO1、共通透明画素電極ITO2、それぞれの層
は、シールパターンSLの内側に形成される。偏光板P
OL1、POL2はそれぞれ下部透明ガラス基板SUB
1、上部透明ガラス基板SUB2の外側の表面に形成さ
れている。液晶LCは液晶分子の向きを設定する下部配
向膜ORI1と上部配向膜ORI2との間でシールパタ
ーンSLで仕切られた領域に封入されている。下部配向
膜ORI1は下部透明ガラス基板SUB1側の保護膜P
SV1の上部に形成される。
【0027】この液晶表示装置は、下部透明ガラス基板
SUB1側、上部透明ガラス基板SUB2側で別個に種
々の層を積み重ね、シールパターンSLを基板SUB2
側に形成し、下部透明ガラス基板SUB1と上部透明ガ
ラス基板SUB2とを重ね合わせ、シール材SLの開口
部INJから液晶LCを注入し、注入口INJをエポキ
シ樹脂などで封止し、上下基板を切断することによって
組み立てられる。
【0028】《液晶の封入》液晶表示セル内に液晶を封
入(充填)するには、以下のように行なう。まず、液晶
を封入すべき空の液晶表示セルと、液晶を入れた液晶ボ
ート(容器)とを減圧容器内に入れ、該容器内の雰囲気
を0.1Torrあるいはそれ以下の圧力に十分減圧す
る。次いで、液晶表示セルの液晶封入口を液晶ボート内
の液晶に接触させた後、減圧容器内の雰囲気をゆっくり
と大気圧にもどす(この工程をリークと称す)。このと
き、液晶ボート内の液晶は、液晶表示セルの内外の圧力
差により、液晶表示セル内に吸入されていく。ワードプ
ロセッサやパーソナルコンピュータのディスプレイ(表
示装置)に使用されている大型液晶表示セルの場合、液
晶の封入、封止工程は、液晶表示セルの厚さを制御する
上で重要である。
【0029】すなわち、液晶封入前の大型液晶表示セル
は、液晶表示セルを構成する2枚のガラス基板固有のそ
りやうねり、あるいは該基板の縁周囲に設けたシール材
の硬化後の該シール材のひずみ等の影響により、かなり
の凹凸を有している。図4、図5はこのような大型液晶
表示セルの液晶封入時の様子を示す図である。
【0030】図4は前述のように減圧容器(図示省略)
内の雰囲気を大気圧にもどすときに、液晶が液晶表示セ
ル内に入っていく様子を一定時間ごとの液晶の先端部の
形状で示した図である。
【0031】LCCは液晶表示セル、SUB1、SUB
2は液晶表示セルLCCを構成する透明ガラス基板、S
Lは液晶表示セルLCCのシール材、INJは液晶封入
口、LCBは液晶ボート、LCは液晶ボートLCBに入
れられた液晶、LCFは液晶表示セルLCC内に入って
いく一定時間ごとの液晶の先端部である。
【0032】図5(a)〜(g)は液晶封入過程におけ
る液晶表示セルの厚さ(以下、セル厚と称す)の変化の
様子を示す液晶表示セルの縦断面図である。
【0033】SPは液晶表示セルLCC内に分散された
両基板間のギャップ調整用のスペーサである。(a)は
減圧容器内で減圧(脱気)を完了したとき、(b)は液
晶表示セルLCCの液晶封入口INJを液晶ボートLC
Bの液晶LCに接触(ディップ)させたとき、(c)は
減圧容器内をゆっくり大気圧にもどし始めた直後(リー
ク開始)、(d)は液晶LCが液晶表示セルLCC全体
の半分程度まで入ったとき、(e)は液晶LCがちょう
ど液晶表示セルLCC全体に入ったとき、(f)は
(e)からさらに数分経過したとき、(g)は(f)か
らさらに数時間経過したときの状態をそれぞれ表わして
いる。
【0034】(a)、(b)の時点では、液晶表示セル
LCCは前述のようにかなりの凹凸を有している。しか
し、(c)のように液晶封入口INJを液晶LCにより
閉じ、減圧容器内のリークを開始すると、(c)に示す
ように、液晶表示セルLCC内外の圧力差により、ガラ
ス基板SUB1、SUB2の歪みは矯正され、液晶表示
セルLCC全体にわたってセル厚が均一となる。このと
きのセル厚は液晶表示セルLCC内に分散されているス
ペーサSPの粒径や分散密度(単位面積当たりの粒子
数)等に依存する。液晶表示セルLCC内への液晶LC
の充填が完了する(e)の時点まで、セル厚がほぼ同一
の均一な状態が維持される。スペーサSPにポリマビー
ズを用いた場合、(c)〜(e)の時点では、スペーサ
SPは液晶表示セルLCC内外の圧力差により弾性変形
している。このため、(e)の液晶充填完了後も、スペ
ーサSPの復元力により液晶LCの吸入が継続され、セ
ル厚は均一な状態のまま、徐々に増加していく((f)
の時点)。さらに、そのまま放置すると、ガラス基板S
UB1、2の復元力により液晶LCが吸入され、
(a)、(b)の時点で生じていた凹凸が復元されてく
る。
【0035】《汚染物質拡散抑制用の土手BNK》 実施の形態1 図1は、本発明の実施の形態1における透明ガラス基板
SUB1、SUB2からなる液晶表示パネルPNLのマ
トリクスAR周辺部の構成を説明する平面図、図2は、
図1の2−2切断線における断面図である。
【0036】液晶表示パネルPNLを構成する2枚の透
明ガラス基板SUB1、SUB2の間には、その縁に沿
って、液晶封入口INJを除き、シール材SLが形成さ
れている。シール材SLは、例えば熱硬化型のエポキシ
樹脂からなる。また、封入口INJは、封止材ESLに
よって封止されている。封止材ESLは、例えば紫外線
硬化型のアクリル樹脂からなる。
【0037】図8に示すように、配向膜ORI1、OR
I2、透明画素電極ITO1、共通透明画素電極ITO
2の各層は、シール材SLの外郭パターンの内側に形成
されている。偏光板POL1、POL2は、それぞれ下
部透明ガラス基板SUB1、上部透明ガラス基板SUB
2の外側の表面に貼り付けられている。液晶LCは、液
晶分子の向きを設定する下部配向膜ORI1と上部配向
膜ORI2との間でシール材SLで仕切られた領域に封
入され、封止材ESLによって封止されている。下部配
向膜ORI1は、下部透明ガラス基板SUB1側の保護
膜PSV1の上層に形成されている。
【0038】本実施の形態では、図1に示すように、封
止材ESLやシール材SLからの汚染物質(あるいは汚
染液晶)拡散抑制用の土手BNKは、マトリクス部AR
(すなわち、表示領域)と、封止材ESLおよびシール
材SLの全周との間に形成してある。この土手BNKの
断面構造は、図2に示すように、下部透明ガラス基板S
UB1側は、導電膜g2、絶縁膜GI、i型半導体層A
S、導電膜d2、d3、および保護膜PSV1で構成さ
れ、上部透明ガラス基板SUB2側は、遮光膜BM、赤
色カラーフィルタFIL(R)、保護膜PSV2、およ
び共通透明画素電極ITO2で構成されている。土手B
NKを構成するこれらの膜は、マトリクス部ARで使用
されている膜、すなわち、これらの膜と同一の形成工程
で同層を用いて形成するので、土手BNKを形成するの
に、工程数が増えることはない。土手BNKは、図2に
示すように、基板の厚さ方向に突起状に形成されている
ので、マトリクス部ARと、封止材ESLおよびシール
材SLの全周とを隔離することができ、シール材SLお
よび封止材ESLから溶け出した汚染物質で汚染された
液晶がマトリクス部ARへ拡散しにくくなっている。し
たがって、シール材SLおよび封止材ESLによる液晶
層LCの汚染に起因する表示むらの発生を低減すること
ができ、表示品質を向上することができる。
【0039】前述のように、従来、土手をシール材SL
で形成することが提案されたが、これに比較してマトリ
クス部ARを構成する膜を利用した本実施の形態による
土手BNKの優れている点は以下の3点である。
【0040】シール材SLからなる土手は液晶の汚染
源となるが、本実施の形態による土手BNKはマトリク
ス部ARを構成する膜を利用して形成するので、汚染源
とならない。
【0041】シール材SLからなる土手の幅は、0.
5〜1.5mm程度以下に形成するのが困難であるが、
本実施の形態による土手BNKは、マトリクス部ARを
構成する膜を利用し、ホトリソグラフィ工程およびエッ
チング工程により形成するので、数十μm程度の幅に加
工形成することが可能であり、表示画面の周囲のいわゆ
る額縁部の面積の縮小化に有利である。
【0042】シール材SLで土手を形成した場合は、
液晶の注入時に、土手が注入の妨げになり、液晶注入速
度が下がり、スループットが低下する。しかし、液晶注
入時は、図6に示すように、液晶表示セルLCCが膨ら
んでおり、下部透明ガラス基板SUB1と上部透明ガラ
ス基板SUB2との距離が離れている。このとき、本実
施の形態の土手BNKでは、両基板の土手BNKどうし
の間に、液晶が通過できるすき間が存在するため、マト
リクス部ARと封入口INJとを隔離せず、液晶注入の
妨げとならず、液晶注入速度を下げる要因とならない。
【0043】なお、本実施の形態では、図2に示すよう
に、下部透明ガラス基板SUB1側に設けた土手BNK
と、上部透明ガラス基板SUB2側に設けた土手BNK
とを密着させずに、間隙をあけている。土手BNKの目
的から考えると、両基板の土手BNKを密着させるの
が、汚染物質拡散抑制効果が最も高いが、多少の間隙が
あいていても、汚染物質拡散抑制効果は十分ある。ま
た、本実施の形態のように、マトリクス部ARと、封止
材ESLおよびシール材SLの全周との間に、土手BN
Kを配置するのが、汚染物質拡散抑制効果が最も高い
が、マトリクス部ARと、最大の汚染源である封止材E
SLとの間のみに土手BNKを配置しても、汚染物質拡
散抑制効果は十分ある。この実施の形態についてつぎに
述べる。
【0044】実施の形態2 図3は、図1と同様の図で、本発明の実施の形態2にお
ける液晶表示パネルPNLのマトリクスAR周辺部の構
成を説明する平面図である。なお、図3における2−2
切断線における断面図は、図2と同様である。
【0045】本実施の形態では、マトリクス部ARと、
汚染物質の発生が最も大きい封止材ESLとの間のみに
土手BNKを配置した例である。その他の構成は、前記
実施の形態1と同様である。
【0046】《薄膜トランジスタTFT》次に、図7、
図8に戻り、TFT基板SUB1側の構成を詳しく説明
する。
【0047】薄膜トランジスタTFTは、ゲート電極G
Tに正のバイアスを印加すると、ソース−ドレイン間の
チャネル抵抗が小さくなり、バイアスを零にすると、チ
ャネル抵抗は大きくなるように動作する。
【0048】各画素には複数(2つ)の薄膜トランジス
タTFT1、TFT2が冗長して設けられる。薄膜トラ
ンジスタTFT1、TFT2のそれぞれは、実質的に同
一サイズ(チャネル長、チャネル幅が同じ)で構成さ
れ、ゲート電極GT、ゲート絶縁膜GI、i型(真性、
intrinsic、導電型決定不純物がドープされていない)
非晶質シリコン(Si)からなるi型半導体層AS、一
対のソース電極SD1、ドレイン電極SD2を有す。な
お、ソース、ドレインは本来その間のバイアス極性によ
って決まるもので、この液晶表示装置の回路ではその極
性は動作中反転するので、ソース、ドレインは動作中入
れ替わると理解されたい。しかし、以下の説明では、便
宜上一方をソース、他方をドレインと固定して表現す
る。
【0049】《ゲート電極GT》ゲート電極GTは走査
信号線GLから垂直方向に突出する形状で構成されてい
る(T字形状に分岐されている)。ゲート電極GTは薄
膜トランジスタTFT1、TFT2のそれぞれの能動領
域を越えるよう突出している。薄膜トランジスタTFT
1、TFT2のそれぞれのゲート電極GTは、一体に
(共通のゲート電極として)構成されており、走査信号
線GLに連続して形成されている。本例では、ゲート電
極GTは、単層の第2導電膜g2で形成されている。第
2導電膜g2としては例えばスパッタで形成されたアル
ミニウム(Al)膜が用いられ、その上にはAlの陽極
酸化膜AOFが設けられている。
【0050】このゲート電極GTはi型半導体層ASを
完全に覆うよう(下方からみて)それより大き目に形成
され、i型半導体層ASに外光やバックライト光が当た
らないよう工夫されている。
【0051】《走査信号線GL》走査信号線GLは第2
導電膜g2で構成されている。この走査信号線GLの第
2導電膜g2はゲート電極GTの第2導電膜g2と同一
製造工程で形成され、かつ一体に構成されている。ま
た、走査信号線GL上にもAlの陽極酸化膜AOFが設
けられている。
【0052】《絶縁膜GI》絶縁膜GIは、薄膜トラン
ジスタTFT1、TFT2において、ゲート電極GTと
共に半導体層ASに電界を与えるためのゲート絶縁膜と
して使用される。絶縁膜GIはゲート電極GTおよび走
査信号線GLの上層に形成されている。絶縁膜GIとし
ては例えばプラズマCVDで形成された窒化シリコン膜
が選ばれ、1200〜2700Åの厚さに(本例では、
2000Å程度)形成される。ゲート絶縁膜GIは図9
に示すように、マトリクス部ARの全体を囲むように形
成され、周辺部は外部接続端子DTM、GTMを露出す
るよう除去されている。絶縁膜GIは走査信号線GLと
映像信号線DLの電気的絶縁にも寄与している。
【0053】《i型半導体層AS》i型半導体層AS
は、本例では薄膜トランジスタTFT1、TFT2のそ
れぞれに独立した島となるよう形成され、非晶質シリコ
ンで、200〜2200Åの厚さに(本例では、200
0Å程度の膜厚)で形成される。層d0はオーミックコ
ンタクト用のリン(P)をドープしたN+型非晶質シリ
コン半導体層であり、下側にi型半導体層ASが存在
し、上側に導電層d2(d3)が存在するところのみに
残されている。
【0054】i型半導体層ASは走査信号線GLと映像
信号線DLとの交差部(クロスオーバ部)の両者間にも
設けられている。この交差部のi型半導体層ASは交差
部における走査信号線GLと映像信号線DLとの短絡を
低減する。
【0055】《透明画素電極ITO1》透明画素電極I
TO1は液晶表示部の画素電極の一方を構成する。
【0056】透明画素電極ITO1は薄膜トランジスタ
TFT1のソース電極SD1および薄膜トランジスタT
FT2のソース電極SD1の両方に接続されている。こ
のため、薄膜トランジスタTFT1、TFT2のうちの
1つに欠陥が発生しても、その欠陥が副作用をもたらす
場合はレーザ光等によって適切な箇所を切断し、そうで
ない場合は他方の薄膜トランジスタが正常に動作してい
るので放置すればよい。透明画素電極ITO1は第1導
電膜d1によって構成されており、この第1導電膜d1
はスパッタリングで形成された透明導電膜(Indium-Tin
-Oxide ITO:ネサ膜)からなり、1000〜200
0Åの厚さに(本例では、1400Å程度の膜厚)形成
される。
【0057】《ソース電極SD1、ドレイン電極SD
2》ソース電極SD1、ドレイン電極SD2のそれぞれ
は、N+型半導体層d0に接触する第2導電膜d2とそ
の上に形成された第3導電膜d3とから構成されてい
る。
【0058】第2導電膜d2はスパッタで形成したクロ
ム(Cr)膜を用い、500〜1000Åの厚さに(本
例では、600Å程度)で形成される。Cr膜は膜厚を
厚く形成するとストレスが大きくなるので、2000Å
程度の膜厚を越えない範囲で形成する。Cr膜はN+
半導体層d0との接着性を良好にし、第3導電膜d3の
AlがN+型半導体層d0に拡散することを防止する
(いわゆるバリア層の)目的で使用される。第2導電膜
d2として、Cr膜の他に高融点金属(Mo、Ti、T
a、W)膜、高融点金属シリサイド(MoSi2、Ti
Si2、TaSi2、WSi2)膜を用いてもよい。
【0059】第3導電膜d3はAlのスパッタリングで
3000〜5000Åの厚さに(本例では、4000Å
程度)形成される。Al膜はCr膜に比べてストレスが
小さく、厚い膜厚に形成することが可能で、ソース電極
SD1、ドレイン電極SD2および映像信号線DLの抵
抗値を低減したり、ゲート電極GTやi型半導体層AS
に起因する段差乗り越えを確実にする(ステップカバー
レッジを良くする)働きがある。
【0060】第2導電膜d2、第3導電膜d3を同じマ
スクパターンでパターニングした後、同じマスクを用い
て、あるいは第2導電膜d2、第3導電膜d3をマスク
として、N+型半導体層d0が除去される。つまり、i
型半導体層AS上に残っていたN+型半導体層d0は第
2導電膜d2、第3導電膜d3以外の部分がセルフアラ
インで除去される。このとき、N+型半導体層d0はそ
の厚さ分はすべて除去されるようエッチングされるの
で、i型半導体層ASも若干その表面部分がエッチング
されるが、その程度はエッチング時間で制御すればよ
い。
【0061】《映像信号線DL》映像信号線DLはソー
ス電極SD1、ドレイン電極SD2と同層の第2導電膜
d2、第3導電膜d3で構成されている。
【0062】《保護膜PSV1》薄膜トランジスタTF
Tおよび透明画素電極ITO1上には保護膜PSV1が
設けられている。保護膜PSV1は主に薄膜トランジス
タTFTを湿気等から保護するために形成されており、
透明性が高くしかも耐湿性の良いものを使用する。保護
膜PSV1はたとえばプラズマCVD装置で形成した酸
化シリコン膜や窒化シリコン膜で形成されており、1μ
m程度の膜厚で形成する。
【0063】保護膜PSV1は図9に示すように、マト
リクス部ARの全体を囲むように形成され、周辺部は外
部接続端子DTM、GTMを露出するよう除去され、ま
た上基板側SUB2の共通電極COMを下側基板SUB
1の外部接続端子接続用引出配線INTに銀ペーストA
GPで接続する部分も除去されている。保護膜PSV1
とゲート絶縁膜GIの厚さ関係に関しては、前者は保護
効果を考え厚くされ、後者はトランジスタの相互コンダ
クタンスgmを薄くされる。したがって、図9に示すよ
うに、保護効果の高い保護膜PSV1は周辺部もできる
だけ広い範囲に亘って保護するようゲート絶縁膜GIよ
りも大きく形成されている。
【0064】《遮光膜BM》上部透明ガラス基板SUB
2側には、外部光又はバックライト光がi型半導体層A
Sに入射しないよう遮光膜BMが設けられている。図7
に示す遮光膜BMの閉じた多角形の輪郭線は、その内側
が遮光膜BMが形成されない開口を示している。遮光膜
BMは光に対する遮蔽性が高いたとえばアルミニウム膜
やクロム膜等で形成されており、本例ではクロム膜がス
パッタリングで1300Å程度の厚さに形成される。
【0065】したがって、薄膜トランジスタTFT1、
TFT2のi型半導体層ASは上下にある遮光膜BMお
よび大き目のゲート電極GTによってサンドイッチにさ
れ、外部の自然光やバックライト光が当たらなくなる。
遮光膜BMは各画素の周囲に格子状に形成され(いわゆ
るブラックマトリクス)、この格子で1画素の有効表示
領域が仕切られている。したがって、各画素の輪郭が遮
光膜BMによってはっきりとし、コントラストが向上す
る。つまり、遮光膜BMはi型半導体層ASに対する遮
光とブラックマトリクスとの2つの機能をもつ。
【0066】透明画素電極ITO1のラビング方向の根
本側のエッジ部分(図7右下部分)も遮光膜BMによっ
て遮光されているので、上記部分にドメインが発生した
としても、ドメインが見えないので、表示特性が劣化す
ることはない。
【0067】遮光膜BMは周辺部にも額縁状に形成して
もよく、この場合、そのパターンはドット状に複数の開
口を設けた図7に示すマトリクス部のパターンと連続し
て形成する。この場合、周辺部の遮光膜BMは、シール
部SLの外側に延長され、パソコン等の実装機に起因す
る反射光等の漏れ光がマトリクス部に入り込むのを防
ぐ。他方、この遮光膜BMは基板SUB2の縁よりも約
0.3〜1.0mm程内側に留められ、基板SUB2の
切断領域を避けて形成されている。
【0068】《カラーフィルタFIL》カラーフィルタ
FILは画素に対向する位置に赤、緑、青の繰り返しで
ストライプ状に形成される。カラーフィルタFILは透
明画素電極ITO1のすべてを覆うように大き目に形成
され、遮光膜BMはカラーフィルタFILおよび透明画
素電極ITO1のエッジ部分と重なるよう透明画素電極
ITO1の周縁部より内側に形成されている。
【0069】カラーフィルタFILは次のように形成す
ることができる。まず、上部透明ガラス基板SUB2の
表面にアクリル系樹脂等の染色基材を形成し、フォトリ
ソグラフィ技術で赤色フィルタ形成領域以外の染色基材
を除去する。この後、染色基材を赤色染料で染め、固着
処理を施し、赤色フィルタRを形成する。つぎに、同様
な工程を施すことによって、緑色フィルタG、青色フィ
ルタBを順次形成する。
【0070】《保護膜PSV2》保護膜PSV2はカラ
ーフィルタFILの染料が液晶LCに漏れることを防止
するために設けられている。保護膜PSV2はたとえば
アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂材料で形成さ
れている。
【0071】《共通透明画素電極ITO2》共通透明画
素電極ITO2は、下部透明ガラス基板SUB1側に画
素ごとに設けられた透明画素電極ITO1に対向し、液
晶LCの光学的な状態は各画素電極ITO1と共通透明
画素電極ITO2との間の電位差(電界)に応答して変
化する。この共通透明画素電極ITO2にはコモン電圧
Vcomが印加されるように構成されている。本例では、
コモン電圧Vcomは映像信号線DLに印加される最小レ
ベルの駆動電圧Vdminと最大レベルの駆動電圧Vdmax
との中間直流電位に設定されるが、映像信号駆動回路で
使用される集積回路の電源電圧を約半分に低減したい場
合は、交流電圧を印加すればよい。なお、共通透明画素
電極ITO2の平面形状は図9を参照されたい。
【0072】《製造方法》つぎに、上述した液晶表示装
置の基板SUB1側の製造方法について図11〜図13
を参照して説明する。なお同図において、中央の文字は
工程名の略称であり、左側は図8に示す画素部分、右側
はゲート端子付近の断面形状でみた加工の流れを示す。
工程Dを除き工程A〜工程Iは各写真処理に対応して区
分けしたもので、各工程のいずれの断面図も写真処理後
の加工が終わりフォトレジストを除去した段階を示して
いる。なお、写真処理とは本説明ではフォトレジストの
塗布からマスクを使用した選択露光を経てそれを現像す
るまでの一連の作業を示すものとし、繰返しの説明は避
ける。以下区分けした工程にしたがって、説明する。
【0073】工程A、図11 7059ガラス(商品名)からなる下部透明ガラス基板
SUB1の両面に酸化シリコン膜SIOをディップ処理
により設けたのち、500℃、60分間のベークを行な
う。下部透明ガラス基板SUB1上に膜厚が1100Å
のクロムからなる第1導電膜g1をスパッタリングによ
り設け、写真処理後、エッチング液として硝酸第2セリ
ウムアンモニウム溶液で第1導電膜g1を選択的にエッ
チングする。それによって、ゲート端子GTM、ドレイ
ン端子DTM、ゲート端子GTMを接続する陽極酸化バ
スラインSHg、ドレイン端子DTMを短絡するバスラ
インSHd、陽極酸化バスラインSHgに接続された陽
極酸化パッド(図示せず)を形成する。
【0074】工程B、図11 膜厚が2800ÅのAl−Pd、Al−Si、Al−S
i−Ti、Al−Si−Cu等からなる第2導電膜g2
をスパッタリングにより設ける。写真処理後、リン酸と
硝酸と氷酢酸との混酸液で第2導電膜g2を選択的にエ
ッチングする。
【0075】工程C、図11 写真処理後(前述した陽極酸化マスクAO形成後)、3
%酒石酸をアンモニアによりPH6.25±0.05に調
整した溶液をエチレングリコール液で1:9に稀釈した
液からなる陽極酸化液中に基板SUB1を浸漬し、化成
電流密度が0.5mA/cm2になるように調整する(定
電流化成)。次に所定のAl23膜厚が得られるのに必
要な化成電圧125Vに達するまで陽極酸化を行う。そ
の後この状態で数10分保持することが望ましい(定電
圧化成)。これは均一なAl23膜を得る上で大事なこ
とである。それによって、導電膜g2を陽極酸化され、
走査信号線GL、ゲート電極GTおよび電極PL1上に
膜厚が1800Åの陽極酸化膜AOFが形成される。
【0076】工程D、図12 プラズマCVD装置にアンモニアガス、シランガス、窒
素ガスを導入して、膜厚が2000Åの窒化Si膜を設
け、プラズマCVD装置にシランガス、水素ガスを導入
して、膜厚が2000Åのi型非晶質Si膜を設けたの
ち、プラズマCVD装置に水素ガス、ホスフィンガスを
導入して、膜厚が300ÅのN+型非晶質Si膜を設け
る。
【0077】工程E、図12 写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6、CC
4を使用してN+型非晶質Si膜、i型非晶質Si膜を
選択的にエッチングすることにより、i型半導体層AS
の島を形成する。
【0078】工程F、図12 写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6を使用
して、窒化Si膜を選択的にエッチングする。
【0079】工程G、図13 膜厚が1400ÅのITO膜からなる第1導電膜d1を
スパッタリングにより設ける。写真処理後、エッチング
液として塩酸と硝酸との混酸液で第1導電膜d1を選択
的にエッチングすることにより、ゲート端子GTM、ド
レイン端子DTMの最上層および透明画素電極ITO1
を形成する。
【0080】工程H、図13 膜厚が600ÅのCrからなる第2導電膜d2をスパッ
タリングにより設け、さらに膜厚が4000ÅのAl−
Pd、Al−Si、Al−Si−Ti、Al−Si−C
u等からなる第3導電膜d3をスパッタリングにより設
ける。写真処理後、第3導電膜d3を工程Bと同様な液
でエッチングし、第2導電膜d2を工程Aと同様な液で
エッチングし、映像信号線DL、ソース電極SD1、ド
レイン電極SD2を形成する。つぎに、ドライエッチン
グ装置にCCl4、SF6を導入して、N+型非晶質Si
膜をエッチングすることにより、ソースとドレイン間の
+型半導体層d0を選択的に除去する。
【0081】工程I、図13 プラズマCVD装置にアンモニアガス、シランガス、窒
素ガスを導入して、膜厚が1μmの窒化Si膜を設け
る。写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6
使用した写真蝕刻技術で窒化Si膜を選択的にエッチン
グすることによって、保護膜PSV1を形成する。
【0082】《液晶表示モジュールの全体構成》図14
は、図1または図3に示した液晶表示素子PNLを組み
込んだ液晶表示モジュールMDLの分解斜視図である。
【0083】SHDは金属板からなるシールドケース
(メタルフレームとも称す)、WDは表示窓、INS1
〜3は絶縁シート、PCB1〜3は回路基板(PCB1
はドレイン側回路基板、PCB2はゲート側回路基板、
PCB3はインターフェイス回路基板)、JNは回路基
板PCB1〜3どうしを電気的に接続するジョイナ、T
CP1、TCP2はテープキャリアパッケージ、PNL
は液晶表示パネル、GCはゴムクッション、ILSは遮
光スペーサ、PRSはプリズムシート、SPSは拡散シ
ート、GLBは導光板、RFSは反射シート、MCAは
一体成型により形成された下側ケース(モールドケー
ス)、LPは蛍光管、LPCはランプケーブル、GBは
蛍光管LPを支持するゴムブッシュであり、図に示すよ
うな上下の配置関係で各部材が積み重ねられて液晶表示
モジュールMDLが組み立てられる。
【0084】モジュールMDLは、下側ケースMCA、
シールドケースSHDの2種の収納・保持部材を有す
る。絶縁シートINS1〜3、回路基板PCB1〜3、
液晶表示パネルPNLを収納、固定した金属製シールド
ケースSHDと、蛍光管LP、導光板GLB、プリズム
シートPRS等からなるバックライトBLを収納した下
側ケースMCAとを合体させることにより、モジュール
MDLが組み立てられる。
【0085】図15は、液晶表示モジュールMDLを実
装したノートブック型のパソコン、あるいはワープロの
斜視図である。
【0086】以上本発明を実施の形態に基づいて具体的
に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変
更可能であることは勿論である。例えば、土手BNKを
構成する膜の種類は、前記実施の形態1における図2に
示した膜構成は単なる一例であって、マトリクス部AR
を構成する膜の一部または全部を用い、種々の形態を取
ることができることは言うまでもない。例えば、赤、
緑、青と順次形成するカラーフィルタFILを3層重ね
て利用してもよい。また、前記実施の形態1では、透明
ガラス基板SUB1、SUB2の両方に土手BNKを設
けたが、いずれか一方の基板のみに土手BNKを設けて
もよい。また、前述のように、両方の基板あるいは一方
の基板に設けた土手BNKどうし、あるいは土手BNK
と基板とを密着させてもよいし、間隙を設けてもよい。
さらに、本発明は、縦電界方式のアクティブマトリクス
方式の液晶表示装置に適用した例を示したが、横電界方
式やCOG(チップオンガラス)方式の液晶表示装置に
も、また、単純マトリクス方式の液晶表示装置にも適用
可能なことは言うまでもない。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液晶の汚染源となる封止材あるいはシール材と、表示領
域とを隔離することができるので、封止材あるいはシー
ル材中の汚染物質に起因する液晶の汚染を抑制し、表示
むら不良の発生を低減することができ、画質と画質の信
頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における液晶表示パネル
PNLのマトリクスAR周辺部の構成を説明する平面図
である。
【図2】図1(あるいは図3)の2−2切断線における
断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2における液晶表示パネル
PNLのマトリクスAR周辺部の構成を説明する平面図
である。
【図4】減圧容器内の雰囲気を大気圧にもどすときに、
液晶LCが液晶表示セルLCC内に入っていく様子を一
定時間ごとの液晶の先端部の形状で示す図である。
【図5】(a)〜(g)は液晶封入過程におけるセル厚
の変化の様子を示す液晶表示セルLCCの縦断面図であ
る。
【図6】本発明による土手BNKを形成しても、液晶L
Cの注入が妨げられない様子を示す液晶表示パネルの要
部概略断面図である。
【図7】本発明が適用可能なアクティブ・マトリクス方
式のカラー液晶表示装置の液晶表示部の一画素とその周
辺を示す要部平面図である。
【図8】マトリクスの画素部を中央に、両側にパネル角
付近と映像信号端子部付近を示す断面図である。
【図9】上下基板の電気的接続部を含む液晶表示パネル
PNLの角部の拡大平面図である。
【図10】左側に走査信号端子、右側に外部接続端子の
無い液晶表示パネルPNLの縁部分を示す断面図であ
る。
【図11】基板SUB1側の工程A〜Cの製造工程を示
す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャートであ
る。
【図12】基板SUB1側の工程D〜Fの製造工程を示
す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャートであ
る。
【図13】基板SUB1側の工程G〜Iの製造工程を示
す画素部とゲート端子部の断面図のフローチャートであ
る。
【図14】アクティブ・マトリクス方式カラー液晶表示
モジュールMDLの分解斜視図である。
【図15】図14の液晶表示モジュールを実装したノー
トブック型のパソコンあるいはワープロの斜視図であ
る。
【符号の説明】
BNK…土手、PNL…液晶表示パネル、SUB1…下
部透明ガラス基板、SUB2…上部透明ガラス基板、S
L…シール材、INJ…封入口、ESL…封止材、AR
…マトリクス部、Tg、Td(o)、Td(e)…端子
群、g2、d2、d3…導電膜、GI…絶縁膜、AS…
i型半導体層、PSV1…保護膜、BM…遮光膜(ブラ
ックマトリクス)、FIL(R)…赤色カラーフィル
タ、PSV2…保護膜、ITO2(COM)…共通透明
画素電極、ITO1…透明画素電極、ORI1、ORI
2…配向膜、LC…液晶。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の膜をそれぞれ面上に積層した2枚の
    透明絶縁基板を、前記膜を設けた面が対向するように所
    定の間隙を隔てて重ね合わせ、前記両基板間の縁周囲に
    枠状に設けたシール材により、前記両基板を貼り合わ
    せ、前記シール材の一部に設けた封入口から前記両基板
    間の前記シール材の内側に液晶を注入し、前記封入口を
    封止材により封止した液晶表示素子を有する液晶表示装
    置において、前記液晶表示素子の表示領域と、前記封止
    材、前記シール材の少なくとも一方との間に、前記膜の
    少なくとも一部からなる土手を設けたことを特徴とする
    液晶表示装置。
  2. 【請求項2】前記土手を、前記表示領域と、前記封止材
    および前記シール材の全周との間に配置したことを特徴
    とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】前記土手を、前記表示領域と、前記封止材
    との間のみに配置したことを特徴とする請求項1記載の
    液晶表示装置。
  4. 【請求項4】前記土手が、前記2枚の透明絶縁基板の両
    者に形成された膜からなり、該土手を形成する前記両基
    板の膜どうしが密着していることを特徴とする請求項1
    記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】前記土手が、前記2枚の透明絶縁基板の両
    者に形成された膜からなり、該土手を形成する前記両基
    板の膜どうしの間に間隙が存在することを特徴とする請
    求項1記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】前記土手が、前記2枚の透明絶縁基板の一
    方に形成された膜のみからなることを特徴とする請求項
    1記載の液晶表示装置。
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