JPH1012250A - 低温作動型燃料電池 - Google Patents

低温作動型燃料電池

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JPH1012250A
JPH1012250A JP8184262A JP18426296A JPH1012250A JP H1012250 A JPH1012250 A JP H1012250A JP 8184262 A JP8184262 A JP 8184262A JP 18426296 A JP18426296 A JP 18426296A JP H1012250 A JPH1012250 A JP H1012250A
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JP
Japan
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fuel cell
separator
polymer
electrode
ribs
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JP8184262A
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Masaru Yoshitake
優 吉武
Naoki Yoshida
直樹 吉田
Toyoaki Ishizaki
豊暁 石崎
Shinji Terasono
真二 寺園
Masao Unoki
正夫 鵜木
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高出力が安定して得られる低温作動型燃料電
池を提供する。 【解決手段】 低温作動型燃料電池を構成するリブ付セ
パレータ1のリブの間隙に面するセパレータの表面5、
6が、イオン交換基を実質上有しない溶媒可溶性含フッ
素重合体の溶液を使用して得られた該フッ素重合体で被
覆されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温作動型燃料電
池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水素・酸素燃料電池は、その反応生成物
が原理的に水のみであり、地球環境への影響が小さい発
電システムとして注目されている。特に、作動温度とし
て室温から100℃程度が想定されている固体高分子型
燃料電池は最も高出力が得られる可能性がある燃料電池
として開発が進められている。しかし、現在検討されて
いる固体高分子型燃料電池は作動温度が上述のように低
いため、排熱が燃料電池の補機動力等に有効利用しがた
いという欠点を有している。これを補う意味でも固体高
分子型燃料電池は、特に高い出力密度が要求されてい
る。また実用化への課題として、燃料及び空気利用率の
高い運転条件でも高エネルギー効率、高出力密度が得ら
れるような燃料電池セルの開発が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】固体高分子型燃料電池
における電解質膜としては、化学的安定性及び導電性の
点から主として超強酸であるパーフルオロカーボンスル
ホン酸型陽イオン交換膜が用いられている。かかる酸性
電解質中では空気極において下式のように水が生成す
る。 1/2O2 + 2H+ + 2e → H2O したがって、 低作動温度、高電流密度および高ガス利
用率の運転条件では、水が生成する空気極において水蒸
気の凝縮による電極多孔体の閉塞(フラッディング)現
象が起こりやすい。長期に亘り安定な特性を得るために
は、フラッディング現象が起こらないように電極の撥水
性を確保することが必要である。
【0004】燃料電池は、多くの場合、電解質膜とこの
膜の両面に接合された電極とからなる電極−膜接合体を
構成し、該電極−膜接合体と、表面に複数のリブを有す
るセパレータとを交互に配置して、全体を締め付けるこ
とにより構成される(「燃料電池設計技術」サイエンス
フォーラム発行)。そして、かかる燃料電池では、セパ
レータのリブの間隙が空気及び燃料ガスを供給する通路
なるが、セパレータにおけるリブ付近での水の凝縮はガ
ス流路の閉塞を招き、ガスの本来の流れを変化させるた
め、電極の面内方向での反応均一性を低下させ、反応熱
による局部的温度上昇、或いは過電圧の上昇による電池
の出力電圧の低下というような問題を生ずる。
【0005】上記のようなセパレータのリブでの水の凝
縮によるガス流路の閉塞を抑制するため、従来でも含フ
ッ素重合体によって、セパレータの複数のリブの間隙に
面するセパレータの表面を被覆することが行われてい
る。これに使用される含フッ素重合体は溶媒に可溶なも
のと不溶なものに大別できるが、主に不溶性なものが用
いられてきた。これらのものには、例えば、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレ
ン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テ
トラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体(PFA)などがある。
【0006】これら含フッ素重合体を撥水化材料として
リブへ適用する場合には、通常、これら樹脂を分散させ
た溶液を塗布し、乾燥・熱処理することが行われる。か
かる溶液には含フッ素重合体を分散させるために界面活
性剤が添加されており、これが残存すると撥水性付与に
支障を来すため、被覆した後界面活性剤を除去する工程
が必要となる。また、被覆を行う過程でも含フッ素重合
体が凝集し、凝集粒子の、いわゆる「だま」を生じ易
く、「だま」による閉塞を起こすという問題点も有して
いる。さらに、セパレータのリブは図1に見られるよう
に幅及び高さのいずれもが通常0.5〜2mm程度の矩
形のものがピッチ0.5〜2mmにて複数個直線状に設
けられる。また、上記リブは、ガス流速を確保するため
に直線状に代えて複雑な曲線状に設けられることがあ
り、またセパレータの反対側表面にも、通常上記リブと
直交するようにリブが同様にして設けられるので、界面
活性剤や「だま」の除去が非常に煩瑣な作業となる。
【0007】また、移動機器用等の燃料電池の用途に
は、上記セパレータの材料として、通常のカーボン材料
に加え、シート状グラファイトや軽金属の開発が進めら
れている。この場合、シート状グラファイトでは側面か
らの水分の浸入による膨潤を防止する為にも撥水性樹脂
による処理が不可欠である。しかし、従来の含フッ素重
合体分散液を用いる方法では、その積層構造に由来する
特性として塗布後の「だま」処理時にグラファイトが剥
離しやすいという問題を有している。また、軽金属製の
セパレータの場合には、含浸性が無いため従来の含フッ
素重合体分散液による方法では付着力が不充分となりや
すい。なお、撥水化材料として、フッ化ピッチを使用す
ることも考えられるが、造膜性が悪く、密着力が弱いと
いう欠点を有するため、撥水化材料としては不適当であ
る。
【0008】そこで本発明の目的は、高出力が安定して
得られる、リブ付セパレータを有する低温作動型燃料電
池を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低温作動
型燃料電池のリブ付セパレータの撥水化材料として界面
活性剤の除去が不要で「だま」を発生することなくリブ
に撥水性を付与することのできるものを得るために鋭意
検討を進めた結果、本発明に至ったものであり、電解質
膜とこの膜の両面に接合された電極とからなる電極−膜
接合体と、この電極−膜接合体と、表面に複数のリブを
有するセパレータとで構成された低温作動型燃料電池に
おいて、上記複数のリブの間隙に面するセパレータ表面
が、イオン交換基を実質上有しない溶媒可溶性含フッ素
重合体の溶液を使用して得られた該フッ素重合体で被覆
されてなることを特徴とする低温作動型燃料電池を提供
するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の燃料電池における電極−
膜接合体を製造する場合、固体高分子電解質たるイオン
交換膜上に電極を直接形成する手法、カーボンペーパー
などの基材上に一旦電極を層状に形成した後にこれをイ
オン交換膜に接合する手法、または別の平板上に電極を
形成してこれをイオン交換膜に転写する手法などの様々
な方法を採用することができる。ガス拡散電極の形成方
法としては、好ましくは、白金族金属を活性炭等に担持
した触媒粉末、イオン交換樹脂、撥水剤、及び必要に応
じて、造孔剤、増粘剤、希釈溶媒等との混合液をイオン
交換膜又はカーボンペーパー等の導電性多孔体に噴霧、
塗布、濾過等の既存の方法を適用できる。電極をイオン
交換膜と別個に形成した場合、電極のイオン交換膜への
接合法としては、ホットプレス法、接着法(特開平7−
220741、特開平7−254420号公報参照)な
どを適用することができる。
【0011】本発明の低温作動型燃料電池においては、
固体高分子電解質たるイオン交換膜及び上記ガス拡散電
極の形成されるイオン交換樹脂の材質としては、フルオ
ロカーボンスルホン酸型イオン交換樹脂が好ましく、よ
り好ましくは、CF=CFとCF=CF−(OC
CFX)−O−(CF−SOH(式
中、mは0〜3、nは1〜12、pは0又は1、XはF
又はCF)との共重合体からなるパーフルオロカーボ
ンスルホン酸型イオン交換樹脂である。
【0012】また、上記電解質膜とこの膜の両面に接合
された電極とからなる電極−膜接合体の両面に配置され
るリブ付セパレータは、通常図1に示す如き構造をして
いる。該リブ付セパレータと上記電極−膜接合体とを交
互に複数個積層し、全体を締め付けることにより燃料電
池は電池スタックとして構成される。電池スタックを構
成する図1のセパレータにおいて、空気は空気供給口2
から供給され排出口2’から排出され、一方、水素は水
素供給口3から供給され排出口3’から排出される。ま
た、電池スタックの冷却は、冷却水を冷却水供給口4か
ら供給し、排出口4’から排出させることにより行なわ
れる。セパレータ1における空気と水素の流れの関係
は、図2に示す如く通常は互いに直交する関係にある。
本発明においては、かかるセパレータ1の複数のリブの
間隙に面するセパレータの表面、即ちリブの側面5およ
び/またはリブ間の底面6が、イオン交換基を実質上有
しない溶媒可溶性含フッ素重合体の溶液を使用して得ら
れた該フッ素重合体で被覆されている。セパレータの材
質は、好ましくはグラファイト、軽金属又は軽金属合金
である。
【0013】本発明において撥水化剤として用いられる
上記含フッ素重合体は、セパレータとの充分な密着性が
確保され、且つ、いわゆる「だま」や部分的に膜厚の不
均一な部分の発生が抑えられるよう、溶媒に溶解し、均
一な溶液を与える可溶性含フッ素重合体であることが要
求される。本発明においては、かかる要求を満足する撥
水化剤として、イオン交換基を実質上有しない溶媒可溶
性含フッ素重合体が使用される。かかる含フッ素重合体
は、これを溶解する溶剤が存在する可溶性含フッ素重合
体であるが、なかでも、燃料電池電極反応における反応
物または生成物となりうる水、アルコール等の水性溶媒
に対して実質上不溶性であるのが好ましい。溶媒可溶性
含フッ素重合体は、固体高分子型燃料電池の使用温度で
ある、好ましくは常温から150℃で固体状態であり、
スルホン酸基、カルボン酸基などのイオン交換基は、
0.1ミリ当量/g乾燥樹脂以下、特には0.05ミリ
当量/g乾燥樹脂以下にせしめて実質上イオン交換基を
有しないものを用いる。かかる含フッ素重合体には部分
フッ素化されたものとパーフルオロ化のもののいずれも
使用できる。
【0014】上記イオン交換基を実質上有しない溶媒可
溶性含フッ素重合体の好ましい例としては、分子内に脂
肪族環構造を有するパーフルオロカーボン重合体が挙げ
られる。かかる重合体は、上記分子構造に起因する分子
のねじれにより結晶化しにくく、フッ素系溶剤に可溶と
なる。かかる含フッ素重合体の例としては、次の一般式
の環構造を有するもの、即ち、 (ただし、lは0〜5、mは0〜4、nは0〜1、l+
m+nは1〜6、RはF又はCF)、 (ただし、o、p、qは0〜5、o+p+qは1〜
6)、 (ただし、RはF又はCF 、RはF又はCF
)の如き環構造を有するものが挙げられる。これらの
内、次の如き具体的な環構造を有する含フッ素重合体が
代表的である。
【0015】
【0016】これらの含フッ素重合体は、例えば、パー
フルオロベンゼン、トリフルオロエタン、アフルード
(旭硝子社製のフッ素系溶剤)、パーフルオロ(2−ブ
チルテトラヒドロフラン)などに溶解され、濃度が0.
01〜50重量%の溶液が得られる。
【0017】イオン交換基を実質上有しない溶媒可溶性
含フッ素重合体の他の例としては、非アクリル系の部分
フッ素化された重合体が挙げられる。かかる重合体とし
ては、フルオロオレフィンと、ビニルエーテル、ビニル
エステル、アリルエーテル、アリルエステル、イソプロ
ペニルエーテル、イソプロペニルエステル、メタリルエ
ーテル、メタリルエステル、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種の単量体
との共重合体が例示される。
【0018】ここで、ビニルエーテルとしては、エチル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシ
ルビニルエーテル、フルオロアルキルビニルエーテル、
パーフルオロアルキルビニルエーテルなどのアルキルビ
ニルエーテルが例示される。ビニルエステルとしては、
分岐状のアルキル基を有するベオバー10(シエル化学
社製商品名)、酢酸ビニル、酪酸ビニル、ビバリン酸ビ
ニル、バーサチック酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステ
ルが例示される。これらのビニルエーテル、ビニルエス
テルは、フッ素を含有していてもよい。
【0019】アリルエーテルとしては、エチルアリルエ
ーテル、シクロヘキシルアリルエーテルなどのアルキル
ビニルエーテルが例示される。アリルエステルとしては
プロピオン酸アリル、酢酸アリルなどの脂肪酸アリルエ
ステルが例示される。イソプロペニルエーテルとして
は、メチルイソペニルエーテルなどのアルキルイソプロ
ペニルエーテルが例示される。これらのアリルエーテル
は、フッ素を含有していてもよい。
【0020】上記フルオロオレフィンを含有する共重合
体では、フルオロオレフィンの含有割合が過度に大きく
なると溶剤への溶解性が低下するため、フルオロオレフ
ィンは好ましくは30〜70モル%、特には40〜60
モル%含有されているのが好ましい。これらの含フッ素
重合体は、ケトン類、エステル類、クロロエタン類、ベ
ンゼン誘導体から選ばれる少なくとも一種に溶解され、
濃度が30〜70重量%にて溶解される。
【0021】上述の如き本発明で使用される溶媒可溶性
含フッ素重合体はモノマーに分解しにくいためラジカル
伝播しにくく、耐酸性、耐アルカリ性を有する。また、
可溶性含フッ素重合体の分子量は、好ましくは数千から
2万程度であり、濃度が等しい場合には分子量が大きい
ほど粘度が大きくなるが、特には、5000から1万程
度のものを用いることにより、含浸操作等で用いる場合
の溶液浸透性を確保する一方、リブ表面への付着力も十
分であり、リブ付セパレータの撥水性を保持することが
できる。
【0022】本発明においては、イオン交換基を実質上
有しない溶媒可溶性含フッ素重合体の溶液を使用して得
られた該フッ素重合体の、リブの間隙に面するセパレー
タ表面における被覆層の厚さは、撥水性が発揮され流路
が著しく狭められない範囲で選択されるが、通常、0.
1μmから100μm、好ましくは0.5μmから20
μm、さらに好ましくは1μmから10μmの範囲内で
ある。
【0023】かかる溶媒可溶性含フッ素重合体のセパレ
ータ表面への塗布は、ディップコート法、刷毛塗り法、
スプレー法、流路中に含フッ素重合体の溶液を流す方法
等、任意の方法を採用することが可能であり、その後加
熱あるいは減圧、通風などの方法によって溶媒を除去
し、必要に応じて硬化反応を進行させることによって、
含フッ素重合体による被覆を完成させることができる。
【0024】また、必要に応じて適宜、密着性を高める
ためにセパレータ表面にプライマー処理、表面処理等を
施してから可溶性含フッ素重合体の塗布を行うこともで
きる。
【0025】本発明においては、上述の可溶性含フッ素
重合体でセパレータ表面を被覆することにより、界面活
性剤の除去を必要とすることや、「だま」を発生させる
ことなくリブに長期間安定な撥水性を付与することが可
能である。また、本発明に係る含フッ素重合体の溶液は
造膜性を有するために乾燥して得られる撥水性の被膜は
耐久性を確保しやすい。さらに、本発明によれば、作業
性よくリブに撥水性を付与することが可能である。
【0026】
【実施例】以下に本発明の具体的態様を詳しく説明する
が、必ずしもこれらの実施例に限定されるわけではな
い。 (実施例1)固体高分子型燃料電池スタックを構成する
リブ付セパレータとして、材質がチタンであり、図1に
示されるような断面が正方形のリブ(幅1mm、高さ1
mm)を表面及び裏面に有するもので、ガス流路を形成
するリブの間隙が、幅(底面)1mm、深さ(側面)1
mmのものを使用した。かかるセパレータのリブの間隙
に面する表面に塗布する撥水化剤として、下記の溶媒可
溶性含フッ素重合体のディップコート用溶液を用いた。
かかる溶液は、クロロトリフルオロエチレンとシクロヘ
キシルビニルエーテルとエチルビニルエーテルと4−ヒ
ドロキシビニルエーテルとの共重合体(分子量約1
万):ルミフロン樹脂(LF100グレード)(旭硝子
社商品名)100重量部に対して、19重量部の硬化剤
(ヘキサメチレンジイソシアネート3量体)と、200
重量部の溶媒(キシレン50重量部、メチルブチルケト
ン150重量部)と、4×10−4重量部の触媒(ジブ
チルチンジラウレート)とを配合することにより調製し
た。この溶液に上記セパレータを浸漬して、引き上げ速
度10cm/分で塗布を行い、120℃、空気中におい
て30分間加熱した後、セパレータのガス流路を形成す
るリブの間隙に面する以外の部分を研磨することにより
塗布層を除去した。
【0027】(実施例2)撥水化処理に用いるディップ
コート用溶液として、パーフルオロ(2−ブチルテトラ
ヒドロフラン)とパーフルオロ(トリブチルアミン)の
重量比1:1を混合溶媒とするサイトップCTX−10
5Aグレード(旭硝子社商品名:CF=CFO(CF
CFCFの分子量10万の重合体)の5重量%
溶液を用い、加熱温度を100℃とした他は実施例1と
同様な操作によって、リブ付セパレータのガス流路の撥
水化処理を行った。
【0028】(実施例3)撥水化処理に用いるディップ
コート用溶液として、パーフルオロ(2−ブチルテトラ
ヒドロフラン)を溶媒とするテフロンAF1600(デ
ュポン社商品名:パーフルオロジメチルジオキソールと
テトラフルオロエチレンとの共重合体でTg=160
℃)の3重量%溶液を用い、加熱温度を100℃とする
他は実施例1と同様な操作によって、リブ付セパレータ
のガス流路の撥水化処理を行った。
【0029】(比較例1)撥水化処理に用いるディップ
コート用液体として、水にて0.5重量%に希釈したP
TFEの分散液を用い、加熱温度を300℃とする他は
実施例1と同様な操作によって、リブきセパレータのガ
ス流路の撥水化処理を行った。
【0030】(比較例2)比較例1の操作を3回繰り返
すことにより、リブ付セパレータのガス流路に厚手の撥
水化層を被覆した。
【0031】実施例1〜3、比較例1、2の撥水化処理
を行ったリブ付セパレータについて、それぞれ塗布層の
一部を削り取って触針式の膜厚計により塗布層厚みを測
定した。また、ルーペにより直径0.1mm以上の凝集
体「だま」の数を数え、溝1本当り、長さ5cmでの平
均の数を求めた。
【0032】次に、これら実施例及び比較例の各リブ付
セパレータを用いて、該リブ付セパレータと電極−膜接
合体を交互に配列し、全体を締め付けることにより全体
が5セルからなる燃料電池スタックを組み立てた。かか
る燃料電池スタックに対して、セル温度70℃、常圧に
て水素および空気を供給して0.5A/cmの定電流
駆動で連続運転を行った。下記の表1に塗布層厚み、
0.1mm以上の凝集体の数、セル電圧の経時変化を示
す。
【0033】上記表1から明らかな如く、実施例1〜3
の電池セルは塗布層の厚みがいずれも1μm程度であ
り、凝集体は観察されなかった。また、セル電圧の経時
変化も1000時間で1〜2mV程度であった。
【0034】これに対し、比較例1は塗布層厚みが1.
4μmであり、観察された凝集体の数も少なかったが、
1000時間の運転でセル電圧が15mVも低下した。
また、PTFE分散液を複数回塗布した比較例2では、
1000時間でのセル電圧の低下幅は5mV程度と比較
例1に比し改善されたが、ガス流路に観察される凝集体
の数が増加し、セル電圧も全体として低い値であった。
【0035】
【発明の効果】本発明の低温作動型高出力燃料電池にお
いては、リブ付セパレータのリブの側面および/または
底面を、イオン交換基を実質上有しない溶媒可溶性含フ
ッ素重合体の溶液を使用して得られた該フッ素重合体で
被覆したことにより、ガス流路たるリブにおける界面活
性剤の除去が不要であり、かつ「だま」を発生すること
なく該リブに撥水性を付与することが可能である。よっ
て、本発明の低温作動型燃料電池では高出力を安定して
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リブ付セパレータの外観を示す斜視図である。
【図2】リブ付セパレータの部分断面斜視図である。
【符号の説明】
1 リブ付セパレータ 2 空気供給口 2’空気排出口 3 水素供給口 3’水素排出口 4 冷却水供給口 4’冷却水排出口 5 リブ側面 6 リブ底面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺園 真二 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 鵜木 正夫 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質膜とこの膜の両面に接合された電
    極とからなる電極−膜接合体と、この電極−膜接合体と
    表面に複数のリブを有するセパレータとで構成された低
    温作動型燃料電池において、上記複数のリブの間隙に面
    するセパレータの表面がイオン交換基を実質上有しない
    溶媒可溶性含フッ素重合体の溶液を使用して得られた該
    フッ素重合体で被覆されてなることを特徴とする低温作
    動型燃料電池。
  2. 【請求項2】 イオン交換基を実質上有しない含フッ素
    重合体が、脂肪族環構造を有するパーフルオロカーボン
    重合体である請求項1記載の低温作動型燃料電池。
  3. 【請求項3】 イオン交換基を実質上有しない含フッ素
    重合体が、非アクリル系の部分フッ素化された重合体で
    ある請求項1または2記載の低温作動型燃料電池。
JP8184262A 1996-06-26 1996-06-26 低温作動型燃料電池 Pending JPH1012250A (ja)

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JP8184262A JPH1012250A (ja) 1996-06-26 1996-06-26 低温作動型燃料電池

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