JPH1012241A - リチウムイオン二次電池用負極材料 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極材料

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JPH1012241A
JPH1012241A JP8181177A JP18117796A JPH1012241A JP H1012241 A JPH1012241 A JP H1012241A JP 8181177 A JP8181177 A JP 8181177A JP 18117796 A JP18117796 A JP 18117796A JP H1012241 A JPH1012241 A JP H1012241A
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graphite
negative electrode
carbon
electrode material
discharge
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JP8181177A
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Kenji Fukuda
憲二 福田
Tatsuo Umeno
達夫 梅野
Yoichiro Hara
陽一郎 原
Koji Sakata
康二 坂田
Mamoru Honda
守 本田
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Mitsui Mining Co Ltd
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Mitsui Mining Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期放電効率が高く、かつヒューエルゲージ
効果を示すリチウムイオン二次電池用負極材料を提供す
る。 【解決手段】 平均粒子径が50μm以下の黒鉛粒子の
核の表面を化学蒸着処理することにより炭素材料で覆っ
て黒鉛ー炭素複合材としたものであって、その最大粒子
径が200μm以下、比表面積が1m2/g以下、且つ
平衡吸着水分量が0.3wt%以下のもので負極材料を
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大容量かつ高電位で
充放電サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用
負極材料に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型軽量化に伴い、電池の高
エネルギー密度化が要求され、また省資源の面からも繰
り返し充放電可能な二次電池の開発が急務になってい
る。この要求に答えるものとして、高エネルギー密度、
軽量小型かつ充放電サイクル特性に優れたリチウムイオ
ン二次電池が提案されている。リチウムイオン二次電池
はリチウム金属二次電池の有する急速充電性に劣る問
題、サイクル寿命が短い問題、デンドライトの生成に起
因する安全性欠如の問題等の諸問題を解決するために開
発されたものである。
【0003】従来、リチウム金属二次電池においては負
極に金属リチウムが用いられていたが、リチウムイオン
二次電池においては炭素材料を負極に用いることで上記
の問題の解決が図られている。
【0004】即ち、リチウム化合物を正極とし、炭素材
料や黒鉛材料を負極として充電を行うと、負極ではリチ
ウムイオンが炭素材料や黒鉛材料にドーピングされ、い
わゆる炭素ーリチウム層間化合物、或は黒鉛ーリチウム
層間化合物が形成される。
【0005】一方、放電時には、層間よりリチウムイオ
ンが脱ドーピングし、リチウムイオンは再び正極のリチ
ウム化合物と結合する。上記サイクルを繰り返すことに
より、充放電可能な電池が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】リチウムイオン二次電
池の負極材料として黒鉛を用いる場合、充電時には炭素
原子6個に対しリチウム原子1個の割合でドーピングさ
れた黒鉛ーリチウムイオン層間化合物が形成される。こ
のとき炭素重量あたりの理論放電電気容量は372mA
・h/gである。しかしながら市販されているリチウム
イオン二次電池に用いられている黒鉛負極材料の電気容
量は250〜300mA・h/gであり、理論放電量の
約70〜80%しか活用されていない。また、この放電
量は初期充電量の60〜70%である。このため、初期
放電効率のより高い負極材料の開発が切望されている。
【0007】更には黒鉛系の負極材料は電位が平坦であ
るため、大きなエネルギーが取り出せるものの、ある電
位になると急速に電圧が低下することから、残存容量を
予測し難い。この問題を避けるため、炭素系負極材料の
ような残存放電容量の指数となるヒューエルゲージ効果
を持つ黒鉛系負極材料の開発が切望されている。そこで
本発明においては負極として用いる黒鉛材料を改良し、
初期放電効率を高めることにより、大きな放電容量を有
し、かつヒューエルゲージ効果を示す、リチウムイオン
二次電池用負極材料を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】即ち、本発明者らはリチウムイオン二次電
池の不可逆容量の発現する原因について研究した結果、
不可逆容量の発現する原因は主に負極を構成する炭素材
料の表面における溶剤の電気分解に起因することを見出
した。溶剤の電気分解は負極を構成する炭素材料を触媒
として起きると考えられ、負極材料を溶媒の電気分解に
対して不活性な構造とすることにより、不可逆容量の発
現を抑制出来ると考えた。そのためには負極炭素材料の
比表面積を出来るだけ小さくすることが望ましい。
【0009】一般に、比表面積は粒子径が大きくなると
低下し、不可逆容量も低下するが、粒子径が大きくなる
と充電容量が低下し、リチウムイオン二次電池の放電容
量は小さなものとなる。充電容量を大きくし、かつ同時
に充放電密度を大きくするためには炭素材料の粒子径は
小さいほど好ましい。この矛盾する要求を本発明者らは
黒鉛微粒子を複合化して負極炭素材料とすることにより
解決したものである。
【0010】即ち、充電容量の大きな黒鉛粒子を核と
し、該黒鉛粒子の表面を化学蒸着処理することにより、
その表面に比表面積の小さな熱分解炭素を被覆させて得
られる黒鉛ー炭素複合材は、大きな充電量と高い初期放
電効率を持つため、大きな可逆的放電容量を持ち得るこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、平均粒子径50μm以下の黒鉛粒子の核と、化学
蒸着処理法により該黒鉛粒子の表面を被覆した炭素層と
よりなる黒鉛ー炭素複合材であり、該黒鉛ー炭素複合材
の比表面積が1m2/g以下であり、且つ平衡吸着水分
量が0.3wt%以下であることを特徴とするリチウム
イオン二次電池用負極材料であり、黒鉛粒子の平均粒子
径と平均厚さとの割合が5以上であること、黒鉛粒子が
天然黒鉛の粉砕物であること、黒鉛粒子が膨張黒鉛の粉
砕物であることを含む。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のリチウムイオン二次電池
の負極材料に用いられる炭素材料は、黒鉛粒子からなる
核とそれらと結合する炭素材からなる黒鉛ー炭素複合材
である。
【0013】黒鉛粒子は天然黒鉛あるいは人造黒鉛をジ
ェットミル、ターボミル、マイクロミル、超音波等で乾
式若しくは湿式法により粉砕した物が好ましい。粉砕方
法は限定されないが、粉砕された黒鉛が立方体や球に近
い形状のものよりもアスペクト比が大きい板状あるいは
薄片状のものが好ましい。このためには、粉砕時に黒鉛
にシェアがかかる粉砕方法が好ましい。好ましい黒鉛粒
子のアスペクト比は5〜300である。アスペクト比が
5未満の場合は充電容量が小さくなる。またアスペクト
比が300を越える場合は、負極材料として求められる
電気的性能には問題がないが、電極調製時の溶媒吸収量
が大きいことや、嵩密度が小さいため電極の高密度化が
困難となる等の不都合がある。
【0014】上記の方法等で粉砕された黒鉛粒子の好ま
しい平均径は50μm以下で、より好ましくは1〜25
μmである。黒鉛粒子の平均径が50μmを超えると充
電容量が小さくなり、また黒鉛粒子径が1μm未満の場
合、初期放電効率を高めることが困難で、更に化学蒸着
処理時間が長くなるという不都合があり、好ましくな
い。
【0015】熱分解炭素による黒鉛粒子の表面被覆方法
としては、黒鉛粒子を加熱しながらそこに有機物の蒸気
を導入し、黒鉛表面で有機物蒸気を炭化沈積させる、い
わゆる化学蒸着処理法を用いることができる。
【0016】黒鉛ー炭素複合材の粒子径は、最大200
μm以下とすることが好ましい。200μmを超える粒
子径の黒鉛ー炭素複合材の内部にもリチウムイオンは粒
子間隙を浸透した溶媒を介して浸透拡散することができ
る。しかし、粒子径が200μmを超えると電極の高密
度化、均質化、薄層化が困難になり好ましくない。従っ
て、より好ましい黒鉛ー炭素複合材の最大粒子径は10
0μm以下である。
【0017】化学蒸着処理により、黒鉛表面に0.1〜
2μmの炭素層が形成されて黒鉛粒子径は増加するが、
同時に炭素層を結合材として黒鉛粒子間で一部二次粒子
化が起き、粒子径が20μmの黒鉛粒子を用いても黒鉛
ー炭素複合材の最大粒子径は200μmになることもあ
る。
【0018】黒鉛ー炭素複合材の比表面積は1m2/g
以下が好ましく、特に好ましくは0.5m2/g以下で
ある。比表面積が1m2/gを超える場合、初期放電効
率が低いものとなる。
【0019】化学蒸着処理温度は700〜1300℃と
することが好ましい。
【0020】処理温度が700℃未満であると炭素自体
の電気抵抗が大きくなり、また初期放電効率が低く、黒
鉛ー炭素複合材の初期放電効率も低くなり、好ましくな
い。また、黒鉛ー炭素複合材の初期放電効率は化学蒸着
処理温度が高くなるに伴い大きくなるが、同時に炭素の
充電容量、放電容量ともに低下するので好ましくない。
最も好ましい処理温度は900〜1000℃である。
【0021】化学蒸着処理の熱分解炭素源として用いら
れる有機物は、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレ
ン、エチルベンゼン、ジフェニルメタン、ジフェニル、
ナフタレン、フェノール、クレゾール、ニトロベンゼ
ン、クロロベンゼン、インデン、クマロン、ピリジン、
アントラセン、フェナントレン等、もしくはこれらの混
合物、更にはタール蒸留工程で得られるガス軽油、クレ
オソート油、アントラセン油、ナフサ分解タール油、更
にはアセチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレ
ン、ブタジエン等を用いることができる。
【0022】これらの方法で得られた黒鉛ー炭素複合材
は比表面積が小さいことに由来して平衡吸着水分量が小
さく、その値は0.3wt%以下である。平衡吸着水分
量が0.3wt%を超える場合は、初期放電効率の改善
に顕著な効果はない。平衡吸着水分量が0.3%以下で
は、初期放電効率は急速に増大し、特に平衡吸着水分量
が0.2wt%では初期放電効率は90%以上となる。
【0023】また、付加的な効果として黒鉛ー炭素複合
材は黒鉛と炭素双方の充放電パターンを複合する結果、
従来の黒鉛系負極材には無かった炭素特有のヒューエル
ゲージ効果を賦与し、黒鉛材料としては新たな特性を持
つことができる。
【0024】本発明においては、このようにして製造し
た黒鉛ー炭素複合材をリチウムイオン二次電池用負極材
料として用いるものである。
【0025】上記黒鉛ー炭素複合材を用いてリチウムイ
オン二次電池の負極を調製する方法は特に限定されない
が、例えば上記複合材にバインダーと溶剤とを加えて充
分に混練後、金属メッシュ等の集電体に圧着して負極と
することができる。バインダーとしては、例えば各種の
ピッチ、ポリテトラフルオロエチレン等の公知の材料を
用いることができる。なかでも、ポリビニリデンフルオ
ライド(PVDF)、エチレンプロピレンジエンポリマ
ー(EPDF)が好ましい。
【0026】正極材料は特に限定されないが、LiCo
2,LiNiO2,LiMn24等のリチウム含有酸化
物等が好ましい。粉末状の正極材料は、バインダー以外
に、必要に応じて導電材、溶剤等を加えて充分に混練
後、集電材と成型して製造できる。
【0027】セパレーターについても特に制限はなく、
公知の材料を適宜利用できる。
【0028】電解溶媒として用いる非水溶媒としては、
リチウム塩を溶解する公知の非プロトン性低誘電率の溶
媒が好ましい。例えば、エチレンカーボネイト、プロピ
レンカーボネイト、ジエチレンカーボネイト、アセトニ
トリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、γー
ブチロラクトン、2ーメチルテトラヒドロフラン、1,
3ージオキソラン、4ーメチルー1,3ージオキソラ
ン、1,2ージメトキシエタン、1,2ージエトキシエ
タン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラ
ン、ニトロメタン、N,Nージメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド等の溶媒を単独で、又は2種以上の
溶媒を混合して用いることができる。
【0029】電解質として用いられるリチウム塩は、L
iClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、Li
B(C654、LiCl、LiBr、CH3SO3
i、CF3SO3Li等が好ましく、これらの塩を単独、
又は混合して使用してもよい。
【0030】なお、各物性値は以下の方法によって測定
した。
【0031】嵩密度:解砕して乾燥した試料を50ml
のガラス製メスシリンダーに入れ、軽くタッピングして
試料の容積がほとんど変化しなくなったときの試料容量
を測定し、試料重量を試料容量で除した値を嵩密度とし
た。
【0032】真比重:ブタノール置換法により測定し
た。
【0033】結晶格子定数C(002)、結晶子の大きさL
C(002):東芝(株)製X線回折装置XCー40Hを用
い、Cu−Kα線をNiで単色化し、高純度シリコンを
標準物質として学振法で結晶格子定数C(002)、及び結
晶子の大きさLC(002)を測定した。
【0034】厚み:日本電子(株)製JSMー5300
走査型電子顕微鏡で試料を観察し、その厚みと最大粒子
長を測定した。
【0035】平均粒子長、及び最大粒子長:日本電子
(株)製JSMー5300走査型電子顕微鏡で観察した
画像をニコレ(株)製画像解析装置ルーゼックスIII
Uで解析して求めた。
【0036】比表面積:島津製作所(株)製ガス吸着試
験装置ソープトグラフADS−1Bを用い、アセトンー
ドライアイス温度での炭酸ガスの吸着量からBET法に
よって求めた。
【0037】平衡吸着水分量:タバイエスペック(株)
製小型環境試験機を用い、温度20℃、湿度95%の条
件下、試料が水分を吸着して、その重量が平衡に達した
時の値より求めた。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0039】(実施例1)増幸産業(株)製MKZAー
10ー15型マイクログラインダーを用い、以下の条件
で中国産鱗片状天然黒鉛を湿式で磨砕し、黒鉛粒子を得
た。
【0040】グラインダー:MKGS80 グラインダー間クリアランス:20μm グラインダー回転数1200rpm 得られた黒鉛粒子の性状は、嵩密度が0.148g/c
3、真比重が2.15、結晶格子定数C0(002)が0.
671nm、結晶子の大きさLc(002)が100nm以
上、厚み平均が1.0μm、平均粒子長が18.4μ
m、平均アスペクト比が18.4、最大粒子径が65μ
m、平衡吸着水分量が0.56wt%、表面積が2.3
2/gであった。
【0041】この黒鉛粒子を950℃に加熱しながらベ
ンゼン蒸気を導入することにより、CVD処理を150
分間行い、黒鉛ー炭素材複合材を得た。黒鉛ー炭素複合
材中の炭素材含有量は33.3wt%であった。この複
合材の平均粒子径は27.9μm、平衡吸着水分量は
0.05wt%、比表面積は0.8m2/gであった。
【0042】このようにして調製した複合材のリチウム
イオン二次電池用負極材料としての性能を検討するため
に、黒鉛ー炭素複合材を正極、金属リチウムを負極とす
る非水溶媒電池を作成して充放電試験を行い、黒鉛ー炭
素複合材からなる正極へのリチウムイオンのドーピング
(インタカレーション)と、脱ドーピング(ディスイン
ターカレイション)容量を測定した。
【0043】黒鉛ー炭素複合材で構成した正極は以下の
方法で調製した。黒鉛ー炭素複合材40重量部にバイン
ダーとしてエチレンプロピレンヂモノマー1重量部と少
量のジメチルホルムアミドを加えてよく混合することに
よりペースト状にし、円形のステンレスメッシュ(2.
5cm2)に1ton/cm2で加圧成型した。次いで2
00℃で2時間真空乾燥して正極とした。
【0044】負極には金属リチウムを用いた。
【0045】電解溶媒はエチレンカーボネイトとジメチ
ルカーボネイトとの混合溶媒(体積比1:2)で、電解
質にはLiPF6を用い、濃度は1.0mol/lに調
製した。
【0046】セパレーターに多孔質ポリプロピレン不織
布を用い、グラスファイバー濾紙に電解液を含浸させ、
アルゴン雰囲気下でコイン型セルを作成し、充電、放電
時の電流密度を0.4mA/cm2とし、充放電試験を
行った。
【0047】初期充電量は390mA・h/gであっ
た。放電は1.5Vでカットしてサイクル試験をおこな
ったが、1サイクル目の放電量は366mA・h/gで
あり、初期放電効率(放電量/充電量×100%)は9
3.8%であった。3サイクル目から放電量は355m
A・h/gで安定した。60サイクルの試験を行った
が、60サイクル目までは放電量の低下は認められなか
った。
【0048】1サイクル目の充放電曲線を図1に示す。
図1から、0.2V以上の領域で放電曲線の勾配が緩や
かになり、ヒューエルゲージ効果が認められる。
【0049】(実施例2)中国産鱗片状天然黒鉛を濃硫
酸9部、濃硝酸1部(容量基準)の混酸に2時間浸漬し
た後、酸を濾別し、さらに洗液がpH6になるまで洗浄
した。上記酸処理黒鉛を乾燥後、800℃で加熱膨張処
理を行い、膨張黒鉛を得た。この膨張黒鉛を水を媒体と
して、23MHzの超音波で処理し、薄片状の黒鉛粒子
を得た。得られた黒鉛粒子の性状は、嵩密度が0.15
g/cm3、真比重が2.20、結晶格子定数C0(002)
が0.671nm、結晶子の大きさLc(002)が68nm
以上、厚み平均が0.14μm、平均粒子径が23.1
μm、平均アスペクト比が165、最大粒子径が45μ
m、平衡吸着水分量が0.45wt%、表面積が7.9
2/gであった。
【0050】この黒鉛粒子を900℃で加熱し、プロピ
レンを流しながら120分間化学蒸着処理を行い、黒鉛
ー炭素複合材を得た。黒鉛ー炭素複合材中の炭素材含有
量は10.2wt%であった。この黒鉛ー炭素複合材の
平均粒子径は29.6μm、平衡吸着水分量は0.18
wt%、比表面積は0.4m2/gであった。
【0051】初期充電量は381mA・h/gであっ
た。放電は1.5Vでカットしてサイクル試験をおこな
ったが、1サイクル目の放電量は345mA・h/gで
あり、初期放電効率(放電量/充電量×100%)は9
0.6%であった。3サイクル目から放電量は342m
A・h/gで安定した。60サイクルの試験を行った
が、60サイクル目までの放電量の低下は認められなか
った。
【0052】(比較例1)実施例1と同様にして中国産
天然黒鉛をマイクログラインダーで磨砕して得られた黒
鉛粒子を用い、これをCVD処理することなく、そのま
ま実施例1と同様の方法で加圧成型し、正極を調製し
た。さらに、実施例1と同様の方法でコイン型セルを作
成し、実施例1と同様の方法で充放電試験を行った。
【0053】初期充電量は433mA・h/gであっ
た。放電は1.5Vでカットしてサイクル試験をおこな
ったが、1サイクル目の放電量は278mA・h/gで
あり、初期放電効率(放電量/充電量×100%)は6
3.0%であった。3サイクル目から放電量は262m
A・h/gでほぼ一定になった。
【0054】(比較例2)実施例2とで用いた薄片状の
黒鉛粒子を用い、これをCVD処理することなく、その
まま実施例1と同様の方法で加圧成型し、正極を調製し
た。さらに、実施例1と同様の方法でコイン型セルを作
成し、実施例1と同様の方法で充放電試験を行った。
【0055】初期充電量は425mA・h/gであっ
た。放電は1.5Vでカットしてサイクル試験を行った
が、1サイクル目の放電量は264mA・h/gであ
り、初期放電効率(放電量/充電量×100%)は5
6.4%であった。3サイクル目から放電量は240m
A・h/gでほぼ一定になった。
【0056】
【発明の効果】リチウムイオン二次電池の負極材料とし
て用いられる炭素材料がC6Liなる理論値通りの黒鉛
ーリチウム層間化合物を形成するためには、黒鉛の結晶
性は極めて高いことが望まれる。且つ、迅速な充電が行
われるためには、炭素材料は微粒子であり、しかも外表
面積ができる限り大きいことが望まれる。しかし、微粒
子であって、しかも外表面積が大きい黒鉛粒子を負極材
料として用いた場合、初期放電効率は低いものであっ
た。これに対し、本発明の負極材料は黒鉛粒子を核と
し、これに炭素材を結合させて黒鉛ー炭素複合材化する
もので、この構成により黒鉛粒子の有する迅速な充放電
特性と、高い初期放電効率を合わせ持つことができるも
のである。この負極材料は、黒鉛ーリチウム層間化合物
の理論放電容量にほぼ等しい放電容量を具備した、高性
能のものである。
【0057】さらに、本負極材料は、ヒューエルゲージ
効果を有し、これは残存放電容量を示す指標となる好ま
しい性質のものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の負極材料を正極に、リチウムを負極に
用いた負極材料評価用ハーフセルの充放電試験における
1サイクル目の充放電曲線を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂田 康二 東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号 三井鉱山株式会社内 (72)発明者 本田 守 福岡県大牟田市合成町1番地 三井鉱山化 成株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径50μm以下の黒鉛粒子の核
    と、化学蒸着処理法により該黒鉛粒子の表面を被覆した
    炭素層とよりなる黒鉛ー炭素複合材であり、該黒鉛ー炭
    素複合材の比表面積が1m2/g以下であり、且つ平衡
    吸着水分量が0.3wt%以下であることを特徴とする
    リチウムイオン二次電池用負極材料。
  2. 【請求項2】 黒鉛粒子のアスペクト比が5以上である
    請求項1に記載の負極材料。
  3. 【請求項3】 黒鉛粒子が天然黒鉛の粉砕物である請求
    項1又は2に記載の負極材料。
  4. 【請求項4】 黒鉛粒子が膨張黒鉛の粉砕物である請求
    項1又は2に記載の負極材料。
JP8181177A 1996-06-21 1996-06-21 リチウムイオン二次電池用負極材料 Pending JPH1012241A (ja)

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Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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