JPH10122012A - スロットル制御装置 - Google Patents

スロットル制御装置

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JPH10122012A
JPH10122012A JP8279671A JP27967196A JPH10122012A JP H10122012 A JPH10122012 A JP H10122012A JP 8279671 A JP8279671 A JP 8279671A JP 27967196 A JP27967196 A JP 27967196A JP H10122012 A JPH10122012 A JP H10122012A
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英夫 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロックアップ機構の締結/解除状態に関わら
ず、アクセル操作に対する駆動軸トルク(車両前後加速
度)の高収束性と高応答性を両立させる。 【解決手段】 ロックアップ機構(L/U)の締結
(L)/解除(R)状態に応じて、アクセル開度に対す
る駆動軸トルクまたは車両前後加速度の伝達特性を目標
伝達特性とするための位相補償器9Bを有効状態(o
n)または無効状態(off)にする。これにより、ロ
ックアップ機構の締結/解除状態に関わらず、駆動系が
ガクガクとする振動が抑止されるとともに、駆動軸トル
クまたは車両前後加速度の速応性が向上し、アクセル操
作に対する駆動軸トルクまたは車両前後加速度の高収束
性と高応答性を両立させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクセルペダルか
ら機械的な連結機構を介さずにスロットルバルブの開閉
を行なうスロットルアクチュエータの制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アクセルペダルから機械的な連結機構を
介さずにスロットルバルブの開閉を行なうスロットルア
クチュエータの制御装置が知られている(例えば、特開
平3−271537号公報参照)。
【0003】自動車には、アクセルペダルを踏込んだ時
または開放した時に、ドライブシャフトのねじれなどに
起因して駆動系にガクガクとした振動が発生することが
ある。従来のスロットル制御装置では、アクセル操作に
対する駆動軸トルクまたは車両の前後方向の加速度の速
応性を損わずにこのようなガクガク振動を抑制し、アク
セル操作に対する駆動軸トルクまたは車両前後加速度の
収束性と応答性を両立させている。
【0004】この制御技術をさらに具体的に説明する
と、実験により求めたスロットル開度θtに対する駆動
軸トルクTdの伝達特性Gp(s)と、アクセル開度θ
aに対する駆動軸トルクTdの目標伝達特性Gm(s)
はそれぞれ、
【数1】 Gp(s)=Td(s)/θt(s) =H・ωp2・exp(−Ls)/(s2+2・ζp・ω
p・s+ωp2), Gm(s)=Td(s)/θa(s) =H・ωm2・exp(−Ls)/(s2+2・ζm・ω
m・s+ωm2) ここで、ωp、ωmは駆動系の固有振動数、ζp、ζm
は減衰係数、sはラプラス演算子、Hは定常特性、Lは
無駄時間要素である。また、伝達特性Gp(s)は自車
両の固有の伝達特性である。
【0005】さらに、数式1の伝達特性Gp(s)とG
m(s)を用いて、アクセル開度に対する駆動軸トルク
の収束性と応答性を改善した位相補償特性W(s)を求
める。
【数2】 W(s)=Gm(s)/Gp(s) =ωm2(s2+2・ζp・ωp・s+ωp2)/{ωp2
(s2+2・ζm・ωm・s+ωm2)}
【0006】この特性W(s)によりアクセル開度θa
の位相補償を行なってスロットル開度指令値θt-comを
求め、実際のスロットル開度θtが指令値θt-comに一致
するようにスロットルアクチュエータを制御している。
位相補償特性W(s)は、駆動系の実際の振動特性を示
す伝達特性Gp(s)を打消し、アクセル開度θaに対
する駆動軸トルクTdまたは車両前後加速度の伝達特性
が目標特性Gm(s)となるように働くので、収束性と
応答性を両立できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のスロットル制御装置をロックアップ機構付トル
クコンバータを備えた駆動系(自動変速機構)に用いる
と、ロックアップ解除中にアクセル操作に対する駆動軸
トルク(車両前後加速度)の応答性が緩慢になり過ぎる
という問題がある。
【0008】一般に車両には、ロックアップ締結中はア
クセル操作に対して駆動軸トルクにガクガクとした振動
が発生しやすく、ロックアップ解除中はトルクコンバー
タがダンパーとなるのでガクガクとした振動が発生しに
くいという特性がある。したがって、従来装置による制
御をロックアップ機構の締結/解除状態に関わらず常に
作動させると、ロックアップ締結中はガクガク振動が抑
制されて速い応答性を実現できるが、ロックアップ解除
中は位相補償器の効果によりアクセル操作に対する駆動
軸トルクまたは車両前後加速度の応答性が緩慢になり過
ぎる。
【0009】本発明の目的は、ロックアップ機構の締結
/解除状態に関わらず、アクセル操作に対する駆動軸ト
ルクまたは車両前後加速度の高収束性と高応答性を両立
させたスロットル制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1) 請求項1の発明は、アクセル開度を検出するア
クセル開度検出手段と、スロットル開度を検出するスロ
ットル開度検出手段と、スロットル開度に対する駆動軸
トルクまたは車両前後加速度の自車両固有の伝達特性を
打消して、アクセル開度に対する駆動軸トルクまたは車
両前後加速度の伝達特性を目標伝達特性とするための位
相補償器を有し、アクセル開度検出値に位相補償処理を
施してスロットル開度指令値を演算するスロットル開度
指令値演算手段と、スロットル開度検出値がスロットル
開度指令値に一致するようにスロットルアクチュエータ
を制御するスロットル制御手段とを備えたスロットル制
御装置に適用され、ロックアップ機構付トルクコンバー
タのロックアップ締結/解除状態に応じて位相補償器を
有効状態または無効状態にする位相補償器制御手段を備
える。 (2) 請求項2のスロットル制御装置は、位相補償器
制御手段によって、ロックアップ締結中は位相補償器を
有効状態とし、ロックアップ解除中は位相補償器を無効
状態とする。 (3) 請求項3のスロットル制御装置は、位相補償器
制御手段によて、位相補償器の入出力差が所定値以下に
なってから位相補償器を有効状態から無効状態に切り換
える。 (4) 請求項4のスロットル制御装置は、位相補償器
をコンピュータのソフトウエア形態で構成したディジタ
ルフィルタとし、位相補償器制御手段によってディジタ
ルフィルタの定数を変更して位相補償器を有効状態また
は無効状態に切り換える。
【0011】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明によれば、ロックアップ機構の
締結/解除状態に応じて、アクセル開度に対する駆動軸
トルクまたは車両前後加速度の伝達特性を目標伝達特性
とするための位相補償器を有効状態または無効状態にす
るようにしたので、ロックアップ機構の締結/解除状態
に関わらず、駆動系がガクガクとする振動が抑止される
とともに、駆動軸トルクまたは車両前後加速度の速応性
が向上し、アクセル操作に対する駆動軸トルクまたは車
両前後加速度の高収束性と高応答性を両立させることが
できる。 (2) 請求項2の発明によれば、ロックアップ締結中
は位相補償器を有効状態とし、ロックアップ解除中は位
相補償器を無効状態としたので、ロックアップ締結中の
みならずロックアップ解除中にもアクセル操作に対する
駆動軸トルクまたは車両前後加速度の高収束性と高応答
性を両立させることができる。 (3) 請求項3の発明によれば、位相補償器の入出力
差が所定値以下になってから位相補償器を有効状態から
無効状態に切り換えるようにしたので、切換時の位相補
償器出力に段差が発生せず、駆動軸トルクおよび車両前
後加速度を滑らかに推移させることができる。 (4) 請求項4の発明では、位相補償器をコンピュー
タのソフトウエア形態で構成したディジタルフィルタと
し、ディジタルフィルタの定数を変更して位相補償器を
有効状態または無効状態に切り換えるようにした。無効
状態ではディジタルフィルタの定数が初期化されてお
り、その状態から定数を変更して有効状態に切り換える
と位相補償器出力に段差が発生せず、連続的に速やかに
切り換えることができるので、駆動軸トルクおよび車両
前後加速度を滑らかに推移させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は一実施の形態の構成を示
す。アクセルセンサ1は乗員が操作するアクセルペダル
の開度θaを検出し、エンジン回転数センサ2はエンジ
ン回転数Neを検出する。スロットルアクチュエータ3
は、エンジン4の吸入空気量を調節するためのスロット
ルバルブをDCモータなどにより開閉する。このスロッ
トルアクチュエータ3には、スロットルバルブ開度θt
を検出するスロットルセンサ3aが設置されている。ト
ルクコンバータ5はロックアップ機構付であり、燃費向
上のために低負荷域でロックアップ締結状態とされる。
ロックアップ完全締結中はロックアップクラッチのみか
ら自動変速機6にトルクが伝達され、ロックアップ完全
解除中はトルクコンバータのみから自動変速機6にトル
クが伝達される。そして、ドライブシャフトを介して駆
動輪7が駆動される。
【0013】自動変速機コントローラ8は、トルクコン
バータ5の変速機構とロックアップ機構を駆動制御する
とともに、ロックアップ機構の締結/解除状態と変速ギ
ア位置の情報をスロットルコントローラ9へ送る。
【0014】スロットルコントローラ9は、マイクロコ
ンピュータとその周辺部品から構成され、スロットルア
クチュエータ3を駆動制御する。このスロットルコント
ローラ9は、マイクロコンピュータのソフトウエア形態
により演算制御ブロック9A〜9Fを構成する。9Aは
変換部であり、エンジン回転数Neとエンジン非線形定
常特性マップにより、アクセル開度θaをエンジントル
ク指令値Te1に変換する。9Bは上述したロックアッ
プ締結時のガクガク振動を防止するための位相補償器で
あり、マイクロコンピュータによるディジタルフィルタ
で構成され、エンジントルク指令値Te1を位相補償処
理してエンジントルク指令値Te2を出力する。9Cは
変換部であり、エンジン回転数Neとエンジン非線形定
常特性マップにより、エンジントルク指令値Te2をス
ロットル開度指令値θt-comに変換する。
【0015】さらに、9Dはスロットル開度制御部であ
り、スロットルセンサ3aにより検出されたスロットル
バルブ開度θtがその指令値θt-comに一致するようにフ
ィードバック制御し、制御結果に基づいてスロットルア
クチュエータ3のDCモータのPWMデューティー比を
演算する。9Eはモータ駆動回路であり、演算結果のP
WMデューティー比にしたがってスロットルアクチュエ
ータ3のDCモータを駆動する。9Fは演算部であり、
位相補償器9Bの入力と出力の差を演算する。9Gは制
御部であり、ロックアップの締結/解除状態と位相補償
器9Bの入出力差とに基づき、位相補償器9Bのディジ
タルフィルタの定数を変更することによって、位相補償
器9Bを有効状態と無効状態に切り換える。
【0016】次に、図2により、一実施の形態の動作を
説明する。スロットルコントローラ9のマイクロコンピ
ュータは、所定時間間隔、この実施の形態では10ms
ごとに図2に示す処理を実行する。ステップ1におい
て、アクセルセンサ1によりアクセル開度θaを、エン
ジン回転数センサ2によりエンジン回転数Neを、スロ
ットルセンサ3aからスロットルバルブ開度θtをそれ
ぞれ計測する。続くステップ2で、自動変速機コントロ
ーラ8から変速ギア位置情報とロックアップ締結/解除
情報を入力する。なお、自動変速機コントローラ8で
は、アクセル開度と車速に基づいて変速ギア位置とロッ
クアップ機構の締結/解除を制御する。
【0017】図3にロックアップ制御例を示す。図にお
いて、横軸は車速を表わし、縦軸はアクセル開度を表わ
す。また、3は変速ギアの第3速におけるロックアップ
解除位置を表わし、4は第4速におけるロックアップ解
除位置を表わす。さらに3L/Uは第3速におけるロッ
クアップ締結位置を表わし、4L/Uは第4速における
ロックアップ締結位置を表わす。ロックアップ機構の締
結と解除は変速ギア位置の第3速と第4速において行な
い、第3速ではアクセル開度に対して締結/解除の切り
換えヒステリシスを設け、第4速ではアクセル開度と車
速に対して締結/解除の切り換えヒステリシスを設け
る。なお、この実施の形態では第4速をオーバードライ
ブ(OD)とする。
【0018】次にステップ3において、図4aに示すよ
うに、メモリ内に予め記憶したエンジン非線形定常特性
マップ(図4c)とエンジン回転数Neとを用いて、ア
クセル開度θaをエンジントルク指令値Te1に変換す
る。ステップ4では次の基準に基づいて位相補償の実施
判断を行なう。実施の判断基準は基本的にロックアップ
締結中は位相補償器9Bを有効状態として位相補償を行
ない、ロックアップ解除中は位相補償器9Bを無効状態
として位相補償を行なわない。ただし、位相補償器9B
の1サンプル周期前の入出力差の絶対値が所定値α以下
の場合にのみ、有効状態から無効状態への切り換えを許
可する。この所定値αには、切り換え時に位相補償器9
Bの出力が大きく不連続にならない値を設定する。位相
補償制御を行なう場合はステップ5へ進み、位相補償制
御を行なわない場合はステップ8へ進む。
【0019】位相補償制御を行なう場合は、ステップ5
で変速ギア位置を確認し、オーバードライブ(OD)で
あればステップ6へ進み、第3速であればステップ7へ
進む。オーバードライブの場合は、ステップ6で離散時
間系で記述された位相補償特性W(z-1)の各定数にO
D用の定数を設定する。まず、上記数式2に示す連続時
間系の位相補償特性W(s)において、各定数に例えば
次の値を設定する。
【数3】自車両の固有振動数:ωp=34 rad/s
(第3速),ωp=40 rad/s(OD), 自車両の減衰係数:ζp=0, 目標車両の固有振動数:ωm=17 rad/s, 目標車両の減衰係数:ζm=1 自車両の固有振動数ωpは変速ギア位置に応じて異なる
ので、ギアシフトにともなって位相補償器9Bの特性を
切り換える必要がある。なお、自車両の固有振動数ωp
は実験により予め定めておく。
【0020】マイクロコンピュータで処理するために、
数式2の特性W(s)を離散化した位相補償器特性W
(z-1)は、
【数4】W(z-1)=(k1+k2・z-1+k3・
-2)/(1+k4・z-1+k5・z-2) となる。これをさらにプログラミング可能な漸化式に変
形したものが次式である。ただし、位相補償器9Bの入
力をエンジントルク指令値Te1(k)、出力をTe2
(k)とする。また、(k)は現在値を示し、(k−
n)はnサンプル前の値を示す。
【数5】Te2(k)=k1・Te1(k)+k2・Te
1(k−1)+k3・Te1(k−2)−k4・Te2
(k−1)−k5・Te2・(k−2) この位相補償特性W(z-1)の各定数k1〜k5を変速
ギア位置に応じて変更する。
【0021】ステップ6では、これらの定数k1〜k5
にOD状態の固有振動数ωp(この実施の形態では40
rad/s)に対応する値を設定する。一方、ステップ
7では定数k1〜k5に第3速状態の固有振動数ωp
(この実施の形態では34rad/s)に対応する値を
設定する。なお、位相補償制御を行なわない場合は、ス
テップ8で位相補償器9Bを無効状態にするために位相
補償特性W(z-1)の定数[k1,k2,k3,k4,
k5]に[1,0,0,0,0]を設定し、Te2
(k)=Te1(k)とする。
【0022】ステップ9で、ステップ6〜8で設定され
た定数k1〜k5を用いて数式5のディジタルフィルタ
演算を行ない、エンジントルク指令値Te2を算出す
る。続くステップ10では、図4bに示すように、エン
ジン非線形定常特性マップ(図4c)とエンジン回転数
Neとを用いて、エンジントルク指令値Te2をスロッ
トル開度指令値θt-comに変換する。ステップ11にお
いて、実スロットル開度θtがスロットル開度指令値θ
t-comに一致するようにフィードバック制御を行ない、
制御結果に基づいてスロットルアクチュエータ3のDC
モータを駆動するためのPWMデューティー比を演算す
る。そして、演算したPWMデューティー比でスロット
ルアクチュエータ3のDCモータを駆動制御する。
【0023】図5は、ロックアップ締結状態においてア
クセル開度をステップ状に変化させた時のスロットル制
御結果を示す。図において、(a)はアクセル開度とス
ロットル開度TVOの時間変化を示し、(b)は車両の
前後加速度Gの時間変化を示す。また、図中の特性曲線
1は従来のスロットル制御装置による制御結果を示し、
特性曲線2はこの実施の形態による制御結果を示す。さ
らに、特性曲線3は参考までに位相補償制御なしの場合
の特性を示す。ロックアップ締結中にアクセルペダルを
0度から10度までステップ状に踏込んだ場合、位相補
償制御を行なわないと車両前後加速度Gの立上がりが急
俊になり、乗員に衝撃を与えるとともに、車両前後加速
度Gが大きく振動する。この実施の形態および従来の装
置では、位相補償器により車両前後加速度Gの立上がり
が緩やかになって衝撃がなくなるとともに、振動が抑止
される。なお、図5にはアクセル操作に対する車両前後
加速度Gの特性を示したが、アクセル操作に対する駆動
軸トルクTdの特性も車両前後加速度Gと同様な変化と
なる。
【0024】図6は、ロックアップ解除状態においてア
クセル開度をステップ状に変化させた時のスロットル制
御結果を示す。図において、(a)はアクセル開度とス
ロットル開度TVOの時間変化を示し、(b)は車両の
前後加速度Gの時間変化を示す。また、図中の特性曲線
1は従来のスロットル制御装置による制御結果を示し、
特性曲線2はこの実施の形態による制御結果を示す。ロ
ックアップ解除中にアクセルペダルを10度から20度
までステップ状に踏込んだ場合、車両前後加速度は位相
補償制御なしでもトルクコンバータのダンパー効果によ
って緩やかに立上がり、振動しないので、上述した位相
補償制御を行なう必要はない。しかし、ロックアップ機
構付トルクコンバータを備えた自動変速機に従来のスロ
ットル制御装置を用いると、ロックアップ解除中も締結
中と全く同じ位相補償制御を行なうので、スロットル開
度TVOおよび車両前後加速度Gの立ち上がりが緩慢に
なり過ぎ、加速フィーリングを悪化させる。これに対し
この実施の形態では、ロックアップ解除中は位相補償器
を無効状態として位相補償制御を行なわないようにした
ので、スロットル開度TVOおよび車両前後加速度Gの
立ち上がりが速くなり、良好な加速特性が得られる上
に、車両前後加速度Gの振動が発生しない。なお、図6
にはアクセル操作に対する車両前後加速度Gの特性を示
したが、アクセル操作に対する駆動軸トルクTdの特性
も車両前後加速度Gと同様な変化となる。
【0025】このように、この実施の形態ではロックア
ップの締結/解除状態に関わらず、アクセル操作に対す
る駆動軸トルクまたは車両前後加速度の高収束性と高応
答性を両立させることができ、良好な加速特性を実現で
きる。
【0026】図7は、ロックアップ機構の締結/解除の
切り換え時の位相補償器の有効/無効の切り換え制御を
示す図であり、(a)は位相補償器に台形状の信号(エ
ンジントルクTe1に相当)を入力した時の出力(エン
ジントルクTe2に相当)の時間変化を示し、(b)は
ロックアップ機構の締結(L)と解除(R)を示し、
(c)は位相補償器の有効状態(on)と無効状態(o
ff)を示す。上述したように、この実施の形態では、
基本的にロックアップ締結中は位相補償器を有効状態に
して位相補償制御を行ない、ロックアップ解除中は位相
補償器を無効状態にして位相補償制御を行なわない。た
だし、位相補償器を有効状態から無効状態に切り換える
際には、位相補償器の入出力差が所定値α以下になった
ら切り換える。図7の例では、ロックアップ機構が解除
された後、位相補償器の入出力差が所定値以下になった
時点t1において、位相補償器を有効状態から無効状態
に切り換えている。ロックアップ機構の解除直後の過渡
時には位相補償器の入出力差が大きいので、この状態で
無効状態(出力=入力)に切り換えると出力に大きな段
差が生じて制御が不連続になり、駆動軸トルクおよび車
両前後加速度が急激に変化して乗員に衝撃を与える。こ
の実施の形態では位相補償器の入出力差が所定値以下に
なってから無効状態に切り換えるので、位相補償器の出
力に段差が発生せず、駆動軸トルクおよび車両前後加速
度が滑らかに変化する。
【0027】また、この実施の形態ではマイクロコンピ
ュータのソフトウエア形態で位相補償器のディジタルフ
ィルタを構成している。この位相補償器は、無効状態で
は出力=入力であるからディジタルフィルタの内部変数
がすべて初期化されており、その状態から定数を変更し
て有効状態に切り換えるので、位相補償器出力に段差が
発生せず、連続的に速やかに切り換えることができる。
【0028】なお、エンジン非線形定常特性マップ(図
4c)を用いて、アクセル開度をエンジントルクに変換
した後に位相補償制御を施すのは、エンジンの動作点
(スロットル開度、エンジン回転数)に無関係に振動抑
制効果を発揮させるためである。上述した位相補償器は
線形補償器であり、駆動軸トルクおよび車両前後加速度
とできるだけ線形な関係にあるエンジントルクなどの信
号に位相補償制御を施すことによって、常に上記と同様
な効果が得られる。
【0029】以上の一実施形態の構成において、アクセ
ルセンサ1がアクセル開度検出手段を、スロットルセン
サ3aがスロットル開度検出手段を、スロットルコント
ローラ9の演算制御部9A〜9Cがスロットル開度指令
値演算手段を、位相補償器9Bが位相補償器を、スロッ
トルコントローラ9の演算制御部9Fおよび9Gが位相
補償器制御手段をそれぞれ構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】 一実施の形態の動作を示すフローチャートで
ある。
【図3】 ロックアップ制御例を示す図である。
【図4】 エンジン非線形定常特性マップとエンジン回
転数とを用いてスロットル開度からエンジントルクへ変
換する方法と、エンジントルクからスロットル開度へ変
換する方法を説明する図である。
【図5】 ロックアップ締結状態においてアクセル開度
をステップ状に変化させた時のスロットル制御結果を示
す図である。
【図6】 ロックアップ解除状態においてアクセル開度
をステップ状に変化させた時のスロットル制御結果を示
す図である。
【図7】 位相補償器へ台形状の信号を入力した時の位
相補償器出力、ロックアップ機構の締結/解除状態およ
び位相補償器の有効/無効状態を示す図である。
【符号の説明】
1 アクセルセンサ 2 エンジン回転数センサ 3 スロットルアクチュエータ 3a スロットルセンサ 4 エンジン 5 ロックアップ機構付トルクコンバータ 6 自動変速機 7 駆動輪 8 自動変速機コントローラ 9 スロットルコントローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクセル開度を検出するアクセル開度検
    出手段と、 スロットル開度を検出するスロットル開度検出手段と、 スロットル開度に対する駆動軸トルクまたは車両前後加
    速度の自車両固有の伝達特性を打消して、アクセル開度
    に対する駆動軸トルクまたは車両前後加速度の伝達特性
    を目標伝達特性とするための位相補償器を有し、前記ア
    クセル開度検出値に位相補償処理を施してスロットル開
    度指令値を演算するスロットル開度指令値演算手段と、 前記スロットル開度検出値が前記スロットル開度指令値
    に一致するようにスロットルアクチュエータを制御する
    スロットル制御手段とを備えたスロットル制御装置にお
    いて、 ロックアップ機構付トルクコンバータのロックアップ締
    結/解除状態に応じて前記位相補償器を有効状態または
    無効状態にする位相補償器制御手段を備えることを特徴
    とするスロットル制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスロットル制御装置に
    おいて、 前記位相補償器制御手段は、ロックアップ締結中は前記
    位相補償器を有効状態とし、ロックアップ解除中は前記
    位相補償器を無効状態とすることを特徴とするスロット
    ル制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のスロットル制御装置に
    おいて、 前記位相補償器制御手段は、前記位相補償器の入出力差
    が所定値以下になってから前記位相補償器を有効状態か
    ら無効状態に切り換えることを特徴とするスロットル制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの項に記載のス
    ロットル制御装置において、 前記位相補償器をコンピュータのソフトウエア形態で構
    成したディジタルフィルタとし、前記位相補償器制御手
    段は前記ディジタルフィルタの定数を変更して前記位相
    補償器を有効状態または無効状態に切り換えることを特
    徴とするスロットル制御装置。
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