JPH10121301A - おむつ - Google Patents

おむつ

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JPH10121301A
JPH10121301A JP8308108A JP30810896A JPH10121301A JP H10121301 A JPH10121301 A JP H10121301A JP 8308108 A JP8308108 A JP 8308108A JP 30810896 A JP30810896 A JP 30810896A JP H10121301 A JPH10121301 A JP H10121301A
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fastening
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thin
absorber
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Yoshihisa Fujioka
義久 藤岡
Rumi Yamaki
留美 八巻
Yoshio Ono
芳夫 小野
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Unicharm Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 股間部に当たるおむつの中間部の幅を広く形
成して吸収体の量を多くすると、着用者の体の形におむ
つの形状が合わず、股間部において袋状に浮いてしま
う。よって、尿取りパッドを保持できず尿取りパッドが
位置ずれしたり、おむつと着用者の体との間に隙間が生
じて尿や便などが横洩れしてしまう。 【解決手段】 おむつ15の吸収体18を含む積層体に
おむつ15の縦方向に線状に延びる薄肉部23a,23
b,23cを設ける。そして、おむつ15の前面部15
Aから中間部15Bにかけて、前記薄肉部23a,23
bと直交する方向に弾性部材22を設けフロントギャザ
ーGを形成する。このフロントギャザーGは着用者の股
間部に位置し、尿取りパッド8の外形または股間部の形
状に合わせて変形し、尿取りパッド8および股間部に弾
性的にフィットできる。よって、尿取りパッド8の位置
ずれや尿や便などの横洩れを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着用者の体形にフ
ィットできるように装着され、特に尿取りパッドを使用
する場合に、尿取りパッドの位置ずれや横洩れを防止で
きるようにしたおむつに関する。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の使い捨ておむつの正面図で
ある。おむつ1は外面シート2と、液透過性の内面シー
ト3と、両シート間に介在する吸収体4とから成る。前
記外面シート2は外側に向けられるものであるため、尿
が外側に洩れないよう不透液性で且つ通気性のよい樹脂
シートで形成される。また、内面シート3は肌側に向け
られて直接肌と接し、また尿が与えられる側となるた
め、尿などの水分を吸収体4に透過するよう透液性の不
織布や軟質の多孔性シートなどの肌にやさしい素材で形
成される。また、吸収体4としては、粉砕パルプまたは
粉砕パルプと高吸水性ポリマーなどの混合物が使用され
る。前記吸収体4は着用者の体の形に合わせて例えば砂
時計形状に切断されて成形され、成形後の吸収体4が外
面シート2と内面シート3とで挟まれる。外面シート2
および内面シート3は吸収体4とほぼ同じ形状で、吸収
体4より大きく成形されており、吸収体4の存在しない
両端部でホットメルト型接着剤などにより互いに接着接
合されている。
【0003】図6に示すおむつ1では、後面部1Cが着
用者の尻に当てられ、中間部1Bが股間に当てられ、前
面部1Aが腹側に当てられる。そして、後面部1Cにお
いておむつ1の横方向に延出している翼片1bを図にて
矢印に示す方向に引いて前面部1Aに重ね合わせて、
前面部1Aの掛止ファスナー6に翼片1bの掛止ファス
ナー7を掛止させておむつ1を着用する。
【0004】おむつ1の中間部1Bの横方向の端部には
おむつ1の縦方向に向かって延びる平板状のゴム5が、
外面シート2と内面シート3の間にて伸ばされた状態で
ホットメルト型接着剤などにより部分的に接着されてお
り、大腿部ギャザー1aが形成されている。このおむつ
1を装着したとき、大腿部ギャザー1aは着用者の大腿
部を弾性的に締め付けるようになっている。このおむつ
が成人に使用される場合、おむつの大きさは幼児用おむ
つよりもかなり大きくなり、その分おむつ1個当たりに
使用される材料が多くなるので、おむつの単価が高くな
る。したがって、排尿の度におむつを取り替えることは
経済的ではない。そこで、通常は尿取りパッド8が併用
して使用され、排尿後にこの尿取りパッド8だけを取り
替えるようにしている。
【0005】図6および図7において、符号8は男性用
の尿取りパッドである。尿取りパッド8は不透液性の樹
脂シートなどの外側シート9と不織布などの内側シート
10と両シート間に設けられた吸収体11とが重ねられ
たシート状の積層体から成る。この積層体の幅方向およ
び長辺方向の端部の吸収体が存在しない領域において、
外側シート9と内側シート10がホットメルト型接着剤
により接着されている。また、幅方向の端部には、長辺
方向に延びる平ゴムなどの弾性体12が、外側シート9
と内側シート10の間にて伸ばされた状態で部分的に接
着されており、これによりギャザー8aが形成されてい
る。そして、この積層体の長辺方向の端部において、外
側シート9の表面には粘着剤などが塗布された粘着部1
3,14が設けられている。
【0006】この尿取りパッド8が着用されるとき、シ
ート状の積層体は長辺方向の中央が頂点になるようにそ
の両端が方向へ導かれて円錐形状に成形され、粘着部
13の上に積層体の他端が重ね合わされて粘着部13に
おいて積層体の両端が接合され、図7(B)に示すよう
な円錐形の袋状の尿取りパッド8に成形される。この尿
取りパッド8を男性の着用者に対し重ね合わせ部8bが
前方に向くように装着し、尿取りパッド8を装着した状
態で、おむつ1の中間部1Bにおいて内面シート3と粘
着部14を粘着させて、おむつ1を着用する。また、図
7(A)に示すものと同じ構造のものが女性用の尿取り
パッドとしても使用される。このときには、この積層体
の長さ方向がおむつの長さ方向に合うよう、尿取りパッ
ド8の外側シート9とおむつ1の内面シート3が向かい
合うよう中間部1Bに重ね合わせ、粘着部13,14を
おむつの内面シート3に粘着させて使用する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】おむつ1は、前述した
ように砂時計形状に成形されており、中間部1Bが前面
部1Aおよび後面部1Cより幅狭に形成されているが、
尿は主に中間部1Bで吸収されるため、中間部1Bは尿
を吸収するためにある程度の幅寸法を要する。よって、
中間部1Bは着用者の股間部の幅よりも広く形成されて
いる。このようなおむつが着用された状態では、前記中
間部1Bが、横方向の両側から着用者の大腿部により押
されて袋状に膨らみ、着用者の股間部とおむつの間に隙
間が生じてしまう。よって、図7(A)(B)に示す尿
取りパッドが使用されるものでは、中間部1Bの前方よ
りの膨らみ部分に尿取りパッドが位置するため、この尿
取りパッドの体への押え力が弱くなる。そのため、着用
者が動いたときなどに、おむつ内で尿取りパッドの位置
がずれやすく、尿を効果的に吸収できなくなる。
【0008】特に前面部1Aと中間部1Bとの境界部分
では、幅方向の寸法が極端に変化するため、中間部1B
が大腿部により押されたときに、中間部1Bと前面部1
Aとの境界部分において主に前面部1A側に膨らみが発
生しやすい。男性用の尿取りパッドは、前面部1Aと中
間部1Bとの境界領域の前面部1A側に寄った位置に設
置されるものであるため、特に男性の場合には、おむつ
による尿取りパッドへの押さえ力が低下し、尿取りパッ
ドの位置ずれが発生しやすい。
【0009】また、尿取りパッドを使用しないで直にお
むつを着用するときには、おむつと体の間に生じた隙間
から、尿や便などの排出物が横洩れしたり、また排出物
を一定の場所で保持できず着用者に不快感を与えるもの
であった。この場合も、前面部1Aと中間部1Bとの境
界領域で主に前面部1A側に膨らみが発生しやすく、こ
の部分からの排泄物の洩れが生じやすい。また、前面部
1Aから中間部1Bを経て後面部1Cに至る方向をおむ
つ1の縦方向としたとき、従来は、前面部1Aに設けら
れている掛止ファスナー6の縦方向の配列ピッチと、後
面部1Cの翼片1bに設けられている掛止ファスナー7
の縦方向の配列ピッチがほぼ同一であった。そのため、
翼片1bを前面部1Aの表面に重ねて掛止ファスナー6
と7を互いに掛止させたときに、前面部1Aと後面部1
Cとのつながり部分は、縦方向に内径寸法が均一なほぼ
円筒形状になる。
【0010】しかし、人の体形は、腰部回りの寸法より
も胴回りの寸法(ウエスト寸法)の方が短いのが一般的
であるため、前面部1Aと後面部1Cとのつながり部分
がほぼ円筒形状であると、この部分が腰回りの寸法に合
わされることになるため、胴回り(ウエスト)の部分で
はおむつと体との間に隙間が形成されやすくなる。した
がって、掛止ファスナー6と7とを掛止させたときに、
おむつが胴回りにフィットせず、掛止ファスナーの掛止
により、胴回りに対しておむつを十分に締め付けること
ができなくなり、位置ずれなどが生じやすくなる。特に
成人の体形は幼児に比べて、腰回り寸法と胴回り寸法と
の差が大きいため、成人用のおむつでは、胴回り部分に
おむつを十分に締め付けてフィットさせることが困難で
ある。また新生児用または幼児用のおむつにおいても、
股間部に装着される中間部1Bの吸収体の量が多いた
め、おむつを体に装着したときに、股間部での膨らみが
大きくなる。そのため、前面部1Aと後面部1Cとのつ
ながり部分が内径寸法の均一な円筒形状であると、掛止
ファスナー6と7とで、胴回り部分またはお腹の回りで
おむつを十分に締め付けることが難しくなる。
【0011】本発明は、上記の課題を解決するものであ
り、着用者の体の外形に沿って変形可能で、且つ着用者
の体にフィットでき、また尿取りパッドを用いる場合に
は、この尿取りパッドの位置ずれを防止できるおむつを
提供することを目的としている。
【0012】また、本発明は、特に前面部と中間部との
境界領域において体から離れる膨らみが形成されにくい
おむつを提供することを目的としている。
【0013】さらに、本発明は、胴まわり部分を十分に
締め付けることができるようにしたおむつを提供するこ
とを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸収体の外側
に外面シートが内側に透液性の内面シートが重ねられた
積層体により形成され、着用者の腹側に当てられる前面
部と、尻側に当てられる後面部と、股間部に当てられる
中間部とを有するおむつにおいて、前記前面部から中間
部を経て後面部に至る方向を縦方向としたときに、少な
くとも前記中間部に、吸収体が存在しないまたは吸収体
の肉厚を薄くした薄肉部が縦方向に線状に延びて形成さ
れており、前記吸収体の外側には、吸収体に対して前記
薄肉部を横断する方向への収縮力を与える弾性部材が設
けられ、この弾性部材は、縦方向の中心域よりも前記前
面部側に寄った位置に部分的に設けられていることを特
徴としている。
【0015】また、前記弾性部材は、前記前面部と中間
部の双方にまたがる位置に設けられていることが好まし
い。
【0016】上記において、弾性部材が部分的に設けら
れている、とは、少なくとも前面部および中間部の他の
領域に弾性部材が設けられていない状態を意味する。
【0017】上記のように、中間部と前面部の双方に薄
肉部が設けられる場合、中間部に形成されている薄肉部
と、前面部に設けられている薄肉部とが、前記中間部と
前面部との境界付近で互い違いに交わっており、薄肉部
が互い違いに交わる部分において、弾性体から吸収体に
収縮力が与えられる構造とすることが好ましい。
【0018】本発明は、内面シートの内側に尿取りパッ
ド(補助パッド)が取り付けられる使い捨ておむつにお
いて有効であり、前記尿取りパッドが取付けられる領域
に前記弾性部材が配置されたものとなる。
【0019】前記尿取りパッドが取付けられる使い捨て
おむつの場合には、縦方向の中心域よりも前記前面部側
に寄った位置で、前面部側に延びる薄肉部と中間部側に
延びる薄肉部とが互いに分離されて、この分離された部
分に薄肉部の不存在部が縦方向へ所定の幅で形成されて
おり、尿取りパッドが前記不存在部を含む領域に取付け
られ、さらに前記不存在部を含む領域に弾性部材が取付
けられていることが好ましい。
【0020】また、上記のように前面部に薄肉部が形成
され、且つ前面部の表面において体に装着されるときに
前記後面部が重ねられて止着される止着部が設けられて
いる場合に、前記前面部に形成された薄肉部は、前記止
着部が設けられている領域に延びていることが好まし
い。特に、前記止着部がおむつの横方向に長い長方形ま
たは帯状である場合に、薄肉部を止着部と同じ位置に形
成することが有効である。
【0021】また、弾性部材は、吸収体と外面シートと
の間に設けられ、前記薄肉部において、弾性部材と内面
シートと外面シートとが互いに接着固定されている構造
とすることが好ましい。
【0022】さらに、平面に展開された状態で、前記弾
性部材は、中間部の縦方向の中心に向かって突状となる
ように湾曲して取り付けられたものとすることが可能で
ある。
【0023】本発明での前記薄肉部は、吸収体が存在し
ておらず、内面シートと外面シートとが直接にホットメ
ルト型の接着剤などにより接着されている部分を意味
し、あるいは吸収体の肉厚が他の部分よりも薄く形成さ
れている部分を意味する。また本発明において縦方向と
は、前面部から中間部を経て後面部に向かう方向または
後面部から前面部に向かう方向であり、図2では図示上
下方向が縦方向である。また横方向は、図2の左右方向
である。
【0024】本発明では、おむつの縦方向に線状に延び
る薄肉部が形成され、吸収体に対し線状の薄肉部に直交
する方向への収縮力を与える弾性部材が設けられてい
る。この弾性部材は例えば平ゴムなどであり、これがお
むつの横方向へ延び且つ縦方向に間隔を開けて複数本
(複数条)設けられる。
【0025】弾性部材は、吸収体の外側に設けられ、例
えば吸収体と外面シートとの間において伸ばされた状態
で、弾性部材と外面シートとが互いにホットメルト型接
着剤などで接着される。また薄肉部に吸収体が存在しな
い場合には、この薄肉部において、弾性部材は外面シー
トの内側に接着されるとともに、内面シートともホット
メルト型接着剤などで接着される。
【0026】弾性部材により吸収体および外面シートな
どに横方向へ収縮させる弾性力が作用し、吸収体および
外面シートが横方向に収縮してフロントギャザーが形成
される。このフロントギャザーが形成されると、中間部
が着用者の股間に挟まれたときに、体から離れる方向へ
の膨らみが発生しなくなり、着用者の股間にフィットし
やすくなる。
【0027】すなわち、吸収体の剛軟度より弾性力の強
い弾性部材を設けることにより、薄肉部と直交する方向
に弾性部材による収縮力が作用し、図3(B)に示すよ
うに、薄肉部にて隣接する厚肉部どうしが寄せられ、厚
肉部が横方向に収縮されて、吸収体がおむつの内側に向
けてやや凸形状に変形し、おむつが体に密着するように
なる。すなわち、おむつが体側から離れる方向に膨らみ
にくくなって、肌にフィットしやすくなる。特に、薄肉
部において、弾性部材と外面シートと内面シートとが互
いに接着されていると、弾性部材の収縮力が、内面シー
トおよび外面シートに直接に作用し、図3(B)に示す
ように隣接する厚肉部どうしが寄せられやすくなる。
【0028】本発明では、前記弾性部材で吸収体が横方
向へ収縮されているフロントギャザーが、おむつの縦方
向の中心域よりも前面部寄りの中間部の領域に部分的に
限定されて設けられ、または前記フロントギャザーが、
前面部と中間部との境界領域に形成され、好ましくは、
前面部と中間部とに渡る領域(平面形状が砂時計形状の
吸収体の外形状の変局部)に限定して部分的に設けられ
ている。すなわち、これらの部分以外(この部分の前
後)で少なくとも前面部と中間部には弾性部材が設けら
れていない。この種のおむつ(使い捨ておむつ)が体に
装着されるとき、股間部での排尿位置は、男性、女性共
におむつの縦方向の中心域よりも前面部寄りの位置であ
る。したがって、本発明において、弾性部材が設けられ
ている領域は、前記の排尿位置にほぼ一致する。
【0029】この排尿位置に相当する部分において、吸
収体が外側から横方向へ部分的に収縮させられることに
より、排尿位置にて吸収体が体に押し付けられるように
してフィットするようになり、尿の洩れを有効に防止で
きる。特に、本発明のおむつは、内面シートの内側に尿
取りパッド(補助パッド)が取付けられる組み合わせお
むつにおいて有効な構造であり、尿取りパッドが取付け
られる部分がちょうど前記弾性部材が設けられている位
置に一致する。したがって、前記フロントギャザーの部
分で尿取りパッドの部分でのおむつの膨らみが抑制さ
れ、尿取りパッドと体が密着し、尿取りパッドの位置ず
れを防止することが可能となる。特に図2(A)に示す
ように、前面部と中間部の境界領域で、縦方向へ一定の
範囲αにて弾性部材が設けられていると、男性と女性の
双方において、フロントギャザーの領域が尿取りパッド
を有効に押さえることができる。
【0030】また、弾性部材を設ける部分が、おむつの
中心域よりも前面部寄りの部分、または前面部と中間部
との境界部分に限定されているため、これ以外の部分で
は、吸収体が自然な状態で肌に当たるようになる。すな
わち、尻部に当たる後面部、股に挟まれる中間部、さら
に止着部が設けられる前面部と後面部との合わせ部など
には、横方向の無理な収縮力が作用しないため、それぞ
れの部分におむつが自然にフィットし、特に尻部や排便
部ではおむつが広い面積に広がって体にフィットするこ
とになり、便の洩れなどを有効に防止できる。
【0031】さらに、図2(B)に示されているよう
に、中間部と前面部との境界において、中間部から延び
る薄肉部と、前面部から延びる薄肉部が互い違いに交じ
わるように構成しておくと、両薄肉部が設けられている
部分(図2(B)のα部分)では、薄肉部の数が多くな
って、薄肉部による吸収体の横方向への分割数が多くな
り、この部分では弾性部材の収縮力を受けて吸収体が横
方向へ大きく収縮できるようになる。よっておむつの中
間部と前面部との境界付近で発生しやすい前方への膨ら
みを防止できる。
【0032】また、尿取りパッドを併用しない場合に
も、おむつが股間部にフィットするものとなるので、尿
や便の横洩れを防止でき尿や便をおむつ内に安定的に保
持できる。また、縦方向に線状に形成された薄肉部は、
尿をおむつの全域に広がるように導く機能をも有するた
め、尿などを吸収体で確実に吸収できるようになる。
【0033】また、本発明では、図4(B)に示すよう
に、中間部の前方領域、または中間部と前面部との境界
領域に、中間部側の薄肉部と前面部側の薄肉部とが分離
された薄肉部の不存在部が設けられたものとすることが
可能である。しかも弾性部材によるフロントギャザー
は、前記不存在部を含む領域に形成される。したがっ
て、図7(A)(B)に示す尿取りパッドはこの不存在
部を含む領域に設置される。前記のように、フロントギ
ャザーの部分では薄肉部を挟む吸収体が、弾性部材によ
り横方向へ寄せられ、薄肉部が形成されている部分で
は、内面シート側の陥没が大きくなり凹凸が顕著にな
る。しかし、このフロントギャザー内に薄肉部の不存在
部を設けておくと、この部分では内面シートの表面の陥
没しない部分を形成できる。よってこの不存在部に尿取
りパッドの粘着部14を接着すると、おむつの内面シー
トとの接着強度を高くでき、尿取りパッドの位置ずれを
さらに防止できる。
【0034】また、薄肉部の不存在部は、排尿部に位置
するため、吸収体の量が多くなる不存在部にて尿の吸収
量を多くでき、この点においても、薄肉部の不存在部を
形成しておくことは有効である。
【0035】また、図2(A)(B)に示すように、前
面部15Aに線状の薄肉部23bが形成され、この薄肉
部23bが、前面部15Aに設けられる第1の止着部1
9と同じ位置に延びるように構成することが好ましい。
体に装着されるときに、前面部は横方向への収縮力を受
け、この収縮力により第1の止着部19の表面が波状に
変形しやすい。しかし、この第1の止着部19の部分に
薄肉部23bが設けられていると、前面部にて横方向へ
の収縮力が作用したときに、薄肉部23bの部分では横
方向へ縮まるが、薄肉部23bと薄肉部23bとの間の
部分では縮みや変形が小さくなり、止着部19の表面も
ほぼ平滑になりやすい。よって第1の止着部19と第2
の止着部20との接合面積を十分に確保でき、止着強度
を向上できる。特に、図2(A)に示すように、止着部
19の近傍に横方向の弾性部材22が設けられている
と、この弾性部材の収縮力が止着部19の部分に横方向
への収縮力を与えやすいが、このときも止着部19の裏
側に複数の薄肉部23bが形成されていることにより、
止着部19の表面全域に波形の変形が生じにくく、止着
可能な平面部を広く確保できる。
【0036】さらに、前記弾性部材をおむつの横方向の
両端から中央に向かうにつれて、縦方向の中心部に向け
て突状に形成すると、おむつ前面部を着用者の股間部の
形に合わせて変形でき、フィット性がさらに向上する。
【0037】次に、吸収体の外側に外面シートが内側に
透液性の内面シートが重ねられた積層体により形成さ
れ、着用者の腹側に当てられる前面部と、尻側に当てら
れる後面部と、股間部に当てられる中間部とを有するお
むつにおいて、前記前面部から中間部を経て後面部に至
る方向を縦方向としたときに、前記前面部または後面部
の表面に、第1の止着部が設けられ、体に装着されると
きに前記前面部に重ねられる後面部の両側部または後面
部に重ねられる前面部の両側部に、前記第1の止着部に
止められる第2の止着部が縦方向に間隔を開けて設けら
れており、前記第1の止着部によって前面部または後面
部の表面に形成される止着可能な領域の縦方向の終端部
間の全長寸法H1よりも、縦方向に並ぶ前記第2の止着
部の縦方向の終端部間の間隔寸法H2の方が大きいこと
を特徴とするものである。
【0038】あるいは、前記第1の止着部と第2の止着
部が同じく縦方向へ間隔を開けて設けられており、前記
第1の止着部の縦方向の配置ピッチP1よりも、前記第
2の止着部の縦方向の配置ピッチP2の方が大きいこと
を特徴とするものである。
【0039】上記発明では、図2(A)の図示右側およ
び図示左側に設けられているそれぞれの第1の止着部1
9が、縦方向に間隔を開けて2条に設けられていても良
いし、あるいは第1の止着部19が縦方向に連続して1
枚で構成(左右合計2枚)で構成されていてもよい。い
ずれにせよ、第1の止着部19により形成される止着可
能な領域の縦方向の終端部間の全長寸法H1よりも、第
2の止着部20の縦方向の終端部間の間隔寸法H2の方
が大きいことが条件となる。
【0040】また、前記縦方向と直交する方向を横方向
としたときに、第1の止着部は、横方向へ長辺が向けら
れた長方形状であることが好ましい。
【0041】前記において、第2の止着部は、例えば複
数の掛止突体を有する樹脂製の掛止シートで、第1の止
着部は、前記掛止突体が掛止される織布シートまたは不
織布シートである。または第2の止着部が粘着テープ
で、第1の止着部が、この粘着シートが貼着されるフィ
ルムシートなどであってもよい。
【0042】本発明では、図2(A)に示すように、第
1の止着部19の縦方向の配置ピッチP1よりも、第2
の止着部20の縦方向の配置ピッチP2の方が大きく、
あるいは、縦方向に間隔を開けて設けられた第1の止着
部19または縦方向に間隔を開けることなく1枚で形成
された第1の止着部19の縦方向の終端部間の全長寸法
H1よりも、縦方向に間隔を開けて設けられた第2の止
着部20の縦方向の終端部間の間隔寸法H2の方が大き
い。そのため、体に装着したときに、図1に示すよう
に、後面部15Cの両側部すなわち翼片15bの縁部を
斜めにすると、第2の止着部20がちょうど第1の止着
部19の縦方向の中央に一致して互いに止着されるもの
となる。または、翼片15bの縁部を斜めにしないと、
第2の止着部20の縦方向の終端部分が第1の止着部1
9から縦方向へはみ出してしまうため、装着するときに
必然的に図1に示すように、翼片15bの縁部を縦方向
に対して斜めにし、第2の止着部20と20を縦方向に
対して斜めに向けて第1の止着部19に止着しなくては
ならなくなる。
【0043】また、第1の止着部19を横方向に長辺が
向く長方形状または帯形状とし、第1の止着部19を横
方向に長く形成し、さらに第1の止着部19の縦方向の
幅寸法B1を、第2の止着部20の縦方向の幅寸法B2
よりも十分に大きくしておくと、装着状態で翼片15b
の縁部を傾ける角度を自由に選択でき、どのような体形
の人体に対してもおむつを確実に装着することができる
ようになる。
【0044】したがって、おむつを人体に装着したとき
に、腰回りでは膨らみが大きく、胴回り部分(ウエスト
部分)では、径が小さくなり、体にフィットしやすくな
る。またウエスト側の止着部19と20どうしを確実に
止着でき、ウエスト部に対しておむつを確実に締め付け
ることができる。そのため、人体に対しておむつが位置
ずれしにくくなる。
【0045】よって、おむつを成人の体形に合わせやす
くなり、また新生児や幼児に対しても、おむつを胴回り
に確実に締め付けることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1は本発明のおむつの装着
状態を示す斜視図、図2はこのおむつの展開平面図であ
り、(A)はおむつの表側の展開平面図、すなわち着用
されたときに体の外側に向けられる面の展開平面図、
(B)はおむつの裏側の展開平面図、すなわち着用され
たときに着用者の体側に向けられる面の展開平面図であ
る。また、図3(A)(B)は図2(B)または図4
(B)のIII−III線での断面図である。おむつ1
5は外面シート16と内面シート17と、この両シート
の間に介在する吸収体18とから成る積層体により形成
されている。前記外面シート16は体の外側に向けられ
るため尿などが外側に洩れないよう不透液性で且つ通気
性の樹脂シートなどが使用されている。また、内面シー
ト17は着用者の肌側に向けられて肌に直接触れるた
め、透液性の不織布などの肌に優しい素材が使用され、
例えば目付け15〜25g/m2の不織布が使用され
る。
【0047】吸収体18としては、尿をよく吸収でき、
しかも着用者に不快感を与えないよう粉砕パルプあるい
は粉砕パルプと高吸水性ポリマーなどの混合物が使用さ
れている。吸収体18として使用されるパルプとして
は、例えば比重が100〜500g/m2と軽いものが
一般的に使用される。前記吸収体18は中間部15Bに
おいて多少幅が狭くなるよう砂時計形状にパターン積織
法やカッティングなどにより成形される。図2(B)に
てハッチングで示す領域が吸収体18が存在する領域で
ある。
【0048】図2(A)および(B)に示されているよ
うに、おむつ15の前面部15Aには、おむつの横方向
に延出する前翼片15a,15aが、後面部15Cに
は、横方向の両側部となる後翼片15b,15bが延出
されて形成されている。この前翼片15a,15a及び
後翼片15b,15bは、外面シート16および内面シ
ート17を横方向に延出させ、両シート16と17を吸
収体18を介在させることなくホットメルト型接着剤2
4により互いに接着することにより形成されている。ま
たは、外面シート16及び内面シート17とは別に、樹
脂シートまたは目付の大きい不織布を所定形状に切断し
て、水不溶性の接着剤で取り付けることにより前翼片1
5aと後翼片15bとを形成してもよい。
【0049】前面部15Aでは、外面シート16の表面
に、止着手段の一例として掛止ファスナーを形成する第
1の止着部19が縦方向に間隔を開けて固着され、後翼
片15bの先端部(後面部15Cの両側部)には、同じ
く止着手段としての掛止ファスナーを形成する第2の止
着部20が縦方向に間隔を開けて固着されている。おむ
つ15が装着されるとき、後面部15Cは着用者の尻側
に当てられ、中間部15Bは股間部に当てられて、前面
部15Aが腹側に当てらる。そして、後翼片15b,1
5bが前面部15Aの外面シート16上に重ね合わされ
て、第2の止着部20と第1の止着部19が掛止接合さ
れる。
【0050】図2(A)に示すように、第1の止着部1
9の縦方向の幅寸法の中心線間の間隔(縦方向の配置ピ
ッチ)P1よりも、第2の止着部20の縦方向の幅寸法
の中心線間の間隔(縦方向の配置ピッチ)P2の方が大
きくなっている。また第1の止着部19,19の縦方向
の終端部間の全長寸法H1よりも、第2の止着部20,
20の縦方向の終端部間の間隔寸法H2の方が大きく形
成されている。さらに、第1の止着部19の縦方向の幅
寸法B1が、第2の止着部20の縦方向の幅寸法B2よ
りも十分に大きく形成されている。例えば、成人用(老
人用)のおむつの場合、第1の止着部19の配置ピッチ
P1は80mmで、第2の止着部20の配置ピッチP2
は135mmである。P2/P1の比はほぼ3.1/
1.9であり、P2/P1は3/2以上であることが好
ましい。また、寸法H1は130mmで、H2は165
mmであり、その差は35mmである。さらに幅寸法B
1は50mmで、幅寸法B2は30mmであり、B1/
B2は5/3またはそれ以上であることが好ましい。さ
らに第1の止着部19はおむつの横方向に長辺が向けら
れた長方形または帯状であり、その長さは例えば235
mmである。
【0051】第1の止着部19は横方向の長さ寸法が大
きいため、着用者の胴回りの大きさに合わせて、止着部
19と20の接合位置を変えて着用することが可能であ
る。さらに、第2の止着部20の配置ピッチP2が第1
の止着部19の配置ピッチP1よりも大きく、第2の止
着部20の縦方向の終端部間の寸法H2が、第1の止着
部19の縦方向の終端部間の寸法H1よりも大きいた
め、装着状態では、図1に示すように、必然的に、後翼
片15bの縁部が縦方向に対して斜めに設置され、第2
の止着部20と20が縦方向に対して斜めに向けられて
第1の止着部19に止着される。
【0052】したがって、図1に示すように、縦方向の
上側に位置する第1の止着部19と第2の止着部20と
の止着位置を、縦方向の下側(中間部15B側)に位置
する第1の止着部19と第2の止着部20との止着位置
よりもおむつの内側に寄せた状態で、第2の止着部20
が第1の止着部19の縦方向のほぼ中心に止着できるよ
うになる。よって、装着状態のおむつは、腰回りで太
く、胴回り(ウエスト)で細くなり、体にフィットしや
すく、またウエストの部分で身体に確実に締め付けるこ
とができるようになる。
【0053】また、この実施の形態では、第2の止着部
20が、先端に掛止頭部を有するキノコ形状または鉤形
状の多数の掛止突体が形成された樹脂製の掛止シートで
あり、第1の止着部19は、ポリエステル繊維によりト
リコット編みされた織布または不織布である。なお、第
2の止着部20として掛止シートの代りに粘着テープが
設けられ、第1の止着部19の織布または不織布の代り
にフィルムが設けられ、装着状態で粘着テープがフィル
ム表面に粘着させられるものであってもよい。
【0054】おむつ15の中間部15Bの両縁部には、
例えば2本の平ゴム21,21が縦方向に伸ばされた状
態で、外面シート16と内面シート17の間にて、両シ
ートに対しホットメルト型接着剤などにより接着されて
いる。この平ゴム21,21により縦方向が収縮させら
れて皺が寄り、大腿部ギャザー15cが形成される。こ
の大腿部ギャザー15cにより、おむつは外面シート1
6側が凸状の立体形状となる。おむつ15を装着したと
きに、この大腿部ギャザー15cが着用者の足の付け根
を適度に締め付け、大腿部とおむつの間に隙間が生じる
のを防止し、おむつが着用者の大腿部にフィットできる
ものとなっている。
【0055】図2(A)に示されているように、おむつ
15の中間部15Bでの縦方向の中心域よりも前面部1
5A側の部分、さらに詳しくは中間部15Bから、前記
中間部15Bと前面部15Aとの境界部分にかけての領
域αには、おむつの横方向に延びる平ゴムなどの弾性部
材22が、縦方向に間隔を開けて複数本設けられてい
る。この弾性部材22は、図3(A)に示すように吸収
体18の外側で且つ外面シート16の内面に設けられ、
伸び率が、1.5倍ないし3倍、好ましくは2倍ないし
2.5倍となるように伸ばされた状態で外面シート16
にホットメルト型接着剤24で接着固定されている。弾
性部材22と外面シート16は、ホットメルト型接着剤
24により弾性部材22の全長にわたって接着され、ま
たは弾性部材22と外面シート16はホットメルト型接
着剤24で部分的に接着されている。また図3(A)に
示すように、薄肉部23aの部分では、弾性部材22と
内面シート17と外面シート16とが、互いに前記接着
剤24により接着固定されている。
【0056】前記弾性部材22により領域αにおいてお
むつが横方向に収縮させられ、フロントギャザーGが形
成される。図2に示す例では、前記フロントギャザーG
が中間部15B、および中間部15Bと前面部15Aと
の境界部にかけて形成されている。図6および図7
(B)に示される男性用の尿取りパッド8が併用される
場合、弾性部材22が設けられている領域αは、前記尿
取りパッド8が装着される領域にほぼ一致している。こ
の場合、中間部15Bの横方向の中心線Oから前面部1
5Aにて最も端に設けられた弾性部材22までの距離
(図2(A)にてMで示す)は250mm程度であるこ
とが望ましい。
【0057】図2(B)に示されているように、おむつ
15の吸収体18が設けられている領域のほぼ全面に、
複数本の薄肉部23a,23b,23cが形成されてい
る。薄肉部23aは、中間部15Bにて縦方向に直線状
に延び、横方向に一定の間隔を開けて3条形成されてい
る。また薄肉部23bと23cは、前面部15Aと後面
部15Cにおいて、縦方向に直線状に延び、また横方向
に一定の間隔を開けて4条ずつ設けられている。また中
間部15Bに設けられた薄肉部23aと、前面部15A
および後面部15Cに設けられた薄肉部23b,23c
とは、互いに分離されており不連続である。
【0058】また、中間部15Bに設けられている3条
の薄肉部23aと、前面部15Aに設けられた4条の薄
肉部23bは、中間部15Bと前面部15Aとの境界部
にて、薄肉部の終端部どうしが互い違いに入り込むよう
に形成されており、この部分では薄肉部23aと薄肉部
23bとが横方向に互いに重なった位置に形成されてい
る。なお、薄肉部23aと薄肉部23bとが互い違いに
交じり合う部分は、前記弾性部材22が設けられてフロ
ントギャザーGが形成される領域αの中に位置してい
る。なお、薄肉部23aと薄肉部23bとが互い違いに
形成される部分は、中間部15Bと前面部15Aとの境
界に正確に一致している必要はなく、境界部付近であれ
ば、中間部15B側に寄った位置であってもよいし、前
面部15A側に寄った位置であってもよい。また薄肉部
23aと薄肉部23bが互い違いとなる部分は、前記領
域α内であることが好ましいが、弾性部材22による収
縮力を受ける場所であれば領域αから若干外れていても
よい。さらに、前面部15Aでは、横方向に帯状に延び
る縦方向に間隔を開けた第1の止着部19が設けられて
いるが、前面部15Aに形成されている前記薄肉部23
bは、第1の止着部19が設けられた領域の裏側に重な
るように延びている。
【0059】図3(A)(B)に示されているように、
図示する実施の形態では、薄肉部23a,23b,23
cが、全て吸収体18が存在していない不存在線状領域
となっており、薄肉部23a,23b,23cでは、外
面シート16と内面シート17がホットメルト型接着剤
24などにより直接に接着されている。また弾性部材2
2が介在している部分では、前記薄肉部23a,23
b,23cにおいて、内面シート17および外面シート
16が弾性部材22と接着されていることが好ましい。
このおむつ15では、縦方向に直線状に延びる薄肉部2
3a,23b,23cが設けられ、薄肉部23aと23
bが形成されている領域αにおいて、弾性部材22によ
り前記薄肉部と直交する方向への弾性収縮力が与えられ
ている。
【0060】この弾性収縮力が吸収体18の剛軟度より
大きいとき、図3(B)に示すように厚肉部がおむつの
横方向両側から寄せられ、薄肉部23aを挟んで隣合う
厚肉部どうしが密着し、さらに横方向に収縮して厚肉部
における吸収体18がおむつの内側(着用者の体側)に
向けて凸形状に変形する。これにより、領域αにおいて
おむつは体に密着し、おむつと体との間に空間が形成さ
れることはない。このようにおむつを体にフィットする
ように変形させるためには、例えばJIS P8125
で測定した吸収体18の剛軟度が3〜20g・cmのと
き、2倍の長さに伸張したときの弾性力が10g以上で
ある弾性部材を2本以上設ければ、弾性部材による弾性
収縮力が吸収体の剛軟度を上回り、厚肉部において吸収
体を収縮させることができる。但し、弾性収縮力が強す
ぎるとおむつの幅寸法が小さくなりすぎてしまうので、
弾性部材一本当たりの弾性力の上限は100g程度で、
本数は弾性部材の弾性力によって異なるが、通常2本な
いし50本程度が好ましい。
【0061】また、図2(B)に示すものでは、弾性部
材22の弾性力が与えられる領域αに、中間部15B側
の薄肉部23aの終端と、前面部15A側の薄肉部23
bの終端の双方が位置し、しかも両薄肉部23aと23
bが不連続であるため、中間部15Bと前面部15Aの
境界部では、吸収体18の分割数が多くなるため、この
部分でおむつが横方向へ収縮しやすくなり、前方へ膨ら
みにくくなる。薄肉部23aと23bとが互い違いに入
り込む形状ではなく、図4(B)に示すように、両薄肉
部23aと23bの終端部どうしが縦方向の上下方向へ
若干離れていても、両薄肉部23aと23bが、弾性部
材22による弾性収縮力の影響を受ける位置に設けられ
ていれば、αの領域において中間部15Bと前面部15
Aとが横方向へ収縮しやすくなり、吸収体18の前方へ
の膨らみを防止できる。しかし、図2(B)に示すよう
に、中間部15Bと前面部15Aとの境界領域におい
て、3条の薄肉部23aと4条の薄肉部23bとが互い
違いに入り込むように交じり合っている構造とすると、
この部分では、吸収体18が横方向へ8分割されること
になるため、弾性部材22の収縮力を受けた吸収体18
が横方向に寄せられてさらに収縮しやすくなる。
【0062】したがって、おむつの吸収体18が体にフ
ィットし、吸収体18と体の間に隙間が形成されなくな
り、尿や便の洩れを防止できる。また中間部15Bの薄
肉部23aにより、おむつ15を直に着用するときなど
に尿が一箇所に集中することが防がれ、前面部および後
面部の吸収体に尿を分散させやすくなる。弾性部材22
による収縮力を受ける前記中間部15Bの薄肉部23a
および前面部15Aの薄肉部23bは、隣合う薄肉部間
の間隔(図2(B)にてLで示す長さ)が、通常10な
いし100mm程度で、薄肉部23a,23bの幅(図
2(B)にlで示す長さ)が1ないし15mmとなるよ
う形成される。この数値の範囲内で薄肉部23a,23
bを形成すると、着用者の体の外周に沿って変形しやす
く、且つ尿の分散性のよいおむつとなる。
【0063】このおむつ15が成人男性に装着されると
きには、通常図7(A)(B)に示されているような尿
取りパッド8が併用される。この尿取りパッド8は、図
7(A)に示すシート状のものが、外側シート9が外側
に向くよう円錐形状に成形されて、図7(B)に示す袋
状にされ、重ね合わせ部8bが体の前面部になるよう着
用される。そして、尿取りパッド8を着用した状態で、
おむつ15の後面部15Cを尻側に、中間部15Bを股
間部に、前面部15Aを腹側に当て、尿取りパッド8の
粘着部14をおむつ15の前面部の内面シート17に粘
着接合し、止着部19と20とを掛止しておむつ15が
装着される。このとき、おむつ15は薄肉部25により
着用者の体の外周に沿って変形し、さらに前面部15A
と中間部15Bの境界の領域αは尿取りパッド8の形状
に合わせて変形する。そしてフロントギャザーGが着用
者の股間部に当たり、尿取りパッド8の外形に合わせて
伸張して弾性的に尿取りパッド8にフィットし、尿取り
パッド8を着用者の体から外れないよう押さえることが
できる。したがって、尿取りパッド8が位置ずれせず、
尿取りパッド8によって効果的に尿を吸収できる。
【0064】また、このおむつ15が女性に使用される
ときには、前記尿取りパッド8は図7(A)に示される
シート状のままで、おむつ15の中間部15Bの内面シ
ート17上に重ねられ、これが装着される。前記フロン
トギャザーGは、この尿取りパッド8に当てられるの
で、尿取りパッド8をフロントギャザーGにより安定的
に保持できるものとなる。また女性用の尿取りパッドが
用いられる場合には、弾性部材22が図2(A)よりも
さらに中心線O寄りに設けられることが好ましい。この
ように尿取りパッド8が用いられると、股間部および腰
の部分で、装着されたおむつに膨らみが形成されるが、
前記のように、このおむつでは、第2の止着部20と2
0が第1の縦方向に対して斜めに向けられた状態で、第
1の止着部19,19に止着されるため、前記の膨らみ
があっても、ウエスト部分で細くでき、ウエストの部分
で止着部19と20とで、おむつを確実に締め付けるこ
とが可能である。
【0065】また、尿取りパッドを使用せず、おむつ1
5のみを装着するときには、フロントギャザーGが着用
者の股間部の形に沿って変形し、股間部に弾性的にフィ
ットする。したがって、着用者の体とおむつ15との間
に隙間が生じず、尿や便の横洩れを防止でき、尿や便を
おむつ15内に確実に保持できる。また、前記薄肉部2
3a,23b,23cにより、尿を中間部にのみに集中
させることなく分散できるので、おむつ15の吸収性能
を向上できる。
【0066】さらに、図2(A)(B)に示すように、
前面部15Aに形成された薄肉部23bは、第1の止着
部19と重なる位置にまで延びている。前面部15Aに
後翼片15b,15bが重ねられて止着部19と20と
が止着されるとき、前面部15Aの表面に変形力が与え
られやすい。特に図2(A)に示すように、第1の止着
部19が設けられた部分の近傍に弾性部材22によるフ
ロントギャザーGが設けられていると、この弾性部材2
2の収縮力が第1の止着部19の部分に作用して、第1
の止着部19が横方向への収縮力を受けやすくなる。こ
の収縮力に対し、第1の止着部19が設けられている部
分では、図3(A)に示したのと同様に薄肉部23bの
幅が縮まるが、薄肉部23bと薄肉部23bとの間の吸
収体が存在している部分では横方向に若干縮まるにし
ろ、その表面はほぼ平坦となる。よって第1の止着部1
9は、薄肉部23bと薄肉部23bとの間の部分で平坦
な部分が残りやすくなり、この部分が止着領域として比
較的広くなり、第2の止着部20をこの平坦部にて第1
の止着部19に接合することにより、止着強度を高く確
保できる。
【0067】図4(A)(B)は、前述のように、中間
部15Bの方向へ延びる薄肉部23aと、前面部15A
の方向へ延びる薄肉部23bの終端部どうしが、縦方向
へ若干離れ、縦方向へ所定の幅Haの領域となる薄肉部
の不存在部23dが形成された形態を示している。な
お、この不存在部23dは、弾性部材22が設けられて
フロントギャザーGが形成されているαの領域の内部に
位置している。図3(B)に示すように、薄肉部23a
または23bが形成されている部分では、弾性部材22
による横方向への収縮力により、陥没が形成され、内面
シート17に凹部が形成され、内面シート17の凹凸が
顕著になる。しかし、薄肉部の不存在部23dが設けら
れていると、この部分では内面シート17の凹凸がやや
緩やかになり、比較的平面領域を広く確保できる。図7
(A)(B)に示すように、尿取りパッド8がフロント
ギャザーGの内側に設置されるとき、粘着部14を前記
不存在部23dに粘着させると、薄肉部が存在していな
いために、粘着部14と内面シート17とが対面する確
率(対面する面積)を広くできる。したがって、尿取り
パッド8の接着強度を高くでき、パッドのずれを防止で
きる。
【0068】しかも、前記のように、薄肉部の不存在部
23dの前後には薄肉部23aと23bが存在している
ため、弾性部材22でおむつを横方向へ収縮させる機能
を大きく阻害することはない。また薄肉部の不存在部2
3dは、排尿位置に形成されるため、不存在部23dに
多くの吸収体18が存在することにより、尿の吸収効果
の低下を防止できる。
【0069】図5は本発明のおむつの他の実施の形態を
示すものであり、おむつ15を展開して外側から見た図
である。この例では、弾性部材22がおむつの両端から
中央に向かうにつれて、おむつ15の中間部15Bの中
心方向へ突出するように湾曲して取り付けられている。
このように弾性部材22を形成すると、おむつ15は尿
取りパッド8および着用者の股間部の形により合うよう
に変形し、さらにフィット性の高いものとなる。また図
5においても、第1の止着部19の縦方向の配置ピッチ
P1よりも、第2の止着部20の縦方向の配置ピッチP
2の方が大きく、また第1の止着部19の終端部間の寸
法H1よりも、第2の止着部20の終端部間の寸法H2
の方が大きく、さらに第1の止着部19の縦方向の幅寸
法B1が第2の止着部20の縦方向の幅寸法B2よりも
十分に大きくなっている。
【0070】よって、身体に装着されたときに、必然的
に胴回り部分(ウエスト)の部分で細くでき、胴回り部
分におむつを確実に締め付けることができる。また図5
でも前面部15Aにおいて、薄肉部23bが、第1の止
着部19と重なる領域に形成されている。
【0071】以上、本発明をオープンタイプのおむつを
例にとり説明したが、本発明の薄肉部23a,23b,
23cを設けたことによる効果およびフロントギャザー
を設けたことによる効果に関しては、パンツ型のおむつ
に形成しても効果を発揮する。また、大人用のみならず
幼児用のおむつに形成してもよい。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のおむつで
は、前面部側または中間部と前面部との境界領域に弾性
部材が設けられてギャザーが形成されており、このギャ
ザーの形成領域により着用者の股間部を弾性的に押さえ
ることができる。よって、おむつと股間部との間に隙間
が生じず、おむつが股間部にフィットするものとなる。
【0073】そして、おむつの縦方向に薄肉部が形成さ
れているので、前記薄肉部によりおむつが着用者の体の
外形に沿って変形しやすく、また吸収体が横方向へ収縮
して股間部が袋状に膨らむことを効果的に防止できる。
さらに、中間部に形成された薄肉部が前面部の薄肉部間
の領域に延び、前面部と中間部との境界の領域において
前面部の薄肉部と中間部の薄肉部が互い違いに交わり、
この領域にギャザーが形成されることにより、おむつが
横方向に収縮し前方へ膨らみにくくなり、着用者の股間
部の形状に合った形に変形する。そして、この領域にギ
ャザーが形成されることにより、着用者の股間部にフィ
ットするものとなる。
【0074】よって、このおむつと尿取りパッドが組み
合わされるとき、尿取りパッドの位置ずれがおこらず、
尿取りパッドを安定的に保持でき、尿取りパッドにより
効果的に尿を吸収することができる。また、尿取りパッ
ドを併用せずこのおむつのみを装着するときは、尿や便
などの排出物を確実に保持でき、横洩れ等の心配が生じ
ないものとなる。
【0075】また、前記弾性部材は、前記尿取りパッド
が取付けられる部分に限定的に設けられているため、そ
れ以外の部分は自然の状態で肌に当たるようになり、身
体全体への装着感が良好になる。
【0076】さらに、第1の止着部と第2の止着部の相
対的な位置の設定により、身体に装着されたときに腰回
り部分で太く、胴回り部分で細くすることができ、胴回
り部分におむつを確実に締め付けることができ、位置ず
れしにくくなる。また股間部や腰の部分でおむつに膨ら
みが生じても、腰回りでの締め付けを確実にでき、身体
の形状にフィットしやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のおむつの着用されたときの状態を示す
斜視図、
【図2】本発明のおむつの展開平面図で、(A)はおむ
つの表側の展開平面図、(B)は裏側の展開平面図、
【図3】図2または図4のIII−III線の断面図で
あり、(A)は展開状態、(B)は弾性部材が収縮して
フロントギャザーGが形成された状態を示す、
【図4】本発明の他の実施の形態のおむつの展開平面図
で、(A)はおむつの表側の展開平面図、(B)は裏側
の展開平面図、
【図5】本発明の他の実施形態のおむつの展開図、
【図6】従来のおむつの正面図、
【図7】尿取りパッドを示す図で、(A)は着用前の平
面状の状態を示し、(B)は着用するために円錐形状に
成形された状態を示す、
【符号の説明】
8 尿取りパッド 15 おむつ 16 外面シート 17 内面シート 18 吸収体 19 第1の止着部 20 第2の止着部 22 弾性部材 23a,23b,23c 薄肉部 23d 薄肉部の不存在領域 G フロントギャザー P1 第1の止着部のピッチ P2 第2の止着部のピッチ H1 第1の止着部の終端部間の寸法 H2 第2の止着部の終端部間の寸法
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明 細 書
【発明の名称】 おむつ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着用者の体形にフ
ィットできるように装着され、特に尿取りパッドを使用
する場合に、尿取りパッドの位置ずれや横洩れを防止で
きるようにしたおむつに関する。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の使い捨ておむつの正面図で
ある。おむつ1は外面シート2と、液透過性の内面シー
ト3と、両シート間に介在する吸収体4とから成る。前
記外面シート2は外側に向けられるものであるため、尿
が外側に洩れないよう不透液性で且つ通気性のよい樹脂
シートで形成される。また、内面シート3は肌側に向け
られて直接肌と接し、また尿が与えられる側となるた
め、尿などの水分を吸収体4に透過するよう透液性の不
織布や軟質の多孔性シートなどの肌にやさしい素材で形
成される。また、吸収体4としては、粉砕パルプまたは
粉砕パルプと高吸水性ポリマーなどの混合物が使用され
る。前記吸収体4は着用者の体の形に合わせて例えば砂
時計形状に切断されて成形され、成形後の吸収体4が外
面シート2と内面シート3とで挟まれる。外面シート2
および内面シート3は吸収体4とほぼ同じ形状で、吸収
体4より大きく成形されており、吸収体4の存在しない
両端部でホットメルト型接着剤などにより互いに接着接
合されている。
【0003】図6に示すおむつ1では、後面部1Cが着
用者の尻に当てられ、中間部1Bが股間に当てられ、前
面部1Aが腹側に当てられる。そして、後面部1Cにお
いておむつ1の横方向に延出している翼片1bを図にて
矢印に示す方向に引いて前面部1Aに重ね合わせて、
前面部1Aの掛止ファスナー6に翼片1bの掛止ファス
ナー7を掛止させておむつ1を着用する。
【0004】おむつ1の中間部1Bの横方向の端部には
おむつ1の縦方向に向かって延びる平板状のゴム5が、
外面シート2と内面シート3の間にて伸ばされた状態で
ホットメルト型接着剤などにより部分的に接着されてお
り、大腿部ギャザー1aが形成されている。このおむつ
1を装着したとき、大腿部ギャザー1aは着用者の大腿
部を弾性的に締め付けるようになっている。このおむつ
が成人に使用される場合、おむつの大きさは幼児用おむ
つよりもかなり大きくなり、その分おむつ1個当たりに
使用される材料が多くなるので、おむつの単価が高くな
る。したがって、排尿の度におむつを取り替えることは
経済的ではない。そこで、通常は尿取りパッド8が併用
して使用され、排尿後にこの尿取りパッド8だけを取り
替えるようにしている。
【0005】図6および図7において、符号8は男性用
の尿取りパッドである。尿取りパッド8は不透液性の樹
脂シートなどの外側シート9と不織布などの内側シート
10と両シート間に設けられた吸収体11とが重ねられ
たシート状の積層体から成る。この積層体の幅方向およ
び長辺方向の端部の吸収体が存在しない領域において、
外側シート9と内側シート10がホットメルト型接着剤
により接着されている。また、幅方向の端部には、長辺
方向に延びる平ゴムなどの弾性体12が、外側シート9
と内側シート10の間にて伸ばされた状態で部分的に接
着されており、これによりギャザー8aが形成されてい
る。そして、この積層体の長辺方向の端部において、外
側シート9の表面には粘着剤などが塗布された粘着部1
3,14が設けられている。
【0006】この尿取りパッド8が着用されるとき、シ
ート状の積層体は長辺方向の中央が頂点になるようにそ
の両端が方向へ導かれて円錐形状に成形され、粘着部
13の上に積層体の他端が重ね合わされて粘着部13に
おいて積層体の両端が接合され、図7(B)に示すよう
な円錐形の袋状の尿取りパッド8に成形される。この尿
取りパッド8を男性の着用者に対し重ね合わせ部8bが
前方に向くように装着し、尿取りパッド8を装着した状
態で、おむつ1の中間部1Bにおいて内面シート3と粘
着部14を粘着させて、おむつ1を着用する。また、図
7(A)に示すものと同じ構造のものが女性用の尿取り
パッドとしても使用される。このときには、この積層体
の長さ方向がおむつの長さ方向に合うよう、尿取りパッ
ド8の外側シート9とおむつ1の内面シート3が向かい
合うよう中間部1Bに重ね合わせ、粘着部13,14を
おむつの内面シート3に粘着させて使用する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】おむつ1は、前述した
ように砂時計形状に成形されており、中間部1Bが前面
部1Aおよび後面部1Cより幅狭に形成されているが、
尿は主に中間部1Bで吸収されるため、中間部1Bは尿
を吸収するためにある程度の幅寸法を要する。よって、
中間部1Bは着用者の股間部の幅よりも広く形成されて
いる。このようなおむつが着用された状態では、前記中
間部1Bが、横方向の両側から着用者の大腿部により押
されて袋状に膨らみ、着用者の股間部とおむつの間に隙
間が生じてしまう。よって、図7(A)(B)に示す尿
取りパッドが使用されるものでは、中間部1Bの前方よ
りの膨らみ部分に尿取りパッドが位置するため、この尿
取りパッドの体への押え力が弱くなる。そのため、着用
者が動いたときなどに、おむつ内で尿取りパッドの位置
がずれやすく、尿を効果的に吸収できなくなる。
【0008】特に前面部1Aと中間部1Bとの境界部分
では、幅方向の寸法が極端に変化するため、中間部1B
が大腿部により押されたときに、中間部1Bと前面部1
Aとの境界部分において主に前面部1A側に膨らみが発
生しやすい。男性用の尿取りパッドは、前面部1Aと中
間部1Bとの境界領域の前面部1A側に寄った位置に設
置されるものであるため、特に男性の場合には、おむつ
による尿取りパッドへの押さえ力が低下し、尿取りパッ
ドの位置ずれが発生しやすい。
【0009】また、尿取りパッドを使用しないで直にお
むつを着用するときには、おむつと体の間に生じた隙間
から、尿や便などの排泄物が横洩れしたり、また排泄物
を一定の場所で保持できず着用者に不快感を与えるもの
であった。この場合も、前面部1Aと中間部1Bとの境
界領域で主に前面部1A側に膨らみが発生しやすく、こ
の部分からの排泄物の洩れが生じやすい。
【0010】本発明は、上記の課題を解決するものであ
り、着用者の体の外形に沿って変形可能で、且つ着用者
の体にフィットでき、また尿取りパッドを用いる場合に
は、この尿取りパッドの位置ずれを防止できるおむつを
提供することを目的としている。
【0011】また、本発明は、特に前面部と中間部との
境界領域において体から離れる膨らみが形成されにくい
おむつを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸収体の外側
に外面シートが内側に透液性の内面シートが重ねられた
積層体により形成され、着用者の腹側に当てられる前面
部と、尻側に当てられる後面部と、股間部に当てられる
中間部とを有するおむつにおいて、前記前面部から中間
部を経て後面部に至る方向を縦方向としたときに、少な
くとも前記中間部に、吸収体が存在しないまたは吸収体
の肉厚を薄くした薄肉部が縦方向に線状に延びて形成さ
れており、前記吸収体の外側には、吸収体に対して前記
薄肉部を横断する方向への収縮力を与える弾性部材が設
けられ、この弾性部材は、縦方向の中心域よりも前記前
面部側に寄った位置に部分的に設けられていることを特
徴としている。
【0013】また、前記弾性部材は、前記前面部と中間
部の双方にまたがる位置に設けられていることが好まし
い。
【0014】上記において、弾性部材が部分的に設けら
れている、とは、少なくとも前面部および中間部の他の
領域に弾性部材が設けられていない状態を意味する。
【0015】上記のように、中間部と前面部の双方に薄
肉部が設けられる場合、中間部に形成されている薄肉部
と、前面部に設けられている薄肉部とが、前記中間部と
前面部との境界付近で互い違いに交わっており、薄肉部
が互い違いに交わる部分において、弾性部材から吸収体
に収縮力が与えられる構造とすることが好ましい。
【0016】本発明は、内面シートの内側に尿取りパッ
ド(補助パッド)が取り付けられる使い捨ておむつにお
いて有効であり、前記尿取りパッドが取付けられる領域
に前記弾性部材が配置されたものとなる。
【0017】前記尿取りパッドが取付けられる使い捨て
おむつの場合には、縦方向の中心域よりも前記前面部側
に寄った位置で、前面部側に延びる薄肉部と中間部側に
延びる薄肉部とが互いに分離されて、この分離された部
分に薄肉部の不存在部が縦方向へ所定の幅で形成されて
おり、尿取りパッドが前記不存在部を含む領域に取付け
られ、さらに前記不存在部を含む領域に弾性部材が取付
けられていることが好ましい。
【0018】また、上記のように前面部に薄肉部が形成
され、且つ前面部の表面において体に装着されるときに
前記後面部が重ねられて止着される止着部が設けられて
いる場合に、前記前面部に形成された薄肉部は、前記止
着部が設けられている領域に延びていることが好まし
い。特に、前記止着部がおむつの横方向に長い長方形ま
たは帯状である場合に、薄肉部を止着部と同じ位置に形
成することが有効である。
【0019】また、弾性部材は、吸収体と外面シートと
の間に設けられ、前記薄肉部において、弾性部材と内面
シートと外面シートとが互いに接着固定されている構造
とすることが好ましい。
【0020】さらに、平面に展開された状態で、前記弾
性部材は、中間部の縦方向の中心に向かって突状となる
ように湾曲して取り付けられたものとすることが可能で
ある。
【0021】本発明での前記薄肉部は、吸収体が存在し
ておらず、内面シートと外面シートとが直接にホットメ
ルト型の接着剤などにより接着されている部分を意味
し、あるいは吸収体の肉厚が他の部分よりも薄く形成さ
れている部分を意味する。また本発明において縦方向と
は、前面部から中間部を経て後面部に向かう方向または
後面部から前面部に向かう方向であり、図2では図示上
下方向が縦方向である。また横方向は、図2の左右方向
である。
【0022】本発明では、おむつの縦方向に線状に延び
る薄肉部が形成され、吸収体に対し線状の薄肉部に直交
する方向への収縮力を与える弾性部材が設けられてい
る。この弾性部材は例えば平ゴムなどであり、これがお
むつの横方向へ延び且つ縦方向に間隔を開けて複数本
(複数条)設けられる。
【0023】弾性部材は、吸収体の外側に設けられ、例
えば吸収体と外面シートとの間において伸ばされた状態
で、弾性部材と外面シートとが互いにホットメルト型接
着剤などで接着される。また薄肉部に吸収体が存在しな
い場合には、この薄肉部において、弾性部材は外面シー
トの内側に接着されるとともに、内面シートともホット
メルト型接着剤などで接着される。
【0024】弾性部材により吸収体および外面シートな
どに横方向へ収縮させる弾性力が作用し、吸収体および
外面シートが横方向に収縮してフロントギャザーが形成
される。このフロントギャザーが形成されると、中間部
が着用者の股間に挟まれたときに、体から離れる方向へ
の膨らみが発生しなくなり、着用者の股間にフィットし
やすくなる。
【0025】すなわち、吸収体の剛軟度より弾性力の強
い弾性部材を設けることにより、薄肉部と直交する方向
に弾性部材による収縮力が作用し、図3(B)に示すよ
うに、薄肉部にて隣接する厚肉部どうしが寄せられ、厚
肉部が横方向に収縮されて、吸収体がおむつの内側に向
けてやや凸形状に変形し、おむつが体に密着するように
なる。すなわち、おむつが体側から離れる方向に膨らみ
にくくなって、肌にフィットしやすくなる。特に、薄肉
部において、弾性部材と外面シートと内面シートとが互
いに接着されていると、弾性部材の収縮力が、内面シー
トおよび外面シートに直接に作用し、図3(B)に示す
ように隣接する厚肉部どうしが寄せられやすくなる。
【0026】本発明では、前記弾性部材で吸収体が横方
向へ収縮されているフロントギャザーが、おむつの縦方
向の中心域よりも前面部寄りの中間部の領域に部分的に
限定されて設けられ、または前記フロントギャザーが、
前面部と中間部との境界領域に形成され、好ましくは、
前面部と中間部とに渡る領域(平面形状が砂時計形状の
吸収体の外形状の変局部)に限定して部分的に設けられ
ている。すなわち、これらの部分以外(この部分の前
後)で少なくとも前面部と中間部には弾性部材が設けら
れていない。この種のおむつ(使い捨ておむつ)が体に
装着されるとき、股間部での排尿位置は、男性、女性共
におむつの縦方向の中心域よりも前面部寄りの位置であ
る。したがって、本発明において、弾性部材が設けられ
ている領域は、前記の排尿位置にほぼ一致する。
【0027】この排尿位置に相当する部分において、吸
収体が外側から横方向へ部分的に収縮させられることに
より、排尿位置にて吸収体が体に押し付けられるように
してフィットするようになり、尿の洩れを有効に防止で
きる。特に、本発明のおむつは、内面シートの内側に尿
取りパッド(補助パッド)が取付けられる組み合わせお
むつにおいて有効な構造であり、尿取りパッドが取付け
られる部分がちょうど前記弾性部材が設けられている位
置に一致する。したがって、前記フロントギャザーの部
分で尿取りパッドの部分でのおむつの膨らみが抑制さ
れ、尿取りパッドと体が密着し、尿取りパッドの位置ず
れを防止することが可能となる。特に図2(A)に示す
ように、前面部と中間部の境界領域で、縦方向へ一定の
範囲αにて弾性部材が設けられていると、男性と女性の
双方において、フロントギャザーの領域が尿取りパッド
を有効に押さえることができる。
【0028】また、弾性部材を設ける部分が、おむつの
中心域よりも前面部寄りの部分、または前面部と中間部
との境界部分に限定されているため、これ以外の部分で
は、吸収体が自然な状態で肌に当たるようになる。すな
わち、尻部に当たる後面部、股に挟まれる中間部、さら
に止着部が設けられる前面部と後面部との合わせ部など
には、横方向の無理な収縮力が作用しないため、それぞ
れの部分におむつが自然にフィットし、特に尻部や排便
部ではおむつが広い面積に広がって体にフィットするこ
とになり、便の洩れなどを有効に防止できる。
【0029】さらに、図2(B)に示されているよう
に、中間部と前面部との境界において、中間部から延び
る薄肉部と、前面部から延びる薄肉部が互い違いに交じ
わるように構成しておくと、両薄肉部が設けられている
部分(図2(B)のα部分)では、薄肉部の数が多くな
って、薄肉部による吸収体の横方向への分割数が多くな
り、この部分では弾性部材の収縮力を受けて吸収体が横
方向へ大きく収縮できるようになる。よっておむつの中
間部と前面部との境界付近で発生しやすい前方への膨ら
みを防止できる。
【0030】また、尿取りパッドを併用しない場合に
も、おむつが股間部にフィットするものとなるので、尿
や便の横洩れを防止でき尿や便をおむつ内に安定的に保
持できる。また、縦方向に線状に形成された薄肉部は、
尿をおむつの全域に広がるように導く機能をも有するた
め、尿などを吸収体で確実に吸収できるようになる。
【0031】また、本発明では、図4(B)に示すよう
に、中間部の前方領域、または中間部と前面部との境界
領域に、中間部側の薄肉部と前面部側の薄肉部とが分離
された薄肉部の不存在部が設けられたものとすることが
可能である。しかも弾性部材によるフロントギャザー
は、前記不存在部を含む領域に形成される。したがっ
て、図7(A)(B)に示す尿取りパッドはこの不存在
部を含む領域に設置される。前記のように、フロントギ
ャザーの部分では薄肉部を挟む吸収体が、弾性部材によ
り横方向へ寄せられ、薄肉部が形成されている部分で
は、内面シート側の陥没が大きくなり凹凸が顕著にな
る。しかし、このフロントギャザー内に薄肉部の不存在
部を設けておくと、この部分では内面シートの表面の陥
没しない部分を形成できる。よってこの不存在部に尿取
りパッドの粘着部14を接着すると、おむつの内面シー
トとの接着強度を高くでき、尿取りパッドの位置ずれを
さらに防止できる。
【0032】また、薄肉部の不存在部は、排尿部に位置
するため、吸収体の量が多くなる不存在部にて尿の吸収
量を多くでき、この点においても、薄肉部の不存在部を
形成しておくことは有効である。
【0033】また、図2(A)(B)に示すように、前
面部15Aに線状の薄肉部23bが形成され、この薄肉
部23bが、前面部15Aに設けられる第1の止着部1
9と同じ位置に延びるように構成することが好ましい。
体に装着されるときに、前面部は横方向への収縮力を受
け、この収縮力により第1の止着部19の表面が波状に
変形しやすい。しかし、この第1の止着部19の部分に
薄肉部23bが設けられていると、前面部にて横方向へ
の収縮力が作用したときに、薄肉部23bの部分では横
方向へ縮まるが、薄肉部23bと薄肉部23bとの間の
部分では縮みや変形が小さくなり、止着部19の表面も
ほぼ平滑になりやすい。よって第1の止着部19と第2
の止着部20との接合面積を十分に確保でき、止着強度
を向上できる。特に、図2(A)に示すように、止着部
19の近傍に横方向の弾性部材22が設けられている
と、この弾性部材の収縮力が止着部19の部分に横方向
への収縮力を与えやすいが、このときも止着部19の裏
側に複数の薄肉部23bが形成されていることにより、
止着部19の表面全域に波形の変形が生じにくく、止着
可能な平面部を広く確保できる。
【0034】さらに、前記弾性部材をおむつの横方向の
両端から中央に向かうにつれて、縦方向の中心部に向け
て突状に形成すると、おむつ前面部を着用者の股間部の
形に合わせて変形でき、フィット性がさらに向上する。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1は本発明のおむつの装着
状態を示す斜視図、図2はこのおむつの展開平面図であ
り、(A)はおむつの表側の展開平面図、すなわち着用
されたときに体の外側に向けられる面の展開平面図、
(B)はおむつの裏側の展開平面図、すなわち着用され
たときに着用者の体側に向けられる面の展開平面図であ
る。また、図3(A)(B)は図2(B)または図4
(B)のIII−III線での断面図である。おむつ1
5は外面シート16と内面シート17と、この両シート
の間に介在する吸収体18とから成る積層体により形成
されている。前記外面シート16は体の外側に向けられ
るため尿などが外側に洩れないよう不透液性で且つ通気
性の樹脂シートなどが使用されている。また、内面シー
ト17は着用者の肌側に向けられて肌に直接触れるた
め、透液性の不織布などの肌に優しい素材が使用され、
例えば目付け15〜25g/m2の不織布が使用され
る。
【0036】吸収体18としては、尿をよく吸収でき、
しかも着用者に不快感を与えないよう粉砕パルプあるい
は粉砕パルプと高吸水性ポリマーなどの混合物が使用さ
れている。吸収体18に使用されるパルプとしては、例
えば比重が100〜500g/m2と軽いものが一般的
に使用される。前記吸収体18は中間部15Bにおいて
多少幅が狭くなるよう砂時計形状にパターン積織法やカ
ッティングなどにより成形される。図2(B)にてハッ
チングで示す領域が吸収体18が存在する領域である。
【0037】図2(A)および(B)に示されているよ
うに、おむつ15の前面部15Aには、おむつの横方向
に延出する前翼片15a,15aが、後面部15Cに
は、横方向の両側部となる後翼片15b,15bが延出
されて形成されている。この前翼片15a,15a及び
後翼片15b,15bは、外面シート16および内面シ
ート17を横方向に延出させ、両シート16と17を吸
収体18を介在させることなくホットメルト型接着剤2
4により互いに接着することにより形成されている。ま
たは、外面シート16及び内面シート17とは別に、樹
脂シートまたは目付の大きい不織布を所定形状に切断し
て、水不溶性の接着剤で取り付けることにより前翼片1
5aと後翼片15bとを形成してもよい。
【0038】前面部15Aでは、外面シート16の表面
に、止着手段の一例として掛止ファスナーを形成する第
1の止着部19が縦方向に間隔を開けて固着され、後翼
片15bの先端部(後面部15Cの両側部)には、同じ
く止着手段としての掛止ファスナーを形成する第2の止
着部20が縦方向に間隔を開けて固着されている。おむ
つ15が装着されるとき、後面部15Cは着用者の尻側
に当てられ、中間部15Bは股間部に当てられて、前面
部15Aが腹側に当てらる。そして、後翼片15b,1
5bが前面部15Aの外面シート16上に重ね合わされ
て、第2の止着部20と第1の止着部19が掛止接合さ
れる。
【0039】図2(A)に示すように、第1の止着部1
9の縦方向の幅寸法の中心線間の間隔(縦方向の配置ピ
ッチ)P1よりも、第2の止着部20の縦方向の幅寸法
の中心線間の間隔(縦方向の配置ピッチ)P2の方が大
きくなっている。また第1の止着部19,19の縦方向
の終端部間の全長寸法H1よりも、第2の止着部20,
20の縦方向の終端部間の間隔寸法H2の方が大きく形
成されている。さらに、第1の止着部19の縦方向の幅
寸法B1が、第2の止着部20の縦方向の幅寸法B2よ
りも十分に大きく形成されている。例えば、成人用(老
人用)のおむつの場合、第1の止着部19の配置ピッチ
P1は80mmで、第2の止着部20の配置ピッチP2
は135mmである。P2/P1の比はほぼ3.1/
1.9であり、P2/P1は3/2以上であることが好
ましい。また、寸法H1は130mmで、H2は165
mmであり、その差は35mmである。さらに幅寸法B
1は50mmで、幅寸法B2は30mmであり、B1/
B2は5/3またはそれ以上であることが好ましい。さ
らに第1の止着部19はおむつの横方向に長辺が向けら
れた長方形または帯状であり、その長さは例えば235
mmである。
【0040】第1の止着部19は横方向の長さ寸法が大
きいため、着用者の胴回りの大きさに合わせて、止着部
19と20の接合位置を変えて着用することが可能であ
る。さらに、第2の止着部20の配置ピッチP2が第1
の止着部19の配置ピッチP1よりも大きく、第2の止
着部20の縦方向の終端部間の寸法H2が、第1の止着
部19の縦方向の終端部間の寸法H1よりも大きいた
め、装着状態では、図1に示すように、必然的に、後翼
片15bの縁部が縦方向に対して斜めに設置され、第2
の止着部20と20が縦方向に対して斜めに向けられて
第1の止着部19に止着される。
【0041】したがって、図1に示すように、縦方向の
上側に位置する第1の止着部19と第2の止着部20と
の止着位置を、縦方向の下側(中間部15B側)に位置
する第1の止着部19と第2の止着部20との止着位置
よりもおむつの内側に寄せた状態で、第2の止着部20
が第1の止着部19の縦方向のほぼ中心に止着できるよ
うになる。よって、装着状態のおむつは、腰回りで太
く、胴回り(ウエスト)で細くなり、体にフィットしや
すく、またウエストの部分で身体に確実に締め付けるこ
とができるようになる。
【0042】また、この実施の形態では、第2の止着部
20が、先端に掛止頭部を有するキノコ形状または鉤形
状の多数の掛止突体が形成された樹脂製の掛止シートで
あり、第1の止着部19は、ポリエステル繊維によりト
リコット編みされた織布または不織布である。なお、第
2の止着部20として掛止シートの代りに粘着テープが
設けられ、第1の止着部19の織布または不織布の代り
にフィルムが設けられ、装着状態で粘着テープがフィル
ム表面に粘着させられるものであってもよい。
【0043】おむつ15の中間部15Bの両縁部には、
例えば2本の平ゴム21,21が縦方向に伸ばされた状
態で、外面シート16と内面シート17の間にて、両シ
ートに対しホットメルト型接着剤などにより接着されて
いる。この平ゴム21,21により縦方向が収縮させら
れて皺が寄り、大腿部ギャザー15cが形成される。こ
の大腿部ギャザー15cにより、おむつは外面シート1
6側が凸状の立体形状となる。おむつ15を装着したと
きに、この大腿部ギャザー15cが着用者の足の付け根
を適度に締め付け、大腿部とおむつの間に隙間が生じる
のを防止し、おむつが着用者の大腿部にフィットできる
ものとなっている。
【0044】図2(A)に示されているように、おむつ
15の中間部15Bでの縦方向の中心域よりも前面部1
5A側の部分、さらに詳しくは中間部15Bから、前記
中間部15Bと前面部15Aとの境界部分にかけての領
域αには、おむつの横方向に延びる平ゴムなどの弾性部
材22が、縦方向に間隔を開けて複数本設けられてい
る。この弾性部材22は、図3(A)に示すように吸収
体18の外側で且つ外面シート16の内面に設けられ、
伸び率が、1.5倍ないし3倍、好ましくは2倍ないし
2.5倍となるように伸ばされた状態で外面シート16
にホットメルト型接着剤24で接着固定されている。弾
性部材22と外面シート16は、ホットメルト型接着剤
24により弾性部材22の全長にわたって接着され、ま
たは弾性部材22と外面シート16はホットメルト型接
着剤24で部分的に接着されている。また図3(A)に
示すように、薄肉部23aの部分では、弾性部材22と
内面シート17と外面シート16とが、互いに前記接着
剤24により接着固定されている。
【0045】前記弾性部材22により領域αにおいてお
むつが横方向に収縮させられ、フロントギャザーGが形
成される。図2に示す例では、前記フロントギャザーG
が中間部15B、および中間部15Bと前面部15Aと
の境界部にかけて形成されている。図6および図7
(B)に示される男性用の尿取りパッド8が併用される
場合、弾性部材22が設けられている領域αは、前記尿
取りパッド8が装着される領域にほぼ一致している。こ
の場合、中間部15Bの横方向の中心線Oから前面部1
5Aにて最も端に設けられた弾性部材22までの距離
(図2(A)にてMで示す)は250mm程度であるこ
とが望ましい。
【0046】図2(B)に示されているように、おむつ
15の吸収体18が設けられている領域のほぼ全面に、
複数本の薄肉部23a,23b,23cが形成されてい
る。薄肉部23aは、中間部15Bにて縦方向に直線状
に延び、横方向に一定の間隔を開けて3条形成されてい
る。また薄肉部23bと23cは、前面部15Aと後面
部15Cにおいて、縦方向に直線状に延び、また横方向
に一定の間隔を開けて4条ずつ設けられている。また中
間部15Bに設けられた薄肉部23aと、前面部15A
および後面部15Cに設けられた薄肉部23b,23c
とは、互いに分離されており不連続である。
【0047】また、中間部15Bに設けられている3条
の薄肉部23aと、前面部15Aに設けられた4条の薄
肉部23bは、中間部15Bと前面部15Aとの境界部
にて、薄肉部の終端部どうしが互い違いに入り込むよう
に形成されており、この部分では薄肉部23aと薄肉部
23bとが横方向に互いに重なった位置に形成されてい
る。なお、薄肉部23aと薄肉部23bとが互い違いに
交じり合う部分は、前記弾性部材22が設けられてフロ
ントギャザーGが形成される領域αの中に位置してい
る。なお、薄肉部23aと薄肉部23bとが互い違いに
形成される部分は、中間部15Bと前面部15Aとの境
界に正確に一致している必要はなく、境界部付近であれ
ば、中間部15B側に寄った位置であってもよいし、前
面部15A側に寄った位置であってもよい。また薄肉部
23aと薄肉部23bが互い違いとなる部分は、前記領
域α内であることが好ましいが、弾性部材22による収
縮力を受ける場所であれば領域αから若干外れていても
よい。さらに、前面部15Aでは、横方向に帯状に延び
る縦方向に間隔を開けた第1の止着部19が設けられて
いるが、前面部15Aに形成されている前記薄肉部23
bは、第1の止着部19が設けられた領域の裏側に重な
るように延びている。
【0048】図3(A)(B)に示されているように、
図示する実施の形態では、薄肉部23a,23b,23
cが、全て吸収体18が存在していない不存在線状領域
となっており、薄肉部23a,23b,23cでは、外
面シート16と内面シート17がホットメルト型接着剤
24などにより直接に接着されている。また弾性部材2
2が介在している部分では、前記薄肉部23a,23
b,23cにおいて、内面シート17および外面シート
16が弾性部材22と接着されていることが好ましい。
このおむつ15では、縦方向に直線状に延びる薄肉部2
3a,23b,23cが設けられ、薄肉部23aと23
bが形成されている領域αにおいて、弾性部材22によ
り前記薄肉部と直交する方向への弾性収縮力が与えられ
ている。
【0049】この弾性収縮力が吸収体18の剛軟度より
大きいとき、図3(B)に示すように厚肉部がおむつの
横方向両側から寄せられ、薄肉部23aを挟んで隣合う
厚肉部どうしが密着し、さらに横方向に収縮して厚肉部
における吸収体18がおむつの内側(着用者の体側)に
向けて凸形状に変形する。これにより、領域αにおいて
おむつは体に密着し、おむつと体との間に空間が形成さ
れることはない。このようにおむつを体にフィットする
ように変形させるためには、例えばJIS P8125
で測定した吸収体18の剛軟度が3〜20g・cmのと
き、2倍の長さに伸張したときの弾性力が10g以上で
ある弾性部材を2本以上設ければ、弾性部材による弾性
収縮力が吸収体の剛軟度を上回り、厚肉部において吸収
体を収縮させることができる。但し、弾性収縮力が強す
ぎるとおむつの幅寸法が小さくなりすぎてしまうので、
弾性部材一本当たりの弾性力の上限は100g程度で、
本数は弾性部材の弾性力によって異なるが、通常2本な
いし50本程度が好ましい。
【0050】また、図2(B)に示すものでは、弾性部
材22の弾性力が与えられる領域αに、中間部15B側
の薄肉部23aの終端と、前面部15A側の薄肉部23
bの終端の双方が位置し、しかも両薄肉部23aと23
bが不連続であるため、中間部15Bと前面部15Aの
境界部では、吸収体18の分割数が多くなるため、この
部分でおむつが横方向へ収縮しやすくなり、前方へ膨ら
みにくくなる。薄肉部23aと23bとが互い違いに入
り込む形状ではなく、図4(B)に示すように、両薄肉
部23aと23bの終端部どうしが縦方向の上下方向へ
若干離れていても、両薄肉部23aと23bが、弾性部
材22による弾性収縮力の影響を受ける位置に設けられ
ていれば、αの領域において中間部15Bと前面部15
Aとが横方向へ収縮しやすくなり、吸収体18の前方へ
の膨らみを防止できる。しかし、図2(B)に示すよう
に、中間部15Bと前面部15Aとの境界領域におい
て、3条の薄肉部23aと4条の薄肉部23bとが互い
違いに入り込むように交じり合っている構造とすると、
この部分では、吸収体18が横方向へ8分割されること
になるため、弾性部材22の収縮力を受けた吸収体18
が横方向に寄せられてさらに収縮しやすくなる。
【0051】したがって、おむつの吸収体18が体にフ
ィットし、吸収体18と体の間に隙間が形成されなくな
り、尿や便の洩れを防止できる。また中間部15Bの薄
肉部23aにより、おむつ15を直に着用するときなど
に尿が一箇所に集中することが防がれ、前面部および後
面部の吸収体に尿を分散させやすくなる。弾性部材22
による収縮力を受ける前記中間部15Bの薄肉部23a
および前面部15Aの薄肉部23bは、隣合う薄肉部間
の間隔(図2(B)にてLで示す長さ)が、通常10な
いし100mm程度で、薄肉部23a,23bの幅(図
2(B)にlで示す長さ)が1ないし15mmとなるよ
う形成される。この数値の範囲内で薄肉部23a,23
bを形成すると、着用者の体の外周に沿って変形しやす
く、且つ尿の分散性のよいおむつとなる。
【0052】このおむつ15が成人男性に装着されると
きには、通常図7(A)(B)に示されているような尿
取りパッド8が併用される。この尿取りパッド8は、図
7(A)に示すシート状のものが、外側シート9が外側
に向くよう円錐形状に成形されて、図7(B)に示す袋
状にされ、重ね合わせ部8bが体の前面部になるよう着
用される。そして、尿取りパッド8を着用した状態で、
おむつ15の後面部15Cを尻側に、中間部15Bを股
間部に、前面部15Aを腹側に当て、尿取りパッド8の
粘着部14をおむつ15の前面部の内面シート17に粘
着接合し、止着部19と20とを掛止しておむつ15が
装着される。このとき、おむつ15は薄肉部23a,2
3b,23cにより着用者の体の外周に沿って変形し、
さらに前面部15Aと中間部15Bの境界の領域αは尿
取りパッド8の形状に合わせて変形する。そしてフロン
トギャザーGが着用者の股間部に当たり、尿取りパッド
8の外形に合わせて伸張して弾性的に尿取りパッド8に
フィットし、尿取りパッド8を着用者の体から外れない
よう押さえることができる。したがって、尿取りパッド
8が位置ずれせず、尿取りパッド8によって効果的に尿
を吸収できる。
【0053】また、このおむつ15が女性に使用される
ときには、前記尿取りパッド8は図7(A)に示される
シート状のままで、おむつ15の中間部15Bの内面シ
ート17上に重ねられ、これが装着される。前記フロン
トギャザーGは、この尿取りパッド8に当てられるの
で、尿取りパッド8をフロントギャザーGにより安定的
に保持できるものとなる。また女性用の尿取りパッドが
用いられる場合には、弾性部材22が図2(A)よりも
さらに中心線O寄りに設けられることが好ましい。この
ように尿取りパッド8が用いられると、股間部および腰
の部分で、装着されたおむつに膨らみが形成されるが、
前記のように、このおむつでは、第2の止着部20と2
0がおむつの縦方向に対して斜めに向けられた状態で、
第1の止着部19,19に止着されるため、前記の膨ら
みがあっても、ウエスト部分で細くでき、ウエストの部
分で止着部19と20とで、おむつを確実に締め付ける
ことが可能である。
【0054】また、尿取りパッドを使用せず、おむつ1
5のみを装着するときには、フロントギャザーGが着用
者の股間部の形に沿って変形し、股間部に弾性的にフィ
ットする。したがって、着用者の体とおむつ15との間
に隙間が生じず、尿や便の横洩れを防止でき、尿や便を
おむつ15内に確実に保持できる。また、前記薄肉部2
3a,23b,23cにより、尿を中間部にのみに集中
させることなく分散できるので、おむつ15の吸収性能
を向上できる。
【0055】さらに、図2(A)(B)に示すように、
前面部15Aに形成された薄肉部23bは、第1の止着
部19と重なる位置にまで延びている。前面部15Aに
後翼片15b,15bが重ねられて止着部19と20と
が止着されるとき、前面部15Aの表面に変形力が与え
られやすい。特に図2(A)に示すように、第1の止着
部19が設けられた部分の近傍に弾性部材22によるフ
ロントギャザーGが設けられていると、この弾性部材2
2の収縮力が第1の止着部19の部分に作用して、第1
の止着部19が横方向への収縮力を受けやすくなる。こ
の収縮力に対し、第1の止着部19が設けられている部
分では、図3(A)に示したのと同様に薄肉部23bの
幅が縮まるが、薄肉部23bと薄肉部23bとの間の吸
収体が存在している部分では横方向に若干縮まるにし
ろ、その表面はほぼ平坦となる。よって第1の止着部1
9は、薄肉部23bと薄肉部23bとの間の部分で平坦
な部分が残りやすくなり、この部分が止着領域として比
較的広くなり、第2の止着部20をこの平坦部にて第1
の止着部19に接合することにより、止着強度を高く確
保できる。
【0056】図4(A)(B)は、前述のように、中間
部15Bの方向へ延びる薄肉部23aと、前面部15A
の方向へ延びる薄肉部23bの終端部どうしが、縦方向
へ若干離れ、縦方向へ所定の幅Haの領域となる薄肉部
の不存在部23dが形成された形態を示している。な
お、この不存在部23dは、弾性部材22が設けられて
フロントギャザーGが形成されているαの領域の内部に
位置している。図3(B)に示すように、薄肉部23a
または23bが形成されている部分では、弾性部材22
による横方向への収縮力により、陥没が形成され、内面
シート17に凹部が形成され、内面シート17の凹凸が
顕著になる。しかし、薄肉部の不存在部23dが設けら
れていると、この部分では内面シート17の凹凸がやや
緩やかになり、比較的平面領域を広く確保できる。図7
(A)(B)に示すように、尿取りパッド8がフロント
ギャザーGの内側に設置されるとき、粘着部14を前記
不存在部23dに粘着させると、薄肉部が存在していな
いために、粘着部14と内面シート17とが対面する確
率(対面する面積)を広くできる。したがって、尿取り
パッド8の接着強度を高くでき、パッドのずれを防止で
きる。
【0057】しかも、前記のように、薄肉部の不存在部
23dの前後には薄肉部23aと23bが存在している
ため、弾性部材22でおむつを横方向へ収縮させる機能
を大きく阻害することはない。また薄肉部の不存在部2
3dは、排尿位置に形成されるため、不存在部23dに
多くの吸収体18が存在することにより、尿の吸収効果
の低下を防止できる。
【0058】図5は本発明のおむつの他の実施の形態を
示すものであり、おむつ15を展開して外側から見た図
である。この例では、弾性部材22がおむつの両端から
中央に向かうにつれて、おむつ15の中間部15Bの中
心方向へ突出するように湾曲して取り付けられている。
このように弾性部材22を形成すると、おむつ15は尿
取りパッド8および着用者の股間部の形により合うよう
に変形し、さらにフィット性の高いものとなる。また図
5においても、第1の止着部19の縦方向の配置ピッチ
P1よりも、第2の止着部20の縦方向の配置ピッチP
2の方が大きく、また第1の止着部19の終端部間の寸
法H1よりも、第2の止着部20の終端部間の寸法H2
の方が大きく、さらに第1の止着部19の縦方向の幅寸
法B1が第2の止着部20の縦方向の幅寸法B2よりも
十分に大きくなっている。
【0059】よって、身体に装着されたときに、必然的
に胴回り部分(ウエスト)の部分で細くでき、胴回り部
分におむつを確実に締め付けることができる。また図5
でも前面部15Aにおいて、薄肉部23bが、第1の止
着部19と重なる領域に形成されている。
【0060】以上、本発明をオープンタイプのおむつを
例にとり説明したが、本発明の薄肉部23a,23b,
23cを設けたことによる効果およびフロントギャザー
を設けたことによる効果に関しては、パンツ型のおむつ
に形成しても効果を発揮する。また、大人用のみならず
幼児用のおむつに形成してもよい。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のおむつで
は、前面部側または中間部と前面部との境界領域に弾性
部材が設けられてギャザーが形成されており、このギャ
ザーの形成領域により着用者の股間部を弾性的に押さえ
ることができる。よって、おむつと股間部との間に隙間
が生じず、おむつが股間部にフィットするものとなる。
【0062】そして、おむつの縦方向に薄肉部が形成さ
れているので、前記薄肉部によりおむつが着用者の体の
外形に沿って変形しやすく、また吸収体が横方向へ収縮
して股間部が袋状に膨らむことを効果的に防止できる。
さらに、中間部に形成された薄肉部が前面部の薄肉部間
の領域に延び、前面部と中間部との境界の領域において
前面部の薄肉部と中間部の薄肉部が互い違いに交わり、
この領域にギャザーが形成されることにより、おむつが
横方向に収縮し前方へ膨らみにくくなり、着用者の股間
部の形状に合った形に変形する。そして、この領域にギ
ャザーが形成されることにより、着用者の股間部にフィ
ットするものとなる。
【0063】よって、このおむつと尿取りパッドが組み
合わされるとき、尿取りパッドの位置ずれがおこらず、
尿取りパッドを安定的に保持でき、尿取りパッドにより
効果的に尿を吸収することができる。また、尿取りパッ
ドを併用せずこのおむつのみを装着するときは、尿や便
などの排泄物を確実に保持でき、横洩れ等の心配が生じ
ないものとなる。
【0064】また、前記弾性部材は、前記尿取りパッド
が取付けられる部分に限定的に設けられているため、そ
れ以外の部分は自然の状態で肌に当たるようになり、身
体全体への装着感が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のおむつの着用されたときの状態を示す
斜視図、
【図2】本発明のおむつの展開平面図で、(A)はおむ
つの表側の展開平面図、(B)は裏側の展開平面図、
【図3】図2または図4のIII−III線の断面図で
あり、(A)は展開状態、(B)は弾性部材が収縮して
フロントギャザーGが形成された状態を示す、
【図4】本発明の他の実施の形態のおむつの展開平面図
で、(A)はおむつの表側の展開平面図、(B)は裏側
の展開平面図、
【図5】本発明の他の実施形態のおむつの展開図、
【図6】従来のおむつの正面図、
【図7】尿取りパッドを示す図で、(A)は着用前の平
面状の状態を示し、(B)は着用するために円錐形状に
成形された状態を示す、
【符号の説明】 8 尿取りパッド 15 おむつ 16 外面シート 17 内面シート 18 吸収体 19 第1の止着部 20 第2の止着部 22 弾性部材 23a,23b,23c 薄肉部 23d 薄肉部の不存在領域 G フロントギャザー P1 第1の止着部のピッチ P2 第2の止着部のピッチ H1 第1の止着部の終端部間の寸法 H2 第2の止着部の終端部間の寸法

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸収体の外側に外面シートが内側に透液
    性の内面シートが重ねられた積層体により形成され、着
    用者の腹側に当てられる前面部と、尻側に当てられる後
    面部と、股間部に当てられる中間部とを有するおむつに
    おいて、前記前面部から中間部を経て後面部に至る方向
    を縦方向としたときに、少なくとも前記中間部に、吸収
    体が存在しないまたは吸収体の肉厚を薄くした薄肉部が
    縦方向に線状に延びて形成されており、前記吸収体の外
    側には、吸収体に対して前記薄肉部を横断する方向への
    収縮力を与える弾性部材が設けられ、この弾性部材は、
    縦方向の中心域よりも前記前面部側に寄った位置に部分
    的に設けられていることを特徴とするおむつ。
  2. 【請求項2】 弾性部材は、前記前面部と中間部の双方
    にまたがる位置に設けられている請求項1記載のおむ
    つ。
  3. 【請求項3】 内面シートの内側に尿取りパッドが取付
    けられる使い捨ておむつであり、前記尿取りパッドが取
    付けられる領域に前記弾性部材が設けられる請求項1ま
    たは2記載のおむつ。
  4. 【請求項4】 縦方向の中心域よりも前記前面部側に寄
    った位置で、前面部側に延びる薄肉部と中間部側に延び
    る薄肉部とが互いに分離されて、この分離された部分に
    薄肉部の不存在部が縦方向へ所定の幅で形成されてお
    り、尿取りパッドが前記不存在部を含む領域に取付けら
    れる請求項3記載のおむつ。
  5. 【請求項5】 中間部に形成されている薄肉部と、前面
    部に設けられている薄肉部とが、前記中間部と前面部と
    の境界付近で互い違いに交わっており、薄肉部が互い違
    いに交わる部分において、弾性体から吸収体に収縮力が
    与えられている請求項1ないし3のいずれかに記載のお
    むつ。
  6. 【請求項6】 前面部の表面には、体に装着されるとき
    に前記後面部が重ねられて止着される止着部が設けられ
    ており、前記薄肉部は、前記止着部が設けられている領
    域に延びている請求項1ないし5のいずれかに記載のお
    むつ。
  7. 【請求項7】 弾性部材は、吸収体と外面シートとの間
    に設けられ、前記薄肉部において、弾性部材と内面シー
    トと外面シートとが互いに接着固定されている請求項1
    ないし6のいずれかに記載のおむつ。
  8. 【請求項8】 平面に展開された状態で、前記弾性部材
    は、中間部の縦方向の中心に向かって突状となるように
    湾曲して取り付けられている請求項1ないし7のいずれ
    かに記載のおむつ。
  9. 【請求項9】 吸収体の外側に外面シートが内側に透液
    性の内面シートが重ねられた積層体により形成され、着
    用者の腹側に当てられる前面部と、尻側に当てられる後
    面部と、股間部に当てられる中間部とを有するおむつに
    おいて、前記前面部から中間部を経て後面部に至る方向
    を縦方向としたときに、前記前面部または後面部の表面
    に、第1の止着部が設けられ、体に装着されるときに前
    記前面部に重ねられる後面部の両側部または後面部に重
    ねられる前面部の両側部に、前記第1の止着部に止めら
    れる第2の止着部が縦方向に間隔を開けて設けられてお
    り、前記第1の止着部によって前面部または後面部の表
    面に形成される止着可能な領域の縦方向の終端部間の全
    長寸法H1よりも、縦方向に並ぶ前記第2の止着部の縦
    方向の終端部間の間隔寸法H2の方が大きいことを特徴
    とするおむつ。
  10. 【請求項10】 前記縦方向と直交する方向を横方向と
    したときに、第1の止着部は、横方向へ長辺が向けられ
    た長方形状である請求項9記載のおむつ。
  11. 【請求項11】 第2の止着部は、複数の掛止突体を有
    する樹脂製の掛止シートで、第1の止着部は、前記掛止
    突体が掛止される織布シートまたは不織布シートである
    請求項9または10記載のおむつ。
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