JPH10121121A - 製鋼スラグの水浸膨張性の低減方法 - Google Patents
製鋼スラグの水浸膨張性の低減方法Info
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- JPH10121121A JPH10121121A JP27074496A JP27074496A JPH10121121A JP H10121121 A JPH10121121 A JP H10121121A JP 27074496 A JP27074496 A JP 27074496A JP 27074496 A JP27074496 A JP 27074496A JP H10121121 A JPH10121121 A JP H10121121A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 製鋼スラグについて、遊離CaOに起因した水
浸膨張性を、エージング処理を必要とすることなしに効
果的に低減する。 【解決手段】 精錬処理中におけるCaO源、SiO2源およ
び Al2O3源の投入量を調整して、スラグ中における当該
各成分につき、重量比で (CaO%/SiO2%)≧ 2.2、かつ (CaO%/(SiO2% + Al2O3%))≦ 2.0 の範囲に制御する。
浸膨張性を、エージング処理を必要とすることなしに効
果的に低減する。 【解決手段】 精錬処理中におけるCaO源、SiO2源およ
び Al2O3源の投入量を調整して、スラグ中における当該
各成分につき、重量比で (CaO%/SiO2%)≧ 2.2、かつ (CaO%/(SiO2% + Al2O3%))≦ 2.0 の範囲に制御する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、製鋼スラグの水
浸膨張性の低減方法に関し、特に路盤材やアスファルト
混入材等に使用される製鋼スラグの水浸膨張率の有利な
低減を図ろうとするものである。
浸膨張性の低減方法に関し、特に路盤材やアスファルト
混入材等に使用される製鋼スラグの水浸膨張率の有利な
低減を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】溶銑予備処理スラグ、転炉スラグおよび
溶融還元炉スラグ等の製鋼スラグは、遊離CaOを多量に
含有する。ここに、遊離CaOは次式(1) の水和反応によ
って Ca(OH)2となり、この時に体積が約2倍になる。 CaO+H2O → Ca(OH)2 (1)
溶融還元炉スラグ等の製鋼スラグは、遊離CaOを多量に
含有する。ここに、遊離CaOは次式(1) の水和反応によ
って Ca(OH)2となり、この時に体積が約2倍になる。 CaO+H2O → Ca(OH)2 (1)
【0003】従って、遊離CaOを多量に含有するスラグ
を、路盤材等に使用した場合、水和反応による体積膨張
のため、路盤に凹凸を生じて車両の走行に支障が生じる
ことになる。このため、道路用鉄鋼スラグの物性として
JIS A 5015では、水浸膨張率を1.5%以下に制限してお
り、この規定を満足させることが重要である。
を、路盤材等に使用した場合、水和反応による体積膨張
のため、路盤に凹凸を生じて車両の走行に支障が生じる
ことになる。このため、道路用鉄鋼スラグの物性として
JIS A 5015では、水浸膨張率を1.5%以下に制限してお
り、この規定を満足させることが重要である。
【0004】従来、製鋼スラグの膨張の原因となる遊離
CaOを減らすための方法としては、次のような方法が知
られている。 (a) 自然エージング処理方法 この処理は、所定粒度に破砕した製鋼スラグを、山積み
し、大気中の水分、雨水等によって上記 (1)式の水和反
応を行わせることにより、遊離CaOを Ca(OH)2として安
定化する方法である。
CaOを減らすための方法としては、次のような方法が知
られている。 (a) 自然エージング処理方法 この処理は、所定粒度に破砕した製鋼スラグを、山積み
し、大気中の水分、雨水等によって上記 (1)式の水和反
応を行わせることにより、遊離CaOを Ca(OH)2として安
定化する方法である。
【0005】(b) 水蒸気エージング処理方法 この処理は、特開昭61−101441号公報に記載されている
ように、所定粒度に破砕した製鋼スラグを、山積みし、
高温度で蒸気を吹き込み、大気中で48時間以上暴露させ
ることにより、遊離CaOを Ca(OH)2として安定化する方
法である。
ように、所定粒度に破砕した製鋼スラグを、山積みし、
高温度で蒸気を吹き込み、大気中で48時間以上暴露させ
ることにより、遊離CaOを Ca(OH)2として安定化する方
法である。
【0006】(c) 温水エージング処理方法 この処理は、「神戸製鋼技報」Vol.42, No.1 (1992) P.
101 および特開昭57−152411号公報に記載されているよ
うに、所定粒度に破砕した製鋼スラグを、温水に浸漬す
ることにより、遊離CaOを Ca(OH)2として安定化する方
法である。
101 および特開昭57−152411号公報に記載されているよ
うに、所定粒度に破砕した製鋼スラグを、温水に浸漬す
ることにより、遊離CaOを Ca(OH)2として安定化する方
法である。
【0007】(d) 赤泥添加処理方法 この処理は、特公昭57−2768号公報に記載されているよ
うに、溶融状態の転炉スラグまたは電気炉スラグに赤泥
を添加することにより、遊離CaOを消失させ、スラグの
膨張性を安定化する方法である。
うに、溶融状態の転炉スラグまたは電気炉スラグに赤泥
を添加することにより、遊離CaOを消失させ、スラグの
膨張性を安定化する方法である。
【0008】しかし、製鋼スラグ中の遊離CaOは、スラ
グ塊の表面だけでなく、塊の内部にも取り込まれてお
り、その存在状態は様々であるため、遊離CaOを含む製
鋼スラグを路盤材として使用した場合の膨張現象は複雑
なものとなっている。例えば、自然エージング処理法で
は、遊離CaOを安定化するのに通常1年以上の長期間を
要するという問題があった。また、水蒸気エージング処
理法および温水エージング処理法でも、48時間以上のエ
ージング時間を要するという問題があった。さらに、赤
泥添加処理は、溶融状態で赤泥を添加することから、ス
ラグの塩基度が低下し、転炉等の耐火物を損耗させる原
因になる不利があった。
グ塊の表面だけでなく、塊の内部にも取り込まれてお
り、その存在状態は様々であるため、遊離CaOを含む製
鋼スラグを路盤材として使用した場合の膨張現象は複雑
なものとなっている。例えば、自然エージング処理法で
は、遊離CaOを安定化するのに通常1年以上の長期間を
要するという問題があった。また、水蒸気エージング処
理法および温水エージング処理法でも、48時間以上のエ
ージング時間を要するという問題があった。さらに、赤
泥添加処理は、溶融状態で赤泥を添加することから、ス
ラグの塩基度が低下し、転炉等の耐火物を損耗させる原
因になる不利があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の問
題を有利に解決するもので、エージング処理を必要とす
ることなしに、遊離CaOに起因した水浸膨張性を効果的
に低減することができる方法を提案することを目的とす
る。
題を有利に解決するもので、エージング処理を必要とす
ることなしに、遊離CaOに起因した水浸膨張性を効果的
に低減することができる方法を提案することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
溶銑または溶鋼を精錬する製鋼工程において、精錬処理
中におけるCaO源、SiO2源および Al2O3源の投入量を調
整することにより、スラグ中における当該各成分につ
き、重量比で (CaO%/SiO2%)≧ 2.2、かつ (CaO%/(SiO2% + Al2O3%))≦ 2.0 の範囲に制御することを特徴とする、製鋼スラグの水浸
膨張性の低減方法である。
溶銑または溶鋼を精錬する製鋼工程において、精錬処理
中におけるCaO源、SiO2源および Al2O3源の投入量を調
整することにより、スラグ中における当該各成分につ
き、重量比で (CaO%/SiO2%)≧ 2.2、かつ (CaO%/(SiO2% + Al2O3%))≦ 2.0 の範囲に制御することを特徴とする、製鋼スラグの水浸
膨張性の低減方法である。
【0011】この発明では、(CaO%/(SiO2% + Al2
O3%))比を1.0 以上とすることが好ましい。
O3%))比を1.0 以上とすることが好ましい。
【0012】この発明で対象とする製鋼スラグには、溶
銑予備処理スラグ、転炉スラグ、溶融還元炉スラグ、脱
炭炉スラグは勿論のこと、取鍋スラグや電気炉スラグ等
も含まれる。また、この発明において、SiO2源として
は、砂利、高Si濃度の銑鉄、フライアッシュおよびコー
クス等が、また Al2O3源としては、アルミ灰、金属アル
ミニウム、フライアッシュおよびコークス等がとりわけ
有利に適合する。
銑予備処理スラグ、転炉スラグ、溶融還元炉スラグ、脱
炭炉スラグは勿論のこと、取鍋スラグや電気炉スラグ等
も含まれる。また、この発明において、SiO2源として
は、砂利、高Si濃度の銑鉄、フライアッシュおよびコー
クス等が、また Al2O3源としては、アルミ灰、金属アル
ミニウム、フライアッシュおよびコークス等がとりわけ
有利に適合する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明を由来するに至っ
た実験結果について説明する。さて、発明者らは、CaO
−SiO2−MgO−Al2O3 系の種々の組成のスラグを合成
し、JIS A 5015による水浸膨張率とスラグ組成との関係
について調査した。図1は、種々の製鋼スラグの塩基度
(CaO/SiO2)と水浸膨張率との関係を示したものであ
るが、同図から明らかなように、塩基度を 2.0以下にす
ることによって、確実に膨張率を 1.5%以下にすること
ができる。
た実験結果について説明する。さて、発明者らは、CaO
−SiO2−MgO−Al2O3 系の種々の組成のスラグを合成
し、JIS A 5015による水浸膨張率とスラグ組成との関係
について調査した。図1は、種々の製鋼スラグの塩基度
(CaO/SiO2)と水浸膨張率との関係を示したものであ
るが、同図から明らかなように、塩基度を 2.0以下にす
ることによって、確実に膨張率を 1.5%以下にすること
ができる。
【0014】しかしながら、図2に示すように、塩基度
(CaO/SiO2)が 2.2より低いと耐火物の損耗指数が高
くなることから、転炉等において実用上、塩基度を 2.2
より低くすることはできない。ここに、損耗指数とは、
各スラグ組成で精錬を行った時の耐火物の損耗量を、従
来の代表的なスラグ組成における耐火物の損耗量を 100
として、指数化したものである。
(CaO/SiO2)が 2.2より低いと耐火物の損耗指数が高
くなることから、転炉等において実用上、塩基度を 2.2
より低くすることはできない。ここに、損耗指数とは、
各スラグ組成で精錬を行った時の耐火物の損耗量を、従
来の代表的なスラグ組成における耐火物の損耗量を 100
として、指数化したものである。
【0015】一方、図1に示されているとおり、塩基度
が 2.0以上においても膨張率が1.5%以下のスラグが存
在する。これらのスラグの遊離CaO濃度を測定したとこ
ろ、すべて1.0 wt%以下であった。そこで、製鋼スラグ
の膨張現象を解明すべく種々の実験、検討を重ねた結
果、遊離CaOによるスラグの膨張性がスラグの(CaO/
(SiO2 + Al2O3))と相関性があることを、新たに見出し
た。
が 2.0以上においても膨張率が1.5%以下のスラグが存
在する。これらのスラグの遊離CaO濃度を測定したとこ
ろ、すべて1.0 wt%以下であった。そこで、製鋼スラグ
の膨張現象を解明すべく種々の実験、検討を重ねた結
果、遊離CaOによるスラグの膨張性がスラグの(CaO/
(SiO2 + Al2O3))と相関性があることを、新たに見出し
た。
【0016】図3は、塩基度が 2.2以上のスラグの(Ca
O/(SiO2 + Al2O3))と水浸膨張率との関係を示したも
のであるが、同図から明らかなように、スラグの(CaO
/(SiO2 + Al2O3))が 2.0以下では、水浸膨張率が 1.5
%以下になっている。また、この時、スラグ中の遊離Ca
O濃度はすべて1.0 wt%以下であった。一方、(CaO/
(SiO2 + Al2O3))が 2.0より高いスラグの遊離CaO濃度
は、すべて1.0 wt%よりも高かった。
O/(SiO2 + Al2O3))と水浸膨張率との関係を示したも
のであるが、同図から明らかなように、スラグの(CaO
/(SiO2 + Al2O3))が 2.0以下では、水浸膨張率が 1.5
%以下になっている。また、この時、スラグ中の遊離Ca
O濃度はすべて1.0 wt%以下であった。一方、(CaO/
(SiO2 + Al2O3))が 2.0より高いスラグの遊離CaO濃度
は、すべて1.0 wt%よりも高かった。
【0017】従って、耐火物の損耗に影響を及ぼさない
塩基度(CaO/SiO2≧2.2 )において、エージング処理
を必要とすることなしに、スラグを路盤材として使用す
るためには、(CaO/(SiO2 + Al2O3))を 2.0以下に制
御することが重要となる。
塩基度(CaO/SiO2≧2.2 )において、エージング処理
を必要とすることなしに、スラグを路盤材として使用す
るためには、(CaO/(SiO2 + Al2O3))を 2.0以下に制
御することが重要となる。
【0018】この理由については、次のとおりと考えら
れる。すなわち、これらのスラグの鉱物相をX線回折に
より定性した結果、スラグ中のCaOは主に12CaO・7Al2
O3, β−2CaO・SiO2として存在していることが判明し
た。従って、(CaO/(SiO2 + Al2O3))が低いスラグの
場合は、高塩基度ではあってもスラグ中のCaOの多くが
12CaO・7Al2O3等として存在し、膨張の原因となる遊離
CaOがほとんどないため、水浸膨張率が 1.5%以下にな
るものと考えられる。
れる。すなわち、これらのスラグの鉱物相をX線回折に
より定性した結果、スラグ中のCaOは主に12CaO・7Al2
O3, β−2CaO・SiO2として存在していることが判明し
た。従って、(CaO/(SiO2 + Al2O3))が低いスラグの
場合は、高塩基度ではあってもスラグ中のCaOの多くが
12CaO・7Al2O3等として存在し、膨張の原因となる遊離
CaOがほとんどないため、水浸膨張率が 1.5%以下にな
るものと考えられる。
【0019】この発明は、上記の知見に基づいて創作さ
れたものであり、溶銑または溶鋼を精錬する製鋼工程に
おいて、処理中にCaO源、SiO2源、Al2O3 源の投入量を
調整することにより、スラグの塩基度(CaO/SiO2)を
2.2以上で、かつ(CaO/(SiO2 + Al2O3))を 2.0以下
とすることより、発生スラグの冷却後の水浸膨張性を効
果的に低減するものである。ここに、(CaO/(SiO2 +
Al2O3))の好適下限を 1.0とした理由は、1.0 未満のス
ラグ組成では、スラグの溶融温度が高くなりすぎ、精錬
スラグとしては使用に供し難いからである。なお、製鋼
工程の処理中にCaO源、SiO2源、Al2O3 源の投入量を調
整しても、塩基度:2.2 以上を確保していれば、出鋼成
分への影響はほとんどなく、また耐火物への影響もな
い。
れたものであり、溶銑または溶鋼を精錬する製鋼工程に
おいて、処理中にCaO源、SiO2源、Al2O3 源の投入量を
調整することにより、スラグの塩基度(CaO/SiO2)を
2.2以上で、かつ(CaO/(SiO2 + Al2O3))を 2.0以下
とすることより、発生スラグの冷却後の水浸膨張性を効
果的に低減するものである。ここに、(CaO/(SiO2 +
Al2O3))の好適下限を 1.0とした理由は、1.0 未満のス
ラグ組成では、スラグの溶融温度が高くなりすぎ、精錬
スラグとしては使用に供し難いからである。なお、製鋼
工程の処理中にCaO源、SiO2源、Al2O3 源の投入量を調
整しても、塩基度:2.2 以上を確保していれば、出鋼成
分への影響はほとんどなく、また耐火物への影響もな
い。
【0020】
【実施例】表1に示す、各種精錬炉で発生した種々の塩
基度(CaO/SiO2)および(CaO/(SiO2 + Al2O3))比
になるスラグに対し、冷却後、JIS A 5015による水浸膨
張試験を行った。得られた結果を表1に併記する。
基度(CaO/SiO2)および(CaO/(SiO2 + Al2O3))比
になるスラグに対し、冷却後、JIS A 5015による水浸膨
張試験を行った。得られた結果を表1に併記する。
【0021】
【表1】
【0022】表1に示したとおり、比較例1〜4のよう
に(CaO/(SiO2 + Al2O3))が2.0より高い場合には、
水浸膨張率が 1.5%よりも高くなり、このままでは路盤
材等として使用することができない。従って、遊離CaO
を安定化するためのエージング処理が必要となる。これ
に対し、処理中に、CaO源である焼石灰、ドロマイト、
またSiO2源である砂利、フライアッシュ、コークス、ク
ロム鉱石、さらに Al2O3源であるアルミ灰、金属アルミ
ニウム、フライアッシュ、クロム鉱石の投入量を調整し
て、スラグの塩基度(CaO/SiO2)が 2.2以上でかつ
(CaO/(SiO2 + Al2O3))を 2.0以下とした適合例1〜
7はいずれも、遊離CaOが1wt%以下、ひいては水浸膨
張率を1.5 %以下に低減することができた。従って、エ
ージング処理を施す必要なく、そのままで路盤材として
使用することができる。
に(CaO/(SiO2 + Al2O3))が2.0より高い場合には、
水浸膨張率が 1.5%よりも高くなり、このままでは路盤
材等として使用することができない。従って、遊離CaO
を安定化するためのエージング処理が必要となる。これ
に対し、処理中に、CaO源である焼石灰、ドロマイト、
またSiO2源である砂利、フライアッシュ、コークス、ク
ロム鉱石、さらに Al2O3源であるアルミ灰、金属アルミ
ニウム、フライアッシュ、クロム鉱石の投入量を調整し
て、スラグの塩基度(CaO/SiO2)が 2.2以上でかつ
(CaO/(SiO2 + Al2O3))を 2.0以下とした適合例1〜
7はいずれも、遊離CaOが1wt%以下、ひいては水浸膨
張率を1.5 %以下に低減することができた。従って、エ
ージング処理を施す必要なく、そのままで路盤材として
使用することができる。
【0023】なお、適合例1の溶銑予備処理スラグは、
トピードにおいて処理しており、表1に示す副原料を予
備処理時間の終了5分前までに全て装入した。適合例2
の転炉スラグは、底吹き転炉において、表1に示す副原
料を吹錬終了5分前までに全て装入した。適合例3およ
び4のスラグは取鍋スラグは、表1に示す副原料を二次
精錬開始前に全て装入した。適合例5,6および7の溶
融還元炉スラグは、表1に示す焼石灰をガス吹き終了5
分前までに、クロム鉱石およびコークスをガス吹き終了
までに装入した。従って、いずれについても溶融スラグ
は平衡状態になっており、未滓化CaOは存在しない。
トピードにおいて処理しており、表1に示す副原料を予
備処理時間の終了5分前までに全て装入した。適合例2
の転炉スラグは、底吹き転炉において、表1に示す副原
料を吹錬終了5分前までに全て装入した。適合例3およ
び4のスラグは取鍋スラグは、表1に示す副原料を二次
精錬開始前に全て装入した。適合例5,6および7の溶
融還元炉スラグは、表1に示す焼石灰をガス吹き終了5
分前までに、クロム鉱石およびコークスをガス吹き終了
までに装入した。従って、いずれについても溶融スラグ
は平衡状態になっており、未滓化CaOは存在しない。
【0024】
【発明の効果】前述したとおり、従来、製鋼スラグは自
然エージング処理、水蒸気エージング処理等のエージン
グ処理により、遊離CaOを Ca(OH)2として安定化する必
要があったが、この発明によれば、溶銑または溶鋼を精
錬する製鋼工程において、処理中にCaO源、SiO2源およ
び Al2O3源の投入量を調整して、スラグのCaO/SiO2を
2.2 以上で、かつ(CaO/(SiO2 + Al2O3))を 2.0以下
に制御することにより、発生スラグの冷却後の水浸膨張
性を低減することができ、その結果、エージング処理を
必要とすることなしに路盤材等としての使用が可能とな
り、その経済的効果は極めて大と言える。
然エージング処理、水蒸気エージング処理等のエージン
グ処理により、遊離CaOを Ca(OH)2として安定化する必
要があったが、この発明によれば、溶銑または溶鋼を精
錬する製鋼工程において、処理中にCaO源、SiO2源およ
び Al2O3源の投入量を調整して、スラグのCaO/SiO2を
2.2 以上で、かつ(CaO/(SiO2 + Al2O3))を 2.0以下
に制御することにより、発生スラグの冷却後の水浸膨張
性を低減することができ、その結果、エージング処理を
必要とすることなしに路盤材等としての使用が可能とな
り、その経済的効果は極めて大と言える。
【図1】製鋼スラグの塩基度(CaO/SiO2)と水浸膨張
率との関係を示したグラフである。
率との関係を示したグラフである。
【図2】製鋼スラグの塩基度(CaO/SiO2)と耐火物の
損耗指数との関係を示したグラフである。
損耗指数との関係を示したグラフである。
【図3】塩基度が 2.2以上のスラグの(CaO/(SiO2 +
Al2O3))と水浸膨張率との関係を示したグラフである。
Al2O3))と水浸膨張率との関係を示したグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 溶銑または溶鋼を精錬する製鋼工程にお
いて、精錬処理中におけるCaO源、SiO2源および Al2O3
源の投入量を調整することにより、スラグ中における当
該各成分につき、重量比で (CaO%/SiO2%)≧ 2.2、かつ (CaO%/(SiO2% + Al2O3%))≦ 2.0 の範囲に制御することを特徴とする、製鋼スラグの水浸
膨張性の低減方法。 - 【請求項2】 請求項1において、(CaO%/(SiO2%
+ Al2O3%))比が1.0 以上である、製鋼スラグの水浸
膨張性の低減方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27074496A JPH10121121A (ja) | 1996-10-14 | 1996-10-14 | 製鋼スラグの水浸膨張性の低減方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27074496A JPH10121121A (ja) | 1996-10-14 | 1996-10-14 | 製鋼スラグの水浸膨張性の低減方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10121121A true JPH10121121A (ja) | 1998-05-12 |
Family
ID=17490379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27074496A Pending JPH10121121A (ja) | 1996-10-14 | 1996-10-14 | 製鋼スラグの水浸膨張性の低減方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10121121A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003534225A (ja) * | 2000-05-24 | 2003-11-18 | ラファルジュ | 製鋼所スラグの酸化処理方法およびそれにより得られるldスラグ |
KR100398414B1 (ko) * | 1998-12-23 | 2003-12-18 | 주식회사 포스코 | 폐내화물을이용한전로슬래그의팽창성저감방법 |
KR100415646B1 (ko) * | 1998-12-23 | 2004-03-19 | 주식회사 포스코 | 시효처리되지않은전로슬래그를이용한도로용골재 |
KR100805015B1 (ko) * | 2001-12-26 | 2008-02-20 | 주식회사 포스코 | 고로 조업방법 |
CN102534066A (zh) * | 2011-12-13 | 2012-07-04 | 河南科技大学 | 一种高温液态钢渣处理方法 |
-
1996
- 1996-10-14 JP JP27074496A patent/JPH10121121A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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