JPH10121019A - 一体成形品の製造方法 - Google Patents

一体成形品の製造方法

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JPH10121019A
JPH10121019A JP27321596A JP27321596A JPH10121019A JP H10121019 A JPH10121019 A JP H10121019A JP 27321596 A JP27321596 A JP 27321596A JP 27321596 A JP27321596 A JP 27321596A JP H10121019 A JPH10121019 A JP H10121019A
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JP
Japan
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group
component
platinum
amount
silicone rubber
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JP27321596A
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English (en)
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Hideo Takahashi
英雄 高橋
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Momentive Performance Materials Japan LLC
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Toshiba Silicone Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂と付加
型シリコーンゴムとを接着した一体成形品の製造方法に
おいて、これらの接着性を高め、一体成形品の生産効率
や製造コストを改善する。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹
脂からなる被着体に、(A)アルコキシ基を有するアク
リル系化合物とアルコキシシリル基を有するシラン化合
物との共重合体、(B)エポキシ基含有有機ケイ素化合
物、(C)チタン、アルミニウム、鉄のエステル化合物
やキレート化合物、(D)白金もしくは白金化合物、お
よび(E)有機溶剤を含有するプライマー組成物を塗
布、乾燥させた後、この被着体と付加型シリコーンゴム
とを加熱圧着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
樹脂またはアクリル樹脂と付加型シリコーンゴムとを接
着した一体成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、シリコーンゴムの電気・電子分
野、事務分野、自動車分野等の用途への拡大に伴って、
熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂とシリコーンゴムとを強固
に接着、一体化した成形体の開発が望まれている。
【0003】これまでに、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂
を付加型シリコーンゴムに接着させるためのプライマー
組成物としては、例えば炭素原子数が 2〜 8個の有機基
を有するテトラオルガノチタネートまたはその重合物、
エポキシ基を含有する有機ケイ素化合物、不飽和結合を
有する有機ケイ素化合物、白金または白金化合物、有機
溶剤に可溶な有機重合体、および 1種または 2種以上の
有機溶剤の組合せからなる組成物(特公昭52-32030号公
報参照)が知られている。
【0004】上述したプライマー組成物によって、付加
型シリコーンゴムと多くのプラスチック類および金属類
との間に優れた接着性を付与できるになった。しかし、
ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等の一部の有機樹
脂については接着性が劣っており、応用できる分野が制
約されていた。
【0005】このような問題に対して、さらに様々なプ
ライマー組成物が提案されている。ポリカーボネート樹
脂やアクリル樹脂と付加型シリコーンゴムとの接着に関
しては、例えば特公平 3-12114号公報に、アルコキシ基
を有するアクリル系化合物とアルコキシシリル基を有す
るシラン化合物との共重合体、チタンのエステル化合
物、チタンキレート化合物、アルミニウムのエステル化
合物、アルミニウムキレート化合物、鉄のエステル化合
物から選ばれた 1種または 2種以上の化合物、アルケニ
ル基を有するケイ素化合物、白金系、パラジウム系また
はロジウム系の触媒、および有機溶剤からなるプライマ
ー組成物が記載されている。
【0006】しかし、上記したプライマー組成物におい
てもまだ接着力が劣っており、十分良好に接着した一体
成形品を得るためには、成形時の加熱時間やポストキュ
アー時間を長くする必要があり、生産性の低下や製造コ
ストの増加等を招いていた。また、シリコーンゴムと有
機樹脂との一体成形品の製造方法に関して、特開平3-74
484号公報には、脂肪族不飽和結合基および加水分解基
を有するケイ素化合物、エポキシ基および加水分解基を
有するケイ素化合物、白金または白金化合物および有機
溶剤からなるプライマー組成物を使用して、シリコーン
ゴムと各種の有機樹脂とを接着させることが記載されて
いる。
【0007】しかし、上記した方法はポリカーボネート
樹脂やアクリル樹脂に対する接着性が劣っていることに
加えて、安定した接着性を得るためには有機樹脂等から
なる被着体をプライマー組成物に長時間浸漬する必要が
あり、生産性に劣る、樹脂がソルベントクラックを起こ
す等の問題を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
からシリコーンゴムと有機樹脂との接着に関して、種々
のプライマー組成物やそれを用いた一体成形品の製造方
法が提案されているが、ポリカーボネート樹脂やアクリ
ル樹脂とシリコーンゴムとを生産効率よく、また低コス
トで十分良好に接着する方法は見出されていないのが現
状である。
【0009】このようなことから、ポリカーボネート樹
脂やアクリル樹脂と付加型シリコーンゴムとの一体成形
品の製造方法においては、これらの接着性を高め、加熱
制御や長時間のキュアー等を行うことなく、強固に接着
した一体成形品の製造を可能にすることが課題とされて
いる。
【0010】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、ポリカーボネート樹脂またはアクリ
ル樹脂と付加型シリコーンゴムとの接着性を向上させ、
容易にかつ効率よく一体成形品を製造することを可能に
した一体成形品の製造方法を提供することを目的として
いる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意検討した結果、アルコキシ基を有す
るアクリル系化合物とアルコキシシリル基を有するシラ
ン化合物との共重合体に、エポキシ基含有の有機ケイ素
化合物、チタン、アルミニウム、鉄のエステル化合物や
キレート化合物等、白金もしくは白金化合物を配合する
と共に、有機溶剤を添加したプライマー組成物を用いる
ことによって、付加型シリコーンゴムとポリカーボネー
ト樹脂またはアクリル樹脂とに強固な接着性を容易に与
え得ることが可能であることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0012】すなわち、本発明の一体成形品の製造方法
は、 (A) (a)
【化3】 で表されるアクリル系化合物と、(b)
【化4】 で表され、前記 (a)成分に対して 0.1〜1000重量% のシ
ラン化合物を、遊離基開始剤の存在下で反応させて得ら
れる共重合体、 (B) 一般式:R5 a 6 b Si(OR7 4-(a+b) ……(3) (式中、R5 はエポキシ基を有する有機基を、R6 およ
びR7 はそれぞれアルキル基を有する有機基を示し、 a
は 1または 2を、 bは 0または 1を示す)で表される有
機ケイ素化合物、 (C)チタンのエステル化合物、チタンキレート化合
物、アルミニウムのエステル化合物、アルミニウムキレ
ート化合物、および鉄のエステル化合物から選ばれる 1
種または 2種以上の化合物、 (D)白金もしくは白金化合物、および (E)有機溶剤を含有するプライマー組成物を、ポリカ
ーボネート樹脂またはアクリル樹脂からなる被着体に塗
布、乾燥させた後、前記被着体と付加型シリコーンゴム
とを加熱圧着することを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0014】本発明の一体成形品の製造方法は、ポリカ
ーボネート樹脂またはアクリル樹脂と付加型シリコーン
ゴムとを、プライマー組成物を用いて接着することによ
り一体成形品を製造する方法であり、プライマー組成物
はポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂からなる被
着体に塗布する。なお、一体成形品の作製に用いるポリ
カーボネート樹脂またはアクリル樹脂と付加型シリコー
ンゴムとは特に限定されるものではなく、通常のポリカ
ーボネート樹脂またはアクリル樹脂や付加型シリコーン
ゴムを使用することができる。
【0015】上述したポリカーボネート樹脂またはアク
リル樹脂からなる被着体に塗布するプライマー組成物
は、(A)上記した (1)式で表されるアクリル系化合物
と (2)式で表されるシラン化合物との共重合体、(B)
上記した (3)式で表される有機ケイ素化合物、(C)チ
タンのエステル化合物、チタンキレート化合物、アルミ
ニウムのエステル化合物、アルミニウムキレート化合
物、および鉄のエステル化合物から選ばれる 1種または
2種以上の化合物、(D)白金もしくは白金化合物およ
び(E)有機溶剤を含有するものである。
【0016】上記したプライマー組成物中の(A)成分
は、 (a)アクリル系化合物と (b)シラン化合物との共重
合体であり、 (a)成分のアクリル系化合物は上記した
(1)式で表されるものである。 (1)式中のR1 として
は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基のようなアルキル基、フェニル基のようなア
リール基、β- フェニルエチル基、β- フェニルプロピ
ル基のようなアラルキル基、およびクロロメチル基、シ
アノエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基のような
置換炭化水素基が例示されるが、合成の容易なこと、未
硬化の状態で取扱いやすいこと等から、水素原子または
メチル基であることが好ましい。また、R2 としてはR
1 と同様に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デ
シル基、ドデシル基のようなアルキル基、フェニル基の
ようなアリール基、β- フェニルエチル基、β- フェニ
ルプロピル基のようなアラルキル基、およびクロロメチ
ル基、シアノエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基
のような置換炭化水素基が例示される。
【0017】上述した (a)アクリル系化合物の具体例と
しては、CH2 =CHCOOH、CH2 =CHCOOC
3 、CH2 =CHCOOC2 5 、CH2 =CHCO
O(CH2 3 CH3 、CH2 =CHCOOCH2 CH
(C2 5 )(CH2 3CH3 、CH2 =CHCOO
CH(CH3 )CH2 CH(CH3 2 、CH2 =C
(CH3 )COOH、CH2 =C(CH3 )COOCH
3 、CH2 =C(CH3 )COOC2 5 、CH2 =C
(CH3 )COO(CH2 3 CH3 、CH2=C(C
3 )COOCH(CH3 )C2 5 、CH2 =C(C
3 )COO(CH2 11CH3 、CH2 =C(C
3 )COO(CH2 17CH3 等が挙げられる。
【0018】また、 (b)成分のシラン化合物は、上記し
た (2)式で表されるものである。(2)式中のR3 として
は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基のようなアルキル基、フェニル基のようなア
リール基、β- フェニルエチル基、β- フェニルプロピ
ル基のようなアラルキル基、およびクロロメチル基、シ
アノエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基のような
置換炭化水素基が例示されるが、合成の容易なことか
ら、水素原子またはメチル基が好ましい。またR4 とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ア
ミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル
基のようなアルキル基、フェニル基のようなアリール
基、β- フェニルエチル基、β- フェニルプロピル基の
ようなアラルキル基、およびクロロメチル基、シアノエ
チル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基のような置換炭
化水素基が例示されるが、合成の容易なことからメチル
基、エチル基、プロピル基が好ましい。Qは炭素数 1〜
6の 2価の炭化水素基であり、その合成のたやすいこ
と、および安定性の点からプロピレン基が最も好まし
い。
【0019】上述した (b)シラン化合物の具体例として
は、CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(OCH3
3 、CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(OC
2 5 3、CH2 =CHCOO(CH2 3 Si(O
3 7 3 、CH2 =C(CH3)COO(CH2
3 Si(OCH3 3 、CH2 =C(CH3 )COO
(CH2 3 Si(OC2 5 3 、CH2 =C(CH
3 )COO(CH2 3 Si(OC3 7 3 等が挙げ
られる。
【0020】上述した (a)成分と (b)成分との共重合体
を得る際の両成分の配合比は、 (b)成分量を (a)成分に
対して 0.1〜1000重量% の範囲とし、より好ましくは10
〜500重量% の範囲から選ばれる。 (b)成分が 0.1重量%
未満であると良好な接着力が得られず、一方1000重量%
を超えると組成物の保存安定性が低下し、またコスト
的にも不利となる。
【0021】(a)成分と (b)成分との共重合体反応は、
遊離基開始剤の存在下に有機溶剤中で行われる。遊離基
開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジク
ロロベンゾイルパーオキサイド、ジ -t-ブチルパーオキ
サイド、t-ブチルパーオクトエート、t-ブチルパーベン
ゾエート等の有機過酸化物、およびアゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾ化合物が例示される。使用量は特に限
定されないが、 (a)成分と (b)成分との合計量に対して
0.05〜 1重量% 程度が好ましい。反応温度は室温から溶
剤の還流温度までの範囲であるが、適当な反応時間を得
るために、遊離基開始剤の半減期が 1〜 6時間となるよ
うな温度が好ましく、特に遊離基開始剤の半減期が約 4
時間となるような温度が望ましい。半減期が約 4時間と
なる温度は遊離基開始剤の種類により異なるが、ベンゾ
イルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキ
サイド、t-ブチルパーオクトエート、アゾビスイソブチ
ロニトリル等の場合には 333〜363K程度である。
【0022】また、本発明で用いられるプライマー組成
物中の(B)成分は、一般式:R5 a 6 b Si(OR
7 4-(a+b)で表される有機ケイ素化合物であり、R5
のエポキシ基を有する有機基としてはグリシドキシプロ
ピル基等が挙げられる。(B)成分の具体例としては、
γ- グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ- グ
リシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ- グリシド
キシプロピル(メチル)ジエトキシシラン、β-(3,4-エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が
挙げられる。このようなエポキシ基含有の有機ケイ素化
合物の配合量は、特に規定されるものではないが、
(A)成分 100重量部に対して 0.1〜500重量部の範囲
とすることが好ましい。この範囲を外れるとプライマー
組成物の接着性が低下するおそれがある。
【0023】本発明で用いられるプライマー組成物中の
(C)成分は、チタンのエステル化合物、チタンキレー
ト化合物、アルミニウムのエステル化合物、アルミニウ
ムキレート化合物、および鉄のエステル化合物から選ば
れる 1種または 2種以上の化合物であり、本発明で用い
られるプライマー組成物に乾燥性、被膜形成性および接
着機能を付与のための成分である。
【0024】上述した(C)成分のうち、チタンのエス
テル化合物としてはテトラエチルチタネート、テトラ -
n-プロピルチタネート、テトラ -n-ブチルチタネート等
のチタンエステルおよびその重合物が、チタンキレート
化合物としてはチタンエチルアセトネート、チタンアセ
チルアセトネート等が、アルミニウムのエステル化合物
としてはアルミニウムイソプロピレート、アルミニウム
-sec-ブチレート等が、アルミニウムキレート化合物と
してはアルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウ
ムトリス(エチルアセトアセテート)、アセトアセテー
トアルミニウムジイソプロピレート等が、鉄のエステル
化合物としてはナフテン酸鉄、オクテン酸鉄等が挙げら
れる。
【0025】(C)成分の配合量は、(A)成分 100重
量部に対して 0.1〜 500重量部の範囲とすることが好ま
しい。(C)成分の配合量が 0.1重量部未満では乾燥性
や接着性が劣るおそれがあり、一方 500重量部を超える
と乾燥速度が速くなりすぎて、作業性やプライマー組成
物の安定性を損ねるおそれがある。
【0026】本発明で用いられるプライマー組成物中の
(D)成分は、白金または白金化合物であり、例えば単
体の白金、白金をアルミナ、カーボンブラック等に吸着
させたもの、H2 PtCl6 ・ nH2 O、NaHPtC
6 ・ nH2 O、KHPtCl6 ・ nH2 O、Na2
tCl6 ・ nH2 O、K2 PtCl6 ・ nH2 O、Pt
Cl4 ・ nH2 O、PtCl2 、H2 PtCl2 ・ nH
2 O等の化合物、あるいはこれらの化合物と不飽和結合
を有する化合物やアルコールとの錯体等が挙げられる。
上記した化合物はそのまま用いても、またアルコールや
エーテル等に溶解して用いてもよい。
【0027】上述した白金または白金化合物の配合量
は、特に規定されるものではないが、(A)成分に対し
て白金元素量に換算して 0.1〜10000ppmの範囲とするこ
とが好ましく、さらに好ましくは 1〜5000ppm の範囲で
ある。(D)成分の配合量が白金元素量に換算して0.1p
pm未満であると、硬化不良を受けやすく、実用上特別な
注意が必要となり、一方10000ppmを超えて使用してもそ
れ以上の効果が得られないと共に、一般に貴金属は高価
であるため経済的に不利になる。
【0028】本発明で用いられるプライマー組成物中の
(E)成分の有機溶剤としては、脂肪族系、アルコール
類系、芳香族系、エステル系、ケトン系、ハロゲン化炭
化水素系等、種々の有機溶剤を使用することができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよいし、また 2種以
上を含む混合溶剤として用いてもよい。(E)成分の配
合量は、(A)〜(D)成分の合計量 100重量部に対し
て 250〜3500重量部の範囲となるように調節することが
好ましい。これは有機溶剤量が 250重量部未満である
と、被着体の種類によってはぬれが悪くなって、均一な
接着力が得られない場合があり、また3500重量部を超え
ると接着面でのプライマー層が厚くなりすぎるため、接
着性が低下する場合があり、さらにはコスト高になる。
【0029】なお、本発明で用いられるプライマー組成
物は水に対して敏感であるため、無水の状態で配合およ
び保存を行うことが好ましい。
【0030】上述したプライマー組成物は、例えば以下
に示す手順で付加型シリコーンゴムとポリカーボネート
樹脂またはアクリル樹脂との接着に用いられる。まず、
上述したる(A)〜(E)の各成分を配合したプライマ
ー組成物を、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂
からなる被着体の表面に、噴霧、ハケ塗り、浸漬等の方
法で塗布する。次いで、風乾や温風乾燥により溶剤を除
去して被膜を形成した後、付加型シリコーンゴムと密着
させて加熱圧着する。
【0031】この場合の加熱温度は、 323〜453K程度と
することが好ましく、より好ましくは 373〜413Kの範囲
である。このような温度でプライマー組成物を加熱硬化
させることによって、付加型シリコーンゴムとポリカー
ボネート樹脂またはアクリル樹脂との間に強固な接着を
短時間で形成することができる。また、この強固な接着
は、アト加硫等を施さなくとも得ることができることか
ら、付加型シリコーンゴムとポリカーボネート樹脂また
はアクリル樹脂との一体成形品の生産効率の改善および
製造コストの低減等を図ることができる。
【0032】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について述べ
る。なお、以下の実施例において部は全て重量部を示す
ものとする。
【0033】実施例1〜4 まず、メチルメタクリエート50部、γ- メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン10部、脱水した酢酸エチル
60部、およびイソプロピルアルコール60部を混合し、こ
れにアゾビスイソブチロニトリル 1部を添加して、 353
〜358Kの温度で2時間反応させることにより、共重合体
A溶液を得た。この共重合体A溶液に、それぞれ表1に
示す各成分を均一に混合、溶解して、実施例1〜4のプ
ライマー組成物をそれぞれ調製した。
【0034】また、本発明との比較例として、上記した
共重合体A溶液に配合する成分を表1に示すように、本
発明の範囲外とした 4種類のプライマー組成物(比較例
1〜4)、および共重合体A溶液を用いていないプライ
マー組成物(比較例5)をそれぞれ調製した。
【0035】上述した各プライマー組成物を、それぞれ
ポリカーボネート樹脂シートおよびアクリル樹脂シート
の表面に塗布し、その後 1時間風乾した。次に、付加型
シリコーンゴムTHE740-6U(東芝シリコーン社製) 100部
に、1-エチニル -1-へキサノール 0.017部、塩化白金酸
のイソプロピルアルコール溶液(白金含有量=1.8重量%)
0.0085部、(CH3 )HSiO単位41モル% からなるポ
リメチルハイドロジエンシロキサン 1部を二本ロールに
より配合し、これを上記したプライマー組成物を塗布、
乾燥した各樹脂シートに密着させ、温度393Kにて10分間
加熱圧着して、それぞれ−体成形品を得た。
【0036】このようにして得た各一体成形品に対して
180゜剥離試験を行い、ポリカーボネート樹脂シートま
たはアクリル樹脂シートと付加型シリコーンゴムとの接
着性を評価した。また、上記した各一体成形品に413K×
2時間の条件でアト加硫処理を施した後、同様に 180゜
剥離試験を行って接着性を評価した。それらの結果を表
1に示す。
【0037】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜4による各プライ
マー組成物を用いて接着した一体成形品は、413K× 2時
間のアト加硫処理を施さなくとも、付加型シリコーンゴ
ムとポリカーボネート樹脂およびアクリル樹脂とが良好
な接着性を示すことが実証された。
【0038】実施例5 まず、エチルメタクリエート40部、γ- メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン20部、脱水した酢酸エチル
60部、イソプロピルアルコール60部を混合し、これにア
ゾビスイソブチロニトリル 1部を添加して、 353〜358K
の温度で 4時間反応させることによって、共重合体B溶
液を得た。この共重合体B溶液に、表2に示す各成分を
均一に混合、溶解して、プライマー組成物を調整した。
【0039】また、本発明との比較例として、上記した
共重合体B溶液に配合する成分を表2に示すように,本
発明の範囲外とした 4種類のプライマー組成物(比較例
6〜9)、および共重合体B溶液を用いていないプライ
マー組成物(比較例10)をそれぞれ調整した。
【0040】上述した各プライマー組成物を、それぞれ
ポリカーボネート樹脂シートおよびアクリル樹脂シート
の表面に塗布し、その後 1時間風乾した。次に、付加型
シリコーンゴムTHE740-6U(東芝シリコーン社製) 100部
に、1-エチニル -1-へキサノール 0.017部、塩化白金酸
とテトラビニルシクロテトラシロキサンとを炭酸水素ナ
トリウムの存在下で反応させることにより得た錯体(白
金含有量 1.8重量%)0.01部、(CH3 )HSiO単位50
モル% からなるポリメチルハイドロジェンシロキサン 1
部を二本ロールにより配合し、これを上記したプライマ
ー組成物を塗布、乾燥した各樹脂シートに密着させ、温
度393Kにて10分間加熱圧着して、それぞれ−体成形品を
得た。
【0041】このようにして得た各一体成形品に対して
180゜剥離試験を行い、ポリカーボネート樹脂シートま
たはアクリル樹脂シートと付加型シリコーンゴムとの接
着性を評価した。また、上記した各一体成形品に413K×
2時間の条件でアト加硫処理を施した後、同様に 180゜
剥離試験を行って接着性を評価した。それらの結果を表
2に示す。
【0042】
【表2】 表2から明らかなように、実施例5によるプライマー組
成物を用いて接着した一体成形品は、413K× 2時間アト
加硫処理を施さなくとも、付加型シリコーンゴムとポリ
カーボネート樹脂およびアクリル樹脂とが良好な接着性
を示すことが実証された。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の一体成形
品の製造方法によれば、付加型シリコーンゴムとポリカ
ーボネート樹脂またはアクリル樹脂とに対して優れた接
着性を容易に付与することができることから、該樹脂と
付加型シリコーンゴムとの一体成形品を容易にかつ効率
よく製造することが可能となる。これによって、プラス
チック部品等ヘの付加型シリコーンゴムの接着の応用範
囲を広めることができ、極めて有用である。
【0044】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) (a) 【化1】 で表されるアクリル系化合物と、(b) 【化2】 で表され、前記 (a)成分に対して 0.1〜1000重量% のシ
    ラン化合物とを、遊離基開始剤の存在下で反応させて得
    られる共重合体、 (B) 一般式:R5 a 6 b Si(OR7 4-(a+b) (式中、R5 はエポキシ基を有する有機基と、R6 およ
    びR7 はそれぞれアルキル基を有する有機基を示し、 a
    は 1または 2を、 bは 0または 1を示す)で表される有
    機ケイ素化合物、 (C)チタンのエステル化合物、チタンキレート化合
    物、アルミニウムのエステル化合物、アルミニウムキレ
    ート化合物、および鉄のエステル化合物から選ばれる 1
    種または 2種以上の化合物、 (D)白金もしくは白金化合物、および (E)有機溶剤を含有するプライマー組成物を、ポリカ
    ーボネート樹脂またはアクリル樹脂からなる被着体に塗
    布、乾燥させた後、前記被着体と付加型シリコーンゴム
    とを加熱圧着することを特徴とする一体成形品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一体成形品の製造方法に
    おいて、 前記(B)成分および(C)成分の配合量が、それぞれ
    前記(A)成分 100重量部に対して 0.1〜 500重量部の
    範囲であり、前記(D)成分の配合量が前記(A)成分
    に対して白金元素量に換算して 0.1〜10000ppmの範囲で
    あり、かつ前記(E)成分の配合量が前記(A)成分、
    (B)成分、(C)成分および(D)成分の合計量 100
    重量部に対して 250〜3500重量部の範囲である前記プラ
    イマー組成物を使用することを特徴とする一体成形品の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012240271A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Shin Etsu Polymer Co Ltd 樹脂・シリコーンゴム成形体

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