JPH10120871A - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents
フェノール樹脂成形材料Info
- Publication number
- JPH10120871A JPH10120871A JP27496096A JP27496096A JPH10120871A JP H10120871 A JPH10120871 A JP H10120871A JP 27496096 A JP27496096 A JP 27496096A JP 27496096 A JP27496096 A JP 27496096A JP H10120871 A JPH10120871 A JP H10120871A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molding material
- alcohol
- phenolic resin
- resin molding
- viscosity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 可塑化溶融状態の流動性と熱安定性に富み、
高温時の硬化性に優れていて、射出成形において成形機
シリンダー内で可塑化溶融樹脂の粘度上昇を抑え、かつ
金型内では急速に硬化し、低い圧力での射出成形により
バリの発生も少ないフェノール樹脂成形材料を得る。 【解決手段】 (a)オルソ・パラ比が1.0〜2.5
の範囲にあり、溶液粘度(50%エタノール溶液、オス
トワルド法(25℃))が(80〜180)×10-6m
2 /secであるノボラック型フェノール樹脂、(b)
低分子ポリオレフィン化合物、(c)1価の脂肪族アル
コール類、(d)ヘキサメチレンテトラミン及び(e)
充填材を含有することを特徴とするフェノール樹脂成形
材料。
高温時の硬化性に優れていて、射出成形において成形機
シリンダー内で可塑化溶融樹脂の粘度上昇を抑え、かつ
金型内では急速に硬化し、低い圧力での射出成形により
バリの発生も少ないフェノール樹脂成形材料を得る。 【解決手段】 (a)オルソ・パラ比が1.0〜2.5
の範囲にあり、溶液粘度(50%エタノール溶液、オス
トワルド法(25℃))が(80〜180)×10-6m
2 /secであるノボラック型フェノール樹脂、(b)
低分子ポリオレフィン化合物、(c)1価の脂肪族アル
コール類、(d)ヘキサメチレンテトラミン及び(e)
充填材を含有することを特徴とするフェノール樹脂成形
材料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱安定性及び硬化
性に優れ、かつ低圧成形ができバリの発生が少ない成形
品を得ることが出来るフェノール樹脂成形材料に関する
ものである。
性に優れ、かつ低圧成形ができバリの発生が少ない成形
品を得ることが出来るフェノール樹脂成形材料に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂成形材料は耐熱性、電気
特性、機械的特性、寸法安定性などのバランスに優れ、
電気部品を始めとして広範囲の分野に利用されている。
一般にこれらは射出成形により成形されるものである
が、射出成形機のシリンダー内で90〜120℃に可塑
化された溶融状態では、樹脂の硬化反応の進行によって
粘度が増大し流動性を失う性質を有している。このよう
にフェノール樹脂は溶融樹脂の熱安定性が低いため、従
来のフェノール樹脂成形材料を射出成形する場合、射出
成形機シリンダー内で溶融された成形材料の熱安定性が
劣り、成形の適正な条件幅が極めて狭いという問題があ
る。
特性、機械的特性、寸法安定性などのバランスに優れ、
電気部品を始めとして広範囲の分野に利用されている。
一般にこれらは射出成形により成形されるものである
が、射出成形機のシリンダー内で90〜120℃に可塑
化された溶融状態では、樹脂の硬化反応の進行によって
粘度が増大し流動性を失う性質を有している。このよう
にフェノール樹脂は溶融樹脂の熱安定性が低いため、従
来のフェノール樹脂成形材料を射出成形する場合、射出
成形機シリンダー内で溶融された成形材料の熱安定性が
劣り、成形の適正な条件幅が極めて狭いという問題があ
る。
【0003】また、一般のフェノール樹脂成形材料はシ
リンダ内で90〜120℃に可塑化された状態でも比較
的粘度が高く、硬化させるため160〜180℃程度の
金型に射出される段階では、一度低粘度化するが、硬化
に伴い粘度が急激に上昇するため、良好な流動性が維持
される時間が短い。従って、良好な成形物を得るために
は短時間に高い圧力で射出し金型に注入しなければなら
ず、金型内で賦形された成形品中に残留応力が発生し、
金型から取り出された後、冷却過程において応力が拡散
する時に成形品に反りや変形が生じることや、金型に高
圧で樹脂を射出注入する際に金型間に隙間が生じ易く、
バリの発生が避けられない。
リンダ内で90〜120℃に可塑化された状態でも比較
的粘度が高く、硬化させるため160〜180℃程度の
金型に射出される段階では、一度低粘度化するが、硬化
に伴い粘度が急激に上昇するため、良好な流動性が維持
される時間が短い。従って、良好な成形物を得るために
は短時間に高い圧力で射出し金型に注入しなければなら
ず、金型内で賦形された成形品中に残留応力が発生し、
金型から取り出された後、冷却過程において応力が拡散
する時に成形品に反りや変形が生じることや、金型に高
圧で樹脂を射出注入する際に金型間に隙間が生じ易く、
バリの発生が避けられない。
【0004】従来これらの問題を解決するために、成形
材料の溶融粘度の低下、即ち流動性を高くして、射出圧
力を低くして成形することが行われることがあるが、バ
リの発生は低減できるものの、硬化が遅くなるので成形
サイクルが長くなり、実用に供することは困難である。
材料の溶融粘度の低下、即ち流動性を高くして、射出圧
力を低くして成形することが行われることがあるが、バ
リの発生は低減できるものの、硬化が遅くなるので成形
サイクルが長くなり、実用に供することは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらを解
決するため種々の検討の結果なされたものであり、その
目的とするところは、射出成形の時にシリンダー内での
溶融状態での熱安定性が優れ、且つ可塑化された状態で
の溶融粘度が低く、更に硬化性に優れたフェノール樹脂
成形材料を提供するところにある。
決するため種々の検討の結果なされたものであり、その
目的とするところは、射出成形の時にシリンダー内での
溶融状態での熱安定性が優れ、且つ可塑化された状態で
の溶融粘度が低く、更に硬化性に優れたフェノール樹脂
成形材料を提供するところにある。
【0006】
【課題が解決するための手段】本発明は、(a)オルソ
・パラ比が1.0〜2.5の範囲にあり、溶液粘度(5
0%エタノール溶液、オストワルド法(25℃))が
(80〜180)×10-6m2 /secであるノボラッ
ク型フェノール樹脂、(b)低分子ポリオレフィン化合
物、(c)1価の脂肪族アルコール類、(d)ヘキサメ
チレンテトラミン及び(e)充填材を含有することを特
徴とするフェノール樹脂成形材料、である。
・パラ比が1.0〜2.5の範囲にあり、溶液粘度(5
0%エタノール溶液、オストワルド法(25℃))が
(80〜180)×10-6m2 /secであるノボラッ
ク型フェノール樹脂、(b)低分子ポリオレフィン化合
物、(c)1価の脂肪族アルコール類、(d)ヘキサメ
チレンテトラミン及び(e)充填材を含有することを特
徴とするフェノール樹脂成形材料、である。
【0007】本発明において、(a)オルソ・パラ比が
1.0〜2.5の範囲にあり、溶液粘度(50%エタノ
ール溶液、オストワルド法(25℃))が(80〜18
0)×10-6m2 /secであるノボラック型フェノー
ル樹脂、(b)低分子ポリオレフィン化合物及び(c)
1価の脂肪族アルコール類は射出成形時の可塑化におい
て速やかに溶融して低粘度となり、かつ溶融状態の熱安
定性の向上を付与するために用いられ、更に高温では速
硬化であるため成形サイクルを短縮することを可能とす
る。従来のノボラック樹脂の溶液粘度は(80〜30
0)×10-6m2/secである。溶液粘度が(181
〜300)×10-6m2 /secのノボラック樹脂では
(b)低分子ポリオレフィン化合物及び(c)1価の脂
肪族アルコール類を加えても低粘度とならず、また、溶
液粘度が(80〜180)×10-6m2 /secのノボ
ラック樹脂では、(b)低分子ポリオレフィン化合物及
び(c)1価の脂肪族アルコール類と併用されなければ
低粘度にならない。
1.0〜2.5の範囲にあり、溶液粘度(50%エタノ
ール溶液、オストワルド法(25℃))が(80〜18
0)×10-6m2 /secであるノボラック型フェノー
ル樹脂、(b)低分子ポリオレフィン化合物及び(c)
1価の脂肪族アルコール類は射出成形時の可塑化におい
て速やかに溶融して低粘度となり、かつ溶融状態の熱安
定性の向上を付与するために用いられ、更に高温では速
硬化であるため成形サイクルを短縮することを可能とす
る。従来のノボラック樹脂の溶液粘度は(80〜30
0)×10-6m2/secである。溶液粘度が(181
〜300)×10-6m2 /secのノボラック樹脂では
(b)低分子ポリオレフィン化合物及び(c)1価の脂
肪族アルコール類を加えても低粘度とならず、また、溶
液粘度が(80〜180)×10-6m2 /secのノボ
ラック樹脂では、(b)低分子ポリオレフィン化合物及
び(c)1価の脂肪族アルコール類と併用されなければ
低粘度にならない。
【0008】本発明の(b)低分子ポリオレフィン化合
物としては、低分子ポリプロピレン、低分子ポリエチレ
ンなどを例示できる。このような化合物はその分子量が
300から30000までの化合物である。これらの化
合物は射出成形機シリンダ内で成形材料を可塑化計量す
る際にスクリューとシリンダー壁から受ける剪断による
発熱を軽減し、硬化の進行を抑制して熱安定性を向上す
る。また、80〜120℃の溶融状態における粘度を低
減する作用を持つ。これらの化合物の分子量は、好まし
くは300〜3000である。本発明において粘度を著
しく低減するものとして、さらに好ましくは分子量50
0〜1500のポリエチレンである。これらの化合物は
前述の(a)成分に対して、0.1〜10重量部配合し
て用いられる。0.1重量部より少ないと上述の作用が
小さく、10重量部より多いと可塑化計量が困難とな
る。
物としては、低分子ポリプロピレン、低分子ポリエチレ
ンなどを例示できる。このような化合物はその分子量が
300から30000までの化合物である。これらの化
合物は射出成形機シリンダ内で成形材料を可塑化計量す
る際にスクリューとシリンダー壁から受ける剪断による
発熱を軽減し、硬化の進行を抑制して熱安定性を向上す
る。また、80〜120℃の溶融状態における粘度を低
減する作用を持つ。これらの化合物の分子量は、好まし
くは300〜3000である。本発明において粘度を著
しく低減するものとして、さらに好ましくは分子量50
0〜1500のポリエチレンである。これらの化合物は
前述の(a)成分に対して、0.1〜10重量部配合し
て用いられる。0.1重量部より少ないと上述の作用が
小さく、10重量部より多いと可塑化計量が困難とな
る。
【0009】本発明において、(c)1価の脂肪族アル
コール類とは、メタノール、エタノール、プロピルアル
コール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシ
ルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコー
ルなどの第1級アルコール類及びこれらの異性体である
イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールなどの
第2級アルコール及び第3級アルコールなどがあり、こ
れらの1種又は2種以上を用いることができる。これら
のアルコール類は射出成形機シリンダー内で成形材料を
可塑化計量する際に、80〜120℃の溶融状態におけ
る粘度を低減する作用をもつ。さらに、これらのアルコ
ール類の沸点が上記温度範囲に近い場合、蒸発潜熱によ
り、成形材料がスクリューとシリンダー壁の間で受ける
剪断による発熱を低減する効果を持ち、成形材料の硬化
促進を抑えて熱安定性を向上する。これらのアルコール
類は好ましくは炭素数5以下で沸点が80〜140℃の
アルコール類である。本発明において、さらに好ましく
はアミルアルコールである。これらはフェノール樹脂1
00重量部に対して1〜20重量部配合して用いられ
る。1重量部より少ないと上述の効果が小さく、20重
量部より多いと射出成形機での可塑化計量化が困難とな
る。
コール類とは、メタノール、エタノール、プロピルアル
コール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシ
ルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコー
ルなどの第1級アルコール類及びこれらの異性体である
イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールなどの
第2級アルコール及び第3級アルコールなどがあり、こ
れらの1種又は2種以上を用いることができる。これら
のアルコール類は射出成形機シリンダー内で成形材料を
可塑化計量する際に、80〜120℃の溶融状態におけ
る粘度を低減する作用をもつ。さらに、これらのアルコ
ール類の沸点が上記温度範囲に近い場合、蒸発潜熱によ
り、成形材料がスクリューとシリンダー壁の間で受ける
剪断による発熱を低減する効果を持ち、成形材料の硬化
促進を抑えて熱安定性を向上する。これらのアルコール
類は好ましくは炭素数5以下で沸点が80〜140℃の
アルコール類である。本発明において、さらに好ましく
はアミルアルコールである。これらはフェノール樹脂1
00重量部に対して1〜20重量部配合して用いられ
る。1重量部より少ないと上述の効果が小さく、20重
量部より多いと射出成形機での可塑化計量化が困難とな
る。
【0010】本発明において、(d)ヘキサメチレンテ
トラミンの配合割合はフェノール樹脂成分に対して7〜
25重量%、好ましくは10〜20重量%である。7重
量%より少ないと硬化が十分に行われず、25重量%よ
り多くても硬化性は改善されず、逆に成形品特性(例え
ば、機械的強度)が低下する。
トラミンの配合割合はフェノール樹脂成分に対して7〜
25重量%、好ましくは10〜20重量%である。7重
量%より少ないと硬化が十分に行われず、25重量%よ
り多くても硬化性は改善されず、逆に成形品特性(例え
ば、機械的強度)が低下する。
【0011】本発明のフェノール樹脂成形材料に用いら
れる(e)充填材としては、木粉、パルプ粉、各種織物
粉砕物、フェノール樹脂積層板、成形品の粉砕物などの
有機質のもの、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム、ガラス、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウ
ム、カーボンなどの無機質の粉末のもの、ガラス繊維、
カーボン繊維などの無機質繊維などの1種以上を用いる
ことができる。本発明のフェノール樹脂成形材料中の配
合割合は、樹脂成分が20〜70重量%、充填材が80
〜30重量%である。また、本発明のフェノール樹脂成
形材料には、更に滑剤、着色剤、硬化促進剤、難燃剤な
どの各種添加剤を適宜配合することができる。
れる(e)充填材としては、木粉、パルプ粉、各種織物
粉砕物、フェノール樹脂積層板、成形品の粉砕物などの
有機質のもの、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム、ガラス、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウ
ム、カーボンなどの無機質の粉末のもの、ガラス繊維、
カーボン繊維などの無機質繊維などの1種以上を用いる
ことができる。本発明のフェノール樹脂成形材料中の配
合割合は、樹脂成分が20〜70重量%、充填材が80
〜30重量%である。また、本発明のフェノール樹脂成
形材料には、更に滑剤、着色剤、硬化促進剤、難燃剤な
どの各種添加剤を適宜配合することができる。
【0012】本発明のフェノール樹脂成形材料は、樹脂
成分、充填材、その他の添加剤を配合し、ロールミル、
2軸混練機などで混練し、粉砕して製造することができ
る。
成分、充填材、その他の添加剤を配合し、ロールミル、
2軸混練機などで混練し、粉砕して製造することができ
る。
【0013】本発明のフェノール樹脂成形材料は、フェ
ノール樹脂としてオルソ・パラ比が1.0〜2.5の範
囲にあり、溶液粘度(50%エタノール溶液、オストワ
ルド法(25℃))が(80〜180)×10-6m2 /
secであるノボラック型フェノール樹脂を使用し、さ
らに低分子ポリオレフィン化合物、1価の脂肪族アルコ
ール類を配合している。かかるフェノール樹脂成形材料
は、100℃における溶融粘度が103 Pa・s以下で
あり、射出成形機のシリンダ内で溶融状態が低く、熱安
定に優れており、かつ射出時には余分な圧力を加えるこ
となく、低い圧力で金型キャビティに充填できるため、
バリの発生を著しく抑制できる。さらには射出成形機シ
リンダにおいて70〜80℃の温度で可塑化が可能であ
るため、剪断による発熱も小さく、より硬化反応の促進
を抑制でき、熱安定性が飛躍的に向上する。また、16
0〜200℃の金型内では流動性及び硬化性が優れてい
る。従って、本発明のフェノール樹脂成形材料では、射
出成形において成形の条件幅が広く、連続成形性が良
い。
ノール樹脂としてオルソ・パラ比が1.0〜2.5の範
囲にあり、溶液粘度(50%エタノール溶液、オストワ
ルド法(25℃))が(80〜180)×10-6m2 /
secであるノボラック型フェノール樹脂を使用し、さ
らに低分子ポリオレフィン化合物、1価の脂肪族アルコ
ール類を配合している。かかるフェノール樹脂成形材料
は、100℃における溶融粘度が103 Pa・s以下で
あり、射出成形機のシリンダ内で溶融状態が低く、熱安
定に優れており、かつ射出時には余分な圧力を加えるこ
となく、低い圧力で金型キャビティに充填できるため、
バリの発生を著しく抑制できる。さらには射出成形機シ
リンダにおいて70〜80℃の温度で可塑化が可能であ
るため、剪断による発熱も小さく、より硬化反応の促進
を抑制でき、熱安定性が飛躍的に向上する。また、16
0〜200℃の金型内では流動性及び硬化性が優れてい
る。従って、本発明のフェノール樹脂成形材料では、射
出成形において成形の条件幅が広く、連続成形性が良
い。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。配合
において「部」は重量部である。表1に示す樹脂及び配
合にて、加熱ロールにより混練してフェノール樹脂成形
材料を得た。これらを用いて溶融粘度の測定及び射出成
形を行い、シリンダー内安定性、硬化性を評価した結果
を表1に併せて示す。
において「部」は重量部である。表1に示す樹脂及び配
合にて、加熱ロールにより混練してフェノール樹脂成形
材料を得た。これらを用いて溶融粘度の測定及び射出成
形を行い、シリンダー内安定性、硬化性を評価した結果
を表1に併せて示す。
【0015】(測定方法) 1.溶融粘度:島津フローテスター(島津製作所CFT
−500C)によって測定したものを示した。 2.熱安定性:ラボプラストミル(東洋精機製作所製C
型)によって溶融から硬化までの時間を測定したもので
ある。 3.シリンダー内安定性:60φ×4mmのテストピー
ス(以下、テストピースという)を20ショット連続成
形(シリンダー温度90℃、金型温度175℃、以下、
成形は同条件)した後、計量した状態で放置し、所定の
時間経過後に射出を行う。この放置時間を変えて成形し
た時、溶融した成形材料が流動して金型内に十分充填す
ることができる最長の放置時間を求めた。 4.硬化性:射出成形後金型に保持する時間を変えて、
テストピース表面のふくれの有無を観察した。 5.射出圧力:テストピースに充填不足などの不良が生
じないで連続して成形できる、最低の射出圧力を射出成
形機の油圧ゲージ値で示した。 6.バリ発生:テストピースに発生するバリを目視によ
り判定した。
−500C)によって測定したものを示した。 2.熱安定性:ラボプラストミル(東洋精機製作所製C
型)によって溶融から硬化までの時間を測定したもので
ある。 3.シリンダー内安定性:60φ×4mmのテストピー
ス(以下、テストピースという)を20ショット連続成
形(シリンダー温度90℃、金型温度175℃、以下、
成形は同条件)した後、計量した状態で放置し、所定の
時間経過後に射出を行う。この放置時間を変えて成形し
た時、溶融した成形材料が流動して金型内に十分充填す
ることができる最長の放置時間を求めた。 4.硬化性:射出成形後金型に保持する時間を変えて、
テストピース表面のふくれの有無を観察した。 5.射出圧力:テストピースに充填不足などの不良が生
じないで連続して成形できる、最低の射出圧力を射出成
形機の油圧ゲージ値で示した。 6.バリ発生:テストピースに発生するバリを目視によ
り判定した。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】上記の実施例からも明らかなように、本
発明の方法に従って得られるフェノール樹脂成形材料は
溶融状態の流動性と熱安定性に富み、高温時の硬化性に
優れている。このため、射出成形において成形機シリン
ダー内で可塑化溶融樹脂の粘度上昇を抑え、かつ金型内
では急速に硬化するため成形性に優れている。さらには
低い圧力で射出成形が可能であるためバリの発生も抑え
ることができる。また、本発明で得られるような100
℃での溶融粘度が103 Pa・s以下のフェノール樹脂
成形材料は、一般に熱可塑性樹脂成形材料の射出成形に
用いられる、1.5以上の圧縮比を有するスクリュー、
または逆流防止リングを設けたスクリューを備えた射出
成形機でも同様に射出成形ができる。
発明の方法に従って得られるフェノール樹脂成形材料は
溶融状態の流動性と熱安定性に富み、高温時の硬化性に
優れている。このため、射出成形において成形機シリン
ダー内で可塑化溶融樹脂の粘度上昇を抑え、かつ金型内
では急速に硬化するため成形性に優れている。さらには
低い圧力で射出成形が可能であるためバリの発生も抑え
ることができる。また、本発明で得られるような100
℃での溶融粘度が103 Pa・s以下のフェノール樹脂
成形材料は、一般に熱可塑性樹脂成形材料の射出成形に
用いられる、1.5以上の圧縮比を有するスクリュー、
または逆流防止リングを設けたスクリューを備えた射出
成形機でも同様に射出成形ができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 (a)オルソ・パラ比が1.0〜2.5
の範囲にあり、溶液粘度(50%エタノール溶液、オス
トワルド法(25℃))が(80〜180)×10-6m
2 /secであるノボラック型フェノール樹脂、(b)
低分子ポリオレフィン化合物、(c)1価の脂肪族アル
コール類、(d)ヘキサメチレンテトラミン及び(e)
充填材を含有することを特徴とするフェノール樹脂成形
材料。 - 【請求項2】 (b)低分子ポリオレフィン化合物が分
子量500〜1500のポリチレンである請求項1のフ
ェノール樹脂成形材料。 - 【請求項3】 (c)1価の脂肪族アルコール類が炭
素数5以下で沸点80〜140℃のものである請求項1
のフェノール樹脂成形材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27496096A JPH10120871A (ja) | 1996-10-17 | 1996-10-17 | フェノール樹脂成形材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27496096A JPH10120871A (ja) | 1996-10-17 | 1996-10-17 | フェノール樹脂成形材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10120871A true JPH10120871A (ja) | 1998-05-12 |
Family
ID=17548975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27496096A Pending JPH10120871A (ja) | 1996-10-17 | 1996-10-17 | フェノール樹脂成形材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10120871A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012039446A1 (ja) * | 2010-09-24 | 2012-03-29 | 住友ベークライト株式会社 | フェノール樹脂成形材料 |
-
1996
- 1996-10-17 JP JP27496096A patent/JPH10120871A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012039446A1 (ja) * | 2010-09-24 | 2012-03-29 | 住友ベークライト株式会社 | フェノール樹脂成形材料 |
EP2620474A1 (en) * | 2010-09-24 | 2013-07-31 | Sumitomo Bakelite Co., Ltd. | Phenol resin based molding material |
US8901226B2 (en) | 2010-09-24 | 2014-12-02 | Sumitomo Bakelite Co., Ltd. | Phenol resin based molding material |
EP2620474A4 (en) * | 2010-09-24 | 2015-01-28 | Sumitomo Bakelite Co | PHENOLYSTONE-BASED FORM MASS |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5691409A (en) | Phenolic resin molding material | |
US4987198A (en) | Thermosetting resin composition for injection molding | |
JPH10120871A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP3290854B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH10120867A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH10120868A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH09291196A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH09291197A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH0940843A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
CA1043497A (en) | Thermosetting molding composition | |
JP2693726B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料の射出成形方法 | |
JPH09176447A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP2693725B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料の射出成形方法 | |
JPH0925390A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP3233786B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料の射出成形方法 | |
JPH09137038A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH09132698A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP3140867B2 (ja) | 熱硬化性樹脂成形材料 | |
JPH10306199A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH07278409A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP3233785B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料の射出成形方法 | |
JP2771457B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料の射出成形方法 | |
JPH08302158A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH10306197A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JPH10158469A (ja) | フェノール樹脂成形材料 |