JPH10120005A - 包装用容器の蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のこの種の包装用容器の蓋は、これ等を複
数個重ねて積層した場合には、上下の蓋の嵌合が不安定
であったり、或いは上下の蓋の嵌合を深く確実にした場
合には、これ等を相互に引きはがすことが困難である問
題があった。従って、バキューム装置等で積み重ねられ
ていた蓋を個々に吸着して確実に搬送することが困難で
ある等の問題があった。 【解決手段】プラスチックス製の蓋１であって、天井板
２の外周縁に断面逆Ｕ形の中空立上がり縁３が一体的に
設けられ、かつ中空立上がり縁３の内周面の上下のほぼ
中央に段部７が設けられ、中空立上がり縁３の上部３ａ
の巾がその下部３ｂの巾よりも小さくなるように形成さ
れている。また、中空立上がり縁３の外周面５の上下の
ほぼ中央にはリング凹条８が設けて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はアイスクリーム、ジ
ャム、ヨーグルト、カップメン等の商品を充填して包装
し得る容器の蓋であって、特に商品が充填された容器に
自動的に蓋をキャッピングする際に、積み重ねられた蓋
を上方から一個づつ正確にバキューム装置で吸着して搬
送しながら供給することが出来る蓋に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の包装用容器の蓋の一例と
しては、図４或いは図５に示す蓋が実用化されている。
即ち、図４に示す蓋１１は、プラスチック製の天井板１
２の外周縁に断面が逆Ｕ形の中空立上がり縁１３をリン
グ状に一体的に設けた構造であり、その中空立上がり縁
１３の外周面の中段にリング凹条１４が設けられてい
た。

【０００３】従って、蓋１１を保管するために、或いは
容器の開口部に自動キャッピングするために、これ等の
蓋１１を多数個積層した場合には、図４に例示するよう
に、下方の蓋１１の中空立上がり縁１３が上方の蓋１１
の中空立上がり縁１３の中に下方から挿入され、下方の
蓋１１の中空立上がり縁１３の上端両側縁１３ａ，１３
ｂの夫々が、上方の蓋１１の天井板１２の底面縁或いは
リング凹条１４の裏面に当接され、上方の蓋１１の中に
下方の蓋１１が仮着された状態で順に積層されていた。

【０００４】図５に示す蓋１５は、前記図４の蓋１１と
異なる構造であって、この蓋１５には蓋１１のような中
空立上がり縁は全く存在せず、単に天井板１２の周辺部
にリング状の凹溝１６を設けると共に、更に外周面の中
段にリング凹条１４を設けることによって構成してい
た。

【０００５】従って、このように構成された蓋１５を複
数個を順に積層するに当たっては、下方の蓋１５を上方
の蓋１５の中に挿入し、下方の蓋１５の外周上縁１７を
上方の蓋１５のリング凹条１４の裏面に当接させること
によって上下の蓋１５，１５を嵌合して積層していた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】然るに、図４に示す蓋
１１は上部と下部との巾がほぼ同一の中空立上がり縁１
３を天井板１２の外周縁に起立突設していたので、積層
蓋１１を順に積層した場合には、図４に示す如く、下方
の蓋１１の中空立上がり縁１３が上方の蓋の中空立上が
り縁１３に嵌入されることがなく、下方の蓋１１の中空
立上がり縁１３の上端面の両端縁１３ａ，１３ｂが、上
方の蓋１１の天井板１２の底面縁或いはリング凹条１４
の裏面に当接されるに過ぎないので、上下の蓋１１，１
１の積層が不安定であった。

【０００７】そのために、これ等の蓋１１，１１をバキ
ューム装置或いは爪落とし装置で１個づつ吸着して取り
出し、自動キャッピング装置で容器の開口部に被蓋しよ
うとすると、上下の蓋１１，１１の積層が不安定である
ために、バキューム装置の吸盤を蓋１１の天井板１２に
押し付けて吸着することが困難となる問題があった。更
に、蓋１１の中空立上がり縁１３の内周壁はその断面で
明らかなように、単に直線状に垂直に起立されているに
過ぎないので、肉薄のプラスチックシートを用いて成形
した場合には、この中空立上がり縁１３の内周壁の腰が
弱く、押圧した場合に曲がり易く不安定になる問題があ
った。

【０００８】図５に示す蓋１５の場合には、前述の図４
に示すような中空立上がり縁がなく、単に外周面の中段
にリング凹条１４を設けたに過ぎないので、複数の蓋１
５を上下に重ねた場合には、前述の如く、下方の蓋１５
の外周縁１７が上方の凹条１４の裏面に当接されながら
順に積層されていた。従って、図５に示す蓋１５の場合
よりも更に積層が不安定であり、バキューム装置の吸着
盤或いは爪落とし装置の爪を蓋１５に押し付けて個々に
確実に吸着しながら搬送することが困難である問題があ
った。

【０００９】本発明に係る包装用容器の蓋は、前述の従
来の問題点に鑑み開発された全く新しい技術であって、
蓋の天井板の外周縁に中空立上がり縁を設けると共に、
この中空立上がり縁の上部巾を下部巾より小さくなるよ
うに形成し、複数の蓋を順に重ねた場合にこれ等の中空
立上がり縁が上下方向に嵌合されて上下蓋が相互に安定
することが出来、しかも中空立上がり縁の内周面の上下
部の境界線上に段部を設けて、この内周面及び中空立上
がり縁全体の強度を大きくすることが出来る全く新しい
技術を提供するものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明に係る包装用容器
の蓋は、前述の従来の問題点を根本的に改善した全く新
しい技術であって、その発明の要旨は、天井板の外周縁
に断面逆Ｕ形の中空立上がり縁を一体的に設けてなる蓋
に於いて、該中空立上がり縁の上部巾をそれに続く下部
巾よりも小さくなるように形成すると共に該中空立上が
り縁の内周面の上部と下部との境界線上に段部を設け、
かつ中空立上がり縁の外周面にリング凹条を設けて構成
したことを特徴とした包装用容器の蓋である。

【００１１】

【発明の実施の形態】図により本発明に係る包装用容器
の蓋の一実施例を具体的に説明すると、図１は本発明に
係る蓋の構成を示す一部切欠説明図、図２は図１の蓋の
要部の拡大断面図、図３は図１に係る蓋を２個上下に重
ねた状態の断面拡大説明図である。

【００１２】図１及び図２に於いて、１は本発明に係る
包装用容器の蓋であって、プラスチックシートを真空成
形することによって形成されている。この蓋１は中央部
に円板状の天井板２があり、その天井板２の外周縁に断
面逆Ｕ形の中空立上がり縁３が一体的に設けられてい
る。この中空立ち上がり縁３は外周面４と内周面５とこ
れ等を上端で結ぶ上縁面６とより形成されている。

【００１３】前記中空立上がり縁３の内周面５の途中に
は、段部７がリング状に設けられており、これによって
中空立上がり縁３の上部３ａの巾が下部３ｂの巾よりも
小さくなるように構成されている。かつ中空立上がり縁
３の外周面のほぼ上下中央には、リング凹条８が中空立
上がり縁３の内方に突出するように設けられている。

【００１４】本発明に係る蓋１は、前述の如く、天井板
２の外周縁に中空立上がり縁３を設けると共に、この中
空立上がり縁３の内周面５に段部７を設けることによっ
て、中空立上がり縁３の上部３ａの巾がその下部３ｂの
巾よりも小さくなるように構成したので、２個の蓋１を
上下に重ねた場合には、特に図３に示す如く、下の蓋１
の中空立上がり縁３の上部３ａが、上の蓋１の中空立上
がり縁３の下部３ｂの中に嵌入されるように構成されて
いる。

【００１５】更に、このように下の蓋１の中空立上がり
縁３を上の蓋１の中空立上がり縁３の中に嵌入した場合
には、下の蓋１の中空立上がり縁３の上縁面６の外側の
端縁６ｂと段部７とが夫々蓋１の中空立上がり縁３のリ
ング凹条８と天井板２の周辺縁２ａとの裏面に当接さ
れ、これによって下の蓋１が上の蓋１の中に不必要に深
く嵌入されることを防止すると共に、この下の蓋１の中
空立上がり縁３の上縁面６の端縁６ｂと段部７とで夫々
上の蓋１を安定した状態で支持し得るように構成されて
いる。

【００１６】従って、複数の蓋１を順に積層する場合に
は、上部３ａの巾が下部３ｂの巾よりも小さい中空立上
がり縁３を利用することによって多数の蓋１を上下に順
に嵌合させながら、安定した状態で積層することが出来
る。また、下の蓋１の中空立上がり縁３の上縁面６の端
縁６ｂと段部７とが、上の蓋１の中空立上がり縁３のリ
ング凹条８及び天井板３の周辺縁２ａに当接されるの
で、上下の蓋１，１が不必要に深く嵌合されて、抜けな
くなることを防止するとが出来る。

【００１７】かつ、前述のように下の蓋１の上縁面６の
端縁６ｂと段部７とで上の蓋１を周辺部から全体的に支
持するので、上の蓋１を下の蓋１で強固に支持すること
が出来、これによってバキューム装置の吸盤或いは爪落
とし装置の爪（図示せず）を上の蓋１の天井体２に強く
押し付けても上の蓋１が不安定になってゆがんだり、そ
の位置がズレたりすることなく、該吸盤によって安定し
た状態でかつ確実に一個づつの蓋を吸着しながら搬送す
ることが出来る。

【００１８】更に、本発明の蓋１に於いては、中空立上
がり縁３の内周面５の上下部３ａ，３ｂの境部に全周面
に亘って段差７を設けたので、この段差７によって内周
面５及び中空立上がり縁３全体の強度を強化することが
出来る。従って、比較的肉薄のプラスチックシートで蓋
１を成形した場合にも、内周面５及び中空立上がり縁３
が外圧によって変形することがなく、これによって、吸
盤により蓋１の吸着搬送及び容器の開口部への被蓋を簡
単かつ確実にすることが出来る。この段差は、内周面５
のほぼ中間部に形成されているので、邪魔にならず、外
観を損なうこともない。

【００１９】

【発明の効果】本発明に係る包装用容器の蓋は、前述の
構成と作用とを有するので、次のように多大な効果を有
している。

【００２０】（１）本発明に係る蓋は、中空立上がり縁
の上部巾をその下部巾より小さく形成したので、複数の
蓋を積層した際に、下方の蓋の中空立上がり縁の上部を
上方の蓋の中空立上がり縁の下部に嵌入させることが出
来る。（２）これによって、上下の蓋を安定した状態で
順に積み重ねることが出来、蓋の保管、個々の蓋の取り
出しを容易にすることが出来る。

【００２１】（３）中空立上がり縁の内周面に段部を設
けたので、この内周面は勿論のこと、中空立上がり縁全
体の強度を強化することが出来る。（４）中空立上がり
縁の内周面に段部を設けると共に、外周面にリング凹条
を設けたので、これ等の段部及びリング凹条を利用する
ことによって、上方に積み重ねられた蓋を下部の蓋でそ
の外周部から安定した状態で支持し、バキューム装置等
による蓋の取り出し搬送を確実かつ容易にすることが出
来る。

【００２２】（５）前記中空立上がり縁の段部及びリン
グ凹条の作用によって、上下の蓋が不必要に深く嵌合さ
れることを防止出来る。（６）従って、上下蓋の嵌合を
小さな力で解除することが可能で、上の蓋を下の蓋から
簡単に引きはがすことが出来る。（７）中空立上がり縁
の内周面に設けた段差は蓋の外観を損なうことがなく、
かつ蓋全体を形成する際に簡単に同時加工することが出
来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る蓋の構成を示す一部切欠説明図で
ある。

【図２】図１の蓋の要部の拡大断面図である。

【図３】図に係る蓋を２個上下に重ねた状態の断面拡大
説明図である。

【図４】従来の第１公知例を示す要部の拡大断面説明図
である。

【図５】従来の第２公知例を示す要部の拡大断面説明図
である。

【符号の説明】

１ 蓋 ２ 天井板 ３ 中空立上がり縁 3a 中空立上
がり縁の上部 3b 中空立上がり縁の下部 ４ 内周面 ５ 外周面 ６ 上縁面 6a,6b 端縁 ７ 段部 ８ リング凹条 11 蓋 12 天井板 13 中空立上
がり縁 13a,13b 端縁 14 リング凹
条 15 蓋 16 凹溝 17 外周上縁

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】天井板の外周縁に断面逆Ｕ形の中空立上が
   り縁を一体的に設けてなる蓋に於いて、該中空立上がり
   縁の上部巾をそれに続く下部巾よりも小さくなるように
   形成すると共に該中空立上がり縁の内周面の上部と下部
   との境界線上に段部を設け、かつ中空立上がり縁の外周
   面にリング凹条を設けて構成したことを特徴とした包装
   用容器の蓋。