JP3063228U - 果実用トレー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動選果機に適応した果実用トレーを得るこ
とを課題とする。 【解決手段】 発泡合成樹脂製のトレー１の凹陥部２に
スタック段部３を形成し、前記凹陥部２の周壁の上下に
亘り、前記スタッック段部３が抉られる深さの２つの溝
４をほぼ対向して形成して果実用トレーを構成する。 【作用】 スタック段部により上下に重ねたトレーの間
に間隙５が形成されるので、自動機の吸引アームによる
搬送時にスムーズに１枚ずつ捌かれる。また、溝は深い
ので数が少なくとも収納果実の大きさのばらつきに対応
することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、トマト、リンゴ、梨、桃、柿などの果実を生産地から消費地に輸 送する際に使用する、果実用トレーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

発泡合成樹脂成型品の果実用トレーは従来種々の構造のものが提案され、使用 されている。 ところで、近年自動選果機の導入が進み、果実のトレーへの包装作業も自動化 が進行している。自動機によって果実をトレーに包装する場合、多数枚富重ねら れたトレーを吸引アームで１枚ずつ捌いて果実の包装位置に送り出し、自動供給 される果実をトレーの凹陥部に収納する。 この作業をスムーズに進めるためには、積み重ねられたトレーが吸引アームに よって１枚ずつ捌かれることが重要である。 また、供給される果実は予め一定の大きさのものに選別されているが、大きさ に若干のばらつきがあることは避けられない。そして、トレーの凹陥部の規格よ りも僅かに大きい果実であっても、無理なく凹陥部に収納できることが好ましい 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の果実用トレーは、複数枚のトレーが密着して重なり合うようにできてい る。そのために、自動機の吸引アームでトレーを搬送するとき、搬送すべき一番 上のトレーと共に二番目以降のトレーが合わせて搬送されることがあり、その場 合自動機の運転をストップしなければならない。 また、従来果実の大きさのばらつきに対応するために、凹陥部の周壁に多数の 浅い溝（リブ）を形成したものがある。しかし、浅い溝を多数形成すると上下に 重なるトレーの接触面積が増大し、剥がれにくくなり、自動供給における上記問 題が一層顕在化する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は、果実収納用の凹陥部を多数有する発泡合成樹脂シート製のトレー において、前記凹陥部の外面には、複数のトレーを重ねたときに下段のトレーの 凹陥部口縁に係止するスタック段部を形成し、前記凹陥部の周壁の上下に亘り前 記スタック段部が抉られる深さの複数の溝を形成し、前記凹陥部の有効容積を可 変として、上記課題を解決するものである。 前記溝は２本対向して形成することにより、凹陥部と溝とを効率的に配置する ことができる。

【０００５】

【作用】

この考案のトレーにおいて、トレーの凹陥部にスタック段部を設けてあるので 、複数のトレーを重ねたとき、上下のトレーは密着せず、両者間には空隙が形成 される。したがって、トレー同士がスムーズに捌かれ、一枚目のトレーの吸引搬 送につれて二枚目以降のトレーが搬送されることがない。 また、各凹陥部にはスタック段部が抉られる深さの溝を設けたので、溝の数が 少なくとも果実の大きさのばらつきに対応して凹陥部の有効容量が変化する。そ して、溝が深いので溝の存在にもかかわらず上下のトレーはスタック段部で確実 に支持され、所定の間隔が維持される。

【０００６】

【考案の実施の形態】

発泡合成樹シート製のトレー１に底面が扁平で浅い、トマトの収納に適した凹 陥部２が多数形成してある。この凹陥部２の外周面にスタック段部３が環状に形 成してあり、複数枚のトレーを重ねたときにこのスタック段部３の下面が下方の トレーの凹陥部２の口縁部２ａに係止し、上下に重なるトレーは凹陥部２の口縁 部２ａとスタック段部３との間のみで接触するようにしてある。 前記凹陥部２の周壁２ｂには、ほぼ対向して２本の溝４が形成してある。この 溝４の底面４ａは、前記凹陥部の周壁２ｂよりも緩い傾斜とし、溝は平面Ｖ字状 をなして上方に向けて次第に深くなっている。そして、前記スタック段部３は溝 ４によって抉られ、溝４によってスタック段部３が分断されている。

【０００７】 上記実施形態において、複数枚のトレー１を重ねると、上方のトレーのスタッ ク段部３の下面が下方のトレーの口縁部２ａに当接係止するので、上下に重なり 合うトレーの凹陥部同士の間に間隙５が得られる。すなわち、上下に重なるトレ ーはスタック段部３と口縁部２ａとで接触するのみである。したがって、上方の トレーを吸引アームで吸引搬送するときに下方のトレーが追随して共に移動する ことはなく、確実に１枚ずつトレーを搬送することができ、かつ２枚目のトレー の位置がずれることもない。

【０００８】 また、凹陥部２には溝４を設けてあり、トレーは発泡合成樹脂シート製なので 、凹陥部の実質容積（果実の収納に寄与する容積）は溝４の変形により大きくな る。したがって、収納する果実の大きさが基準よりも若干大きいものであっても 、溝４の変形により対応でき、自動機による果実の収納が可能である。 特に、この実施形態では溝４の数は２つと少ないが、平面Ｖ字状の深いものと してあるので、溝の数が少なくとも大きな変形量を得ることができる。

【０００９】 溝３の数を少なくして平面Ｖ字状の深いものとし、スタック段部３が溝４によ って分断される態様としたことにより、スタック段部３による係止状態が確実に なるという効果が得られる。 すなわち、従来凹陥部の周壁に多数のリブを設けたものは知られている。そし てこのリブは凹陥部の容積を拡大する機能を有するものである。ところで、リブ 部分のスタック段部が機能しないので、スタック段部を設けつつ多数のリブを設 けると、スタック段部の有効長が短くなり（ほぼ半減する）、スタック段部の係 止状態が不安定になる。その結果上方のトレーの凹陥部が下方のトレーの凹陥部 に深くはまり込み、両者が密着し、吸引アームにより上方のトレーを搬送すると きに下方のトレー追随して動くおそれがある。 ところが、上記実施形態の構造とすると、スタック段部の有効長の低減は最小 限に止まり、上下のトレーは隔離した状態で保持される。したがって、吸引アー ムによる搬送時に２枚目のトレーが追随することはない。

【００１０】 更に、溝４を深く形成しているが、２つの溝をほぼ対向させてあるので、溝が 深いことによるスペースの浪費はない。 すなわち、方形平面に平面円形の凹陥部２を形成すると、３つの凹陥部２によ って凹陥部２を形成できないデッドスペースが必ず発生する。このデッドスペー スを利用して溝４を形成することにより、溝４のない場合と同じ密度で凹陥部２ を形成することができる。

【００１１】

【考案の効果】

この考案によれば、凹陥部にスタック段部を形成したので、上下に重なるトレ ーは密着せず両者間に間隙が得られる。そのために、上方のトレーと下方のトレ ーとは容易に捌かれ、吸引アームで上方のトレーを吸引搬送するときに下方のト レーが追随することがない。したがって、自動機におけるトレーの搬送をスムー ズに行うことができる。 そして、このトレーの凹陥部にはスタック段部が抉られる深さの溝を設けたの で、凹陥部は変形可能であり、果実が基準よりも若干大きくとも収納することが できる。 更に、溝の数は２つであるから、溝の存在によってスタック段部の係止状態が 不安定になることもなく、上下のトレーの間には確実に間隙が保持される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案実施形態の一部を省略した斜視図で
ある。

【図２】 同じく積み重ね状態を示す断面図である。

【図３】 同じく溝の断面図である。

【符号の説明】

１ トレー ２ 凹陥部 ２ａ 口縁部 ２ｂ 周壁 ３ スタック段部 ４ 溝 ５ 間隙

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【手続補正書】

【提出日】平成１１年５月１８日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項１

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 果実収納用の凹陥部を多数有する発泡合
   成樹脂シート製のトレーにおいて、前記凹陥部の外面に
   は、複数のトレーを重ねたときに下段のトレーの凹陥部
   口縁に係止するスタック段部を形成し、前記凹陥部の周
   壁の上下に亘り２つの溝をほぼ対向して形成し、前記溝
   は前記スタック段部が抉られる深さとし、前記凹陥部の
   有効容積を可変とした、請求項１記載の果実用トレー