JPH10119335A - サーマルヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

サーマルヘッドおよびその製造方法

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JPH10119335A
JPH10119335A JP29457396A JP29457396A JPH10119335A JP H10119335 A JPH10119335 A JP H10119335A JP 29457396 A JP29457396 A JP 29457396A JP 29457396 A JP29457396 A JP 29457396A JP H10119335 A JPH10119335 A JP H10119335A
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protective layer
external connection
heat insulating
individual electrode
insulating layer
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JP29457396A
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English (en)
Inventor
Kyoji Shirakawa
享志 白川
Masakazu Kato
雅一 加藤
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の半田ダムを形成していた感光性熱硬化
樹脂の塗布膜は、下地の保温層のセラミックや外部接続
端子等への密着性にバラツキがあった。そのために、ド
ライバICを半田付けしたときに、前記保温層2と半田
ダム16との間の密着境界面に微小の隙間が発生して、
この微小隙間から溶融した半田が侵入拡散してショート
等の問題が発生していた。 【解決手段】 発熱抵抗体3、あるいは共通電極4a、
あるいは個別電極4b、あるいはIC接続部4dを含む
外部接続端子4c上に、Siの酸化物またはSiの酸窒
化物(Si−O−N)から成る下層保護層5を保温層2
の上面全面に形成して、、前記接続端子4cのIC接続
部4d上の下層保護層5をエッチングして、矩形で上方
が解放された半田ダム5aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばサーマルプ
リンタに使用されるサーマルヘッドに係わり、特に印字
効率と熱応答性に優れたサーマルヘッドおよびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のサーマルプリンタに使用される
サーマルヘッドは、インクリボンあるいは感熱紙などの
記録媒体に接した状態で使用される物であり、複数個の
発熱抵抗体を基板上に直線的に配列し、所望の印字情報
に基づいていずれかの発熱抵抗体に選択的に順次通電を
行って発熱抵抗体を発熱させることにより、感熱プリン
タにおいては感熱記録紙を発色させ、熱転写プリンタに
おいてはインクリボンのインクを部分的に溶融して普通
紙に転写して印字を行うものである。図5は一般的な従
来のサーマルヘッドBの構造を示す要部断面図であり、
絶縁性材料であるアルミナ等から成る基板1の一方側の
端部1a寄りの上面に、ガラスグレーズから成る台形状
の凸部2aを有する保温層2が形成されている。また、
該保温層2の上面には、複数個の発熱抵抗体3がTa−
SiO2 等からなる材料を、前記保温層2の表面にス
パッタリング等により積層形成した後、エッチング等で
直線状に分割されて形成されている。そして、前記凸部
2aの頂上部に発熱部3aが形成されている。
【0003】また、前記発熱抵抗体3に電力エネルギー
を供給するために、該発熱抵抗体3の上面の一方側に接
続される共通電極4aと、前記発熱部3aを挟んで前記
共通電極4aと対向する位置の、前記発熱抵抗体3の上
面の他方側に接続される個別電極4bが積層形成されて
いる。また、該個別電極4bに連接して、基板1の他方
側の上面には外部接続端子4cが基板1の他方側の端部
1b近辺まで形成されている。そして、該外部接続端子
4cの中間部付近に切断部4eが形成されて、外部接続
端子4cが2つに切断されている。そして、該切断部4
e近傍には、前記発熱抵抗体3に選択的に電力エネルギ
ーを供給する、フリップチップタイプのドライバIC7
を半田付けするための、IC接続部4dが形成されてい
る。また、前記共通電極4a、および個別電極4b、お
よび外部接続端子4cは、それぞれ、例えばAl、ある
いはCu等の材料から成り、スパッタリング等によって
発熱抵抗体3および基板1の上面に積層後に、フォトリ
ソ技術によるエッチング等により、それぞれ積層形成さ
れている。また、前記発熱抵抗体3、あるいは共通電極
4a・個別電極4b、あるいは外部接続端子4c上に、
前記発熱抵抗体3や各電極4a・4bの酸化あるいは摩
耗を防止するため、SiCあるいはSiーOーNあるい
はサイアロン等からなる保護層15が単層で積層被覆さ
れている。そして、前記保護層15には、前記スパッタ
リング時等に異物等が付着してピンホールPが発生する
ものがあった。
【0004】また、前記IC接続部4dを含む外部接続
端子4cに、半田付け性の良いNi、あるいはAu、あ
るいはPd等の金属がメッキ処理されている。また、保
護層15の端部15aからドライバIC接続接続部4d
にかけて、直線状に整列された複数の外部接続端子4c
に挟まれた部分の、保温層2の平坦部2bに、エポキシ
/アクリル樹脂系の感光性熱硬化樹脂等から成る樹脂膜
16が該外部接続端子4cと同方向に延びて形成されて
いる。そして、IC接続部4dの上部の樹脂膜16には
半田ダム16aが形成されて、IC接続部4dのメッキ
処理された表面の一部が半田ダム16aから露出してい
る。そして、前記ドライバIC7のフリップチップ部7
aを、前記半田ダム16aから露出したIC接続部4d
に半田付けし、その後ドライバICが封止樹脂8で封止
されて従来のサーマルヘッドBは構成されている。
【0005】また、図示は省略するが従来のサーマルヘ
ッドBの製造工程フローは、まず発熱抵抗体形成工程で
基板1の上面に形成している保温層2の上面に、発熱抵
抗体3を積層形成し、次の電極形成工程で前記発熱抵抗
体3の上面に共通電極4aと個別電極4bおよび外部接
続端子4cを積層形成する。このとき、同時に外部接続
端子4cの切断部4eも形成する。そして、次に外部端
子マスキング工程でIC接続部4dを含む外部接続端子
4c上に、マスク材を貼り付けて、外部接続端子4cの
上面をマスクする。そして、前記発熱抵抗体3、あるい
は共通電極4a・個別電極4b、あるいは外部接続端子
4c上に、前記発熱抵抗体3や各電極4a・4bの酸化
あるいは摩耗を防止するため、SiCあるいはSiーO
ーNあるいはサイアロン等からなる保護層15をスパッ
タリングあるいはプラズマCVD等で単層に積層被覆す
る。次にマスク除去工程で前記マスク材を外部接続端子
4cの上から剥がし、次の端子メッキ工程で前記IC接
続部4dを含む外部接続端子4cに半田付け性の良いA
u,Pd、Ni、Sn等のメッキ処理が施される。
【0006】そして、前記メッキ処理が終わると、樹脂
膜形成工程で保護層15の端部15aからIC接続部4
dにかけて、エポキシ/アクリル系の感光性熱硬化樹脂
等を塗布した樹脂膜16を形成し、該樹脂膜16をフォ
トリソ技術によるエッチングで、IC接続部4dの上方
を削除して、ドライバICのフリップチップ部7aが装
着できる程度の大きさの半田ダム16aを形成する。そ
して、ドライバIC実装工程でドライバIC7のフリッ
プチップ部7aを、前記半田ダム16aに位置させて、
リフロー半田等によりIC接続部4dに半田付けする。
このとき、IC接続部4dの上面より高く形成された半
田ダム16によって、溶融した半田が、隣り合ったIC
接続部4dに流れてショート等の問題が発生しないよう
になっている。そして、ドライバIC封止材塗布工程
で、前記ドライバIC7の周辺に封止樹脂8を塗布後乾
燥させて、サーマルヘッドBが製造される
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な従来のサーマルヘッドBにおいては、前記半田ダム形
成工程で、エポキシ/アクリル系の感光性熱硬化樹脂等
を塗布した樹脂膜16に半田ダム16aを形成している
が、この樹脂膜16は下地の保温層2あるいは外部接続
端子4c等への密着性が悪く、ドライバIC7を半田付
けするときの熱で、前記保温層2の表面と半田ダム16
との密着境界面に微小の隙間が生じて、溶融した半田
が、前記微小の隙間に侵入拡散して、隣り合ったIC接
続部4dまで溶融した半田が流れて、ショートしたりす
ることがある。また、前記保温層2の表面と半田ダム1
6aとの間の密着境界面の微小隙間に、溶融した半田が
侵入拡散することによりフリップチップ部7aの半田の
使用量がバラツキ、ドライバIC7とIC接続部4dと
の接続不良が発生して、ドライバIC7実装の信頼性が
低下して、サーマルヘッドBの製造歩留まりを悪くする
問題があった。
【0008】また、前記保護層15が単層のため、該保
護層15には前述のようなピンホールPが発生してい
た。このピンホールPが、発熱抵抗体3の発熱部3aに
接した状態で発生すると、ピンホールPから空気中の酸
素や水分等が侵入して、発熱抵抗体3が酸化してドット
抵抗値が大きくなり、発熱部3aを発熱させて印字した
ときに、該印字の一部にドット抜けが発生して正常な印
字ができなくなることがあった。また、ピンホールPが
電極4a・4bおよび外部接続端子4cに接した状態で
発生すると、前記ピンホールPから空気中の水分等が侵
入して、電極4a・4bおよび外部接続端子4cが腐食
による断線等が発生して、サーマルヘッドの印字寿命を
低下する問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する第1
の手段として、基板の上面に形成された保温層と、該保
温層の上面に形成された複数の発熱抵抗体と、該複数の
発熱抵抗体に接続される個別電極および共通電極と、前
記保温層、前記発熱抵抗体、前記個別電極および共通電
極の上面を被覆する保護層と、前記個別電極および外部
接続端子に接続されるドライバICとを備えて、前記個
別電極および外部接続端子の上部の保護層に半田ダムを
形成した構成とした。また、前記課題を解決する第2の
手段として、前記保護層は複数の層からなり、前記半田
ダムを前記複数の層の下層側に形成した構成とした。ま
た、前記課題を解決する第3の手段として、基板上に形
成した保温層の表面に複数の発熱抵抗体を形成する発熱
抵抗体形成工程と、これら発熱抵抗体に個別に通電する
ための共通電極および複数の個別電極を前記発熱抵抗体
に接続する電極形成工程と、前記保温層ならびに共通電
極ならびに個別電極を被覆する複数層の保護層を形成す
る下層保護層形成工程と上層保護層形成工程と、前記個
別電極および外部接続端子のIC接続部にドライバIC
を接続するドライバIC実装工程とを備えて、前記個別
電極および外部接続端子のIC接続部上部の下層保護層
に半田ダムをエッチングして形成する構成とした。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1〜図4をもとに説明する。なお前述した従来の
物と同一の構成の物については、同一の番号を付して説
明する。図1は本発明のサーマルヘッドにドライバIC
7を実装した要部断面図である。図2は、その要部斜視
図で、図3は本発明のサーマルヘッドの製造工程を説明
する製造工程フローで、図4はマスク材を説明する要部
断面図である。図1・2において、絶縁性材料であるア
ルミナ等のセラミックから成る基板1の上面に、ガラス
グレーズから成る保温層2が形成されて、基板1の一方
側の端部1a寄りに、断面が略台形状に突出した凸部2
aが形成されている。また、該凸部2aの上面には、サ
ーマルヘッドの発熱ドット数に対応した数の、複数の発
熱抵抗体3が形成されている。そして、該発熱抵抗体3
はTa−SiO2 等からなる材料を蒸着あるいはスパ
ッタリング等により、前記保温層2の表面に被着した
後、フォトリソ技術によるエッチング等で所定の幅と間
隔をもって直線状に分割されて、前記凸部2aの両側の
斜面から裾野まで延びて形成されている。そして、前記
保温層2の凸部2aの頂上には、電力エネルギーが供給
されて発熱して、実際の印字に寄与する発熱部3aが形
成されている。
【0011】また、前記複数の発熱抵抗体3に接続して
電力エネルギーを供給するために、前記凸部2aの一方
側の斜面から裾野部分にかけての複数の発熱抵抗体3の
上面には、該複数の発熱抵抗体3に共通して通電を行う
ための共通電極4aが発熱抵抗体3と直交する方向に積
層形成されている。また、該共通電極4aと対向する側
の、前記凸部2aの他方側の斜面から裾野部分の発熱抵
抗体3の上面には、複数の発熱抵抗体3に個別に独立し
て通電を行うための個別電極4bがそれぞれ積層形成さ
れて、前記共通電極4aと個別電極4bに挟まれた凸部
2aの頂上部分に発熱部3aが位置している。
【0012】また、前記個別電極4bに連接する外部接
続端子4cが、保温層2の平坦部2b上に、基板1の他
方側の端部1b付近まで延長されて形成されている。そ
して、前記外部接続端子4cは、所定間隔の隙間を設け
た切断部4eにより、前記個別電極4bni相対してい
る。また、前記切断部4eに接する外部端子4cの上面
には、IC接続部が形成されて、前記発熱抵抗体3に選
択的に電力エネルギーを供給するための、後述するドラ
イバIC7が半田付けされるようになっている。また、
前記共通電極4a、および個別電極4b、およびIC接
続部4dを含む外部接続端子4cは、それぞれ、例えば
Al、あるいはCu等の安価な材料から成り、直線状に
整列された発熱抵抗体3の配線パターン上、および保温
層2の平坦部2b上に積層形成されている。
【0013】また、前記発熱抵抗体3、あるいは共通電
極4a、あるいは個別電極4b、あるいはIC接続部4
dを含む外部接続端子4c上に、複数の保護層からなる
下層側の層の下層保護層5が、保温層2の上面全面に略
2μmの膜厚で形成されている。そして、この下層保護
層5はSiの酸化物またはSiの酸窒化物(Si−O−
N)から形成されている。また、この下層保護層5は耐
酸化性を有していて、エッチング等の加工性の良い材料
から成っている。また、該下層保護層5は保温層2およ
び外部接続端子4cとの間の密着性にも優れている。ま
た、図2に示すように、前記IC接続部4d上の下層保
護層5には、矩形の窓状の半田ダム5aが上方を解放し
て形成されている。そして、該半田ダム5aからは、I
C接続部4dの上面が露出しているので、前記半田ダム
5aの上方からIC接続部4dの上面を臨むことができ
る。また、前記半田ダム5aに露出しているIC接続部
4dの上面にはNi、あるいはAu、あるいはPd、あ
るいはSn等の半田付け性の良い金属がメッキ処理され
ている。また、下層保護層5には、スッパタリング等の
加工時に異物等の付着により、ピンホールPが発生して
いるものがある。更に、前記下層保護層5の半田ダム5
a付近を除く、下層保護層5の上面には耐酸化性および
耐摩耗性に優れているSiC、あるいはSi−O−N、
あるいはサイアロン等からなる上層保護層6が、略3μ
mの膜厚で積層形成されている。そして、この上層保護
層6は前記下層保護層5のピンホールPの内部にも侵入
して、ピンホールPを封孔している。
【0014】また、前記IC接続部4dに半田付けする
ドライバIC7は、フリップチップタイプで端子を兼用
するフリップチップ部7aが半田バンプ等で形成されて
いる。そして、前記下層保護層5の半田ダム5aに、ド
ライバIC7のフリップチップ部7aが位置して、ドラ
イバIC7が載置されて、IC接続部4dにドライバI
C7がリフロー半田付けされて、サーマルヘッドAに実
装されている。そして、前記ドライバIC7はその周辺
の側壁に封止樹脂8が塗布後乾燥されて、ドライバIC
7が封止されて本発明のサーマルヘッドAが構成されて
いる。前述のような本発明のサーマルヘッドAによれ
ば、個別電極4bから所定の印字信号に基づいて、該個
別電極4bに対応する共通電極4aに発熱抵抗体3を介
して通電を行うことにより、該共通電極4aと個別電極
4bに挟まれた部分の発熱部3aを発熱せしめ、該発熱
部3aの熱が、その上面の下層保護層5および上層保護
層6を介して、例えば熱転写プリンタならば、記録媒体
であるインクリボン(図示せず)のインクを溶融して記
録用紙に転写することにより所望の印字を行うことがで
きる。また感熱プリンタにおいては、記録媒体である感
熱記録紙(図示せず)を発色させて所望の印字を行うこ
とができる。
【0015】次に、前述のような本発明のサーマルヘッ
ドAの製造方法について、図3に示す製造工程フローに
従って説明すると、まず、アルミナ等のセラミックから
成る基板1の上面に、ガラスから成るグレーズ層である
保温層2を積層形成して、該保温層2の上面に、発熱抵
抗体形成工程で、前記保温層2の凸部2aの頂上部から
両側の裾野部分の表面にかけて、Ta−SiO2等から
成る材料を、蒸着あるいはスパッタリング等により被着
させた後、エッチング等で所定の間隔を設けて、直線状
に整列した発熱抵抗体3を複数形成する。また、前記保
温層2の凸部2aの一方側の斜面から裾野部分の発熱抵
抗体3の上面に、且つ、前記複数の発熱抵抗体3と直交
する方向に共通電極4aが形成されて、全ての発熱抵抗
体3に共通電極4aがそれぞれ接続されている。また、
この共通電極4aを形成するのと同時に、共通電極4a
と対向する発熱抵抗体3の他方側の上面に、個別電極4
bと、該個別電極4bに連接する外部接続端子4cを形
成する。そして、前記共通電極4a・個別電極4b・外
部接続端子4cは、例えばAlあるいはCu等の安価な
材料を、スパッタリングあるいは蒸着等によりそれぞれ
被着させた後、フォトリソ技術によるエッチングにより
所望形状のパターンに形成する。このエッチング時に、
外部接続端子4cの切断部4eも同時に形成する。
【0016】次に、下層保護層積層工程で、複数の層か
らなる保護層のうちの下層保護層5を、保温層2の上面
全面にSiの酸化物またはSiの酸窒化物(Si−O−
N)を、スッパタリング等により略2μmの膜厚を形成
する。次に、マスキング・基板洗浄工程で、図4に示す
ように個別電極4bおよび外部接続端子4cのIC接続
部4d上の下層保護層5の上面に、耐熱性に優れたカプ
トン粘着テープ等から成るマスク材Mを貼り付けて、I
C接続部4dを含む個別電極および外部接続端子4c上
の下層保護層5をマスクして、後述する上層保護層6
が、個別電極4bの先端のIC接続部4dおよび外部接
続端子4c上の下層保護層5に被着しないようにしてい
る。そしてマスキング終了後、前記下層保護層5の表面
を、入念にブラッシングしながら洗浄して、前記異物等
によるピンホールPを顕在化させる。次に、前記洗浄後
の下層保護層5の上面に、耐酸化性および耐摩耗性に優
れているSiC、あるいはSi−O−N、あるいはサイ
アロン等からなる上層保護層6を、スッパッタリングあ
るいはプラズマCVD等により、略3μmの膜厚を積層
形成する。
【0017】次に、マスク除去・基板洗浄工程で、マス
ク材Mを剥がして、該マスク材Mが貼られていた部分
の、下層保護層5を洗浄する。そして、下層保護層エッ
チング工程で、フォトリソ技術でバッファードフッ酸等
により、下層保護層5をエッチングして、図2に示す矩
形で窓状の半田ダム5aを形成する。そして、該上方が
解放された半田ダム5aに、IC接続部4dの表面を露
出させる。次に、端子メッキ工程で前記矩形の半田ダム
5aで、外部に露出されたIC接続部4dに、Ni、あ
るいはAg,あるいはPd,あるいはSn等の半田付け
性の良い金属をメッキ処理する。その後発熱抵抗体3の
発熱量を決める抵抗値検査等を行って、前記基板1をダ
イシング加工して、本発明のドライバIC7実装前のサ
ーマルヘッドAをチップ状に形成する。
【0018】次に、ドライバIC実装工程で、前記チッ
プ状のサーマルヘッドAの半田ダム5aに、ドライバI
C7の半田バンプ等から成るフリップチップ部7aを位
置させる。そして、リフロー炉等でフリップチップ部7
aを溶融して、ドライバIC7とIC接続部4dとを半
田ダム5aの半田によって接続して、ドライバICをサ
ーマルヘッドAに実装する。このとき、IC接続部4d
の表面に接する溶融した半田が、前記半田ダム5aで仕
切られているので、隣り合ったIC接続部4dに溶融し
た半田が流れてショートしたりすることがない。そし
て、次のドライバIC封止剤塗布工程で、前記ドライバ
IC半田付け部分の性能維持のためにドライバIC7の
周辺および半田付け部分に封止樹脂8を塗布し硬化させ
てサーマルヘッドAの製造が終了する。また、本発明は
前述の実施の形態に限定されるものでなく、例えば、保
温層2に凸部2aを設けない全面グレーズドアルミナ基
板や、あるいは、その他のセラミック基板およびシリコ
ン基板や金属基板等いずれの基板にも用いることができ
る。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明におけるサー
マルヘッドによれば、個別電極および外部接続端子の上
部の保護層に半田ダムを形成したので、前記保護層は保
温層あるいは個別電極や個別電極や外部接続端子に対し
て密着性が良く、且つ耐熱性に優れているので、ドライ
バICを半田付けするときの温度等で保温層あるいは個
別電極や外部端子から剥がれることがなく、溶融した半
田の境界面拡散がなくなり、隣り合ったIC接続部に溶
融した半田が侵入することがないので、ショート等の半
田付けによるトラブルが低減できるので、サーマルヘッ
ドの製造歩留まりを向上できる。また、溶融した半田の
境界面拡散がないので、溶融した半田が前記半田ダム以
外に流れないので、半田の使用量が常に一定になるの
で、半田付けに関する品質が更に向上する。
【0020】また、前記保護層は複数の層からなり、前
記半田ダムを前記複数の層の下層側に形成したので、該
下層側の下層保護層に異物付着等でピンホールが生じて
も、上層保護層により前記ピンホールを封止できるの
で、ピンホールによる発熱抵抗体の酸化や、共通電極あ
るいは個別電極の腐食による断線等が解消されるのでサ
ーマルヘッドの印字寿命を向上できる。また、上層保護
層に耐摩耗性の良い材料を使っているので、下層保護層
は耐摩耗性を意識しないで、エッチングに適した加工性
の良い材料を使用できるので、エッチング量のバラツキ
を最小に押さえることができる。そのために、IC接続
部が消失したり、逆にIC接続部が露出しなかったりす
ることがないので、製造歩留まりの良いサーマルヘッド
を提供できる。また、保護層のエッチングは下層保護層
の1層だけエッチングすればよいので、エッチング時間
が短縮できて生産性の良いサーマルヘッドを提供でき
る。また、上層保護層に耐摩耗性に優れた材料を使っ
て、耐摩耗性の劣る下層保護層を保護するように、複数
の保護層に異なる2種類の材料を使い分けることができ
るので、耐摩耗性に優れたサーマルヘッドを提供でき
る。
【0021】また、前記下層保護層形成工程で、基板の
上面全面に下層保護層を形成して、IC接続部上部の下
層保護層をエッチングして、半田ダムを形成するので、
同一形状の複数の半田ダムを一度にエッチングで形成で
きるので、生産性が良くて品質が安定したサーマルヘッ
ドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサーマルヘッドの構造を示す要部断面
図。
【図2】本発明のサーマルヘッドの半田ダムを説明する
部分斜視図。
【図3】本発明のサーマルヘッドの製造工程を示す製造
工程フロー。
【図4】本発明のサマールヘッドのマスキングの状態を
説明する要部断面図。
【図5】従来のサマールヘッドの構造を示す要部断面
図。
【符号の説明】
1 基板 2 保温層 2a 凸部 3 発熱抵抗体 3a 発熱部 4a 共通電極 4b 個別電極 4c 外部接続端子 5 下層保護層 5a 半田ダム 6 上層保護層 7 ドライバIC 8 封止樹脂 M マスク材 P ピンホール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の上面に形成された保温層と、該保
    温層の上面に形成された複数の発熱抵抗体と、該複数の
    発熱抵抗体に接続される個別電極および共通電極と、前
    記保温層、前記発熱抵抗体、前記個別電極および共通電
    極の上面を被覆する保護層と、前記個別電極および外部
    接続端子に接続されるドライバICとを備えて、前記個
    別電極および外部接続端子の上部の保護層に半田ダムを
    形成したことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 【請求項2】 前記保護層は複数の層からなり、前記半
    田ダムを前記複数の層の下層側に形成したことを特徴と
    する請求項1記載のサーマルヘッド。
  3. 【請求項3】 基板上に形成した保温層の表面に複数の
    発熱抵抗体を形成する発熱抵抗体形成工程と、これら発
    熱抵抗体に個別に通電するための共通電極および複数の
    個別電極を前記発熱抵抗体に接続する電極形成工程と、
    前記保温層ならびに共通電極ならびに個別電極を被覆す
    る複数層の保護層を形成する下層保護層形成工程と上層
    保護層形成工程と、前記個別電極および外部接続端子の
    IC接続部にドライバICを半田付けするドライバIC
    実装工程とを備えて、前記個別電極および外部接続端子
    のIC接続部上部の下層保護層に半田ダムをエッチング
    して形成することを特徴とするサーマルヘッドの製造方
    法。
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