JPH10119012A - 圧縮木材の製造法とこれに用いる成形装置 - Google Patents

圧縮木材の製造法とこれに用いる成形装置

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JPH10119012A
JPH10119012A JP28202396A JP28202396A JPH10119012A JP H10119012 A JPH10119012 A JP H10119012A JP 28202396 A JP28202396 A JP 28202396A JP 28202396 A JP28202396 A JP 28202396A JP H10119012 A JPH10119012 A JP H10119012A
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die
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Hiroshi Tokuda
博志 徳田
Junichi Sumiya
順一 角谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部組織も周辺部と圧縮率で均等に圧縮する
ことができ、しかも得た圧縮木材を二次加工できる圧縮
木材の製造法と、該製造法を実施することのできる成形
装置を提供する。 【解決手段】 相互の対向部位に加工せんとする木材を
所要の形状に賦形するための凹部を形成したアルミニウ
ムを主体とする一対のダイ2,2と、これらダイ2,3
を高温高圧の水蒸気雰囲気下に保持する高温高圧容器1
2を使用し、各ダイのランド2c,3cが互いに当接す
る至るまでの間は各ダイの凹部によって形成されるキャ
ビティCを開放状態として木材の一部を実質的に拘束し
ない状態で圧縮しつゝ、最終的なダイの閉じ合わせによ
って周辺部から内部組織に至るまで均等に圧縮して圧縮
木材Bとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】この発明は、木材を圧縮して
改質された圧縮木材を得るための製造法と、これに用い
る成形装置に係り、特に内部組織が均等に圧縮されて歪
みの生じない圧縮木材を得るための製造法と、これに使
用する成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スギやヒノキなどの間伐材を水蒸気雰囲
気下で軟化させ、高温高圧の下で圧縮成形して所定形状
の圧縮木材を製造することは、たとえば、特開平3−2
31802号公報、特開平4−14404号公報および
特開平5−50409号公報などにおいて開示されてい
る。これら公開公報に記載されている技術はいずれも、
高温高圧容器内にプレス金型を適宜に対向配置し、この
適宜対向配置した金型の少なくとも一方を適宜の手段で
駆動して木材を圧縮成形するものである。
【0003】一方、特開平7−88810号公報には、
加工しようとする木材を下型内に載置し、その全側面を
側面拘束治具で拘束しながら高温高湿度下で側面拘束治
具内に上型を押し込むことによって圧縮し、割れやクラ
ック等の発生がなく、形状の戻りもない圧縮木材を得る
手段が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の各公開公報に開
示された製造法及び装置の使用によって得られる圧縮木
材は、従来の圧縮しない無垢の木材に比べて耐久性が向
上し、製材加工が不要になるなど多くの優れた性能や利
点を有しているが、木材に対する圧縮成形は、いずれも
木材の全周にプレス圧をかけて行うものである。そのた
め、加工せんとする木材中、特に年輪の芯を有する木材
は周辺部はプレス圧に応じて圧縮されるが、中心部には
プレス圧に対する反作用が働き周辺部よりも圧縮が難し
く組織全体を完全に圧潰することが困難であるので、品
質のよい圧縮木材を得ることが難しいのが現状である。
その結果、かゝる手段で得た圧縮木材は、中心部と周辺
部との圧縮比率が均一ではないため、長期に亘って日光
に曝されたり、雨水で濡れたりした場合に次第に反りが
生じて寸法安定性に問題が残されている。また、得た圧
縮木材は中心部と周辺部との圧縮比率が異なるため、圧
縮密度の大きい部位は含水すると伸び率が大きく、圧縮
密度の小さい部位は伸び率が小さいので反りを生じ、従
来の製品では事実上二次加工ができないという実用上解
決すべき課題を有していた。
【0005】この発明はかゝる現状に鑑み鋭意検討の結
果、内部組織も周辺部と同様に高い圧縮率で均等に圧縮
することができ、しかも得た圧縮木材を二次加工するこ
とのできる圧縮木材の製造法と、該製造法を実施するこ
とのできる成形装置を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の請求項1に記載の発明は、高温高圧の
水蒸気雰囲気下において加工せんとする木材を一対のダ
イのいずれか一方の凹部内に保持し、各ダイのランドが
互いに当接して閉じ合わせに至るまでの間は各ダイの凹
部によって形成されるキャビティを開放状態としながら
前記木材の一部を実質的に拘束しない状態で圧縮しつ
ゝ、最終的なダイの閉じ合わせによって周辺部から内部
組織に至るまで均等に圧縮された圧縮木材を得ることを
特徴とする圧縮木材の製造法である。
【0007】まこ、この発明の請求項2に記載の発明
は、相互の対向部位に加工せんとする木材を所要の形状
に賦形するための凹部をそれぞれ形成したアルミニウム
を主体とする金属からなる所定長さの一対のダイと、該
一対のダイを高温高圧の水蒸気雰囲気下において保持す
る高温高圧容器とからなるもので、前記各ダイのランド
が互いに当接して閉じ合わせに至るまでの間は各ダイの
凹部によって形成されるキャビティを開放状態としなが
ら前記木材の一部を実質的に拘束しない状態で圧縮しつ
ゝ、最終的なダイの閉じ合わせによって周辺部から内部
組織に至るまで均等に圧縮することができるよう構成さ
れたことを特徴とする圧縮木材の成形装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明の圧縮木材の製造法は、
実質的に1対のダイと、該ダイを高温高圧の水蒸気雰囲
気下において保持する高温高圧容器を使用して行うもの
で、その際、1対のダイのランドが互いに当接して閉じ
合わせるようにし、このランドが最終的に閉じ合わせら
れるまでの間はそのランドを開放して加工せんとする木
材の一部を実質的に拘束しない状態で圧縮し、ダイの最
終的な閉じ合わせで周辺部から中心部まで均等に圧縮さ
れた圧縮木材を得んとするものである。
【0009】かゝる製造法に使用する成形装置は、好ま
しくは、ステンレススチールなどの鋼材によって作られ
た上型と下型のホルダに、アルミニウムもしくはアルミ
ニウム合金などのアルミニウムを主体としたダイをそれ
ぞれ保持し、下型ホルダに対して上型ホルダを上下させ
て、両ダイのランドが相互に当接して閉じ合わされるこ
とによって内部に所定のキャビティを形成し、この所定
のキャビティを形成するまでの圧縮過程においてはキャ
ビティ内の被圧縮木材の一部を実質的に拘束しない状態
で圧縮し、最終的にダイを閉じ合わせるように構成した
ものである。
【0010】したがって、たとえば、雌雄に嵌合する1
対のダイによって圧縮動作の最初からダイが閉じ合わさ
れて実質的に被圧縮木材のすべての外周をダイによって
拘束しながら圧縮するような成形装置はこの発明の範疇
には入らない。
【0011】各ホルダに保持するダイは、加工せんとす
る木材の長さに合わせて所要の長さを有するもので、ボ
ルタに対してダイを長手方向においてスライド自在に保
持させることによってダイとホルダとが異質の金属であ
っても、高温高圧の水蒸気による熱膨張の相違を吸収す
ることができ、ダイが長尺であっても簡単かつ容易に取
り替えることができる。
【0012】また、ダイには長手方向に沿って少なくと
も1つ以上の通孔を形成しておくことによって、ダイを
高温高圧容器に置いた場合、水蒸気がダイに形成した通
孔を流れ、ダイを速やかに加熱することができると共
に、高温高圧容器から取り出した場合効率的に冷却する
ことができるので好ましい。
【0013】さらに一対のダイは、圧縮によって得た圧
縮木材の抜きを容易にするため、相互に当接するランド
の内側を外方に向けてテーパー状に拡開してクリアラン
スを形成することが望ましい。
【0014】かゝる成形装置は、これを高温高圧容器内
に収容し、該高温高圧容器内に水蒸気を流しながら、前
記いずれか一方のダイの凹部に配した加工せんとする木
材を高温の水蒸気によって軟化させ、ついでダイによっ
て圧縮して閉じ合わされたキャビティに相当する形状の
圧縮木材とするもので、この圧縮についで、水蒸気の温
度を上げて得られた圧縮木材の形状固定を行うことによ
って形状の戻りのない優れた品質の圧縮木材とすること
ができる。
【0015】なお、この成形装置は、前記一対のダイに
よって構成された装置の複数を、平面的及び/又は立体
的に多段に配置して複数の被圧縮木材を同時に圧縮する
ようにしてもよい。
【0016】
【作用】この発明の圧縮木材の製造法は、相互の対向す
る部位に加工せんとする木材を所要の形状に賦形するた
めの凹部を形成した一対のダイを使用して木材を高温高
圧の水蒸気雰囲気下において所定の形状に圧縮成形する
に際し、各ダイのランドが当接するまでの間は木材の一
部を実質的に拘束しない状態で圧縮し、最終的にランド
の当接によって木材の全部位を拘束して圧縮するので、
被圧縮木材はダイの可動方向の押圧力でその表層部近傍
の内部組織が圧潰し、同時に中心部にも若干の押圧力が
作用して内部組織を適度に圧潰して次第に緻密化する。
同時に、この圧縮で被圧縮木材の一部は、ダイのランド
が開放されているので被圧縮木材を拘束していない部分
に向けて逃げようとして変形し、引き続く押圧でこの開
放部分の間隔が縮小するにつれて変形部分に被圧縮木材
の中心に向かう押圧力が作用して当該変形部分の表層部
近傍の内部組織を圧潰し、同時に先の押圧によって適度
に圧潰されている中心部の内部組織の圧潰を高めて周辺
部と中心部を含めた全ての内部組織を均等に圧縮して高
い強度と硬度を備えた緻密な圧縮木材とすることができ
る。
【0017】この発明の圧縮木材の成形装置は、ダイを
アルミニウムを主体とする金属で構成することによっ
て、圧縮成形に伴う激しい温度変化に対して金属疲労な
どを生ずることなく充分に耐えることができると共に、
熱伝導率がよいため、被圧縮木材の軟化や形状固定を速
めることができ、装置の軽量化を図ることができ、削り
出しによることなく押出成形で容易に得ることができる
といった各種の利点を有する。特に、かゝるアルミニウ
ムを主体とするダイを剛性のある他の金属で保持するこ
とによって装置としての強度を維持して長期間に亘る繰
り返し使用が可能となるものである。
【0018】
【実施例】以下、この発明の圧縮木材の製造法とこれに
使用する成形装置の実施例を添付の図面に基づいて具体
的に説明する。この発明の圧縮木材の成形装置1は、加
工せんとする木材を所定の形状に圧縮成形するための上
下一対のダイ2,3と、これらダイ2,3をそれぞれ保
持するための上型ホルダ4と下型ホルダ5及び各ダイ
2,3を高温高圧の水蒸気雰囲気下に保持するための高
温高圧容器12とから構成されている。
【0019】この実施例におけるダイ2及び3は、いず
れもアルミニウムの押出成形によって得た全長が約30
00mmのもので、相互の対向する部位(上方のダイ2
にあっては下面、下方のダイ3にあっては上面)にそれ
ぞれ賦形せんとする形状に合わせた凹部2a,3aが形
成され、各凹部2a,3aの両側の側面部2b,3bの
内側は上縁(又は下縁)より下縁(又は上縁)に向けて
それぞれ約2mmの勾配で外側に拡開し、クリアランス
を形成している。なお、図中2c,3cは各ダイ2,3
のランド(当接面)を示す。
【0020】各ダイ2,3における凹部2a,3aの部
分の厚みの中央にはそれぞれ長手方向に貫通する水蒸気
を貫流させるための3個の通孔6,9が形成されてい
る。上方のダイ2を両側部には長手方向に沿って1対の
係合溝7,7が形成され、この係合溝7,7に上型ホル
ダ4に設けた鉤型の係止片8,8が係合してダイ2を上
型ホルダ4に固定している。下方のダイ3は、両側壁と
底部とによって形成されて上部が開口した下型ホルダ5
にその凹部3aを上向きにして嵌挿固定されている。
【0021】上型ホルダ4の両側下面には、下方に突出
するガイドピン10,10・・・を長手方向に適宜の間
隔で設ける。このガイドピン10,10・・・は、下型
ホルダ5の両側壁の上縁に対応して穿設したガイド孔1
1,11・・・に嵌入して上型ホルダ4の上下動のため
のガイドとして機能するように構成している。
【0022】前記ガイドピン10,10・・・がガイド
孔11,11・・・に嵌入してダイ2と3が閉じ合わさ
れていない状態においては、ダイ2の両側部2b,2b
と、ダイ3の両側部3b,3bの端面のランド2c,3
cは相互に離れてダイ2と3の両側に開放部X,Xを形
成している。ダイ2,3の閉じ合わせによって前記ラン
ド2c,3cが互いに当接して開放部X,Xを閉じるこ
とによってダイ2と3の各凹部2aと3aによって内部
に所要の形状のキャビティCが形成される。
【0023】前記ダイ2及びダイ3を保持する上型ホル
ダ4と下型ホルダ5は、共にアルミニウム以外の金属、
たとえば、ステンレススチールによって作られている。
これらのダイ2,3の上型ホルダ4と下型ホルダ5への
装着は、ダイ2,3の各端部を上下のホルダ4,5の一
端から差し入れてスライドさせることによって容易に装
着することができる。かゝるスライド構造を採用するこ
とによってアルミニウムを主体としたダイ2及び3と、
このダイ2及び3を保持する他の金属による上下のホル
ダ4,5との間に生ずる熱膨張差を容易に吸収すること
ができ、また、損耗によるダイの取り替えも簡単に行う
ことができる。
【0024】ダイ2を保持した上型ホルダ4は、図示し
ないプレス装置の駆動によってダイ3を固定した下型ホ
ルダ5に対して上下動して型の開放と閉じ合わせを行う
ことができるよう構成されている。
【0025】かゝる構造の圧縮木材の成形装置1は、以
下に述べる方法で使用することによって所望の形状の圧
縮木材を製造することができる。まず、成形装置1を構
成するダイ2を取り付けた上型ホルダ4とダイ3を取り
付けた下型ホルダ5とを型開きした状態で、ダイ3の凹
部3aに予備加工によって断面がほゞ四角に切削した被
圧縮木材Aを載置する。ついで、被圧縮木材Aに上方よ
り上型ホルダ4を下降させてダイ2の凹部2aを当接さ
せ、これらを横置した円筒状の高温高圧容器12内に適
宜の手段で搬送し、高温高圧容器12の開口部を閉鎖す
る。
【0026】この高温高圧容器12は図示しないが、外
部上方には複数のシリンダーを長手方向に一定間隔で設
けたプレス装置が配備され、各シリンダーのピストンが
高温高圧容器12の上部筒壁を貫通して上型ホルダ4と
連繋し、上型ホルダ4を上下動可能に保持している。
【0027】高温高圧容器12を密閉した状態で、一端
開口部側から高温高圧容器12内に温度120℃〜18
0℃の水蒸気を吹き込むと、高温高圧容器12内は5〜
10分程度で所定の温度に上昇する。この状態で10〜
15分程度保持すると、ダイ3上に載置された被圧縮木
材Aはダイと被圧縮木材Aから入り込んだ高温高圧の水
蒸気や、この水蒸気によって加熱されたダイ3や2の保
有する熱エネルギーによって次第に膨潤して軟化し始め
る。その際、ダイ2,3にはそれぞれ長手方向に沿って
水蒸気が貫流する通孔6及び9が形成されているため、
その材質とこの通孔6,9を通過する水蒸気によってき
わめて効率的に加熱される。
【0028】高温高圧容器12内に送り込まれた水蒸気
は、該高温高圧容器12内の一方側から他方側に向けて
流れ充満して長尺の被圧縮木材Aに接触すると同時にダ
イ2やダイ3の表面や通孔6や9内に接触し、これに熱
エネルギーを与えて加熱し、被圧縮木材Aを膨潤軟化さ
せる。かくして被圧縮木材Aが高温の水蒸気によって膨
潤軟化すると、前記プレス装置の複数のピストンが同時
にして上型ホルダ4とこれに設けたダイ2で被圧縮木材
Aを押圧する。
【0029】このピストンの作動で被圧縮木材Aは上下
方向に押圧を受けて内部の液が絞られ、被圧縮木材Aの
中心部に向けた押圧力が働いて上下の表層部近傍の内部
組織を圧潰し、同時に中心部にも若干の押圧力が作用し
て内部組織を適度に圧潰して次第に緻密化される。
【0030】上下からの押圧を受けた被圧縮木材Aは、
ダイ2と3の両側部のランドが当接しない状態において
は、拘束されない状態の開放部X,Xの方向に逃げよう
として変形する。この状態でさらにダイ2の下降が続
き、開放部X,Xの間隔が次第に縮小するにつれて被圧
縮木材Aの左右の側面部にダイ2,3の側部2b,3b
が接触し、変形部分(図2における左右方向への突出
部)に被圧縮木材Aの中心部に向かう押圧力が作用し、
当該変形部分の内部組織を圧潰すると同時に先の押圧に
よって適度に圧潰されている中心部の内部組織の圧潰を
高め、これによって周辺部と中心部を含めた全ての内部
組織を均等に圧縮して高い強度と硬度を備えた緻密な圧
縮木材Bを得ることができる。
【0031】各ダイ2,3のランド2c,3cの当接に
よって所要の形状のキャビティが形成され、被圧縮木材
Aが所要形状の圧縮木材Bに成形し終わると、そのまゝ
の状態で水蒸気の温度を180℃前後にして約10〜3
0分間保持して圧縮木材Bの形状固定を行ったのち、水
蒸気の吹き込みを停止して大気圧に戻し、適度に温度が
下がるのを待って製造装置1のダイを開放し、圧縮木材
Bを取り出す。その際、ダイ2と3の両側の内面に形成
したテーパー状の拡開部がクリアランスを形成している
ので、圧縮木材Bを成形装置1から容易に取り出すこと
ができる。
【0032】取り出された圧縮木材Bは、横方向両側の
中央部が約2mmで突出したテーパー部を有する断面の
ものであるので、図3の(a)に示すように二次加工に
よって当該突出部を切削することによって所定の厚みの
長尺の角材とすることができる。また、図3の(b)に
示すように左右の突出部を切削し、かつ上下方向におい
て2等分するように切断することによって2枚の偏平か
つ長尺の板材を得ることができる。さらに、図3の
(c)に示すように左右の突出部を切削し、かつ上下及
び左右の中心部においてそれぞれ切断することによって
4枚の偏平な板材を得ることができる。なお、図示しな
いが木材を圧縮加工するに際し、全体を方形に圧縮し、
その四周を弧状に切削することによって丸材とすること
もできることは当然である。
【0033】
【発明の効果】この発明の圧縮木材の製造法は、相互の
対向する部位に加工せんとする木材を所要の形状に賦形
するための凹部をそれぞれ形成した一対のダイを使用
し、各ダイのランドが互いに当接するまでは加工せんと
する木材の側面部を実質的に拘束しない状態で圧縮し、
最終的に各ダイのランド相互の当接によって周辺部から
内部組織に至るまで均等に加工せんとする木材を圧縮す
るので、得た圧縮木材は表層部と中心部の内部組織が均
等に圧縮されて高い強度と硬度を備えて、長期の使用に
も反りや歪みの生じない優れた品質の圧縮木材を得るこ
とができる。
【0034】特に、この発明の製造法によって得られた
圧縮木材は、周辺部から中心部の内部組織まで均等に圧
縮されているので、2次加工してもどの部位も均等に圧
縮されているため、反りや変形が生ずることがなく、表
面が水に濡れても内部に浸透することもなく長期に亘っ
て使用に耐えることができる。
【0035】この発明の圧縮木材の成形装置は、1対の
ダイの閉じ合わせに至るまでの圧縮過程においてキャビ
ティ内の被圧縮木材の一部を実質的に拘束しない状態で
圧縮できるように構成しているので、この成形装置によ
って木材を圧縮加工した場合には、木材を周辺部から中
心部の内部組織にいたるまで高い圧縮比率で均等に圧縮
することができ、品質の良い、2次加工可能な圧縮木材
を簡単かつ容易に得ることができる。
【0036】また、成形装置を構成するダイをアルミニ
ウムを主体とする金属で構成することによって、軽量で
あると共に、圧縮成形に伴う激しい温度変化に対して金
属疲労などを生ずることなく充分に耐えることができ、
熱伝導率がよいために被圧縮木材の効率的な軟化や形状
固定を行うことができ、削り出しによることなく押出成
形で容易に得ることができるといった各種の利点を有す
る。また、かゝるアルミニウムを主体とするダイを剛性
のある他の金属で保持することによって装置としての強
度を維持して長期間に亘る繰り返し使用が可能となるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の圧縮木材の製造に使用する成形装置
の縦断面図である。
【図2】図1に示す成形装置の使用状態を示す縦断面図
である。
【図3】得た圧縮木材の2次加工の状態を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 圧縮木材の成形装置 2,3 ダイ 4 上型ホルダ 5 下型ホルダ 6,9 水蒸気貫流用の通孔 10 ガイドピン 11 ガイド孔 A 被圧縮木材 B 圧縮木材 C キャビティ X 開放部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温高圧の水蒸気雰囲気下において加工
    せんとする木材を一対のダイのいずれか一方の凹部内に
    保持し、各ダイのランドが互いに当接して閉じ合わせに
    至るまでの間は各ダイの凹部によって形成されるキャビ
    ティを開放状態としながら前記木材の一部を実質的に拘
    束しない状態で圧縮しつゝ、最終的なダイの閉じ合わせ
    によって周辺部から内部組織に至るまで均等に圧縮され
    た圧縮木材を得ることを特徴とする圧縮木材の製造法。
  2. 【請求項2】 相互の対向部位に加工せんとする木材を
    所要の形状に賦形するための凹部をそれぞれ形成したア
    ルミニウムを主体とする金属からなる所定長さの一対の
    ダイと、該一対のダイを高温高圧の水蒸気雰囲気下にお
    いて保持する高温高圧容器とからなるもので、前記各ダ
    イのランドが互いに当接して閉じ合わせに至るまでの間
    は各ダイの凹部によって形成されるキャビティを開放状
    態としながら前記木材の一部を実質的に拘束しない状態
    で圧縮しつゝ、最終的なダイの閉じ合わせによって周辺
    部から内部組織に至るまで均等に圧縮することができる
    よう構成されたことを特徴とする圧縮木材の成形装置。
  3. 【請求項3】 前記一対のダイは、それぞれアルミニウ
    ムを主体とする金属以外の金属によって形成されたホル
    ダに保持されたものであることを特徴とする請求項2記
    載の圧縮木材の成形装置。
  4. 【請求項4】 前記一対のダイは、相互に当接するラン
    ドの内側を外方に向けてテーパー状に拡開してクリアラ
    ンスを形成したものであることを特徴とする請求項2又
    は3記載の圧縮木材の成形装置。
  5. 【請求項5】 前記一対のダイは、これを一単位として
    平面的及び/又は立体的に多段に配置し、加工せんとす
    る木材の複数を同時に圧縮成形するようにしたことを特
    徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の圧縮木材の
    成形装置。
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