JP2004262213A - 木材の圧縮成形装置及び木材の圧縮成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原木丸太を断面六角形状に圧縮成形するに際して、製造効率を向上させ、かつ強度の大きい圧縮木材を得ることのできる木材の圧縮成形装置と、この圧縮成形装置を使用した木材の成形方法を提供する。
【解決手段】原木丸太Aを断面六角形状に圧縮成形することのできる一対の金型からなる成形装置1であって、前記一対の金型の一方を固定金型2とし、他方を可動金型3とし、可動金型3を水平に配置される基材部3aと、その左右に継手5を介してそれぞれ開閉自在に設けられた可動部3b,3cで構成し、この可動金型3を圧縮成形する原木丸太Aの長手方向と交差する方向に配置して、キャビティ面が開閉させて圧縮成形する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、原木丸太を六角ないし八角形状に圧縮成型するために使用する成形装置と、この木材の成形装置を用いた木材の圧縮成形方法に関するものであって、林業、建材製造業などの技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
スギ、カラマツ、ポプラ等の軟質材や、スギ、ヒノキ等の生育過程において除去される間伐材などの利用度の低い木材、さらには原木丸太を堅牢化、直状化するために、それらの木材を所望の断面形状に圧縮成形することは広く知られているもので、その圧縮成形方法やそれに用いられる圧縮成形用金型についても種々提案がなされている。
【0003】
なかでも、原木丸太を断面六角形状に圧縮成形する手段として、特開2001−150405号公報(特許文献1)においては、六角形状の圧縮材(六角圧縮材)を、簡易な装置を利用して確実かつ簡便に成形すること、及び六角圧縮材の品質の向上を図ること等を意図して、加熱軟化済みの木材をセットし、六角圧縮材を成形する成形機の金型を、山形状の押圧面を有する移動用の金型と、同形状の固定用の金型とで形成し、この移動用の金型と固定用の金型とで得られる略六角形のプレス空間を絞り込んで形成される六角形のプレス空間を利用して、加熱軟化済みの木材を六角圧縮材にする構成六角圧縮材の成形機と、六角圧縮材が提案されている。
【0004】
また、特開2001−334504号公報(特許文献2)では、成形する角柱木材の横断面形状に倣ったキャビティを形成する上型と下型とからなる圧縮金型の対応面に当接する複数枚の板状体によって、木材の全長に亘って外周面を圧縮し、横断面が矩形状や六角形状の角柱木材に圧縮成形した後、その圧縮状態を保持するように、拘束治具によって板状体を拘束し、加熱処理を施し圧縮状態を固定化する、角柱木材の圧縮成形方法が提案されている。
【0005】
さらに、特開2002−137209号公報(特許文献3)においては、圧縮成形用金型として、上型と下型からなる金型の、上型と下型のそれぞれに上型と下型とでお互いに噛合する、三角形状の凸凹型部を、それぞれの中央凹部の両側に交互に多数設けた金型が提案され、この金型は、完全に噛合した時点で、上型と下型のそれぞれの凹部と三角形状の凸凹型部で六角圧縮木材空間を形成する金型である。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−150405号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開2001−334504号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開2002−137209号公報(特許請求の範囲)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記の各特許文献で開示された圧縮成形用金型は、断面多角形、例えば断面六角形の圧縮木材を製造もしくは製造可能とするものであるが、それらの提案で、断面多角形、しかも正多角形の断面を有する圧縮木材を製造するには、以下のような改良すべき点を有するものである。
【0008】
すなわち、原木丸太を、矩形状に圧縮成形する場合はともかく、六角形や八角形に圧縮成形するときは、品質の良い成形木材を得ようとすれば、3方向乃至4方向から圧縮力を加えなければならず、機構的に複雑化が免れないが、通常の金型を用いる場合は、正多角形の製造が困難であり、正確に調製するためには複雑な形状の金型とせざるを得ず、金型の調製が困難である。
【0009】
また、通常の金型では、キャビティ(圧縮成形形状)が固定されており、キャビティの径と成形すべき木材の径が異なるほど成形が困難になり、提案に示されているような傾斜導入部材を用いたとしても、圧縮度の大きい、すなわち強度の大きい成形木材を得難く、さらに、横断面が矩形状や六角形状の角柱木材に圧縮成形した後、その圧縮状態を固定化する方法が簡便な方法ではない。
【0010】
この発明はかかる現状に鑑み、原木丸太を断面六角ないし八角形状に圧縮成形するに際し、圧縮成形する原木丸太の長手方向と交差する方向にキャビティ面が拡開する機能を有するもの、すなわち、キャビティ容積を可変可能とする金型を用いることによって、また、金型同士の接合面間に所要長さの透孔を設け、この透孔に固定ピンを挿入するという簡便な方法で圧縮状態を維持して、圧縮木材の製造効率を向上させ、かつ強度の大きい圧縮木材が得ることのできる木材の圧縮成形装置と、この圧縮成形装置を用いた木材の成形方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の発明は、
原木丸太を所定の断面形状に圧縮成形することのできる一対の金型からなる成形装置であって、
前記一対の金型は、いずれか一方が可動可能で、かつ可動金型側に圧縮成形する木材の長手方向と交差する方向に、キャビティ面が拡開する機能を設けたことを特徴とする木材の圧縮成形装置である。
【0012】
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
原木丸太を所定の断面形状に圧縮成形することのできる一対の金型からなる成形装置であって、
前記一対の金型は、いずれか一方が可動可能で、かつ可動金型側に圧縮成形する木材の長手方向と交差する方向にキャビティ面が拡開する機能を、両金型に圧縮成形した木材の圧縮状態を維持する機能を設けたこと
を特徴とする木材の圧縮成形装置である。
【0013】
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の木材の圧縮成形装置において、
前記可動金型の拡開機能は、
水平に配置される基材部と、この基材部の左右にそれぞれ継手を介して開閉自在に配される可動部よって奏されるものであること
を特徴とするものである。
【0014】
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の木材の圧縮成形装置において、
前記可動金型の拡開機能は、
水平に配置され、かつ原木丸太と接する面の中央部に山型の凹部が形成された基材部と、この基材部の左右にそれぞれ継手を介して開閉自在に配される可動部よって奏されるものであること
を特徴とするものである。
【0015】
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の木材の圧縮成形装置において、
前記可動金型の拡開機能は、
一対の金型のいずれにも設けられていること
を特徴とするものである。
【0016】
また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項1〜5のいずれかに記載の木材の圧縮成形装置において、
前記金型による圧縮状態維持機能は、
一対の金型の接合面間に形成される所要長さの透孔と、この透孔に挿通する固定ピンにより奏されるものであること
を特徴とするものである。
【0017】
さらに、この発明の請求項7に記載の発明は、
所要長さを有する原木丸太を、成形装置を構成する固定金型と、原木丸太の長手方向と交差する方向にキャビティ面が拡開する機能を有する可動金型間に載置したのち、
拡張したキャビティ面を縮閉することによって、左右方向からの圧力を加えて原木丸太の上部側面部を圧縮して変形させ、
ついで、上下方向からの圧力を加えながら両金型を閉じることによって、全体を所望の断面形状に圧縮成形すること
を特徴とする木材の圧縮成形方法である。
【0018】
さらにまた、この発明の請求項8に記載の発明は、
所要長さを有する原木丸太を、原木丸太の長手方向と交差する方向にキャビティ面が拡開する機能を有する上下一対の可動金型の間に載置したのち、
拡張したキャビティ面を縮閉することによって、左右方向からの圧力を加えて原木丸太の上部及び下部の側面部を同時に圧縮して変形させ、
ついで、上下方向からの圧力を加えながら両可動金型を閉じることによって、全体を所望の断面形状に圧縮成形すること
を特徴とする木材の圧縮成形方法である。
【0019】
また、この発明の請求項9に記載の発明は、
請求項7又は8に記載の木材の圧縮成形方法において、
前記所望の断面形状に圧縮成形された原木丸太は、
圧縮成形状態が固定化されるまで、圧縮状態を維持すること
を特徴とするものである。
【0020】
また、この発明の請求項10に記載の発明は、
請求項9に記載の木材の圧縮成形方法において、
前記圧縮状態の維持は、
一対の金型の接合面間に形成される所要長さの透孔と、この透孔に挿通する固定ピンにより奏されるものであること
を特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の木材の圧縮成形装置と、この圧縮成形装置を使用した木材の圧縮成形方法について、具体的に説明する。
【0022】
図1は、この発明にかかる木材の圧縮成形装置の一例を示す概略説明図であって、原木丸太を断面六角形に圧縮成形するためのものである。
【0023】
この木材の圧縮成形装置1(以下、単に成形装置という。)は、図示しない基台上に配置される固定金型2と、この固定金型2の上方に上下動可能に配置される可動金型3とから構成されるもので、固定金型2と可動金型3の対向する面は、閉じ合せた状態が、原木丸太を圧縮した時の形状に対応するキャビティ(圧縮成形形状)4、六角形状となるよう形成するものである。
【0024】
一方の可動金型3は複数の分割部材からなるもので、水平方向に配置される所要幅と長さとを有する基材部3aと、この基材部3aの両側に、それぞれ矢印方向に開閉可能自在に装着される、所要幅と長さとを有する一対の可動部3b,3cとから構成され、これら基材部3aと可動部3b、および基材部3aと可動部3cは、それぞれその接合部をヒンジなどの継手5,5によって、キャビティ4の上半分の拡縮・開閉が自在に行えるように結合されるものである。
【0025】
その際、図1に示すように、可動金型3が閉じた状態では、基材部3aと可動部3bおよび基材部3aと可動部3cの接合内面間に形成される角度が120°となるとともに、開放に当っては、ほぼ水平に近い状態に開くよう構成されるものであって、その接合面の相対する部位には、接合状態で円形断面を形成する半円状の溝6,6・・・を長手方向に沿ってそれぞれ形成し、かつ各可動部3b,3cの外側面にも半円状の溝7,7をそれぞれ長手方向に沿ってそれぞれ形成したものである。
【0026】
なお、継手5による基材部3aと可動部3b、3cとの結合に際しては、各可動部3b,3cは、スプリングなどで常に閉じる方向に付勢されていることが好ましい。
【0027】
他方の固定金型2は、前記閉じた状態の可動金型3と対称の形状を有するもので、上部開口部の両側にそれぞれ上方に向けてガイド壁2a,2bを一体的に形成するとともに、各ガイド壁2a,2bの内側面に、前記可動部3b,3cの外側面に形成された半円状の溝7,7と相対させて、接合状態で円形断面を形成する半円状の溝2をそれぞれ長手方向に沿って形成したものである。
【0028】
かかる構成からなる成形装置1を使用して、原木丸太を断面六角形状に圧縮成形する木材の圧縮成形方法を、図2に基づいて説明する。
【0029】
まず、シリンダ(図示せず)を駆動させて可動金型3を上方に持ち上げて、固定金型2のキャビティ内に、加熱によって軟化している所要長さの原木丸太Aを載置したのち、可動金型3を下降させて、図2(a)に示すように、基材部3aと左右の可動部3b,3cの分割体からなる可動金型3を、基材部3aの内側が原木丸太Aの頂面部に、可動部3b,3cを外側に開いた状態で上部外周部に当接させて、原木丸太Aの上部を挟み込む。この時、原木丸太Aと可動金型3の可動部3b,3cは長手方向において交差状態にある。
【0030】
ついで、この状態を維持しながら、図2(b)に示すように、左右の可動部3b,3cを閉じる方向に、適宜手段によって加圧すると、原木丸太Aは、その上部側面が圧縮されておにぎり状乃至たまご状に変形するとともに、原木丸太Aの下部も年輪の存在に由来するものと思料されるが、自動的に内側に絞られ、全体が縦長楕円状丸太Bに圧縮変形し、その下部が固定金型2のキャビティ4内に下部が落ち込み、同時に左右の可動部3bと3cも圧縮変形する縦長楕円状丸太Bに沿って閉方向に移動し、各可動部3bと3cの先端部間が狭まる。
【0031】
このような縦長楕円状丸太Bの変形状態を考慮しながら、可動金型3に対する上方からのプレス加圧を行うと、各可動部3bと3cの先端部がガイド壁2a,2bに沿って固定金型2内に入り込むので、可動部3bと3cに対する加圧状態と、基材部3aに対する加圧状態を保持しながら、さらなる加圧を基材部3aの上方からに加えると、縦長楕円状丸太Bは、図2(c)に示すように、正六角形に圧縮成形された圧縮木材Cが得られる。
【0032】
正六角形に圧縮成形された圧縮木材Cは、このままでは、応力(圧縮力)を解除すると原形に復帰する性状があるので、冷却によって圧縮状態が固定化されるまで、基材部3aと可動部3b,3c間、および可動部3b,3cとガイド壁2a,2b間に形成された溝6,6間と、溝7,8間によって形成される透孔内に丸棒状の固定ピン9を挿通し、圧縮木材Cの復元力による成形装置1の分離を防止し、固定化を保持するものである。
【0033】
なお、原木丸太Aの圧縮成形は、あらかじめ加熱によって軟化しているものを使用することもできるが、高温の水蒸気雰囲気下に成形装置1を配置することによっても達成することができ、原木丸太Aに水分を含ませ、圧縮成形時に成形装置1自体を加熱して原木丸太Aを軟化させながら行うこともでき、冷却は自然冷却であっても、強制冷却のいずれであってもよい。
【0034】
図3及び図4は、この発明にかかる木材の圧縮成形装置の、他の例と、この圧縮成形装置を使用し、原木丸太を断面八角形状に圧縮成形する方法の工程を示す図である。
【0035】
図3に示される成形装置20は、基台21上に上下動自在に配置される所要の幅と長さを有する下型22と、シリンダヘッド23上に上下動自在に配置される所要の幅と長さを有する上型24とから構成されるものであって、これら下型22と上型24は、それぞれ水平に配置される基材部25と、この基材部25の左右にそれぞれヒンジなどの継手28を介して拡縮・開閉が自在に行えるように結合された可動部26,27とで構成するもので、上下対称である。
【0036】
この成形装置20は、原木丸太Aを断面八角形の圧縮木材Cに成形するためのもので、基材部25の原木丸太Aと接する面には、いずれも断面が山型の凹部が形成されるとともに、基材部25と可動部26又は27の接合面には、それぞれ対応部位に半円状の溝が長手方向に沿って形成されるとともに、上型24および下型22の各可動部27,27の先端部には、接合した際、互いに噛合うよう噛合い部が27a,27bがそれぞれ形成され、かつ噛合い部の接合面には、半円状の溝が長手方向に沿って形成され、各半円状の溝が合致することによって、接合面間に透孔が形成されるように構成されたもので、前記上型24を構成する基材部25は、シリンダヘッド23に垂設された発条体29によって常時下方に付勢されている。
【0037】
この成形装置20を使用して断面八角形の圧縮木材Cを成形するには、まず、上型24を上方に引き上げ、所定の角度で拡開状態にある下型22上に加熱によって軟化している所要長さの原木丸太Aを載置したのち、上型24を拡開状態で下降さ、原木丸太Aと基材部25を当接させ、さらに下方に押し下げると、下型22を構成する左右の可動部26,27が、基台21上に立設された押圧部材21a,21bの内部に沿って縮閉しながら下降すると同時に、押圧部材21a,21bによる押圧力が、可動部26,27を介して原木丸太Aに作用し、当該原木丸太Aの下半分の側面を圧縮変形させる。
【0038】
同時に、上型24を構成する可動部26,27もシリンダヘッド23に垂設された押圧部材23a,23bの内部に沿って入り込み、押圧部材23a,23bによる押圧力が、可動部26,27を介して原木丸太Aに作用し、当該原木丸太Aの上半分の側面を圧縮変形させ、全体を縦長の楕円形状に圧縮変形させる。
【0039】
その際、原木丸太Aは、上型24と下型22によって縦長の楕円形状に圧縮成形されるので、原木丸太Aには無理な負荷が作用せず、少ない荷重で原木丸太Aを圧縮変形させることができ、かなり径の大きな原木丸太であっても成形が可能となる。
【0040】
上型24と下型22の接近によって、可動部26,27間の距離が狭まってくると、原木丸太Aは縦長楕円形状から次第に断面八角形状に圧縮変形し、上型24と下型22の各可動部26,26と27,27の先端部が接合すると、原木丸太Aはほぼ完全な断面八角形状の圧縮木材Cに圧縮成形される一方、各可動部26,26と27,27の接合面間、および基材部25と各可動部26,27の接合面間に形成される断面円形の透孔内に丸棒状の固定ピン30を挿通し、圧縮木材Cの復元力による金型同士の分離を防止し、固定状態を保持するものである。
【0041】
【発明の効果】
この発明の木材の圧縮成形装置は、固定金型と可動金型とで成形装置を構成するに際し、可動金型にキャビティ面を拡縮・開閉する機能を持たせたので、複雑な機構を用いることなく、上下および左右方向から圧縮応力を加えることができ、均質に圧縮された木材が得られる。
【0042】
特に、この発明においては、可動金型にキャビティ面を拡縮・開閉する機能を持たせに際し、可動金型を水平に配置される基材部と、この基材部の左右に継手を介して可動部を、それぞれ開閉自在けるよう構成を採用したので、成形用金型を簡単かつ容易に製造することができるとともに、圧縮成形を容易に行うことができる。
【0043】
さらに、圧縮状態を固定化するために圧縮状態を維持する方法として、成形装置を構成する固定金型と可動金型との接合面間に透孔が形成されるようにするとともに、この透孔内に固定ピンを挿入するというきわめて簡便な方法を採用しているので、加圧機構を必要とせず、圧縮状態の固定化工程に自由度が付与することができ、圧縮成形木材の製造効率を向上させることができるのである。
【0044】
また、この発明の木材の圧縮成形方法は、固定金型と、キャビティ面を拡縮・開閉する機能を有する可動金型とで構成した成形装置を使用し、可動金型で原木丸太の上部側面をまず圧縮変形させ、この圧縮変形によって原木丸太の下部側面をも自動的に圧縮変形させて全体を一旦縦長に変形させたのち、可動金型のキャビティ面を閉じながら全体を断面六角形状に圧縮成形するので、原木丸太には無理な付加が作用せず、均質に圧縮された圧縮木材を得られる。
【0045】
特に、可動金型は、水平に配置される基材部の両側に継手を介しそれぞれ設けた可動部が、原木丸太を真下方向にのみ押すことになるので、金型と原木丸太との間に不要な摩擦が生ずることを軽減するので、より小さな付圧で木材を圧縮成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる木材圧縮成形用金型の一例を示す概略説明図である。
【図2】図1で示された木材圧縮成形用金型を用いる木材の圧縮成形方法の工程を示す説明図で、(a)は圧縮前、(b)は圧縮中、(c)は圧縮完了状態を示す。
【図3】他の木材圧縮成形用金型による原木丸太の圧縮成形直前の状態を示す概略説明図である。
【図4】圧縮成形が完了し、固定状態を保持している状態の概略説明図である。
【符号の説明】
1 成形装置
2 固定金型
3 可動金型
3a 可動金型を構成する基材部
3b,3c 可動金型を構成する左右の可動部
4 キャビティ
5 継手(ヒンジ)
6,7,8 半円状の溝
9 固定ピン

Claims (10)

  1. 原木丸太を所定の断面形状に圧縮成形することのできる一対の金型からなる成形装置であって、
    前記一対の金型は、いずれか一方が可動可能で、かつ可動金型側に圧縮成形する木材の長手方向と交差する方向に、キャビティ面が拡開する機能を設けたことを特徴とする木材の圧縮成形装置。
  2. 原木丸太を所定の断面形状に圧縮成形することのできる一対の金型からなる成形装置であって、
    前記一対の金型は、いずれか一方が可動可能で、かつ可動金型側に圧縮成形する木材の長手方向と交差する方向にキャビティ面が拡開する機能を、両金型に圧縮成形した木材の圧縮状態を維持する機能を設けたこと
    を特徴とする木材の圧縮成形装置。
  3. 前記可動金型の拡開機能は、
    水平に配置される基材部と、この基材部の左右にそれぞれ継手を介して開閉自在に配される可動部よって奏されるものであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の木材の圧縮成形装置。
  4. 前記可動金型の拡開機能は、
    水平に配置され、かつ原木丸太と接する面の中央部に山型の凹部が形成された基材部と、この基材部の左右にそれぞれ継手を介して開閉自在に配される可動部よって奏されるものであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の木材の圧縮成形装置。
  5. 前記可動金型の拡開機能は、
    一対の金型のいずれにも設けられていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の木材の圧縮成形装置。
  6. 前記金型による圧縮状態維持機能は、
    一対の金型の接合面間に形成される所要長さの透孔と、この透孔に挿通する固定ピンにより奏されるものであること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の木材の圧縮成形装置。
  7. 所要長さを有する原木丸太を、成形装置を構成する固定金型と、原木丸太の長手方向と交差する方向にキャビティ面が拡開する機能を有する可動金型間に載置したのち、
    拡張したキャビティ面を縮閉することによって、左右方向からの圧力を加えて原木丸太の上部側面部を圧縮して変形させ、
    ついで、上下方向からの圧力を加えながら両金型を閉じることによって、全体を所望の断面形状に圧縮成形すること
    を特徴とする木材の圧縮成形方法。
  8. 所要長さを有する原木丸太を、原木丸太の長手方向と交差する方向にキャビティ面が拡開する機能を有する上下一対の可動金型の間に載置したのち、
    拡張したキャビティ面を縮閉することによって、左右方向からの圧力を加えて原木丸太の上部及び下部の側面部を同時に圧縮して変形させ、
    ついで、上下方向からの圧力を加えながら両可動金型を閉じることによって、全体を所望の断面形状に圧縮成形すること
    を特徴とする木材の圧縮成形方法。
  9. 前記所望の断面形状に圧縮成形された原木丸太は、
    圧縮成形状態が固定化されるまで、圧縮状態を維持すること
    を特徴とする請求項7又は8に記載の木材の圧縮成形方法。
  10. 前記圧縮状態の維持は、
    一対の金型の接合面間に形成される所要長さの透孔と、この透孔に挿通する固定ピンにより奏されるものであること
    を特徴とする請求項9に記載の木材の圧縮成形方法。
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