JP3151615B2 - 圧縮木材の製法及びその成形装置 - Google Patents

圧縮木材の製法及びその成形装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、あらかじめ可塑
化させた木材や竹材を所定の形状に簡単に圧縮成形する
ことができると共に、圧縮成形した圧縮木材が復元する
ことがないように所定の形状に固定することを一つの金
型で行うことのできる圧縮木材の製法と、この方法に用
いる圧縮木材の成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧縮木材の成形方法としては、たとえば
特開平3−231802号公報においては、木材を5〜
25kgf/cm2の水蒸気雰囲気内において軟化させ
た後、高温高圧下で圧縮成形し、かつその変形を固定す
る方法が提案されている。また、特開平4−14404
号公報においては、高温高圧の水蒸気が供給される圧力
容器内に一対のプレス金型を配置し、いずれかのプレス
金型を適宜の駆動手段で駆動することによって木材を水
蒸気で可塑化させながら圧縮成形して固定化する手段が
開示されている。
【0003】かゝる圧縮木材の成形は、いずれも高温高
圧容器内にプレス金型を配置し、水蒸気雰囲気に保持し
て高温高圧下で木材にプレス圧をかけて行うもので、こ
れに使用されるプレス金型は、通常木材を水蒸気雰囲気
中において高温高圧で圧縮するため、充分な強度と剛性
を持った素材、たとえば、ステンレス合金のような鋼材
を切削加工することによって得た金型が使用されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら従来の圧縮木材
の製造は、主として水蒸気を使用して圧縮せんとする木
材を可塑化させるために圧力容器などの高温高圧設備を
必要としている。また、所定の形状に賦形した木材の形
状を固定するにも、同一の圧力容器を使用して行ってい
るが、使用する水蒸気の量を考慮すると、従来の圧縮成
形法は改良すべき多くの課題を有している。
【0005】また、使用する圧縮金型は、鉄など重量の
ある鋼材で形成されているので、製造設備が大掛かりな
ものとなると共に、設備費も嵩むので低コストでは製造
することができず、生産性に問題があるので未だに実験
段階の域を出ていないのが現状である。
【0006】この発明はかゝる現状に鑑み、木材の圧縮
成形と、圧縮成形された木材の形状固定とを一つの金型
で行うことができると共に、少なくとも木材を圧縮成形
する工程を大気圧下において実施することのできる実用
化のための量産が可能な圧縮木材の製法と、この方法に
使用する成形装置を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、この発明の圧縮木材の製法は、熱水などによってあ
らかじめ可塑化処理した木材を、上下方向に分離するこ
とがないよう係合保持させる保持機構を備えた一対の金
型間に保持し、該金型をプレスすることによって木材を
所定の形状に圧縮成形したのち、前記金型に対するプレ
ス負荷を解除する前に、前記保持機構によって上下の金
型を一時的に分離不可能に係合保持せしめ、該係合状態
を保持しながら金型を加熱処理し、金型内に保持した圧
縮木材の形状を固定させることを特徴とするものであ
る。
【0008】また、この発明の圧縮木材の成形装置は、
木材を所定の形状に圧縮成形すると同時に、圧縮成形し
た木材の形状を固定するための金型であって、 接合時に
成形せんとする形状と合致するキャビティーを構成する
ことができるランドを有する上下一対の金型をアルミ又
はアルミ合金で形成すると共に、 各金型に上下方向にお
いて他方の金型と摺接する壁面を形成し、 該金型の接合
時に互いに摺接する壁面の対向面に凹溝を対称的に形成
し、 上下の金型の接合時に前記対称的に形成された凹溝
によって形成される空隙部にピンを挿入することによっ
て、 圧縮成形した木材を保持した状態で上下の金型を一
時的に分離不可能に保持するよう構成したことを特徴と
するものである。
【0009】より具体的には、所要の幅と長さとを有す
る上下一対のアルミ又はアルミ合金で構成され、木材を
所定の形状に圧縮成形すると同時に、圧縮成形した木材
の形状を固定するための金型であって、各金型のランド
にそれぞれ接合時にキャビティーを形成するための凹部
を形成するに際し、下型は凹部の両側部に形成した所要
幅の段部を介して鉛直に起立する壁面を長手方向に沿っ
て形成し、各壁面の長手方向に沿って任意の形状の凹溝
を設け、上型は凹部の両端部に所要の幅を残して隅部を
切り欠いて前記下型の壁面と摺接する壁面を鉛直に形成
し、該壁面にそれぞれ前記下型の凹溝と合致して空隙部
を形成する凹溝を設け、キャビティー内に圧縮木材を保
持した状態において、前記壁面間に形成される空隙部に
ピンを挿入することによって、上下の金型を一時的に分
離不可能に保持するよう構成したことを特徴とする圧縮
木材の成形装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明において、圧縮成形する
ことのできる木材としては、スギやヒノキ、その他の本
来の木材のほかに、モウソウチク、マダケなどの比較的
大型の竹材を挙げることができるが、スギやヒノキなど
本来の木材を使用する場合には、建築関係での用途に乏
しい間伐材などの小径木を所定寸法に裁断したものを使
用することによって安価に圧縮木材を得ることができ
る。
【0011】竹材を使用する場合には、前記モウソウチ
クやマダケなどの厚肉で大径の竹材を長さの方向に割裂
し、少なくとも節の部分の隔壁を除去した所定の長さの
断面円弧状のものを使用することが好ましい。
【0012】圧縮成形せんとする木材は、あらかじめ熱
水などで可塑化(軟化)させて使用するもので、具体的
には、温度70〜95℃、より好ましくは温度85〜9
0℃の湯槽(プール)に木材を投入し、約20〜60分
煮沸することによって行うものであるが、可塑化の温度
が70℃未満の場合には木材中のヘミセルロースやリグ
ニンの軟化が充分でないため、爾後の圧縮が充分に行う
ことができない場合がある。
【0013】木材の可塑化は、湯槽を使用することによ
って簡単かつ容易に実施することができるが、水蒸気を
使用して行ってもよいが、その際、水蒸気の温度が12
0℃を超える場合には、過度な可塑化によって被圧縮木
材の強度の低下を招くおそれがある。
【0014】温水又は水蒸気によってあらかじめ可塑化
した木材は、所要の幅と長さとを有する上下一対の金型
を使用して所要の形状に賦形するものである。
【0015】この上下一対の金型は、共に所定の厚みと
幅及び長さを有するアルミ又はアルミ合金製のもので、
各金型のランドにそれぞれ接合時にキャビティーを形成
するための凹部が形成されている。この金型同士のラン
ドの凹部によって形成されるキャビティーは、圧縮成形
して得ようとする圧縮木材の形状と同一の形状で、各金
型のランドには凹部を所定の間隔を存して複数形成して
おくことによって、同時に複数の圧縮木材を得ることが
できる。
【0016】かゝる上下一対の金型は、木材の圧縮成形
に使用されると同時に、爾後の形状固定にも使用するも
のであるので、圧縮された木材を持した状態で上下方
向に分離することがないよう保持機構を設けたもので、
以下の構造を有することが好ましい。
【0017】すなわち、各金型のランドにそれぞれ接合
時にキャビティーを形成するための凹部を形成するに際
し、下型は、凹部の両側部に形成した所要幅の段部を介
して鉛直に起立する壁面を長手方向に沿って形成し、各
壁面の長手方向に沿って任意の形状の凹溝を設けてお
く。
【0018】上型は、凹部の両端部に所要の幅を残して
隅部を切り欠き、前記下型の壁面と摺接する壁面を長手
方向に沿ってそれぞれ鉛直に形成し、該壁面にそれぞれ
前記下型の凹溝と合致して空隙部を形成する凹溝を対称
的に設ける。
【0019】かゝる構成の下型に対して上型を上方から
垂下させると、上型に形成した左右の壁面の外側が下型
に起立させて形成した壁面の内側と摺接しながら下降
し、その先端面が下型に形成した段部(ランド)と当接
して接合する際、下型及び上型の各壁面に形成した凹溝
が互いに合致して、凹溝が半円形状の場合には、壁面内
間に円形の空隙部が長手方向に沿って形成される。
【0020】このような状態において、上下一対の金型
の壁面間に形成された空隙部内に、該空隙部の径とほぼ
同径の外径を有し、かつ所要の長さを有する複数の円柱
状のピンを金型の長さに対応する本数挿入すると、上下
の金型はこれら挿入したピンによって分離することなく
一体化状態を保持することができる。
【0021】したがって、圧縮成形によって所要の形状
に賦形さた木材を金型内に保持した状態で、上下の金
型の壁面間に形成された空隙部にピンを挿入すれば、当
該金型は、木材を保持した状態で一体化させておくこと
ができる。
【0022】上下の金型によって所要の形状に賦形され
た圧縮木材は、これをこのままの状態で使用に供する
と、外気温や雨水などの影響によって徐々に元の状態に
復帰する作用が働き、圧縮形状に変化が生ずるので、圧
縮成形した木材は、元の状態に復帰しないよう形状固定
することが必要となる。
【0023】この形状固定は、金型内に圧縮木材を保持
した状態で、上下の金型を一定時間水蒸気、電熱、オイ
ルなどによる加熱又は磁気加熱などの加熱手段によって
温度140℃〜200℃に保持することによって実施す
るものであるが、加熱温度が140℃未満では形状固定
が充分ではなく、温度200℃を超える高温では圧縮木
材の炭化が生じ易いので好ましいものではない。
【0024】この形状固定は、基本的にはいずれも大気
圧下において実施することができるものであるが、たと
えば、圧縮成形された木材を保持した金型を一時的に分
離不可能に保持した状態で公知の高圧容器内に入れ、1
0気圧、温度180℃前後で約10〜30分程度加熱す
ることによって実施してもよい。この場合、多くの金型
を圧力容器内に収容することができるので、効率よく形
状固定できる点で利点を有するが、その取り出しは圧力
容器内の温度を80℃以下、気圧を1気圧以下に下げた
後でないと圧力容器の蓋を開けることができないデメリ
ットもあるが、量産には好適である。
【0025】この形状固定のための加熱処理が終了する
と、自然放熱又は強制冷却などによって金型及び圧縮木
材の温度の低下を待ち、しかるのち上下の金型を分離し
て形状固定された圧縮木材を金型から取り出し、用途に
応じて得た圧縮木材に二次加工を行うものである。
【0026】
【作用】この発明の圧縮木材の製法は、あらかじめ可塑
化した木材を所定の形状の金型に保持しながら圧縮成形
したのち、圧縮成形された木材を内包して金型が分離し
ないよう保持しながら金型を所定の温度で一定時間加熱
処理することによって、大気圧下においても保持した圧
縮木材の形状を固定することができる。
【0027】また、発明の圧縮木材の成形装置は、あら
かじめ可塑化した木材を保持して圧縮成形するための上
下一対の金型を、圧縮成形した木材を保持した状態で金
型が上下に分離することのない構成としているので、該
金型を外部から所望の手段で一定時間加熱処理すること
によって、金型内に保持した圧縮木材の形状を大気圧下
においても固定することができる。
【0028】
【実施例】以下、この発明の圧縮木材の製法とその成形
装置の実施例を添付の図面に基づいて具体的に説明す
る。この発明の圧縮木材の成形装置1は、図1から明ら
かなように接合時の厚みが約53mm、幅が約164m
m、長さが約2000mmのアルミ合金からなる上下一
対の金型2と10とから構成されている。
【0029】下方の金型2は、図1及び図2で明らかな
ように、ランド3に得ようとする圧縮木材の下方の形状
と合致する深さ約15mm×幅約105mm程度の凹部
4を形成すると共に、該凹部4の両側部に形成した所要
幅の段部5(実質的にはランド3面と同じ)を介して鉛
直に起立する所要の高さの壁面6を長手方向に沿って形
成し、各壁面6の長手方向に沿って半円形状の凹溝7を
設けたものである。
【0030】なお、図中8は一端面から他端面に貫通す
る貫通孔で、下型全体の重量を軽減させると共に、放熱
孔としても利用することができる。また、9は底面部に
長手方向に沿って形成した補強用のリブである。
【0031】前記下型2に対応する上型10のランド1
1には、得ようとする圧縮木材の上方の形状と合致する
深さ約5mm×幅約105mm程度の凹部12を形成す
ると共に、該凹部12の両端部に所要の幅を残して隅部
を切り欠いて前記下型2の壁面6と摺接する壁面13を
長手方向に沿って鉛直に形成し、該壁面13にそれぞれ
前記下型2の凹溝7と合致して空隙部Xを形成する凹溝
14を設けたもので、該上型10の上面部には長手方向
に沿って補強用のリブ15を形成している。
【0032】かゝる構成からなる上下一対の金型2,1
0を使用して木材を圧縮成形して所定の形状に賦形する
には、まず賦形せんとする木材を、水を張ったプールに
浸漬して含水率を所定値に調整したのち、温水プールに
投入して所定時間煮沸して温度約90℃程度として取り
出した木材Wを図2に示すように成形装置(図示せず)
にセットされた下型2の凹部4内に載置する。(図2参
照)
【0033】ついで、下型2を固定した状態で上型10
を鉛直に下降させると、上型10の垂直な壁面13が下
型2の垂直な壁面6と摺接し、壁面6にガイドされなが
らさらに下降して木材Wを圧縮しながら上型10のラン
ド11が下型2のランド3に当接して下降が停止する。
(図3参照)この状態、すなわち上型10と下型2が合
致した状態になると、下型2の壁面6に形成された凹溝
7と上型10の壁面13に形成された凹溝14が合致
し、垂直な壁面13と6との間に断面が円形の空隙部X
が形成される。
【0034】前記の圧縮処理工程において、木材Wが所
定の形状に圧縮成形された圧縮木材pwが成形される
と、上型10と下型2の壁面6,13間に前記のように
空隙部Xが形成されているので、上型10に対するプレ
ス負荷を解除する前に、前記空隙部X,Xにそれぞれ所
要の長さを有するピン16,16・・・を壁面の長さと
ピン16の合計の長さがほぼ一致するよう嵌挿させる。
【0035】下型2と上型10とが合致した状態で両壁
面6,13間に形成される空隙部Xにピン16,・・・
を装着すると、上型10に対するプレス負荷を除いて
も、上型10は下型2と係合状態を保持し、両者が分離
することはない。(以下、この状態の上下の型を単に金
型Mという。)
【0036】かゝる状態で上型10に対する負荷を解消
し、適宜手段で金型Mを成形装置から取り出したのち、
金型M内に保持された圧縮木材pwに対する形状固定を
行うため、金型Mを加熱する。
【0037】この金型Mに対する加熱手段は、たとえば
水蒸気加熱、高周波加熱、電熱による加熱、熱オイルに
よる加熱など種々のものを挙げることができるが、実施
例においては水蒸気加熱を採用して金型Mを温度約18
0℃に20分間保持し、その後金型Mを強制冷却し、金
型Mの温度が約30℃まで低下したとき、金型Mからピ
ン16を除去し、上型10と下型2とを分離して圧縮木
材pwを下型2から取り出し、さらに自然冷却した。
【0038】かくして得た圧縮木材pwは、長さが20
00mm、厚さ約30mm、幅約105mmの側面の中
央部がそれぞれ若干山形に突出したものであるので、こ
の突出部を研削して断面が長方形状の圧縮木材を得た。
この圧縮木材を3ケ月間屋外に放置したが、圧縮木材に
はなんの変形も生ずることがなくその大きさには変化が
なかった。
【0039】図4に示す圧縮成形装置20は下型21と
上型22とからなるもので、相互のランドに2つのキャ
ビティーC1とC2とが構成されるように、下型21と上
型22にそれぞれ円弧状の凹部を所要の間隔を存して2
つ設けている。
【0040】なお、この圧縮成形装置20も前記の実施
例と同様に互いに鉛直状態で接する壁面間に空隙部
1,X1がそれぞれ形成され、空隙部X1内にピン
6,・・・・を装着することによって上下1対金型の
分離を防止し、ロックすることができるものである。ま
た、上下一対の金型に形成する壁面は実施例の構造にの
み限定されるものではなく、要はピンの嵌挿によって上
下の金型を一体的に保持することのできる構造であれば
よいものである。
【0041】
【発明の効果】この発明の圧縮木材の製法は、あらかじ
め可塑化させて軟化した木材を下型に保持した状態で、
上型を加圧しながらプレスして圧縮成形して所定の形状
に賦形したのち、圧縮した木材を下型と上型内に内包
し、下型と上型との間に形成される空隙部にピンを挿入
し、両者が分離することのない状態で上下一対の金型を
加熱処理して圧縮成形した木材の形状を固定するため、
きわめて簡単かつ容易に形状の戻りのない優れた圧縮率
の圧縮木材を容易に得ることができるものである。
【0042】特に、この発明の圧縮木材の製法は、あら
かじめ可塑化処理した木材を上下の金型で圧縮成形する
手段を採用しているため、圧縮成形を大気圧下において
も実施することができ、しかも圧縮木材を保持した状態
で上下の金型が分離しないよう保持して加熱処理するた
め、一つの金型で木材の圧縮成形と形状固定を実施する
ことができると共に、形状固定のための加熱処理も大気
圧下で行うことができるため、大型の設備を必要とせ
ず、圧縮木材を量産することができる。
【0043】この発明の圧縮木材の成形装置は、圧縮成
形した木材を保持した状態で金型が上下に分離しないよ
う保持することができるので、一つの金型の使用によっ
て木材の圧縮成形と、圧縮成形した木材の形状固定処理
を、大気圧下においても簡単かつ容易に実施することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の圧縮木材の成形装置の全体概略図で
ある。
【図2】木材を圧縮成形する直前の説明図である。
【図3】圧縮成形後、上下の型を分離しないよう固定し
た状態の説明図である。
【図4】この発明の他の圧縮成形装置の実施例を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 圧縮成形装置 2 下型 3,11 ランド 4,12 凹部 6,13 鉛直な壁面 7,14 半円形状の凹溝 10 上型 16 ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−318411(JP,A) 特開 平8−108406(JP,A) 特開 平9−193105(JP,A) 特開 平8−300314(JP,A) 特開 平8−309713(JP,A) 特開 平4−14404(JP,A) 特開 平5−50409(JP,A) 実開 昭63−113612(JP,U) 実開 平4−126807(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B27K 5/00 B27M 1/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱水などによってあらかじめ可塑化処理
    した木材を、 上下方向に分離することがないよう係合保持させる保持
    機構を備えた一対の金型間に保持し、 該金型をプレスすることによって木材を所定の形状に圧
    縮成形したのち、 前記金型に対するプレス負荷を解除する前に、前記保持
    機構によって上下の金型を一時的に分離不可能に係合保
    持せしめ、 該係合状態を保持しながら金型を加熱処理し、金型内に
    保持した圧縮木材の形状を固定させることを特徴とする
    圧縮木材の製法。
  2. 【請求項2】 前記圧縮成形と形状固定は、 共に大気圧下において実施することを特徴とする請求項
    1に記載の圧縮木材の製法。
  3. 【請求項3】 前記形状固定は、 所定の圧力下において実施することを特徴とする請求項
    1に記載の圧縮木材の製法。
  4. 【請求項4】 前記形状固定は、 高圧容器内に圧縮成形した木材を持しながら分離する
    ことがないよう保持された金型を配置し、 所定圧の水蒸気を高圧容器内に吹き込むことによって実
    施することを特徴とする請求項1又は3に記載の圧縮木
    材の製法。
  5. 【請求項5】 木材を所定の形状に圧縮成形すると同時
    に、圧縮成形した木材の形状を固定するための金型であ
    って、 接合時に成形せんとする形状と合致するキャビティーを
    構成することができるランドを有する上下一対の金型を
    アルミ又はアルミ合金で形成すると共に、 各金型に上下方向において他方の金型と摺接する壁面を
    形成し、 該金型の接合時に互いに摺接する壁面の対向面に凹溝を
    対称的に形成し、 上下の金型の接合時に前記対称的に形成された凹溝によ
    って形成される空隙部にピンを挿入することによって、 圧縮成形した木材を保持した状態で上下の金型を一時的
    に分離不可能に保持するよう構成したことを特徴とする
    圧縮木材の成形装置。
  6. 【請求項6】 所要の幅と長さとを有する上下一対のア
    ルミ又はアルミ合金で構成され、木材を所定の形状に圧
    縮成形すると同時に、圧縮成形した木材の形状を固定す
    るための金型であって、 各金型のランドにそれぞれ接合時にキャビティーを形成
    するための凹部を形成するに際し、 下型は凹部の両側部に形成した所要幅の段部を介して
    鉛直に起立する壁面を長手方向に沿って形成し、 各壁面の長手方向に沿って任意の形状の凹溝を設け、 上型は凹部の両端部に所要の幅を残して隅部を切り欠
    いて前記下型の壁面と摺接する壁面を鉛直に形成し、 該壁面にそれぞれ前記下型の凹溝と合致して空隙部を形
    成する凹溝を設け、 キャビティー内に圧縮木材を保持した状態において、前
    記壁面間に形成される空隙部にピンを挿入することによ
    って、 上下の金型を一時的に分離不可能に保持するよう構成
    したことを特徴とする圧縮木材の成形装置。
  7. 【請求項7】 前記上下一対の金型は、 所要の長さを有し、 少なくとも下方の金型に長手方向に沿って一端面から
    他端面に貫通する空隙を形成したことを特徴とする請求
    項5乃至のいずれかに記載の圧縮木材の成形装置。
  8. 【請求項8】 前記上下一対の金型は、 相対するランドに複数のキャビティーを構成すること
    ができるよう複数の凹部を形成したことを特徴とする請
    求項5乃至のいずれかに記載の圧縮木材の成形装置。
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