JPH10115442A - 蓄熱装置 - Google Patents

蓄熱装置

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JPH10115442A
JPH10115442A JP26961896A JP26961896A JPH10115442A JP H10115442 A JPH10115442 A JP H10115442A JP 26961896 A JP26961896 A JP 26961896A JP 26961896 A JP26961896 A JP 26961896A JP H10115442 A JPH10115442 A JP H10115442A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄熱装置の熱交換部分を改良することで十分
な性能を維持しながらコンパクトな構成とすることによ
り、装置全体としての小型化を図る。 【解決手段】 蓄熱槽(31)から取出した水を、一旦予熱
器(11)で加熱することにより該水に混入している氷を融
解した後、過冷却熱交換器(50)において冷媒と熱交換さ
せて過冷却状態とし、その後、この過冷却状態を解消し
て製氷を行う氷蓄熱装置に対し、過冷却熱交換器(50)や
予熱器(11)をプレート型熱交換器により構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、水又は水
溶液等の蓄熱媒体を冷媒によって過冷却状態まで冷却し
た後、この過冷却状態を解消することによりスラリー状
の氷を生成し、この氷を冷熱源として貯蔵したり、或い
は蓄熱媒体を冷媒によって加熱し、温水を温熱源として
貯留する蓄熱装置に係り、特に、この種の装置における
熱交換部分の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、氷蓄熱型の空気調和装置等に
設けられている氷蓄熱装置の一例として、例えば、特開
平4−251177号公報に開示されているように、圧
縮機、凝縮器、膨張機構及び冷媒熱交換部を冷媒配管に
よって順次接続して成る冷媒循環回路と、蓄熱タンク、
上記冷媒熱交換部との間で熱交換可能な蓄熱媒体熱交換
部及び過冷却解消部を水配管によって順次接続して成る
水循環回路とを備えたものが知られている。
【0003】そして、この種の氷蓄熱装置の製氷動作と
しては、蓄熱タンクから水配管へ取出した水(蓄熱媒
体)を、蓄熱媒体熱交換部において冷媒熱交換部の冷媒
と熱交換して過冷却状態まで冷却し、過冷却解消部にお
いてこの過冷却状態を解消してスラリー状の氷を生成す
る。そして、この氷を蓄熱タンクに供給して貯留する。
【0004】また、この蓄熱タンクに貯留された氷の冷
熱を利用して室内の冷房を行う際には、氷によって冷却
された冷水を水循環回路に循環させ、圧縮機からの吐出
冷媒を、例えば過冷却熱交換器内部において冷水との間
で熱交換を行わせて凝縮させる。そして、この凝縮した
冷媒を減圧した後、室内に設置された熱交換器において
蒸発させて室内空気を冷却する。
【0005】そして、上記蓄熱媒体熱交換部及び冷媒熱
交換部は、一般にはシェルアンドチューブ型の熱交換器
により一体的に構成されている。つまり、例えば、円筒
状のシェル内に複数本の伝熱管を収容し、伝熱管の内部
に水を、外部に冷媒を夫々流すことにより、この両者間
での熱交換を行う。また、この種の熱交換器にあって
は、伝熱管内で氷が発生した場合の体積膨張によって伝
熱管が破損してしまうことを回避するために、該伝熱管
の管厚を大きく設定したり、その内部に変形可能な樹脂
性の棒材を挿入し上記体積膨張を棒材の変形によって吸
収可能としている。
【0006】また、蓄熱タンクの出口側の水配管には、
この蓄熱タンクから氷が流出した際に、この氷が熱交換
器に流れ込んで、凍結の原因になることを抑制するため
に、予熱器が備えられている。この予熱器は、二重管構
造の熱交換器でなり、ここで氷が混入した水と高温冷媒
とを熱交換して該水に熱量を与えて氷を融解させてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
な過冷却水生成熱交換器や予熱器といった熱交換部分を
備えた氷蓄熱装置にあっては以下に述べるような理由か
ら装置全体としての小型化を図ることが難しかった。
【0008】つまり、過冷却水生成用としてシェルアン
ドチューブ型の熱交換器を使用した場合には、上述の如
く、伝熱管の板厚を大きく設定したり、その内部に棒材
を挿入していることから、十分な水流量を確保しながら
冷却性能を高く設定するには、熱交換器を大型化する必
要があり、これに伴って装置全体の大型化を招いてしま
っていた。
【0009】また、予熱器にあっては、単に水を加熱し
ただけでは氷を確実に融解することができないので、こ
の予熱器の下流側に、加熱された水と氷とを撹拌する撹
拌容器を必要としていた。つまり、この蓄熱タンクの出
口側には予熱器及び撹拌容器が必要であり、これらの配
設スペースを必要とすることから装置の小型化を図るこ
とは難しかった。
【0010】このように、従来の氷蓄熱装置に採用され
ている熱交換部分の構成では、装置全体としての小型化
を図ることが難しく、氷蓄熱装置の実用性を高めるため
には、この熱交換部分の改良を図る必要があった。
【0011】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、蓄熱装置の熱交換部分を
改良することで十分な性能を維持しながらコンパクトな
構成とすることにより、装置全体としての小型化を図る
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、水等の蓄熱媒体と冷媒との間で熱交換を
行って蓄熱媒体に蓄熱を行う蓄熱装置の熱交換部分に対
し、プレート型熱交換器を採用することによって、十分
な性能を維持しながらコンパクトな構成を実現可能とし
た。
【0013】具体的に、請求項1に係る発明が講じた手
段は、蓄熱槽(31)を備えると共に蓄熱媒体が循環する蓄
熱回路(30)と、冷媒が循環する冷媒回路(20)とを備え、
上記冷媒により蓄熱媒体を冷却または加熱した後、この
蓄熱媒体を蓄熱槽(31)に貯留して蓄熱を行う蓄熱装置を
前提としている。そして、蓄熱媒体と冷媒との間で熱交
換を行う熱交換手段(50),(11) を備えさせ、該熱交換手
段(50),(11) を、複数枚の伝熱プレート(53 〜58) が重
ね合わされて該各伝熱プレート(53 〜58) 間に蓄熱媒体
の流路(B) 及び冷媒の流路(A) が夫々形成され、各流路
(A,B) を流れる蓄熱媒体と冷媒とが伝熱プレート(53 〜
58) を介して熱交換を行うプレート型熱交換器によって
構成している。
【0014】この特定事項により、蓄熱装置の熱交換部
分を高い熱交換性能を維持しながらコンパクトな構成と
することができる。従って、装置全体としての性能を維
持しながら小型化を図ることができる。
【0015】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の蓄熱装置において、熱交換手段(50)を、蒸発する冷媒
により蓄熱媒体を過冷却状態まで冷却する過冷却熱交換
器とし、該過冷却熱交換器(50)で過冷却された蓄熱媒体
の過冷却状態を解消して製氷を行うようにした。
【0016】つまり、本発明は、過冷却解消動作によっ
て製氷を行い、これにより冷熱を蓄熱する氷蓄熱装置の
過冷却熱交換器(50)に対して、上述した請求項1記載の
発明の構成を採用したものであり、高い製氷効率が実現
できる。
【0017】請求項3記載の発明は、上記請求項2記載
の蓄熱装置において、過冷却熱交換器(50)に、蓄熱媒体
の流通方向下流側に位置して過冷却状態の蓄熱媒体が過
冷却解消しない程度の乱れの小さな状態で蓄熱媒体を流
す熱交換部(F) と、この熱交換部(F) よりも上流側に位
置して該熱交換部(F) よりも乱れの大きな状態で蓄熱媒
体を流す熱交換部(E) とを備えさせた構成としている。
【0018】この特定事項により、乱れの大きな状態で
蓄熱媒体を流す熱交換部(E) では蓄熱媒体が急速に冷却
され、一方、乱れの小さな状態で蓄熱媒体を流す熱交換
部(F) では蓄熱媒体が徐々に冷却され、蓄熱媒体が過冷
却状態となってもそれが解消してしまうことがない。つ
まり、過冷却状態の蓄熱媒体の流れの乱れを小さくする
ことにより撹拌作用による過冷却の解消が抑制される。
【0019】請求項4記載の発明は、上記請求項3記載
の蓄熱装置において、伝熱プレート(53 〜58) を、板厚
方向の一方向に突出する第1突出部と他方向に突出する
第2突出部とが交互に形成された波型に形成し、この各
プレート(53 〜58) 間に流路(A,B) を形成する。また、
この各プレート(53 〜58) 間に形成された蓄熱媒体の流
路(B) に、乱れの大きな状態で蓄熱媒体を流す熱交換部
(E) と乱れの小さな状態で蓄熱媒体を流す熱交換部(F)
とを連続して設ける。そして、伝熱プレート(53 〜58)
における乱れの大きな状態で蓄熱媒体を流す熱交換部
(E) の形成部分には、各突出部の延長方向が伝熱プレー
ト(53 〜58) の長手方向に対して所定角度を存した方向
に延びるヘリンボーン型の突起を形成する。一方、乱れ
の小さな状態で蓄熱媒体を流す熱交換部(F) の形成部分
では、各突出部の延長方向を伝熱プレート(53 〜58) の
長手方向に沿って延ばした構成としている。
【0020】この特定事項により、流路(B) 及びこの流
路(B) に流れの乱れ状態の異なる部分を形成するための
具体構成が得られることになる。
【0021】請求項5記載の発明は、上記請求項2、3
または4記載の蓄熱装置において、蓄熱回路(30)を、蓄
熱媒体を貯留する蓄熱槽(31)と、蓄熱媒体を圧送する循
環手段(32)と、蓄熱媒体を過冷却可能な過冷却熱交換器
(50)とが循環配管(35)によって接続して成す。また、蓄
熱槽(31)から取り出した蓄熱媒体を過冷却熱交換器(50)
によって過冷却状態にした後、この過冷却状態を解消し
て氷を生成する。そして、上記過冷却熱交換器(50)に、
蓄熱槽(31)から取り出した蓄熱媒体を加熱するための高
温の冷媒が流れる予熱熱交換部(D) と、この予熱熱交換
部(D) の冷媒により加熱された蓄熱媒体を過冷却状態ま
で冷却するための低温の冷媒が流れる冷却熱交換部(C)
とを備えさせた構成としている。
【0022】この特定事項により、蓄熱槽(31)から取り
出した蓄熱媒体に氷が混入している場合、この蓄熱媒体
は、先ず、冷媒流路(A) の予熱熱交換部(D) を流れる高
温の冷媒により加熱され、これにより氷が融解する。そ
の後、この冷媒は冷却熱交換部(C) を流れる低温の冷媒
により過冷却状態まで冷却される。従って、過冷却状態
の蓄熱媒体の内部に存在する氷が過冷却解消の核となっ
て熱交換器の凍結を招くといった状況が回避される。
【0023】請求項6記載の発明は、上記請求項5記載
の蓄熱装置において、予熱熱交換部(D) と冷却熱交換部
(C) を減圧用配管(79)によって接続し、該減圧用配管(7
9)に予熱熱交換部(D) から導出した冷媒を減圧する減圧
機構(EV-3)を設ける。そして、予熱熱交換器(D) におい
て蓄熱媒体と熱交換した冷媒を、減圧機構(EV-3)により
減圧した後、冷却熱交換部(C) において蓄熱媒体と熱交
換して蒸発するようにしている。
【0024】この特定事項により、予熱熱交換部(D) に
おいて蓄熱媒体中の氷の融解に寄与した冷媒を冷却熱交
換部(C) において過冷却生成用として利用でき、冷媒の
有効利用が可能となる。
【0025】請求項7記載の発明は、上記請求項1記載
の蓄熱装置において、蓄熱回路(30)を、蓄熱媒体を貯留
する蓄熱槽(31)と、蓄熱媒体を圧送する循環手段(32)
と、蓄熱媒体を過冷却可能な過冷却熱交換器(50)とを循
環配管(35)によって接続して成し、蓄熱槽(31)から取り
出した蓄熱媒体を過冷却熱交換器(50)によって過冷却状
態にした後、この過冷却状態を解消して氷を生成する。
そして、熱交換手段(11)を、蓄熱槽(31)の出口側に設け
られ、該蓄熱槽(31)から取り出した蓄熱媒体を冷媒回路
(20)の高温冷媒によって加熱する予熱器とした構成とし
ている。
【0026】この特定事項により、蓄熱槽(31)から取り
出した蓄熱媒体に氷が混入している場合、この蓄熱媒体
はプレート型熱交換器で成る予熱器(11)において高温冷
媒により加熱される。これにより、氷が融解されること
になり、過冷却熱交換器(50)に氷が流入して凍結が生じ
てしまうといった状況が回避できる。また、プレート型
熱交換器では蓄熱媒体の撹拌により氷が確実に融解でき
るので、従来のように予熱器(11)の下流側に撹拌用の容
器を設けるといったことは必要なくなる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、過冷却水生成用の熱交換器に改
良を加えた本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明
する。
【0028】−蓄熱式空気調和装置(10)− まず、蓄熱式空気調和装置(10)について説明する。
【0029】図1に示すように、蓄熱式空気調和装置(1
0)は、冷媒が循環する冷媒循環回路(20)と、水が循環す
る水循環回路(30)とを備える。始めに、上記冷媒循環回
路(20)と水循環回路(30)とを順に説明する。
【0030】−冷媒循環回路(20)− 冷媒循環回路(20)は、圧縮機(21)と、四路切換弁(22)
と、室外熱交換器(23)と、室外電動膨張弁(EV-1)及び室
内電動膨張弁(EV-2)と、室内熱交換器(24)と、アキュム
レータ(25)とが冷媒配管(26)によって順に接続されて成
る可逆運転可能なメイン冷媒回路(27)を備えている。そ
して、上記室内熱交換器(24)及び室内電動膨張弁(EV-2)
が室内ユニットに設けられる一方、圧縮機(21)等の他の
要素機器が室外ユニットに設けられている。
【0031】更に、上記冷媒循環回路(20)には、蓄熱冷
媒回路(2a)と、氷核回路(2b)と、ホットガス通路(2c)と
が設けられている。蓄熱冷媒回路(2a)は、冷蓄熱運転時
や冷蓄熱利用の冷房運転時などに冷媒が循環する回路で
あって、一端が室外熱交換器(23)と室外電動膨張弁(EV-
1)との間に、他端が四路切換弁(22)とアキュムレータ(2
5)との間に接続されると共に、第1電磁弁(SV-1)と、予
熱器(11)と、蓄熱電動膨張弁(EV-3)と、過冷却熱交換器
(50)と、第2電磁弁(SV-2)とが順に接続されて構成され
ている。
【0032】上記氷核回路(2b)は、後述する水循環回路
(30)において氷核を生成するための回路であって、一端
が蓄熱冷媒回路(2a)における蓄熱電動膨張弁(EV-3)と過
冷却熱交換器(50)との間に、他端が過冷却熱交換器(50)
と第2電磁弁(SV-2)との間に接続されると共に、キャピ
ラリチューブ(CP)と氷核生成器(13)が順に接続されて構
成されている。
【0033】上記ホットガス通路(2c)は、冷蓄熱利用の
冷房運転時等に圧縮機(21)の吐出冷媒を過冷却熱交換器
(50)に供給する回路であって、一端が圧縮機(21)の吐出
側に、他端が蓄熱冷媒回路(2a)における第2電磁弁(SV-
2)と過冷却熱交換器(50)との間に接続され、第3電磁弁
(SV-3)を備えている。
【0034】−水循環回路(30)− 上記水循環回路(30)は、図2に示すように、蓄熱槽(31)
と、ポンプ(32)と、予熱器(11)と、混合器(33)と、過冷
却熱交換器(50)と、過冷却解消部(34)とが水配管(35)に
よって蓄熱媒体である水の循環(図2の矢印参照)が可
能に順に接続されて構成されている。
【0035】そして、本発明に係る上記過冷却熱交換器
(50)は、後述するように、プレート型熱交換器であっ
て、冷媒循環回路(20)を流れる冷媒と水循環回路(30)を
流れる水との間で熱交換を行わせ、冷蓄熱運転時には水
を過冷却状態まで冷却するように構成されている。
【0036】上記予熱器(11)は、二重管型熱交換器であ
って、内側管の外側を冷媒が、内側管の内側を水が流
れ、蓄熱槽(31)から流れてきた氷水を加熱して、水配管
(35)を流れる氷を融解するように構成されている。
【0037】上記氷核生成器(13)は、過冷却熱交換器(5
0)の下流側に位置して水配管(35)に取り付けられ、水配
管(35)を流れる水の一部を冷媒循環回路(20)の冷媒によ
り冷却氷化し、それを氷核として過冷却解消部(34)に向
かって供給するように構成されている。
【0038】上記混合器(33)及び過冷却解消部(34)は、
何れも中空円筒状の容器より構成され、接線方向に導入
した水が旋回流となるように構成されている。そして、
上記混合器(33)は、予熱器(11)で加熱された水と氷とを
撹拌して氷の融解を促進させる一方、過冷却解消部(34)
は、氷核生成器(13)で生成された氷核と過冷却熱交換器
(50)で生成された過冷却水とを撹拌して過冷却を解消す
るように構成されている。
【0039】−過冷却熱交換器(50)− 次に、過冷却熱交換器(50)について説明する。
【0040】図3(熱交換器の分解斜視図)に示すよう
に、過冷却熱交換器(50)はプレート型のもので成ってい
る。詳しくは、2枚のフレーム(51,52) の間に複数枚の
伝熱プレート(53 〜58) が重ね合わされ、この伝熱プレ
ート(53 〜58) 間に流体通路(A,B) を形成している。
【0041】以下、これら各伝熱プレート(53 〜58) の
形状及び該各伝熱プレート(53 〜58) によって形成され
る各流路(A,B) について図3〜図5を用いて説明する。
【0042】伝熱プレート(53 〜58) は、金属製の平板
がプレス加工によって波板状に形成されて成る。また、
これら伝熱プレート(53 〜58) は、波形状の異なる第1
タイプのプレート(53,55,57)と第2タイプのプレート(5
4,56,58)とが交互に重ね合わされ、これらがろう付けに
より一体的に接合されている。尚、図4は第1タイプの
プレート(53)が最も手前側に位置している状態で伝熱プ
レート(53 〜58) が重ね合わされた状態を、図5は第2
タイプのプレート(54)を夫々示している。
【0043】先ず、第1タイプのプレート(53)について
説明する。図4に示すように、このプレート(53)は、四
隅部に、流体の流通経路を形成するための開口(61 〜6
4) が形成されていると共に、その他の部分は波板状に
形成されている。この波形状としては、波を形成する第
1の突出部としての山部(図4における太線部分)と第
2の突出部としての谷部(図4における細線部分)とが
交互に形成されている。この波形状について詳しく説明
すると、山部と谷部の延長方向が、図4の右方向に向う
にしたがって上側に傾斜するように配設された上方傾斜
部(53a) と、下側に傾斜するように配設された下方傾斜
部(53b) とが交互に形成された所謂ヘリンボーン形状と
なっている。
【0044】一方、図5に示すように、第2タイプのプ
レート(54)も上記第1タイプのプレート(53)と同様に、
四隅部に、流体の流通経路を形成するための開口(61 〜
64)が形成されていると共に、その他の部分は波板状に
形成されている。そして、この第2タイプのプレート(5
4)は、波形状が第1タイプのものと異なっている。
【0045】詳しく説明すると、この第2タイプのプレ
ート(54)もヘリンボーン形状に形成されているが、山部
と谷部の延長方向が、第1タイプのものと異なってい
る。即ち、上述した第1タイプのプレート(53)は、図4
に示すように、左端から、上方傾斜部(53a) 、下方傾斜
部(53b) の順でヘリンボーン形状が構成されているのに
対し、第2タイプのプレート(54)は、図5に示すよう
に、左端から、下方傾斜部(54b) 、上方傾斜部(54a) の
順でヘリンボーン形状が構成されている。
【0046】次に、各伝熱プレート(53 〜58) の配設状
態について説明する。図3において最も手前側に位置す
る第1タイプのプレートとしての第1プレート(53)は、
各開口(61 〜64) の周囲を囲むようにシール部(71)が形
成されている。このシール部(71)は、各開口(61 〜64)
の周囲がフレーム(51)に向かって突出して成っており、
この突出部で成るシール部(71)がフレーム(51)に当接す
ることで、この各開口(61 〜64) の周囲をシールしてい
る。
【0047】また、上記第1プレート(53)と図3におい
て手前から2番目に位置する第2タイプのプレートとし
ての第2プレート(54)との間には図3において左下に位
置する第1開口(61)の周囲と右上に位置する第2開口(6
2)の周囲とを囲むようにシール部(72)が形成されてい
る。つまり、この第1プレート(53)と第2プレート(54)
との間では、図3において右下に位置する第3開口(63)
と左上に位置する第4開口(64)との間で流体(水)の流
通が可能となっている。一方、上記第2プレート(54)
と、これに図3の奥側に隣接する第3プレート(55)との
間には第3開口(63)の周囲と第4開口(64)の周囲とを囲
むようにシール部(73)が形成されている。つまり、この
第2プレート(54)と第3プレート(55)との間では、第1
開口(61)と第2開口(62)との間で流体(冷媒)の流通が
可能となっている。このようにして隣合う流路に異なる
流体(水、冷媒)が流れるように第1タイプの伝熱プレ
ート(53,55,57)と第2タイプの伝熱プレート(54,56,58)
とが交互に重ね合わされ、これらが一体的にろう付けさ
れている。このろう付け部分は、少なくとも上述した各
シール部(71,72,73)及び各伝熱プレート(53 〜58) の周
縁部である。
【0048】図6は、各伝熱プレート(53 〜57) の重な
り合い状態を示している。このような重なり合い状態に
おける流体の流通状態について説明すると、例えば、第
1プレート(53)と第2プレート(54)との間に形成される
流路では、この流路断面において第1プレート(53)に近
い領域(図6において上側の領域)を流れる流体は、第
2プレート(54)の山部を乗り越えながら、この第1プレ
ート(53)の山部の延長方向に沿って流れる。一方、第2
プレート(54)に近い領域(図6において下側の領域)を
流れる流体は、第1プレート(53)の谷部(下方への突出
部)を乗り越えながら、この第2プレート(54)の山部の
延長方向に沿って流れる。つまり、この各流路(A,B) で
は流体が乱れの大きな状態(例えば乱流状態)で流れる
ことになり、高い熱貫流率で熱交換が行われる構成であ
る。
【0049】更に、一方(図3の手前側)のフレーム(5
1)には、上記各開口(61 〜64) に対応して配管(75 〜7
8) が接続されている。第1開口(61)に対応した配管(7
5)は冷媒導入配管、第2開口(62)に対応した配管(76)は
冷媒導出配管、第3開口(63)に対応した配管(77)は水導
入配管、第4開口(64)に対応した配管(78)は水導出配管
である。
【0050】このような構成であるために、各伝熱プレ
ート(53 〜58) の間に形成されている流路(A,B) は、冷
媒流路(A) と水流路(B) とが交互に形成されている。つ
まり、冷媒は、図3に実線で示す矢印のように、冷媒導
入配管(75)を経て各第1開口(61,61, …) より冷媒流路
(A,A) を流れ、その後、各第2開口(62,62, …) を経て
冷媒導出配管(76)より導出されるようになっている。同
様に、水は、図3に破線で示す矢印のように、水導入配
管(77)を経て各第3開口(63,63, …) より水流路(B) を
流れ、その後、各第4開口(64,64, …) を経て水導出配
管(78)より導出されるようになっている。このようにし
て、伝熱プレート(53 〜58) を介して冷媒と水とが熱交
換を行うように構成されている。
【0051】−運転動作− 次に、上述した蓄熱式空気調和装置(10)の運転動作につ
いて説明する。まず、過冷却熱交換器(50)を用いた冷蓄
熱運転について説明する。
【0052】−冷蓄熱運転− この運転モードでは、図7に示すように、四路切換弁(2
2)が実線側に切り換えられ、蓄熱電動膨張弁(EV-3)が所
定開度に調整される一方、他の電動膨張弁(EV-1 ,EV-
2) を閉鎖する。また、第1及び第2電磁弁(SV-1 ,SV-
2) は開口し、第3電磁弁(SV-3)は閉鎖している。
【0053】この状態において、冷媒循環回路(20)で
は、圧縮機(21)から吐出した冷媒は、図7に矢印で示す
ように、室外熱交換器(23)で外気と熱交換して凝縮す
る。その後、この冷媒は、蓄熱電動膨張弁(EV-3)で減圧
した後、過冷却熱交換器(50)で水と熱交換して蒸発し、
この水を過冷却状態( 例えば−2℃) まで冷却する。そ
の後、上記冷媒はアキュムレータ(25)を経て圧縮機(21)
に吸入される。
【0054】また、本運転にあっては、冷媒の一部が、
蓄熱電動膨張弁(EV-3)の下流側から氷核回路(2b)に分流
し、キャピラリチューブ(CP)により減圧した後、氷核生
成器(13)で蒸発して、アキュムレータ(25)を経て圧縮機
(21)に吸入される。この氷核生成器(13)において、冷媒
は、水配管(35)を流れる水と熱交換し、氷塊を水配管(3
5)の内壁面に生成する。
【0055】一方、水循環回路(30)では、ポンプ(32)を
駆動することにより、水を循環させる。蓄熱槽(31)から
流出した水は、ポンプ(32)を経て、予熱器(11)で加熱さ
れた後、混合器(33)で撹拌される。その後、この水は過
冷却熱交換器(50)で冷媒と熱交換して冷却され、所定の
過冷却状態になって過冷却熱交換器(50)から流出する。
そして、熱交換器(50)から流出した過冷却状態の水は、
氷核生成器(13)において更に冷却され、氷塊を水配管(3
5)の内壁面に生成する。その後、この氷塊の周囲で氷核
が生成され、この氷核を含んだ過冷却水は過冷却解消部
(34)に供給される。そして、過冷却解消部(34)におい
て、氷核と過冷却水とが撹拌され、蓄熱用のスラリー状
の氷が生成されて蓄熱槽(31)に回収貯留される。
【0056】本運転時には、予熱器(11)に比較的高温の
冷媒が流れ、仮に蓄熱槽(31)から氷が流出しても、予熱
器(11)において加熱されて融解し、過冷却熱交換器(50)
に氷が混入することが回避される。
【0057】この際の過冷却熱交換器(50)内の冷媒およ
び水の流れは、上述したように、各流路(A,B) では冷媒
及び水が共に乱れの大きな状態で流れているために、高
い熱貫流率で熱交換が行われ、水は急速に冷却され、例
えば−2℃まで冷却される。このようにして過冷却状態
となった水が過冷却熱交換器(50)から流出する。以上の
ようにして、過冷却熱交換器(50)を用いた冷蓄熱運転が
行われる。
【0058】このように、本形態では過冷却水生成用の
熱交換器(50)としてプレート型のものを使用しているの
で、従来のシェルアンドチューブ型のもののように伝熱
管の板厚を大きく設定したり、その内部に棒材を挿入す
る必要から大型になってしまうといったことがなくな
り、装置全体の小型化を図ることができる。
【0059】次に、蓄熱式空気調和装置(10)の他の運転
動作について概略説明する。
【0060】−通常冷房運転− この運転モードでは、冷媒循環回路(20)のみを動作さ
せ、水循環回路(30)は動作を行わない。
【0061】この運転モードでは、四路切換弁(22)が図
1の実線側に切り換えられ、室内電動膨張弁(EV-2)が過
熱度制御され、室外電動膨張弁(EV-1)を全開状態に、蓄
熱電動膨張弁(EV-3)を全閉状態に制御する。一方、各電
磁弁(SV-1 ,SV-2,SV-3) は共に閉鎖している。
【0062】この状態において、圧縮機(21)から吐出さ
れた冷媒は、室外熱交換器(23)で外気と熱交換して凝縮
する。その後、この冷媒は室内電動膨張弁(EV-2)で減圧
した後、室内熱交換器(24)で蒸発して、アキュムレータ
(25)を経て圧縮機(21)に吸入される。この循環動作によ
って、蓄熱式空気調和装置(10)は室内の冷房を行う。
【0063】−冷蓄熱利用冷房運転− この運転モードでは、図8に示すように、四路切換弁(2
2)を実線側に切り換え、室内電動膨張弁(EV-2)を所定開
度に制御し、他の電動膨張弁(EV-1 ,EV-3) を全開にす
る。また、第1及び第3電磁弁(SV-1 ,SV-3) は開口
し、第2電磁弁(SV-2)は閉鎖する。
【0064】この状態で、水循環回路(30)においては、
ポンプ(32)を駆動して冷水を循環する。蓄熱槽(31)内の
冷水はポンプ(32)、予熱器(11)、混合器(33)を順に経た
後、過冷却熱交換器(50)に流入する。そして過冷却熱交
換器(50)に流入した冷水は、冷媒と熱交換を行い加熱さ
れる。その後、加熱された水は過冷却熱交換器(50)を流
出し、過冷却解消部(34)を経て蓄熱槽(31)に戻る。そし
て、加熱された水は蓄熱槽(31)内に貯留された氷と熱交
換して冷却され、冷水となって、再び蓄熱槽(31)から流
出して水循環回路を循環する。
【0065】一方、冷媒循環回路(20)においては、圧縮
機(21)から吐出された冷媒は、図8に矢印で示すよう
に、その一部が、四路切換弁(22)を経て室外熱交換器(2
3)に流れ、室外熱交換器(23)で外気と熱交換して凝縮す
る。また、他の吐出冷媒は、ホットガス通路(2c)を経て
過冷却熱交換器(50)に流れ、水循環回路(30)を循環する
冷水と熱交換を行って凝縮する。そして、上記室外熱交
換器(23)と過冷却熱交換器(50)で凝縮した冷媒は、合流
して室内電動膨張弁(EV-2)で減圧された後、室内熱交換
器(24)で蒸発し、室内空気を冷却した後、アキュムレー
タ(25)を経て圧縮機(21)に吸入される。
【0066】以上の動作によって、蓄熱槽(31)内に貯留
された氷の冷熱を利用した室内冷房運転が行われる。
【0067】−通常暖房運転− この運転モードでは、水循環回路(30)は動作させず、冷
媒循環回路(20)のみを動作させる。
【0068】この運転モードでは、四路切換弁(22)を図
1の破線側に切り換え、室外電動膨張弁(EV-1)を所定開
度に制御し、室内電動膨張弁(EV-2)を全開状態に、蓄熱
電動膨張弁(EV-3)を全閉状態に制御する。一方、各電磁
弁(SV-1 ,SV-2,SV-3) は共に閉鎖している。
【0069】この状態において、圧縮機(21)から吐出さ
れた冷媒は、室内熱交換器(24)に流れて室内空気と熱交
換して凝縮し、室内空気を加熱する。その後、この冷媒
は、室外電動膨張弁(EV-1)で減圧した後、室外熱交換器
(23)で外気と熱交換して蒸発する。その後、冷媒はアキ
ュムレータ(25)を経て圧縮機(21)に吸入される。このよ
うな冷媒の循環動作によって室内の暖房を行う。
【0070】以上が蓄熱式空気調和装置(10)の運転動作
である。
【0071】以上説明したように、本形態の構成によれ
ば、製氷行うための過冷却水の生成部分をプレート式熱
交換器(50)によって構成したために、従来の如くシェル
アンドチューブ型の熱交換器を使用した場合のように、
冷却性能や信頼性を確保するために伝熱管の板厚を大き
く設定したり内部に棒材を挿入することが原因で大型化
を招いてしまうといったことが回避される。このため、
過冷却水生成部のコンパクト化と高効率化とを両立で
き、装置の性能を維持しながら全体の小型化を図ること
ができる。
【0072】−実験例− 次に、本形態の効果を確認するために行った実験及びそ
の結果について説明する。本実験は、互いに同じ能力を
有するシェルアンドチューブ型熱交換器とプレート型熱
交換器との大きさを比較するものである。
【0073】具体的には、毎分150リットルの流量で
流れる水を2.5deg だけ水温を低下させるのに必要な
大きさの各タイプ(シェルアンドチューブタイプ及びプ
レートタイプ)の熱交換器を選定することにより行っ
た。
【0074】これによれば、シェルアンドチューブ型熱
交換器にあっては必要容積が3.95×104 cm3 であ
った。これに対し、プレート型熱交換器にあっては必要
容積が1.05×104 cm3 であった。
【0075】このように、シェルアンドチューブ型とプ
レート型とを比較した場合、同等の能力を発揮させるの
にプレート型のものはシェルアンドチューブ型のものに
比べて1/4程度の容積で済む。これにより、プレート
型の熱交換器はシェルアンドチューブ型のものに比べ、
コンパクトな構成で高い能力を発揮できることが確認で
きたことになる。
【0076】尚、本形態の蓄熱式空気調和装置の運転モ
ードとして、上述したものの他、温蓄熱運転及び温蓄熱
利用暖房運転を行うようにしてもよい。
【0077】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態について説明する。本形態は、予熱器(11)をプレー
ト型熱交換器として構成したものである。このようにプ
レート型熱交換器を予熱器(11)として使用した場合の該
熱交換器自体の構成は、上述した第1実施形態で説明し
たプレート型熱交換器と同様であるので、ここでは説明
を省略する。
【0078】そして、本形態の場合、冷蓄熱運転時に各
流路(A,B) に流れる流体としては、冷媒流路(A) には室
外熱交換器(23)から導出した比較的高温の冷媒が流れ、
一方、水流路(B) には蓄熱槽(31)から取り出した水(氷
が混入している可能性のある水)が流れる。そして、こ
れら流体は各流路(A,B) で乱れの大きな状態で流れなが
ら互いに熱交換を行い、水に対して効率良く熱量が与え
られることになる。
【0079】従って、本形態のように、予熱器(11)をプ
レート型熱交換器として構成した場合には、従来のよう
な二重管構造のものを適用した場合のように下流側に撹
拌容器を配置しなくても効率的に氷を融解できる。この
ため、この蓄熱槽(31)から流れ出た氷を融解するための
熱交換部分のコンパクト化が図れ、これによっても装置
全体としての小型化を図ることができる。
【0080】尚、以上説明した第1及び第2実施形態
は、過冷却熱交換器(50)や予熱器(11)をプレート型熱交
換器として構成した場合を夫々個別に説明したが、これ
ら両者を共にプレート型熱交換器により構成するように
してもよい。
【0081】(第3実施形態)次に、本発明の第3実施
形態について説明する。本形態は、過冷却熱交換器(50)
及び予熱器(11)を共にプレート型熱交換器とすると共
に、この両者を一体化したものである。
【0082】本形態の熱交換器(50,11) を構成する第1
及び第2タイプの各伝熱プレート(55,54) を図9及び図
10に示す。図9は第1タイプのプレート(55)を、図1
0は第2タイプのプレート(54)を夫々示している。
【0083】先ず、第1タイプのプレート(55)について
説明する。図9に示すように、このプレート(55)は、本
図9における手前側に冷媒が、奥側に水が夫々流れるも
のである。そして、本プレート(55)は上側部分に過冷却
部(55c) を、下側部分に予熱部(55d) を備えている。ま
た、この過冷却部(55c) と予熱部(55d) との高さ寸法に
比は約3:1に設定され、過冷却部(55c) の面積の方が
大きくなっている。そして、各部(55c,55d) は、夫々上
述した実施形態と同様のヘリンボーン型の波板で成って
いると共に、この過冷却部(55c) と予熱部(55d) との境
界部分は図9の紙面手前側に膨出した流路仕切り部とし
ての仕切り突起(55e) が形成されている。
【0084】そして、過冷却部(55c) の3箇所の隅角部
には、流体の流通経路を形成するための開口(61,62,64)
が設けられている。つまり、この過冷却部(55c) におけ
る図9の左下の開口(61)が低温冷媒導入用の開口(第1
実施形態における第1開口に相当する)であり、また、
右上の開口(62)が低温冷媒導出用の開口(第1実施形態
における第2開口に相当する)であり、更に、左上の開
口(64)が水導出用の開口(第1実施形態における第4開
口に相当する)である。
【0085】また、予熱部(55d) の3箇所の隅角部に
も、流体の流通経路を形成するための開口(65,66,63)が
形成されている。つまり、図9における左下の開口(65)
が高温冷媒導入用の開口であり、また、右上の開口(66)
が高温冷媒導出用の開口であり、更に、右下の開口(63)
が水導入用の開口(第1実施形態における第3開口に相
当する)である。
【0086】一方、図10に示すように、第2タイプの
プレート(54)は、本図10における手前側に水が、奥側
に冷媒が夫々流れるものである。そして、上記第1タイ
プのプレート(55)と同様に、各部に開口(61 〜66) が形
成されていると共に、その他の部分は波板状に形成され
ている。また、本プレート(54)も上側部分に過冷却部(5
4c) を、下側部分に予熱部(54d) を備えており、この過
冷却部(54c) と予熱部(54d) との境界部分は図10の紙
面奥側に膨出した仕切り突起(54e) が形成されている。
そして、上述した第1実施形態のものと同様に、この第
2タイプのプレート(54)は、ヘリンボーン形状が第1タ
イプのものと異なっている。
【0087】このような構成とされた各2タイプの伝熱
プレート(53 〜58) が上述した第1実施形態のものと同
様に交互に配設され、これによって予熱器(11)と過冷却
熱交換器(50)とが一体化された熱交換器が構成される。
そして、この状態では、冷媒流路(A) にあっては各仕切
り突起(54e,55e) の膨出側同士が接合し、これによっ
て、冷媒流路(A) を、過冷却部(55c) に対応した過冷却
空間(C) と予熱部(55d)に対応した予熱空間(D) とに仕
切っている。また、図9の如く、高温冷媒導出用の開口
(66)と低温冷媒導入用の開口(61)とは配管(79)によって
接続されている。そして、この配管(79)に蓄熱電動膨張
弁(EV-3)が設けられている。
【0088】次に、本形態の冷蓄熱運転時における熱交
換器(11,50) の動作について説明する。水循環回路(30)
では、蓄熱槽(31)から取出された水が、図10に示す矢
印の如く、水導入用開口(63)から水流路(B) 内に流入
し、水導出用開口(64)から排出される。一方、冷媒循環
回路(20)では、室外熱交換器(23)を経た比較的高温の冷
媒が、図9に矢印で示す如く、高温冷媒導入用開口(65)
から予熱空間(D) に導入し、ここで、蓄熱槽(31)から取
出された水との間で熱交換を行う。つまり、この冷媒に
より水が加熱され、この水に氷が混入されている場合に
は、該氷を融解する。また、水流路(B) では、各伝熱プ
レート(53 〜58) が波板で形成されていることにより、
水は乱れの大きな状態で流れているので、この氷の融解
は効率的に行われる。
【0089】そして、この予熱空間(D) を経て高温冷媒
導出開口(66)から配管(79)に流れ出た冷媒は蓄熱電動膨
張弁(EV-3)により減圧された後、低温冷媒導入開口(61)
から過冷却空間(C) に導入し、ここで、水流路(B) を流
れる水との間で熱交換を行う。つまり、この冷媒により
水が冷却され、この水は過冷却状態となり、その後、水
導出用開口(64)から過冷却解消部(34)に向かって流れる
ことになる。つまり、本形態では、水流路(B) を流れる
水は、予熱部(54d) において加熱され、混入している氷
が融解された後、過冷却部(54c) において冷却され、過
冷却状態となった後、熱交換器から流出する。
【0090】以上の如く、本形態では、蓄熱槽(31)から
取出された水に混入する氷を融解する部分と、水を過冷
却状態まで冷却する部分とを一体的に構成し、水流路
(B) では水を乱れの大きな状態で流すようにしている。
このため、上述した第1実施形態のように予熱器(11)と
過冷却熱交換器(50)とを個別に配設するためのスペース
を必要としない。また、混合器(33)も必要としない。こ
のため、装置全体としての更なるコンパクト化が図れ
る。
【0091】尚、本形態では伝熱プレート(54,55) の各
仕切り突起(54e,55e) 同士を接合することで冷媒流路
(A) を過冷却空間(C) と予熱空間(D) とに仕切るように
したが、この構成に代えて、伝熱プレート(54,55) の間
に断熱性を有する仕切り部材を介在させて過冷却空間
(C) と予熱空間(D) とを形成するようにしてもよい。こ
の場合、過冷却空間(C) を流れる冷媒と予熱空間(D) を
流れる冷媒との間での熱交換が抑制され、予熱空間(D)
を流れる冷媒による氷の融解及び過冷却空間(C) を流れ
る冷媒による過冷却水の生成を効率良く行うことができ
る。
【0092】(第4実施形態)次に、本発明の第4実施
形態について図11〜図13を用いて説明する。本形態
は、上述した第3実施形態のように、過冷却熱交換器(5
0)と予熱器(11)とを一体化した構成に加えて、伝熱プレ
ート(54,55) の過冷却部(54c,55c) の波形状を改良した
ものである。従って、本形態では、上述した第3実施形
態と略同様の構成部分については図11及び図12に同
じ符号を付し、その説明を省略する。
【0093】以下、本形態の特徴部分である各プレート
(54,55) の過冷却部(54c,55c) の構成について説明す
る。第1タイプのプレート(55)の過冷却部(55c) は、流
体の流通方向(図11の上下方向)の中間位置よりも上
流側部分(下側部分)と下流側部分(上側部分)とで波
形状が異なっている。
【0094】この波形状について詳しく説明すると、上
流側部分の波形状としては、従来の伝熱プレートと同様
に山部と谷部の延長方向が、図11の右方向に向うにし
たがって上側に傾斜するように配設された上方傾斜部(5
5a) と、下側に傾斜するように配設された下流側傾斜部
(55b) とが交互に形成された所謂ヘリンボーン形状とな
っている。
【0095】一方、下流側部分の波形状としては、山部
と谷部の延長方向が鉛直方向とされている。また、この
上流側部分と下流側部分との境界部では、波板の山部同
士及び谷部同士が連続するように折曲げられている。
尚、図13(a) は図11におけるI-I 線断面図を、図1
3(b) は図11におけるII-II 線断面図を夫々示してい
る。
【0096】一方、図12に示すように、第2タイプの
プレート(54)の過冷却部(54c) も、上記第1タイプのプ
レート(55)と同様に、流体の流通方向(図12の上下方
向)の中間位置よりも上流側部分(下側部分)と下流側
部分(上側部分)とで波形状が異なっている。また、こ
の第2タイプのプレート(54)は、上流側部分における波
形状が第1タイプのものと異なっている。
【0097】このような構成により、冷蓄熱運転時にお
ける過冷却熱交換器(50)内の冷媒および水の流れは、過
冷却部(54c,55c) の上流側では冷媒及び水が共に乱れの
大きな状態で流れているために、高い熱貫流率で熱交換
が行われ、水は急速に冷却され、この領域(E) において
例えば0℃まで冷却される。
【0098】その後、この乱れの大きな領域(E) から流
れ出た冷媒及び水は、各々乱れの小さな領域(F) に流れ
込み、この領域(F) において熱交換を行う。ここでは、
上述した乱れの大きな領域(E) ほど熱貫流率は高くな
く、水は徐々に冷却されて、この乱れの小さな領域(F)
の下流端部分では、例えば−2℃まで冷却される。この
ようにして過冷却状態となった水は乱れが小さい状態の
まま過冷却熱交換器(50)から流出する。
【0099】このように、水の流路(B) の下流側領域で
は、水温の大幅変動がないので、熱交換器(50)から取り
出される水温の設定を比較的容易に行うことができる。
また、この部分では過冷却水が乱れの大きい状態で流れ
ることがないので、この過冷却が解消されることも抑制
され、過冷却熱交換器(50)の内部での凍結の発生が回避
できて安定した過冷却水の生成動作を行うことができ
る。
【0100】尚、本形態では、過冷却熱交換器(50)と予
熱器(11)とを一体化し、この過冷却熱交換器(50)を構成
する部分に乱れの大きな領域(E) と乱れの小さな領域
(F) とを備えさせるようにしたが、これら各領域(E,F)
及び予熱器(11)を夫々個別のプレート型熱交換器によっ
て構成するようにしてもよい。
【0101】(第5実施形態)次に、冷媒循環回路(20)
の変形例としての第5実施形態について説明する。尚、
本形態では、上述した第1実施形態の冷媒循環回路(20)
と異なる部分についてのみ説明する。
【0102】図14に示すように、本形態の冷媒循環回
路(20)は、第1実施形態の四路切換弁(22)と室外熱交換
器(23)との間に第2の四路切換弁(90)が設けられてお
り、この第2四路切換弁(90)は、第1四路切換弁(22)に
接続するポート(P1)及び室外熱交換器(23)に接続するポ
ート(P2)の他、蓄熱冷媒回路(2a)の過冷却熱交換器(50)
と第2電磁弁(SV2) との間にホットガス通路(2c)を介し
て接続するポート(P3)、アキュムレータ(25)に冷媒回収
通路(91)を介して接続するポート(P4)を備えている。そ
して、第1四路切換弁(22)と室外熱交換器(23)とを連通
させ且つホットガス通路(2c)と冷媒回収通路(91)とを接
続させる切換え状態(図14に実線で示す切換え状態)
と、第1四路切換弁(22)とホットガス通路(2c)とを連通
させ且つ室外熱交換器(23)と冷媒回収通路(91)とを接続
させる切換え状態(図14に破線で示す切換え状態)と
の間で切換え可能となっている。
【0103】また、本形態では、室外電動膨張弁(EV-1)
が冷媒配管(26)における蓄熱冷媒回路(2a)の接続位置よ
りも室外熱交換器(23)側に設けられていると共に、この
蓄熱冷媒回路(2a)の接続位置よりも室内ユニット側には
第4電磁弁(SV-4)が設けられている。
【0104】更に、本回路(20)では、氷核回路(2b)の上
流端が予熱器(11)と蓄熱電動膨張弁(EV-3)との間に、下
流端が第2電磁弁(SV-2)とアキュムレータ(25)との間に
夫々接続されている。また、この氷核回路(2b)には第5
電磁弁(SV-5)が設けられている。
【0105】また、複数の室内ユニットが備えられ、夫
々が室内電動膨張弁(EV-2)及び室内熱交換器(24)を備え
ており、各ユニットは互いに並列に接続されている。
【0106】−運転動作− 次に、本形態における蓄熱式空気調和装置(10)の運転動
作について説明する。 −冷蓄熱運転− この運転モードでは、第1四路切換弁(22)及び第2四路
切換弁(90)を共に図14中の実線側に切り換え、蓄熱電
動膨張弁(EV-3)を所定開度に、室外電動膨張弁(EV-1)を
全開状態に設定する。また、第1、第2及び第5電磁弁
(SV-1,SV-2,SV-5)を開放し、第4電磁弁(SV-4)を閉鎖す
る。
【0107】この状態において、上記第1実施形態での
冷蓄熱運転の場合と同様に、圧縮機(21)から吐出した冷
媒が、室外熱交換器(23)で外気と熱交換して凝縮した
後、蓄熱電動膨張弁(EV-3)で減圧する。その後、過冷却
熱交換器(50)で水と熱交換して蒸発し、この水を過冷却
状態(例えば−2℃)まで冷却する。尚、水循環回路(3
0)での水の循環動作は第1実施形態の場合と同様であ
る。
【0108】−通常冷房運転− この運転モードでは、第1四路切換弁(22)及び第2四路
切換弁(90)を共に実線側に切り換え、各室内電動膨張弁
(EV-2)を過熱度制御する。また、室外電動膨張弁(EV-1)
を全開状態に、蓄熱電動膨張弁(EV-3)を全閉状態に制御
する。一方、第4電磁弁(SV-4)を開放し、その他の電磁
弁(SV-1,SV-2,SV-5)を共に閉鎖する。
【0109】この状態において、上記第1実施形態での
通常冷房運転の場合と同様に冷媒が循環して室内の冷房
が行われる。
【0110】−冷蓄熱利用冷房運転− この運転モードでは、第1四路切換弁(22)を実線側に、
第2四路切換弁(90)を破線側に夫々切り換え、室内電動
膨張弁(EV-2)を所定開度に制御し、蓄熱電動膨張弁(EV-
3)を全開に、室外電動膨張弁(EV-1)を全閉にする。ま
た、第2及び第5電磁弁(SV-2,SV-5) を閉鎖し、その他
の電磁弁(SV-1,SV-4) を開放する。
【0111】この状態で、圧縮機(21)から吐出された冷
媒は、図15に矢印で示すように、その全てが、各四路
切換弁(22,90) 及びホットガス通路(2c)を経て過冷却熱
交換器(50)に流れ、水循環回路(30)を循環する冷水と熱
交換を行って凝縮する。そして、この凝縮冷媒は、室内
電動膨張弁(EV-2)で減圧された後、室内熱交換器(24)で
蒸発し、室内空気を冷却した後、アキュムレータ(25)を
経て圧縮機(21)に吸入される。
【0112】このように、本冷蓄熱利用冷房運転では、
室外熱交換器(23)には冷媒を流さないようにすること
で、冷水のみを凝縮熱源としており、蓄熱槽(31)内の氷
の冷熱を有効に利用し、冷房運転終了時に、この蓄熱槽
(31)内に氷が残留しないようにしている。つまり、この
冷蓄熱利用冷房運転において蓄熱槽(31)内の氷が全て融
解した場合には、上述した通常冷房運転に切換えられ
る。
【0113】以上の動作によって、蓄熱槽(31)内に貯留
された氷の冷熱を利用した室内冷房運転が行われる。
【0114】−温蓄熱運転− この運転モードでは、第1四路切換弁(22)を実線側に、
第2四路切換弁(90)を破線側に夫々切り換え、室外電動
膨張弁(EV-1)を所定開度に、蓄熱電動膨張弁(EV-3)を全
開状態に、室内電動膨張弁(EV-2)を全閉状態に夫々設定
する。また、第1電磁弁(SV-1)を開放し、その他の電磁
弁(SV-2,SV-4,SV-5)を閉鎖する。
【0115】この状態において、圧縮機(21)から吐出し
た冷媒が、図16に矢印で示すように、各四路切換弁(2
2,90) を経た後、過冷却熱交換器(50)で水と熱交換して
凝縮し、この水を加熱する。そして、この凝縮冷媒は、
室外電動膨張弁(EV-1)で減圧した後、室外熱交換器(23)
で外気と熱交換を行って蒸発し圧縮機(21)に戻る。これ
により、蓄熱槽(31)に温水が貯留されていく。
【0116】−通常暖房運転− この運転モードでは、水循環回路(30)は動作させず、冷
媒循環回路(20)のみを動作させる。
【0117】この運転モードでは、各四路切換弁(22,9
0) を破線側に切換え、室外電動膨張弁(EV-1)を所定開
度に制御し、室内電動膨張弁(EV-2)を全開状態に、蓄熱
電動膨張弁(EV-3)を全閉状態に制御する。一方、第4電
磁弁(SV-4)を開放し、その他の電磁弁(SV-1 ,SV-2,SV
-5) を共に閉鎖する。
【0118】この状態において、上述した第1実施形態
の場合と同様に冷媒が循環して室内の暖房が行われる。
【0119】−温蓄熱利用暖房運転− この運転モードでは、第1四路切換弁(22)を破線側に切
り換え、蓄熱電動膨張弁(EV-3)を所定開度に制御し、室
内電動膨張弁(EV-2)を全開に、室外電動膨張弁(EV-1)を
全閉にする。また、第5電磁弁(SV-5)を閉鎖し、その他
の電磁弁(SV-1,SV-2,SV-4)を開放する。
【0120】この状態で、圧縮機(21)から吐出された冷
媒は、図17に矢印で示すように、室内熱交換器(24)に
おいて室内空気と熱交換を行って凝縮する。そして、こ
の凝縮冷媒は、蓄熱電動膨張弁(EV-3)で減圧された後、
過冷却生成熱交換器(50)で温水と熱交換を行って蒸発し
た後、アキュムレータ(25)を経て圧縮機(21)に吸入され
る。
【0121】以上の動作によって、蓄熱槽(31)内に貯留
された温水の温熱を利用した室内暖房運転が行われる。
【0122】尚、本形態にあっても過冷却熱交換器(50)
のみをプレート型熱交換器として構成したり、予熱器(1
1)のみをプレート型熱交換器として構成したり、更には
双方をプレート型熱交換器として一体的に構成してもよ
い。
【0123】(第6実施形態)次に、冷媒循環回路(20)
の変形例としての第6実施形態について説明する。本形
態は、蓄熱槽(31)内に貯留した熱源(氷或いは温水)を
利用してブラインを冷却又は加熱し、このブラインによ
って室内の冷房や暖房を行うようにしたものである。
【0124】また、本形態においても、上述した第1実
施形態の冷媒循環回路(20)と異なる部分についてのみ説
明する。
【0125】−冷媒循環回路(20)− 図18に示すように、冷媒循環回路(20)は、圧縮機(21)
と、四路切換弁(22)と、室外熱交換器(23)と、室外電動
膨張弁(EV-1)と、予熱器(11)と、蓄熱電動膨張弁(EV-3)
と、過冷却熱交換器(50)と、アキュムレータ(25)とが冷
媒配管(26)によって順に接続されて成る可逆運転可能な
メイン冷媒回路(27)を備えている。
【0126】そして、この冷媒循環回路(20)には、氷核
回路(2b)が設けられている。該氷核回路(2b)は、一端が
予熱器(11)と蓄熱電動膨張弁(EV-3)との間に、他端が四
路切換弁(22)とアキュムレータ(25)との間に接続される
と共に、電磁弁(SV-5)、キャピラリチューブ(CP)、氷核
生成器(13)が順に接続されて構成されている。
【0127】そして、過冷却熱交換器(50)及び予熱器(1
1)は上述した実施形態と同様にプレート型熱交換器によ
り構成されている。
【0128】−水循環回路(30)− 水循環回路(30)は、蓄熱槽(31)と、ポンプ(32)と、予熱
器(11)と、過冷却熱交換器(50)と、図示しない過冷却解
消部とが水配管(35)によって蓄熱媒体である水の循環が
可能に順に接続されて構成されている。この水循環回路
(30)の各機器の構成は上述した第1実施形態のものと同
様であるので、ここでは説明を省略する。
【0129】−利用側回路(40)− 次に、蓄熱槽(31)に貯留された冷熱又は温熱を利用する
ための利用側回路(40)について説明する。この利用側回
路(40)は、蓄熱槽(31)から取出した冷水又は温水をブラ
インと熱交換させて該ブラインを冷却又は加熱し、該ブ
ラインを室内熱交換器(24)に供給するようになってい
る。
【0130】詳しくは、蓄熱利用熱交換器(41)を備えて
おり、この蓄熱利用熱交換器(41)は蓄熱槽(31)に水取出
し配管(42)及び水戻し配管(43)によって接続され、水取
出し配管(42)に設けられたポンプ(44)の駆動に伴って蓄
熱槽(31)との間で水を循環させるようになっている。
【0131】また、この蓄熱利用熱交換器(41)は各室内
熱交換器(24,24, …) にブライン供給配管(45)及びブラ
イン回収配管(46)によって接続され、ブライン供給配管
(45)に設けられたポンプ(47)の駆動に伴って各室内熱交
換器(24,24, …) との間でブラインを循環させるように
なっている。
【0132】そして、蓄熱利用熱交換器(41)は、上述し
た各実施形態と同様のプレート型熱交換器によって構成
されている。
【0133】従って、本形態における蓄熱利用運転時
(冷蓄熱利用冷房運転時及び温蓄熱利用暖房運転時)に
は、水取出し配管(42)及びブライン供給配管(45)に設け
られた各ポンプ(44,47) が共に駆動され、蓄熱槽(31)内
の蓄熱をブラインによって室内熱交換器(24)に与えるこ
とで室内の冷房又は暖房を行うようになっている。
【0134】尚、本実施形態では、蓄熱利用熱交換器(4
1)を利用して蓄熱をブラインに与えるようにしたが、こ
の蓄熱利用熱交換器(41)を設けず、蓄熱槽(31)と室内熱
交換器(24)とを配管によって直接接続し、蓄熱利用運転
時には、蓄熱槽(31)内の冷水或いは温水を直接室内熱交
換器(24)に供給するようにしてもよい。
【0135】尚、上述した各実施形態では、各伝熱プレ
ートにおける冷媒及び水を流通させるための開口の周囲
及びプレート周縁部をろう付けによってシールするよう
にしたが、溶接やガスケットによりシールするものに適
用してもよい。
【0136】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、以下に
述べるような効果が発揮される。請求項1記載の発明に
よれば、冷媒と蓄熱媒体との熱交換により該蓄熱媒体に
蓄熱を行う蓄熱装置の熱交換手段にプレート型熱交換器
を適用したことにより、この熱交換手段を高い熱交換性
能を維持しながらコンパクトな構成とすることができ
る。この結果、装置全体としての性能を維持しながら小
型化を図ることができ、蓄熱装置の実用性の向上を図る
ことができる。
【0137】請求項2記載の発明によれば、過冷却解消
動作によって製氷を行い、これにより冷熱を蓄熱する氷
蓄熱装置の過冷却熱交換器に対して、上述した請求項1
記載の発明の構成を採用したことにより、高い製氷効率
が実現でき、短時間で効率良く冷熱の蓄熱を行うことが
できる。
【0138】請求項3記載の発明によれば、蓄熱媒体の
流路に乱れの大きな領域と乱れの小さな領域とを備えさ
せ、過冷却状態の蓄熱媒体が乱れの小さな領域を流れる
ようにしたために、この過冷却状態の蓄熱媒体が撹拌さ
れて過冷却が解消し、熱交換器が凍結してしまうといっ
た不具合が回避できる。
【0139】請求項4記載の発明によれば、乱れの大き
な領域の形成部分にヘリンボーン型の突起を形成し、乱
れの小さな領域の形成部分の突出部の延長方向をプレー
ト長手方向に延ばしたことで、乱れの大きな領域と乱れ
の小さな領域とを形成するための具体構成が得られ、装
置を実用性の高いものとすることができる。
【0140】請求項5及び6記載の発明では、冷媒流路
内に、蓄熱媒体を加熱するための高温の冷媒が流れる予
熱熱交換部と、蓄熱媒体を過冷却状態まで冷却するため
の低温の冷媒が流れる冷却熱交換部とを形成した。この
ため、過冷却状態の蓄熱媒体の内部に存在する氷が過冷
却解消の核となって熱交換器の凍結を招くといった状況
が回避され、装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0141】請求項7記載の発明によれば、蓄熱槽から
取り出した蓄熱媒体を冷媒回路の高温冷媒によって加熱
する予熱器をプレート型熱交換器で構成したことによ
り、過冷却熱交換器に氷が流入して凍結が生じてしまう
といった状況が回避できる。従って、従来のように予熱
器の下流側に撹拌用の容器を設けるといったことなしに
氷を確実に融解でき、この氷を融解するための機器の配
設スペースを縮小できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓄熱式空気調和装置の冷媒循環回路および水循
環回路を示す図である。
【図2】水循環回路を示す図である。
【図3】プレート型熱交換器の分解斜視図である。
【図4】第1タイプの伝熱プレートを示す図である。
【図5】第2タイプの伝熱プレートを示す図である。
【図6】各プレートの重ね合せ状態を示す図である。
【図7】冷蓄熱運転を説明するための蓄熱式空気調和装
置の回路図である。
【図8】冷蓄熱利用冷房運転を説明するための蓄熱式空
気調和装置の回路図である。
【図9】第3実施形態における図4相当図である。
【図10】第3実施形態における図5相当図である。
【図11】第4実施形態における図4相当図である。
【図12】第4実施形態における図5相当図である。
【図13】(a) は図11のI-I 線に沿った断面図、(b)
は図11のII-II 線に沿った断面図である。
【図14】第5実施形態における図1相当図である。
【図15】第5実施形態における冷蓄熱利用冷房運転を
説明するための蓄熱式空気調和装置の回路図である。
【図16】第5実施形態における温蓄熱運転を説明する
ための蓄熱式空気調和装置の回路図である。
【図17】第5実施形態における温蓄熱利用暖房運転を
説明するための蓄熱式空気調和装置の回路図である。
【図18】第6実施形態における図1相当図である。
【符号の説明】
(11) 予熱器(熱交換手段) (20) 冷媒循環回路 (30) 水循環回路(蓄熱回路) (31) 蓄熱槽 (32) ポンプ(循環手段) (35) 水配管 (50) 過冷却熱交換器(熱交換手段) (53 〜58) 伝熱プレート (79) 減圧用配管 (EV-3) 減圧機構 (A) 冷媒流通部 (B) 水流通部 (C) 冷却空間 (D) 予熱空間 (E) 乱れの大きな領域 (F) 乱れの小さな領域

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱槽(31)を備えると共に蓄熱媒体が循
    環する蓄熱回路(30)と、冷媒が循環する冷媒回路(20)と
    を備え、上記冷媒により蓄熱媒体を冷却または加熱した
    後、この蓄熱媒体を蓄熱槽(31)に貯留して蓄熱を行う蓄
    熱装置において、 上記蓄熱媒体と冷媒との間で熱交換を行う熱交換手段(5
    0),(11) を備えており、該熱交換手段(50),(11) は、複
    数枚の伝熱プレート(53 〜58) が重ね合わされて該各伝
    熱プレート(53 〜58) 間に蓄熱媒体の流路(B) 及び冷媒
    の流路(A) が夫々形成され、各流路(A,B) を流れる蓄熱
    媒体と冷媒とが伝熱プレート(53 〜58)を介して熱交換
    を行うプレート型熱交換器によって構成されていること
    を特徴とする蓄熱装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の蓄熱装置において、 熱交換手段(50)は、蒸発する冷媒により蓄熱媒体を過冷
    却状態まで冷却する過冷却熱交換器であって、該過冷却
    熱交換器(50)で過冷却された蓄熱媒体の過冷却状態を解
    消して製氷を行うことを特徴とする蓄熱装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の蓄熱装置において、 過冷却熱交換器(50)は、蓄熱媒体の流通方向下流側に位
    置して過冷却状態の蓄熱媒体が過冷却解消しない程度の
    乱れの小さな状態で蓄熱媒体を流す熱交換部(F) と、こ
    の熱交換部(F) よりも上流側に位置して該熱交換部(F)
    よりも乱れの大きな状態で蓄熱媒体を流す熱交換部(E)
    とを備えていることを特徴とする蓄熱装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の蓄熱装置において、 伝熱プレート(53 〜58) は、板厚方向の一方向に突出す
    る第1突出部と他方向に突出する第2突出部とが交互に
    形成された波型に形成され、この各プレート(53 〜58)
    間に流路(A,B) が形成され、この各プレート(53 〜58)
    間に形成された蓄熱媒体の流路(B) に、乱れの大きな状
    態で蓄熱媒体を流す熱交換部(E) と乱れの小さな状態で
    蓄熱媒体を流す熱交換部(F) とが連続して設けられてお
    り、 伝熱プレート(53 〜58) における乱れの大きな状態で蓄
    熱媒体を流す熱交換部(E) の形成部分には、各突出部の
    延長方向が伝熱プレート(53 〜58) の長手方向に対して
    所定角度を存した方向に延びるヘリンボーン型の突起が
    形成されている一方、乱れの小さな状態で蓄熱媒体を流
    す熱交換部(F) の形成部分では、各突出部の延長方向が
    伝熱プレート(53 〜58) の長手方向に沿って延びている
    ことを特徴とする蓄熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項2、3または4記載の蓄熱装置に
    おいて、 蓄熱回路(30)は、蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽(31)と、蓄
    熱媒体を圧送する循環手段(32)と、蓄熱媒体を過冷却可
    能な過冷却熱交換器(50)とが循環配管(35)によって接続
    されて成り、蓄熱槽(31)から取り出した蓄熱媒体を過冷
    却熱交換器(50)によって過冷却状態にした後、この過冷
    却状態を解消して氷を生成するようになっており、 上記過冷却熱交換器(50)は、蓄熱槽(31)から取り出した
    蓄熱媒体を加熱するための高温の冷媒が流れる予熱熱交
    換部(D) と、この予熱熱交換部(D) の冷媒により加熱さ
    れた蓄熱媒体を過冷却状態まで冷却するための低温の冷
    媒が流れる冷却熱交換部(C) とを備えていることを特徴
    とする蓄熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の蓄熱装置において、 予熱熱交換部(D) と冷却熱交換部(C) は減圧用配管(79)
    によって接続されており、該減圧用配管(79)には予熱熱
    交換部(D) から導出した冷媒を減圧する減圧機構(EV-3)
    が設けられていて、予熱熱交換器(D) において蓄熱媒体
    と熱交換した冷媒を、減圧機構(EV-3)により減圧した
    後、冷却熱交換部(C) において蓄熱媒体と熱交換して蒸
    発するようになっていることを特徴とする蓄熱装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の蓄熱装置において、 蓄熱回路(30)は、蓄熱媒体を貯留する蓄熱槽(31)と、蓄
    熱媒体を圧送する循環手段(32)と、蓄熱媒体を過冷却可
    能な過冷却熱交換器(50)とが循環配管(35)によって接続
    されて成り、蓄熱槽(31)から取り出した蓄熱媒体を過冷
    却熱交換器(50)によって過冷却状態にした後、この過冷
    却状態を解消して氷を生成するようになっており、 熱交換手段(11)は、蓄熱槽(31)の出口側に設けられ、該
    蓄熱槽(31)から取り出した蓄熱媒体を冷媒回路(20)の高
    温冷媒によって加熱する予熱器であることを特徴とする
    蓄熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106918258A (zh) * 2017-04-17 2017-07-04 杭州沈氏节能科技股份有限公司 一种蓄热换热器
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