JPH10115174A - 立坑掘削方法及び立坑掘削装置 - Google Patents

立坑掘削方法及び立坑掘削装置

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JPH10115174A
JPH10115174A JP26963996A JP26963996A JPH10115174A JP H10115174 A JPH10115174 A JP H10115174A JP 26963996 A JP26963996 A JP 26963996A JP 26963996 A JP26963996 A JP 26963996A JP H10115174 A JPH10115174 A JP H10115174A
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shaft
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caisson
excavated
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嘉司 松本
Muneo Yoshimura
宗男 吉村
Hideki Hagiwara
英樹 萩原
Takeshi Tanaka
猛 田中
Kiyoshi Tsuchiya
清 土屋
Yasuaki Ishikawa
泰昭 石川
Kazunori Ueda
和憲 植田
Shuichi Ajiro
秀一 網代
Michio Iijima
理夫 飯島
Norio Furumura
紀夫 古村
Shigeki Kitagawa
滋樹 北川
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Shimizu Construction Co Ltd
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Shimizu Corp
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Shimizu Construction Co Ltd
Maeda Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】異形断面の立坑掘削方法及び装置において、掘
削装備を軽量化できかつ立坑断面形状の設計の自由度を
大きくする。 【解決手段】立坑構築物1の隔壁6に断面長円形の挿入
兼回収穴10を開けかつその上部に同じ断面形状のシャ
フト11を装着し、シャフト11の上部にやぐら12を
移動可能に支持し、カッター20にはすぼめ機構32を
設ける。立坑構築物1の長円形断面の一方の端部側で掘
削した後、すぼめ機構31によりカッター20をすぼ
め、やぐら12とシャフト11との連結を解除し、クレ
ーン14によりカッター20を所定の深度まで持ち上げ
た後、クレーン9によりやぐら12、カッター20、ロ
ータリーテーブル13等を一緒に横移動し、カッター2
0を立坑構築物1の長円形断面のもう一方の端部側に設
置し、再度やぐら12を固定して掘削する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は立坑掘削方法及び立
坑掘削装置に係わり、特に、カッターを上方より垂設し
て異形断面を持つ立坑を掘削する立坑掘削方法及び立坑
掘削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カッターを上方より垂設して異形断面を
持つ立坑を掘削する立坑掘削方法を開示する公知例とし
て、特開平6−146310号公報及び特開平4−62
291号公報がある。
【0003】特開平6−146310号公報には、2軸
以上複数のカッターを持つ多軸リバース機(リバースカ
ッター)により、2個以上複数の円弧が一部重なり合っ
た形状の孔を掘削する方法及び装置が記載されている。
複数のカッター部は同一高さに配置されている。
【0004】特開平4−62291号公報には、ケーソ
ンの底部に設けた複数の開口部に複数のケーシングパイ
プを固設し、このケーシングパイプ内にカッター及び駆
動部からなる掘削機、ロックフレーム、サポートシリン
ダ等を配置し、かつ各カッターにはカッターアームを上
下回動自在に設け、ロックフレームの操作でケーシング
パイプに対する掘削機の高さを変更する工程と、カッタ
ーアームをすぼめた状態でケーシングパイプに対してカ
ッター部分を下方に移動して掘削する工程と、ケーシン
グパイプに対するカッター部分の上下移動を固定してカ
ッターアームを開きながら掘削する工程とを組み合わせ
て立坑を掘削する方法及び装置が記載されている。ま
た、複数のカッターはカッター部を同一高さに配置して
掘削を行うものであり、カッターアームを開いた状態で
はカッター同士が接触する可能性があるため、この干渉
を避けるために互いに同期制御されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次のような問題がある。
【0006】特開平6−146310号公報 (1)立坑のほぼ全断面を掘削するため複数のカッター
を備えており、立坑を掘る機械としては装備が大きく、
高価となる。立坑掘削装置は、掘削する距離が小さいた
め機械装備としてはできるだけ安価なものが望まれてい
る。
【0007】(2)隣合うカッターが同一高さに配置さ
れているため、一方のカッターの先端が他方のカッター
の中心部に干渉する距離以上には両カッターを近づける
ことはできず、カッター同士の接近した配置が制限され
る。このため、立坑断面を自由に設計することができな
い。
【0008】特開平4−62291号公報 (1)立坑のほぼ全断面を掘削するため複数のカッター
を備えており、立坑を掘る機械としては装備が大きく、
高価となる。立坑掘削装置は、掘削する距離が小さいた
め機械装備としてはできるだけ安価なものが望まれてい
る。
【0009】(2)ケーシングパイプ内にはカッターだ
けでなく駆動部も収納されている。このため、ケーシン
グパイプの直径は大型化せざるを得ず、カッター同士の
接近した配置が制限され、立坑断面を自由に設計するこ
とができない。
【0010】本発明の目的は、掘削装備を軽量化できか
つ立坑断面形状の設計の自由度の大きな立坑掘削方法及
び立坑掘削装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、カッター
を上方より垂設し、異形断面を持つ立坑を掘削する立坑
掘削方法において、前記カッターを第1の位置に設置し
て所定の深さ掘削し、次いで前記カッターを持ち上げ、
横移動し、第2の位置に設置して所定の深さ掘削し、少
なくともこれら2つの位置で前記手順を繰り返して立坑
を掘削するものである。
【0012】上記のようにカッターを横移動して複数の
位置で掘削することにより、少ないカッター本数、例え
ば1機のカッターでも異形断面の立坑を掘削することが
でき、掘削装備の軽量化が図れる。
【0013】また、カッターを横移動して異形断面の立
坑を掘削するので、立坑の断面形状に対する制限が減少
し、自由に立坑断面形状を設計することができる。
【0014】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記カッターにカッターすぼめ機構を設け、カッターの
掘削位置を第1の位置から第2の位置に変えるとき、こ
のカッターすぼめ機構によりカッターをすぼめて上方に
持ち上げ、横移動させるものとする。
【0015】このようにカッターをすぼめて持ち上げ、
横移動させることにより、カッターを持ち上げて横移動
させるとき、周囲の構造物、例えばケーソンの刃口に干
渉することなくカッターを動かせる。
【0016】(3)上記(2)において、好ましくは、
立坑にケーソンを設置し、このケーソンを降下させなが
ら掘削を行うとともに、前記カッターすぼめ機構により
カッターの掘削径を変えてケーソンの刃口抵抗を制御
し、ケーソンの方向修正を行う。
【0017】このようにカッターすぼめ機構を用いてケ
ーソンの方向修正を行うことにより、掘削方向がほぼ垂
直となる精度の良い掘削が可能となる。
【0018】(4)また、上記(2)において、好まし
くは、立坑にケーソンを設置し、このケーソンに隔壁を
設けて切羽を立坑から隔離して掘削を行うとともに、こ
の隔壁に前記カッターの横移動を可能とする挿入兼回収
穴を設けかつこの挿入兼回収穴の上部に切羽の水圧を保
持するためのシャフトを立設し、この挿入兼回収穴を退
避孔として利用し、前記すぼめたカッターをこの退避孔
及びシャフト内に退避させる。
【0019】このように隔壁を有するケーソンを用いる
掘削装置であっても、隔壁の挿入兼回収穴をカッターの
横移動を可能とする断面形状としかつシャフトの断面形
状も同じ形とし、挿入兼回収穴をカッターの退避孔とし
て利用することにより、(1)の掘削方法を実施でき
る。
【0020】(5)上記(1)において、好ましくは、
前記カッターを第2の位置に設置して所定の深さ掘削し
た後、前記カッターを持ち上げ、横移動し、前記第1の
位置と第2の位置との間の第3の位置に設置して所定の
深さ掘削するとともに、前記第1の位置、第2の位置、
第3の位置で均等掘削ができるようにこれらの各位置を
設定し、少なくともこれら3つの位置で前記手順を繰り
返して立坑を掘削する。
【0021】このようにカッターの掘削位置を設定し、
均等掘削を行うことにより、カッターはアンバランスな
横力を受けないで済むため、カッターの推進方向精度が
良くなる。
【0022】(6)また、上記目的を達成するために、
本発明は、カッターを上方より垂設し、異形断面を持つ
立坑を掘削する立坑掘削装置において、前記カッターに
連結され、少なくとも立坑の開口部付近まで伸びるカッ
ター駆動軸と、前記カッター駆動軸の上端付近を支持
し、カッター駆動軸をカッターと共に上下に動かすカッ
ター上下機構と、前記カッター駆動軸が貫通するカッタ
ー回転駆動装置と、前記カッター回転駆動装置を前記カ
ッターの上下方向と直角な横方向に移動可能に支持する
可動支持機構とを備えるものとする。
【0023】このようにカッター上下機構と、カッター
回転駆動装置をカッターの上下方向と直角な横方向に移
動可能に支持する可動支持機構とを設けることにより、
上記(1)の掘削方法を実施できる。
【0024】(7)上記(6)において、好ましくは、
前記カッターに掘削径を変更するカッターすぼめ機構を
設ける。
【0025】このようにカッターすぼめ機構を設けるこ
とにより、上記(2)のようにカッターの掘削位置を第
1の位置から第2の位置に変えるとき、カッターをすぼ
めて上方に持ち上げ、横移動させることができ、周囲の
構造物、例えばケーソンの刃口に干渉することなくカッ
ターを動かせる。
【0026】(8)上記(7)において、好ましくは、
立坑に設置されたケーソンを更に備え、このケーソンに
切羽を立坑から隔離する隔壁を設け、この隔壁に前記カ
ッターの横移動を可能とする挿入兼回収穴を設けかつこ
の挿入兼回収穴の上部に切羽の水圧を保持するためのシ
ャフトを立設し、この挿入兼回収穴をカッターの退避孔
として利用する。
【0027】これにより上記(4)のように、隔壁を有
するケーソンを用いる掘削装置であっても、(1)の掘
削方法を実施できる。
【0028】(9)上記(8)において、好ましくは、
前記カッターは前記挿入兼回収穴又はシャフトにより支
持されるスタビライザーを有する。
【0029】これによりカッターによる掘削が不均等掘
削であっても、不均等掘削により生じる横力をスタビラ
イザーで支持し、掘削方向を垂直方向に精度良く保つこ
とができる。
【0030】(10)また、上記(8)において、好ま
しくは、前記隔壁に、前記横移動可能なカッターを用い
て掘削したときの掘り残し部分を掘削できる位置に追加
のカッター挿入兼回収穴を設置し、この追加の挿入兼回
収穴にカッターを設置して当該掘り残し部分を掘削す
る。
【0031】これにより上記(1)の掘削で掘り残しが
あっても、その部分を掘削することができる。この場
合、もともとあるカッターを引き上げて投入すれば、追
加のカッターが不要となる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態を図1〜
図11により説明する。
【0033】図1において、1は断面長円形の立坑構築
物(ケーソン)であり、立坑構築物1は刃口2を備えた
下部ケーソン3、シールドハル4、セグメント5とから
なっている。下部ケーソン3には切羽22を立坑内から
隔離するための隔壁6が設けられている。また、シール
ドハル4の内側には推進ジャッキ8が設置され、更にそ
の内側の床上にはセグメント5を組み上げるためのエレ
クター9が装備されている。
【0034】立坑構築部1内には立坑構築物1の刃口2
の下側を掘削するためのカッター20が装備されてお
り、立坑構築物1の隔壁6には、このカッター20を挿
入、回収又は横移動するための長円形の穴(以下、回収
穴と呼ぶ)10が開いており、この回収穴10の上部に
はそれぞれ切羽22に水圧をかけその圧力を保持するた
めの同じく断面長円形のシャフト11が装着され、シャ
フト11の上端は大気中に開放されている。また、シャ
フト11の上部にはやぐら12が取り付けられ、その上
にカッター回転駆動装置であるロータリーテーブル13
が取り付けられている。
【0035】カッター20の上端はそれぞれ中空のカッ
ター駆動軸21に連結され、カッター駆動軸21はロー
タリーテーブル13を貫通して上方に伸び、上端でカッ
ター上下機構であるクレーン14に支持され、上方より
吊り下げられている。また、カッター駆動軸21はロー
タリーテーブル13の貫通部分でロータリーテーブル1
3により回転駆動される。
【0036】カッター20で掘削した土砂はカッター2
0の先端部の吸込口14よりサクションポンプ15によ
り吸い上げられ、カッター駆動軸21の中空部分、スイ
ベルジョイント23を介して地上の泥水処理設備に運ば
れ、土砂を排土し処理後の泥水は切羽22に還流する。
【0037】カッター20は、主カッター30とカッタ
ーすぼめ機構31とカッター拡径機構32とを装備して
おり、カッターすぼめ機構31とカッター拡径機構32
によりカッター20の掘削径を簡単に変えることができ
るようになっている。このようにカッター20の掘削径
を変えることにより、刃口2の下方の掘削範囲を変え、
刃口抵抗を制御することができる。また、カッターすぼ
め機構31でカッター20をすぼめてカッター20をク
レーン14で吊り上げることで、カッター20を隔壁6
の回収穴10に引き込み、横移動することができる。
【0038】また、図2に示すように、カッター20の
最大掘削半径と立坑構築物1の長円形の短軸側の半径は
ほぼ一致している。また、地山36自体の硬さのアンバ
ランスによる横力を受けてもカッター20が立坑構築物
1より大きく外れないように、スタビライザー37を装
備している。スタビライザー37はカッター20のセン
ターシャフト33の上端付近に設けられ、回収穴10又
はシャフト11の内壁に当接することで横力を支持す
る。
【0039】やぐら12は、シャフト11の上端に設け
られた可動機構50によりカッター20の上下方向と直
角な横方向に移動可能であり、やぐら12と可動機構5
0とによりロータリーテーブル(カッター回転駆動装
置)13を横方向に移動可能に支持する可動支持機構を
構成する。図3に可動機構50の詳細を示す。
【0040】可動機構50は、シャフト11の上端に設
けられたシャフトフランジ51と、やぐら12の下端に
設けられた井桁状の支持枠52を有し、シャフトフラン
ジ51には図示のような多数のボルト穴53が開けら
れ、支持枠52の四隅にはボルト貫通穴(図示せず)が
開けられて、これらボルト穴53及びボルト貫通穴にボ
ルト54を締結することにより支持枠52はシャフトフ
ランジ51上の任意の位置に固定されている。また、や
ぐら12を横移動する場合は、ボルト54を外してやぐ
ら12、カッター20、ロータリーテーブル13等をク
レーン14により一緒につり上げ、横方向に移動し、シ
ャフトフランジ51上の所定の位置に再度ボルト54で
固定する。なお、カッター20は吊られているのでやぐ
ら12の固定はボルト54でなくとも良い。例えば、カ
ッター20のトルク反力をとれれば良いので、ピンジョ
イントにしても構わない。
【0041】カッター20の詳細構造を図4〜図7によ
り説明する。
【0042】カッター20の主カッター30は、図4及
び図5に示すように、センターシャフト33の下端に放
射状に取付けられた4本のリブ33aと、リブ33aの
それぞれの先端に上下方向に折り曲げ自在にピン27に
より結合された4本の放射状のカッタースポーク33b
とを有し、カッタースポーク33bには図4に想像線3
3cで示すように一定距離下方に突出したカッタービッ
トが取付けられている。また、カッタースポーク33b
は、図6に示すようにこれらカッタースポーク33bを
すぼめたときに外径端部分の径が小さくなるように内径
端近傍に折り曲げ部33dを有している。カッタースポ
ーク33bを最大に拡げたときの外径寸法はケーソン1
の内径寸法より少し小さく作ってあり、これによりカッ
ター20はケーソン1の内面より内周側を掘削し、ケー
ソン1の刃口2の貫入抵抗を小さくする。
【0043】カッター拡径機構32は拡径カッター34
を有し、拡径カッター34は4本のカッタースポーク3
3bのうちの対向する2本の外径端部分にピン25によ
り上方に回転するにしたがって掘削径が増加するように
回転可能に取り付けられ、拡径カッター34の側面には
カッタースポーク33bに支持されたジャッキ35のピ
ストンがピン結合され、ジャッキ35を伸縮すると拡径
カッター34はピン25を中心として回転動作する。拡
径カッター34の回転中心であるピン25はケーソン1
の内周面より内周側に位置している。また、拡径カッタ
ー34の想像線34aで示すカッタービットの取付け形
状は、拡径カッター34の回転中心25からカッター刃
先までの距離が回転方向全周にわたってほぼ等しいか回
転方向内周側から外周側に行くにしたがって小さくなる
ような形状になっている。
【0044】拡径カッター34は縮径時にはカッタース
ポーク33bの外径の内側に完全に引き込まれ、拡径カ
ッター34を最大に拡径したときの外径寸法はケーソン
1の刃口2の外周寸法とほぼ同じになるように作ってあ
り、これにより拡径カッター34は、カッタースポーク
33bを最大に拡げたとき、ケーソン1の刃口2の下側
においてカッタースポーク33bの外側からケーソン1
の刃口2の外周までの間を掘削し、ケーソン1の刃口2
の貫入抵抗を更に小さくする。なお、刃口2の貫入抵抗
を更に下げるには、刃口外周より2〜3cm更に外周ま
で掘削できるようにビット34aの取付け半径を大きく
し、オーバカットできるようにする。
【0045】また、拡径カッター34はケーソン1の刃
口2の下側を掘削するため、ケーソン1が自重沈下して
きたとき拡径カッター34の上部にケーソン1の刃口2
がぶつかる。このような場合、拡径カッター34は上記
のように上方に回転するにしたがって掘削径が大きくな
るように取付けられているので下方に押されたときに内
周側に回転可能であり、刃口2の押し下げ力により内周
側に回転して引き込まれる。そして、特にこのとき、拡
径カッター34は回転中心25からカッター刃先までの
距離が回転方向全周にわたってほぼ等しいか回転方向内
周側から外周側に行くにしたがって小さくなるようなカ
ッター形状をしているため、刃口2の押し下げ力により
内周側にスムーズに回転して引き込まれ、拡径カッター
34がケーソン1の刃口2と地山の間に挾まれることを
確実に防止する。なお、カッタースポーク33bの最大
の外径寸法はケーソン1の内径寸法より小さく作ってあ
るので、ケーソン1の沈下時刃口2がカッタースポーク
23bにぶつかることはない。したがって、ケーソン1
が自重沈下してもカッターの破損が防止できる。
【0046】また、拡径カッター34は、カッタースポ
ーク33bをすぼめたときにセンターシャフト33と干
渉しない位置に取り付けられている。すなわち、カッタ
ースポーク33bの外径端には、カッタースポーク33
bをすぼめたときにセンターシャフト33と干渉するこ
となく交差するように、センターシャフト33に対して
所定距離L(図5参照)だけずれかつカッタースポーク
33bに対してL字状の角度をなして支持ブロック34
bが取付けられ、拡径カッター34は支持ブロック34
bの側面に取り付けられている。
【0047】カッタースポーク33bをピン27により
折曲げ自在に結合したリブ33aはセンターシャフト3
3の下端に取り付けられたボス47に連結され、カッタ
ースポーク33bは、図6に示すように、カッターすぼ
め機構31により4本ともピン27の部分で傘のように
折り畳むことができる。
【0048】カッターすぼめ機構31の詳細構造を図7
に示す。カッターすぼめ機構31は、センターシャフト
33に設けられたピストン部38a及びピストン部38
aに嵌め合い摺動するシリンダー部38bからなるカッ
ターすぼめジャッキ38と、カッターすぼめジャッキ3
8のシリンダー部38bをカッタースポーク33bに連
結する4本のアーム39とで構成され、アーム39はシ
リンダ部38bの外周に設けられたリブ38cにピン3
6aにより結合され、カッタースポーク33bにピン2
8により結合されている。カッターすぼめジャッキ38
のピストン部38aはセンターシャフト33をピストン
ロッドとしてその一部を太くしたものであり、シリンダ
部38bはスライド筒38dとその両端に位置するシリ
ンダーエンド38eとからなり、シリンダ部38b内に
おいてピストン部38aの上下にできる空間38f,3
8gに圧油を選択的に送り込むことにより、ピストン部
38aに対してシリンダ部38bを上下に動かし、カッ
タースポーク33bを含むカッター全体を傘のように開
閉することができる。
【0049】以上のようにカッタースポーク33bに折
り曲げ部33dを設け、かつ拡径カッター34をセンタ
ーシャフト33と干渉することなく交差できるように
し、更にカッターすぼめ機構31をコンパクトな構造と
したことにより、カッタースポーク23bをすぼめたと
きのカッター径が小さくなり、図6に示すように小さい
回収穴10からカッター20を容易に退避、回収、横移
動できる。
【0050】クレーン14はカッター駆動軸21を介し
てそれぞれのカッター20を吊っており、カッター20
の上下動及びカッター20の地山への押付け力の調整を
カッターの吊下げ位置及び吊下げ力調整によって行って
いる。地山によって異なるが、カッター20及びカッタ
ー駆動軸21の自重を最適量地山にかけると掘削効率が
良くなる。どの程度かけるかは、経験と試行錯誤により
決定する。
【0051】カッター駆動軸21はカッター20のセン
ターシャフト33に接続されるドリルパイプ21aと、
ドリルパイプ21aに接続されたケリーバパイプ21b
より構成されている。ドリルパイプ21aは掘削するに
つれてつなぎ足して行く。ケリーバパイプ21bは断面
四角形状をしており、この四角形状でロータリーテーブ
ル13に係合しカッター掘削トルクを伝えられる。
【0052】次に、上記立坑掘削装置を用いた掘削方法
を説明する。
【0053】まず、図1及び図2に示すように、立坑構
築物1の長円形断面の端部にカッター20の端部が合う
位置にカッター20を設置し、円形断面を所定の深さ掘
削する。
【0054】次に、すぼめ機構31によりカッター20
をすぼめ、ボルト54を外してやぐら12とシャフト1
1との連結を解除し、クレーン14によりやぐら12、
ロータリーテーブル13等と一緒にカッター20を所定
の深度まで持ち上げ、カッター20を退避孔10及びシ
ャフト11内に退避させる。次いで、やぐら12、カッ
ター20、ロータリーテーブル13等をクレーン9によ
り一緒に横移動させ、図8及び図9に示すようにカッタ
ー20の端部を立坑構築物1の長円形断面のもう一方の
端部に合わせて、再度やぐら12をシャフト11の頂部
にボルト54で固定する。そして、この位置でカッター
20を所定の深度まで下げ、所定の掘削径に広げ円形断
面を所定の深さ掘削する。
【0055】次に、同じ動作を繰り返して横移動を行
い、図10及び図11に示すように立坑構築物1の長円
形断面の中心部にカッター20を設置し、円形断面を所
定の深さ掘削する。
【0056】ここで、カッター20の設置位置は、立坑
構築物1の両端位置では掘削範囲が重複せず、中央位置
では両端位置のカッター20により掘り残された部分が
カッター中心に対して点対称となり、かつ隣合う位置で
はほぼカッターの長さ分、掘削範囲が重複するように設
定されている。
【0057】このようにカッター20の設置位置を設定
し、上記の順序で掘削を進めることで、カッター20は
カッター20中心に対して均等な掘削断面を持つことに
なり、掘削は均等掘削となり、カッター20はアンバラ
ンスな横力を受けないで済むため、カッター20の推進
方向精度が良くなる。また、このようにカッター20の
設置位置と掘削順序を決めて掘削しても掘り残し部35
が生じるが、それはシールドハル部4に配置された推進
ジャッキ8で刃口2を下へ押し込むことで圧入掘削す
る。
【0058】カッター20による掘削終了後、推進ジャ
ッキ8を伸ばし刃口2を下へ押し込み、掘り残し部35
を圧入掘削する。
【0059】所定の量掘削したところで推進ジャッキ8
の一部を縮め、その空いたスペースでセグメント5をエ
レクタ9により組み立て、立坑構築物1を築いていく。
【0060】以後は、これの繰り返しである。
【0061】以上の掘削工程において、地山が柔らかい
場合は、カッター20で掘削する範囲をカッター絞り機
構31による主カッター30の開度及びカッター拡径機
構32による拡径カッター34の開度の調整により行
い、自重落下しないようにする。
【0062】地山が硬い場合は、更に掘り残し部分の中
心にくるようにカッター20を横移動し、掘り残し部分
を掘削する。
【0063】立坑構築物1の全体の方向修正が必要な場
合は、カッターすぼめ機構31によるカッター20のす
ぼめ具合(主カッター30の開度)を図11でみて左端
位置での掘削の場合と右端位置での掘削の場合で変え
る。これにより刃口2の左端側と右端側とで刃口抵抗が
変わり、立坑構築物1の沈下の方向修正が可能となる。
更に細かい修正が必要な場合は、カッター20の設置位
置を端部に合わせず少し離す。また、スタビライザー3
7を外して、横移動方向に対し直角方向の移動できるよ
うにしてもよい。
【0064】工事終了後は、カッター20をすぼめ、回
収孔10より引き上げて回収する。
【0065】なお、カッター20の掘削半径と刃口2の
掘削半径を合わせてあるが、地山によっては推進ジャッ
キ8で掘り残しがあっても圧入で推進できると判断でき
る場合は、掘削断面を矩形形状としてもよい。
【0066】以上のように本実施形態によれば、1本の
カッター20を横移動して異形断面の立坑を掘削するの
で、掘削装備の軽量化を図れ、安価に異形断面の立坑を
掘削できると共に、立坑断面形状を自由に決めることが
でき、立坑断面形状の設計の自由度が向上する。
【0067】また、カッターすぼめ機構31及びカッタ
ー拡径機構32により各カッター20の掘削径を変える
ことにより、刃口抵抗を制御しケーソン1の方向修正を
行うことができ、掘削方向がほぼ垂直となる精度の良い
掘削が可能となる。
【0068】また、カッターすぼめ機構31を設け、か
つ隔壁6にカッター20の横移動を可能とする挿入兼回
収穴10を設けかつこの挿入兼回収穴10の上部に同じ
断面形状のシャフト11を立設し、この挿入兼回収穴1
0を退避孔として利用し、すぼめたカッター20を退避
孔10及びシャフト11内に退避させるので、本実施形
態のように隔壁6を有するケーソン1を用いる掘削装置
であっても、上記のようにカッター20を横移動し、異
形断面の立坑を掘削することができる。
【0069】更に、カッター20の掘削位置を、立坑構
築物1の両端位置では掘削範囲が重複せず、中央位置で
は両端位置のカッター20により掘り残された部分がカ
ッター中心に対して点対称となるように設定したので、
均等掘削が行え、カッター20はアンバランスな横力を
受けないで済むため、カッター20の推進方向精度が良
くなる。
【0070】本発明の第2の実施形態を図12及び図1
3により説明する。本実施形態は可動機構をラックとピ
ニオン構造として油圧モータでやぐらを横移動する例を
示すものである。
【0071】図12及び図13において、本実施形態の
可動機構50Aは、シャフト11の上端に設けられたシ
ャフトフランジ51Aと、シャフトフランジ51A上に
ボルトで固定された1対のラック60と、やぐら12の
下端に設けられた井桁状の支持枠52Aと、この支持枠
52Aのラック60の平行部に設置された1対の油圧モ
ータ61と、この油圧モータ61の出力軸に取り付けら
れ、ラック60と噛み合うピニオン62とを有してい
る。油圧モータ61が図示しない油圧回路により駆動さ
れるとピニオン62が回転し、やぐら23はカッター2
0(図1参照)とともにシャフト11上を横方向に移動
する。油圧モータ51を停止するとやぐら23及びカッ
ター20の横移動も停止し、カッター20はその停止位
置に設置される。
【0072】本実施形態によれば、カッター20の位置
を連続的に変え、カッター20の掘削位置を所望の位置
に設定することができる。
【0073】なお、上記実施形態では可動機構をラック
とピニオン構造として油圧モータでやぐら、カッター等
を横移動したが、ジャッキを水平方向に取り付けてシャ
フト11に反力をとって横移動してもよい。
【0074】本発明の第3の実施形態を図14により説
明する。本実施形態は、第1の実施形態より立坑断面が
大きく、カッター20の大きさの限界からカッター20
を2機に装備した場合のものである。
【0075】図14において、本実施形態の立坑構築物
1Bは、図2に示す第1の実施形態の立坑構築部1を2
つ並べて足し合わせた断面形状をしており、立坑構築物
1B内には立坑構築物1Bの刃口2(図1参照)の下側
を掘削するためのカッター20が2機装備されている。
また、立坑構築物1Bの隔壁6Bには2機のカッター2
0を挿入、回収し又は横移動するための2つの長円形の
回収穴10が開いており、これら回収穴10の上部には
それぞれ切羽22(図1参照)に水圧をかけその圧力を
保持するためのシャフト11が装着され、シャフト11
の上端には可動機構50(図1参照)が設けられてい
る。その他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0076】掘削方法は、1機のカッター20に注目す
ると第1の実施形態と同じである。しかし、対角上に各
々のカッター20を設置するように掘削するのがバラン
スの良い掘り方である。
【0077】本実施形態によれば、第1の実施形態より
も大きな断面形状の立坑を掘削することができる。
【0078】第3の実施形態の変形例を図15に示す。
本実施形態は、立坑構築物1Bの断面形状は第3の実施
形態と同じであるが、隔壁6Cの回収穴10C及びシャ
フト11Cの断面形状をH形とし、1機のカッター20
で全断面掘削を行えるようにしてある。その他の構成は
第1の実施形態と同じである。
【0079】本実施形態によれば、1機のカッター20
を用いて第3の実施形態と同じ形状の立坑を掘削するこ
とができる。
【0080】ここで、立坑構築物を図2に示す第1の実
施形態の立坑構築部1を3つ又はそれ以上並べて足し合
わせた断面形状にすれば、掘削される立坑の断面形状を
更に大きくできる。この場合、図15に示す実施形態で
は、カッター20は1機で済むためカッターにかかる費
用は図14に示す第3の実施形態よりも安価となる。し
かし、シャフト11Cは断面形状H形となるため、高価
になる。このため、経済性を考慮してカッター20装備
機数、シャフトの形状を決定する。
【0081】第3の実施形態の別の変形例を図16に示
す。本実施形態は、立坑構築物1D及び隔壁6Dの左右
両側の対辺をフラットにしたものである。本実施形態に
よれば、立坑構築物1Dの左右両側での掘り残し部は大
きくなるが、推進ジャッキ8(図1参照)の容量を大き
くして刃口2を下に押し込み、圧入掘削で掘り残し部を
掘削すればよい。
【0082】第3の実施形態の更に別の変形例を図17
により説明する。本実施形態は、図16の実施形態のよ
うに掘る場合に、予想に反して地山が硬く推進ジャッキ
8の容量が足りず、刃口の圧入が困難な場合の対処方法
である。隔壁6Dの掘り残し部に対応する2箇所の位置
に2個のカッター投入用の穴10Eとシャフト11Eを
設け、刃口2が推進不能になった場合は、追加の穴10
Eにカッター20を投入し、掘り残し部分を掘削する。
このように掘り残し部を適宜掘削することにより刃口2
の抵抗を小さくし、刃口2を確実に圧入する。
【0083】投入するカッターは、シャフト11Cに装
備されているカッター20を回収穴10Cよりクレーン
で抜いて、再投入してもよい。
【0084】また、最初から所定の深度の地山が硬く、
推進ジャッキ8の圧入掘削はできないことが予想される
場合は、図17の追加の穴10Eに予備カッターを装備
しておいてもよい。この場合は、カッターをすぼめて穴
10Eに引き上げておけば、もともとあるカッター20
の掘削の邪魔にならない。このように追加してカッター
20を近接配置できるのは、カッター20のすぼめ機構
31と退避孔10Eが装着されているためである。
【0085】本発明の第4の実施形態を図18〜図20
により説明する。本実施形態は、立坑断面が、長円であ
っても第1の実施形態と比較して小さい場合のカッター
配置を示すものである。図中、図1及び図2に示すもの
と同等の部材には同じ符号を付している。
【0086】図18において、本実施形態の立坑構築物
1Fは、図2に示す第1の実施形態のものより長辺側が
短い長円形の断面形状をしており、立坑構築部1F内に
は立坑構築物1Fの刃口2の下側を掘削するためのカッ
ター20(図1参照)が1機装備されている。また、立
坑構築物1Fの隔壁6Fにはカッター20を挿入、回収
し又は横移動するための回収穴10Fが開いており、回
収穴10Fの上部には切羽22(図1参照)に水圧をか
けその圧力を保持するためのシャフト11Fが装着さ
れ、シャフト11Fの上端には可動機構50(図1参
照)が設けられている。
【0087】また、カッター20の最大掘削半径と立坑
構築物1Fの長円形の短軸側の半径はほぼ一致してい
る。また、立坑構築物1Fの長円形の長軸の直径はカッ
ター20の直径の2倍よりも短いため、立坑構築物1F
の長円形断面の一方の端部側を掘削するときは掘削範囲
が円形の均等掘削となるが、その後、カッター20を横
移動し、他方の端部側を掘削するときは掘削範囲が円形
にならず、掘削範囲が非対称な不均等掘削となる。この
ため、カッター20はこの不均等掘削故に長円形断面の
長軸方向に横力を受ける。本実施形態のカッター20は
このような横力を受けても掘進方向が垂直方向から大き
く外れないように、ジャッキタイプのスタビライザー3
7Fを装備している。
【0088】スタビライザー37Fは、図19及び図2
0に示すように、センターシャフト33を所定の間隙7
7をもって取り囲む固定スタビライザー70と、シリン
ダ側で固定スタビライザー70に連結された対向する1
対のジャッキ71と、各ジャッキ71のロッド側にピン
結合され、かつシャフト11Fの内周面に押し当てられ
る当て板72にピン結合された連結フランジ73と、固
定スタビライザー70と連結フランジ73との間に配置
され、ジャッキ71を保護する入れ子式の内筒74及び
外筒75と、シャフト11Fの内周面に取り付けられ、
当て板72の落下を防止するストッパ76とで構成され
ている。
【0089】カッター20のセンターシャフト33は固
定スタビライザー70の中心部で回転する。1対のジャ
ッキ71を伸長すると、固定スタビライザー70は図示
の位置にしっかりと保持され、上記の横力を支持する。
カッター20を横移動させるときは、ジャッキ71を縮
める。このとき、当て板72はストッパ76に沿って横
移動する。
【0090】本実施形態によれば、不均等掘削であって
も確実にカッターを保持し、掘削方向を垂直方向に精度
良く保つことができる。
【0091】なお、上記実施形態では、カッター20が
受ける横力を支持するためジャッキタイプのスタビライ
ザー37Fを用いたが、スタピライザー自身は図1及び
図2に示すようなディスク型のスタピライザーを用い、
回収穴10F又はシャフト11F側にスタピライザーが
受ける横力を支持する進退可能な保持手段を設けてもよ
い。
【0092】本発明の第5の実施形態を図21により説
明する。本実施形態は立坑構築物の下部に隔壁のないオ
ープンケーソンを用いる立坑掘削装置に本発明を適用し
たものである。図中、図1に示すものと同等のものには
同じ符号を付している。
【0093】図21において、立坑構築物1Gは下部に
隔壁6(図1参照)を備えておらず、したがってシャフ
ト11(図1参照)も設けられていない。このため、地
表に基礎やぐら40を設置し、この基礎やぐら40の上
にロータリーテーブル13を取り付けたやぐら12を取
り付け支持する。また、シャフト11がないため、カッ
ター20のセンターシャフト33にスタピライザーも取
り付けられていない。その他の構成は第1の実施形態と
同じである。
【0094】立坑の掘削方法は、実質的に第1の実施形
態と同じである。ただし、隔壁がないので、カッター2
0を上げて横移動させるとき、カッター20はカッター
先端が刃口2に当たらない程度にすぼめればよい。
【0095】本実施形態によっても、オープンケーソン
を用いて第1の実施形態と同様に立坑を掘削することが
できる。
【0096】
【発明の効果】
(1)本発明によれば、掘削装備の軽量化が図れ、安価
に異形断面の立坑を掘削することができる。
【0097】(2)また、立坑断面形状を自由に決める
ことができ、立坑断面形状の設計の自由度が向上する。
【0098】(3)また、本発明によれば、カッターの
掘削径を変えることにより、刃口抵抗を制御しケーソン
1の方向修正を行うことができ、掘削方向がほぼ垂直と
なる精度の良い掘削が可能となる。
【0099】(4)また、本発明によれば、隔壁を有す
るケーソンを用いる掘削装置であっても、カッターを横
移動し、異形断面の立坑を掘削することができる。
【0100】(5)更に、本発明によれば、均等掘削が
行えるので、カッターはアンバランスな横力を受けない
で済むため、カッターの推進方向精度が良くなる。
【0101】(6)また、本発明によれば、不均等掘削
であっても、不均等掘削により生じる横力をジャッキ式
のスタビライザーで支持し、掘削方向を垂直方向に精度
良く保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による立坑掘削装置の
縦断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】可動機構の詳細を示す図1のIII−III線断面図
である。
【図4】カッター部分の拡大詳細図である。
【図5】図4に示すカッターの下方から見た図である。
【図6】図4に示すカッターのすぼめた状態を示す図で
ある。
【図7】図4に示すカッターのすぼめ機構の拡大断面図
である。
【図8】図1に示す立坑掘削装置による掘削方法の一工
程を示す図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図である。
【図10】図1に示す立坑掘削装置による掘削方法の他
の一工程を示す図である。
【図11】図10のXI−XI線断面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態による立坑掘削装置
の可動機構の正面図である。
【図13】図12に示す可動機構の側面図である。
【図14】本発明の第3の実施形態による立坑掘削装置
の図2に対応する断面図である。
【図15】第3の実施形態の変形例を示す図14と同様
な断面図である。
【図16】第3の実施形態の他の変形例を示す図14と
同様な断面図である。
【図17】第3の実施形態の更に他の変形例を示す図1
4と同様な断面図である。
【図18】本発明の第4の実施形態による立坑掘削装置
の図2に対応する断面図である。
【図19】図18に示す第4の実施形態のスタビライザ
ー部分の拡大図である。
【図20】図19のXX−XX線矢視図である。
【図21】本発明の第5の実施形態による立坑掘削装置
の縦断面図である。
【符号の説明】
1 立坑構築物(ケーソン) 2 刃口 6 隔壁 10 回収穴(退避孔) 11 シャフト 12 やぐら 13 ロータリーテーブル 14 クレーン(上下機構) 20 カッター 21 カッター駆動軸 31 カッターすぼめ機構 32 カッター拡径機構 33 センターシャフト 37 スタビライザー 37F ジャッキ式のスタビライザー 50 可動機構
フロントページの続き (71)出願人 000005522 日立建機株式会社 東京都千代田区大手町2丁目6番2号 (71)出願人 000201478 前田建設工業株式会社 東京都千代田区富士見2丁目10番26号 (72)発明者 松本 嘉司 東京都練馬区大泉学園町5丁目29番25号 (72)発明者 吉村 宗男 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 萩原 英樹 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 田中 猛 東京都港区北青山二丁目5番8号 株式会 社間組内 (72)発明者 土屋 清 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 石川 泰昭 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 植田 和憲 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 網代 秀一 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 飯島 理夫 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 日 立建機株式会社内 (72)発明者 古村 紀夫 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 日 立建機株式会社内 (72)発明者 北川 滋樹 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カッターを上方より垂設し、異形断面を持
    つ立坑を掘削する立坑掘削方法において、 前記カッターを第1の位置に設置して所定の深さ掘削
    し、次いで前記カッターを持ち上げ、横移動し、第2の
    位置に設置して所定の深さ掘削し、少なくともこれら2
    つの位置で前記手順を繰り返して立坑を掘削することを
    特徴とする立坑掘削方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の立坑掘削方法において、前
    記カッターにカッターすぼめ機構を設け、カッターの掘
    削位置を第1の位置から第2の位置に変えるとき、この
    カッターすぼめ機構によりカッターをすぼめて上方に持
    ち上げ、横移動させることを特徴とする立坑掘削方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の立坑掘削方法において、立
    坑にケーソンを設置し、このケーソンを降下させながら
    掘削を行うとともに、前記カッターすぼめ機構によりカ
    ッターの掘削径を変えてケーソンの刃口抵抗を制御し、
    ケーソンの方向修正を行うことを特徴とする立坑掘削方
    法。
  4. 【請求項4】請求項2記載の立坑掘削方法において、立
    坑にケーソンを設置し、このケーソンに隔壁を設けて切
    羽を立坑から隔離して掘削を行うとともに、この隔壁に
    前記カッターの横移動を可能とする挿入兼回収穴を設け
    かつこの挿入兼回収穴の上部に切羽の水圧を保持するた
    めのシャフトを立設し、この挿入兼回収穴を退避孔とし
    て利用し、前記すぼめたカッターをこの退避孔及びシャ
    フト内に退避させることを特徴とする立坑掘削方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の立坑掘削方法において、前
    記カッターを第2の位置に設置して所定の深さ掘削した
    後、前記カッターを持ち上げ、横移動し、前記第1の位
    置と第2の位置との間の第3の位置に設置して所定の深
    さ掘削するとともに、前記第1の位置、第2の位置、第
    3の位置で均等掘削ができるようにこれらの各位置を設
    定し、少なくともこれら3つの位置で前記手順を繰り返
    して立坑を掘削することを特徴とする立坑掘削方法。
  6. 【請求項6】カッターを上方より垂設し、異形断面を持
    つ立坑を掘削する立坑掘削装置において、 前記カッターに連結され、少なくとも立坑の開口部付近
    まで伸びるカッター駆動軸と、 前記カッター駆動軸の上端付近を支持し、カッター駆動
    軸をカッターと共に上下に動かすカッター上下機構と、 前記カッター駆動軸が貫通するカッター回転駆動装置
    と、 前記カッター回転駆動装置を前記カッターの上下方向と
    直角な横方向に移動可能に支持する可動支持機構とを備
    えることを特徴とする立坑掘削装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の立坑掘削装置において、前
    記カッターに掘削径を変更するカッターすぼめ機構を設
    けたことを特徴とする立坑掘削装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の立坑掘削装置において、立
    坑に設置されたケーソンを更に備え、このケーソンに切
    羽を立坑から隔離する隔壁を設け、この隔壁に前記カッ
    ターの横移動を可能とする挿入兼回収穴を設けかつこの
    挿入兼回収穴の上部に切羽の水圧を保持するためのシャ
    フトを立設し、この挿入兼回収穴をカッターの退避孔と
    して利用することを特徴とする立坑掘削装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の立坑掘削装置において、前
    記カッターは前記挿入兼回収穴又はシャフトにより支持
    されるスタビライザーを有することを特徴とする立坑掘
    削装置。
  10. 【請求項10】請求項8記載の立坑掘削装置において、
    前記隔壁に、前記横移動可能なカッターを用いて掘削し
    たときの掘り残し部分を掘削できる位置に追加のカッタ
    ー挿入兼回収穴を設置し、この追加の挿入兼回収穴にカ
    ッターを設置して当該掘り残し部分を掘削することを特
    徴とする立坑掘削装置。
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